女性が離婚を決めたらすること8選|離婚後のやるべきことややってはいけないことまで解説

「離婚を決めたけど、何から手をつければいいの?」
「女性として後悔しないために、離婚後の準備や手続きって何があるの?」

そう思う方もいるのではないでしょうか。

離婚を円満かつ有利に進めるためには、事前に必要な準備を把握し、経済面・生活面・法的手続きを一つひとつ丁寧に進めていくことが重要です。

本記事では、女性が離婚を決めたときにまず行うべき行動や注意点、離婚後に必要な手続きや心構えについて具体的に解説していきます。

藤垣法律事務所では、離婚・男女問題に精通した弁護士が在籍しており、迅速対応により最適な解決方法をご提案いたします。下記からぜひご相談ください。

目次

女性が離婚を決めたらすること8選

女性が離婚を決めたら、まずは以下8つのことを行いましょう。

  • 離婚して本当に後悔がないか再検討する
  • 離婚する際の手続きについて理解する
  • 離婚成立までの期間を把握する
  • 離婚の理由を明確にする
  • 住む場所を決めておく
  • 子どもの親権を検討する
  • 夫に請求できる慰謝料や養育費を明確にする
  • 弁護士へ相談する

詳しく解説します。

離婚して本当に後悔がないか再検討する

離婚を決めた女性がまず行うべきことの1つが、「本当に離婚して後悔しないかどうかを再検討する」ことです。

カッとなるとつい感情的な勢いで決断しがちですが、冷静に自分の気持ちと向き合い、今後の人生において離婚が最善かを考え直す必要があります。

たとえば、「離婚後に経済的に自立できるか」「子どもの生活にどんな影響が出るか」「一人になって本当に後悔しないか」などを具体的に想像してみましょう。

紙に不安や期待を書き出して可視化すると、気持ちの整理がしやすくなります。また、信頼できる友人やカウンセラーに相談するのも有効です。

主に金銭面、家族への影響、自身の感情面を意識することが有力です。経済的に困ってしまう可能性、他の家族が希望しない可能性、自分の一時の感情が収まったら判断が変わる可能性などがある場合、本当に後悔しないか慎重な判断が望ましいでしょう。

離婚する際の手続きについて理解する

離婚は感情の問題だけでなく、法的な手続きが必要なため、具体的な流れを把握しておくことが重要です。

まず、夫婦が話し合って合意のもとに離婚する「協議離婚」の場合、市区町村役場に離婚届を提出すれば成立しますが、親権者の決定や財産分与、養育費の取り決めも同時に行っておく必要があります。

これに対して、話し合いで合意できない場合は家庭裁判所での「調停離婚」や「裁判離婚」に進むことになります。

調停や裁判では、法的な主張や証拠が求められるため、専門知識が必要になる場合もあるでしょう。

こうした手続きを正しく理解しておくことで、後になって不利な状況に陥らないように準備ができます。

離婚を試みる場合、「協議」「調停」「裁判」というステップを守って進めることが必要です。いきなり裁判で白黒つけることはできません。また、まずは協議で離婚できることを目指すのが早期解決のため重要になりやすいでしょう。

離婚成立までの期間を把握する

離婚はすぐに成立するとは限らず、選ぶ方法によってかかる期間が大きく異なります。

たとえば、お互いに合意して話し合いがスムーズに進む「協議離婚」であれば、離婚届を提出すれば即日成立することもあります。

しかし、財産分与や子どもの親権などで意見が合わず、家庭裁判所での話し合いが必要になる「調停離婚」の場合は、平均で3〜6か月程度かかるケースも少なくありません。

このように、離婚の方法や状況によって必要な時間が大きく変わるため、自分がどの段階にあるかを確認し、スケジュールに余裕を持って準備することが重要です。

離婚の手続によっても変わりますが、協議の場合は数週間程度、調停の場合は半年~1年程度、裁判の場合は1~2年程度を想定することが多い傾向にあります。

離婚の理由を明確にする

単に「夫と合わない」といった感情的なものではなく、なぜ離婚に至る決断をしたのかを具体的に言語化する必要があります。

たとえば、「夫の浮気が繰り返された」「暴言やモラハラがあった」「生活費を入れないなど経済的に頼れない」など、できるだけ客観的に状況を説明できるようにしましょう。

離婚に踏み切る理由が明確であれば、調停や裁判で主張する際にも説得力が増し、慰謝料や親権の判断にも影響を与える可能性があります。

また、自分自身の気持ちを整理するうえでも有効です。離婚は人生の大きな選択ですから、「なぜ離婚するのか」を明確にすることは、後悔しない判断をするための大事なステップなのです。

住む場所を決めておく

離婚後にどこで生活するかは、今後の生活の安定に大きく関わるため、早めに具体的に検討する必要があります。

たとえば、実家に戻るのか、自分で賃貸住宅を探すのか、子どもの学校や職場の通勤などを考慮しながら決めていきます。

住む場所が決まっていないと、離婚成立後すぐに住まいがなくなってしまい、精神的にも経済的にも不安定になりがちです。

また、賃貸契約には初期費用がかかるため、予算を含めた計画も必要です。特に子どもがいる場合は、転校の時期や新しい環境への適応も配慮しなければなりません。

そのため、できれば離婚の話し合いを進める段階で、新しい住まいの候補をリストアップし、見学や手続きの準備をしておくとスムーズです。

子どもの親権を検討する

日本の法律では、離婚後の親権はどちらか一方の親にしか認められず、夫婦で共同親権を持つことはできません。

そのため、離婚届を提出する際には、どちらが親権を持つかを明確に決めておく必要があります。

親権には、子どもの生活や教育、医療などを決める権利と責任が含まれており、単に「一緒に暮らす」だけではなく、日常のあらゆる判断に関わってきます。

特に母親が親権を希望する場合、経済的に子どもを育てられる環境があるか、仕事と育児の両立が可能かといった現実的な要素も検討材料になるでしょう。

子どもの年齢が低い場合には、母親が親権者になるケースが多く見られます。子どもが概ね15歳以上の場合、子どもの意思を反映することが見込まれやすくなります。

夫に請求できる慰謝料や養育費を明確にする

慰謝料とは、夫の不貞行為(浮気)や暴力、精神的苦痛など、離婚の原因となった不法行為に対して請求できる賠償金です。

すべての離婚で必ず慰謝料が発生するわけではなく、相手に明らかな原因や過失がある場合に限られます。

一方、養育費とは、子どもを育てるために必要な費用を離婚後も相手に負担してもらうもので、子どもが成人するまで継続的に支払われるのが一般的です。

これらの金額は夫婦間での話し合いで決められますが、まとまらない場合は家庭裁判所の調停を利用することも可能です。

事前に弁護士に相談したり、相場を調べたりすることで、自分にとって妥当な金額を把握できます。

弁護士へ相談する

離婚は感情的な問題だけでなく、法律やお金、子どものことなど多くの複雑な要素が絡むため、法律的な観点も持ち合わせます。

弁護士に相談することで、自分に有利な条件で離婚を進めるためのアドバイスを受けられるほか、相手との交渉を代行してもらうことも可能です。

たとえば、慰謝料や養育費の金額、財産分与の割合、親権の取得など、自分だけでは判断が難しいことも、弁護士が法的根拠をもとに提案してくれます。

また、相手が感情的になり話し合いが進まない場合でも、第三者である弁護士が間に入ることで冷静な交渉が期待できます。

女性が離婚をした後にするべきこと9選

女性が離婚をした後にするべきことは、主に以下の通りです。

  • 離婚届の提出をする
  • 離婚時に旧姓へ戻す
  • 子どもの氏と戸籍を変更する
  • 転出・転入・転居の手続きを行う
  • 年金や健康保険に関する手続きを行う
  • 銀行口座・クレジットカードの登録情報を変更する
  • 子どもの学校・保育園への届け出を行う
  • 公的支援に関する手続きを行う
  • 職場へ連絡する

詳しく解説します。

離婚届の提出をする

離婚が正式に決まった後、まず行うべき大切な手続きが離婚届の提出です。

法律上の離婚を成立させるために必要なステップで、役所に書類を提出することで初めて婚姻関係が解消されます。

離婚届は、市区町村の役所で入手でき、記入する際には夫婦双方の署名と押印が必要です。協議離婚の場合、必ず証人2名(成人であれば親族や友人でも可)の署名も求められます。

書類が完成したら、住民票のある役所または本籍地のある役所に持参し、提出します。提出時には本人確認書類(運転免許証など)も忘れずに持参しましょう。

受理されると、正式に離婚が成立し、戸籍にもその旨が記載されます。

離婚時に旧姓へ戻す

旧姓へ戻すことは、離婚した女性が自分の元の名字に戻す手続きのことです。結婚中に夫の姓を名乗っていた場合、離婚するときに旧姓に戻すかどうかを選べます。

旧姓に戻したい場合は、離婚届を提出するときに「氏の変更届(戸籍の氏変更届)」を同時に役所に提出する必要があります。

これを提出しないと、離婚後も結婚中の姓のままになるため注意が必要です。

名前の変更届は、離婚届と同じく市区町村の役所で手続きができ、本人確認書類と離婚届の控えが必要です。

もし離婚届の提出後に変更したい場合も、離婚成立の日から3ヶ月以内なら氏の変更届を出すことができます。

子どもの氏と戸籍を変更する

離婚後に子どもの氏(名字)と戸籍を変更することは、親権者が変わる場合に重要な手続きです。

離婚で親権者が母親に変わると、子どもも母親の戸籍に入ることが多いです。このとき、子どもの氏も母親の姓に変更されることがあります。

具体的には、親権者が変わった後、家庭裁判所での親権確定や合意がなされている場合に、子どもの氏の変更と戸籍の移動を市区町村役場で申請します。

手続きには、戸籍謄本や親権者の印鑑、本人確認書類が必要です。

転出・転入・転居の手続きを行う

離婚後に新しい生活を始める際は、転出・転入・転居の手続きを正しく行うことが必要です。

まず、住んでいた市区町村から別の地域へ引っ越す場合は、「転出届」を提出します。これは引っ越しの14日前から当日までに、現在の住民票のある役所の窓口で行います。

転出届を出すと「転出証明書」が発行され、これを新しい住所地の役所に持参して「転入届」の提出が必要です。

転入届は引っ越し後14日以内に行う必要があり、住民票が新住所に移動します。また、同じ市区町村内で住所を変える場合は「転居届」を提出します。

これも14日以内に役所で手続きを行わなければなりません。

上記の手続きをしっかり行うことで、住民票が正確に管理され、国民健康保険や年金、子どもの学校手続きなど、生活に関わる行政サービスをスムーズに受けられます。

年金や健康保険に関する手続きを行う

離婚後は、年金や健康保険に関する手続きを速やかに行いましょう。

結婚中は配偶者の扶養に入っている場合もありますが、離婚後は自分で国民年金の第1号被保険者として加入手続きをする必要があります。

住民票のある市区町村役場で「国民年金の加入申請」を行います。

次に健康保険については、離婚で配偶者の健康保険から外れるため、自分で健康保険に加入しなければなりません。

会社勤めをしている場合は勤務先の健康保険に加入しますが、専業主婦の場合は市区町村の国民健康保険に切り替える手続きが必要です。

これらの手続きは引っ越し先の役所や勤務先で行い、健康保険証の更新や発行も受けられます。

手続きが遅れると医療費の負担が増えたり、年金の受給資格に影響が出たりする可能性があるため、離婚成立後できるだけ早く対応することが重要です。

銀行口座・クレジットカードの登録情報を変更する

銀行口座については、婚姻中に夫名義の口座を利用していた場合、離婚後は自分名義の口座を新たに開設することをおすすめします。

既存の口座の名義変更は基本的にできないため、新しい口座を作り、給与振込や公共料金の引き落とし先を変更しましょう。

次にクレジットカードも、登録している住所や連絡先、名義の変更が必要です。特に引っ越しを伴う場合は、カード会社に連絡し、住所変更の手続きを忘れずに行ってください。

また、離婚後に新たにクレジットカードを作る場合は、自分の信用情報を基に申し込むことになります。

変更手続きは、各銀行やカード会社の窓口やWebサイトで行えますが、本人確認書類が必要になることが多いため準備しておきましょう。

子どもの学校・保育園への届け出を行う

離婚によって子どもの保護者が変わる場合や住所が変わる場合は、現在通っている学校や保育園にその旨を連絡し、必要な手続きを確認しましょう。

具体的には、親権者の変更や住所変更の届出を学校や保育園の事務局に提出します。住所が変わる場合は、新しい学校への転校手続きが必要になることもあります。

その際は、転校先の教育委員会や保育園に問い合わせて入園・入学の手続きを進めましょう。

また、子どもの生活に支障が出ないよう、保育園の利用継続や学校の授業参加についてもスムーズに移行できるよう事前に相談しておくと安心です。

公的支援に関する手続きを行う

離婚後は、公的支援に関する手続きを行うことが重要です。

具体的には、離婚によって収入や生活状況が変わるため、国や自治体が提供するさまざまな支援制度を利用できる場合があります。

まず、住んでいる市区町村の役所で「ひとり親家庭」や「児童扶養手当」などの支援制度について相談しましょう。

申請には、離婚届の受理証明書や戸籍謄本、収入証明書などの書類が必要になるため、事前に準備しておくとスムーズです。

これらの手続きを行うことで、生活費の補助や医療費の助成、子育て支援などが受けられ、経済的な負担を軽減できます。

職場へ連絡する

離婚後は、職場へ速やかに連絡しましょう。理由は、給与振込先の銀行口座変更や扶養控除の手続き、健康保険や税金の扱いに影響があるためです。

まず、離婚によって名字が変わる場合は、本人確認や書類の訂正が必要になるため、総務や人事担当者に連絡し、氏名変更の手続きを進めてください。

また、配偶者の扶養から外れる場合は、扶養控除の変更手続きや健康保険の切り替えについても相談が必要です。

会社によっては、離婚に伴う各種書類の提出を求められることもあるため、役所で受け取った離婚届の受理証明書や戸籍謄本を準備しておくとスムーズです。

離婚前にやってはいけないこと

離婚を決めるのは本人次第ですが、決めた際に以下の行為は絶対に避けてください。

  • 感情的になって勢いで離婚を決めること
  • 不倫をする
  • 子どもを置いて別居する

詳しく解説します。

感情的になって勢いで離婚を決めること

離婚を考える際に、感情的になって勢いで離婚を決めることは避けるべきです。

怒りや悲しみ、焦りといった感情が高まった状態で離婚を決断してしまうと、冷静に考えれば回避できた問題や後悔につながる選択をしてしまう可能性があります。

特に離婚後の生活設計や経済的な基盤、子どもの養育環境など、しっかりと準備が整っていないまま離婚を進めてしまうと、不安定な状況に陥ることもあります。

離婚は人生に大きな影響を与える決断です。感情が落ち着いたタイミングで、将来を見据えて慎重に検討することが大切です。

不倫をする

離婚を考えているからといって、不倫をすることは絶対に避けるべき行動です。

たとえ夫婦関係が冷え切っていたとしても、婚姻関係が法的に継続している間は配偶者に対する貞操義務があります。

配偶者以外の異性と肉体関係を持つ行為は、この義務に違反するものであり、法律上「不貞行為」として認定されます。

もし自分に不倫の事実があると、離婚の際に慰謝料を請求されたり、親権や財産分与で不利になることがあるでしょう。

また、離婚原因が自分の不倫であると認定されると、自分から離婚を請求しても裁判で認められにくくなる可能性も考えられます。

子どもを置いて別居する

離婚を考えている最中に、感情的になって子どもを配偶者に預けたまま別居してしまうのは避けるべき行動です。

これは「子どもを置いて別居する」という状態であり、後に親権を争う際に不利な判断をされる可能性があります。

家庭裁判所では、親権をどちらが持つべきかを判断する際に、「現在子どもを主に養育しているのは誰か」という実績も重視します。

そのため、先に自分が子どもを置いて家を出てしまうと、「子どもを育てる意思がない」と見なされてしまう恐れがあるのです。

女性が離婚を検討している際は弁護士に助言をもらいながら準備を進めましょう

女性が離婚を決めたら、どんな手続きが必要なのかは把握しておく必要があります。

中には、離婚は法律的な手続きが多く含まれており、財産分与、慰謝料、養育費、親権など、感情だけでは判断が難しい問題が山積みです。

弁護士に相談することで、自分の法的権利や取りうる選択肢を正しく理解でき、不利な条件で合意してしまうリスクを避けられるでしょう。

藤垣法律事務所では、離婚・男女問題に精通した弁護士が在籍しており、迅速対応により最適な解決方法をご提案いたします。下記からぜひご相談ください。

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