風俗トラブルに巻き込まれると、金銭請求や逮捕、社会的信用の失墜といった深刻な問題に発展する可能性があります。突然の事態に直面したとき、自分一人で解決しようとすると状況が悪化しかねません。こうしたリスクを回避するには、風俗トラブルに精通した弁護士へ早期に相談することが重要です。本記事では、風俗トラブルに強い弁護士に依頼するメリットや示談の流れ、解決のポイントを分かりやすく解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

風俗トラブルは弁護士と警察どちらに相談すべき?

警察が対応できるケース|暴力・明確な脅迫・事件性がある場合

風俗店の関係者から暴力を受けた場合や、危害を加えると脅された場合には、身の安全を確保するため、警察へ助けを求めるべきです。支払いを迫られ、帰ろうとしても退室を妨げられる場合も同様です。身に危険が迫っているときは110番へ通報し、緊急でない相談は最寄りの警察署や#9110を利用できます。

「支払わなければ家族や勤務先に知らせる」と告げられた場合も、要求の内容や言動によっては、脅迫や恐喝などに当たる可能性があります。ただし、高額な請求を受けたことや、警察への通報を予告されたことだけで、直ちに犯罪が成立するわけではありません。犯罪に当たるか判断できなくても、相手から何を要求され、どのような言動を受けたのかを伝えて相談できます。

警察は、犯罪の疑いがある行為への対応や捜査を行いますが、利用客の代理人として示談金の減額交渉や示談書の作成を行うわけではありません。そのため、警察に相談しても、店舗側との金銭トラブルが解決するとは限りません。安全確保や犯罪被害への対応と、金銭請求への対応を分けて考えることが重要です。

弁護士が対応できるケース|不当な示談金請求・金銭トラブル・示談交渉

本番行為や盗撮を理由に高額な示談金を請求された場合や、違約金・追加料金を支払う必要があるのか疑問がある場合は、弁護士への相談が適しています。店舗側から金額を提示されても、その全額を法律上支払う義務があるとは限りません。弁護士は、請求の根拠やトラブルの経緯を確認し、支払義務の有無と金額の妥当性を判断できます。

本番行為への同意の有無が争われている場合や、盗撮について被害を訴えられている場合は、損害賠償だけでなく、利用客自身の刑事責任も問題となり得ます。弁護士への相談では、自分の認識と相手の主張、残されている証拠を踏まえ、請求に反論するのか、示談による解決を目指すのかについて助言を受けられます。警察から連絡が来ている場合には、事情聴取への対応も含めて相談することが重要です。

示談を目指す場合、弁護士は代理人として店舗側やキャスト側と交渉し、金額だけでなく、追加請求や第三者への口外を防ぐための条件についても協議できます。店舗への支払いだけでキャストとの問題も解決するのかなど、示談の当事者と解決範囲の確認も必要です。請求への対応や示談交渉は弁護士に相談し、暴力などの危険がある場合は警察にも助けを求めるという使い分けが適切です。

風俗トラブルで弁護士に依頼するケース

本番行為をめぐって同意の有無が争いになった

風俗サービス中に本番行為に至り、キャストから「同意していなかった」と訴えられた場合は、早期に弁護士へ相談することが重要です。利用客が同意を得たと認識していても、キャストの説明と食い違うことがあります。風俗サービスの利用に同意していることと、本番行為に同意していることは別であり、行為に至った経緯や、その際の言動が問題となります。

このようなトラブルでは、損害賠償請求に加え、不同意性交等罪などの刑事責任が問題となる可能性があります。そのため、店舗から提示された金額だけで対応を決めることは適切ではありません。弁護士に双方の主張や証拠を確認してもらい、反論の必要性と示談による解決の方針を検討する必要があります。示談する場合も、店舗との合意にキャスト本人の意向が適切に反映されているかを確認することが重要です。

風俗トラブルでは、本番行為をハッキリと拒否されたわけではなくても、後になって同意がなかったと主張されるケースが少なくありません。

盗撮が発覚し、示談を求められた

サービス中の盗撮が発覚し、店舗やキャストから示談金を求められた場合も、弁護士への依頼が適しています。撮影した対象や方法によっては刑事責任が問題となり、キャストに対する損害賠償責任も生じ得ます。店舗の規則に違反したという問題だけでは済まない可能性があるため、撮影内容や相手の要求を踏まえた対応が必要です。

弁護士には、示談交渉に加え、撮影データの扱いや警察への対応も相談できます。撮影データについては、拡散を防ぐことが重要ですが、捜査との関係もあるため、自己判断で削除や端末の初期化を進めることは避けるべきです。データの処理方法を含めて弁護士の助言を受け、示談で何を約束するのかを明確にすることが重要です。

高額な示談金や違約金、追加料金を請求された

店舗から高額な示談金や違約金、説明されていなかった追加料金を請求され、その場で支払いを求められることがあります。しかし、店舗が金額を提示したことや、店内に違約金の掲示があることだけで、請求額の全額を支払う義務が決まるわけではありません。請求の名目ごとに、契約内容や損害の有無、金額の根拠を確認する必要があります。

一方で、金額が高いという理由だけで、請求のすべてが不当とも限りません。キャストへの賠償と店舗への違約金が混在している場合は、それぞれの根拠を分けて考える必要があります。弁護士に依頼すれば、支払義務を争う部分と交渉で調整する部分を整理し、代理人として請求に対応してもらえます。その場で支払いや署名を迫られ、判断が難しい場合は、応じる前に相談することが望ましいでしょう。

風俗トラブルの解決は、キャスト本人でなく店舗の担当者が交渉相手になることが多くあります。そのため、キャストの損害と店舗の損害が混在した形で金銭請求されることも珍しくありません。適切な解決のためには、請求の具体的な内容を十分に整理することが必要です。

家族や勤務先への連絡、個人情報の公開をほのめかされた

「支払わなければ家族に知らせる」「勤務先へ連絡する」などと告げられ、周囲への発覚を恐れて請求に応じようとするケースもあります。免許証などの画像を店舗に保有され、住所や勤務先を把握されている場合は、個人で対応を続ける負担も大きくなります。こうした不安を利用して支払いを迫られている場合は、早期に弁護士へ相談することが重要です。

弁護士は、相手の要求や言動を確認し、本人や家族、勤務先への連絡を控えるよう求めるとともに、交渉の窓口となることができます。示談では、口外禁止や保有する個人情報の利用・廃棄について協議することも可能です。ただし、依頼によって相手の行動を確実に止められるわけではありません。脅迫や恐喝などが疑われる場合は、警察への相談も含めて対応を検討する必要があります。

支払いや示談をした後も追加請求や連絡が続いている

その場で金銭を支払った後に、別の名目で追加請求を受けたり、示談書を交わしたはずなのに連絡が続いたりする場合も、弁護士への相談が適しています。支払いが解決金だったのか、一部の支払いだったのか、店舗とキャストのどちらの請求について合意したのかによって、対応が異なります。まずは既存の書面や支払時のやり取りから、合意した内容と解決範囲を確認することが必要です。

既に解決した請求であれば、弁護士から追加請求を拒む根拠を示して対応できます。一方、キャスト本人との合意が含まれていないなど、未解決の部分が残っている場合は、その部分について交渉が必要となることもあります。追加請求にそのまま応じるのではなく、既払い金と過去の合意を踏まえて、改めて支払う必要があるかを判断してもらうことが重要です。

風俗トラブルで弁護士に依頼するメリット

① 家族や勤務先に知られず解決できる

風俗トラブルを弁護士に相談する最大のメリットは、プライバシーを厳格に守りながら問題を解決できることです。

弁護士には守秘義務があり、相談内容が第三者に漏れることはありません。
「家族に知られたらどうしよう…」と不安に感じる方も多いですが、弁護士が代理人として交渉を行うことで、あなたの氏名や個人情報を相手方に明かさずに解決を進めることが可能です。

また、職場への影響も防ぐことができます。
弁護士事務所からの連絡は「法律相談」として扱われるため、上司や同僚に相談内容が知られる心配はありません。

さらに、弁護士が窓口となることで、風俗店や関係者からの直接的な連絡や訪問を完全に遮断できます。
これにより、家族や近隣住民に不審がられるリスクも避けられます。

近年は、平日夜間や土日祝日にも相談対応を行う法律事務所が増えており、仕事や家庭生活に支障をきたすことなく手続きを進められます。

トラブルを秘密裏に、かつ安全に解決したい場合には、弁護士に依頼することが最も確実で安心な方法といえるでしょう。

風俗トラブルの解決は、周囲に発覚しないことが極めて重要です。その重要性と具体的な方法を熟知した弁護士に対応を依頼することで、解決内容は大きく変わりやすいでしょう。

② 不当な請求を防ぐことができる

風俗トラブルで弁護士に依頼するメリットとしては、法的知識と交渉力を活かして不当な請求を未然に防げることも挙げられます。

風俗店側から「料金を払わなければ裁判を起こす」「勤務先に連絡する」などと脅され、法外な金額を請求されるケースも少なくありません。
しかし、こうした請求の多くは法的根拠に乏しい不当要求であることが多いのです。

弁護士が介入することで、次のような効果が期待できます。

・請求内容の法的妥当性を専門的に確認
・不当部分を明確に指摘し、適正な金額で交渉
・脅迫的な言動への法的対応

たとえば、「延長料金」などの名目で数十万円を請求された場合でも、弁護士が契約内容を精査した結果、実際の支払義務はごく一部に限られたという事例もあります。

「この金額、本当に支払う必要があるのか…」と不安に感じたときこそ、弁護士の判断が有効です。
個人で対応すると感情的になりやすい場面でも、弁護士が冷静かつ法的根拠に基づいて最適な解決策を提示してくれるでしょう。

風俗トラブルで風俗店側から行われる金銭請求は、法的な根拠の不明確なものがほとんどです。しかし、トラブルの当事者が拒否などの毅然とした対応をすることは容易でないため、弁護士を窓口に進めることが極めて重要になりやすいでしょう。

③ 個人情報の流出を防ぐことができる

風俗トラブルで弁護士に依頼する大きなメリットの一つは、個人情報の流出を防ぎながら安全に問題を解決できることです。

風俗店とのトラブルでは、相手から「職場や家族に連絡する」といった脅しや嫌がらせを受けるケースが少なくありません。
実際に、個人で対応した結果、勤務先に電話をかけられたり、家族に知られてしまったという事例も見られます。

弁護士が介入することで、次のような効果が期待できます。

・弁護士名義の通知により、相手の威圧的な言動を抑制
・連絡窓口を一本化し、直接的な接触を遮断
・法的根拠に基づく対応で、不当な要求を牽制
・守秘義務による情報管理で、依頼者の個人情報を保護

「家族に知られたくない」「会社に連絡されたら困る」といった不安を抱える方も、弁護士を通じて対応することで、情報漏えいのリスクを最小限に抑えることが可能です。

また、弁護士が関与していることにより、相手方も個人情報を悪用した行為が法的に重大な問題となることを認識し、慎重な対応を取るようになります。

特に過激な動きを取ってくる相手の場合、弁護士の存在は違法、不当な言動を控えさせる効果を発揮しやすいです。

④ 適切な内容で示談をすることができる

弁護士に依頼することで、風俗トラブルの示談交渉を法的に適切で納得のいく内容でまとめることが可能になります。

法的知識を持たないまま交渉を進めると、「相手の言うままに示談してしまうのではないか」と不安に感じる方も多いでしょう。
実際、過大な慰謝料を請求されたり、必要以上に不利な条件で合意してしまうケースも少なくありません。

弁護士が介入することで、次のようなメリットが得られます。

・法的根拠に基づいた適正な金額での示談が実現
・不当な条件や過度な制約の排除による合理的な合意内容
・将来のトラブルを防ぐ条項を盛り込んだ示談書の作成
・相手方の不当要求への的確な反論と交渉対応

特に重要なのは、示談書の内容が法的に有効であり、後日トラブルを再発させないよう慎重に作成されることです。
弁護士は過去の判例や法的基準を踏まえて、依頼者にとって最も有利で現実的な解決策を提案します。

こうした専門的サポートにより、適切な内容の示談を通じて根本的な解決と将来の安心を同時に得ることができるのです。

⑤ 示談成立の可能性が高まる

風俗トラブルにおいて、弁護士が示談交渉を担当することで解決の可能性が大きく高まります。

法的知識と交渉経験を持つ弁護士が介入することで、相手方である風俗店も真摯に対応せざるを得なくなるケースが多く見られます。
弁護士は過去の判例や法的根拠を踏まえて交渉を進めるため、不当な要求や感情的な主張を抑えながら冷静で実務的な話し合いが可能になります。

弁護士が交渉に入ることで、次のような効果が期待できます。

・法的裏付けのある主張により、相手方の譲歩を引き出しやすくなる
・専門的な交渉術で、感情的な対立を避けながら建設的に話し合える
・示談書の作成時に将来のトラブルを防ぐ条項を盛り込める

「個人で交渉しても取り合ってもらえないのでは…」と不安に感じる方も少なくありません。
しかし、弁護士が代理人として交渉することで、相手方も法的リスクを認識し、早期解決に応じる傾向が強まります。

風俗トラブルの場合、示談の成立はイコールトラブルの最終的な解決を意味することになりやすいです。そのため、示談成立の可能性が高まることは、トラブルの悩みや負担から解放される可能性が高まることだと言ってもよいでしょう。

⑥ やり取りの負担が軽減できる

風俗トラブルの解決を弁護士に依頼することで、やり取りに伴う精神的・時間的な負担を大幅に減らすことができます。

風俗店との対応では、「どのように返答すればよいのか」「相手が強気な態度を取ってきたらどうしよう」と不安を感じる方が多くいます。
特に、執拗な連絡や威圧的な言動を受けた場合、個人で対応を続けることは大きなストレスとなります。

弁護士が代理人として交渉を行うことで、次のような負担から解放されます。

・風俗店からの直接的な連絡や要求への対応
・法的知識を要する書面や返答の作成
・交渉時の心理的プレッシャー
・対応方針の判断に伴う迷いや不安

また、弁護士は法律に基づいた的確な判断で交渉を進めるため、不要なやり取りを重ねることなく、効率的な解決が期待できます。
個人であれば長期化しがちな案件でも、弁護士が介入することで短期間での解決に近づけるケースも少なくありません。

さらに、弁護士が窓口となることで、トラブルに関する連絡が依頼者本人に直接届くことがなくなります。
これにより、日常生活や仕事への影響を最小限に抑えながら、安心して問題解決に向き合える環境が整うのです。

風俗トラブルの依頼から解決までの流れ

① 弁護士への相談

風俗トラブルの解決において、弁護士への相談は最も重要な第一歩です。
「どこに相談すればよいのかわからない…」と迷う方も少なくありませんが、早期に専門家へ相談することが、トラブルの拡大を防ぐ最善策となります。

弁護士に相談する際は、トラブルの経緯や証拠をできる限り正確に整理して伝えることが大切です。
風俗店との契約内容、支払った金額、相手方からの要求内容などをまとめ、次のような資料を持参するとスムーズです。

・契約書・領収書などの支払証拠
・メールやLINEのやり取り
・相手方からの請求書や通知文
・トラブルが起きた日時や経緯のメモ

また、相談時には次の点を明確にしておくと、より的確な助言を受けられます。

・トラブルが発生した経緯と時系列
・相手方からの具体的な要求内容
・既に支払った金額や約束した内容
・希望する解決方法(示談・交渉・支払拒否など)

多くの法律事務所では初回相談を無料で実施しており、電話・オンライン相談にも対応しています。
さらに、弁護士には守秘義務があるため、相談内容が家族や職場など第三者に漏れることはありません。

一人で悩みを抱え込まず、早めに弁護士へ相談することで、問題を冷静かつ的確に整理し、最適な解決策を見出すことができます。

日頃弁護士との接点がない方にとっては、法律相談はハードルが高く感じられるかもしれませんが、まずは一度試みてみましょう。多くの法律事務所では、相談の受付や相談方法等について、柔軟な対応をしてくれるはずです。

② 風俗店との交渉

風俗トラブルで示談交渉が生じる場合,具体的な交渉の相手方は店舗の代表者となることが一般的です。本番行為の相手はキャスト個人ですが,キャストと直接示談交渉をすることはほとんどありません。
店舗側は「店舗のサービス中,キャストが本番行為の被害に遭った」という理解をしていることが多いので,勤務中のキャストを守る立場と称して金銭請求をしてきます。

そして,風俗サービス中に本番行為がトラブル化した場合,キャストが店舗に連絡し,店舗代表者がサービス中の客室に訪れる流れで話し合いがスタートすることが大多数です。ただ,店舗代表者が話し合いを始めてきたとしても,その場で合意したり金銭を支払ったりすることは避けるようにしましょう。その場で解決しようとすると,どうしても一方的に不利益な内容で合意させられてしまいがちである上,示談内容も不十分なものになりがちであるためです

風俗トラブルで店舗代表者と話し合いが始まったときは,その場では連絡先交換にとどめるのが賢明です。その後,できるだけ速やかに連絡をすると約束した上で,弁護士に依頼し,弁護士から連絡を取ってもらうようにしましょう。
示談の具体的なやり取りは,自分で直接行うのでなく,弁護士を通じて行うことが重要な対応になります。

ポイント

よくある示談の流れ
1.店舗代表者がサービス中の客室に訪れる
2.その場で店舗代表者との話し合いが始まる

その場で解決するデメリット
1.一方的に不利益内容になりがち
2.示談の内容や方法が不十分

適切な示談方法
1.その場では連絡先の交換にとどめる
2.速やかに弁護士へ依頼し,弁護士から連絡してもらう

③ 示談内容の合意と示談書締結

弁護士による交渉がまとまると、次の段階として示談内容の合意と示談書の締結へ進みます。
この段階では、双方が納得できる条件を文書で明確に定め、今後のトラブルを防ぐことが最も重要です。

「本当にこれで問題が終わるのだろうか…」と不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、弁護士が作成する示談書には法的拘束力があり、適切な条項が盛り込まれていれば、相手方による再請求や嫌がらせを防止する効果が期待できます。

示談書締結後は、合意内容に従って示談金の支払いが行われ、トラブルは法的に解決済みの状態となります。
弁護士が作成した示談書は、将来的な紛争予防のための最も確実な証拠書面にもなり、安心して日常生活に戻ることができるでしょう。

風俗トラブル(本番行為)の示談で注意すべきこと

風俗店での本番行為がトラブルになった場合は,示談に際して以下の事項に注意するのが適切です。

①複数の示談が必要

風俗トラブルでは,店舗代表者がキャストの代わりに交渉を行うのが通常です。そして,店舗側は「客と店舗」の間での示談を進めるのが一般的です。

しかしながら,本番行為の当事者はあくまで「客とキャスト」であるため,店舗代表者の進めるとおりに「客と店舗」の間でだけ示談をしても不十分です。風俗トラブルを解決するためには,「客と店舗」の間の示談と「客とキャスト」の間の示談という二つの示談が必要となるのです。

風俗トラブルにおけるキャストと店舗それぞれとの間の法律関係は,以下のように整理できるでしょう。

風俗トラブル(本番行為)の法律関係

【客とキャストの間】

①刑事事件
不同意性交等罪が成立し得る
②民事事件
不法行為に基づく損害賠償請求があり得る

【客と店舗の間】

①刑事事件
基本的になし(ただし,業務妨害罪が成立するケースも)
②民事事件
債務不履行に基づく損害賠償請求があり得る(契約違反)

以上の通り,別々の法律関係があるため,客と店舗の間でだけ示談をしても,キャストに対する犯罪の責任を問われたり,キャストから「不法行為に基づく損害賠償」を請求されたりしたときの対処は何もできていないままとなってしまいます。

このように,厳密にはキャストと店舗それぞれとの間で法律関係があるため,示談もそれぞれとの間で行うことが必要です。
弁護士が示談を行う場合は,店舗代表者にキャストの代理人となることを依頼し,三者間での示談を行うことが多いでしょう。

②金銭を支払った後でも示談すべき

風俗トラブルでは,その場に店舗代表者が乗り込む形で話が始まるため,ケースによってはその場で一定の支払を行っていることがあります。この点,支払をしていれば解決しているようにも思えますが,法的にはそうとは言えません。

その場で金銭を支払うとき,多くは店舗の用意する書式で示談書のようなものを作成することになります。しかし,その書面は法的に十分な記載がなされているものではないため,実際には紛争解決ができていません。
具体的には,「金銭を支払え」「金銭を支払った」という程度の記載はあるものの,必要な支払いが他にあるかどうかは分からない(清算条項がない),ということが大多数です。これでは,既に支払ったにもかかわらず,追加での支払いを求められたときに拒む根拠がありません。

既に金銭を支払った場合でも,しっかりと解決を確認して形に残すため,弁護士に示談を依頼するのが適切でしょう。

ポイント
店舗だけでなくキャストとの間でも示談の必要がある
支払済みでも適切な解決を証拠化するために示談すべき

風俗トラブルで弁護士に依頼するときのポイント

弁護士に依頼するべきタイミング

①金銭請求を受けたとき

風俗トラブルが発生した際によく見られるのが,キャストから店舗側へ連絡がなされ,連絡を受けた店舗の担当者から金銭を請求される,という流れです。多くの場合,キャストと利用客がいるホテルの客室等に店舗の人物が駆け付け,その場でキャストの代理人として話を持ち掛けることになるでしょう。

この点,金銭請求を受けたその場で,自分一人で適切な判断や対応をすることは現実的には不可能です。当事者という立場で,風俗トラブルに関する知識や経験のない中では,万全の対応を求める方が酷と言うべきでしょう。
もっとも,金銭請求を受けている以上,トラブルが顕在化していることは明らかであって,何らかの解決を目指すべきこともまた事実です。適切な判断が困難だからと言って,放置するわけにもいきません。

そのため,金銭請求を受けたときには,風俗トラブルの解決に精通した弁護士に依頼し,円滑なトラブル解決を目指すことが適切です。金銭請求への対応に際しては,弁護士選びが重要になるでしょう。

ポイント
風俗トラブルはその場で金銭請求を受けることが多い
金銭請求への対処は弁護士への依頼が適切

②警察が関与した段階

風俗トラブルは,キャストや店舗側との間で問題なるのみならず,その場に警察を呼び,警察の取り扱いを受ける流れになることも少なくありません。店舗によっては,「お金を支払うか警察を呼ぶか」という選択を求めてくるケースも相当数あります。
警察が現場の客室等に臨場した場合,個別に事情を聴かれるなどし,場合によって刑事事件の捜査に着手する,という流れが考えられます。警察が具体的な捜査に着手しない場合でも,店舗側との話し合いによる解決を求められることがほとんどです。

そのため,警察が捜査に着手するかどうかにかかわらず,風俗トラブルに警察が関与した段階で弁護士選びを検討することが適切です。適切な弁護士を選び,弁護活動を行ってもらうことで,警察の取り扱い状況に応じた解決へのサポートが期待できるでしょう。

ポイント
風俗トラブルの現場に警察を呼ばれる場合も多い
警察が関与した段階で,解決に向けた弁護士選びを検討することが適切

③刑事事件化を防ぎたいとき

風俗トラブルは,刑事事件化することなく円満に解決できれば,最も早期に解決できます。そのため,キャストや店舗との間で速やかに解決することで,刑事事件化を防ぐ方針が非常に有力と言えます。

もっとも,刑事事件化を防ぐための具体的な解決方法は,風俗トラブルの解決に精通した弁護士でないと判断が困難です。解決方法を誤ってしまうと,紛争の火種が残った状態になり,後からトラブルが刑事事件として蒸し返されてしまう可能性もあります。

そのため,早期解決によって風俗トラブルの刑事事件化を防ぎたい場合には,弁護士選びを速やかに行い,解決に適した弁護士への依頼を試みることが有力です。

ポイント
風俗トラブルは,刑事事件化前の解決が最もスムーズ

弁護士を選ぶ基準

①風俗トラブルの解決経験

風俗トラブルは,その他の一般的な刑事事件とは異なる独特な対応が必要な事件類型です。そのため,弁護士である,刑事事件の取り扱いがある,というのみならず,風俗トラブルの解決経験があるかどうか,という点を重要な判断基準とすることが有力でしょう。

風俗トラブルの解決経験があれば,風俗トラブルに特有の動き方や注意点にも精通しているため,十分な弁護活動が期待できる可能性が高いです。一方,風俗トラブルの解決に必要な動き方を把握していないと,解決がなかなか進まず,最悪の場合にはトラブルが深刻化する恐れも否定できません。

②迅速な初期対応の可否

風俗トラブルは,トラブル発生の直後から必要な対応に迫られることが多い,という特徴のある事件類型です。弁護士選びを始める段階で,既に対応を迫られた状態であることも珍しくありません。
そのため,風俗トラブルの解決に当たる弁護士は,迅速な初期対応とフットワークを備えている必要があります。依頼を受けた数日後に動き始める,というわけにはいきません。

もっとも,弁護士がいつどのような対応をしてくれるかは,個々の弁護士のやり方により様々です。事件のスピード感に合わせた迅速な対応のできる弁護士であれば問題ありませんが,万一弁護活動がタイミングを逃したものになってしまうと決定的な悪影響につながる可能性も生じてしまいます。

迅速対応を約束してくれるかどうかは,必ず弁護士選びの基準として設けるようにしましょう。

③プライバシーへの理解

風俗トラブルにおける弁護士と依頼者の間の問題の原因として,プライバシーに関する依頼者側の要望を弁護士が正しく把握できていないことによる方針のズレが挙げられます。依頼者は,周囲への発覚を可能な限り避けながら内密に解決したい,と考えているものの,弁護士側は特に配慮せず,連絡方法などの配慮が不十分なまま活動を進めてしまう,というケースが散見されるところです。

風俗トラブルは,その性質上,身近な人物への発覚を避けながら解決する必要性の高いものですが,弁護士側にその点の十分な理解があるとは限りません。弁護士選びに際しては,事件解決に際してどのようなプライバシーへの配慮をしてもらうことができるか,という点を判断材料とすることが有力でしょう。

弁護士に依頼する場合の注意点

①示談方法の特殊性を踏まえているか

風俗トラブルの示談には,他の事件類型にはない特殊性があります。それは,示談の相手方が2人いる,ということです。具体的には,「キャスト個人」と「店舗」それぞれとの間で示談が必要となります。

風俗トラブルを解決する場合,客と店舗担当者の間で解決内容を協議し,合意することが一般的です。客と店舗との間では,客が店舗のサービスを利用する際の約束に反した,という問題があるため,客と店舗との紛争解決が必要であるという面も間違いではありません。

しかし,風俗トラブルの根本的な問題は,基本的に客とキャストの個人間における紛争です。特に,性的行為に同意があったなかった,盗撮行為があったなど,刑事事件の側面に関しては,店舗は第三者に過ぎません。交渉の際,窓口になる店舗担当者も,あくまでキャストの代わりに窓口となっているだけです。

弁護士が風俗トラブルの解決を目指す場合,2人の相手方それぞれと示談をし,それぞれとの間で紛争が終了したことを確認しなければ,弁護活動を全うしたとは言えませんが,店舗とのやり取りになるあまり,肝心な対キャストの個人間における紛争が解決できていない,というケースも散見されます。
弁護士への依頼に際しては,風俗トラブルの示談方法を十分に理解していることを確認しましょう。

ポイント 風俗トラブルで要する2つの示談
対店舗:サービス利用時の契約違反
対キャスト:本番行為,盗撮行為等の刑事事件

②弁護士との連絡方法を確認する

風俗トラブルを弁護士に依頼する大きな目的の一つは,家族など周囲への発覚を防ぐ,という点にあることが多い思われます。事件の性質上,周囲への影響を防ぎつつ解決できるか,という点は非常に重要です。

ただ,弁護士との連絡方法について慎重な確認をしていないと,弁護士からの連絡が原因で周囲に事件が発覚する可能性も否定できません。風俗トラブルの対応に精通している弁護士であれば生じにくい問題ですが,そうでない場合,連絡方法への配慮不足から,弁護士に依頼している事実が家族に発覚してしまい,風俗トラブルの存在を知られてしまう結果になるケースも見受けられます。

弁護士への依頼に際しては,弁護士から連絡があった事実自体が周囲に伝わらないよう,慎重に連絡方法を協議し,解決に努めることをお勧めします。

③トータルの経済的負担を把握する

風俗トラブルは,相手方に金銭を支払う形での解決を目指すことが非常に多い類型です。しかも,金銭面の損得よりも早期解決を優先する場合,その経済的負担はより大きくなりやすいでしょう。

そのため,弁護士費用と示談金を合計した金額として,どの程度の経済的負担が見込まれやすいか,という点は,事前にできるだけ把握し,後から負担しきれないという事態が生じないように留意しましょう。もちろん,具体的な示談金額を事前に決定することはできないため,幅を持った想定にならざるを得ませんが,ある程度の見通しを設けておくことは柔軟な対応のため非常に重要なポイン

風俗トラブル(本番行為)の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で風俗店の本番トラブルに関する示談を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

示談成立22~33万円/1件(※)
出張日当・実費実額
※店及び従業員両名との間における示談成立の場合、33万円とする。
※どちらか一方のみとの示談成立にとどまる場合は、22万円とする。

示談が成立した場合に限り,22~33万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

風俗サービス中の本番トラブルでは,30~100万円ほどの示談金が想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(50万円でキャスト本人とのみ示談成立の場合)

弁護士費用:34万円+22万円=56万円
示談金:50万円

計:106万円

なお,この弁護士費用は刑事事件化しなかった場合を前提としたものです。刑事事件化し,捜査対応などを要した場合には別途弁護士費用が発生します。

弁護士費用の例

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