【刑事事件解決事例】万引き事件で店舗との示談が成立し不起訴処分となったケース

万引き事件では、後日発覚した場合でも捜査の対象となり、繰り返している事情があると処分が重くなることもあります。特に大規模店舗では示談に応じない運用が取られることも多く、解決が難しくなる傾向があります。ここでは、店舗側との協議を重ねた結果、被害届の取下げと不起訴に至った事例を紹介します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

事案の概要

ご相談者は、全国展開する小売店において商品数点の万引きをしてしまいました。
当日は発覚しなかったものの、後日警察から連絡を受けました。

さらに同じ店舗で複数回の万引き行為があり、
その事実は店舗側にも把握されている状況でした。


想定された法的リスク

本件では

  • 繰り返し行為がある
  • 店舗が被害を認識している
  • 警察の捜査が開始している

という事情から、起訴や前科の可能性も否定できない状況でした。
また、大規模店舗では示談に応じない方針が取られる場合も多く、解決が難しくなる傾向がありました。


弁護士の対応

1 店舗との交渉の開始

弁護士が被害店舗と協議を行ったところ、
条件次第では示談を検討可能との回答を得ることができました。

そこで、弁護士が双方の間に入り、
示談に向けた調整を進めることになりました。


2 謝罪と被害回復の実施

ご相談者の謝罪の意思を伝え、
店舗側の意向に沿った形で被害回復を行いました。

その結果、示談成立に至りました。


結果

店舗から被害届が取り下げられ、
事件は不起訴処分となりました。

前科が付くことなく終了しました。


この事例のポイント

  • 大規模店舗でも示談の可能性が生まれる場合がある
  • 謝罪と被害回復の具体的行動が重要
  • 早期の交渉開始が結論を左右する

万引き事件では、店舗の運用に関わらず、対応次第で解決の余地が生まれることがあります。

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

【刑事事件解決事例】傷害事件で逮捕後10日勾留の途中で不起訴釈放となった事例

傷害事件で逮捕された場合、勾留が決定すると10日間(場合によっては延長)にわたり身体拘束が続くのが通常です。もっとも、被害回復の状況や当事者間の解決状況によっては、満期を待たずに手続が終了することもあります。ここでは、勾留中に示談が成立し、途中で不起訴釈放となった事例を紹介します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

事案の概要

ご相談者は路上での口論をきっかけに、
相手を殴る行為に及んでしまいました。

通報により駆け付けた警察官により、
傷害事件として現行犯逮捕され、その後勾留されました。

早期解決を希望したご家族から、弁護士へ相談がありました。


想定された法的リスク

勾留が決定している以上、

  • 10日間の身体拘束(延長の可能性あり)
  • 起訴による前科の発生

が懸念される状況でした。


弁護士の対応

1 事案の性質の整理

事情を確認したところ、

  • 飲酒の影響による感情的な衝突
  • 重大な傷害結果ではない

などの事情があり、
適切な謝罪が伝われば早期解決の余地があると判断しました。


2 示談交渉の実施

被害者へ謝罪と事情説明を行い、
速やかな示談成立を目指しました。

その結果、比較的円滑に示談が成立しました。
示談成立は勾留5日目頃でした。


結果

示談成立後、速やかに処分が検討され、
勾留満期(10日)を待たず不起訴釈放となりました。

事件は早期に終了しました。


この事例のポイント

  • 勾留中でも途中釈放の可能性がある
  • 示談成立のタイミングが重要
  • 早期対応が身体拘束期間を左右する

勾留された事件でも、対応次第で結果や拘束期間が大きく変わることがあります。

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【刑事事件解決事例】受け子として関与した詐欺事件で全件不起訴となったケース

いわゆる闇バイトに関与してしまい、詐欺事件の一部を担ってしまった場合でも、内容や関与の程度によって処分が検討されます。もっとも、複数件に及ぶ特殊詐欺では被害額も大きくなりやすく、起訴に至る可能性が高いのが一般的です。ここでは、受け子として関与してしまった複数の詐欺事件について、被害回復と事情の整理を重ねた結果、すべて不起訴となった事例を紹介します。

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藤垣圭介

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これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

事案の概要

ご相談者はSNS上で募集されていたアルバイトに応募し、
いわゆる闇バイトの受け子として3件の詐欺事件に関与してしまいました。

3件目の被害者が事前に警察へ相談していたため、
現場付近で警察に発覚し、その場で逮捕されました。

ご相談者は当初、荷物の運搬業務と認識しており、
不審に感じる点はありながらも関与を続けてしまっていました。
犯罪であると明確に認識したのは逮捕後でした。


想定された法的リスク

特殊詐欺では

  • 事件数が複数
  • 組織犯罪の一部
  • 逮捕されている

という事情から、起訴の可能性が高く、
有罪となれば前科が付く結果も想定される状況でした。


弁護士の対応

1 事件全体の把握

まず、関与した件数を正確に特定しました。
その結果、関与は3件に限られることを確認しました。


2 被害回復と事情説明

3件それぞれの被害者に対し、

  • 関与の経緯
  • 立場
  • 認識状況

を丁寧に説明し、理解を得ることを目指しました。

その結果、すべての被害者から許しを得ることができました。


結果

事情と被害回復が考慮され、
3件すべて不起訴処分となりました。

ご相談者は刑罰を受けることなく、事件は終了しました。


この事例のポイント

  • 複数の詐欺事件でも関与状況の整理が重要
  • 被害回復の積み重ねが処分判断に影響する
  • 早期に全体像を把握することが結果を左右する

特殊詐欺事件では、関与の程度と対応の仕方が結論に大きく関わります。

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【刑事事件解決事例】家庭内トラブルによる傷害で逮捕後、早期釈放・不起訴となったケース

家庭内でのトラブルが警察沙汰となった場合、当事者同士の関係性にかかわらず、傷害事件として逮捕に至ることがあります。もっとも、家族間の事件では、被害者の意向や関係修復の状況が処分判断に影響することもあります。ここでは、逮捕後に早期釈放となり、その後不起訴で終了した事例を紹介します。

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藤垣圭介

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これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

事案の概要

ご相談者は自宅で母親と口論となり、
物を投げつける行為に及んでしまいました。

母親は顔面に痣ができるけがを負い、警察へ相談。
警察の案内により被害届が提出され、傷害事件として逮捕されるに至りました。


想定された法的リスク

家庭内の事件であっても、傷害結果が生じている以上、

  • 勾留による身柄拘束の長期化
  • 起訴による前科の発生

といった可能性がある状況でした。

一方で、被害者が家族である場合には、関係修復の有無が処分判断に影響する余地もありました。


弁護士の対応

1 被害者の意向の調整

弁護士が双方から事情を確認したところ、

  • ご相談者は深く反省している
  • 母親は強い処罰を望んでいない

ことが分かりました。

そこで弁護士が間に入り、
反省状況や気持ちを丁寧に伝達しました。

その結果、母親から釈放を希望する意向が示され、
早期釈放に至りました。


2 関係修復と不問の合意

釈放後、弁護士が仲介して話し合いの場を設け、
家族間で本件を不問とする形で解決しました。

その内容を捜査機関へ報告しました。


結果

被害者の意思と関係修復の状況が考慮され、
不起訴処分となりました。

前科が付くことなく事件は終了しました。


この事例のポイント

  • 家族間事件では被害者の意向が重要な事情となる
  • 早期の調整により釈放につながる場合がある
  • 関係修復の具体的な状況が処分判断に影響する

家庭内トラブルが刑事事件化した場合でも、対応の仕方により結論が変わる可能性があります。

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【刑事事件解決事例】痴漢で現行犯逮捕も翌朝釈放・不起訴となったケース

痴漢事件では、現行犯逮捕された場合、そのまま数日間の身体拘束が続き、起訴に至るケースも少なくありません。もっとも、逮捕直後の対応や供述方針の整理によって、手続の進み方が大きく変わることもあります。ここでは、逮捕後すぐに対応方針を見直し、翌朝の釈放と不起訴処分に至った事例を紹介します。

この記事の監修者

藤垣圭介

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代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

事案の概要

ご相談者は通勤中の電車内で、痴漢行為の疑いにより現行犯逮捕されました。

当初、ご相談者は「身に覚えがない」と主張していました。
しかし、

  • 被害者から強い犯人指摘がある
  • 第三者の目撃情報がある

という状況でした。


想定された法的リスク

痴漢の現行犯逮捕では、否認を続けた場合、

  • 数日間の勾留
  • 起訴
  • 前科の発生

へ進む可能性がありました。
特に目撃証言がある事案では、身柄拘束が長期化する危険がありました。


弁護士の対応

1 供述方針の速やかな修正

逮捕直後に弁護士が接見して事情を確認したところ、
当初の「身に覚えがない」という説明は事実と異なることが分かりました。

否認を続ければ拘束が長引くおそれがあったため、
速やかに方針を見直し、

事実関係を認め争わない方針

を警察へ伝えました。

その結果、内容を争わないことが確認され、
逮捕の翌朝に釈放されました。


2 示談交渉の実施

釈放後、弁護士が被害者と交渉を行い、
謝罪と被害回復を進めました。

最終的に示談が成立し、処分判断に反映されることとなりました。


結果

示談成立などの事情が考慮され、
不起訴処分となりました。

ご相談者は前科が付くことなく、事件は終了しました。


この事例のポイント

  • 逮捕直後の供述方針が結果を左右する
  • 不適切な否認は拘束長期化の要因となり得る
  • 早期の示談が不起訴につながる場合がある

逮捕された事件では、初動対応の差がその後の処分に大きく影響します。

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【刑事事件解決事例】5件の不同意わいせつ事件ですべて不起訴となったケース

不同意わいせつ事件では、事実関係を認めている場合、起訴に至る可能性が高いと考えられがちです。さらに複数件の事件が疑われる状況では、処分が重くなる危険もあります。一方で、被害回復への取り組みや対応の積み重ねにより、処分の結論が大きく変わることもあります。ここでは、複数の不同意わいせつ事件について捜査を受けながらも、最終的にすべて不起訴となった事例を紹介します。

この記事の監修者

藤垣圭介

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これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

事案の概要

ご相談者は、深夜の路上で飲酒後、女性に抱きついてしまうという不同意わいせつ事件を起こしてしまいました。
後日、自宅に警察が訪れ、そのまま逮捕される流れとなりました。

また、捜査の過程で、同じ地域において
類似の事件がさらに4件発生していたことが判明しました。

ご相談者の記憶はあいまいな部分があったものの、
事件が起きてしまったこと自体は否定できない状況でした。


想定された法的リスク

本件では

  • 事件が複数存在
  • 逮捕されている
  • 事実関係を認めている

という事情から、起訴される可能性が高く、
有罪判決となれば前科が付く結果も想定される状況でした。

特に複数件の事件がある場合、処分が重くなる傾向があり、
一部のみの不起訴にとどまらず、全体として刑事責任が問われる危険もありました。


弁護士の対応

1 被害回復を最優先とした方針

事実関係を争うのではなく、
被害者への謝罪と示談の成立を最優先に進める方針を取りました。


2 個別事件ごとの丁寧な対応

5件それぞれについて、弁護士が個別に連絡と説明を行いました。

その結果

  • 4件については示談成立
  • 1件は被害者と連絡が取れず示談未成立

となりました。

示談が成立した被害者からは、
起訴を望まない旨の意思表示をいただくことができました。


結果

示談の成立状況に加え、

  • 真摯な反省態度
  • 再発防止への取り組み

などが総合的に評価され、
5件すべてが不起訴処分となりました。

ご相談者は刑罰を受けることなく、事件は終了しました。


この事例のポイント

  • 複数件の事件でも対応次第で不起訴となる可能性がある
  • 示談成立の有無だけで結論が決まるわけではない
  • 早期の謝罪と被害回復が処分判断に影響する

内容を認めている事件であっても、対応の積み重ねにより結論が変わる余地があります。

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【刑事事件解決事例】放火を疑われたものの関与を否定し不起訴となったケース

放火事件のような重大犯罪では、たとえ心当たりがなくても、第三者の供述をきっかけに突然疑いをかけられることがあります。特に「共犯者の自白」が存在する場合、捜査は不利に進みやすく、対応を誤ると起訴に至るおそれもあります。一方で、供述の信用性や客観証拠を丁寧に検討することで、関与がないことを明らかにできる場合もあります。ここでは、放火を疑われたものの、適切な主張立証により不起訴処分となった事例を紹介します。

この記事の監修者

藤垣圭介

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事案の概要

ご相談者が通院している病院で火災が発生し、
その後、放火の疑いがかけられる事態となりました。

疑いのきっかけは、別の人物が

  • 自身が放火を試みたこと
  • ご相談者と共犯関係にあること

を自白したことでした。

もっとも、ご相談者には事件への関与の心当たりは一切なく、
自分は事件と無関係であるとの強い主張をされていました。


想定された法的リスク

放火は重大犯罪であり、起訴された場合には重い刑事責任が問題となります。
さらに、共犯者の供述がある場合、

  • 逮捕・勾留
  • 起訴
  • 有罪判決

へ進む危険もある状況でした。
特に「共犯者の自白」がある事件では、適切に反論しなければ不利な方向へ進む可能性があります。


弁護士の対応

1 供述の信用性の検討

弁護士が事情を精査したところ、
ご相談者が犯人であることを裏付ける事情は見当たりませんでした。

また、共犯者を名乗る人物の供述についても、
自己の責任を軽減するために他人へ責任転嫁している可能性が高いと判断しました。

そこで、

  • 犯罪の立証が困難であること
  • ご相談者が犯人でないこと

を説得的に示す方針としました。


2 事実関係と客観証拠の整理

ご相談者の記憶を丁寧に聴き取り、
疑われている内容と整合しない点を具体的に洗い出しました。

さらに、

  • 行動経過
  • 時間関係
  • 周辺状況

などを客観的証拠と照合し、
供述よりも事実関係が優先されるよう資料を整理しました。

その結果、
疑いを裏付ける客観証拠が存在しないこと、
ご相談者の説明の方が合理的であることを継続的に主張しました。


結果

検察において、犯罪の立証は困難と判断され、
不起訴処分となりました。

ご相談者は刑事裁判を受けることなく、
前科が付く事態を回避することができました。


この事例のポイント

  • 共犯者の自白があっても、それだけで有罪になるとは限らない
  • 客観証拠との矛盾を整理することが重要
  • 早期に弁護方針を明確化することで不起訴の可能性が高まる

供述が存在する事件では、感覚的な反論ではなく、
事実関係と証拠を積み重ねた主張が結果を左右します。

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【刑事事件解決事例】飲酒運転によるひき逃げで逮捕・実刑を回避した事例

飲酒運転に加えて事故現場から離れてしまった場合、いわゆる「ひき逃げ」として扱われ、逮捕や実刑判決に至る可能性が高い重大事件となります。もっとも、事故後の対応や早期の出頭、被害回復への取り組みなどによって、刑事手続の進み方や最終的な処分が変わる余地もあります。ここでは、飲酒運転によるひき逃げ事故において、在宅捜査のまま手続が進み、最終的に実刑を回避できた事例を紹介します。

この記事の監修者

藤垣圭介

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これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
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事案の概要

ご相談者は、深夜に居酒屋で飲酒した後、飲酒運転の状態で自動車を運転していました。
その途中、交差点において他車と出会い頭の交通事故を起こしました。

しかし、飲酒運転の発覚を恐れ、

  • 被害者の救護
  • 警察への事故報告

を行わず、そのまま現場を離れてしまいました(いわゆるひき逃げ)。

相談時点では警察からの連絡はありませんでしたが、
被害者が通報している可能性や、既に捜査が開始されているかは不明な状況でした。


想定された法的リスク

本件は単なる交通事故ではなく、

  • 酒気帯び(または酒酔い)運転
  • 救護義務違反(ひき逃げ)

が重なる重大事件であり、一般的には

  • 逮捕・勾留
  • 起訴
  • 実刑判決

まで至る可能性が高い事案でした。

特に「逃走」があるため、身柄拘束の危険性が強く懸念されました。


弁護士の対応

1 逮捕回避のための出頭方針

捜査機関からの呼び出しを待つのではなく、
弁護士主導で警察署への出頭を実施しました。

逃亡のおそれを払拭し、事件と向き合う姿勢を明確にすることで、
逮捕の必要性を低減させる方針をとりました。

その結果、

  • 真摯な反省
  • 自発的出頭

が評価され、逮捕されず在宅事件として処理されることになりました。


2 実刑回避のための弁護活動

本件では、仮に起訴された場合、実刑判決の可能性が高い類型でした。
そこで、刑事処分の軽減に向けて次の対応を進めました。

  • 取調べ対応の指導
  • 被害者への謝罪
  • 示談交渉を含む被害回復の尽力
  • 再発防止環境の整備

事件後の行動を丁寧に積み重ね、
「危険性の低い事案」へ評価を変えていく弁護を行いました。


結果

最終的に裁判では

  • 身柄拘束なし
  • 執行猶予判決

となり、
ご相談者は刑務所への収容(実刑)を回避することができました。


この事例のポイント

  • ひき逃げ+飲酒運転でも、早期対応により逮捕回避が可能な場合がある
  • 捜査前の自主出頭のタイミングが結果を大きく左右する
  • 実刑の可能性が高い事案でも、被害回復と適切な対応で執行猶予の余地が生まれる

重大交通事件では、事故後の行動が処分を大きく変えます。
特に逃走事案では、早期の専門的対応が結果に直結します。

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【交通事故解決事例】後遺障害12級獲得後,逸失利益の満額回収で2200万円超の高額賠償にて解決した事例

このページでは,交通事故等の事故被害者が,弁護士の活動により後遺障害等級認定を獲得し,金銭賠償の獲得や増額に成功した解決事例を紹介します。

【このページで分かること】

・実際に交通事故の金銭賠償を獲得した事件の内容
・後遺障害等級のポイント
・金額交渉・増額のポイント
・具体的な争点と解決内容

事案の概要

被害者が単車に乗車中,片側二車線の幹線道路を直進走行していたところ,左の駐車場から進入してきた四輪車と衝突する事故に遭いました。
被害者は,右上腕を骨折し,主に肩関節の可動域に大きな支障が生じている状況でした。

弁護士には,退院直後の段階でご相談され,その後の対応や解決に向けたお力添えのため弁護活動を受任しました。
相談当時には,過失割合について交渉を行っている状況でした。

法的問題点

①過失割合

単車が道路を直進中に,路外から進入した四輪車と事故になった場合の過失割合は,単車:四輪車=10:90が基本過失割合とされます(【218】図)。
また,現場の道路は「幹線道路」に該当するため,-5%の修正がなされ,単車:四輪車=5:95となることが見込まれる事故態様でした。

「別冊判例タイムズ38号」より引用

もっとも,加害者側は,被害者の速度超過を問題視しているようでした。被害者の単車に速度超過がある場合,時速15㎞以上で10%,時速30㎞以上で20%の修正要素となるところです。
また,被害者としては,自身が被害者であるにもかかわらず自分の方にも過失割合が発生することに納得し難いという意向をお持ちでした。
そのため,被害者及び加害者それぞれが主張する過失について,その根拠の有無を慎重に確認する必要がありました。

ポイント
事故類型から想定される過失割合は5:95
被害者加害者双方に修正要素の言い分がある様子であった

②後遺障害等級

被害者は,骨折の影響で肩関節の動きに制約のある状況でした。これは,「上肢の機能障害」に該当する後遺障害と思われるところです。

上肢の機能障害については,以下の「1」~「4」の等級認定基準が設けられています。

1.「上肢の用を全廃したもの」

等級基準
1級4号両上肢の用を全廃したもの
5級6号1上肢の用を全廃したもの

「上肢の用を全廃したもの」とは,以下の場合を指します。


三大関節(肩関節・肘関節・手関節)の全てが強直(※)している
かつ
手指の全部の用を廃している

※関節が可動性を失い,動かなくなった状態

2.「関節の用を廃したもの」

等級基準
6級6号1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
8級6号1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの

「関節の用を廃したもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.関節が強直したもの
2.関節の完全弛緩性麻痺またはこれに近い状態(※)にあるもの
3.人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

※「これに近い状態」とは,自動の可動域が10%程度以下になった場合を指します。
(例)健側の可動域が150度の場合,患側の可動域が15度以下であれば関節の用廃となる

3.「関節の機能に著しい障害を残すもの」

等級基準
10級10号1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
2.人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2分の1以下に制限されていないもの

4.「関節の機能に障害を残すもの」

等級基準
12級6号1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

「関節の機能に障害を残すもの」とは,以下の場合を指します。

関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されている場合

なお,関節可動域は,関節ごとに定められる主要運動の測定値を比較します。
肩関節については,以下の通りです。

主要運動及び関節可動域

関節主要運動参考可動域角度
肩関節①屈曲(前方拳上)180度
肩関節②外転(側方拳上)180度

被害者の場合,肩関節の可動域に一定の制限が生じており,その程度としては健側の4分の3以下と評価し得るものと見受けられました。そのため,12級6号の認定可能性が考えられる状況でした。

ポイント
肩関節の可動域制限が問題
患側可動域が健側の4分の3以下で12級の認定可能性あり

③慰謝料

交通事故の慰謝料には,「傷害慰謝料」と「後遺障害慰謝料」があります。そして,それぞれについて自賠責保険の基準=いわゆる自賠責基準と,裁判で用いられる基準=いわゆる裁判基準があります。
保険会社は,一般的に弁護士がいない場合には自賠責基準(また保険会社内部の基準)に沿った金額提示を行いますが,弁護士が交渉を行う場合は裁判基準を念頭に置いた計算を行うケースが大多数です。通常,自賠責基準より裁判基準の方が大きい金額となるため,その差額が弁護士による交渉の成果となりやすいところです。

【傷害慰謝料】

ケガを負ったことや入通院を要することに対する慰謝料です。主に入通院期間や実通院日数を基準に計算されます。

自賠責基準の計算方法

①対象日数「総治療期間」と「実通院日数×2」のいずれか小さい日数
②日額1日4,300円
③計算方法①対象日数×②日額=自賠責基準の金額

任意保険基準の計算方法(一例)

任意保険基準の慰謝料

裁判基準の計算方法 別表Ⅰ(重傷)

裁判基準の慰謝料

本件では,被害者の治療費だけで自賠責保険の支払限度額120万円を大きく超えていたため,任意保険基準と裁判基準との比較をすることが見込まれます。
この点,被害者の通院期間は約9か月であったところ,通院9か月の傷害慰謝料は,任意保険基準が82万円,裁判基準が139万円となります。両者の間には50万円以上の差があり,傷害慰謝料に交渉余地があると見込まれることが分かります。

【後遺障害慰謝料】

後遺障害慰謝料は,後遺障害が残存することに対する慰謝料で,その金額は等級ごとに定められています。自賠責基準と裁判基準の比較は以下の通りです。

後遺障害等級【自賠責基準】【裁判基準】
1級1150万円2800万円
2級998万円2370万円
3級861万円1990万円
4級737万円1670万円
5級618万円1400万円
6級512万円1180万円
7級419万円1000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

後遺障害12級の場合,自賠責基準が94万円,裁判基準が290万円であり,200万円近くの差があります。後遺障害慰謝料についても,交渉の余地があることが見込まれます。

ポイント
傷害慰謝料は任意保険基準と裁判基準の差を交渉
後遺障害慰謝料は自賠責基準と裁判基準の差を交渉

④後遺障害逸失利益

後遺障害等級が認定された場合,損害の項目として後遺障害逸失利益が発生します。後遺障害逸失利益は,後遺障害によって労働能力が低下したことにより,被害者に生じる収入減少を金額計算したものです。

後遺障害逸失利益は,以下の計算式で算出されます。

後遺障害逸失利益
「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

【基礎収入】

基礎収入は,事故前年の収入額を基準にするのが通常です。事故前年の収入額を特定する方法としては,給与所得者(会社員等)であれば源泉徴収票,事業所得者(個人事業主等)であれば確定申告書を用いるのが一般的とされます。

【労働能力喪失率】

労働能力喪失率は,後遺障害によって労働能力が失われた割合を指し,その程度は等級によって定められています。

1級100%
2級100%
3級100%
4級92%
5級79%
6級67%
7級56%
8級45%
9級35%
10級27%
11級20%
12級14%
13級9%
14級5%

後遺障害12級の場合,14%とされるため,計算に際しては「0.14」となります。

【労働能力喪失期間】

労働能力が失われる期間を指しますが,原則として67歳までの期間とされます。67歳に至る前に労働が終了するケースでは,その年齢までの期間を用いることが考えられます。

この点,保険会社は,一般的な給与所得者の定年が60歳であることを踏まえ,60歳までの期間を用いて金額提示をすることが少なくありません。もっとも,あくまで原則は67歳までの期間であるため,60歳までに限定するのは例外的な取り扱いという位置づけに過ぎないと理解するのが適切でしょう。

ポイント
本件の原則的な逸失利益は
「事故前年収入」×「0.14」×「67歳までの期間に対応するライプニッツ係数」

弁護士の活動

①過失割合

本件では,幹線道路の修正を踏まえた過失割合が5:95であるところ,これをさらに修正すべきかどうか,という点が問題となりました。
この点,特に相手が主張する被害者の速度超過を考慮すべきかが主な問題となるところです。

【加害者の主張】

加害者は,被害者の速度超過を指摘していましたが,その根拠は加害者の体感のみでした。ドライブレコーダー映像を踏まえても,時速15㎞以上の速度超過が分かるということはなく,客観的根拠に乏しいと判断しました。
そのため,加害者側の主張する速度超過の修正は端的に拒否するという姿勢を取ることとしました。

【被害者の主張】

被害者としては,具体的な修正要素の主張こそないものの,自分では避け難い事故であったため,自分が無過失になる余地がないか,という問題意識をお持ちの状況でした。そのため,弁護士においては具体的な修正要素の主張が可能か,検討を試みることとしました。

路外から進入してきた車との事故で,加害者に生じやすい修正要素としては,「徐行なし」が考えられます。文字通り,徐行しないまま進入してきた場合を修正要素とするものです。
もっとも,ドライブレコーダー映像上,相手の車両は低速で駐車場内を移動しており,車道への進入直前にも一時停止をしていたことが見受けられました。そのため,弁護士からは,「徐行なし」の主張が難しいことを確認の上,5:95の過失割合での解決を進めることとしました。

ポイント
速度超過の根拠がなく,相手の主張は拒否
被害者に有利な修正要素も,具体的な確認の上で主張困難と判断

②後遺障害等級

本件では,肩関節の可動域が問題となっていましたが,関節可動域は,後遺障害診断書上の測定値を基準に判断されるのが一般的です。そのため,可動域制限について後遺障害等級を獲得するためには,後遺障害診断書上の測定結果が極めて重要となります。

そこで,弁護士からは,被害者及び主治医と問題意識を共有の上,患側の可動域が健側の可動域の4分の3以下と言えるか,ということを明らかにするよう勧めることにしました。その結果,測定値は4分の3を十分に下回る数字であることが確認でき,12級の獲得に十分な後遺障害診断書の作成となりました。

これを踏まえた等級認定の結果,当初の目標通り12級の獲得に至りました。

ポイント
関節可動域は後遺障害診断書の記載内容を基準に判断される

③慰謝料

傷害慰謝料及び後遺障害慰謝料については,弁護士にて裁判基準を念頭に置いた交渉を実施しました。

弁護士が交渉を行う場合,裁判基準の80~90%を目指す交渉が有力と考えられています。裁判基準満額は,裁判を行って被害者の言い分が全て認められた(加害者側の言い分がすべて退けられた)場合に初めて認められる金額であるため,交渉で実現されることは通常ありませんが,裁判基準に近い水準は交渉でも合意されるべき水準として多く用いられているところです。

本件では,裁判基準の90%を合意の目標額として金額交渉を実施したところ,結果としても裁判基準の90%を採用することとなり,十分な慰謝料額に至りました。

ポイント
交渉の目標額は裁判基準の80~90%が目安
90%を目指す交渉を実施し,90%にて合意

④逸失利益

後遺障害逸失利益については,特段の事情がない限り以下の計算を用いるのが適切と思われる内容でした。

目標とする逸失利益
=「事故前年収入」×「0.14」×「67歳までの期間に対応するライプニッツ係数」

この点,保険会社は「67歳まで」でなく「60歳まで」と主張する場合が少なくありませんが,これは60歳までで労働を終えることが明確なケースに限られるべきところです。
そのため,弁護士においては,60歳までに限定する理由が特にないことを被害者の状況を踏まえて指摘し,67歳までの計算が適切であることを主張しました。

交渉の結果,逸失利益は当初の目標と同額にて合意することとなりました。その金額は,12級ながら約2000万円と,高額合意に至りました。

ポイント
労働能力喪失期間は原則通り67歳とする内容で合意

活動の結果

以上の活動の結果,被害者には後遺障害12級が認定されるとともに,約2250万円の賠償額を獲得することとなりました。

慰謝料,逸失利益ともに,弁護士が目標とする金額が実現され,被害者への十分な補償がなされる結果となりました。

後遺障害等級の獲得
弁護士による増額

弁護士によるコメント

本件では,後遺障害等級12級で2200万円を超える賠償額となり,等級に比して非常に高額の賠償となる事例でした。主な要因は,被害者が若い年齢であったことや安定した職に就いていたことで,後遺障害逸失利益が高額になりやすかった点にあると思われます。もっとも,適切な請求や交渉なくこの金額になることは考えにくいため,やはり適切な交渉を尽くすことが大切である,と改めて感じるケースになりました。

また,本件では双方に過失割合の言い分があったところ,主に相手の主張する修正要素を排斥した内容での解決に至りました。修正要素は,修正すべきと主張する側がその根拠を示し,立証しなければなりません。そのため,相手の主張に根拠がない場合や,立証ができていると言えない場合には,修正要素の主張を受け入れる必要はないでしょう。
もちろん,交渉の段階では互いの主張を一定程度反映した中間的な解決も多くありますが,相手が主張している,というだけで安易に譲歩することもまた不合理と考えるべきです。

これらの交渉は,弁護士を通じて行うかどうかで大きく結果が異なりやすいものです。そのため,保険会社との交渉を想定する場合は,一度弁護士にご相談されることを強くお勧めします。

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【交通事故解決事例】高次脳機能障害9級の認定と賠償額1500万円を獲得。高齢主婦の損害における丁寧な交渉が奏功したケース

このページでは,交通事故等の事故被害者が,弁護士の活動により後遺障害等級認定を獲得し,金銭賠償の獲得や増額に成功した解決事例を紹介します。

【このページで分かること】

・実際に交通事故の金銭賠償を獲得した事件の内容
・後遺障害等級のポイント
・金額交渉・増額のポイント
・具体的な争点と解決内容

事案の概要

被害者が歩行中,信号及び横断歩道のある十字路交差点を,青信号に従って横断歩道上を通る形で直進しようとしたところ,同一方向を走行中の四輪車が左折を試み,巻き込み事故が発生しました。被害者は,左の頭部を強く地面に打ち付け,頭蓋骨骨折と脳内の出血が見られる状況でした。

その後,入通院治療が継続されましたが,被害者には「てんかん」の症状が確認され,てんかん発作を防ぐための内服薬を要する状況となりました。

弁護士には,治療継続中にご家族からご相談がありました。今後の適切な対応について相談をされたいというご希望でした。

法的問題点

①過失割合

本件の被害者の過失割合はゼロであることが想定されます(【12】図)。

「別冊判例タイムズ38号」より引用

そもそも,横断歩道は「歩道」であるため,歩行者が最優先されるべき場所です。そのため,横断歩道を通行中の歩行者が交通事故に遭った場合,歩行者には原則として過失が生じないと考えるべきことになります。

本件でも,他に被害者の過失の根拠となる事情がない限り,被害者の過失はゼロと判断すべき状況でした。

ポイント
横断歩道上の歩行者は過失ゼロ

②後遺障害等級

被害者には,頭部の強い受傷の結果,「てんかん」の症状がみられる状況でした。てんかんとは,脳の中枢神経が損傷したことにより,神経細胞に異常が生じ,発作が発生する障害です。発作の頻度や程度に応じた後遺障害等級の定めがあります。

てんかんに関する後遺障害等級認定基準

等級基準具体的な要件
5級神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの1ヶ月に1回以上の発作があり、かつその発作が転倒する発作等(※)であるもの
7級神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの転倒する発作等が数ヶ月に1回以上あるもの又は転倒する発作等以外の発作が1ヶ月に1回以上あるもの
9級神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの数ヶ月に1回以上の発作が転倒する発作等以外の発作であるもの又は服薬継続によりてんかん発作がほぼ完全に抑制されているもの
12級局部に頑固な神経症状を残すもの発作の発現はないが、脳波上に明らかにてんかん性棘波(きょくは)を認めるもの
※転倒する発作:①意識障害の有無を問わず転倒する発作,又は②意識障害を呈し状況にそぐわない行為を示す発作

てんかんの場合,てんかんの頻度,てんかん発作の内容(転倒する発作か),てんかん発作を服薬継続により抑制できるか,という点から等級認定基準が設けられ,類型化されています。
被害者の場合,てんかんの発作は内服薬によって抑えることができる状況ではあったため,等級認定基準に照らすと9級の認定可能性が考えられる状況でした。

ポイント
被害者には服薬で抑制可能なてんかん発作が生じていた
てんかんについて後遺障害9級が見込まれる状況

③休業損害

被害者は,高齢の専業主婦で,配偶者と二人暮らしをしている立場でした。そのため,主婦としての家事労働に休業が生じており,休業損害の請求が考えられる状況でした。

この点,休業損害は以下の計算式で計算されます。

休業損害

=「日額」×「休業日数」

休業損害の日額は,主婦の場合,平均賃金を用いる形を取る運用が広くなされています。平均賃金には,全年齢のものと年齢別のものがありますが,高齢者の場合には年齢別の平均賃金を用いることが通常です。高齢者の年齢別平均は,全年齢の平均よりも低額になりますが,高齢者の家事能力の限界を踏まえ,このような取り扱いとされることが一般的と言えます。

一方,休業日数をどのように計算するかは,非常に難しい問題です。会社員のように出勤・欠勤が分かりやすい立場とは異なり,一部だけ家事を行ったり,逆に一部だけ家事ができなかったりと,割合的に休業していることが一般的です。しかも,実際に休業したかどうかを根拠づけるものは客観的に存在せず,自己申告によるほかないことも少なくありません。

そのため,被害者の休業損害に関しては,その休業日数をどのようにすべきかが大きな問題でした。

ポイント
主婦の休業損害は,休業日数の特定が難しい問題になりやすい

④後遺障害逸失利益

後遺障害等級が認定された場合,主婦業(家事労働)に関する後遺障害逸失利益の発生が見込まれます。

後遺障害等級が認定される場合,損害賠償額が最も大きくなりやすい項目は「後遺障害逸失利益」です。後遺障害逸失利益とは,後遺障害に伴う労働能力の低下によって収入が減少する分を損害として計算したものをいいます。後遺障害等級が認定される状況では,労働能力がそれ以前より制限されるため,得られたはずの収入が得られなくなったと評価され,逸失利益が発生するということです。

この点,後遺障害逸失利益は,以下の計算式で算出されます。

後遺障害逸失利益
「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

被害者の場合,夫と二人暮らしの専業主婦であったため,事故前にはどの程度の家事をしていたのか,後遺障害によってそれがどのようにできなくなったのか,という点を具体的に主張立証することが望ましいと思われる状況でした。
家事労働には様々な内容や家庭内での分担があるため,一口に主婦と言ってもそれぞれの主婦が行う家事の中身は様々です。特に,子育てをしている状況にないため,被害者が担っていた家事の内容は個別に明らかにすることが適切です。

ポイント
主婦の後遺障害逸失利益は,主婦業の具体的な内容を踏まえての検討が適切

弁護士の活動

①等級認定の獲得

被害者については,てんかんに関する後遺障害等級の獲得を目指すべき状況であったため,てんかん発作の具体的内容や状況を資料化することとしました。

具体的には,被害者の方及びご家族の協力を得て,発作の時期や発作が生じたときの具体的な症状を記録化しました。そして,これを踏まえて主治医の見解を仰ぎ,後遺障害診断書上にてんかんの症状を記載していただく方法を取りました。

被害者のてんかんは,内服薬があれば抑えられるものの,定期的に意思に反した挙動を示すものであることがわかりました。弁護士においては,そのようなてんかん発作の内容を詳細に示すとともに,発作が事故後に特有の出来事であることを明らかにすることを目指しました。

その結果,てんかんについては後遺障害9級の獲得に至りました。

ポイント
てんかん発作の時期や具体的内容を記録化

②休業損害の主張内容

休業損害については,被害者の症状が事故から症状固定にかけて徐々に軽減していくことを踏まえ,休業の程度を段階的に低減させる計算方法を採用しました。
具体的なイメージは,以下の通りです。

本件における休業日数の計算方法

時期休業の程度
入院中100%
その後100日80%
101~200日60%
201~300日40%
301日~症状固定35%

下限を35%としているのは,被害者に後遺障害9級が認定されているためです。後遺障害9級の労働能力喪失率は35%であり,症状固定時以降は労働能力が35%失われているとみなすべき,という点を踏まえると,35%を下回る休業を想定する必要はないと考えられました。

症状固定のイメージ

症状固定

ポイント
休業の程度が割合的に減少することを反映して計算
もっとも,休業の程度は35%を下回らない

③後遺障害逸失利益

被害者のような高齢の主婦の場合,後遺障害逸失利益の一般的な計算式は以下の通りです。

後遺障害逸失利益
「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

「年齢別平均賃金」×「労働能力喪失率」×「(平均余命の2分の1)に対応するライプニッツ係数」

被害者についても,事故前に十分な家事労働の実績があり,後遺障害によってそれが制限されていれば,同様の計算をして差し支えないと考えられます。

そのため,弁護士においては,事故前に被害者がどのような家事を担っていたのかを確認しました。すると,被害者の場合,配偶者が糖尿病を患っている影響で,夫婦間の家事はほとんどすべて被害者が行っていた,ということが分かりました。そして,事故後は家事があまりできなくなってしまったため,子が定期的に両親をサポートする方法で家事を負担するようになっていたことが分かりました。
これは,まさに家事労働の後遺障害逸失利益が支払われるべき状況であるということができるでしょう。

これを踏まえ,弁護士からは逸失利益が認められるべき事情を丁寧に主張立証する交渉を実施しました。
交渉の結果,後遺障害逸失利益については,「年齢別平均賃金」×「労働能力喪失率」×「(平均余命の2分の1)に対応するライプニッツ係数」との計算式で算出された金額満額が支払われることになりました

ポイント
事故前は被害者の家事分担がほぼすべてであった
事故後は,子に手伝ってもらう必要が生じた

活動の結果

以上の活動を尽くした結果,被害者にはてんかんによる後遺障害9級が認定され,1500万円の金銭賠償がなされるに至りました。

後遺障害等級の獲得
弁護士による増額

弁護士によるコメント

本件は,高次脳機能障害に関する等級認定を受けられるかどうかが最初のハードルでした。
この点,頭部に重大な怪我を負った事実は明らかであったため,高次脳機能障害の等級認定基準に照らして必要な事情を確認し,資料化することに注力した点が結果につながった可能性が高いでしょう。
高次脳機能障害で等級認定を得る場合,ご本人やご家族のご協力,ご負担がやむを得ず生じやすいところ,被害者の方やご家族からは非常に円滑なご協力をいただくことができ,それが結果に大きく影響したことと考えられます。

金額交渉に際しては,夫婦二人暮らしの専業主婦であったことから,家事労働の具体的な内容や分担といった個別の事情を明らかにしながら,休業損害や逸失利益の交渉を実施しました。被害者の方は,家事のほとんどを負担していたという事情が見受けられたため,被害者の家事分担を丁寧に示すことで,スムーズな交渉での解決に至ったものと思われます。
この点でも,被害者の方やご家族のご対応に支えられての弁護活動でした。

交通事故の解決は,弁護士とご依頼者様の共同作業が不可欠になりますが,弁護士との相性によっては,ご依頼者様の負担(又は負担感)が大きくなることも否定できません。弁護士選びに際しては,共同作業の円滑さを考慮に入れるのも一案かと考えます。

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