痴漢事件で逮捕された場合、その後の刑事手続は、警察・検察・裁判所という複数の機関を通じて段階的に進みます。逮捕直後の身柄拘束から、検察官による判断、裁判官の決定を経て、最終的な処分が決まるまでには、いくつかの重要な局面があります。本記事では、痴漢で逮捕された後に刑事手続がどのような順序で進むのかについて解説します。
この記事の監修者
藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介
全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。
逮捕後に警察署で行われる手続の概要
痴漢事件で逮捕されると、被疑者は警察署に連行され、身柄を拘束された状態で刑事手続に入ります。警察署では、事件の概要や当時の状況について取調べが行われ、警察官からの質問に対する被疑者の供述は、供述調書として記録されます。
この段階で行われる取調べは、あくまで捜査の初期段階にあたり、被疑者は質問に対して必ずしもすべてに答える義務を負うものではありません。被疑者には黙秘権が保障されており、弁護士と面会して助言を受けることも認められています。
逮捕直後の警察署での手続は、その後に身柄拘束が続くかどうかや、捜査がどのように進むかに影響する重要な局面であり、刑事手続全体の出発点となります。
特に痴漢事件の現行犯で逮捕された場合、まずは簡単な認否を聞かれる、という手続になりやすいです。
逮捕後48時間以内に行われる検察官への送致
警察に逮捕された後、被疑者の身柄については、原則として48時間以内に検察官へ送致するかどうかが判断されます。送致とは、警察が行った捜査の結果や関係資料を検察官に引き継ぐ手続を指し、一般には「送検」と呼ばれることもあります。この段階で、警察の判断により身柄が解放される場合もあれば、引き続き検察官のもとで身柄を拘束したまま判断が行われる場合もあります。
検察官への送致は、捜査の主体が警察から検察へ移る重要な節目であり、身柄拘束が続くか否かを左右する最初の分岐点となります。ここでの判断結果は、その後に勾留請求がなされるかどうかにも影響し、刑事手続全体の進行に大きく関わります。
地域差はありますが、基本的には警察から検察庁への送致はほとんどの件で行われます。
検察官による勾留請求の判断
検察官へ送致された後、検察官は、被疑者の身柄を引き続き拘束する必要があるかどうかを検討します。その結果、身柄拘束を継続する必要があると判断されれば、裁判官に対して勾留請求が行われます。勾留請求がなされるかどうかは、事件の内容や捜査の進行状況などを踏まえて判断され、すべての事件で一律に行われるものではありません。
この段階は、被疑者が引き続き身体を拘束されたまま手続が進むのか、それとも釈放されて在宅での対応となるのかが分かれる重要な局面です。検察官による勾留請求の判断は、その後の手続の進み方や被疑者の生活への影響を大きく左右する節目となります。
逮捕後に勾留されるかどうかの最初の分岐点です。痴漢事件の場合、逮捕後に最も早く釈放される段階はこのタイミングであることが多いです。
裁判官による勾留決定と身柄拘束の継続
検察官から勾留請求がなされた場合、裁判官は、提出された資料や事件の内容を踏まえ、被疑者の身柄を引き続き拘束する必要があるかどうかを判断します。裁判官は、事件の性質や捜査の進行状況などを考慮し、勾留決定を行うか否かを審査します。
勾留が認められた場合、被疑者は一定期間、身柄を拘束された状態で捜査を受けることになります。この間も、警察や検察による取調べや証拠の確認が進められ、事件の全体像が整理されていきます。一方、勾留が認められなかった場合には、身柄は解放され、在宅のまま刑事手続が進みます。裁判官による勾留の判断は、その後の生活環境や捜査対応に直接的な影響を及ぼす重要な局面です。
勾留請求の局面に続く二つ目の分岐点です。ここまでが逮捕翌日に行われる場合もあり、非常にスピーディーな手続になります。
勾留中に進められる捜査と事件処理の動き
勾留が決定された場合、被疑者は身柄を拘束された状態のまま、警察や検察による捜査を受けることになります。この期間中は、取調べや関係者からの聴取、証拠資料の確認などが行われ、事件の事実関係が整理されていきます。
また、事案の内容によっては、被害者側との関係整理が進むこともありますが、その進め方や結果は個別の事情によって大きく異なります。勾留中に行われるこれらの捜査や調整は、最終的に起訴とするか、不起訴とするかの判断に向けた準備段階にあたり、刑事手続全体の方向性を左右する重要な局面となります。
痴漢事件の勾留中の取調べは、勾留の前半で集中的に行われやすい傾向が見られます。逆に後半の段階では、あまり取調べの機会がない場合も少なくありません。
起訴・不起訴が決定されるまでの流れ
勾留期間中に行われた捜査や証拠の整理を踏まえ、検察官は、事件を裁判にかけるかどうかについて最終的な判断を行います。この判断が、起訴または不起訴の決定です。不起訴となった場合には、刑事手続はこの段階で終了し、被疑者の身柄も解放されます。
一方、起訴された場合には、事件は裁判手続へと進み、以後は裁判所が判断を行うことになります。起訴・不起訴の判断は、被疑者の立場や今後の生活への影響にも関わる重要な節目であり、刑事手続全体の方向性がここで確定する段階となります。

起訴された場合に想定される裁判手続の概要
起訴されると、事件は裁判所に係属し、刑事裁判の手続に移行します。裁判では、検察官が提出した証拠をもとに、被告人の行為が犯罪に当たるかどうかについて主張を行い、これに対して被告人側が事実関係や法的評価について意見を述べます。
裁判所は、双方の主張や証拠を踏まえ、有罪か無罪かを判断し、有罪とする場合には刑の内容を決定します。起訴後の手続は、捜査段階とは異なり、取調べの結果そのものではなく、法廷で提出された証拠や主張に基づいて審理が進められます。最終的な結論は、裁判所の判断によって示されることになります。

各段階で弁護士が関与できる主な場面
痴漢事件では、逮捕後の各段階において、弁護士が被疑者や被告人の代理人として手続に関与することが可能です。逮捕直後の段階では、弁護士が警察署を訪れ、被疑者と面会したうえで、取調べへの対応や手続の見通しについて説明を行います。
また、検察官による身柄に関する判断が行われる前後の段階では、弁護士が身柄拘束の必要性について意見を述べることがあります。さらに、起訴後の手続においても、弁護士は被告人の立場から、裁判手続に対応する役割を担います。このように、弁護士の関与の内容は、刑事手続の進行段階に応じて異なります。

よくある質問(FAQ)
痴漢で逮捕された場合、身柄拘束はどの段階まで続くのでしょうか
痴漢事件で逮捕された後の身柄拘束は、警察による逮捕に続き、検察官への送致、勾留請求、裁判官の判断といった段階を経て判断されます。逮捕されたからといって、その後も必ず身柄拘束が続くわけではなく、各段階で必要性が個別に検討されます。どの段階まで身柄拘束が続くかは、事件の内容や捜査の状況などを踏まえて判断されます。
痴漢で逮捕された後、裁判に進むかどうかはどのように決まりますか
痴漢事件で逮捕された後、裁判に進むかどうかは、捜査の結果を踏まえた検察官の判断によって決まります。検察官が不起訴と判断した場合には、裁判手続に移行することなく刑事手続が終了します。一方、起訴と判断された場合には、事件は裁判所に係属し、刑事裁判の手続が進められることになります。
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