「万引きをしてしまい、警察から連絡が来るのではないか」「初犯でも逮捕されるのか」「後日逮捕される可能性はあるのか」と不安を抱えている方もいると思います。
万引きは窃盗罪として扱われるため、被害店舗から被害届が提出されると、警察による捜査が進むことがあります。現行犯でそのまま逮捕されるケースだけでなく、防犯カメラ映像などから後日逮捕につながるケースもあります。一方で、すべての事案で逮捕されるわけではなく、在宅事件として処理される場合もあります。
特に、警察からの呼び出しを無視した場合や、常習性が疑われる場合には、逮捕の必要性が高いと判断されやすくなります。また、示談の成否や被害弁償の状況は、不起訴になるかどうかにも影響します。
この記事では、万引きで逮捕されるケース、後日逮捕までの流れ、警察から連絡が来た場合の対応、前科や不起訴の判断などについて、刑事事件の実務を踏まえて解説します。
この記事の監修者
藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介
全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。
万引きで逮捕される?初犯・後日逮捕の可能性を解説
万引きは窃盗罪として扱われる
万引きは、刑法上の窃盗罪として扱われます。刑法では、他人の財物を窃取した場合に窃盗罪が成立すると定められており、店の商品を代金を支払わずに持ち去った場合もこれに含まれます。
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」
もっとも、実際には「店を出ていないから万引きにならない」と考えてしまう方も少なくありません。しかし、店舗側が管理している商品を自分の支配下に置いたと判断されれば、店外へ出る前でも窃盗罪が成立すると判断される場合があります。
特に、商品のタグを外したり、衣類の内側へ隠したりしていた場合は、店舗側から「持ち去る意思があった」と判断されやすくなります。どの段階で既遂になるかは事案ごとの判断になりますが、レジ未精算のまま商品を自己支配下へ置いたと評価されれば、窃盗罪が成立する可能性があります。
【参考記事】
万引きがどのような罪に該当するか、という点については、以下の記事もご参照ください。
万引きは何の罪?窃盗罪の成立条件と刑罰・前科の有無を解説
万引きは後日逮捕されることもある
万引きは、現行犯でそのまま逮捕されるケースだけではありません。防犯カメラ映像やキャッシュレス決済履歴などから本人確認が行われ、後日になって警察から連絡が来るケースもあります。
店舗側が被害届を提出すると、警察は防犯カメラ映像の確認、関係者からの聞き取り、来店履歴の確認などを進めます。その結果、本人が特定された場合には、電話や呼び出しによって事情聴取を求められることがあります。
また、同じ店舗で繰り返していた場合や、余罪が疑われる場合には、逮捕の必要性が高いと判断されやすくなります。特に、呼び出しに応じない場合は、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されやすく、後日逮捕につながる可能性があります。
在宅事件として処理されるケースもある
一方で、すべての万引き事件で逮捕されるわけではありません。初犯で被害額が比較的小さい場合や、住所・勤務先が安定している場合には、身柄を拘束しないまま在宅事件として捜査が進むケースもあります。
在宅事件になった場合でも、警察からの呼び出しや取調べは行われます。また、被害店舗との示談状況や被害弁償の有無は、最終的な処分判断に影響する重要な事情になります。
特に、早い段階で示談が成立している場合には、不起訴処分につながることがあります。反対に、否認を続けている場合や、余罪が疑われている場合には、在宅事件で進んでいても途中で逮捕へ切り替わることがあります。

万引きで逮捕されるケースとは?逮捕されにくい場合も解説
現行犯で発覚したケース
万引き事件では、店員や警備員にその場で発見され、現行犯として対応されるケースがあります。特に、商品をバッグや衣類へ隠したまま店外へ出た場合には、窃盗の意思が明確であると判断されやすく、現行犯逮捕につながることがあります。
また、警備員から声を掛けられた際に逃走した場合には、逃亡のおそれがあると判断されやすくなります。現場で本人確認ができない場合や、身元確認を拒否した場合にも、逮捕の必要性が高いと判断されることがあります。
常習性・高額被害・否認は逮捕リスクを高めやすい
万引き事件では、悪質性が高いと判断される事情がある場合、逮捕の必要性が高いと判断されやすくなります。
例えば、同じ店舗で繰り返している場合や、余罪が疑われる場合には、常習性が重視されやすくなります。また、被害額が高額である場合や、転売目的が疑われる場合も、単発的な事案より重く見られる傾向があります。
さらに、警察の事情聴取に対して全面否認を続けている場合には、証拠隠滅のおそれがあると判断されることがあります。
防犯カメラなどから後日発覚することがある
万引きは、その場で発覚するケースだけではありません。防犯カメラ映像や購入履歴などから本人確認が行われ、後日になって警察から連絡が来るケースもあります。
特に、セルフレジでは会計履歴との照合が行われることもあり、未精算商品が確認されるケースがあります。
【参考記事】
セルフレジの万引きについては、以下の記事もご参照ください。
セルフレジ万引きはバレる?うっかり未精算と逮捕リスクを解説
初犯かつ被害額が小さい場合は在宅事件になることもある
一方で、すべての万引き事件で逮捕が行われるわけではありません。初犯であり、被害額も比較的小さい場合には、身柄を拘束せずに在宅事件として処理されるケースがあります。
特に、住所や勤務先が安定しており、警察からの呼び出しにも応じている場合には、逃亡のおそれが低いと判断されやすくなります。
もっとも、在宅事件として進んでいても、余罪が発覚した場合や、呼び出しを無視した場合には、途中で逮捕へ切り替わる可能性があります。
示談成立や身元の安定が考慮されることもある
被害店舗との示談が成立している場合には、逮捕の必要性を判断するうえで有利な事情として考慮されることがあります。
また、家族による監督状況や、継続的な勤務実態なども、身元の安定性を示す事情として考慮される場合があります。逮捕が必要かどうかは、「事件の悪質性」だけでなく、「逃亡や証拠隠滅のおそれ」があるかどうかによっても判断されます。
そのため、初犯であっても常習性が疑われる場合には逮捕されることがありますし、反対に、一定の被害額があっても在宅事件として進むケースもあります。
現行犯での発覚後、特に逃亡や証拠隠滅の可能性をうかがわせる出来事があった場合、逮捕の可能性は高くなりやすいです。不合理な逃走や商品の隠匿などが一例でしょう。
万引き事件はどのように進む?後日逮捕までの流れ
店舗から被害届が提出されることがある
万引きが発覚した場合、店舗側は警察へ通報したうえで、被害届を提出することがあります。被害届が提出されると、警察は事件として捜査を開始します。
もっとも、店舗側が必ず被害届を提出するとは限りません。被害額、本人の対応状況、被害弁償の有無などを踏まえて判断されることがあります。ただし、被害届が提出されていないと思い込んでいても、実際には捜査が進んでいるケースがあります。
特に、店舗側が防犯カメラ映像を保管している場合には、後日になって警察が捜査を開始することもあります。
【参考記事】
万引きの被害届については、以下の記事もご参照ください。
万引きで被害届を出されたら?逮捕・流れ・対処のポイント
防犯カメラ映像などから本人確認が行われる
警察は、防犯カメラ映像や購入履歴などをもとに、本人確認を進めることがあります。店舗の会員情報やキャッシュレス決済履歴などから、本人特定につながるケースもあります。
また、同じ店舗で繰り返していた場合には、過去の映像確認が行われることもあります。その場で発覚していなくても、後日になって本人確認が進むケースは珍しくありません。
警察から電話や呼び出しを受けることがある
本人確認が進むと、警察から電話や呼び出しを受けることがあります。警察署への出頭を求められ、事情聴取が行われるケースもあります。
この段階では、直ちに逮捕されるとは限りません。しかし、呼び出しを無視した場合には、逃亡のおそれがあると判断されることがあります。
また、警察は事情聴取の内容だけでなく、反省状況、余罪の有無、今後の出頭見込みなども確認しています。呼び出しへの対応状況は、逮捕の必要性判断にも影響します。
任意出頭後に逮捕される場合もある
警察署へ任意出頭した場合でも、そのまま帰宅できるとは限りません。事情聴取の結果、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断された場合には、その場で逮捕されるケースがあります。
例えば、余罪が多数疑われている場合や、供述内容に不自然な点がある場合には、身柄拘束の必要性が高いと判断されることがあります。
一方で、初犯であり、被害額も小さい場合には、在宅事件として処理されるケースもあります。逮捕されるかどうかは、事件の悪質性だけでなく、今後の捜査に支障が生じるおそれがあるかによっても判断されます。
後日逮捕までの期間はケースによって異なる
後日逮捕までの期間は、事案によって異なります。数日以内に警察から連絡が来るケースもあれば、数週間から数か月後に捜査が進むケースもあります。
特に、防犯カメラ映像の確認や本人特定に時間が掛かる場合には、発覚から一定期間経過後に警察から連絡が来ることがあります。
そのため、「しばらく警察から連絡がないから大丈夫」とは限りません。店舗側の被害申告や警察の捜査状況によっては、後日になって事情聴取や逮捕へ進む可能性があります。
呼び出しを無視すると逮捕につながる場合がある
警察からの呼び出しを無視した場合には、逃亡のおそれがあると判断されやすくなります。特に、繰り返し出頭要請を受けているにもかかわらず応じない場合には、通常の在宅捜査では対応できないと判断されることがあります。
また、警察は「今後も出頭に応じない可能性が高い」と判断した場合、逮捕状を請求することがあります。呼び出しを無視し続けると、当初は在宅事件として進んでいた事案でも、後日逮捕へ切り替わる可能性があります。
もっとも、警察から連絡が来た場合の対応方法は、供述内容や事件状況によって異なります。状況整理をしないまま対応すると、不利な供述につながることもあります。
【参考記事】
万引きは後からバレる?逮捕リスクと対処法を解説

万引きで警察から連絡が来たら?やってはいけない対応も解説
事情聴取で注意すべきこと
警察から電話や呼び出しを受けた場合、警察署で事情聴取が行われることがあります。事情聴取では、万引きの有無だけでなく、余罪の有無、当時の状況、反省状況などについて確認されます。
もっとも、警察から呼び出されたからといって、直ちに逮捕されるとは限りません。特に、初犯であり、呼び出しにも応じている場合には、在宅事件として捜査が進むケースもあります。
一方で、事情聴取では供述内容が記録化されるため、曖昧な説明や、その場しのぎの説明をすると、後の供述と食い違いが生じることがあります。
例えば、防犯カメラ映像や購入履歴と矛盾する説明をした場合には、「反省していない」「虚偽説明をしている」と受け取られることがあります。事実関係が整理できていない状態で説明を繰り返すと、自ら不利な状況を作ることもあります。
不用意な説明が不利になる場合もある
事情聴取では、「軽い気持ちだった」「払うつもりだった」などと説明してしまう方もいます。しかし、説明内容によっては、窃盗の意思を否定していると受け取られ、供述の信用性が問題になることがあります。
また、「以前にもやったことがある」など、余罪に関する説明を不用意にしてしまうケースもあります。警察は現在の事件だけでなく、余罪の有無も含めて捜査を進めています。
特に、事実関係が整理できていない状態で長時間説明を続けると、供述内容に矛盾が生じやすくなります。結果として、「供述が不自然である」と判断され、身柄拘束の必要性を疑われることもあります。
被害店舗へ直接連絡しない方がよいケースもある
万引き発覚後、「自分で謝罪したい」「弁償したい」と考え、被害店舗へ直接連絡しようとする方もいます。
もっとも、事件化している場合には、店舗側が既に警察対応を進めていることがあります。その状況で突然連絡をすると、店舗側へ強い心理的負担を与えることがあります。
また、繰り返し連絡した場合には、店舗側から「接触を続けている」と受け取られることもあります。示談や被害弁償は重要ですが、進め方を誤ると、かえって状況を悪化させることがあります。
特に、被害店舗が弁護士対応へ移行している場合には、本人から直接連絡しても話が進まないケースがあります。
弁護士へ早期相談するメリット
警察から連絡が来た段階では、今後どのように対応するべきかによって、処分結果が変わることがあります。
例えば、
- 出頭時にどのような説明を行うか
- 示談をどの段階で進めるか
- 被害弁償をどのように行うか
- 余罪への対応をどう整理するか
によって、捜査機関の評価が変わることがあります。
また、弁護士へ早い段階で相談している場合には、示談交渉や警察対応を整理しながら進めることができます。特に、後日逮捕の可能性がある事案では、初期対応がその後の処分へ影響することがあります。
連絡には応じ、捜査協力は行う、という理解が、逮捕を避ける観点では最も適切でしょう。
万引きで逮捕されたらどうなる?勾留・前科の流れを解説
逮捕後は警察で取調べを受ける
万引きで逮捕された場合、まず警察署で取調べが行われます。取調べでは、事件当時の状況、万引きに至った経緯、余罪の有無などについて確認されます。
また、家族構成、勤務先、生活状況などについて聞かれることもあります。これは、単に事件内容を確認するだけでなく、逃亡のおそれや身元の安定性も確認しているためです。
特に、余罪が疑われている場合には、過去の行動について詳しく確認されることがあります。万引き事件では、単発の事案として扱われるのか、常習性が疑われるのかによって、その後の処理が変わることがあります。
72時間以内に勾留請求が判断される
逮捕後は、警察が事件を検察へ送致し、検察官が勾留請求を行うか判断します。この判断は、逮捕から72時間以内に行われます。
勾留請求が行われた場合、裁判官が勾留の必要性を判断します。勾留が認められると、原則10日間、さらに延長された場合には最大20日間、身柄拘束が続くことがあります。
もっとも、すべての万引き事件で勾留が認められるわけではありません。初犯であり、被害額も小さい場合には、勾留請求されずに釈放されるケースもあります。
一方で、常習性が疑われる場合や、余罪が多数ある場合には、証拠隠滅のおそれがあると判断されやすくなります。
勾留されると最大20日間身柄拘束が続くことがある
勾留中は、自宅へ自由に帰ることはできません。仕事や学校へ通常どおり通うことも難しくなります。
また、事件内容によっては、家族以外との面会が制限されることもあります。特に、余罪が疑われている場合には、関係者との接触制限が厳しくなるケースがあります。
勾留期間中、警察や検察は取調べを継続し、証拠収集を進めます。勾留が続くほど、仕事や家庭への影響も大きくなりやすくなります。
そのため、身柄拘束が続いている場合には、示談の進行状況や反省状況なども含めて、早期釈放に向けた対応が重要になります。
起訴・不起訴が判断される
捜査終了後、検察官が起訴するかどうかを判断します。起訴された場合には、刑事裁判へ進みます。
一方で、初犯であり、被害額が小さい場合や、示談が成立している場合には、不起訴となるケースもあります。不起訴になった場合には、有罪の裁判には進みません。
もっとも、示談が成立しているからといって、必ず不起訴になるわけではありません。余罪の有無、常習性、被害額なども含めて総合的に判断されます。
有罪になると前科がつく
起訴され、有罪の裁判となった場合には、前科がつきます。万引き事件では、罰金刑となるケースもありますが、罰金刑であっても有罪である以上、前科として扱われます。
また、繰り返し万引きを行っている場合には、執行猶予が付かず、実刑となるケースもあります。特に、常習性が強い場合には、被害額だけでなく、繰り返し行われている点が重く見られることがあります。
そのため、万引き事件では、逮捕後の対応だけでなく、示談や被害弁償を含めた早期対応が処分判断に大きく影響します。

万引きで家族や会社に発覚する?警察から連絡されるケースとは
家族へ連絡されるケース
万引き事件では、警察から家族へ連絡が行われることがあります。特に、逮捕された場合には、身元確認や引受人の確認のため、家族へ連絡されるケースが多くあります。
また、未成年事件では、保護者への連絡が事実上避けられないケースがほとんどです。成人事件であっても、勾留によって帰宅できない状況になれば、家族へ事情を説明せざるを得なくなることがあります。
一方で、在宅事件として進んでいる場合には、警察が必ず家族へ直接連絡するとは限りません。ただし、自宅への連絡や郵送物、警察署への出頭状況などから、家族に発覚するケースはあります。
会社に発覚するケース
万引き事件が直ちに会社へ通知されるわけではありません。警察が勤務先へ当然に連絡する制度もありません。
もっとも、逮捕・勾留によって数日間出勤できなくなった場合には、不自然な欠勤によって事情説明を求められることがあります。また、家族が会社へ事情説明を行うケースもあります。
さらに、勤務先が業務上高い信用性を求める職種である場合には、事件発覚後の対応が問題になることもあります。特に、長期間の身柄拘束が生じた場合には、会社へ知られずに対応することが難しくなるケースがあります。
学校へ知られるケース
学生の場合、逮捕や勾留によって登校できない状況になると、学校側へ事情確認が行われることがあります。
また、未成年事件では、保護者対応を通じて学校へ情報が伝わるケースもあります。学校側が警察から直接連絡を受けるとは限りませんが、長期間欠席した場合には、結果的に事情説明が必要になることがあります。
特に、部活動や寮生活など、日常的に学校との接触が多い環境では、事件が周囲へ広がりやすくなる場合があります。
家宅捜索が行われる場合もある
万引き事件では、余罪が疑われている場合などに、自宅の家宅捜索が行われることがあります。
例えば、複数店舗での被害が疑われている場合や、転売目的が疑われている場合には、自宅内に被害品が残っていないか確認されることがあります。
また、家宅捜索は突然行われるケースもあります。警察官が自宅へ来たことで、家族や近隣住民へ事件が発覚することもあります。もっとも、すべての万引き事件で家宅捜索が行われるわけではありません。初犯で被害額も小さい事案では、家宅捜索まで行われないケースもあります。
【参考記事】
万引きで警察が家に来るケースについては、以下の記事もご参照ください。
万引きで警察が家に来る?来る条件と対応のポイント
捜査機関が直接周囲に連絡するケースは決して多くありませんが、捜査の過程で周囲に知られてしまうきっかけは意外に多いところです。もっとも、早期に適切な対処をすることでリスクを最小限に抑えることも可能でしょう。
万引きでも不起訴になる?前科を避けられるケースを解説
初犯で悪質性が低いケース
万引き事件では、初犯であり、被害額も比較的小さい場合には、不起訴となるケースがあります。
検察官は、被害額だけでなく、計画性の有無、常習性、事件後の対応状況なども踏まえて処分を判断しています。例えば、衝動的に行ってしまった単発事案と、繰り返し行われている事案とでは、処分判断が異なります。
特に、余罪がなく、反省状況も明確である場合には、「刑事処分までは必要ない」と判断され、不起訴となるケースがあります。
一方で、初犯であっても、高額被害や転売目的が疑われる場合には、悪質性が高いと判断されることがあります。
示談が成立しているケース
万引き事件では、被害店舗との示談成立が重要な事情になります。
示談とは、被害弁償や謝罪などを踏まえ、被害店舗と解決合意を行うことをいいます。特に、店舗側が厳しい処罰を求めていない場合には、不起訴方向で考慮されることがあります。
もっとも、示談が成立したからといって、必ず不起訴になるわけではありません。常習性が強い場合や、余罪が多数ある場合には、示談成立後でも起訴されることがあります。
それでも、示談成立は、反省状況や再犯防止意思を示す重要な事情として扱われます。
被害弁償が行われているケース
被害商品の弁償が完了している場合も、処分判断へ影響することがあります。
例えば、被害額が比較的小さい事案では、早い段階で被害弁償を行うことで、被害回復が進んでいると評価されることがあります。
また、店舗側との示談までは成立していなくても、被害弁償自体は考慮事情になります。特に、弁護士を通じて適切に被害回復対応が進められている場合には、処分判断へ一定の影響を与えることがあります。
もっとも、被害弁償だけで不起訴が決まるわけではなく、事件の悪質性や余罪状況なども含めて総合的に判断されます。
深く反省している事情が考慮されることもある
万引き事件では、反省状況も処分判断の対象になります。
例えば、
- 警察の呼び出しへ適切に応じている
- 事実関係を認めている
- 再発防止策を整理している
- 家族による監督体制が整っている
といった事情は、再犯防止に向けた取り組みとして考慮されることがあります。
特に、繰り返し行われている事案では、「今後再犯を防げる状況にあるか」が重視されることがあります。単に謝罪しているだけでなく、再発防止へ具体的に取り組んでいるかも重要な判断要素になります。
不起訴になれば前科はつかない
不起訴になった場合には、有罪の裁判には進まないため、前科はつきません。
もっとも、不起訴であっても、事件として警察捜査を受けた事実自体が消えるわけではありません。また、同種事案を繰り返した場合には、過去の処理状況が捜査機関に把握されることがあります。
そのため、「初犯だから大丈夫」と考えるのではなく、早い段階で適切な対応を進めることが重要になります。特に、示談や被害弁償の進め方によっては、処分結果へ影響することがあります。
【参考記事】
万引きの時効は何年?逮捕リスクと成立条件・対処法

万引きで弁護士に相談するメリット|示談・不起訴への影響とは
被害店舗との示談交渉を任せられる
万引き事件では、被害店舗との示談成立が重要な事情になります。しかし、本人や家族が直接連絡しても、対応を断られるケースがあります。
また、対応方法を誤ると、店舗側へ強い負担を与えてしまうこともあります。弁護士が入ることで、被害弁償や謝罪対応を整理しながら示談交渉を進めやすくなります。
取調べや警察対応について助言を受けられる
警察から呼び出しを受けた場合、説明内容によっては不利な供述につながることがあります。
特に、余罪が疑われている場合や、事実関係が整理できていない場合には、対応方針を整理しないまま事情聴取へ進むリスクがあります。
弁護士へ相談している場合には、今後の捜査の流れや、事情聴取で注意するべき点を整理したうえで対応しやすくなります。
身柄解放や不起訴に向けた対応を進めてもらえる
逮捕・勾留された場合、身柄拘束が長引くと、仕事や家庭へ大きな影響が生じます。
弁護士は、示談状況や監督体制などを整理し、早期釈放や不起訴に向けた対応を進めます。また、必要に応じて検察官へ意見書提出を行うこともあります。
特に、初期対応の内容は、その後の処分判断へ影響することがあります。
早期釈放や不起訴を実現したい場合には、弁護士への依頼を検討することが第一歩と考えるのが望ましいでしょう。弁護士とともに具体的な手段や方針を決め、早期に実行することが肝要です。
万引きの逮捕についてよくある質問
初犯でも逮捕されますか?
初犯であっても、逮捕される可能性はあります。
特に、
- 呼び出しに応じない場合
- 余罪が疑われている場合
- 被害額が高額な場合
- 身元確認ができない場合
などには、逮捕の必要性が高いと判断されることがあります。
一方で、初犯であり、被害額も比較的小さく、警察からの呼び出しにも応じている場合には、在宅事件として処理されるケースもあります。初犯かどうかだけで決まるわけではなく、逃亡や証拠隠滅のおそれがあるかも重視されます。
被害届が出ると逮捕されますか?
被害届が提出されたからといって、必ず逮捕されるわけではありません。
もっとも、被害届が提出されると、警察は事件として捜査を開始します。そのため、防犯カメラ映像や購入履歴などから本人確認が進み、後日になって警察から連絡が来るケースがあります。
また、常習性や余罪が疑われている場合には、逮捕の必要性が高いと判断されることがあります。
万引きしたら警察が家に来ますか?
すべての事件で警察が自宅へ来るわけではありません。
もっとも、本人確認のために自宅を訪問するケースや、呼び出しに応じない場合に自宅へ来るケースはあります。また、余罪が疑われている場合には、家宅捜索が行われることもあります。
特に、警察からの連絡を無視している場合には、在宅事件としての対応が難しいと判断されることがあります。
後日逮捕はどれくらい後にありますか?
後日逮捕までの期間は事案によって異なります。
数日以内に警察から連絡が来るケースもあれば、数週間から数か月後に捜査が進むケースもあります。防犯カメラ映像の確認や本人特定に時間が掛かる場合には、発覚から一定期間経過後に警察が動くこともあります。
そのため、しばらく連絡が来ていない場合でも、後日になって事情聴取や逮捕へ進む可能性があります。
示談すれば前科はつきませんか?
示談が成立している場合には、不起訴方向で考慮されることがあります。不起訴になった場合には、有罪の裁判には進まないため、前科はつきません。
もっとも、示談が成立しているからといって、必ず不起訴になるわけではありません。常習性、余罪、被害額なども含めて総合的に判断されます。また、既に起訴されている場合には、示談成立だけで前科を避けられるわけではありません。示談は重要な事情ですが、それだけで処分が決まるわけではない点に注意が必要です。
刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ
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早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。
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