傷害事件を起こしてしまい、「傷害罪の時効は何年なのか」「事件から数年経っているが、今でも逮捕される可能性はあるのか」と不安を抱えている方もいるでしょう。また、被害届が提出されていない場合や示談が成立した場合に、時効や刑事手続へどのような影響があるのか分からず、対応に迷っている方も少なくありません。
この記事では、傷害罪の公訴時効の期間や起算点をはじめ、事件から時間が経過した後でも逮捕される可能性、被害届や示談と時効との関係、時効が完成した後の法的な扱い、さらに民事上の損害賠償請求との違いについて解説します。傷害事件を起こしてしまった場合に取るべき対応についても説明します。
時効について誤った認識のまま自己判断で対応すると、時効が完成していないにもかかわらず捜査や逮捕の対象となる可能性があります。また、示談の機会を逃した結果、刑事手続やその後の処分に不利な影響を受けることも考えられます。まずは傷害罪の時効に関する基本的なルールを理解し、ご自身の状況に応じた適切な対応を検討しましょう。
なお、傷害事件の弁護士については、以下の記事で詳細に解説しています。
傷害罪で弁護士に相談するメリットや聞いておくべきこととは?費用相場や事務所選びまで解説
この記事の監修者
藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介
全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。
傷害罪の時効は10年|まず知っておきたい結論
傷害罪の公訴時効は10年
傷害罪の公訴時効は10年です。公訴時効とは、検察官が公訴を提起(起訴)できる期間をいいます。
公訴時効の期間は、犯罪ごとの法定刑を基準として刑事訴訟法で定められています。 傷害罪の法定刑は15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金であり、この法定刑に対応する公訴時効は10年です。
時効が完成すると起訴できない
公訴時効が完成すると、検察官は傷害罪について起訴できません。 そのため、公訴時効が完成した傷害事件については、刑事裁判で刑事責任を問われることはありません。
もっとも、時効が完成する前であれば、事件から数年が経過していても捜査や逮捕が行われる可能性があります。事件から長期間経過していることだけを理由に、「すでに時効が完成している」と自己判断することは避けるべきです。
被害者のけがが重いほど時効が長くなるわけではない
公訴時効の期間は、被害者のけがの程度ではなく、事件で成立する犯罪とその法定刑によって決まります。 そのため、全治期間が長い傷害事件であっても、それだけで公訴時効が長くなるわけではありません。
一方で、被害者が死亡した場合には、傷害罪ではなく傷害致死罪など別の犯罪が成立する可能性があります。成立する罪名が変われば法定刑も変わるため、公訴時効の期間も異なります。 時効期間を判断する際は、けがの程度だけではなく、最終的にどの犯罪が成立するかを確認することが重要です。
公訴時効の完成後は、現実的には逮捕を含む捜査自体が行われないことになるのが通常です。
傷害罪とは?時効を理解する前に押さえたい基礎知識
傷害罪が成立する条件
傷害罪は、人の身体を傷害した場合に成立する犯罪です。典型例としては、殴る、蹴る、物を投げつけるなどの暴行によって被害者がけがを負ったケースが挙げられます。けがには、骨折や切り傷だけでなく、打撲や捻挫など比較的軽いものも含まれます。
傷害罪が成立するかどうかは、暴行によって被害者の生理的機能や健康状態が害されたかという点を基準に判断されます。そのため、全治期間が短い場合でも、暴行によって傷害結果が生じたと認められれば、傷害罪が成立する可能性があります。
傷害罪の法定刑
傷害罪の法定刑は、15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。
法定刑とは、法律で定められた刑罰の範囲をいいます。実際にどのような処分が科されるかは事件ごとに異なりますが、公訴時効の期間は、この法定刑を基準として刑事訴訟法で定められています。
暴行罪との違い
暴行罪と傷害罪の違いは、傷害結果が生じたかどうかです。
例えば、人を突き飛ばしたものの傷害結果が生じなかった場合には、暴行罪が成立する可能性があります。一方、同じ行為によって打撲や擦り傷などの傷害結果が生じた場合には、傷害罪として扱われます。
この違いは、公訴時効の期間にも影響します。 暴行罪と傷害罪では法定刑が異なるため、公訴時効の期間も同じではありません。まずは、自分の事件がどちらの犯罪に当たるのかを確認することが重要です。
傷害の程度によって時効期間は変わる?
傷害罪として成立する限り、公訴時効は被害者のけがの程度だけでは変わりません。 全治1週間でも全治3か月でも、成立する犯罪が傷害罪であれば、公訴時効は10年です。
一方で、事件の内容によって傷害罪以外の犯罪が成立する場合には、公訴時効の期間も変わります。 時効を判断する際は、けがの重さだけではなく、最終的にどの犯罪が成立するのかを確認することが大切です。
傷害罪の公訴時効はいつから始まる?
公訴時効は犯罪行為が終わった時から進行する
傷害罪の公訴時効は、犯罪行為が終わった時から進行します。 傷害罪は継続して成立する犯罪ではないため、暴行が終了し、犯罪行為が終わった時点が公訴時効の起算点となるのが原則です。
例えば、その場で相手を殴って打撲を負わせた事件であれば、暴行が終わった時点から公訴時効が進行します。公訴時効の期間は、この起算点を基準に計算されます。
治療期間や示談交渉によって時効の開始時期は変わらない
被害者の治療が長期間続いていても、公訴時効の起算点は変わりません。 全治1週間でも全治6か月でも、公訴時効は犯罪行為が終わった時から進行します。
また、示談交渉をしていることを理由に、公訴時効の進行が止まったり、起算点が後ろにずれたりすることもありません。 示談は処分に影響することがありますが、公訴時効の進行とは別の問題です。
公訴時効が停止する場合もある
公訴時効は、法律で定められた事由がある場合には進行が停止します。
例えば、犯人が国外にいる期間については、公訴時効が停止する場合があります。そのため、事件発生から10年が経過していても、公訴時効が完成していないことがあります。
「事件から10年経過したから時効が完成した」と判断することはできません。 時効が完成しているかどうかは、公訴時効の起算点や停止事由の有無を踏まえて判断する必要があります。
傷害事件から数年後でも逮捕される可能性はある?
公訴時効が完成する前であれば数年前の事件でも逮捕されることがある
事件から数年が経過していても、公訴時効が完成していなければ逮捕される可能性があります。 「何年も警察から連絡がないから時効になったはずだ」と自己判断するのは危険です。
逮捕されるかどうかは、事件からどれだけ時間が経過したかではなく、犯罪の嫌疑があり、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるかなどの事情を踏まえて判断されます。 そのため、公訴時効が完成する前であれば、数年前の傷害事件であっても逮捕されることがあります。
時間が経ってから事件が発覚するケースもある
傷害事件は、事件発生から時間が経過した後に発覚することもあります。
例えば、被害者が後日被害届や告訴を提出した場合や、防犯カメラ映像、第三者からの通報、SNSへの投稿などをきっかけに事件が判明することがあります。また、別事件の捜査の過程で関係者の供述から過去の傷害事件が明らかになるケースもあります。
事件の発覚が遅れたとしても、公訴時効が完成していなければ捜査や逮捕の対象になります。 「今まで何も連絡がなかった」という事情だけで、公訴時効が完成したとはいえません。
在宅事件として捜査が進むこともある
傷害事件では、逮捕されずに在宅事件として捜査が進むケースも少なくありません。 例えば、住所や身元が判明しており、任意の呼び出しにも応じている場合には、逮捕せずに捜査が進められることがあります。
一方で、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合には、事件から時間が経過していても逮捕される可能性があります。 逮捕されるかどうかは、経過年数だけではなく、捜査への対応状況や事件の内容なども踏まえて判断されます。
警察から連絡があったら放置せず対応する
警察から任意の事情聴取を求められた場合でも、任意捜査だからといって事件が終了したわけではありません。 捜査の結果によっては、検察庁へ事件が送致され、その後に起訴・不起訴が判断されます。
また、捜査の初期段階で事実関係を整理し、示談が可能かどうかを検討することは、その後の処分に影響することがあります。警察から連絡を受けた場合は放置せず、早い段階で弁護士へ相談し、今後の対応方針を検討することが重要です。
傷害事件は、後から証拠が多く見つかるような事件でないことが多いため、基本的には時間が経てば経つほど新たに捜査される可能性は低下する傾向にあります。
被害届が出ていなくても傷害罪で捜査される?
傷害罪は親告罪ではない
傷害罪は親告罪ではありません。 そのため、被害者が告訴をしていなくても、検察官は傷害罪で起訴することができます。
親告罪では、告訴がなければ起訴することができません。一方、傷害罪では告訴は起訴の条件ではないため、告訴がなくても刑事手続が進むことがあります。
被害届が提出されていなくても捜査が始まることがある
被害届は、警察が犯罪の被害を認知する重要な契機の一つです。 もっとも、被害届が提出されていなくても、警察が傷害事件の発生を認知すれば、職権で捜査を開始することができます。
例えば、警察官が現場に臨場して事件を認知した場合や、第三者からの通報、防犯カメラ映像などから犯罪の疑いが判明した場合には、被害届がなくても捜査が進められることがあります。
そのため、「被害届が提出されていないから捜査されない」と考えることはできません。 被害届がなくても、警察が事件を認知すれば傷害事件として捜査が行われる可能性があります。
被害届と告訴の違い
被害届と告訴は異なる制度です。
被害届は、犯罪の被害に遭った事実を警察などへ届け出るものです。一方、告訴は、犯罪事実を申告するとともに、犯人の処罰を求める意思表示をいいます。
傷害罪では、被害届や告訴が提出されていることは捜査や処分の判断材料になりますが、告訴がないことだけを理由に起訴できなくなるわけではありません。
被害者が処罰を望んでいなくても捜査が行われることがある
被害者が処罰を望んでいなくても、傷害罪として捜査が行われることがあります。
もっとも、被害者の処罰感情や示談の成立は、検察官が起訴・不起訴を判断する際の重要な事情になります。そのため、被害者が処罰を望んでいないことや示談が成立していることは、不起訴処分などを検討するうえで有利な事情として考慮される可能性があります。
実際の捜査の運用としては、被害者からの被害申告をきっかけにすることが一般的です。場合によっては、捜査機関側から積極的に被害者の意向を確認したり、被害申告を促したりするケースもあり得ます。
示談をすると傷害罪の時効や処分はどう変わる?
示談をしても公訴時効の期間は変わらない
示談が成立しても、公訴時効の期間や起算点は変わりません。 公訴時効は刑事訴訟法によって定められている制度であり、示談の有無によって進行が止まったり、期間が短くなったり長くなったりすることはありません。
そのため、示談が成立したからといって公訴時効が完成するわけではなく、反対に示談交渉が長引いたからといって公訴時効の進行が止まることもありません。示談と公訴時効は、それぞれ別の制度として考える必要があります。
示談は不起訴処分などを判断する重要な事情になる
示談が成立すると、不起訴処分となる可能性が高まります。 傷害罪は被害者が存在する犯罪であるため、被害回復が図られているかどうかは、検察官が起訴・不起訴を判断する際の重要な考慮要素です。
特に、被害者が示談に応じ、処罰を望まない意思を示している場合は、加害者に有利な事情として評価されることがあります。ただし、示談が成立すれば必ず不起訴になるわけではなく、けがの程度、犯行態様、前科・前歴の有無なども含めて総合的に判断されます。
示談は早い段階で進めることが望ましい
示談は、できるだけ早い段階で進めることが重要です。 捜査や起訴の判断が行われる前に示談が成立すれば、検察官が事件を処理する際に考慮される可能性があります。
一方で、起訴された後に示談が成立した場合でも、量刑を判断する際の有利な事情として考慮されることがあります。しかし、一般的には、示談は早期に成立している方が刑事手続への影響は大きいと考えられています。
示談交渉は弁護士を通じて進めることが多い
被害者が加害者本人との直接交渉を望まないケースは少なくありません。 そのため、実務では弁護士を通じて示談交渉が行われることが多くあります。
また、警察や検察が加害者に被害者の連絡先を教えることは通常ありません。そのため、示談を希望する場合は、弁護士を通じて被害者との連絡や示談交渉を進めることが現実的な方法となります。
傷害罪で時効完成を待つのは現実的なのか?
時効完成を待つことには大きなリスクがある
傷害罪で時効完成を待つことは、現実的な対応とはいえません。 傷害罪の公訴時効は10年であり、その間は捜査や逮捕、起訴の可能性があります。時効完成まで何も対応しないという選択は、長期間にわたって刑事手続の対象となるリスクを抱え続けることを意味します。
また、事件発生から時間が経過していても、公訴時効が完成していなければ捜査が始まることがあります。「何年も警察から連絡がないから、このまま時効になるだろう」と考えて対応を先送りにすることは避けるべきです。
示談の機会を逃すおそれがある
時間の経過によって、示談が成立しにくくなることがあります。
事件から長期間が経過すると、被害者の転居や連絡先の変更によって連絡が取れなくなることがあります。また、時間の経過によって被害感情が悪化したり、加害者への不信感が強くなったりして、示談交渉がまとまりにくくなるケースもあります。
そのため、示談による解決を目指すのであれば、できるだけ早い段階で対応することが重要です。
捜査が始まってからでは対応が限られることもある
警察から事情聴取の連絡を受けたり、逮捕されたりしてから対応を始めると、取れる選択肢が限られる場合があります。
例えば、捜査が進んでから示談交渉を始めても、検察官が起訴・不起訴を判断する時期に間に合わないことがあります。また、事実関係を十分に整理しないまま事情聴取を受けると、その後の刑事手続に影響を及ぼす可能性もあります。
傷害事件を起こしてしまった場合は、時効の完成を待つのではなく、早い段階で今後の対応方針を検討することが重要です。
時効が完成する前に弁護士へ相談することが重要
弁護士へ早めに相談することで、事件の見通しや取るべき対応を整理できます。
具体的には、公訴時効がいつ完成するのか、示談を進める余地があるのか、警察や検察への対応をどのように進めるべきかについて助言を受けることができます。
また、事件の内容によっては、弁護士が被害者との示談交渉を行うことで、早期解決につながる場合もあります。時効の完成を待つことを前提に行動するのではなく、事件の状況に応じた対応を検討することが大切です。
公訴時効の期間は長いので、早期から時効の完成を目指す動きを取っていくことはあまり現実的ではありません。
傷害罪の時効が完成したらどうなる?
公訴時効が完成すると起訴できなくなる
公訴時効が完成すると、検察官は傷害罪について公訴を提起することができません。 そのため、公訴時効が完成した傷害事件については、傷害罪として刑事裁判にかけられることはありません。
また、公訴時効完成後に傷害罪で起訴することは認められていないため、公訴時効が完成した事件について傷害罪で有罪の裁判を受けることもありません。
公訴時効が完成しても民事上の責任は残ることがある
公訴時効が完成しても、損害賠償責任まで当然になくなるわけではありません。
刑事事件の公訴時効と、民事上の損害賠償請求権の時効は別の制度です。そのため、公訴時効が完成していても、民事上の時効が完成していなければ、慰謝料や治療費などの損害賠償を請求される可能性があります。
もっとも、民事上の損害賠償請求にも時効があるため、永久に請求を受け続けるわけではありません。 民事上の時効については、次のH2で詳しく解説します。
時効が完成しているかどうかは慎重に判断する必要がある
公訴時効が完成しているかどうかは、自分で判断しないことが重要です。
公訴時効は、単純に事件から10年が経過したかどうかだけで判断できるものではありません。起算点や停止事由によっては、自分では時効が完成していると思っていても、実際には完成していないことがあります。
そのため、時効が完成していることを前提に行動するのではなく、判断に迷う場合は弁護士へ相談し、公訴時効が完成しているかどうかを確認することが大切です。
公訴時効の完成は、行ったことの責任がなくなるという意味ではない点に十分注意しましょう。
傷害事件の損害賠償請求にも時効がある
刑事の公訴時効と民事の消滅時効は別の制度
刑事事件の公訴時効と、民事上の損害賠償請求権の消滅時効は別の制度です。公訴時効は検察官が起訴できる期間を定めた制度ですが、消滅時効は被害者が損害賠償を請求できる期間を定めた制度です。
そのため、傷害罪の公訴時効が完成していても、民事上の消滅時効が完成していなければ、損害賠償を請求される可能性があります。 刑事事件が終了したとしても、民事上の責任まで当然に消滅するわけではありません。
傷害事件の損害賠償請求権の消滅時効
傷害事件に基づく損害賠償請求権は、被害者が損害および加害者を知った時から5年間、また、不法行為の時から20年間で時効により消滅します。
もっとも、傷害事件で壊れた眼鏡や衣類などの物損について損害賠償を請求する場合は、その物損部分については、被害者が損害および加害者を知った時から3年間で消滅時効にかかります。
そのため、傷害事件では通常は5年の消滅時効が問題となりますが、物損も併せて請求する場合には、請求内容によって適用される時効期間が異なることがあります。
時効の完成が猶予・更新されることもある
民事上の消滅時効は、一定の場合には完成が猶予されたり、更新されたりします。
例えば、裁判上の請求をした場合や、加害者が債務を承認した場合などには、時効の完成猶予・更新が生じることがあります。そのため、事件から5年が経過したという事情だけで、消滅時効が完成したと判断することはできません。
民事上の消滅時効が完成しているかどうかは、請求の経過や当事者の対応も踏まえて判断する必要があります。
刑事事件とは別に民事対応も検討する必要がある
傷害事件では、刑事事件と民事事件は別々に進みます。
そのため、公訴時効が完成した場合や不起訴処分となった場合でも、民事上の損害賠償請求を受ける可能性があります。一方で、示談が成立すれば、刑事事件だけでなく民事上の紛争もまとめて解決できることがあります。
刑事手続だけではなく、損害賠償への対応も見据えて行動することが重要です。
傷害事件を起こしてしまったときに取るべき対応
事実関係を整理し、警察への対応を検討する
傷害事件を起こしてしまった場合は、まず事実関係を正確に整理することが重要です。 いつ、どこで、誰に対して、どのような行為をしたのか、被害者のけがの状況や当時のやり取りなどをできる限り整理しておきましょう。
警察から事情聴取を求められた場合は、事実関係を十分に確認しないまま説明することは避けるべきです。 供述内容は、その後の捜査や処分にも影響するため、不明な点がある場合には弁護士へ相談した上で対応を検討することをおすすめします。
被害者との示談を検討する
被害者との示談は、刑事処分や民事上の紛争の解決につながる重要な対応です。
もっとも、加害者本人が直接被害者へ連絡すると、かえってトラブルが大きくなったり、被害者が精神的な負担を感じたりするおそれがあります。また、警察や検察が被害者の連絡先を教えることは通常ありません。
そのため、示談を希望する場合は、弁護士を通じて交渉を進めることが望ましいといえます。
時効を待つことを前提に行動しない
「そのうち時効になるだろう」と考えて何もしないことは、おすすめできません。
公訴時効が完成する前であれば、事件から数年が経過していても捜査や逮捕が行われる可能性があります。また、時間の経過によって示談が難しくなることもあります。
事件が発覚していないことと、公訴時効が完成していることは別の問題です。 時効だけを意識して対応を先送りにするのではなく、事件の状況に応じて適切な対応を取ることが重要です。
早めに弁護士へ相談する
傷害事件では、早い段階で弁護士へ相談することが重要です。
弁護士は、事情聴取への対応方法や示談交渉、公訴時効の確認など、事件の状況に応じた助言を行います。また、被害者との示談交渉を代理し、早期解決を目指すことも可能です。
早期に対応を開始することで、より多くの選択肢を確保できる場合があります。 傷害事件を起こしてしまった場合は、一人で判断せず、できるだけ早く弁護士へ相談することをおすすめします。
傷害事件の刑事処分は、被害者の意向を非常に強く反映することが通常です。当事者間の解決を目指すことの重要性がとても大きいと言えます。
傷害罪の時効に関するよくある質問
傷害罪の時効は何年ですか?
傷害罪の公訴時効は10年です。公訴時効は、検察官が起訴できる期間を定めた制度であり、傷害罪では犯罪行為が終わった時から原則として10年間進行します。
傷害罪は何年経てば逮捕されませんか?
「事件から何年経てば逮捕されない」と一概にいうことはできません。 公訴時効が完成していなければ、事件から数年が経過していても逮捕される可能性があります。また、逮捕されるかどうかは、逃亡や証拠隠滅のおそれなども考慮して判断されます。
被害届が出ていなければ傷害罪にはなりませんか?
なりません。 傷害罪は親告罪ではないため、被害届や告訴がなくても、警察が事件を認知すれば捜査が始まることがあります。
示談をすれば傷害罪は時効になりますか?
なりません。 示談をしても、公訴時効の期間や起算点は変わりません。ただし、示談が成立すると、不起訴処分や量刑の判断において有利な事情として考慮されることがあります。
傷害罪の公訴時効が完成したら損害賠償も請求されませんか?
公訴時効が完成しても、直ちに損害賠償請求ができなくなるわけではありません。 刑事事件の公訴時効と民事上の消滅時効は別の制度であり、民事上の消滅時効が完成していなければ、損害賠償を請求される可能性があります。
まとめ
傷害罪の公訴時効は10年であり、犯罪行為が終わった時から進行します。事件から長期間が経過していても、公訴時効が完成していなければ、捜査や逮捕、起訴が行われる可能性があります。
また、示談をしても公訴時効の期間は変わりませんが、不起訴処分や量刑の判断に影響することがあります。一方で、公訴時効が完成しても、民事上の損害賠償請求権の消滅時効とは別の制度であるため、直ちに損害賠償責任までなくなるわけではありません。
傷害事件では、時効の完成を待つことを前提に行動するのではなく、できるだけ早い段階で適切な対応を取ることが重要です。警察から連絡を受けた場合や、示談を進めたい場合には、早めに弁護士へ相談することで、事件の状況に応じた対応を検討できます。
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