不同意性交等罪の疑いをかけられた場合、「起訴される可能性はどのくらいあるのか」「不起訴になるためには何をすればよいのか」と不安に感じる方も多いでしょう。

法務省の検察統計によると、令和6年(2024年)における不同意性交等の起訴率は35.5%です。不起訴となった事件の方が多いものの、嫌疑不十分となった事件と、犯罪事実を立証できるものの起訴猶予となった事件では、不起訴となった理由が異なります。そのため、単純に「約65%は不起訴になる」と考えることはできません。

また、不同意性交等罪では、被害者の供述や客観的証拠の内容、示談の成否などによって起訴・不起訴の判断が大きく変わります。 対応が遅れると、示談交渉や有利な証拠の確保が難しくなり、起訴を回避するために取れる手段が限られてしまうおそれもあります。

この記事では、不同意性交等罪の最新の起訴率・不起訴率を踏まえ、起訴・不起訴となるケース、起訴された場合の流れ、不起訴を目指すための対応や弁護活動について解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

不同意性交罪とは

不同意性交等罪とは、相手の同意を得ずに性的な行為を行うことを犯罪として規定した法律です。

刑法第百七十七条

前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。

引用:e-Gov法令検索

暴行や脅迫の有無だけでなく、相手が自由な意思で同意しているかどうかが重要な判断基準となります。

そのため、相手の心理的または身体的な状態を利用して同意を得ないまま性行為に及ぶ行為が含まれるでしょう。

仮に不同意性交(強制性交)罪に該当する場合、5年以上20年以下の懲役となります。

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不同意性交等罪の起訴率はどのくらい?

法務省の検察統計によると、令和6年(2024年)における不同意性交等の起訴率は35.5%です。起訴人員は1,165人、不起訴人員は2,116人であり、検察官が起訴または不起訴の処分をした人員のうち、起訴されたのは約3人に1人となっています。

処分人数割合
起訴1,165人35.5%
起訴猶予800人24.4%
嫌疑不十分1,289人39.3%
その他の不起訴27人0.8%
合計3,281人100%

もっとも、不起訴となった64.5%の事件が、すべて同じ理由で処分されたわけではありません。 不起訴人員のうち1,289人は嫌疑不十分であり、犯罪事実を刑事裁判で立証するだけの証拠が足りないと判断された事件です。一方、800人は起訴猶予であり、犯罪事実を立証できるものの、諸事情を考慮して起訴を見送られた事件です。

嫌疑不十分となる事件には、性交等があったこと自体には争いがなくても、同意の有無に関する双方の説明が食い違い、被害申告を裏付ける証拠が不足している事件が含まれます。交際相手や元交際相手、夫婦などの間で、別れ話、浮気、金銭問題その他の男女間トラブルが生じ、その延長で警察への相談や被害申告に至る場合もあります。このような事件では、申告があったという事実だけで犯罪の成立が認められるのではなく、メッセージの履歴、行為前後の言動、周囲への相談状況などから、不同意性交等罪を立証できるかが検討されます。

他方、起訴猶予は、犯罪事実の立証が困難であることを理由とする処分ではありません。 犯罪の成立を前提に、示談による被害回復、被害者の処罰感情、反省状況、前科・前歴、行為の態様などを踏まえ、刑事裁判にかける必要がないと判断された場合の処分です。示談は法律上の必須条件ではありませんが、不同意性交等罪のように被害者の意思や被害回復が重視される事件では、示談が成立していることが起訴猶予を得るための重要な事情になりやすいといえます。

不同意性交等罪で起訴になるケース

不同意性交等罪で起訴されるかどうかは、警察に事件化されたという事実だけで決まるものではありません。検察官は、犯罪事実を有罪として立証できるだけの証拠があるかを検討した上で、起訴猶予とする事情があるかを総合的に判断し、起訴・不起訴を決定します。そのため、次のような事情が認められる事件では、起訴される可能性が高くなります。

客観的証拠で犯罪が立証できるケース

客観的証拠によって犯罪事実を立証できる事件では、起訴される可能性が高くなります。

不同意性交等罪では、当事者双方の供述だけでなく、供述を裏付ける客観的証拠が重視されます。例えば、LINEなどのメッセージのやり取り、防犯カメラ映像、ホテルや店舗の利用記録、位置情報、DNA鑑定結果、診断書などは、事件当時の状況を客観的に示す重要な証拠です。

これらの証拠によって、性交等があった事実に加え、不同意性交等罪の構成要件に該当する事情を立証できる見込みが高い場合には、検察官は有罪立証が可能と判断し、起訴する傾向があります。

反対に、客観的証拠が乏しく、供述以外に犯罪事実を裏付ける資料が十分でない場合には、嫌疑不十分として不起訴となる可能性があります。

被害者の供述の信用性が高いケース

被害者の供述の信用性が高い事件も、起訴される可能性が高いと考えられます。

不同意性交等罪は密室で行われることが少なくなく、直接的な目撃証言が存在しない事件も多くあります。そのため、検察官は供述の内容を詳細に検討し、具体性・一貫性・客観的証拠との整合性などを踏まえて信用性を判断します。

例えば、供述内容に不自然な変遷がなく、事件直後の相談内容やメッセージの履歴、診察結果などとも整合している場合には、供述の信用性が高いと評価されやすくなります。

一方で、供述内容が大きく変遷していたり、客観的証拠と矛盾していたりする場合には、信用性が低下し、犯罪事実を立証することが困難となることがあります。

起訴猶予となる事情が認められないケース

犯罪事実を立証できる事件であっても、直ちに起訴されるわけではありません。 検察官は、犯罪の軽重や犯行後の事情などを踏まえ、起訴猶予とすることが相当かどうかも判断します。

例えば、示談が成立していない、十分な被害回復がされていない、被害者の処罰感情が強い、反省状況が不十分である、同種前科・前歴があるといった事情が認められる事件では、起訴猶予を相当とする事情が乏しいと評価されやすく、起訴される可能性が高くなります。

もっとも、これらの事情は個別に判断されるものではなく、証拠関係、犯行態様、犯行後の対応などを総合的に考慮して処分が決定されます。そのため、示談が成立していないことだけ、あるいは前科があることだけを理由に、直ちに起訴・不起訴が決まるわけではありません。

不同意性交等罪で不起訴になるケース

①犯罪事実が立証できず不起訴になるケース

否認事件の場合,不起訴を目指す手段は犯罪事実の立証ができない,という結論に至ってもらうこととなりますが,犯罪事実が立証できず不起訴になるという可能性は,証拠関係によっては十分に考えられるでしょう。

例えば,犯人を特定することのできる客観的な証拠がなく,犯人の特定は被害者の供述のみを頼りに行わなければならない場合,犯人を間違いないと言える程度に特定することは非常に困難です。被害者は,異常事態に遭遇している以上,冷静に正確な記憶をすることは期待できず,人違いであるという可能性がないと言い切るのは不可能に近いことも少なくないでしょう。
また,行ったとされる具体的な行動についても,客観的な証拠によって裏付けることができず,被害者の供述だけから立証をせざるを得ないケースがあり得ます。当然ながら,犯罪行為をしたことが立証できなければ起訴はできませんが,やはり被害者の供述だけを根拠にその行為がなされた,という立証では不十分となりやすいでしょう。

一般的に,犯罪事実を裏付ける客観的な証拠に乏しい場合には,不起訴の可能性がより高くなる傾向にあると言えます。

ポイント
不起訴の可能性は証拠関係による
客観的な証拠に乏しい場合は,不起訴の可能性が高くなる

②犯罪事実が立証できるが不起訴になるケース

犯罪事実が立証できるにもかかわらず不起訴になるケースは,当事者間で示談が成立し,被害者の許しが得られた,という場合がほとんどです。

逆に,被害者の許しが得られ,被害者が不起訴を希望する,という判断に至った場合は,これに反して起訴されることはあまりありません。不同意性交等罪の事件では,被害内容に関する被害者の供述が非常に重要な証拠となりますが,被害者が不起訴を希望しているのに起訴をし,裁判に対する被害者の協力が得られなくなってしまうと,犯罪を立証するに足りる証拠が揃わなくなる可能性があるためです。また,被害者の名誉を守るためにも,公開の法廷で被害者の性犯罪被害を明らかにするためには被害者の了承が必要である,との考えもあるところです。

ポイント
犯罪事実が立証される事件の不起訴は,示談にかかっている

不同意性交等罪で起訴となった場合の流れ

起訴後は保釈を請求できる

不同意性交等罪で起訴されても、逮捕・勾留されていた場合に直ちに釈放されるわけではありません。 勾留された状態で起訴された場合は、勾留は終了せず、起訴後勾留へ移行します。一方、在宅事件として起訴された場合は、身体拘束を受けることなく裁判が進みます。

もっとも、勾留された状態で起訴された場合は、保釈を請求することが可能になります。保釈が認められると、保釈保証金を納付することで釈放され、自宅などで生活しながら裁判を受けることができます。保釈保証金は保釈条件を守れば原則として返還されますが、逃亡したり裁判所の呼出しに正当な理由なく応じなかったりした場合には没取されることがあります。

保釈が認められるかどうかは、逃亡や証拠隠滅のおそれの有無をはじめ、事件の内容や前科・前歴などを踏まえて裁判所が判断します。不同意性交等罪は重大事件であるため保釈が認められない場合もありますが、逃亡や証拠隠滅のおそれが小さいことなどを具体的な資料とともに示すことで、保釈が許可されることもあります。

公判で犯罪事実が審理される

保釈の有無にかかわらず、起訴後は地方裁判所で公判が開かれます。公判では、不同意性交等罪が成立するかどうかについて、検察官・弁護人双方の主張や証拠に基づいて審理が行われます。

具体的には、証拠書類の取調べ、証人尋問、被告人質問などを通じて、犯罪事実を有罪と認定できるだけの証拠があるかが審理されます。不同意性交等罪では、被害者や被告人の供述に加え、メッセージの履歴、防犯カメラ映像、診断書などの客観的証拠が重要な判断材料になります。

また、公判では犯罪事実だけでなく、量刑に影響する事情についても審理されます。例えば、被害回復の状況、示談の成立、反省状況、更生環境、前科・前歴などは、刑の重さや執行猶予の可否を判断する上で考慮される事情です。

判決が言い渡される

審理が終了すると、裁判所は判決を言い渡します。

犯罪事実が合理的な疑いを超える程度に証明されたと判断された場合には有罪判決が、証明が不十分であると判断された場合には無罪判決が言い渡されます。有罪判決となった場合は、事件の内容や情状に応じて拘禁刑や執行猶予の有無が決定されます。

判決の内容に不服がある場合には、判決が言い渡された日の翌日から14日以内に控訴を申し立てることができます。被告人側または検察官側が控訴すると、高等裁判所で第一審判決の当否が審理されるため、判決の言渡しだけで刑事手続が終了するわけではありません。双方が期間内に控訴しなければ、第一審判決が確定します。

不同意性交罪で不起訴を獲得する方法

不同意性交(強制性交)で不起訴を獲得するには、主に以下4つの方法があります。

  • 公訴提起判断より前に被害者との間で示談を成立させる
  • 取調べで素直に認めて反省した態度を見せる
  • 冤罪の場合は証拠を集める
  • 弁護士に相談する

詳しく解説します。

公訴提起判断より前に被害者との間で示談を成立させる

不同意性交(旧強制性交)で不起訴処分を得るための有効な方法の1つとして、公訴提起の判断が下される前に被害者との間で示談を成立させることが挙げられます。

公訴提起とは、検察官が被疑者を刑事裁判にかけるために裁判所に正式に訴えを起こす手続きです。

検察官は、事件の社会的影響や証拠の有無に加えて、被害者の心情を考慮して公訴提起の可否を判断します。

性犯罪は被害者に深刻な精神的苦痛をもたらすため、被害者が「加害者を処罰する意思がない」と表明することは、検察官にとって不起訴処分を選択する重要な根拠となります。

示談が成立している場合、その内容が公的記録として残り、検察官に被害者の意思を伝える有力な材料となるのです。

警察や検察の担当者から被害者に連絡を入れてもらい、加害者側の弁護士が示談のご相談を希望している旨を伝えてもらいます。被害者から連絡先交換の了承が得られれば警察や検察を通じて連絡先を交換し、示談交渉を開始することができます。

場所取調べで素直に認めて反省した態度を見せる

不同意性交を認め反省した態度を見せることは、捜査機関に対して真摯な反省の意思を伝えるとともに、再犯の可能性が低いことを示す効果があります。

具体的には、取調べで冷静に質問に答え、自身の行動が被害者に与えた影響を認識していることを伝えることが重要です。

このような態度は、被害者の気持ちを考慮し、深い後悔を表現する必要があります。

また、被疑者が反省の姿勢を見せることで、検察官に対して「社会に復帰しても同様の行為を繰り返さない」との信頼を与えることが可能です。

検察官は被疑者の反省の程度を不起訴の判断材料の1つとして重視するため、真摯な姿勢を見せることが不起訴処分の獲得に寄与する可能性があるでしょう。

他の人の話や物的証拠と矛盾することがないよう、事実をありのまま話すことが非常に重要です。また、自ら証拠を提出したり捜査機関の知らない情報を提供したりと捜査の円滑化に協力する姿勢を見せることも有益です。

冤罪の場合は証拠を集める

不同意性交(強制性交)の嫌疑をかけられた場合、冤罪であると主張するならば、証拠を集めることが大切です。

まず、自分が事件に関与していないこと、または合意があったことを証明するための証拠収集が必要となります。

たとえば、当日の行動を示すアリバイを立証するために、目撃者の証言や防犯カメラ映像を確保することが挙げられます。

これにより、事件発生時にその場にいなかった、または事件に関与することが物理的に不可能であったことを示すことが可能です。

また、スマートフォンやSNSのメッセージ履歴、通話記録なども有力な証拠となる場合があります。

被害者とのやり取りが事件の主張と矛盾することを示す手段として用いられることがあり、有効的な証拠となるでしょう。

本人の話を裏付ける物や本人のお話と一致するお話を獲得することが有力です。事件前後の状況を知っている人に話を聞き、お話を踏まえて具体的な証拠の有無や内容を検討することが考えられます。

弁護士に相談する

不同意性交(強制性交)で不起訴を獲得するなら、弁護士に相談することが重要です。

被疑者が取調べを受ける際や法的手続きが進んでいる場合、何をどう対応すれば良いかについての知識が不足していると不利な結果を招く可能性があります。

弁護士は、法的な根拠や証拠の整理を行い、どのように主張するべきかを明確にしてくれます。

また、弁護士が交渉や示談のサポートを行うことで、被害者との合意が成立し、不起訴の可能性が高まるケースがあるでしょう。

不安や恐怖を抱える被疑者にとって、弁護士は強力な味方となり、適切な手続きを通じて不起訴を目指す手助けとなるため、早めに相談するのがおすすめです。

不同意性交の不起訴に向けた弁護活動5つのステップ

不同意性交等罪の容疑をかけられた際、前科を避けるための「不起訴処分」獲得には、法理に基づいた緻密な弁護活動が必要です。

ここからは、不同意性交の不起訴に向けた具体的な弁護活動について解説します。

①早期の接見による状況把握

弁護士が最初に行うべき活動は、逮捕直後の被疑者(犯人と疑われている人)との接見(面会)です。

接見を通じて、事件当時の詳細な状況や、警察による取調べの内容を正確に把握します。

なぜなら、逮捕直後の取調べで作成される「供述調書(本人の言い分をまとめた書類)」は、その後の処分の決定打になるからです。

専門知識のないまま不利な供述を認めてしまうと、後から覆すことは極めて困難になります。

当事者間に性行為の合意があったと認識していた場合、その根拠となる前後のやり取りを整理し、不用意に罪を認めるような供述を避けるようアドバイスします。

②被害者との示談交渉の開始

不同意性交事件において、不起訴処分を得るための最も重要な要素は、被害者との示談成立です。

示談とは、加害者が被害者に謝罪や賠償金を支払い、当事者間で問題を解決することに合意することを指します。

性犯罪では、加害者が直接被害者に接触することは、証拠隠滅や二次被害の防止の観点から警察や検察によって固く禁じられています。

そのため、中立的な立場である弁護士だけが、被害者の連絡先を確認し、交渉のテーブルにつくことができます。

弁護士は、被害者の心情に深く配慮しながら、以下の内容を盛り込んだ示談交渉を進めます。

  • 真摯な謝罪文の提出
  • 被害の程度に応じた適切な示談金の提示
  • 今後の接触禁止やプライバシー保護の誓約

③被害届・告訴の取り下げ交渉

示談交渉の最終的な目標は、被害者に「被害届」や「告訴(犯人の処罰を求める意思表示)」を取り下げてもらうことです。

不同意性交罪は非親告罪(被害者の告訴がなくても起訴できる罪)ですが、実務上、被害者が「許す」という意思を示し、告訴を取り下げた事実は、検察官の判断に大きな影響を与えます。

被害者の処罰感情がないと判断されれば、起訴してまで処罰する必要性(起訴猶予)が低いと見なされやすくなるためです。

具体的には、示談書の中に「本件に関し、刑事処罰を望まない」「告訴を取り下げる」という文言(宥恕条項)を含めるよう交渉します。

これが成立すれば、不起訴処分の可能性は飛躍的に高まります。

④検察官への意見書の提出

弁護士は、収集した証拠や示談の結果をもとに、検察官に対して「不起訴処分が妥当である」旨を主張する「意見書」を提出します。

検察官は、事件の内容、加害者の反省の程度、示談の成否などを総合的に判断して起訴・不起訴を決めます。

意見書は、法的な観点から加害者に有利な事情を整理し、論理的に検察官を説得するための重要な書類です。

意見書には主に以下の内容を記載します。

  • 示談が成立し、被害者が宥恕(許し)を与えている事実
  • 再犯の恐れがないことを示す環境(家族の監督など)
  • 前科がなく、社会的な制裁(解雇の危機など)を既に受けている点
  • 事件に至る経緯における、被疑者の過失の程度

⑤有利な証拠の収集と提出

もし「合意があった」などの事実誤認を主張する場合、客観的な証拠の収集が必要です。本人の主張だけでは、警察や検察を納得させることはできません。

弁護士は、警察が収集しないような、被疑者に有利な証拠を独自に調査・収集します。

これらは、冤罪の防止や、仮に罪を認める場合でも「態様がそれほど悪質ではない」ことを証明するために役立ちます。

具体例として、以下のような証拠を収集します。

  • 事件前後の親密な関係を示すLINEやメールのやり取り
  • 当日の行動を記録した防犯カメラ映像やレシート
  • 目撃者の証言や、当事者の関係を知る知人の陳述書
  • 更生を支援する家族の身元引受書

これらの証拠を適切なタイミングで提出することで、捜査機関の見方を修正し、不起訴処分や処分の軽減へと導きます。

ぎます。そのため,初犯であるから,反省しているから,という理由での不起訴の可能性はない,と理解すべきことに注意しましょう。

まとめ|不同意性交罪の起訴回避はタイムリミット前の早期相談が命

不同意性交等罪では、起訴・不起訴の判断が行われるまでに、事件の内容に応じた対応を進める必要があります。犯罪事実を認める場合には、被害者への謝罪や被害回復を図り、示談の成立を目指すことが不起訴処分につながる重要な対応です。一方、犯罪事実を争う場合には、メッセージの履歴や防犯カメラ映像など、当時の状況を示す証拠を早期に確保し、犯罪を立証するだけの証拠がないことを具体的に主張する必要があります。

特に注意すべきなのは、起訴された後に不起訴処分を獲得することはできないという点です。不起訴を目指した示談交渉や証拠収集、検察官への働きかけは、検察官が起訴・不起訴を決定する前に行わなければなりません。逮捕・勾留されている事件では処分までの時間が限られるため、対応の開始が遅れるほど、起訴回避に向けた弁護活動に使える時間も短くなります

不同意性交等罪の疑いをかけられた場合には、認める事件と争う事件とで取るべき対応が大きく異なります。自分だけで対応方針を決めるのではなく、できるだけ早い段階で刑事事件を扱う弁護士に相談することが適切です。証拠関係や被害者との関係、捜査の進行状況を確認した上で、起訴を回避するために必要な対応を進めることが求められます。

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