借金の返済が難しくなり、「自己破産をすると給料や預金は差し押さえられるのか」「家や車まで失ってしまうのか」と不安に感じている方もいるでしょう。また、すでに給与差押えを受けている方の中には、「自己破産で差押えを止められるのか」が気になっている方も少なくありません。

自己破産と差押えは密接に関係していますが、自己破産をしたからといって全ての財産が差し押さえられるわけではありません。差し押さえの対象になる財産とならない財産があり、手続の進行状況によっては給与差押えの停止を求められる場合もあります。

一方で、差押えを放置すると給料や預金が回収されるだけでなく、勤務先に給与差押えの事実が知られることもあります。対応が遅れるほど選択肢が少なくなるため、自分の状況で何が差し押さえの対象になるのか、いつまで対応できるのかを正しく理解することが重要です。

この記事では、自己破産で差し押さえされる財産・差し押さえされない財産、給与差押えが止まるタイミング、家族や会社への影響、差押えまでの流れについて解説します。

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自己破産すると差し押さえされる?まず知っておきたい基本

自己破産=すぐ差押えではない

自己破産を検討している方の中には、「自己破産をすると財産を差し押さえられる」と考えている方もいるかもしれません。しかし、自己破産を申し立てたことだけを理由として、直ちに差押えが行われるわけではありません。

自己破産は、裁判所を通じて借金の支払義務の免除を求める手続です。一方、差押えは、債権者が財産を強制的に回収するための手続です。両者は目的も手続も異なります。

借金を滞納している場合には差押えのリスクが生じますが、自己破産は差押えの原因ではなく、差押えへの対応手段の一つです。そのため、「自己破産をすると差し押さえられる」と考えるのではなく、「返済不能の状態が続くと差押えの可能性があり、その解決方法として自己破産がある」と理解することが重要です。

差押えは強制執行で行われる

債権者が給料や預金を差し押さえるためには、原則として裁判所を利用した強制執行手続を経る必要があります。

例えば、消費者金融やクレジットカード会社は、借金の返済が滞ったからといって直ちに預金口座を差し押さえられるわけではありません。通常は、支払督促や訴訟を経て判決等を取得し、債務名義を得たうえで差押えを申し立てます。

そのため、借金を数か月滞納しただけで突然給料が差し押さえられることはありません。しかし、裁判所から届いた支払督促や訴状を放置すると、債権者は強制執行を行える状態になります。

差押えには原則として債務名義が必要です。差押えのリスクを判断する際は、滞納の有無だけではなく、裁判手続がどこまで進んでいるかを確認する必要があります。

自己破産前後で差押えの扱いは異なる

差押えの可否や効果は、自己破産手続のどの段階にあるかによって変わります。

例えば、自己破産を申し立てる前であれば、債権者が判決等を取得している場合、給与や預金の差押えが行われる可能性があります。

一方で、破産手続開始決定後は、個々の債権者が自由に財産を回収することは認められません。債権者全員を平等に扱う必要があるため、一定の財産は破産管財人が管理・換価し、配当に回されます。

また、すでに給与差押えを受けている場合でも、破産手続の進行によって差押えの効力が制限されることがあります。

そのため、

  • まだ滞納段階なのか
  • 訴訟を起こされているのか
  • すでに差押えを受けているのか
  • 自己破産申立て後なのか

によって、取るべき対応は大きく異なります。

差押えの扱いは自己破産手続の進行段階によって異なります。まずは自分がどの段階にいるのかを把握することが重要です。

自己破産の手続が開始することにより、個別の債権者による差押えは困難になります。代わりに、一定の財産がある場合には各債権者へ平等に分配されます。

自己破産で差し押さえされるもの一覧|給料・預金・家・車はどうなる?

自己破産をすると全ての財産を失うと思われがちですが、実際にはどの財産が処分対象になるかは財産の種類や価値によって異なります。

判断の基準となるのは、その財産に換価価値があるか、債権者への配当に回せるかです。高額な財産は処分対象になりやすい一方、生活に必要な財産や自由財産として認められるものは残せる場合があります。

給料・賞与

給料そのものは、自己破産をしたからといって当然に取り上げられるわけではありません。

勤務によって将来受け取る給料は破産者の生活を支える収入であり、原則として自由に受け取ることができます。

もっとも、すでに債権者による給与差押えが行われている場合は別です。この場合、勤務先が給料の一部を差し引いて債権者に支払うため、手続の進行状況によっては差押えへの対応が必要になります。

また、賞与についても基本的な考え方は同じです。支給前の将来の賞与そのものが当然に処分対象になるわけではありませんが、支給後に預金として残っている場合は預貯金として評価されることがあります。

将来受け取る給料は原則として残せますが、差押えを受けている場合は別途対応が必要です。

預貯金

預貯金は、自己破産において処分対象になりやすい代表的な財産です。

銀行口座に預金が残っている場合、その金額に応じて破産財団に組み入れられ、債権者への配当に回される可能性があります。

特に、まとまった預金がある場合は管財事件になる可能性が高くなります。

一方で、全ての預金が必ず回収されるわけではありません。自由財産として認められる範囲や裁判所の運用によって残せる場合もあります。

ただし、破産申立て前に預金を引き出して隠したり、家族名義の口座へ移したりすると問題になります。

預貯金は差し押さえや処分の対象になりやすいため、申立て前に勝手に動かさないことが重要です。

自宅などの不動産

自宅を所有している場合、不動産は原則として処分対象になります。

不動産は高額な財産であることが多く、売却によって債権者への配当原資を確保できるためです。

住宅ローンが残っている場合には、金融機関が抵当権を実行して競売手続を進めることもあります。

そのため、自宅を残したい場合には、自己破産ではなく個人再生が選択肢になるケースもあります。

ただし、不動産の評価額や担保権の状況によっては、売却しても配当に回る財産がほとんどない場合もあります。実際に処分対象になるかは、評価額や担保残高などを踏まえて判断されます。

自宅などの不動産は、原則として自己破産で残せない財産と考えておく必要があります。

自動車・バイク

自動車やバイクも財産的価値があるため、価値によっては処分対象になります。

もっとも、全ての車が処分されるわけではありません。

例えば、年式が古く市場価値がほとんどない車であれば、換価価値がないとして手元に残せることがあります。

一方、高年式車や高級車は売却対象になる可能性が高いでしょう。

また、自動車ローンが残っている場合には、所有権留保によりローン会社が車を引き揚げることもあります。

そのため、自動車については、

  • 車の時価
  • ローン残高
  • 所有者名義

などを個別に確認する必要があります。

自動車が残せるかどうかは、車の価値とローンの有無によって大きく変わります。

保険の解約返戻金

生命保険や学資保険などに解約返戻金がある場合、その返戻金相当額が財産として評価されます。

解約返戻金が高額であれば、保険契約を解約して配当に回される可能性があります。

一方で、解約返戻金が少額の場合や裁判所の運用上認められる範囲であれば、契約を維持できる場合もあります。

保険を続けられるかどうかは、保険料ではなく解約返戻金額が重要な判断要素になります。

保険の処分可否は、毎月の保険料ではなく解約返戻金の金額によって判断されます。

退職金

退職金は、すでに受け取っている場合と将来受け取る予定の場合で扱いが異なります。

すでに受け取った退職金が預金として残っている場合は、通常の財産として評価されます。

また、勤務先に退職金制度がある場合には、将来受け取る予定の退職金についても一定割合が財産として評価されることがあります。

退職予定が近い場合や金額が大きい場合ほど、手続に与える影響は大きくなります。

退職金は現在の受取状況や退職時期によって評価方法が異なります。

NISA・株式などの有価証券

NISA口座で保有している投資信託や株式であっても、財産であることに変わりありません。

NISAには税制上の優遇がありますが、自己破産で処分対象から除外される制度ではありません。

そのため、株式や投資信託に換価価値がある場合には、売却して配当に回される可能性があります。

近年はNISAを利用して資産形成を行っている方も増えていますが、自己破産との関係では通常の金融資産と同様に扱われます。

NISAだから残せるわけではなく、財産的価値があれば処分対象になります。

ブランド品・高価品

ブランドバッグ、高級腕時計、貴金属、美術品なども換価価値があれば処分対象になります。

自己破産では生活に必要な財産を守る一方で、換価可能な財産は債権者への配当に充てることが原則です。

そのため、市場で売却できる高価品を多数保有している場合には、処分対象となる可能性があります。

反対に、中古市場でほとんど価値がない日用品や衣類などは通常問題になりません。

高価品かどうかは購入価格ではなく現在の市場価値で判断されます。

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自己破産でも差し押さえされない財産とは?残せるものを解説

99万円以下の現金

自己破産をしても、99万円以下の現金は自由財産として原則残すことができます。

これは破産法で認められている制度であり、破産後も最低限の生活を維持できるようにするためです。そのため、申立時に手元にある現金が99万円以下であれば、通常は処分対象になりません。

もっとも、ここでいう現金とは、財布の中や自宅で保管している現金を指します。

99万円基準が適用されるのは現金であり、銀行口座の預貯金にはそのまま適用されません。

例えば、現金が50万円であれば原則残せますが、預金口座に50万円ある場合は別の判断になります。

また、「預金を全て引き出して現金にしておけば残せる」と考える方もいますが、申立直前の不自然な現金化は財産隠しを疑われる原因になります。

財産の処分や移動を行う前に、必ず弁護士へ相談することが重要です。

生活に必要な家財道具

自己破産をしても、通常の生活に必要な家財道具はそのまま使用できます。

例えば、

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • エアコン
  • テレビ
  • ベッド
  • 食器類

などは一般的な家庭生活に必要な物であり、通常は処分対象になりません。

また、スマートフォンや一般的なパソコンについても、現代では生活や仕事に必要な物として扱われることが多く、通常は問題になりません。

自己破産をしても、一般的な生活を送るために必要な家財道具まで失うことはありません。

一方で、高級時計やブランドバッグ、骨董品など換価価値の高い財産は別途処分対象になる可能性があります。

そのため、「家の中にある物は全て持っていかれる」という理解は誤りです。

差押禁止財産

法律上、債権者が差し押さえること自体が禁止されている財産があります。これを差押禁止財産といいます。

代表的なものとして、

  • 衣服
  • 寝具
  • 家具
  • 台所用品
  • 職業に欠くことのできない器具等
  • 一定範囲の給与債権

などがあります。

これらが保護されているのは、債務者やその家族の最低限の生活を維持するためです。

特に給与については誤解が少なくありません。

給与は原則として手取り額の4分の1までしか差し押さえることができません。

そのため、給与差押えを受けた場合でも、収入の全てを失うわけではありません。

もっとも、給与額が高額な場合には別の計算方法が適用されることがあります。具体的な計算方法については後述します。

自由財産の拡張

本来であれば処分対象となる財産であっても、裁判所が生活再建のために必要と認めた場合には、例外的に残せることがあります。これを自由財産の拡張といいます。

実務上よく問題になるのは、

  • 通勤に必要な自動車
  • 自営業者の営業用車両
  • 仕事で使用する工具
  • 業務用パソコン

などです。

例えば、公共交通機関が十分に整備されていない地域で、自動車がなければ通勤できない場合があります。また、自営業者にとって営業用車両や仕事道具は収入を得るために不可欠です。

そのため裁判所は、

  • 財産の価値
  • 利用頻度
  • 代替手段の有無
  • 仕事や生活への影響

などを考慮して判断します。

自由財産の拡張は、「持っていたい」という希望ではなく、「生活再建に必要か」という観点で判断されます。

車や仕事道具を残したい場合には、その必要性を具体的に説明できるよう準備しておくことが重要です。

給料の差し押さえは自己破産で止まる?停止されるタイミングを解説

給与差押えとは

給与差押えとは、債権者が勤務先に対して差押命令を送達し、給料の一部を直接回収する強制執行手続です。

借金を滞納しただけで給与差押えが始まるわけではありません。通常は、債権者が訴訟や支払督促によって債務名義を取得したうえで、裁判所へ強制執行を申し立てることで給与差押えが行われます。

給与差押えが始まると、勤務先は差押命令に従わなければなりません。そのため、債務者本人が債権者へ支払いを約束したとしても、勤務先が独自の判断で差押えを止めることはできません。

また、勤務先は差押命令を受け取るため、借金問題を会社に知られるきっかけにもなります。

給与差押えは勤務先を通じて行われる強制執行であり、開始後は本人の意思だけで止めることはできません。

差し押さえされる給料額

給与差押えが行われても、給料全額が差し押さえられるわけではありません。

一般の借金を理由とする給与差押えの場合、差し押さえできるのは原則として手取り額の4分の1までです。

例えば、

  • 手取り20万円の場合:約5万円
  • 手取り24万円の場合:約6万円
  • 手取り30万円の場合:約7万5000円

が差押えの対象になります。

これは、差押えによって生活が成り立たなくなる事態を防ぐためです。

給与は原則として手取り額の4分の1までしか差し押さえることができません。

もっとも、手取り額が44万円を超える場合には別の計算方法が適用されます。

弁護士へ相談しても給与差押えは止まらない

弁護士へ相談したり依頼したりすると、債権者からの督促や取立ては止まります。

しかし、既に始まっている給与差押えについては別です。

給与差押えは裁判所の命令に基づく強制執行であるため、弁護士が受任通知を送付しただけで当然に停止するわけではありません。

受任通知には督促を止める効果がありますが、給与差押えを当然に止める効果はありません。

そのため、給与差押えが始まっている場合には、早急に自己破産申立ての準備を進める必要があります。

自己破産の申立てだけでは給与差押えは止まらない

裁判所へ自己破産を申し立てた段階でも、給与差押えが自動的に止まるわけではありません。

申立てはあくまで破産手続開始決定を求める手続であり、その時点ではまだ裁判所が破産手続を開始すると決定していないためです。

そのため、

  • 弁護士へ依頼した
  • 受任通知が送られた
  • 自己破産を申し立てた

という段階では、給与差押えが継続することがあります。

破産手続開始決定後は将来の給与への差押えに影響が生じる

給与差押えとの関係で最も重要なのが、破産手続開始決定です。

破産手続開始決定が出ると、債権者による個別回収は制限されます。

特に重要なのは、開始決定後に働いて得る将来の給与です。

会社員が開始決定後に得る給与は、破産後の生活を支えるための収入であり、原則として破産財団に組み入れられません。

破産手続開始決定後に発生する将来の給与は、原則として債権者への配当に回されません。

一方で、開始決定前に既に給与差押命令が出ている場合や、差押手続が進行している場合には別途検討が必要です。

そのため、

  • 今後発生する給与なのか
  • 既に差押えの対象となっている給与なのか

を区別して考える必要があります。

すでに差し押さえられた給料は戻る?

既に債権者へ支払われた給料については、自己破産をしたからといって当然に返還されるわけではありません。

例えば、数か月にわたり給与差押えが続き、勤務先から債権者へ送金されていた場合、その全額を取り戻せるわけではありません。

そのため、

給与差押えが始まっている場合は、できるだけ早く自己破産を申し立てることが重要です。

対応が遅れるほど回収済みの金額が増えるためです。

ボーナスは差押え対象になる?

ボーナスも給与債権の一種であるため、給与差押えの対象になります。

そのため、差押命令の効力が継続している期間中に賞与が支給される場合には、ボーナスについても差押えが及びます。

特に夏季賞与や冬季賞与の支給時期が近い場合には、差押えによる影響額が大きくなることがあります。

給与差押えの効力は毎月の給料だけでなくボーナスにも及びます。

差し押さえ中でも自己破産はできる?今からでも間に合うケース

差押えが始まっていても自己破産はできる

給与や預金の差押えを受けている場合でも、自己破産を申し立てることは可能です。

差押えが始まったからといって自己破産ができなくなるわけではありません。実際にも、給与差押えや預金差押えを受けた後に自己破産を申し立てるケースは少なくありません。

また、自宅について競売開始決定が出ている場合であっても、自己破産の申立て自体は可能です。

差押えが始まっていても自己破産はできるため、「もう手遅れだ」と考える必要はありません。

むしろ差押えが始まっている状況は、返済不能状態が深刻化しているサインといえます。

差押え前よりも選択肢は少なくなる

もっとも、差押えが始まってから対応する場合には、差押え前よりも状況が不利になることがあります。

例えば、既に預金が差し押さえられている場合、その時点で回収された金額を取り戻すことは容易ではありません。

また、給与差押えが続いている場合には、対応が遅れるほど毎月回収される金額が増えていきます。

さらに、自宅の競売手続が進行しているケースでは、売却手続が進むにつれて対応できる範囲も限られていきます。

自己破産は差押え後でも利用できますが、差押え前の状態まで戻せるとは限りません。

そのため、差押えを受けている場合は早めに対応することが重要です。

自己破産を急ぐべきケース

差押えを受けている場合でも、直ちに生活できなくなるわけではありません。

しかし、次のようなケースでは早急な対応が必要です。

  • 給与差押えが始まっている
  • ボーナス支給日が近い
  • 複数の債権者から訴訟を起こされている
  • 自宅について競売開始決定が出ている
  • 差押えによって生活費の確保が困難になっている

これらの場合、対応が遅れるほど差押えによる不利益が大きくなります。

例えば給与差押えであれば、申立てを先延ばしにする間も毎月回収が続きます。競売であれば、手続が進むほど売却を前提とした状況になります。

差押えを受けている場合は、「様子を見る」のではなく、できるだけ早く弁護士へ相談することが重要です。

特に給与差押えや競売が始まっているケースでは、対応の早さが結果に大きく影響します。

特に給与の差し押さえを受けている場合、自己破産して免責が認められることでその後の差し押さえを防ぐことができる点で非常に有益と言えます。

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自己破産で家族や会社にバレる?差し押さえの影響を解説

自己破産だけで家族に通知されることはない

自己破産を申し立てても、裁判所が家族へ通知を送る制度はありません。

そのため、同居家族がいるからといって、自動的に自己破産の事実が知られるわけではありません。

また、家族が保証人になっていない限り、家族が借金の返済義務を負うこともありません。

自己破産をしただけで裁判所から家族へ連絡が行くことはありません。

もっとも、家計の状況や財産関係を確認する過程で、家族の協力が必要になることがあります。

家族に知られるきっかけ

自己破産が家族に知られる原因として多いのは、手続そのものではなく生活上の変化です。

例えば、

  • 自宅を手放すことになった
  • 郵便物を家族が見た
  • 弁護士や裁判所からの書類が届いた
  • 家計資料の提出が必要になった

といった事情から知られるケースがあります。

また、同居している配偶者の収入資料や家計資料の提出を求められることもあるため、全く知られずに手続を進めることが難しい場合もあります。

同居家族がいる場合は、手続上の資料収集を通じて自己破産を知られることがあります。

給与差押えは会社に知られる

自己破産そのものは、通常であれば会社へ通知されません。

しかし、給与差押えが行われた場合は事情が異なります。

給与差押えは勤務先に対して差押命令が送達されることで行われるため、会社は従業員の借金問題を認識することになります。

そのため、

  • 借金を会社に知られたくない
  • 人事担当者に事情を知られたくない

という場合には、給与差押えが始まる前に対応することが重要です。

会社に借金問題を知られる最大の原因は自己破産ではなく給与差押えです。

自己破産によって勤務先へ通知されるケース

一般の会社員であれば、自己破産を理由として裁判所から勤務先へ通知が行われることはありません。

また、勤務先が裁判所へ照会を受けることも通常はありません。

もっとも、

  • 生命保険募集人
  • 警備員
  • 宅地建物取引士
  • 建設業許可上の役員等

など、一部の資格や職業については破産手続中に資格制限を受ける場合があります。

そのため、業務内容によっては会社へ説明が必要になることがあります。

一般の会社員であれば、自己破産だけを理由として勤務先へ知られる可能性は高くありません。

家族名義の財産まで差し押さえられるわけではない

自己破産をすると、家族の財産まで処分されると思っている方もいます。

しかし、処分対象になるのはあくまで本人の財産です。

例えば、

  • 配偶者名義の預金
  • 子ども名義の預金
  • 親名義の不動産

などは、原則として本人の破産手続の対象にはなりません。

自己破産によって家族名義の財産まで当然に差し押さえられることはありません。

もっとも、名義だけ家族にしている実質的な本人財産と判断される場合には問題になることがあります。

そのため、財産の名義変更を行っている場合には注意が必要です。

差し押さえや自己破産を周囲に通知するような制度はありませんが、給与であれば会社、自宅の財産であれば同居家族に知られることは防ぎにくいです。

差し押さえされるまでの流れ|督促から強制執行まで

借金を滞納すると督促が始まる

借金の返済が遅れると、まず債権者から電話や郵送による督促が行われます。

滞納直後にいきなり財産を差し押さえられることはありません。

一般的には、

  • 電話による督促
  • SMSやメールによる連絡
  • 督促状や催告書の送付

などが行われます。

この段階で債権者と話し合いができれば、直ちに法的手続へ移行しないこともあります。

返済が遅れたからといって、すぐに差押えが行われるわけではありません。

債権者が訴訟や支払督促を申し立てる

督促を受けても返済や話し合いが行われない場合、債権者は裁判所の手続を利用して債権回収を図ります。

代表的な手続は、

  • 支払督促
  • 訴訟
  • 少額訴訟

です。

差押えを行うためには、債権者が裁判所を通じて債務名義を取得しなければなりません。

そのため、通常は裁判所から書類が届きます。

しかし、この段階で書類を放置してしまう方も少なくありません。

裁判所から届いた書類を放置すると、差押えにつながる可能性が高くなります。

判決や仮執行宣言付支払督促が確定する

債権者が差押えを行うためには、判決などの債務名義が必要です。

例えば、

  • 判決
  • 和解調書
  • 仮執行宣言付支払督促

などが代表例です。

債務者が裁判に対応しない場合には、債権者の主張どおりの内容で判決が出ることもあります。

また、支払督促について異議申立てをしなければ、仮執行宣言付支払督促が発付され、強制執行が可能になります。

差押えの前には、通常、判決等の債務名義が取得されています。

財産調査が行われる

債務名義を取得した債権者は、差押えを行うために財産を調査します。

例えば、

  • 勤務先
  • 銀行口座
  • 不動産

などの情報を把握している場合には、それらを対象として強制執行を申し立てます。

近年は財産開示手続や第三者からの情報取得手続も整備されており、以前よりも財産調査が行いやすくなっています。

そのため、「勤務先や銀行口座を知られていないから大丈夫」とは限りません。

債権者は法的手続を利用して財産情報を取得できる場合があります。

強制執行により差押えが行われる

財産調査の結果を踏まえて、債権者は強制執行を申し立てます。

差押えの対象になることが多いのは、

  • 給与
  • 預貯金
  • 不動産

です。

給与差押えであれば勤務先へ差押命令が送達され、預金差押えであれば銀行へ差押命令が送達されます。

不動産の場合には競売手続へ進むことになります。

差押えが始まる段階では、既に法的手続がかなり進行していることが一般的です。

そのため、督促や裁判所からの書類を放置せず、早い段階で対応することが重要になります。

差し押さえを避けたいなら早めの対応が重要|自己破産を検討すべきケース

毎月の返済のために借入れを繰り返している

借金の返済のために新たな借入れを行っている場合は、返済能力を超えて借金が膨らんでいる可能性があります。

例えば、消費者金融から借りて別の借金を返済したり、クレジットカードのキャッシングを返済資金に充てたりしている状況です。

この状態では返済総額が増え続けるため、時間が経つほど解決が難しくなります。

返済のための借入れを繰り返している場合は、自己破産を含めた債務整理を検討すべき段階に入っている可能性があります。

滞納が続き裁判所から書類が届いている

裁判所から支払督促や訴状が届いている場合は、既に債権者が法的手続に移行している状態です。

この段階で何も対応しないと、判決や仮執行宣言付支払督促が確定し、給与や預金の差押えにつながる可能性があります。

裁判所からの書類を放置しても借金問題は解決しません。

裁判所から書類が届いている場合は、差押えが現実的な問題になっていると考えるべきです。

給与や預金を差し押さえられると生活が困難になる

給与差押えが始まれば毎月の手取り額が減少し、預金差押えが行われれば生活費として予定していた資金を失うことがあります。

特に、

  • 生活費に余裕がない
  • 扶養家族がいる
  • 家賃や住宅ローンの支払いがある

といった場合には、差押えの影響が大きくなります。

差押えを受けると生活再建が難しくなるため、差押え前の段階で対応することが重要です。

自己破産を含めて早めに弁護士へ相談する

借金問題の解決方法は自己破産だけではありません。

収入や借金額、財産の状況によっては、任意整理や個人再生が適している場合もあります。

そのため、自分だけで判断するのではなく、まずは弁護士へ相談し、どの手続が適切なのかを確認することが重要です。

差押えの兆候が見えた段階で相談することが、財産や生活への影響を最小限に抑えるための重要なポイントです。

実際に差押えを受けた後では不利益を全て回避することは非常に難しくなります。できるだけ早期のご検討、ご相談をお勧めします。

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自己破産と差し押さえに関するよくある質問

自己破産をすると差し押さえはすぐに止まりますか?

いいえ、自己破産を検討しただけでは差押えは止まりません。

また、弁護士へ依頼したり自己破産を申し立てたりしただけで当然に差押えが停止するわけでもありません。

差押えへの影響が問題となるのは、裁判所が破産手続開始決定を出した後です。

もっとも、差押えの対象や手続の進行状況によって取扱いが異なるため、差押えを受けている場合は早めに弁護士へ相談することが重要です。

自己破産をすると給料は全て差し押さえられますか?

いいえ、給料全額が差し押さえられることはありません。

一般的な借金を理由とする給与差押えの場合、差し押さえできるのは原則として手取り額の4分の1までです。

また、自己破産後に働いて得る将来の給与は、原則として破産財団に組み入れられません。

そのため、自己破産によって給料を全て失うわけではありません。

自己破産をすると家族の財産も差し押さえられますか?

いいえ、自己破産の対象になるのは本人の財産です。

そのため、

  • 配偶者名義の預金
  • 子ども名義の預金
  • 親名義の不動産

などが当然に差し押さえられることはありません。

もっとも、名義だけ家族にしている実質的な本人財産については、処分対象と判断される可能性があります。

預金を引き出して現金にしておけば残せますか?

安易に現金化することはおすすめできません。

99万円以下の現金は自由財産として残せる場合がありますが、申立直前に預金を大量に引き出すと、財産隠しや不当な財産処分を疑われる可能性があります。

そのため、預金の引出しや財産の移動を行う前に弁護士へ相談することが重要です。

差し押さえが始まってから自己破産しても遅くありませんか?

いいえ、差押えが始まっていても自己破産は可能です。

実際にも、給与差押えや預金差押えを受けた後に自己破産を申し立てるケースは少なくありません。

もっとも、既に回収された財産を取り戻すことは容易ではなく、競売などの手続も進行していきます。

差押え後でも自己破産は可能ですが、早く相談するほど選択肢は広がります。

まとめ|自己破産による差し押さえが不安な場合は弁護士へ早めに相談を

借金を滞納したからといって、直ちに差押えが行われるわけではありません。しかし、対応を先延ばしにすると、給与や預金、不動産が差押えの対象になる可能性があります。

また、差押えが始まっていても自己破産による解決を検討できるケースは少なくありません。

差押えによる生活への影響を抑えるためには、差押え前の段階で対応することが重要です。

借金の返済が難しくなっている場合や、督促や裁判所からの書類が届いている場合には、一人で判断せず早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

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特設サイト:藤垣法律事務所