「不倫されたけど、夫婦関係をやり直すことって本当にできるの?」
「再構築を目指しても、また同じことが起きるんじゃないかと不安…」
そう思う方もいるのではないでしょうか。
不倫後の再構築は簡単な道ではありませんが、正しいステップを踏めば、夫婦関係を再生させることは十分可能です。
大切なのは、お互いの感情を丁寧に見つめ直し、信頼を一から積み上げていく姿勢です。
本記事では、不倫という大きな傷を乗り越えて夫婦関係を再構築するための心構えや具体的な方法、乗り越えるべき課題について詳しく解説していきます。
藤垣法律事務所では、離婚・男女問題に精通した弁護士が在籍しており、迅速対応により最適な解決方法をご提案いたします。下記からぜひご相談ください。
不倫が発覚した後に関係性の再構築は可能か

不倫が発覚した後に、本当に夫婦関係を再構築できるのか、不安や疑問を抱く方は少なくありません。
信頼を裏切られた側にとっては、怒りや悲しみ、喪失感など複雑な感情が渦巻きます。一方で、加害者側にも罪悪感や後悔があり、夫婦関係を続けたいと願うケースもあります。
ここでは、不倫発覚後に再構築が可能かどうか、その現実と向き合っていきます。
再構築できる場合もあるが時間がかかる
不倫が発覚した後でも、一定の条件や努力が整えば、夫婦関係を再構築することは可能です。
ただし、その道のりは短くありません。まず、裏切られた側の心の傷を癒すには長い時間がかかります。
そして、信頼を一から築き直すためには、加害者側の誠意と行動が欠かせません。冷静な話し合いや専門家のサポートを受けるなど、段階を踏んで回復していく必要があります。
焦りは禁物であり、時間をかけて一歩一歩積み上げていく姿勢が重要です。
配偶者の方の個性や考え方などによって大きく異なりますが、再構築が必要な状況の場合、一朝一夕では難しいことが多いです。数週間~数か月は想定しておくことが望ましいでしょう。
そのまま離婚するパターンも十分あり得る
一方で、不倫の発覚がきっかけでそのまま離婚に至るケースも多く存在します。
特に過去にもトラブルを抱えていた夫婦や、どちらか一方に再構築の意志がない場合は、修復よりも別離を選ぶ傾向が強くなります。
また、子どもがいる場合や経済的な問題が絡むと、決断はさらに難しくなります。無理に再構築を試みても、双方の感情が伴わなければ長続きしません。
再構築には現実的な視点と冷静な判断が必要です。
体感的には概ね半々という印象でしょうか。不倫の内容や期間、回数などを踏まえて、配偶者の方がどのくらい深刻な状況と理解するかによって異なりやすいです。
不倫が発覚して関係性を再構築するための秘訣

関係性を再構築するには、単なる時間の経過ではなく、夫婦双方の行動や姿勢がカギを握ります。
再構築するためには、主に以下5つのことを意識しましょう。
- 感情を整理するための冷却期間を設ける
- 夫婦間の話し合いは冷静かつ本音でする
- 不倫された側にも落ち度がいか考えてみる
- スキンシップの時間もとる
- 再発防止のための具体的なルールを決める
詳しく解説します。
感情を整理するための冷却期間を設ける
不倫が発覚した直後は、怒りや悲しみ、混乱といった感情が強く、冷静な判断が難しい状態になります。
そのため、まずは一定期間の冷却期間を設けることが大切です。感情の整理がつかないまま話し合いを進めても、建設的な結論には至りません。
冷却期間中に、自分が本当に相手との関係を続けたいのか、どんな形なら再構築が可能なのかを、落ち着いて考える時間に充てましょう。
また、相手にも反省の時間を与えることができるため、今後の関係性を見直すための大切なステップになります。必要であれば、物理的に距離を置く選択も有効です。
夫婦間の話し合いは冷静かつ本音でする
冷却期間を経て再び向き合う際は、冷静かつ率直な話し合いが必要です。
感情的になってしまうと相手を責めるばかりになり、本当の意味での解決にはつながりません。本音を語ることで、相手の考えや立場を理解し、再構築への意志を確認できます。
まずは互いに落ち着いたタイミングを見計らい、感情を爆発させるのではなく、相手の話を最後まで聞く姿勢を持つことが基本です。
そして、自分の気持ちや考え、不安や期待を正直に伝えることも重要です。
「なぜ傷ついたのか」「今後どうしてほしいのか」などを具体的に言葉にすることで、相手にも理解を促すことができます。
また、相手の言い分にも耳を傾け、お互いの認識のズレを修正していくことが、信頼関係の再構築に繋がるでしょう。
不倫された側にも落ち度がないか考えてみる
被害者であるとはいえ、不倫された側もこれまでの夫婦関係を見直すことは再構築にとって重要です。
もちろん、不倫の責任は加害者にありますが、関係が冷え込んでいた、会話が少なかった、互いへの関心が薄れていたといった背景がある場合、それに気づき改善しようとする姿勢が必要です。
お互いの関係性を深く見つめ直すことで、同じ過ちを繰り返さない土台が築けます。
スキンシップの時間もとる
再構築の過程では、精神的な信頼関係と同時に、身体的な距離を縮めることも効果的です。
もちろん、無理に触れ合う必要はありません。まずは一緒に過ごす時間を増やし、自然な流れでスキンシップを取り入れていくことが大切です。
たとえば、夕食後に隣に座って会話を楽しむ、テレビを一緒に見ながらさりげなく手を触れるなど、小さな接点を重ねていくことで、お互いの心も少しずつほぐれていきます。
身体的なふれあいは、信頼回復に向けた重要なコミュニケーションのひとつです。
再発防止のための具体的なルールを決める
一度不倫があった場合、再発の不安は簡単には消えません。だからこそ、再構築を進める上で、ルールを明確にしておくことが大切です。
たとえば、「異性との連絡は事前に伝える」「定期的に夫婦の時間を持つ」など、お互いが納得できる範囲で具体的な取り決めを行います。
ルールは信頼を築き直す支えであり、同じ過ちを繰り返さないための防止策にもなります。
不倫後に関係を再構築するために乗り越えなければいけないこと

不倫後に関係を再構築するためには、主に以下のようなことを乗り越えなければなりません。
- 信頼の喪失
- 過去の出来事を蒸し返す行為
- 周囲の理解や家族との関係性
詳しく解説します。
信頼の喪失
不倫によって大きく傷つくのは信頼です。
信頼の喪失とは、相手の言動や気持ちを信じられなくなる状態を指し、「また裏切られるのではないか」「本音を隠しているのではないか」という不安が常につきまとうようになります。
たとえば、スマホを触っているだけで「誰かと連絡を取っているのでは」と疑ってしまったり、帰宅時間が少し遅れただけで心配が膨らんだりするのです。
一度壊れた信頼を取り戻すには、加害者側が誠実に行動を積み重ねるしかありません。
言葉だけでなく、日々の態度や選択から信頼を回復する努力が必要です。被害者側も、少しずつでも変化を認めることで、再び信じるきっかけを持つことができます。
信頼の再構築には時間と忍耐が求められるでしょう。
過去の出来事を蒸し返す行為
再構築を進める中で、つい過去の不倫の出来事を蒸し返してしまうことがあります。
これは感情的には理解できますが、関係を再構築しようとする中で、何度も過去を持ち出して相手を責めてしまうと、相手は「何をしても許されないのではないか」と感じ、修復の努力に対する意欲を失ってしまう恐れがあります。
また、責める側も常に過去にとらわれている状態では、前向きな関係構築が難しくなります。
重要なのは、気持ちを押し殺すことではなく、一度きちんと話し合い、心の整理をつけることです。
どうしても許せない気持ちがある場合は、カウンセリングなどの専門的なサポートを活用することも考えましょう。
周囲の理解や家族との関係性
不倫が発覚した後に夫婦関係を再構築する場合、当人同士の問題だけでなく、周囲の理解や家族との関係性も大きな壁になります。
たとえば、親や兄弟、友人などが「裏切られたのに、なぜ関係を続けるのか」と批判的な目を向けてくることがあります。
特に子どもがいる家庭では、不倫した親に対して子どもが不信感を抱いたり、距離を置こうとするケースも珍しくありません。
このように、再構築を選んだとしても、周囲からの否定的な意見や態度が当人たちの関係に影響を与える可能性が高いのです。
不倫後の関係性を再構築するために行うべきこと

不倫後の関係性を再構築するためには、主に以下のようなことを行う必要があります。
- 不倫誓約書の作成
- 慰謝料の請求
- 弁護士へ相談する
詳しく解説します。
不倫誓約書の作成
不倫誓約書とは、不倫をした配偶者が再び同じ過ちを繰り返さないように、自分の行動に責任を持つことを文書で約束する書類のことです。
法的な拘束力を持たせるために、具体的な内容や再発時のペナルティなどを明記するのが一般的です。
たとえば、「今後二度と不貞行為を行わないこと」「再度不倫が発覚した場合には〇万円の慰謝料を支払う」といった項目を盛り込むことで、当事者の真剣な姿勢を形として示せます。
このような誓約書を作成することは、感情だけに頼らず、具体的な行動によって信頼回復を目指す姿勢を示す手段にもなります。
また、不倫された側が精神的に安心感を持つ一助にもなり、再構築への第一歩として効果的です。
誓約するのみでなく、誓約事項に反した場合のペナルティ(慰謝料や違約金等)を取り決める場合には、ペナルティが生じる条件を明確にすることが適切です。内容が抽象的であったり不明確であったりすると、ペナルティに関する争いの原因となり得ます。
慰謝料の請求
慰謝料の請求とは、不倫によって精神的な苦痛を受けた側がその損害に対して金銭的な補償を求める行為です。
これは法律上認められた権利であり、不倫相手だけでなく、配偶者に対しても請求できます。
慰謝料の額は、結婚年数や子どもの有無、不倫の期間や悪質性などにより異なります。
不倫によって心に深い傷を負った場合、その被害の大きさに見合った金額を求めることができるのです。
不倫の慰謝料請求に関する詳しい内容は、以下の記事で解説しているので、合わせてご確認ください。
関連記事:不倫の示談金相場はケースによって異なる!金額に影響する内容や意識すべきことなどを徹底解説
不倫相手に慰謝料を請求する場合、慰謝料を支払った不倫相手から求償を受ける可能性がある点には注意が必要です。求償を受けた場合、配偶者(もう一方の不倫相手)は、不倫相手が支払った慰謝料の半額程度を支払う義務を負います
弁護士へ相談する
不倫に関するトラブルは感情的になりやすく、当事者同士だけでは冷静に解決するのが難しいケースも多いです。
その場合は、弁護士へ相談するのをおすすめします。
たとえば、不倫相手や配偶者に慰謝料を請求する場合、どのような証拠が必要か、どの程度の金額が妥当かといった点を専門的に判断してくれます。
また、再構築を望む場合でも、誓約書の作成や今後のトラブル防止のための法的アドバイスを受けられます。
相談することで、感情論ではなく法律に基づいた解決策を見つけることができ、安心して前に進むことができるでしょう。
不倫後に関係性の再構築を検討したけどやっぱり離婚したいと思った場合はどうすればいい?
再構築を目指して努力したものの、やはり心の整理がつかず、離婚を選びたいと考えることもあるでしょう。
その場合、まずは再度自分の気持ちを整理し、離婚という選択が本当に最善かどうかを冷静に見極めることが必要です。
そして、相手にその意思を伝える際には、感情的にならず、誠実に話し合うことが大切です。
離婚に向けての準備としては、財産分与や親権、慰謝料など法的な観点も含めて進める必要があります。不安があれば、弁護士に相談しながら段階を踏んで進めましょう。
不倫後の再構築は時間がかかることを意識しよう
不倫後に夫婦関係を再構築することは決して簡単ではありません。心の傷、信頼の回復、周囲との関係調整など、乗り越えなければならない課題が多く存在します。
しかし、時間と誠意をもって向き合えば、関係を再び築くことは可能です。焦らず、一歩ずつ歩む覚悟を持つことが再構築成功のカギとなります。
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