【自転車窃盗事件の示談を知りたい人のために】示談の方法や内容,示談金相場など示談の知識はこれで網羅

このページでは,自転車窃盗事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

自転車窃盗事件における示談のメリット
自転車窃盗事件でを試みる時期
自転車窃盗事件で示談をする方法
自転車窃盗事件の示談金相場
自転車窃盗事件の示談内容・条項
自転車窃盗事件における示談の特徴
自転車窃盗事件の示談に必要な費用

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自転車窃盗事件における示談のメリット

自転車窃盗事件は,弁護士に依頼するメリットが非常に大きい事件類型の一つと言えます。具体的なメリットとしては,以下の各点が挙げられます。

①前科が防げる

自転車窃盗事件は,方法や内容によって以下のような刑罰の対象になることが考えられます。

一般的な自転車窃盗窃盗罪 10年以下の懲役又は50万円以下の罰金
放置自転車占有離脱物横領罪 1年以下の懲役又は10万円以下の罰金
ゴミの場合自治体によっては窃盗罪や条例違反になる可能性あり

特に,放置されている自転車であることが明らかな場合には,出来心で乗り捨てをしてしまってもそれほど大きな問題がないように感じることがあるかもしれません。しかし,仮に放置自転車であっても占有離脱物横領罪に該当する犯罪行為になってしまいます。
また,自分は放置自転車だと思っていても,実際には放置自転車でなく人が管理している自転車であった,という場合,より重い窃盗罪に該当することが見込まれます。窃盗罪に該当するような自転車窃盗であれば,刑罰を受けて前科が付く可能性はより高くになるでしょう。

この点,刑罰が科されるかどうかを決める重要な判断要素の一つに,被害者の処罰感情が挙げられます。被害者のいる事件類型では,被害者が加害者の刑罰を望んでいるかどうかがとても大きな基準になるのです。
捜査が始まるときには,被害者が刑罰を望んでいることがほとんどです。捜査のきっかけは被害者の被害申告であることが一般的ですが,被害者は加害者への刑罰を望むからこそ被害を警察などに相談しているはずだからです。

そのため,自転車窃盗事件で刑罰を避けるためには,示談を行って「事後的に被害者が処罰を望まなくなった」という状態を作ることが極めて重要になります。逆に,被害者が処罰を望まなくなった場合,刑罰が科される可能性は非常に低くなり,ほとんどの場合では前科を防ぐことができるでしょう。

ポイント
自転車窃盗は窃盗罪や占有離脱物横領罪の対象
前科を防ぐためには被害者が刑罰を望まないことが重要
被害者が刑罰を望まないことを示す手段は示談

②逮捕を防げる

自転車窃盗は,決して逮捕されやすい事件類型ではありませんが,ケースによっては逮捕される場合も十分にあり得ます。一例としては,現行犯で見つかって逃走していた場合や,多くの余罪で事前にマークされていた場合,計画性があり悪質と考えられる場合などが挙げられるでしょう。

この点,自転車窃盗事件で逮捕をする大きな理由は,被害者を保護することにあります。加害者が被害者を特定した場合に,自分に不利益なことを言わせない目的や物証の隠滅を図る目的で被害者に接触する可能性があるため,接触を未然に防ぐ手段として逮捕する,というわけです。

しかし,示談の成立した自転車窃盗事件では,もはや加害者が被害者に接触する必要がありません。加害者にとって最も利益の大きい示談が,既に実現されているためです。
そうすると,自転車窃盗の事件で示談が成立した場合,逮捕の必要はほぼなくなることから,逮捕されることは通常なくなるでしょう。

ポイント
逮捕には加害者の被害者への接触を避ける目的がある
示談済みであれば被害者に接触する必要はなく,そのため逮捕の必要もない

③捜査を終了させられることがある

刑事事件で捜査が開始すると,警察が取り調べや証拠収集を進め,事件を検察庁に送致し,送致を受けた検察庁で処分を受ける,という流れをたどります。

捜査の流れ

1.警察による証拠収集
2.警察から検察への送致
3.検察での処分(起訴又は不起訴)

この点,示談できれば検察での処分は不起訴になりやすいですが,逆に言えば示談してもその場で手続が終わるのでなく,検察での処分までは進むのが大原則です。
しかし,自転車窃盗で早期に示談が成立し,被害者が許す意思を明らかにした場合,事件が比較的小さなものであれば,警察が直ちに捜査を終了させて検察に送致せず終了する可能性もあります。

検察による処分までは,一般的に数か月を要するため,その間の手続負担を回避できるとなれば非常に大きなメリットになるでしょう。

ポイント
示談しても警察から検察に送致されるのが通常
軽微な事件で早期に示談できれば,例外的に送致されず終わることも

自転車窃盗事件で示談を試みる時期

自転車窃盗事件における示談は,早ければ早いほど望ましいでしょう。それは,示談のメリットは示談成立が早いことが前提となっているためです。

示談のメリットと早期示談の関係

1.前科の回避
→起訴される前に示談をすることが必要

2.逮捕の回避
→逮捕するかが判断される前の示談が必要
(逮捕されるかどうかは捜査中の早い段階で判断される)

3.早期終了の可能性
→警察が検察に送致する前の示談が必要

自転車窃盗事件の示談を検討する場合は,少しでも早く動き出すため,まずは一度弁護士に相談してみましょう。

自転車窃盗事件で示談をする方法

自転車窃盗事件で捜査を受けている場合,示談をするためには捜査機関(警察や検察)にその旨を申し入れ,捜査機関から被害者に連絡を取ってもらうことが必要です。
もっとも,捜査機関は加害者本人と被害者を引き合わせることをしません。当事者同士で連絡を取らせるのは,被害者にとって不適切である上,二次被害の原因になる可能性がある,と考えるためです。
そのため,自転車窃盗事件で示談を試みるためには,弁護士に依頼の上,弁護士を通じて動くことが必要となります。

具体的な流れは,以下の通りです。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

自転車窃盗事件は,他人の財産に損害を与える事件のため,その財産を埋め合わせる金銭の支払を行うのが通常です。金銭の支払いは,示談金という形で行うことになりますが,これも直接当事者間で支払うのではなく,弁護士に金銭を預け,弁護士から被害者に支払う方法を取るのが適切でしょう。

ポイント
弁護士から捜査機関に対して示談の申し入れをしてもらう
金銭の支払も弁護士を通じて行う

自転車窃盗事件の示談金相場

自転車窃盗事件の示談金は,対象となった自転車の価格によって大きく変わりやすいところです。具体的には,自転車の時価額に迷惑料又は慰謝料としていくらか上乗せをし,示談金とすることが一般的でしょう。

個別のケースにおける示談金は,被害者と自転車との関係によっても左右されやすい傾向にあります。被害者にとって重要な自転車であるほど金額は大きくなりやすく,逆に被害者にとって価値のない自転車であれば,金額は小さくなりやすいです。

示談金額が大きくなりやすい場合

1.自転車の価値が非常に高い
2.被害者にとって重要な自転車である

示談金額が小さくなりやすい場合

1.自転車の価値が高くない
2.被害者にとって重要度の低い自転車である(放置自転車など)

一般的に,それほど重要な自転車や高価な自転車でなければ,慰謝料を含む示談金の目安は5~10万円ほどになりやすいでしょう。
また,被害品の自転車が無事被害者の手元に戻っている場合,自転車の価格をすべて支払う必要がない可能性もあり,金額はより小さくなりやすいです。

ポイント
示談金は自転車の価格に迷惑料を乗せた金額
高額とする事情がなければ5~10万円ほどが目安

自転車窃盗事件の示談内容・条項

自転車窃盗事件で示談を行う場合,以下のような内容を盛り込むことが考えられます。

【確認条項】

加害者が被害者へいくらの支払を行う必要(義務)があるかを,当事者間で確認する条項です。記載としては,「示談金として,加害者が被害者に対し,金●万円の支払義務があることを確認する」というものになります。

【給付条項】

確認条項で定めた金銭の支払いを行う方法を定める条項です。
支払方法が手渡しか振り込みか,手渡しであればいつどこで行うか,振り込みの場合はどの口座か,振込手数料は誰が負担するか(通常は加害者が負担),支払の期限はいつまでか,といった点を定めます。

【清算条項】

示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。この条項を設けることで,加害者と被害者との法律関係は示談金の支払をもって終了することになります。
逆に,この清算条項がないと,示談した後にも被害者から請求することが法的に可能となってしまうため,忘れず設けることが重要です。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)とは「許し」を意味します。宥恕条項は,被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。
加害者が示談金の支払を負担して示談を目指すのは,基本的にこの宥恕条項を獲得するためです。宥恕条項があることによって,捜査機関は被害者に処罰感情がないことを把握でき,不起訴処分の根拠とすることが可能になります。

【接触禁止条項】

示談成立後,当事者間の接触を禁止する条項です。
被害者側の希望がある場合に設けられやすいものではありますが,自転車窃盗事件に関してはそれほど強く希望されることは多くありません。自転車窃盗の場合,当事者間のやり取りや接触は特にないまま事件が起きる上,被害者にとっても加害者が自分に危害を加える目的でないことが明白であるためです。

自転車窃盗事件における示談の特徴

①金額の定め方

自転車窃盗の事件では,自転車の価値をベースに示談金を定めるのが通常ですが,自転車の価値は被害者によって様々に異なります。

例えば,被害者にとって必要がなく,むしろゴミとして処分したかったような自転車である場合,自転車の価値に対する賠償はそれほど求められないケースも珍しくありません。
一方,カスタマイズを重ねた高価な自転車である場合,被害者にとっての価値は実際の価格より高く,思い入れの強さから高額の支払を要することもあり得ます。

金銭とは異なり,同じものでも人によって価値の違うことがある,という点は自転車窃盗の示談における大きな特徴です。

②被害者の特定が困難な場合

自転車窃盗の場合,被害者の特定は自転車の登録を基準に行います。しかし,自転車が譲渡などされて転々流通しており,登録の変更がなされていない場合,現実の被害者と登録上の所有者が異なるため,被害者の特定が難しい場合もあり得ます。

また,所有者から盗んだのはほかの人であり,その犯人が乗り捨てたものを自分が盗んだ,という流れになることもあります。この場合は,被害者がもともとの所有者であることは明らかなので,自分が所有者から直接盗んだわけでなくても所有者との示談が適切です。

③自転車所有者以外との示談が必要な場合

自転車窃盗事件は,私有地や建物内の駐輪場で行われると,住居侵入罪又は建造物侵入罪もあわせて成立することになります。窃盗罪と住居侵入罪(建造物侵入罪)は別々の犯罪であるため,それぞれについて示談が必要ですが,住居侵入罪(建造物侵入罪)の被害者(=敷地や建物の管理者)は自転車の所有者とは別の人物であることが通常です。

そのため,駐輪場やマンションなどで起きた自転車窃盗事件については,その敷地や建物の管理者とも別途示談が必要となる可能性に注意することが必要です。

自転車窃盗事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で自転車窃盗事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

自転車窃盗事件の場合,5~10万円ほどの示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(10万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:10万円

計:99万円

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
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置き引きで被害届を出されると逮捕される?該当する犯罪や示談の必要性などを徹底解説

置き引きをしてしまい、被害者に被害届を出された場合、自分はどうなってしまうのか不安で夜も眠れないという方もいるでしょう。

置き引きは窃盗罪に該当し、状況によっては逮捕や前科がつく可能性が高いです。しかし、被害の程度や示談の有無によってその後の展開は大きく変わります。

そこで本記事では、置き引きで被害届を出されると逮捕されるのかを踏まえ、示談の必要性ややり方なども解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

置き引きをすると該当する犯罪

置き引きをすると、主に以下2つの犯罪に該当する恐れがあります。

  • 窃盗罪
  • 占有離脱物横領罪

詳しく解説します。

窃盗罪

窃盗罪は、他人の財物を不法に取得する行為に適用される刑法上の犯罪です。刑法第235条に規定されており、他人の物を故意に持ち去った場合に適用されます。

刑法第235条

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
引用:e-Gov法令検索

刑罰は10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

具体的には、駅のベンチに置かれたバッグを持ち去る行為やレストランの席に置かれていたスマートフォンを盗む行為などが該当します。

この場合、持ち主が一時的に目を離していただけであり、所有権を放棄したわけではないため、明確に窃盗と認定されます。

防犯カメラの普及によって、犯行の様子が記録されるケースが増えており、逃げ切ることは難しいでしょう。

占有離脱物横領罪

占有離脱物横領罪は、持ち主の管理下にない物を故意に取得する行為に適用される犯罪です。

刑法第254条に規定されており、1年以下の懲役または10万円以下の罰金となっています。

刑法第254条

遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
引用:e-Gov法令検索

たとえば、道端に落ちている財布を拾ってそのまま持ち帰った場合や、公園のベンチに置き忘れられた傘を持ち去った場合は、この罪に問われる可能性が高いです。

窃盗罪との違いは、財物が「所有者の占有を離れているかどうか」にあります。

所有者が意図的に放棄したわけではないが、一時的に管理下から外れている物を持ち去った場合は占有離脱物横領罪に該当します。

置き引きで被害届を出されると逮捕される可能性がある

置き引きは被害者が警察に被害届を提出することで、正式に捜査が開始されます。警察は防犯カメラの映像や目撃情報をもとに犯人を特定し、逮捕に至るケースも少なくありません。

窃盗罪に該当する場合は逮捕される可能性が高く、証拠が揃っていれば起訴されることもあります。

特に常習的に置き引きを繰り返している場合や、高額な物品を盗んだ場合は、厳しい処罰が下されることが一般的です。

置き引きが発覚するケース

基本的に置き引きが発覚するケースは、防犯カメラからの捜査ですが、主なケースとして挙げられるのが、以下の通りです。

  • 犯人の顔や車のナンバープレートが防犯カメラで発覚する
  • 現場で怪しい動きをする様子が防犯カメラで発覚する
  • 他人の物を持ち去った姿が防犯カメラで発覚する

詳しく解説します。

犯人の顔や車のナンバープレートが防犯カメラで発覚する

近年、多くの公共施設や商業施設では防犯カメラが設置されており、置き引きの犯行が記録されるケースが増えています。

犯人の顔や車のナンバープレートが鮮明に映っていた場合、警察はすぐに捜査を開始し、犯人を特定することが可能です。

特に駅やショッピングモールでは、複数のカメラが設置されており、犯行の一部始終が記録されることが多いため、逃げることは困難です。

現場で怪しい動きをする様子が防犯カメラで発覚する

犯行前に周囲を警戒する動作や、不自然な挙動をする姿も防犯カメラに記録されることがあります。

たとえば、同じ場所を何度も行き来したり、バッグを狙うように周囲を伺う様子は、警備員や警察にとって重要な手がかりになります。

怪しい行動が事前に記録されていると、警察は犯人を特定しやすくなり、捜査がスムーズに進むでしょう。

他人の物を持ち去った姿が防犯カメラで発覚する

置き引きの決定的な証拠となるのは、実際に他人の物を持ち去る瞬間が防犯カメラに映っている場合です。

このような映像が警察に提出されると、犯行が確定し、逮捕に直結する可能性が高まります。

近年の防犯カメラは高画質化が進んでおり、夜間でも鮮明に撮影できるため、犯行の様子を隠すことは困難です。

置き引き事件で示談は必要か

置き引き事件で刑事処分の軽減を目指す場合は,示談は必要と考えるべきでしょう。置き引き事件は,示談するかどうかによって,処分が劇的に変わりやすいです。

置き引き事件は,対象となった物があまりに価値のないものでない限り,犯罪が立証できれば何らかの刑事処罰の対象となることが一般的です。一方,同じ事件で被害者と示談が成立している場合では,むしろ刑事処罰の対象とならないことが見込まれやすくなるでしょう。

ただし,示談が必要となるのは,犯罪事実を認めていてその処分の軽減を求める場合に限られます。犯罪の疑いが事実無根であると主張する(否認事件である)場合,示談はむしろ主張とはちぐはぐな行動となってしまう可能性があるため,示談の要否は慎重に検討するのが適切でしょう。

ポイント
置き引き事件では,示談は処分軽減に劇的な影響を及ぼす
否認事件では,示談が主張とちぐはぐな行動にならないよう注意すべき

置き引き事件における示談のメリット

①逮捕を防げる

置き引き事件は,決して逮捕の可能性が高い事件類型とは理解されていませんが,事件の内容や発覚の経緯などを踏まえて逮捕に至ることは十分にあり得ます。

この点,示談が成立した置き引き事件の場合,示談の後に逮捕されることは考え難いです。逮捕は,被害者への配慮や被害者保護の観点から行われることが多く見られますが,示談が成立した場合には逮捕までして被害者を保護する必要がないと理解されるためです。

早期の示談は,万一の逮捕を防ぐための最善の手段と言えるでしょう。

②前科を防げる

置き引き事件の場合,犯罪事実の存在が明らかであれば罰金刑や懲役刑といった刑罰の対象となることが見込まれます。刑罰を受けた経歴を俗に「前科」と言いますが,刑罰を受けてしまえば前科が付くことにもなります。

この点,置き引き事件で示談が成立した場合,被害者は加害者への刑罰を希望していないことが明らかになります。置き引き事件の刑罰は,被害者が刑罰を希望するかどうかを重要な判断材料として決められるため,被害者が刑罰を望まない場合には不起訴になる可能性が飛躍的に高まります。
一般的な置き引き事件の場合,示談が成立していれば,基本的に不起訴になると言っても決して過言ではないでしょう。

示談は,置き引き事件での前科を防ぐために最も大きな効果を発揮するものであり,前科を回避したい人にとってのメリットは計り知れません。

③早期釈放につながる

既に逮捕・勾留といった身柄拘束を受けている場合,示談の成立には早期釈放を促す効果があります。
置き引き事件で示談が成立すると,一般的には不起訴処分が見込まれるため,それ以上の犯罪捜査を逮捕勾留してまで行う必要はあまりありません。起訴不起訴を決定する検察官は,不起訴となることが明らかな状況となれば期限を待たずに釈放するため,示談によって不起訴処分が明らかとなれば,それだけ早期に釈放されやすくなるのです。

置き引き事件で逮捕勾留された場合は,迅速な示談を通じて早期釈放を目指すのが非常に有力でしょう。

④刑事手続の長期化を防げる

示談の成立した置き引き事件は不起訴処分が見込まれるため,処分までの刑事手続の期間が短縮する可能性が高くなります。
身柄拘束のない在宅事件の場合,基本的に捜査の期間制限がないため,数か月単位で刑事手続が続くことも数多くあります。特に,どのような刑事処分とすべきかが明確でない事件だと,補充捜査が生じるなどして長期化しやすい傾向にあります。

この点,不起訴処分が見込まれる状況であれば,比較的早期に刑事手続が終了し,対応の負担からも解放されることが可能です。置き引き事件では,示談によって不起訴が見込まれる状況になることは決して珍しくないため,示談は刑事手続の早期終結に大きな効果を発揮します。

ポイント 示談のメリット
逮捕を回避できる
前科を回避できる
早期釈放してもらえる
刑事手続の長期化を回避できる

置き引き事件で示談をする方法

置き引き事件で捜査を受けている場合,示談をするためには捜査機関(警察や検察)にその旨を申し入れ,捜査機関から被害者に連絡を取ってもらうことが必要です。
もっとも,捜査機関は加害者本人と被害者を引き合わせることをしません。当事者同士で連絡を取らせるのは,被害者にとって不適切である上,二次被害の原因になる可能性がある,と考えるためです。
そのため,置き引き事件で示談を試みるためには,弁護士に依頼の上,弁護士を通じて動くことが必要となります。

具体的な流れは,以下の通りです。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

示談交渉は弁護士が窓口になって行うため,被害者へ謝罪の気持ちを伝える手段は別途検討する必要があります。具体的には,謝罪文を作成するなどして文書を弁護士に託し,文面を通じて謝意を伝えることが有力です。

示談の成否は,謝罪の気持ちが伝わるかどうかによることも非常に多いため,謝罪を試みる方法については弁護士との十分なご相談をお勧めします。

ポイント
示談の申し入れは,弁護士から捜査機関へ行う
謝罪文を弁護士に託すなどして謝罪の意思を伝える

置き引き事件の示談金相場

置き引き事件の示談金は,置き引きされた被害品の内容によって変わるのが一般的です。具体的には,被害品の価格にいくらかの慰謝料を上乗せして示談金とすることが多いでしょう。

置き引きの代表例は財布ですが,財布の置き引きに関して想定される示談金の考慮要素としては,以下のような点が考えられます。

財布の置き引きにおける示談金の考慮要素

1.被害品の内容
→財布内の現金
→財布内のカード類の価値

2.慰謝料関係
→財布への思い入れ
→財布を失った不安や苦痛
→警察などに相談を強いられた負担
→クレジットカードを止める手続の負担

3.事後的な事情
→財布や中身が被害者の手元に戻ったか
→被害者が何らかの補填を受けているか

以上の各事情を踏まえて金額を協議することになりますが,それほど高価な財布でなく,多額の財産が入っていたわけではなければ,慰謝料を上乗せした示談金としては10万円前後が目安の一つになるでしょう。

ポイント
示談金は,被害品の価格に慰謝料を上乗せした金額
特に高額になる事情がなければ10万円前後が目安

置き引き事件の示談内容・条項

置き引き事件で示談を行う場合,以下のような内容を盛り込むことが考えられます。

【確認条項】

加害者が被害者へいくらの支払を行う必要(義務)があるかを,当事者間で確認する条項です。いわゆる示談金の金額を定める条項を指します。

【給付条項】

確認した金額の支払をどのように行うか定める条項です。手渡しであればいつどのように行うか,振り込みであれば振込先や期限はどうするか,という点を定めます。
一般的に,対面で示談を取り交わした場合は手渡しで,対面以外の方法で示談を取り交わす場合は振り込みで,それぞれ給付することになるでしょう。

【清算条項】

示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。
示談は,示談金の支払によってそれ以上の支払が必要なくなる点が大きな長所ですが,この長所が生じるのは清算条項を定めているからです。万一清算条項が定められていないと,法的にはさらに金銭を請求することも可能になってしまいます。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項は,被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。
加害者が示談金の支払を負担して示談を目指すのは,基本的にこの宥恕条項を獲得するためです。宥恕条項があることによって,捜査機関は被害者が処罰を望んでいないと理解でき,不起訴処分の根拠とすることが可能になります。

【口外禁止】

事件の内容や示談の内容を,第三者に口外しないと約束する条項です。両当事者のプライバシーを守るために設けることが考えられます。当事者のいずれかが希望する場合に設けるものですが,加害者にとっては設けて損のないものであるため,弁護士が示談を行うときには盛り込むことが通常です。

【置き引き事件における示談内容の特徴】

置き引き事件の場合,性犯罪などと異なり,当事者間の接触を防ぐ目的の条項を数多く設けることはあまりありません。そもそも,置き引きという事件の性質上,当事者が直接接触していないため,「今後接触されるかも」という懸念を抱くこと自体が多くはないでしょう。

もちろん,被害者が加害者との接触を希望することは考えにくいため,「今後接触しない」という約束を条項にすることは非常に多いですが,それに加えて接触しないことを確実にするための条項(一定の場所に近づかない等)を設けるケースは少数です。

置き引き事件の示談で注意すべきこと

①経済的損害より心身の苦痛が大きくなりやすい

置き引き事件は,経済的な損害自体はそれほど大きくない場合が少なくありません。しかしながら,事件に遭ったことやその後の対応に伴う心身の苦痛は決して小さなものなく,むしろ被害者の損害のメインになっている場合もあります
被害者に生じる心身の苦痛としては,以下のようなものが挙げられます。

置き引き事件の被害者に生じる精神的苦痛

1.警察への通報や警察対応の負担
2.被害品がないことによる不便(鍵,カード等)
3.示談交渉を求められる負担

置き引き事件の示談を試みる場合には,被害者の負担が被害品の価値以上に大きい場合があることを踏まえておくべきでしょう。

②経済的価値だけで金額を決められない場合がある

置き引き事件の示談金は,被害品の価格を基準に決めることが通常ですが,物によっては経済的な価値だけで示談金を定めることができない場合もあります。

例えば,金額は小さいものの支払時期が迫っている場合の現金,大切な人(特に子ども)からの特別なプレゼント,スペアのない鍵など,金銭換算すればそれほど高額でなくても,被害者にとっては価値の高い場合が多い,という点は置き引き示談の大きな特徴です。

ポイント 置き引き示談の注意点
不便や負担の方が被害者の損害のメインである場合も
金銭的価値以上に被害者にとって価値のある物品も

置き引き事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で置き引き事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

置き引き事件の場合,10万円前後の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(10万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:10万円

計:99万円

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

【万引き事件の示談を知りたい人のために】方法や示談金相場,示談のメリットなどを徹底解説

このページでは,万引き事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

万引き事件で示談はできるか
万引き事件における示談とは
万引き事件で示談をする方法
万引き事件の示談金相場
万引き事件の示談内容・条項
万引き事件の示談で注意すべきこと
万引き事件の示談に必要な費用

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<営業時間内即日対応>

営業時間外もお受付可能
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万引き事件で示談はできるか

刑事事件における示談は,加害者が被害者に金銭賠償を行い,これに対して被害者が加害者を許す,という合意を指すのが一般的です。被害者のいる事件類型では,被害者が許しているかどうかが刑事処分の結果を大きく左右するため,示談によって被害者の許しを得ることが有力な手段となります。

この点,万引き事件は窃盗罪に該当し,お店は窃盗罪の被害者に当たる立場です。そのため,万引き事件でも示談によって被害者の許しを得ることができれば,刑事処分を大きく軽減させることになるでしょう。

しかし,万引き事件は相手が個人でなく店や会社であるため,特有の問題があります。それは,被害者である店や会社は,許すという対応を基本的にしない,ということです。
万引き被害は,店側にとって件数が非常に多いため,一律の対応方針を決めていることがほとんどです。具体的には,以下のような対応方針であることが多く見られます。

万引き被害に対する店側の一般的な方針

1.支払は対象商品の金額のみ受ける(買取を求める)

2.許すことはしない

3.今後の店への出入りを禁止する

そのため,刑事事件の示談で加害者側にとって最も重要な許しの獲得は,万引き事件だと困難なことが非常に多いです。特に,複数の店舗がある大規模なお店であるほど,一律で許しには応じないという対応がなされる傾向にあります

もちろん,一定の金銭を支払って謝罪や賠償を尽くすことは,刑事処分に一定の影響を及ぼすため,重要であることに変わりはありませんが,万引き事件では許しを内容とする示談になりづらい,という点を踏まえておくことが望ましいでしょう。

ポイント
刑事事件の一般的な示談は,被害者から許しを獲得するもの
万引き事件の場合,被害者である店は一律で許しを拒否するのが一般的

万引き事件における示談とは

万引き事件では,許しを内容とする示談は非常に困難であるため,許しが得られないことを想定して示談を試みることが適切です。具体的には,被害者の希望に沿って損害を回復させたことが,万引き事件における示談の主な内容となります。

そもそも,刑事事件における「示談」という言葉は「合意」という程度の意味合いしかなく,具体的にどのような合意をするかは様々です。許しを内容とする示談もあれば,許しを内容としない示談もあります。そして,万引き事件の示談でまず目指すべきなのは,損害を回復したという結果です。

万引き事件などの窃盗罪は,「財産犯」と呼ばれるカテゴリーの犯罪です。財産犯とは,被害者の財産に損害を及ぼしたという犯罪類型をいいます。この財産犯の刑事処分を判断するときの重要な要素としては,財産への損害がどれだけ回復されたか,という点が挙げられます。
たとえば,1万円の窃盗事件を起こしたものの,あとからその1万円を返したならば,最終的な損害はプラスマイナスゼロとなります。そうすると,刑事処分を判断するときには既に損害が残っていないため,重大な処罰を科す必要は低い,という判断がされやすいのです。
そのため,財産犯である窃盗罪の示談では,お店に生じさせてしまった財産的な損害を回復させることを目指すのが得策です

この点,万引き事件による財産的な損害は,商品以外にも複数考えられます。具体的には,対応に要した人件費,防犯対策を強いられたコストなどが挙げられるでしょう。
もっとも,現実の支払額は,店側から支払を求められた金額とすべきで,それ以上の支払を無理に行おうとするのはかえって不利益になりやすいところです。店側としては,求めた以上の支払を受けても,誰がいくら受け取ればいいかという判断が必要になってしまい,むしろ負担になってしまうためです。

万引き事件における示談は,店側から支払いを求められた金額を確かに支払うことを目指す,という方針で検討するようにしましょう。

ポイント
財産への損害がどれだけ回復されたかが,刑事処分に影響する
万引きの示談では,店から求められた支払いを行うことを目指すべき

万引き事件で示談をする方法

万引き事件の場合,被害店舗の場所や連絡先が分かるため,直接連絡を試みることも不可能ではありません。しかし,捜査を受けている状況であれば,捜査機関を介さずに直接店側との連絡を試みることは控えるのが適切です。
確かに,直接連絡が取れれば円滑ではあります。しかし,店側が加害者からの直接の連絡を希望している可能性はほとんどないため,直接の連絡はお店への迷惑行為と評価される恐れが非常に大きいでしょう。

示談を試みる場合は,弁護士に依頼し,弁護士から捜査機関に連絡を入れてもらうようにしましょう。
弁護士から連絡を受けた捜査機関は,被害店舗に問い合わせ,話を受けるかどうか,受ける際の担当者や連絡先はどうするか,といった点を確認します。このようにして,捜査機関から店舗に連絡を取ってもらえば,示談の試みが店側への迷惑になる危険は避けることができます。

この点,弁護士が示談を試みる場合の基本的な流れは,以下の通りです。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

このようにして,弁護士が加害者(被疑者)の謝罪の意思を代弁する形を取ることで,適切な示談の申し入れが可能になります。せっかくの示談の試みが不利益につながらないよう,示談は弁護士を通じて行うことを強くお勧めします。

ポイント
加害者が直接店舗に連絡を取ることは控えるべき
弁護士を通じて捜査機関に連絡し,捜査機関経由で意思確認する

万引き事件の示談金相場

万引き事件の場合,被害店舗が支払いを求める金銭は,万引きの対象となった商品の金額となることが非常に多く見られます。これは,店舗としては商品の買取を求めることで金銭的なやり取りを終了する,という意味合いになります。

刑事事件の一般的な示談では,損害額の実額のみでなく,謝罪の気持ちを上乗せする形で示談金額を定め,支払うことが多く見られます。しかし,万引き事件の場合は相手が店や会社という組織であるため,謝罪の気持ちを込めて金額を上乗せする,といった交渉を行うことはあまりありません。
ただし,同じ店で複数回の万引き行為があり,すべての金額が特定できない場合,損害額を概算して支払う旨の合意をすることはあり得ます。いずれにしても,基本的な示談金額は商品の価格となりやすいということですね。

ポイント
示談金額は対象となった商品の価格になりやすい

万引き事件の示談内容・条項

刑事事件で示談を取り交わす場合,示談書を作成し,その中に様々な条項を盛り込むことが一般的です。しかし,万引き事件の場合では,基本的に被害者が加害者を許す,という合意にはならないため,示談書の作成・締結自体を行わないことも珍しくありません。

万引き事件の示談における具体的な内容としては,以下のようなものが挙げられます。

①通常設ける内容

【確認条項】
支払う金額はいくらか,当事者間で確認する条項です。

【給付条項】
確認した金額を具体的に支払う方法を定める条項です。

なお,商品の買取という形で示談を行う場合,この確認及び給付の内容は,店側の発行するレシート又は領収証で代用されることも少なくありません。

②万引き事件では設けづらい内容

【清算条項】
示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。この条項を設けることで,加害者と被害者との法律関係は示談金の支払をもって終了することになります。
ただ,店側のメリットがないので,店は一律で拒否することが通常です。

【宥恕条項】
宥恕(ゆうじょ)とは「許し」を意味します。宥恕条項は,被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。
もっとも,万引き事件では店側が一律で宥恕を拒否することがほとんどであるため,設けることはあまりありません。

③示談書を作成できなくてもいいのか

万引き事件では特に示談書を作成せず,謝罪と買取だけ行って終了することも多数あります。ただ,示談をするのに書面も作成しなくていいのか,という点は疑問が残るかもしれません。

もっとも,結論的には,書面化しなくても不利益はない,と言って差し支えないでしょう。

書面化をする目的は,紛争の蒸し返しを防ぐためです。金額の合意をしたかしていないか,その金額を支払ったか支払っていないか,といった点が,後から紛争になることを防ぐため,書面に残しておくというわけです。
この点,万引き事件でも,確かに紛争の蒸し返しは防止したいところですが,現実的に店側が紛争を蒸し返すことはありません。店側は良くも悪くも一律の対応をしていることがほとんどですが,書面化せず蒸し返しもしないことが,店側の一律対応の内容でもあるためです。

また,万引き示談の目的である支払の事実は,買取時のレシートや領収証で立証可能ですので,刑事処分に対する影響や効果に差が生じるわけでもありません。刑事処分との関係でも,書面化しなかったから不利益が生じるということはないと言ってよいでしょう。

万引き事件の示談で注意すべきこと

万引き事件の示談では,以下の点に注意すべきところです。

①宥恕の獲得に固執しない

刑事事件で示談を試みる場合,被害者から許し(宥恕)をもらって直ちに解決する,という流れを目指したいと考えることが多いと思います。万引き事件でも,宥恕がもらえるのであればそれに越したことはありませんし,絶対に宥恕が獲得できないとは限りません。

しかし,基本的に宥恕が獲得できるものではない,という現実は,あらかじめ十分に把握しておくことが適切です。宥恕が獲得できない示談は失敗なのではなく,最初から宥恕を内容としない示談を試みる動きになると理解しておくようにしましょう。

自分から謝罪を行うこと,自分から賠償を行うことは,被害店舗側の処罰感情に十分な影響を与えることが珍しくありません。宥恕という形を取っていなくても,処罰を求める意思はない,ということになる可能性はあるのです。
その意味で,宥恕のない示談でも十分に意味を持っているものですから,店側の事情を無視して宥恕ありきの示談を目指すことはむしろ控える方が得にもなります。

②弁護士を通じて行う

店側とのやり取りに際しては,場所や連絡先が分かるからと言って自分で直接連絡を取ることはしないようにしましょう。店側の負担が大きくなり,かえって逆効果になりかねません。

示談の試みに際しては,弁護士に依頼し,弁護士を通じて適切な方法で進めるのが肝要です。店側への謝意は,直接の連絡という方法でなく,適切なやり方で進めるという行動で示すべきでしょう。

万引き事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で万引き事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

一般的な在宅事件では,34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立(宥恕なし)11万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円

活動の成果が生じた場合に限り,44万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

万引き事件の場合,対象商品相当額の示談金が想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(5000円の支払+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+44万円=78万円
示談金:5000円

計:78万5000円

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
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風俗トラブルに強い弁護士へ弁護を依頼|示談の流れや解決のポイントを解説

風俗トラブルに巻き込まれると、金銭請求や逮捕、社会的信用の失墜といった深刻な問題に発展する可能性があります。突然の事態に直面したとき、自分一人で解決しようとすると状況が悪化しかねません。こうしたリスクを回避するには、風俗トラブルに精通した弁護士へ早期に相談することが重要です。本記事では、風俗トラブルに強い弁護士に依頼するメリットや示談の流れ、解決のポイントを分かりやすく解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

風俗トラブルで弁護士に依頼するメリット

① 家族や勤務先に知られず解決できる

風俗トラブルを弁護士に相談する最大のメリットは、プライバシーを厳格に守りながら問題を解決できることです。

弁護士には守秘義務があり、相談内容が第三者に漏れることはありません。
「家族に知られたらどうしよう…」と不安に感じる方も多いですが、弁護士が代理人として交渉を行うことで、あなたの氏名や個人情報を相手方に明かさずに解決を進めることが可能です。

また、職場への影響も防ぐことができます。
弁護士事務所からの連絡は「法律相談」として扱われるため、上司や同僚に相談内容が知られる心配はありません。

さらに、弁護士が窓口となることで、風俗店や関係者からの直接的な連絡や訪問を完全に遮断できます。
これにより、家族や近隣住民に不審がられるリスクも避けられます。

近年は、平日夜間や土日祝日にも相談対応を行う法律事務所が増えており、仕事や家庭生活に支障をきたすことなく手続きを進められます。

トラブルを秘密裏に、かつ安全に解決したい場合には、弁護士に依頼することが最も確実で安心な方法といえるでしょう。

風俗トラブルの解決は、周囲に発覚しないことが極めて重要です。その重要性と具体的な方法を熟知した弁護士に対応を依頼することで、解決内容は大きく変わりやすいでしょう。

② 不当な請求を防ぐことができる

風俗トラブルで弁護士に依頼する最大のメリットは、法的知識と交渉力を活かして不当な請求を未然に防げることです。

風俗店側から「料金を払わなければ裁判を起こす」「勤務先に連絡する」などと脅され、法外な金額を請求されるケースも少なくありません。
しかし、こうした請求の多くは法的根拠に乏しい不当要求であることが多いのです。

弁護士が介入することで、次のような効果が期待できます。

・請求内容の法的妥当性を専門的に確認
・不当部分を明確に指摘し、適正な金額で交渉
・脅迫的な言動への法的対応

たとえば、「延長料金」などの名目で数十万円を請求された場合でも、弁護士が契約内容を精査した結果、実際の支払義務はごく一部に限られたという事例もあります。

「この金額、本当に支払う必要があるのか…」と不安に感じたときこそ、弁護士の判断が有効です。
個人で対応すると感情的になりやすい場面でも、弁護士が冷静かつ法的根拠に基づいて最適な解決策を提示してくれるでしょう。

風俗トラブルで風俗店側から行われる金銭請求は、法的な根拠の不明確なものがほとんどです。しかし、トラブルの当事者が拒否などの毅然とした対応をすることは容易でないため、弁護士を窓口に進めることが極めて重要になりやすいでしょう。

③ 個人情報の流出を防ぐことができる

風俗トラブルで弁護士に依頼する大きなメリットの一つは、個人情報の流出を防ぎながら安全に問題を解決できることです。

風俗店とのトラブルでは、相手から「職場や家族に連絡する」といった脅しや嫌がらせを受けるケースが少なくありません。
実際に、個人で対応した結果、勤務先に電話をかけられたり、家族に知られてしまったという事例も見られます。

弁護士が介入することで、次のような効果が期待できます。

・弁護士名義の通知により、相手の威圧的な言動を抑制
・連絡窓口を一本化し、直接的な接触を遮断
・法的根拠に基づく対応で、不当な要求を牽制
・守秘義務による情報管理で、依頼者の個人情報を保護

「家族に知られたくない」「会社に連絡されたら困る」といった不安を抱える方も、弁護士を通じて対応することで、情報漏えいのリスクを最小限に抑えることが可能です。

また、弁護士が関与していることにより、相手方も個人情報を悪用した行為が法的に重大な問題となることを認識し、慎重な対応を取るようになります。

風俗トラブルにおける個人情報の保護は、弁護士に依頼する最大のメリットの一つといえるでしょう。

特に過激な動きを取ってくる相手の場合、弁護士の存在は違法、不当な言動を控えさせる効果を発揮しやすいです。

④ 適切な内容で示談をすることができる

弁護士に依頼することで、風俗トラブルの示談交渉を法的に適切で納得のいく内容でまとめることが可能になります。

法的知識を持たないまま交渉を進めると、「相手の言うままに示談してしまうのではないか」と不安に感じる方も多いでしょう。
実際、過大な慰謝料を請求されたり、必要以上に不利な条件で合意してしまうケースも少なくありません。

弁護士が介入することで、次のようなメリットが得られます。

・法的根拠に基づいた適正な金額での示談が実現
・不当な条件や過度な制約の排除による合理的な合意内容
・将来のトラブルを防ぐ条項を盛り込んだ示談書の作成
・相手方の不当要求への的確な反論と交渉対応

特に重要なのは、示談書の内容が法的に有効であり、後日トラブルを再発させないよう慎重に作成されることです。
弁護士は過去の判例や法的基準を踏まえて、依頼者にとって最も有利で現実的な解決策を提案します。

こうした専門的サポートにより、適切な内容の示談を通じて根本的な解決と将来の安心を同時に得ることができるのです。

【風俗トラブル(本番行為)で示談は必要か】

風俗店でのサービス中に,その場の勢いで本番行為に至った場合,行為後になってキャストが「了承していなかった」と主張してトラブルになることがあります。
このような本番行為のトラブルは,解決のために示談すべきと考えるのが適切です。

本番行為がトラブルになる場合,以下のような言い分の食い違いが生じているケースが大多数です。

本番トラブルにおける言い分の相違

【客の言い分】
・キャストの了承を得たと思っていた
・キャストが嫌がっていないためいいと思った

【キャストの言い分】
・嫌がる間もなく無理に本番行為をさせられた
・拒むと報復されると感じ,怖くて抵抗できなかった

現実には,どちらの言い分が実態に近かったのか,第三者が客観的に判断することは困難です。そのため,決してキャストの言い分に従わなければならないというわけではありません。
しかし,このような言い分の食い違いを争うことそのもののデメリットが,風俗トラブルの性質上非常に大きくなりがちです。主なデメリットは以下の通りです。

本番トラブルで強く争うことの主なデメリット

1.紛争の長期化
2.裁判手続の負担が生じうる
3.紛争の事実が周囲に知られる

このようなデメリットがあるため,結果的に自分の言い分が認められたとしても,認められるまでに被る不利益の方が大きく,争うことが合理的ではないのです。

ポイント
本番行為のトラブルは,了承していたかどうかが争いになりやすい
示談せず争うのは,言い分が認められた場合でも大きな不利益が生じる

⑤ 示談成立の可能性が高まる

風俗トラブルにおいて、弁護士が示談交渉を担当することで解決の可能性が大きく高まります。

法的知識と交渉経験を持つ弁護士が介入することで、相手方である風俗店も真摯に対応せざるを得なくなるケースが多く見られます。
弁護士は過去の判例や法的根拠を踏まえて交渉を進めるため、不当な要求や感情的な主張を抑えながら冷静で実務的な話し合いが可能になります。

弁護士が交渉に入ることで、次のような効果が期待できます。

・法的裏付けのある主張により、相手方の譲歩を引き出しやすくなる
・専門的な交渉術で、感情的な対立を避けながら建設的に話し合える
・示談書の作成時に将来のトラブルを防ぐ条項を盛り込める

「個人で交渉しても取り合ってもらえないのでは…」と不安に感じる方も少なくありません。
しかし、弁護士が代理人として交渉することで、相手方も法的リスクを認識し、早期解決に応じる傾向が強まります。

風俗トラブルの場合、示談の成立はイコールトラブルの最終的な解決を意味することになりやすいです。そのため、示談成立の可能性が高まることは、トラブルの悩みや負担から解放される可能性が高まることだと言ってもよいでしょう。

風俗トラブル(本番行為)で示談するメリット

風俗店における本番トラブルでは,警察による捜査を受ける前に示談で解決するメリットが非常に大きいということができるでしょう。具体的なメリットとしては,以下のような点が挙げられます。

①実刑判決を防げる】

本番行為は,法的には「不同意性交等罪」に該当する可能性があるところ,不同意性交等罪の刑罰は「5年以上の有期拘禁刑(5年~20年の間刑務所に収容される)」というものです。この点,拘禁刑の言い渡しを受けても執行猶予が付けば刑務所に入る必要はなくなりますが,5年以上の拘禁刑には執行猶予を付けることができません。そのため,不同意性交等罪で刑罰を受ける場合は,原則的に実刑判決となってしまいます。

本番行為が万一刑罰の対象となった場合の不利益は実刑判決という極めて大きなものですが,事前に示談が成立すれば刑罰の対象となる可能性はなくなります。そのため,示談が成立した場合には実刑判決を防げるという非常に大きなメリットが生じることになります。

【②逮捕を防げる】

本番行為が不同意性交等罪に当たると判断された場合,その罪の重大性から逮捕が強く懸念されます。不同意性交等罪は,基本的に実刑判決となるほど重大な事件類型であるため,証拠隠滅や逃亡の危険が大きく,逮捕が必要とされやすいと考えられているのです。

この点,事前に示談が成立していれば,捜査をする必要も逮捕をする必要もなくなるため,逮捕される可能性はほとんどなくなるでしょう。逮捕の有無はその後の生活を大きく左右するため,逮捕を防げるという示談のメリットは極めて大きなものと言えます。

【③配偶者とのトラブルを防げる】

風俗店での本番行為は,配偶者とのトラブルの原因にもなる可能性があります。本番行為は「不貞行為」に当たり得るため,配偶者から法的責任を問われたり,離婚原因として主張されたりする恐れが否定できないのです。

この点,配偶者とのトラブルにならないためには,配偶者に発覚しないことが最も適切です。配偶者に知られるきっかけが生じる前に,できるだけ速やかに示談で解決できれば,配偶者とのトラブルが生じる可能性もなくなります。

【④職場への発覚を防げる】

風俗店での本番行為が職場に発覚した場合,その後の業務に大きな悪影響の生じる可能性があります。
風俗店は,トラブルが起きた際に客の健康保険証を確認して勤務先を把握しようとすることが多数あります。万一,風俗店が勤務先へ連絡を試みるなどして勤務先に迷惑がかかると,勤務を続けることが難しくなる可能性も否定できません。

示談が成立した場合,店舗から勤務先に連絡される可能性はなくなるため,職場への発覚や悪影響を確実に防ぐことができるでしょう。

ポイント
実刑判決を受けずに済む
逮捕されずに済む
配偶者とのトラブルを予防できる
職場への悪影響を予防できる

⑥ やり取りの負担が軽減できる

風俗トラブルの解決を弁護士に依頼することで、やり取りに伴う精神的・時間的な負担を大幅に減らすことができます。

風俗店との対応では、「どのように返答すればよいのか」「相手が強気な態度を取ってきたらどうしよう」と不安を感じる方が多くいます。
特に、執拗な連絡や威圧的な言動を受けた場合、個人で対応を続けることは大きなストレスとなります。

弁護士が代理人として交渉を行うことで、次のような負担から解放されます。

・風俗店からの直接的な連絡や要求への対応
・法的知識を要する書面や返答の作成
・交渉時の心理的プレッシャー
・対応方針の判断に伴う迷いや不安

また、弁護士は法律に基づいた的確な判断で交渉を進めるため、不要なやり取りを重ねることなく、効率的な解決が期待できます。
個人であれば長期化しがちな案件でも、弁護士が介入することで短期間での解決に近づけるケースも少なくありません。

さらに、弁護士が窓口となることで、トラブルに関する連絡が依頼者本人に直接届くことがなくなります。
これにより、日常生活や仕事への影響を最小限に抑えながら、安心して問題解決に向き合える環境が整うのです。

風俗トラブルの依頼から解決までの流れ

① 弁護士への相談

風俗トラブルの解決において、弁護士への相談は最も重要な第一歩です。
「どこに相談すればよいのかわからない…」と迷う方も少なくありませんが、早期に専門家へ相談することが、トラブルの拡大を防ぐ最善策となります。

弁護士に相談する際は、トラブルの経緯や証拠をできる限り正確に整理して伝えることが大切です。
風俗店との契約内容、支払った金額、相手方からの要求内容などをまとめ、次のような資料を持参するとスムーズです。

・契約書・領収書などの支払証拠
・メールやLINEのやり取り
・相手方からの請求書や通知文
・トラブルが起きた日時や経緯のメモ

また、相談時には次の点を明確にしておくと、より的確な助言を受けられます。

・トラブルが発生した経緯と時系列
・相手方からの具体的な要求内容
・既に支払った金額や約束した内容
・希望する解決方法(示談・交渉・支払拒否など)

多くの法律事務所では初回相談を無料で実施しており、電話・オンライン相談にも対応しています。
さらに、弁護士には守秘義務があるため、相談内容が家族や職場など第三者に漏れることはありません。

一人で悩みを抱え込まず、早めに弁護士へ相談することで、問題を冷静かつ的確に整理し、最適な解決策を見出すことができます。

日頃弁護士との接点がない方にとっては、法律相談はハードルが高く感じられるかもしれませんが、まずは一度試みてみましょう。多くの法律事務所では、相談の受付や相談方法等について、柔軟な対応をしてくれるはずです。

② 風俗店との交渉

風俗トラブルで示談交渉が生じる場合,具体的な交渉の相手方は店舗の代表者となることが一般的です。本番行為の相手はキャスト個人ですが,キャストと直接示談交渉をすることはほとんどありません。
店舗側は「店舗のサービス中,キャストが本番行為の被害に遭った」という理解をしていることが多いので,勤務中のキャストを守る立場と称して金銭請求をしてきます。

そして,風俗サービス中に本番行為がトラブル化した場合,キャストが店舗に連絡し,店舗代表者がサービス中の客室に訪れる流れで話し合いがスタートすることが大多数です。ただ,店舗代表者が話し合いを始めてきたとしても,その場で合意したり金銭を支払ったりすることは避けるようにしましょう。その場で解決しようとすると,どうしても一方的に不利益な内容で合意させられてしまいがちである上,示談内容も不十分なものになりがちであるためです

風俗トラブルで店舗代表者と話し合いが始まったときは,その場では連絡先交換にとどめるのが賢明です。その後,できるだけ速やかに連絡をすると約束した上で,弁護士に依頼し,弁護士から連絡を取ってもらうようにしましょう。
示談の具体的なやり取りは,自分で直接行うのでなく,弁護士を通じて行うことが重要な対応になります。

ポイント

よくある示談の流れ
1.店舗代表者がサービス中の客室に訪れる
2.その場で店舗代表者との話し合いが始まる

その場で解決するデメリット
1.一方的に不利益内容になりがち
2.示談の内容や方法が不十分

適切な示談方法
1.その場では連絡先の交換にとどめる
2.速やかに弁護士へ依頼し,弁護士から連絡してもらう

③ 示談内容の合意と示談書締結

弁護士による交渉がまとまると、次の段階として示談内容の合意と示談書の締結へ進みます。
この段階では、双方が納得できる条件を文書で明確に定め、今後のトラブルを防ぐことが最も重要です。

「本当にこれで問題が終わるのだろうか…」と不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、弁護士が作成する示談書には法的拘束力があり、適切な条項が盛り込まれていれば、相手方による再請求や嫌がらせを防止する効果が期待できます。

示談書締結後は、合意内容に従って示談金の支払いが行われ、トラブルは法的に解決済みの状態となります。
弁護士が作成した示談書は、将来的な紛争予防のための最も確実な証拠書面にもなり、安心して日常生活に戻ることができるでしょう。

風俗トラブル(本番行為)の示談金相場

風俗店での本番行為がトラブルになった場合,示談金額には非常に大きな開きが見られる傾向にありますが,概ね30~100万円ほどで合意する例が多いところです。
金額は個別の内容や当事者の意向によって変わりやすいですが,主な金額の変動要因としては以下のような点が挙げられます。

示談金の増額要因

本番行為の了承がないことが明らかである
本番行為を拒絶された後も執拗に継続した
客側が早期解決を希望している
店舗側が法的手続を辞さない方針である
一定の金額を支払うことをその場で約束した

示談金の減額要因

客側が本番行為の了承を得たと主張しており,その根拠がある
客側が賠償金額の上限を設けている(上限を超えれば示談を諦める)場合
店舗側が早期解決を希望している
キャストや店舗側に不適切な行為があった

なお,風俗トラブルの示談は,「お金で解決する」という側面が強い分野でもあります。感情的に許すかどうかというより,金額が満足できるものかという基準で判断されることが多いため,単純に金額が大きいほど示談に至りやすい傾向が見られるところです。
そのため,風俗トラブルの場合は,支払う側に示談を希望する気持ちが強ければ強いほど高額の示談になりやすいでしょう。裏を返せば,金銭的負担が大きければ大きいほど迅速円滑な解決がしやすい,ということもできます。

ポイント
風俗店の本番トラブルは,30~100万円ほどの合意が多く見られる
風俗トラブルの示談はお金で解決する側面が強い

風俗トラブル(本番行為)の示談内容・条項

風俗店での本番トラブルで示談を行う場合の内容には,以下のものが挙げられます。

【確認条項】
客側の支払うべき金額を確認する条項です。当事者間で合意した金額を明記することになります。
なお,避妊具のない本番行為がトラブルになった場合,妊娠や性病の検査名目で通院費用を加算して支払うケースも考えられます。

【給付条項】
金銭をどのように支払う(給付する)のかを定める条項です。
風俗トラブルの場合,現金の手渡しでの解決が多く見られます。弁護士と店舗代表者の間で,面談の上で示談書の取り交わしと金銭の支払いを同時に行い,その場で解決するという流れが代表的です。

【清算条項】
示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。清算条項を設けることで,その後に請求を受ける恐れがなくなります。

【口外禁止】
トラブルや示談の内容を第三者に口外しない,という条項です。風俗トラブルの場合,周囲への発覚を避ける必要が大きいので,客側が安心を得るためには非常に重要な条項となります。

【個人情報の処分】
主に,店舗側が得た客の個人情報を廃棄・処分するという内容の条項です。店舗は,風俗トラブルの発生時に客の免許証や保険証を確認するなどして住居や勤務先を把握することが多いため,免許証や保険証の廃棄を約束してもらうことが重要になります。
一方,客が撮影した内容の消去など,客側が適切な処分をすることを盛り込む場合もあります。

【店舗の利用禁止】
店舗側の要望で,今後の利用禁止を約束する場合があります。利用禁止を求められた場合には,拒否するメリットに乏しいため応じるのが適切でしょう。

風俗トラブルの示談は弁護士に依頼すべき

風俗トラブルで逮捕を防ぐ場合には,早期に弁護士へ依頼し,適切な弁護活動を行ってもらうことをお勧めします。

まず何より,風俗トラブルの解決に必要な示談のため,示談交渉の専門家である弁護士の存在は非常に重要となります。早期に適切な内容で示談が成立すれば,逮捕の回避はほぼ確実に実現できるでしょう。
風俗トラブルの場合,示談交渉の相手方となる店舗の担当者は,キャストを守るという意味もあって非常に高圧的,好戦的な態度を見せてくることが珍しくありません。そのような相手に,当事者自身が冷静で合理的な対応を尽くすのは至難の業と言わざるを得ません。
この点,風俗トラブルの解決に精通した弁護士へ依頼することで,円滑な示談による逮捕回避が容易になるでしょう。

また,弁護士に対応を委ねることによって,周囲への発覚を防ぎながら逮捕回避を図ることができる,という点も大きなポイントです。
風俗トラブルの場合,逮捕を回避したいのはもちろんですが,逮捕回避とともにトラブルが周囲に発覚しないということが非常に重要です。逮捕が防げたとしても,風俗店で本番トラブルを起こした,と周囲に知られては,対応は失敗と言わざるを得ないでしょう。
この点,弁護士に依頼をすれば,基本的に弁護士が窓口に立ってくれるため,トラブルの事実が周囲に発覚する可能性が極めて低くなります。

風俗トラブル(本番行為)の示談で注意すべきこと

風俗店での本番行為がトラブルになった場合は,示談に際して以下の事項に注意するのが適切です。

①複数の示談が必要

風俗トラブルでは,店舗代表者がキャストの代わりに交渉を行うのが通常です。そして,店舗側は「客と店舗」の間での示談を進めるのが一般的です。

しかしながら,本番行為の当事者はあくまで「客とキャスト」であるため,店舗代表者の進めるとおりに「客と店舗」の間でだけ示談をしても不十分です。風俗トラブルを解決するためには,「客と店舗」の間の示談と「客とキャスト」の間の示談という二つの示談が必要となるのです。

風俗トラブルにおけるキャストと店舗それぞれとの間の法律関係は,以下のように整理できるでしょう。

風俗トラブル(本番行為)の法律関係

【客とキャストの間】

①刑事事件
不同意性交等罪が成立し得る
②民事事件
不法行為に基づく損害賠償請求があり得る

【客と店舗の間】

①刑事事件
基本的になし(ただし,業務妨害罪が成立するケースも)
②民事事件
債務不履行に基づく損害賠償請求があり得る(契約違反)

以上の通り,別々の法律関係があるため,客と店舗の間でだけ示談をしても,キャストに対する犯罪の責任を問われたり,キャストから「不法行為に基づく損害賠償」を請求されたりしたときの対処は何もできていないままとなってしまいます。

このように,厳密にはキャストと店舗それぞれとの間で法律関係があるため,示談もそれぞれとの間で行うことが必要です。
弁護士が示談を行う場合は,店舗代表者にキャストの代理人となることを依頼し,三者間での示談を行うことが多いでしょう。

②金銭を支払った後でも示談すべき

風俗トラブルでは,その場に店舗代表者が乗り込む形で話が始まるため,ケースによってはその場で一定の支払を行っていることがあります。この点,支払をしていれば解決しているようにも思えますが,法的にはそうとは言えません。

その場で金銭を支払うとき,多くは店舗の用意する書式で示談書のようなものを作成することになります。しかし,その書面は法的に十分な記載がなされているものではないため,実際には紛争解決ができていません。
具体的には,「金銭を支払え」「金銭を支払った」という程度の記載はあるものの,必要な支払いが他にあるかどうかは分からない(清算条項がない),ということが大多数です。これでは,既に支払ったにもかかわらず,追加での支払いを求められたときに拒む根拠がありません。

既に金銭を支払った場合でも,しっかりと解決を確認して形に残すため,弁護士に示談を依頼するのが適切でしょう。

ポイント
店舗だけでなくキャストとの間でも示談の必要がある
支払済みでも適切な解決を証拠化するために示談すべき

風俗トラブルで弁護士に依頼するときのポイント

弁護士に依頼するべきタイミング

①金銭請求を受けたとき

風俗トラブルが発生した際によく見られるのが,キャストから店舗側へ連絡がなされ,連絡を受けた店舗の担当者から金銭を請求される,という流れです。多くの場合,キャストと利用客がいるホテルの客室等に店舗の人物が駆け付け,その場でキャストの代理人として話を持ち掛けることになるでしょう。

この点,金銭請求を受けたその場で,自分一人で適切な判断や対応をすることは現実的には不可能です。当事者という立場で,風俗トラブルに関する知識や経験のない中では,万全の対応を求める方が酷と言うべきでしょう。
もっとも,金銭請求を受けている以上,トラブルが顕在化していることは明らかであって,何らかの解決を目指すべきこともまた事実です。適切な判断が困難だからと言って,放置するわけにもいきません。

そのため,金銭請求を受けたときには,風俗トラブルの解決に精通した弁護士に依頼し,円滑なトラブル解決を目指すことが適切です。金銭請求への対応に際しては,弁護士選びが重要になるでしょう。

ポイント
風俗トラブルはその場で金銭請求を受けることが多い
金銭請求への対処は弁護士への依頼が適切

②警察が関与した段階

風俗トラブルは,キャストや店舗側との間で問題なるのみならず,その場に警察を呼び,警察の取り扱いを受ける流れになることも少なくありません。店舗によっては,「お金を支払うか警察を呼ぶか」という選択を求めてくるケースも相当数あります。
警察が現場の客室等に臨場した場合,個別に事情を聴かれるなどし,場合によって刑事事件の捜査に着手する,という流れが考えられます。警察が具体的な捜査に着手しない場合でも,店舗側との話し合いによる解決を求められることがほとんどです。

そのため,警察が捜査に着手するかどうかにかかわらず,風俗トラブルに警察が関与した段階で弁護士選びを検討することが適切です。適切な弁護士を選び,弁護活動を行ってもらうことで,警察の取り扱い状況に応じた解決へのサポートが期待できるでしょう。

ポイント
風俗トラブルの現場に警察を呼ばれる場合も多い
警察が関与した段階で,解決に向けた弁護士選びを検討することが適切

③刑事事件化を防ぎたいとき

風俗トラブルは,刑事事件化することなく円満に解決できれば,最も早期に解決できます。そのため,キャストや店舗との間で速やかに解決することで,刑事事件化を防ぐ方針が非常に有力と言えます。

もっとも,刑事事件化を防ぐための具体的な解決方法は,風俗トラブルの解決に精通した弁護士でないと判断が困難です。解決方法を誤ってしまうと,紛争の火種が残った状態になり,後からトラブルが刑事事件として蒸し返されてしまう可能性もあります。

そのため,早期解決によって風俗トラブルの刑事事件化を防ぎたい場合には,弁護士選びを速やかに行い,解決に適した弁護士への依頼を試みることが有力です。

ポイント
風俗トラブルは,刑事事件化前の解決が最もスムーズ

弁護士を選ぶ基準

①風俗トラブルの解決経験

風俗トラブルは,その他の一般的な刑事事件とは異なる独特な対応が必要な事件類型です。そのため,弁護士である,刑事事件の取り扱いがある,というのみならず,風俗トラブルの解決経験があるかどうか,という点を重要な判断基準とすることが有力でしょう。

風俗トラブルの解決経験があれば,風俗トラブルに特有の動き方や注意点にも精通しているため,十分な弁護活動が期待できる可能性が高いです。一方,風俗トラブルの解決に必要な動き方を把握していないと,解決がなかなか進まず,最悪の場合にはトラブルが深刻化する恐れも否定できません。

②迅速な初期対応の可否

風俗トラブルは,トラブル発生の直後から必要な対応に迫られることが多い,という特徴のある事件類型です。弁護士選びを始める段階で,既に対応を迫られた状態であることも珍しくありません。
そのため,風俗トラブルの解決に当たる弁護士は,迅速な初期対応とフットワークを備えている必要があります。依頼を受けた数日後に動き始める,というわけにはいきません。

もっとも,弁護士がいつどのような対応をしてくれるかは,個々の弁護士のやり方により様々です。事件のスピード感に合わせた迅速な対応のできる弁護士であれば問題ありませんが,万一弁護活動がタイミングを逃したものになってしまうと決定的な悪影響につながる可能性も生じてしまいます。

迅速対応を約束してくれるかどうかは,必ず弁護士選びの基準として設けるようにしましょう。

③プライバシーへの理解

風俗トラブルにおける弁護士と依頼者の間の問題の原因として,プライバシーに関する依頼者側の要望を弁護士が正しく把握できていないことによる方針のズレが挙げられます。依頼者は,周囲への発覚を可能な限り避けながら内密に解決したい,と考えているものの,弁護士側は特に配慮せず,連絡方法などの配慮が不十分なまま活動を進めてしまう,というケースが散見されるところです。

風俗トラブルは,その性質上,身近な人物への発覚を避けながら解決する必要性の高いものですが,弁護士側にその点の十分な理解があるとは限りません。弁護士選びに際しては,事件解決に際してどのようなプライバシーへの配慮をしてもらうことができるか,という点を判断材料とすることが有力でしょう。

弁護士に依頼する場合の注意点

①示談方法の特殊性を踏まえているか

風俗トラブルの示談には,他の事件類型にはない特殊性があります。それは,示談の相手方が2人いる,ということです。具体的には,「キャスト個人」と「店舗」それぞれとの間で示談が必要となります

風俗トラブルを解決する場合,客と店舗担当者の間で解決内容を協議し,合意することが一般的です。客と店舗との間では,客が店舗のサービスを利用する際の約束に反した,という問題があるため,客と店舗との紛争解決が必要であるという面も間違いではありません。

しかし,風俗トラブルの根本的な問題は,基本的に客とキャストの個人間における紛争です。特に,性的行為に同意があったなかった,盗撮行為があったなど,刑事事件の側面に関しては,店舗は第三者に過ぎません。交渉の際,窓口になる店舗担当者も,あくまでキャストの代わりに窓口となっているだけです。

弁護士が風俗トラブルの解決を目指す場合,2人の相手方それぞれと示談をし,それぞれとの間で紛争が終了したことを確認しなければ,弁護活動を全うしたとは言えませんが,店舗とのやり取りになるあまり,肝心な対キャストの個人間における紛争が解決できていない,というケースも散見されます。
弁護士への依頼に際しては,風俗トラブルの示談方法を十分に理解していることを確認しましょう。

ポイント 風俗トラブルで要する2つの示談
対店舗:サービス利用時の契約違反
対キャスト:本番行為,盗撮行為等の刑事事件

②弁護士との連絡方法を確認する

風俗トラブルを弁護士に依頼する大きな目的の一つは,家族など周囲への発覚を防ぐ,という点にあることが多い思われます。事件の性質上,周囲への影響を防ぎつつ解決できるか,という点は非常に重要です。

ただ,弁護士との連絡方法について慎重な確認をしていないと,弁護士からの連絡が原因で周囲に事件が発覚する可能性も否定できません。風俗トラブルの対応に精通している弁護士であれば生じにくい問題ですが,そうでない場合,連絡方法への配慮不足から,弁護士に依頼している事実が家族に発覚してしまい,風俗トラブルの存在を知られてしまう結果になるケースも見受けられます。

弁護士への依頼に際しては,弁護士から連絡があった事実自体が周囲に伝わらないよう,慎重に連絡方法を協議し,解決に努めることをお勧めします。

③トータルの経済的負担を把握する

風俗トラブルは,相手方に金銭を支払う形での解決を目指すことが非常に多い類型です。しかも,金銭面の損得よりも早期解決を優先する場合,その経済的負担はより大きくなりやすいでしょう。

そのため,弁護士費用と示談金を合計した金額として,どの程度の経済的負担が見込まれやすいか,という点は,事前にできるだけ把握し,後から負担しきれないという事態が生じないように留意しましょう。もちろん,具体的な示談金額を事前に決定することはできないため,幅を持った想定にならざるを得ませんが,ある程度の見通しを設けておくことは柔軟な対応のため非常に重要なポイン

風俗トラブル(本番行為)の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で風俗店の本番トラブルに関する示談を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

示談が成立した場合に限り,22万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

風俗サービス中の本番トラブルでは,30~100万円ほどの示談金が想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(50万円で示談成立の場合)

弁護士費用:34万円+22万円=56万円
示談金:50万円

計:106万円

なお,この弁護士費用は刑事事件化しなかった場合を前提としたものです。刑事事件化し,捜査対応などを要した場合には別途弁護士費用が発生します。

弁護士費用の例

風俗トラブルに強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
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特設サイト:藤垣法律事務所

風俗での盗撮がバレたらどうなる?示談の方法・金額・注意点を弁護士が完全解説

このページでは,風俗トラブル(盗撮トラブル)の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

風俗トラブル(盗撮)では示談すべき?

風俗サービス中に,キャストが着衣を着けないでいる姿を撮影しようと試みた場合,これが発覚してトラブルになることがあります。
このような風俗店での盗撮トラブルに関しては,示談をすべき必要が非常に大きい類型と言えるでしょう。
その理由としては,以下の点が挙げられます。

①風俗での盗撮トラブルは犯罪

風俗店での盗撮行為は,「性的姿態等撮影罪」という犯罪に該当します(2023年7月13日以降)。そして,この性的姿態等撮影罪は,3年以下の懲役又は300万円以下の罰金という刑罰の対象になります。
風俗店でのサービスは,キャストが自分の意思で着衣を着けない状態になるため,撮影行為が盗撮であるという感覚が薄れがちですが,キャストが了承しない撮影行為は性的姿態等撮影罪が成立する犯罪行為に該当します。

そのため,風俗店での盗撮トラブルが刑事事件として捜査された場合,刑罰の対象となる可能性は十分に考えられます。刑罰を受ければ前科が付くことになるため,捜査や刑罰の対象となることは可能な限り防ぐべきです。

この点,風俗トラブルに関して当事者間で示談が成立した場合,盗撮事件として捜査や刑罰に発展することは基本的になくなります。盗撮行為が犯罪として処分されることを防ぐためには,示談が必要と考えて差し支えないでしょう。

②風俗トラブルで特に示談が必要な理由

盗撮事件の中でも,風俗トラブルでは特に早期の示談が必要となりやすい傾向にあります。その具体的な理由としては,以下の点が挙げられます。

【周囲に発覚する不利益が非常に大きい】

風俗トラブルの場合,自分が風俗店を利用している際のトラブルであることが明らかであるため,特に配偶者がいる立場の人にとっては,家族に発覚する不利益が極めて高くなります。家族への発覚を防ぐためには,家族に影響が生じないうちに,早期で穏便な解決を図る必要がありますが,そのような解決を実現できる手段は示談以外に考えにくいでしょう。

また,風俗トラブルが生じた場合,身分を証明する書面の提示を求められることが大多数です。店舗側は,職業や勤務先も含めて把握することで,逃げ得を防止しようとします。
そのため,風俗トラブルは勤務先への悪影響も強く懸念されやすいところです。風俗トラブルが勤務先に発覚することは確実に避けるべきですが,その具体的な方法はやはり早期の示談になるでしょう。

【相手からの請求を防ぐ利益が非常に大きい】

風俗トラブルでは,店舗側が金銭的に満足できるかどうか,という点が店舗側の方針を大きく左右する傾向にあります。金銭的な満足が得られれば円滑に解決しやすい一方,金銭的に満足できていない状況だと強く金銭を請求してくることがあります。

この点,風俗トラブルにおける店舗側からの金銭請求は,方法や内容が客側の恐怖を募らせるものになることも少なくありません。店舗側は金銭請求の経験に長けているため,どのように請求すれば支払いやすいかも感覚的に理解していることが多く,請求を受ける側にとっては心理的圧迫が大きくなりやすいでしょう。

店舗側からの請求に強い不安や恐怖を感じ続ける事態を避けるためにも,風俗トラブルでは早期に示談することが必要です。

風俗トラブル(盗撮)で示談するメリット

風俗での盗撮トラブルでは,捜査や処分の対象になる前に示談を行うメリットが非常に大きいです。具体的には,以下のようなメリットが挙げられます。

①刑罰を防げる

風俗店での盗撮行為は,いわゆる盗撮罪に当たる犯罪行為のため,罰金をはじめとする刑事罰の対象になり得ます。風俗サービス中の盗撮行為の場合,その証拠を現行犯で押さえられていることが多く,捜査されれば処罰に足りる証拠は十分に確保できてしまうでしょう。

そのため,風俗での盗撮トラブルでは,警察の捜査に発展する前に示談で解決することによって,刑罰を防げるメリットが非常に大きくなりやすいです。
風俗トラブルは,まず当事者間(又は店と客の間)でのやり取りから始まり,いきなり警察が介入するわけではないという点が非常に特徴的ですが,これは,警察が介入する前に解決するチャンスが十分にある,ということでもあります。

②逮捕を防げる

現行犯で盗撮事件が発覚した場合,証拠隠滅や当事者間の接触を防ぐため,逮捕される可能性があります。逮捕をされると,少なくとも当日は帰宅することができず,現実的に周囲への発覚を防ぐことは難しくなりやすいです。

この点,逮捕を防ぐ最も端的な手段は,逮捕される前に当事者間で解決することです。示談により当事者間で解決していれば,その事件で捜査を行う必要はなくなり,逮捕される可能性もなくなるということができるでしょう。

逮捕の有無はその後の生活を大きく左右するため,逮捕を防げるという示談のメリットは極めて大きなものと言えます。

③店からの請求を防げる

風俗トラブルでは,店側からの度重なる請求に大きな精神的負担を強いられるケースが少なくありません。店側としても,被害者であるキャストの損害を客に埋め合わせさせるため,強い態様で繰り返し請求することになりやすいです。

このような店からの金銭請求は,示談によってすべて防ぐことが可能です。示談を取り交わすときには,今後一切の請求をしないことを約束することになるため,示談後に金銭を請求することはできません。
店舗との関係を速やかに断ち切りたい場合には,示談での解決が極めて有益でしょう。

④家族や職場への発覚を防げる

示談での解決は,風俗トラブルが周囲に発覚することの回避にもつながります。風俗トラブルが周囲に発覚するのは,店舗側から客への請求行為が周囲に発覚する,というのが主な経緯ですが,示談によって店舗側からの請求もなくなるため,家族や職場にトラブルが知られる可能性はなくなるでしょう。

また,示談の際に適切な内容を取り交わせば,方法を問わず周囲にトラブルが発覚するような行為を相手に禁じることが可能です。

ポイント 示談のメリット
刑罰を受ける可能性がなくなる
逮捕される可能性がなくなる
店からの請求がなくなる
家族や職場に発覚されず解決する

風俗トラブルの適切な対処と誤ったときのリスク

風俗トラブルが表面化する一般的な流れは,キャストが店側にトラブルの申告(連絡)をし,風俗店の関係者が現場に駆け付ける,ということが多く見られます。代表的なデリバリーヘルスの例では,性的サービスの後,キャストが利用客のシャワー中に店へ連絡し,利用客が部屋を離れる前に店舗関係者が部屋に向かってトラブル解決を迫る,という流れが多いところです。
なお,そこでのトラブル解決は,金銭的解決を指すことが通常です。風俗店のトラブル対応は,金銭的な満足を得られるかどうかを基準とすることが一般的です。

このような風俗トラブルに見舞われた際の適切な対処としては,その場で結論を出したり支払ったりせず,速やかに弁護士へ相談・依頼をすることです。その具体的な理由は,以下の通りです。

①心理的圧迫の影響で多額の支払をしてしまう危険がある

風俗店関係者からは,「女の子がショックを受けている」「犯罪だから警察に突き出すこともできる」などと真偽の不明な文句で心理的圧迫を受け,金銭賠償を強要されることが多く見られます。突然そのような話をされ,正常な判断も難しい中で対応した場合,十分な交渉も検討もできないまま,風俗店側に求められた多額の支払を行ってしまう危険が非常に大きいでしょう。

②トラブルの解決が約束されないままになってしまう

風俗店は,風俗トラブルについて金銭を受領した場合,その内容を自社又は店舗の独自の書式で作成した何らかの書面にすることが多く見られます。もっとも,その書面は,法律的な意味での紛争解決を内容としているわけではなく,記載内容も作成方法も不十分であることがほとんどであり,風俗店側の内部処理くらいの意味合いしかありません。

そのため,せっかく金銭を支払って風俗店と解決したとしても,それ以上の賠償義務があるかないか不明確な上,今後さらに金銭を請求しないとの確約もない,という状態になってしまいます。法的には何も解決しないまま,支払った金銭の負担だけが残るということになりかねません。

③キャストとの間では紛争解決ができない

風俗店の試みるトラブル解決は,あくまで風俗店と利用客の間でのものであり,キャストと利用客との解決を内容とするものではありません。そのため,風俗店と事実上解決できたとしても,その後になってキャストが自分への金銭賠償等を請求してきた場合,これを回避する手立ては存在しないことになります。
紛争全体の解決を図るためには,風俗店と利用客,キャストと利用客それぞれの解決が必要となりますが,それを実現するためには,その場で結論を出さず弁護士に依頼することが不可欠でしょう。

④個人情報を風俗店に保管されてしまう

風俗店は,風俗トラブルが発生したときの運用として,利用客の身分証の写しを取るなど,その個人情報を保管しようとすることが一般的です。もちろん,これに応じる法的な義務はありませんが,現実的にはその場を収めるために応じることが非常に多いでしょう。

この点,自分で風俗店と解決を図った場合,保管された個人情報はそのままになってしまい,これを破棄・処分などすることの約束を取り付けることは困難です。紛争解決した後に相手の個人情報を保管しておく理由は特段ありませんから,風俗店に個人情報を確保されたままの状態が非常に不適切であることは間違いありません。

ポイント
本番行為は両者の合意があるから合法
トラブル化した場合は金銭的解決が問題になりやすい
その場で解決しようとすると適切な解決は困難。弁護士への依頼が得策

風俗トラブルにおける逮捕の可能性

風俗トラブルの場合,風俗店側が警察を呼ぶなどして警察が関与する場合も少なくありませんが,その場合でも逮捕まで至る可能性は決して高いわけではありません。
特に,本番トラブルの場合だと,利用客側はキャストが本番行為に合意していると誤解していたことがほとんどなので,犯罪が成立する可能性は低く,キャストやお店の主張のみを根拠に逮捕することは容易ではありません。

もっとも,内容があまりに過激である場合,トラブルが度重なっていて悪意がないとは考えにくい場合など,特に十分な捜査を要すると判断される場合には,逮捕に至る可能性も否定はできません。

風俗トラブルは自分で解決してもよいか

風俗トラブルは,その場で風俗店関係者から解決を迫られることが多いため,これに応じる形で自分で解決することも不可能というわけではありません。しかし,やはり自分で風俗店側と解決を図ることは,法的にはお勧めできません。

自分で解決を図ることの致命的な問題は,法的には何ら解決されていない状態のままになる,ということです。風俗店側が客の利益になるような示談書などを作成することはありませんので,それ以上の金銭債務がないのか,お店やキャストが他言しないのか,警察を巻き込まないのか,といった点については,全く手つかずになってしまいます。

風俗店やキャストがそれ以上の動きを取らなければ,現実に問題となることはありませんが,裏を返せば,風俗店やキャストが後から金銭請求をしてきたり警察に被害届を出したりしても全く問題ない,ということです。
そのリスクを抱える前提で解決や支払を行うのは,適切とは言い難いでしょう。

風俗トラブル(盗撮)で示談をする方法

風俗トラブルの解決は,店舗の代表者との間で話し合うことが一般的です。盗撮事件の当事者はキャスト個人ですが,キャストが直接話し合いに応じることはあまりなく,キャストを代理して店舗代表者が窓口対応するのが大多数でしょう。

風俗サービス中の盗撮トラブルが発覚した場合,店舗代表者がサービス中の客室に訪れ,その場で解決の話し合いがスタートする例が多く見られます。この時,できる限りその場で合意をしたり金銭を支払ったりしないようにするのが賢明です。その場で解決しようとすると,どうしても一方的に不利益な内容で合意させられてしまいがちである上,示談内容も不十分なものになりがちであるためです。

風俗トラブルで店舗代表者と話し合いが始まったときは,連絡先を交換して速やかに連絡する旨を伝えた上で,できるだけ早く弁護士に相談・依頼をするようにしましょう。弁護士が依頼を受けた後は,弁護士がご自身の代理人として店舗代表者と連絡を取り,示談の話し合いを開始することが可能です。

ポイント

よくある示談の流れ
1.店舗代表者がサービス中の客室に訪れる
2.その場で店舗代表者との話し合いが始まる

その場で解決するデメリット
1.一方的に不利益内容になりがち
2.示談の内容や方法が不十分

適切な示談方法
1.その場では連絡先の交換にとどめる
2.速やかに弁護士へ依頼し,弁護士から連絡してもらう

風俗トラブル(盗撮)の示談金相場

風俗店での盗撮トラブルの場合,示談金額はケースによって様々ですが,概ね20~80万円ほどで合意する例が多く見られます。
解決金額に幅が生じやすい点は,風俗トラブルの特徴の一つでもありますが,金額の変動要因としては以下のような事情が挙げられます。

示談金の増額要因

客側が早期解決を希望している
店舗側が法的手続を辞さない方針である
発覚時にキャストとの間でもみ合いなどのトラブルが起きている
一定の金額を支払うことをその場で約束した

示談金の減額要因

客側が賠償金額の上限を設けている(上限を超えれば示談を諦める)場合
店舗側が早期解決を希望している
キャストや店舗側に不適切な行為があった

なお,風俗トラブルの示談は,「お金で解決する」という側面が強い分野でもあります。感情的に許すかどうかというより,金額が満足できるものかという基準で判断されることが多いため,単純に金額が大きいほど示談に至りやすい傾向が見られるところです。
そのため,風俗トラブルの場合は,支払う側に示談を希望する気持ちが強ければ強いほど高額の示談になりやすいでしょう。裏を返せば,金銭的負担が大きければ大きいほど迅速円滑な解決がしやすい,ということもできます。

ポイント
風俗店の盗撮トラブルは,20~80万円ほどの合意が多く見られる
風俗トラブルの示談はお金で解決する側面が強い

風俗トラブル(盗撮)の示談内容

風俗店での盗撮トラブルで示談を行う場合の内容には,以下のものが挙げられます。

【確認条項】

客側の支払うべき金額を確認する条項です。当事者間で合意した金額を明記することになります。

【給付条項】

金銭をどのように支払う(給付する)のかを定める条項です。
風俗トラブルの場合,現金の手渡しでの解決が多く見られます。弁護士と店舗代表者の間で,面談の上で示談書の取り交わしと金銭の支払いを同時に行い,その場で解決するという流れが代表的です。

【清算条項】

示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。清算条項を設けることで,その後に請求を受ける恐れがなくなります。

【口外禁止】

トラブルや示談の内容を第三者に口外しない,という条項です。風俗トラブルの場合,周囲への発覚を避ける必要が大きいので,客側が安心を得るためには非常に重要な条項となります。

【個人情報の処分】

主に,店舗側が得た客の個人情報を廃棄・処分するという内容の条項です。店舗は,風俗トラブルの発生時に客の免許証や保険証を確認するなどして住居や勤務先を把握することが多いため,免許証や保険証の廃棄を約束してもらうことが重要になります。
一方,客が撮影した内容の消去など,客側が適切な処分をすることを盛り込む場合もあります。

【店舗の利用禁止】

店舗側の要望で,今後の利用禁止を約束する場合があります。利用禁止を求められた場合には,拒否するメリットに乏しいため応じるのが適切でしょう。

風俗トラブル(盗撮)の示談で注意すべきこと

風俗店での盗撮トラブルでは,示談に際して以下の事項に注意するのが適切です。

①お店とだけ示談しても不十分

風俗トラブルの場合,キャスト個人でなく店舗の代表者が窓口となって示談交渉するのが通常です。ただ,あくまで事件の当事者は客とキャストであり,キャストとの間で示談ができなければ示談としては不十分と言わざるを得ません。
厳密には,「客とキャスト」「客と店舗」それぞれとの間で示談をかわすことが必要です。店舗との間でだけ示談ができても,キャストとの間では何も解決できていないため,その後にキャスト個人から金銭を請求されるリスクが残ります。

風俗トラブルにおけるキャストと店舗それぞれとの間の法律関係は,以下のように整理できるでしょう。

風俗トラブル(盗撮)の法律関係

【客とキャストの間】

①刑事事件
性的姿態等撮影罪が成立
②民事事件
不法行為に基づく損害賠償請求があり得る

【客と店舗の間】

①刑事事件
基本的になし(ただし,業務妨害罪が成立するケースも)
②民事事件
債務不履行に基づく損害賠償請求があり得る(契約違反)

このように,厳密にはキャストと店舗それぞれとの間で法律関係があるため,示談もそれぞれとの間で行うことが必要です。
弁護士が示談を行う場合は,店舗代表者にキャストの代理人となることを依頼し,三者間での示談を行うことが多いでしょう。

②金銭を支払った後でも示談すべき

風俗トラブルでは,その場に店舗代表者が乗り込む形で話が始まるため,ケースによってはその場で一定の支払を行っていることがあります。この点,支払をしていれば解決しているようにも思えますが,法的にはそうとは言えません。

その場で金銭を支払うとき,多くは店舗の用意する書式で示談書のようなものを作成することになります。しかし,その書面は法的に十分な記載がなされているものではないため,実際には紛争解決ができていません。
具体的には,「金銭を支払え」「金銭を支払った」という程度の記載はあるものの,必要な支払いが他にあるかどうかは分からない(清算条項がない),ということが大多数です。これでは,既に支払ったにもかかわらず,追加での支払いを求められたときに拒む根拠がありません。

既に金銭を支払った場合でも,しっかりと解決を確認して形に残すため,弁護士に示談を依頼するのが適切でしょう。

風俗トラブル(盗撮)の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で風俗店の盗撮トラブルに関する示談を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

示談が成立した場合に限り,22万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

風俗サービス中の盗撮トラブルでは,20~80万円ほどの示談金が想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(50万円で示談成立の場合)

弁護士費用:34万円+22万円=56万円
示談金:50万円

計:106万円

なお,この弁護士費用は刑事事件化しなかった場合を前提としたものです。刑事事件化し,捜査対応などを要した場合には別途弁護士費用が発生します。

弁護士費用の例

風俗トラブルで弁護士に依頼すべき場合

①金銭請求されている場合

風俗トラブルは,金銭的解決を求められるのがほとんどです。風俗店によっては,恐喝罪などの対象になることを恐れて明言を避けてくることもありますが,基本的に風俗店は全て金銭的解決を図ろうとしていると理解しても誤りではないでしょう。
そのため,風俗トラブルでは金銭面の交渉が不可欠であり,これを行うには風俗トラブルに精通した弁護士への依頼が適切です。

②周囲への発覚を防ぎたい場合

風俗トラブルは,内容の性質上,家族や職場関係者など周囲に発覚する不利益が大きいものです。そのため,周囲に発覚することなく,秘密裏に解決したいということは多いでしょう。
弁護士に依頼した場合,弁護士がすべての窓口になりますので,周囲に事態が発覚する恐れは基本的になくなります。

③個人情報を保管されている場合

風俗トラブルの際には,風俗店に身分証の写しを取られるなど,個人情報を保管されることが多く,個人情報の流出や悪用を不安に感じる場合もあるでしょう。もっとも,自分から風俗店に個人情報の処分を求めることも容易ではありません。
弁護士に依頼した場合には,トラブル解決にあわせて個人情報の処分についても合意を取り付けることで,個人情報に関する不安を解消することが可能です。

弁護士への法律相談に関するポイント

①双方の言い分を整理する

風俗トラブルにおいては,自分と相手方(キャスト)の言い分に大きな差がある場合も珍しくありません。例えば,いわゆる本番トラブルの場合,自分の目からはキャストが特に嫌がっているように感じられなかったものの,相手は無理矢理に本番行為をさせられたと主張している,ということはよくあると言っても過言ではないでしょう。

そのため,弁護士に相談する前提として,トラブルの具体的内容は何か,トラブルに対する当事者双方の言い分はどのようなものか,という点を十分に整理し,弁護士に伝えられるようにしましょう。言い分に食い違いがあるかないか,食い違いがある場合にはどのような内容かによって,弁護士からの案内が大きく異なる可能性もあり得ます。

②現状の交渉経過を整理する

風俗トラブルの大きな特徴の一つが,トラブル発生直後から交渉が始まりやすい,という点です。キャストから連絡を受けた店舗担当者が,サービス中の客室に乗り込み,違反行為の指摘と示談交渉を持ち掛けてくる,という流れは多く見られるところです。

この点,店舗担当者との交渉がどのような内容であるか,何か合意をしたことはあるか,といった事項は,その後の対応に大きな影響を与えます。基本的には弁護士による交渉代行が可能ですが,弁護士依頼の前に一定の合意をしてしまっているのであれば,その合意を覆す余地があるかないか,という点をまず検討する必要が生じ得るためです。
また,合意には至っていないとしても,ある程度金額の話し合いをした後の状況だと,弁護士がその話し合いを根本から覆すような金額の提案をするのは,現実的にトラブル解決の可能性を低下させやすい動きにもなってしまいます。

そのため,弁護士選びに際しては,現状の交渉経過を正しく整理することで,弁護士がどのような対応をできるのか,しっかりと判断できるだけの情報を提供するように努めることをお勧めします。

③優先順位を整理する

風俗トラブルの対応は,当事者間の解決を優先するか,経済的な損失を防ぐことを優先するか,といった優先順位の違いによって,適切な動き方も違ってくることになります。通常,店舗側の方針としては,経済的に満足できるか,という基準で判断することになるため,店舗側が経済的に満足する結果となれば早期に解決しやすい傾向にあります。一方で,そのような解決は「トラブル解決をお金で買う」とも言うべきやり方であるため,経済的には本来負担する必要のない支払が生じることも珍しくありません。

風俗トラブルの場合,金銭的負担よりも穏便で迅速な解決の優先順位が非常に高いケースもありますが,弁護士がその点を把握していないと依頼者側の希望に沿わない弁護活動になる可能性もあり得ます。
弁護士への依頼に際しては,金銭面とトラブル解決のどちらをどの程度優先したいという意向か,というお気持ちをある程度整理しておくことをお勧めします。

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

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不同意わいせつ事件の示談金相場や方法は?示談するメリットや流れなども徹底解説

わいせつ事件を起こしてしまい、示談を考えているものの、どのように進めればよいのか分からず不安を感じている方もいるでしょう。

自分が同意あったと思っていても相手の女性から同意はなかったと言われて訴えられたら、焦るのも同然です。

まずは示談に応じてくれるかどうかを試し、刑事処分のリスクを減らすことがおすすめです。

そこで本記事では、不同意わいせつ事件の示談の必要性を踏まえ、示談金相場や方法などを弁護士が詳しく解説します。

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この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

不同意わいせつ事件で示談は必要か

「不同意わいせつ罪」は,かつて「強制わいせつ罪」との名称で規律されており,この強制わいせつ罪は長く「親告罪」とされていました。

親告罪とは,検察官が起訴をするために告訴が必要となる犯罪を言います。この親告罪は,示談すれば確実に起訴されない事件類型と理解できます。それは,示談を取り交わす場合,示談の内容として「告訴しない」または「告訴を取り消す」という合意をするため,示談をすれば親告罪の起訴に必要な告訴がなくなるからです。
親告罪でない犯罪(非親告罪)は,示談をしていても起訴することは法律上可能であるため,示談によって確実に起訴されないという点は親告罪の非常に大きな特徴です。

親告罪と示談

親告罪:示談をすれば確実に不起訴
非親告罪:示談をしても法律上起訴が可能

この点,本校執筆時の不同意わいせつ罪は,非親告罪であるため,示談をして告訴がなくなっても確実に不起訴となるわけではありません。しかし,不同意わいせつ事件では示談の必要がなくなっているのかといえば,それは間違いです。非親告罪である不同意わいせつ事件でも,示談は非常に大きな意味を持ち,処分の軽減を目指すには必要と言って差し支えありません。示談の有無で処分が決まるケースが大多数と言っても決して大袈裟ではないでしょう。

不同意わいせつ事件では,まず示談の検討を行うことをお勧めします。

ポイント
不同意わいせつ罪は非親告罪であるため,示談しても起訴は可能
実際の運用上は,示談は不同意わいせつ事件で決定的な意味を持つ

不同意わいせつ事件の示談金相場

不同意わいせつ罪に当たる事件の示談金相場は,概ね50~100万円という場合が多く見られます。不同意わいせつ事件は重大事件であるため,示談金も大きくなりやすいですが,示談金額が増減する要因としては以下のような事情が挙げられます。

不同意わいせつ事件における示談金額の増減要因

1.わいせつ行為の内容
→性器への接触など,身体侵襲の程度が大きい場合,増額要因になります。

2.事件の発生した時間・場所
→夜間や人通りのない路上など,被害者の恐怖心を強める時間・場所での事件である場合,増額要因になります。

3.被害者の心身への支障
→事件が原因で被害者に精神疾患などが生じた場合,損害が拡大するため増額要因になります。

4.当事者間の関係
→上下関係を利用してわいせつ行為をしたなど,立場を用いた悪質な事件の場合,増額要因になります。

5.加害者の経済力
→経済力に限界のある場合,減額要因になります。

示談金の相場は、50〜100万円が一般的となります。それにプラスして弁護士への費用が発生することを頭に入れておいてください。後ほど詳しく説明しますが、弊所では不同意わいせつ事件に伴う費用を着手金が33万円で示談の成果報酬が22万円とさせていただいております。

不同意わいせつ事件で示談をする方法

捜査を受けた不同意わいせつ事件では,示談するためには捜査機関(警察や検察)にその旨を申し入れ,捜査機関から被害者に連絡を取ってもらうことが必要になります。まずは,捜査機関の担当者と被害者との間で話をしてもらうというわけです。
もっとも,捜査機関は加害者本人と被害者を引き合わせることをしません。当事者同士で連絡を取らせるのは,被害者にとって不適切である上,二次被害の原因になる可能性がある,と考えるためです。
そのため,示談を試みるためには,弁護士を介して行うことが必要となります。弁護士に依頼の上,弁護士限りで被害者と連絡が取りたいという申し入れをすれば,捜査機関は被害者との間を取り持ってくれるのが通常です。

弁護士が示談を試みる場合の基本的な流れは,以下の通りです。

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

弁護士に依頼した後における進捗の確認は,弁護士を通じて行います。弁護士からは,捜査機関とのやり取りの状況,被害者との連絡状況,示談の話し合いに関する内容など,進展があり次第随時報告を行い,情報共有します。

ポイント
示談の申し入れは,弁護士から捜査機関へ行う
被疑者は,弁護士に依頼の後,弁護士を通じて状況を把握する

不同意わいせつ事件における示談のメリット

不同意わいせつ罪での示談は,数多くのメリットをもたらすものと言えます。不同意わいせつ事件で示談をした場合の具体的なメリットは,主に以下の通りです。

  • 不起訴になり前科を回避できる
  • 逮捕勾留から早期に釈放される
  • 刑罰の軽減
  • 当事者間での解決

詳しく解説します。

①不起訴になり前科を回避できる

不同意わいせつ事件は,決して軽微なものではないため,犯罪事実が明らかに存在するのであれば起訴することが通常です。そして,刑法に定められた不同意わいせつ罪の刑罰は「6月以上10年以下の拘禁刑」であり,拘禁刑より軽微な罰金刑の定めがありません。そのため,不同意わいせつ事件で起訴されると,公開の裁判を受けた上で初犯でも実刑判決の対象になる可能性があります。
また,公開の裁判を受けて実刑判決等の刑罰を受けると,前科が付くことにもなり,その後の生活への支障も否定できません。

しかし,起訴される前に被害者との間で示談することができれば,事件は不起訴処分とされる可能性が非常に高くなります。現実的には,示談をして被害者が不起訴希望の意思を表明するに至れば,不起訴とせざるを得ないことが多いでしょう。それは,被害者自身が起訴を希望していないことが明らかである上,起訴に必要な被害者の協力が得られない可能性が高くなるためです。

不同意わいせつ事件における示談は,不起訴を決定づけるものであり,前科を回避するために最も重要なものと言ってもよいでしょう。

示談の成立で持って不起訴を目指すのが基本的な流れにはなります。示談が成立したことを捜査機関にアプローチをかけて前科の回避を目指します。

②逮捕勾留から早期に釈放される

不同意わいせつ事件は,捜査に当たって逮捕・勾留といった身柄拘束の可能性が低くない事件類型です。犯罪そのものが重大であること,被害者保護のため加害者による被害者への接触を防がなければならないことなどが大きな理由とされます。
そのため,不同意わいせつ事件では逮捕勾留を想定すべきケースが多く,逮捕勾留された場合の釈放に向けた試みも非常に重要です。

この点,不同意わいせつ事件で示談ができた場合,逮捕や勾留の期間が劇的に短縮されることが少なくありません。ケースによっては,示談が確認できた段階で直ちに釈放されることもあり得ます。
一般に,特に示談などをしない不同意わいせつ事件では,20日間の勾留の上,起訴不起訴の判断となります。しかし,例えば5日目で示談できた場合,20日間の勾留となることはほとんどなく,示談後数日のうちには釈放されることが見込まれやすいです。

不同意わいせつ事件における示談は,逮捕勾留の期間も決定的に左右するものであると考えてよいでしょう。

こちらも示談の成立が大きな材料となりますが、示談成立したのに勾留することはないといった不服申し立ての手続きを行います。

③刑罰の軽減

不同意わいせつ事件で起訴されてしまった場合,不起訴を獲得したり前科を回避したりすることは基本的に不可能です。しかし,その場合でも示談を目指すことは非常に大きな意味を持ちます。

刑罰の重さを最終的に判断するのは裁判所ですが,裁判所が刑罰を判断する際に極めて重要視する事情に,被害者の処罰感情や被害者に対する被害の補填が挙げられます。

処罰感情とは,処罰を希望するかどうかという気持ちを言います。被害者の処罰感情が強いほど,刑罰は重くなる傾向にあります。
また,被害者に対する被害の補填は,被害者に生じた損害がどれだけ回復されているか,という意味で重要な判断要素になります。被害の補填は主に金銭で行われることが一般的ですが,事後的に被害が回復されていれば,その結果重い刑罰を科す必要はなくなる,という理解になるのが通常です。

被害者との間で示談が成立すれば,被害者に処罰感情がないことや,被害の補填がなされたことが明らかになります。そのため,示談は刑罰の軽減に直結する効果を持つということができます。

示談がなければ実刑判決が見込まれるケースでも,示談によって実刑判決を回避できる場合は珍しくありません。示談は,被害者がいる事件で刑罰を軽減するための最も有益な試みと理解してよいでしょう。

示談の効果が大きく影響しますが、過去の事例も引き合いに出しながら処分の軽減を捜査機関に意見として示していきます。

④当事者間での解決

不同意わいせつ事件は,民法上の「不法行為」に該当します。そのため,被害者は,加害者に対して不法行為に基づく損害賠償(金銭の支払)を請求することができる,という法律関係に立ちます。
この法律関係は,加害者が刑事処罰を受けてもなくなることがありません。加害者の立場では,刑罰を受けた後,さらに被害者から損害賠償を請求される可能性があるということになります。
そのため,加害者の立場としては,被害者との間で生じている法律関係を解決することも,非常に重要な問題です。

この点,被害者との間で示談が成立した場合,被害者と加害者の間には示談の内容以外に法律関係がない(法律関係が解決した)という約束をすることになります。そのため,示談が成立すれば,その後に加えて被害者から金銭賠償を請求されることはなくなり,法律関係の面でも安心することができます。
なお,当事者間の法律関係が解決したことを約束する示談の条項を,「清算条項」と言います。示談に際して清算条項を盛り込んで解決することで,当事者間の法律関係は示談をもって終了することになります。

ポイント 示談のメリット
不起訴になり前科が回避できる
逮捕勾留から速やかに釈放される
刑罰が軽減する
被害者との法律関係が解決する

不同意わいせつ事件における示談交渉の流れ

不同意わいせつ事件における示談は、以下のような流れで行います。

  • 弁護士が被害者の連絡先を捜査機関から入手する
  • 弁護士と被害者で示談交渉を成立させる
  • 示談書の作成を行う
  • 示談金の支払いをする

詳しく解説します。

弁護士が被害者の連絡先を捜査機関から入手する

不同意わいせつ事件において示談交渉を進めるためには、まず被害者の連絡先を入手する必要があります。

加害者が相手の連絡先を知ってるケースはほとんどないため、まずは弁護士に相談することが先決です。

弁護士が示談交渉を行うためには、まず加害者側の代理人として活動することを正式に依頼します。

そのうえで、捜査機関に対し、弁護人として被害者との示談交渉を希望していることを伝えます。

捜査の進行状況によっては、警察や検察が被害者の意向を確認し、弁護士による示談交渉を受け入れるかどうかを判断することになるでしょう。

仮に被害者が示談交渉に応じる意思を示した場合、捜査機関から弁護士に対して被害者の連絡先が提供されます。

弁護士と被害者で示談交渉を成立させる

弁護士が相手の連絡先を入手できたら、被害者と示談の交渉を行います。

交渉に入る際には、被害者の感情や精神的負担を最大限に配慮しながら、誠実な姿勢を示します。

加害者が反省していることを伝えるとともに、被害者の心情を尊重した対応を取り、被害者が示談に前向きな姿勢を示した場合、具体的な条件を話し合う段階に進む流れです。

示談金の金額や支払い方法に加え、謝罪文の提出、今後の接触禁止の約束など、被害者の求める条件を慎重に確認しながら合意点を探ってくれます。

示談書の作成を行う

示談が前向きに進んだら、示談書の作成をします。

示談書は、加害者と被害者の双方が合意した条件を正式に文書化し、今後のトラブルを防ぐための証拠として機能するものです。

事件の概要を記載し、示談が成立したことを明確に示すところから、示談金の額や支払い方法、期限についてなども記載します。

また、今後のトラブル防止のために、双方が一切の請求を行わないことや、本件に関して第三者に情報を漏らさない旨の秘密保持条項を記載することも重要です。

示談金の支払いをする

最後に、示談金の支払いを済ませます。

示談金の支払いにあたっては、まず示談書に記載された金額や支払い期限、支払い方法を厳密に守らなければなりません。

加害者の経済状況によっては分割払いが認められる場合もありますが、被害者の理解を得ることが必要です。

不同意わいせつ事件の示談内容・条項

不同意わいせつ事件における示談の条項としては,以下のようなものを設けることが考えられます。

①確実に盛り込む内容

【確認条項】

加害者が被害者へいくらの支払を行う必要(義務)があるかを,当事者間で確認する条項です。
当事者間で合意した示談金の金額を,支払う義務のある金額と定めることになります。

【給付条項】

確認された支払の義務をどのように果たす(給付する)のか,という点を定める条項です。
金銭の支払を内容とするのが通常ですが,支払方法が手渡しか振り込みか,手渡しであればいつどこで行うか,振り込みの場合はどの口座か,振込手数料は誰が負担するか(通常は加害者が負担),支払の期限はいつまでか,といった点を定めます。

【清算条項】

示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。この条項を設けることで,加害者と被害者との法律関係は示談金の支払をもって終了することになります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)とは「許し」を意味します。宥恕条項は,被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。
加害者が示談金の支払を負担して示談を目指すのは,基本的にこの宥恕条項を獲得するためです。宥恕条項があることによって,捜査機関は被害者に処罰感情がないことを把握でき,不起訴処分の根拠とすることが可能になります。

②当事者の希望で盛り込む条項

【接触禁止】

示談成立後,当事者間で接触を試みないという約束を行うものです。事件の性質上,加害者による被害者への接触を禁止する条項を設けることが通常です。対面はもちろん,電話,メールなど,いかなる方法でも相手への接触を試みない,という合意をすることになります。

【出入禁止】

被害者と接触する可能性がある場所への出入りを禁止するというものです。出入り禁止の具体例には,以下のようなものが挙げられます。

出入禁止の具体例

1.事件現場が被害者の帰宅途中である場合
→現場近辺の一定区域の立入禁止

2.事件現場が駅構内
→当該駅や周辺への出入禁止

3.事件現場が公共施設内
→当該施設への出入禁止

4.加害者が被害者の住居地を知っている場合
→住居地を含む一定範囲の出入禁止

【違約金】

加害者が示談で定めた約束に違反した場合,約束違反のペナルティとして被害者に金銭(違約金)を支払うという条項です。
主に,行動制約を取り決めた場合に,これを遵守してくれるか被害者が不安である,というケースで設けることが考えられます。
違約金の金額は,特段のルールはありませんが,示談金額をベースに定めることが多く見られます。

この違約金条項は,実際に違約があり金銭を支払う,という形で活用されることはほとんどありません。現実的には,「違約金の約束をできるほど示談条件を守る気持ちが強い」という意思を表明する手段として用いられるものです。

不同意わいせつ事件の示談で注意すべきこと

不同意わいせつ事件の示談では,以下のような点に注意すべき場合が考えられます。

①被害者の感情面

不同意わいせつ罪に該当する重大な事件の場合,被害者側の感情もそれだけ強いことが一般的です。「認めている」「反省している」といっても,それほど安易に許すことは難しい場合も少なくありません。

不同意わいせつ事件の示談に際しては,被害者に大きな精神的ダメージがあることを念頭に,被害者の感情が強い状態でも致し方ないと踏まえた上で試みるのが適切でしょう。金額などの条件提示や,被害者側から要望があった場合の対応は,できるだけ被害者側の感情を汲んで行うのが望ましいところです。

どれくらい傷ついたか、どんな感情を抱いているのかなどを被害者からぶつけられるケースは珍しくありません。その感情が満たされなければ示談成立は困難となるため、被害者側の感情が根深い可能性があることを踏まえておく必要があります。

②認識のズレ

不同意わいせつ事件は,当事者間で事件内容の認識にズレのある場合が少なくありません。「触った」のか「鷲掴みにした」のか,といった行為の強さに関する点,「いきなり襲った」のか「了承を得たつもりであった」のかという経緯の点など,当事者間で認識にズレがあることは多く見られる類型と言えます。
裏を返せば,そのようなズレがあるからこそ,不同意わいせつ罪の問題になっている,ということも言えるでしょう。

不同意わいせつ事件の示談では,自分の記憶と整合しない言い分が被害者側から出てくる可能性を想定しておくのが適切です。その上で,認識にズレがあった場合,どのようにそのズレを埋めて示談の成立につなげるのか,という検討が重要になるでしょう。
具体的なズレの埋め方や示談の方法に関しては,弁護士とのご相談をお勧めします。

自分が記憶している出来事と相手から見た出来事は一致しない可能性があります。被害者側の認識に近づけた示談交渉が必要となります。

③起訴前後の違い・時間制限

不同意わいせつ事件は,起訴前に示談ができれば不起訴が見込まれやすい一方,起訴されてしまった後に示談が成立しても遡って不起訴になる可能性はありません。もちろん,起訴後の示談には刑罰を軽減させる大きな効果がありますが,不起訴ほどの効果とは言えないところです。
そして,起訴前の捜査には時間制限のあることも多く,特に逮捕勾留される身柄事件では,厳格な期間制限が法律で定められています。

そのため,起訴前の示談が時間制限のためできなかった場合,起訴後の示談を起訴前と同じ意味合いのものと考えることは不適切でしょう。示談で加害者側の得られるメリットに限りがある以上,どうしても起訴後の示談の方が示せる条件に限りが生じやすいところです。
逆に,起訴前の示談交渉に関しては,「起訴前に限ってこの条件がお約束できる」という交渉の仕方をすることも少なくありません。そのような示談戦略を有効に活用するためにも,起訴前後における示談の効果の違いは踏まえておくとよいでしょう。

ポイント
被害者の感情が強い可能性を事前に想定する
当事者間で出来事の認識にズレがある可能性を想定する
起訴前後では示談の持つ効果に違いがあることを踏まえておく

基本的には、起訴前に示談を行わなければなりません。起訴された後の示談だと刑罰がついてしまうため、示談する目的が達成されないでしょう。

不同意わいせつ事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で不同意わいせつ事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

一般的な在宅事件では,34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

不同意わいせつ事件の場合,50~100万円の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(在宅事件にて50万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:50万円

計:139万円

⑤柔軟な料金設定が可能な場合

弁護士費用は,弁護活動の範囲を限定することで費用額を安く抑えることも可能な場合があります。

不同意わいせつ事件の場合,捜査を受けておらず,当事者間でのトラブル解決を目指す段階であれば,弁護活動を示談交渉のみに限定する形で,柔軟な料金設定のご案内が可能な場合が考えられます。

可能な費用負担に限界がある場合も,一度お問い合わせいただくことをお勧めいたします。弁護士から詳細なご案内を申し上げることが可能です。

不同意わいせつ事件の示談は刑事事件に強い弁護士へご相談を

不同意わいせつ事件を起こしてしまった場合、刑事処分のリスクを軽減させるために示談が必要です。

示談金の相場は、50〜100万円が一般的となりますが、あくまで相場ですので、事件の内容によって費用は変動します。

まずは弁護士に相談し、スムーズな示談をしてもらえるようにしましょう。

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内できます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

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【盗撮事件の示談を知りたい人のために】示談金相場や示談のメリット,余罪に関する示談などを弁護士がすべて解説

このページでは,盗撮事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

盗撮事件で示談は必要か
盗撮事件における示談のメリット
盗撮事件で示談をする方法
盗撮事件の示談金相場
盗撮事件の示談内容・条項
余罪の示談について
盗撮事件の示談に必要な費用

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盗撮事件で示談は必要か

盗撮事件は,基本的に示談が必要であると理解するのが適切です。
一般的な盗撮事件の場合,示談ができているかどうかによって処分が決まると言っても決して過言ではありません。

犯罪事実に争いのない盗撮事件では,特段の事情がなければ起訴されるのが通常です。起訴された場合,無罪でない限り刑罰を受けることになるため,刑罰を受けて前科が付くことになります。
一方,同じ事件で示談が成立した場合,特段の事情がなければ起訴されない方が通常の処理になりやすいです。被害者が起訴を希望していない場合,被害者の意向を押し切って起訴されることはあまりない事件が多い類型と言えるでしょう。

もちろん,示談をしても起訴を防げない事件はありますが,その場合でも示談をしていることによって処罰は一段軽くなるという理解をするのが一般的です。示談がなければ実刑判決の対象となる事件でも,示談があることによって実刑判決にならず済むことは決して珍しくありません。

盗撮事件の対応は,まず示談から検討することを強くお勧めします。

ポイント
盗撮事件は基本的に示談が必要
示談が成立していれば不起訴が見込まれやすい

盗撮事件における示談のメリット

盗撮事件は示談のメリットが非常に大きい事件類型です。具体的なメリットとしては,以下のような点が挙げられます。

①前科を防げる

刑事事件では,警察から事件の送致を受けた検察官が,被疑者を起訴するかどうか決めます。そして,検察官に起訴されると,刑罰を受けて前科が残ることになります。
この点,検察官が起訴するか不起訴どうかは,様々な事情を総合的に考慮の上で判断されますが,被害者がいる事件の場合,被害者の意向を反映させることが非常に多く見られます。

盗撮事件は被害者のいる事件類型のため,被害者が起訴を望むか不起訴を望むかという点が,検察官の判断を左右しやすい傾向にあります。そのため,不起訴を目指す場合の最も効果的な手段は,被害者に不起訴を希望してもらうことになるのです。

示談を行うことによって,被害者に不起訴を希望する意思を表明してもらうことができ,検察官の不起訴処分を獲得できる可能性が飛躍的に高くなります。不起訴処分となれば前科はつかないため,前科を防ぐための最も有力な手段は示談ということになるでしょう。

②早期釈放につながる

盗撮事件で逮捕・勾留されている場合,被害者との示談が成立すれば,その身柄拘束は早期に解かれる可能性が非常に高くなります。

そもそも,盗撮事件で逮捕・勾留といった身柄拘束をするのは,事件の捜査や処分(起訴・不起訴の判断)のために逮捕・勾留が必要であるからです。裏を返せば,捜査や処分を検討する必要がなくなれば,逮捕・勾留をしておく必要もなくなるため,早期に釈放されるということになります。

示談が成立した場合,被害者はそれ以上の捜査や加害者(被疑者)の刑事処罰を希望しなくなるため,捜査機関が捜査を続けたり刑事処罰を検討したりする必要は基本的になくなります。捜査機関の捜査は,被害者の協力がなければ困難なことも多いため,被害者が捜査を希望しないのに無理矢理捜査を続けることは難しい,という面もあります。

そうすると,示談が成立し,被害者が捜査や処罰を希望しないという希望を示せば,逮捕・勾留しておく必要もなくなります。その結果,不要な逮捕・勾留は終了し,早期釈放してもらうことが可能になりやすいでしょう。

③刑罰が軽減する

示談は,盗撮事件で起訴されることが防げない場合,刑罰を受けてしまう場合にも重要な効果を発揮します。

刑罰の重さを最終的に判断するのは裁判所ですが,裁判所が刑罰を判断する際に極めて重要視する事情に,被害者の処罰感情や被害者に対する被害の補填が挙げられます。

処罰感情とは,処罰を希望するかどうかという気持ちを言います。被害者の処罰感情が強いほど,刑罰は重くなる傾向にあります。
また,被害者に対する被害の補填は,被害者に生じた損害がどれだけ回復されているか,という意味で重要な判断要素になります。被害の補填は主に金銭で行われることが一般的ですが,事後的に被害が回復されていれば,その結果重い刑罰を科す必要はなくなる,という理解になるのが通常です。

被害者との間で示談が成立すれば,被害者に処罰感情がないことや,被害の補填がなされたことが明らかになります。そのため,示談は刑罰の軽減に直結する効果を持つということができます。

示談がなければ実刑判決が見込まれるケースでも,示談によって実刑判決を回避できる場合は珍しくありません。示談は,被害者がいる事件で刑罰を軽減するための最も有益な試みと理解してよいでしょう。

④被害者との法律関係が解決する

盗撮事件が起きた場合,被害者と加害者の間には,「被害者が加害者に損害賠償を請求できる」という法律関係が発生します。盗撮行為は,被害者に対する「不法行為」に該当するため,盗撮行為(=不法行為)の被害者は,加害者に対して金銭賠償を請求できる,という関係に立つのです。
しかも,この法律関係は,加害者が刑事処罰を受けたとしてもなくなったり負担が軽くなったりするものではありません。当事者間の法律関係と刑事処罰とは無関係であるためです。

この点,被害者との間で示談が成立した場合,被害者と加害者の間には示談の内容以外に法律関係がない(法律関係が解決した)という約束をすることになります。そのため,示談が成立すれば,その後に加えて被害者から金銭賠償を請求されることはなくなり,法律関係の面でも安心することができます。
なお,当事者間の法律関係が解決したことを約束する示談の条項を,「清算条項」と言います。示談に際して清算条項を盛り込んで解決することで,当事者間の法律関係は示談をもって終了することになります。

ポイント 示談のメリット
前科の回避につながる
身柄拘束からの釈放につながる
刑罰の軽減につながる
当事者間の法律関係が清算できる

盗撮事件で示談をする方法

盗撮事件で捜査を受けている場合,示談をするためには捜査機関(警察や検察)にその旨を申し入れ,捜査機関から被害者に連絡を取ってもらうことが必要です。
もっとも,捜査機関は加害者本人と被害者を引き合わせることをしません。当事者同士で連絡を取らせるのは,被害者にとって不適切である上,二次被害の原因になる可能性がある,と考えるためです。
そのため,盗撮事件で示談を試みるためには,弁護士に依頼の上,弁護士を通じて動くことが必要となります。

具体的な流れは,以下の通りです。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

被疑者の方ご本人は,弁護士にご依頼の後,この流れが進むのをお待ちいただくことになります。
弁護士から各所へ連絡を取った際,捜査機関や被害者から連絡を受け取った際など,流れが進むに応じて適宜報告を受けながら,示談の進捗を把握することが可能です。

ポイント
示談の申し入れは,弁護士から捜査機関へ行う
被疑者は,弁護士に依頼の後,弁護士を通じて状況を把握する

盗撮事件の示談金相場

刑事事件で示談を行う場合,加害者(被疑者)から被害者へ示談金の支払を行うのが通常です。具体的な示談金の金額は当事者間の協議で定められることになりますが,事件類型ごとに大まかな目安はあります。

この点,盗撮事件の場合,概ね30万円ほどとされる例が多く見られる傾向にあります。
ただ,被害者側の意向によってはより大きな金額となることも多数あります。特に,2023年に「性的姿態撮影等処罰法」が施行され,盗撮事件がいわゆる「撮影罪」として厳罰化されたことは広く知られています。そのため,盗撮事件の厳罰傾向を踏まえた示談金額の検討を求められることも一定数あるところです。

被害者との交渉も踏まえた示談金額の目安としては,30~50万円ほどを想定するのが有力でしょう。
具体的な示談金額はこの目安を上回るケースもありますが,金額が変動する要因としては以下のような事項が挙げられます。

盗撮事件における示談金額の変動要因

1.盗撮の場所・方法
→自宅の浴室など,通常衣服をつけないプライベートな場所での撮影は,被害者の精神的苦痛が大きく示談金額の増額要因になります。

2.盗撮の期間・回数
→長期間,複数回の盗撮行為がある場合,示談金額の増額要因になります。

3.被害者の心身への支障
→精神疾患などの原因になっている場合,示談金の増額要因になります。

4.加害者の経済力
→経済力に限界のある場合,示談金の減額要因になります。

盗撮事件の示談内容・条項

【確認条項】

加害者が被害者へいくらの支払を行う必要(義務)があるかを,当事者間で確認する条項です。
当事者間で合意した示談金の金額を,支払う義務のある金額と定めることになります。

【給付条項】

確認された支払の義務をどのように果たす(給付する)のか,という点を定める条項です。
金銭の支払を内容とするのが通常ですが,支払方法が手渡しか振り込みか,手渡しであればいつどこで行うか,振り込みの場合はどの口座か,振込手数料は誰が負担するか(通常は加害者が負担),支払の期限はいつまでか,といった点を定めます。

【清算条項】

示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。この条項を設けることで,加害者と被害者との法律関係は示談金の支払をもって終了することになります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)とは「許し」を意味します。宥恕条項は,被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。
加害者が示談金の支払を負担して示談を目指すのは,基本的にこの宥恕条項を獲得するためです。宥恕条項があることによって,捜査機関は被害者に処罰感情がないことを把握でき,不起訴処分の根拠とすることが可能になります。

【行動の制約】

示談成立後に一定の行動をしないこと(又はすること)を約束するものです。多くの場合,被害者と加害者が接触しないことを確かにするため,両者を物理的に引き離す目的で盛り込むことが考えられます。

盗撮事件で設けられやすい行動制約の内容としては,以下のものが挙げられます。

盗撮事件における行動制約の例

1.盗撮画像,映像を削除する
2.盗撮に用いた機器を処分する
3.事件が起きた電車の利用をしない・制限する
4.事件が起きた駅の利用をしない・制限する
5.事件発生場所の近辺に立ち入らない
6.勤務先を退職する(職場内での事件など)

なお,示談の内容は「今後一切接触しない」ことを前提にすることが通常であるため,一切接触しないとの約束を補強する意味合いの条項と理解されます。

【違約金】

加害者が示談で定めた約束に違反した場合,約束違反のペナルティとして被害者に金銭(違約金)を支払うという条項です。
主に,行動制約を取り決めた場合に,これを遵守してくれるか被害者が不安である,というケースで設けることが考えられます。
違約金の金額は,特段のルールはありませんが,示談金額をベースに定めることが多く見られます。

この違約金条項は,実際に違約があり金銭を支払う,という形で活用されることはほとんどありません。現実的には,「違約金の約束をできるほど示談条件を守る気持ちが強い」という意思を表明する手段として用いられるものです。

【口外禁止】

事件の内容や示談の内容を,第三者に口外しないと約束する条項です。両当事者のプライバシーを守るために設けることが考えられます。
盗撮事件の場合,口外されてよいと考える加害者はほとんどいないため,弁護士からはほぼすべてのケースで被害者へ口外禁止条項の設定を依頼することになるでしょう。

その他,被害者が複数いて被害者間に交友関係がある場合,示談の内容が共有されてしまうと,他の被害者との示談に悪影響が生じかねないため,被害者間の情報共有を防ぐ目的で設けられることもあります。

余罪の示談について

盗撮事件の場合,現実に発覚し捜査されている事件以外にも,余罪が複数存在することが考えられます。そのため,余罪も含めて示談する必要があるのかは重要な問題になります。

この点,余罪をすべて示談することは決して必要ではありません。余罪が存在したとしても,そのすべてが捜査・処分の対象になるわけではないからです。

余罪がある場合の取り扱いは,基本的に以下のいずれかとなります。

余罪の取り扱い

1.余罪を別途捜査・処分の対象とする
2.余罪があることを踏まえて本罪の処分を判断する(余罪は情状のみの問題になる)

このうち,「1.余罪を別途捜査・処分の対象とする」ケースだと,余罪についても示談が必要となります。余罪の示談をしなければ余罪が起訴される可能性が高いためです。
しかし,「2.余罪があることを踏まえて本罪の処分を判断する(余罪は情状のみの問題になる)」ケースでは,不起訴のために余罪の示談が必要とはされません。余罪そのものを起訴したり不起訴にしたりするわけではないからですね。

この取り扱いの違いは,余罪について被害者が捜査・処分を求めているかによって変わるのが通常です。具体的には,事前に余罪の被害届が出ているかどうかによって左右される傾向にあります。
もっとも,盗撮事件の余罪について,事前に被害届が出ていることはあまりありません。盗撮行為の性質上,余罪が被害者に発覚している可能性が非常に低いため,余罪の被害者は事件を知らず,被害届も出ていないことが大多数です。

余罪に関しては,別途捜査の対象とされたことが分かってから,捜査の対象となった事件について行う方針が適切でしょう。

ポイント 余罪の示談
余罪が情状の問題にとどまるのであれば示談不要
余罪自体が捜査・処分の対象となる場合は示談が必要

盗撮事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で盗撮事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します

③示談金

一般的な盗撮事件の場合,30~50万円の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(30万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:30万円

計:119万円

弁護士費用の例

⑤柔軟な料金設定が可能な場合

弁護士費用は,弁護活動の範囲を限定することで費用額を安く抑えることも可能な場合があります。
盗撮事件では,弁護活動の内容を示談に限定することで,費用額を抑える柔軟な料金設定のご案内ができる可能性もあります。

可能な費用負担に限界がある場合も,一度お問い合わせいただくことをお勧めいたします。弁護士から詳細なご案内を申し上げることが可能です。

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

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早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

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【男女トラブルの示談を知りたい人のために】示談金相場,示談が必要な男女トラブルの類型,示談を試みる方法などを解説

このページでは,男女トラブルの示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

男女トラブルにおける示談のメリット
男女トラブルで示談は必要か
男女トラブルで示談をする方法
男女トラブルの示談金相場
男女トラブルの示談内容・条項
男女トラブルの示談で注意すべきこと
男女トラブルの示談に必要な費用

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示談が問題になる男女トラブルの類型

男女間の性的な行為に関するトラブルが発生した場合,警察が介入する前に示談をするべきかどうか問題になるケースは少なくありません。このようなトラブルは,一方は相手の同意があると思っていたものの,もう一方は性的な行為に同意していなかった,という形でトラブル化することがほとんどです。

具体的に問題になるトラブルの類型には,以下のようなものが挙げられます。

男女トラブルの主な類型

1.勤務先の関係者間におけるトラブル(セクハラ)
2.飲酒後の男女間におけるトラブル
3.SNSで知り合った男女間のトラブル
4.性的行為の相手が未成年であった場合のトラブル
5.交際中の男女間における別れ話のもつれ

男女トラブルにおける示談のメリット

男女トラブルは,可能な限り警察が介入していない段階で示談をするメリットが非常に大きいと言えるでしょう。具体的なメリットは以下の通りです。

①刑事事件化が防げる

刑事事件で捜査が行われるのは,被害者が捜査機関に捜査を求め,捜査機関がこれに応じた場合,というのがほとんどです。裏を返せば,被害者が捜査機関に捜査を求めなければ,捜査の始まるきっかけ自体が存在しないことになります。
刑事事件として取り扱われなければ,被疑者として捜査を受けることはなく,刑罰を受けることももちろんありません。警察が介入していない段階で示談できれば,捜査が開始しないため,トラブルはその場ですべて解決するということになります。

男女トラブルが警察沙汰になっていない段階では,示談によってその後の対応を一切要することなく解決するため,示談のメリットが極めて大きいと言えるでしょう。

②身柄拘束を防げる

男女トラブルの事件は,内容によって逮捕や勾留といった身柄拘束につながる場合も考えられます。それは,トラブルになる男女間では互いの個人情報を把握していることが多く,トラブルになった男女を放置していると一方が相手に接触しようとする可能性がある,と懸念されるためです。
一方が被害者として声を上げている以上,捜査機関としては被害者とされる人の保護を考えざるを得ません。そして,被害者保護の最も端的な手段が加害者とされる人物の身柄を拘束することになりやすいのです。

この点,男女トラブルで示談が成立した場合,被害者とされる方を保護するためにもう一方の身柄を拘束する必要はなくなります。当事者間での接触は,自分に不利益のないように解決する目的で行われるのが通常ですが,示談によって当事者間で解決している以上,解決目的で相手に接触する必要がなくなっているためです。

トラブルの内容が悪質と評価される可能性のある場合は,それだけ身柄拘束の危険も大きくなるため,示談によって身柄拘束を防ぐメリットが生じやすいでしょう。

③前科を防げる

刑事事件では,警察から事件の送致を受けた検察官が,被疑者を起訴するかどうか決めます。そして,検察官に起訴されると,刑罰を受けて前科が残ることになります。
この点,検察官が起訴するか不起訴どうかは,様々な事情を総合的に考慮の上で判断されますが,被害者がいる事件の場合,被害者の意向を反映させることが非常に多く見られます。

男女トラブルは当事者の一方が被害者となる事件類型のため,被害者が起訴を望むか不起訴を望むかという点が,検察官の判断を左右しやすい傾向にあります。そのため,不起訴によって前科を防ぐ場合,最も効果的な手段は被害者に不起訴を希望してもらうことです。

示談を行うことによって,被害者に不起訴を希望する意思を表明してもらうことができ,検察官の不起訴処分を獲得できる可能性が飛躍的に高くなります。不起訴処分となれば前科はつかないため,前科を防ぐための最も有力な手段は示談ということになるでしょう。

④トラブルの負担から早期に解放される

男女トラブルは,その内容によっては職場や家族,友人など,周囲の関係に大きな悪影響を及ぼすことがあり得ます。そうすると,トラブルが続いていることの負担は,思いのほか重く,多岐に渡る恐れが否定できません。
この際,平穏な生活を取り戻すためには,当事者間でトラブルを解決するほかありませんが,早期にトラブル解決する手段は示談のみです。

当事者間で示談が成立すれば,速やかにトラブルが解決でき,トラブルに伴う周囲への悪影響を気にする必要がなくなるでしょう。

ポイント 示談のメリット
刑事事件化が防げる
前科が防げる
身柄拘束が防げる
周囲への悪影響が防げる

男女トラブルで示談は必要か

男女トラブルに見舞われた場合,示談が必要かどうかは,指摘されている行為に心当たりがあるかどうかによるでしょう。

トラブルの内容に心当たりがない場合,基本的に示談の必要はありません。当事者間で解決を急ぐのではなく,相手による事実無根の主張を徹底的に争うことが適切です。示談の試みは,相手に対する一定の謝罪を前提にした動きとなりやすいため,謝罪するような関係にないのであれば,示談を行うべきではないということになります。

一方,トラブルの内容に心当たりがある場合は,示談による解決が極めて重要であり,解決には示談が必要と考えるのが適切です。示談できれば即時に事件解決となる一方,示談ができなければ多くの不利益が生じうるため,示談ができるかによってその後の生活が決定的に左右されると言っても過言ではありません。

なお,トラブルが起きたことには争いがないものの,当事者間の言い分に食い違いがある,という場合も,示談が必要になりやすいでしょう。
男女トラブルでは,何らかの言い分の食い違いが生じている場合が大半です。そして,この言い分の食い違いは,最終的にはどちらの言い分がより信用できるか,という基準で判断されることが一般的な処理となります。
そうすると,言い分の食い違いがある場合に示談で解決できないと,自分の言い分を信用してもらうために数々の負担を負わなければなりません。しかも,その負担は言い分が信用できないと判断されるリスクを背負いながらのものであり,負担に伴う精神的苦痛も軽視できません。

言い分の食い違いを深刻な争いにしたくない場合にも,示談は非常に重要な役割を持つことになるでしょう。

ポイント
心当たりがなければ示談は不要
心当たりがある事件では示談すべき
言い分に食い違いがある場合も示談が適切

男女トラブルで示談をする方法

警察が介入していない男女トラブルで示談をする場合,相手方への連絡方法は自分で確保する必要があります。

既に警察が介入しており,刑事事件として捜査されている事件であれば,弁護士が捜査機関に依頼し,捜査機関から被害者に連絡を入れてもらうことが通常です。しかし,刑事事件化を防いで解決する場合にはこの方法を取ることができません。
そのため,弁護士に依頼の上,弁護士から直接相手に連絡を取ってもらうことが適切な方法となります。

相手との連絡方法を確保する手段としては,以下のようなものが挙げられます。

示談の際の連絡方法

1.相手の電話番号,メールアドレス,SNSアカウントに連絡する
2.共通の知人・相手の家族・職場関係者などを通じて連絡する
3.相手の住所に書面を送る

具体的なケースで適切な連絡方法は個別の状況によりますが,何らかの連絡方法が確保できた状態であることが必要です。
そのため,相手との連絡手段がなくなってしまう前に,できるだけ早く弁護士に依頼することが適切でしょう。

なお,相手への連絡方法が全くない,という場合には自ら捜査機関に介入してもらうという選択も一案です。警察に出頭の上でいわゆる「自首」を行い,警察に事件の捜査と被害者への連絡を依頼する,ということですね。
ただし,自首を行うことは,相手が希望していない場合に不利益が大きく,「余計なこと」になってしまう恐れも少なくありません。具体的な方針については,必ず弁護士に相談するようにしましょう。

男女トラブルの示談金相場

男女トラブルの示談金は,その具体的な内容によって大きく異なりやすいところです。事件類型ごとの金額の目安としては,以下のような整理ができるでしょう。

男女トラブルにおける示談金の目安

1.相手の承諾なく身体に触った
30~50万円程度

2.無理に性行為を迫ったが,性行為には至らなかった
100万円前後

3.無理に性行為を迫り,挿入行為に至った
200~300万円程度

男女トラブルの示談内容

男女トラブルで示談を行う場合の基本的な合意内容としては,以下のようなものが挙げられます。

【確認条項】

加害者が被害者へいくらの支払を行う必要(義務)があるかを,当事者間で確認する条項です。
当事者間で合意した示談金の金額を,支払う義務のある金額と定めることになります。

【給付条項】

確認された支払の義務をどのように果たす(給付する)のか,という点を定める条項です。
金銭の支払を内容とするのが通常ですが,支払方法が手渡しか振り込みか,手渡しであればいつどこで行うか,振り込みの場合はどの口座か,振込手数料は誰が負担するか(通常は加害者が負担),支払の期限はいつまでか,といった点を定めます。

【清算条項】

示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。この条項を設けることで,加害者と被害者との法律関係は示談金の支払をもって終了することになります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)とは「許し」を意味します。宥恕条項は,被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。
加害者が示談金の支払を負担して示談を目指すのは,基本的にこの宥恕条項を獲得するためです。警察未介入の男女トラブルでは,宥恕を獲得することで被害者による刑事事件化を防ぐことになるため,宥恕が得られるかどうかは極めて重要となります。

【接触禁止】

男女トラブルでは,示談後に互いが接触しないことを約束する内容を設けることが通常です。対面はもちろん,電話,メールなど,いかなる方法でも相手への接触を試みない,という合意をすることになります。

【一定の場所の出入禁止】

トラブルの現場が,被害者にとって日頃出入りする場所である場合,加害者がその場所に出入りしないことを約束することが多く見られます。
また,加害者が被害者の自宅を把握している場合,被害者の自宅やその近辺に立ち入らないことを約束する条項を設けることも少なくありません。

【口外禁止】

事件や示談の内容を第三者に口外しないことを定めるのが一般的です。
男女トラブルは,第三者に伝わる不利益が非常に大きい場合も多いため,互いに口外を禁止することで,示談成立後に情報が漏れることを防ぐのが重要となります。
また,警察介入前の男女トラブルである場合,特段の事情がない限り警察にも伝えないことを約束の内容に含めることが多いでしょう。

男女トラブルの示談で注意すべきこと

男女トラブルは,互いの言い分が大きく食い違っていることが非常に多く見られます。代表的な食い違いとしては,「一方は相手が性行為に了承していると思っていたが,もう一方は性行為に了承していなかった」というものが挙げられるでしょう。
そのため,男女トラブルの示談に際しては,言い分の食い違いをどのように解決するか,という点が重要な事項となりやすいです。この点,一般的には以下のような方法が考えられます。

主張の食い違いを解決して示談する方法

1.客観的な根拠を獲得し,一方の主張が誤りだと立証する
→正しい言い分の方を前提に,示談条件を検討する

2.どちらの言い分が正しいかを棚上げにしたまま解決する
→言い分が食い違うことを前提に,それでも示談できる条件を交渉する

現実的には,言い分の異なる男女トラブルで客観的な証拠を獲得することは困難なので,「2.どちらの言い分が正しいかを棚上げにしたまま解決する」を選択せざるを得ないことが大多数でしょう。

この場合,金額などの条件は被害者側の言い分を前提とした内容にすることが一般的です。
示談は,基本的に「示談したい」と希望する側が条件を譲歩し,相手に了承してもらうことを目指すものです。そして,男女トラブルの場合,示談を希望する側は加害者とされる側であるため,加害者側が条件を譲歩しなければ話はまとまりづらいことになります。
被害者の立場からすれば,示談を申し入れてきた相手が以下の二通りの条件を示してきた場合,どちらの方が了承する余地があるかは明白でしょう。

主張が食い違う場合における示談条件提示の方法

1.言い分は食い違っているが,被害者の言い分に沿った金額での解決を提案する
2.言い分が食い違っているため,被害者の言い分を無視した金額での解決を提案する

言い分の異なる男女トラブルの示談では,相手の言い分が正しいと認める必要はないが,示談条件は相手の言い分が正しい場合の内容であることが必要である,と考えるのが適切でしょう。

男女トラブルの示談に必要な費用

藤垣法律事務所で警察未介入の男女トラブルに関する示談を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

示談が成立した場合に限り,22万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

事件類型により異なりますが,相手の了承なく身体に触った場合に30~50万円程度性行為を迫り性器に触れるなどした場合に100万円前後の示談金が発生し得るところです。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(50万円で示談成立の場合)

弁護士費用:34万円+22万円=56万円
示談金:50万円

計:106万円

なお,この弁護士費用は刑事事件化しなかった場合を前提としたものです。刑事事件化し,捜査対応などを要した場合には別途弁護士費用が発生します。

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

【痴漢事件の示談を知りたい人のために】方法や示談金相場,示談のメリットなどを弁護士が徹底解説

このページでは,痴漢事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

痴漢事件における示談のメリット
痴漢事件で示談は必要か
痴漢事件で示談をする方法
痴漢事件の示談金相場
痴漢事件の示談内容・条項
痴漢事件の示談で注意すべきこと
痴漢事件の示談に必要な費用

QRコード又はアカウントリンクから
友達登録の上、ご相談ください。

<営業時間内即日対応>

営業時間外もお受付可能
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痴漢事件における示談のメリット

痴漢事件は,示談を行う利益が非常に大きい事件類型と言えます。その具体的な理由としては,以下の点が挙げられます。

①前科を防げる

刑事事件では,警察から事件の送致を受けた検察官が,被疑者を起訴するかどうか決めます。そして,検察官に起訴されると,刑罰を受けて前科が残ることになります。
この点,検察官が起訴するか不起訴どうかは,様々な事情を総合的に考慮の上で判断されますが,被害者がいる事件の場合,被害者の意向を反映させることが非常に多く見られます。

痴漢事件は被害者のいる事件類型のため,被害者が起訴を望むか不起訴を望むかという点が,検察官の判断を左右しやすい傾向にあります。そのため,不起訴を目指す場合の最も効果的な手段は,被害者に不起訴を希望してもらうことになるのです。

示談を行うことによって,被害者に不起訴を希望する意思を表明してもらうことができ,検察官の不起訴処分を獲得できる可能性が飛躍的に高くなります。不起訴処分となれば前科はつかないため,前科を防ぐための最も有力な手段は示談ということになるでしょう。

②早期釈放につながる

痴漢事件で逮捕・勾留されている場合,被害者との示談が成立すれば,その身柄拘束は早期に解かれる可能性が非常に高くなります。

そもそも,痴漢事件で逮捕・勾留といった身柄拘束をするのは,事件の捜査や処分(起訴・不起訴の判断)のために逮捕・勾留が必要であるからです。裏を返せば,捜査や処分を検討する必要がなくなれば,逮捕・勾留をしておく必要もなくなるため,早期に釈放されるということになります。

示談が成立した場合,被害者はそれ以上の捜査や加害者(被疑者)の刑事処罰を希望しなくなるため,捜査機関が捜査を続けたり刑事処罰を科すか検討したりする必要は基本的になくなります。捜査機関の捜査は,被害者の協力がなければ困難なことも多いため,被害者が捜査を希望しないのに無理矢理捜査を続けることは難しい,という面もあります。

そうすると,示談が成立し,被害者が捜査や処罰を希望しないという希望を示せば,事件の捜査や処分の検討は不要となるため,逮捕・勾留しておく必要もなくなります。その結果,不要な逮捕・勾留は終了し,早期釈放してもらうことが可能になりやすいでしょう。

③刑罰が軽減する

痴漢事件で刑罰を受けることが防げない場合でも,示談は重要な効果を発揮します。
刑罰の重さを最終的に判断するのは裁判所ですが,裁判所が刑罰を判断する際に極めて重要視する事情に,被害者の処罰感情や被害者に対する被害の補填が挙げられます。

処罰感情とは,処罰を希望するかどうかという気持ちを言います。被害者の処罰感情が強いほど,刑罰は重くなる傾向にあります。
また,被害者に対する被害の補填は,被害者に生じた損害がどれだけ回復されているか,という意味で重要な判断要素になります。被害の補填は主に金銭で行われることが一般的ですが,事後的に被害が回復されていれば,その結果重い刑罰を科す必要はなくなる,という理解になるのが通常です。

被害者との間で示談が成立すれば,被害者に処罰感情がないことや,被害の補填がなされたことが明らかになります。そのため,示談は刑罰の軽減に直結する効果を持つということができます。

示談がなければ実刑判決が見込まれるケースでも,示談によって実刑判決を回避できる場合は珍しくありません。示談は,被害者がいる事件で刑罰を軽減するための最も有益な試みと理解してよいでしょう。

④被害者との法律関係が解決する

痴漢事件が起きた場合,被害者と加害者の間には,「被害者が加害者に損害賠償を請求できる」という法律関係が発生します。痴漢行為は,被害者に対する「不法行為」に該当するため,痴漢行為(=不法行為)の被害者は,加害者に対して金銭賠償を請求できる,という関係に立つのです。
しかも,この法律関係は,加害者が刑事処罰を受けたとしてもなくなったり負担が軽くなったりするものではありません。当事者間の法律関係と刑事処罰とは無関係であるためです。

この点,被害者との間で示談が成立した場合,被害者と加害者の間には示談の内容以外に法律関係がない(法律関係が解決した)という約束をすることになります。そのため,示談が成立すれば,その後に加えて被害者から金銭賠償を請求されることはなくなり,法律関係の面でも安心することができます。
なお,当事者間の法律関係が解決したことを約束する示談の条項を,「清算条項」と言います。示談に際して清算条項を盛り込んで解決することで,当事者間の法律関係は示談をもって終了することになります。

ポイント 示談のメリット
前科の回避につながる
身柄拘束からの釈放につながる
刑罰の軽減につながる
当事者間の法律関係が清算できる

痴漢事件で示談は必要か

痴漢事件の場合,何もせずに刑罰を受け入れるのでない限り,示談は必要であると考えるのが適切です。それは,痴漢事件に対する刑事処分は,示談の有無で決定的に変わるためです。

示談が成立しなければ起訴される事件でも,示談が成立することでほぼ確実に不起訴が見込まれるという場合は珍しくありません。痴漢事件の処分は示談に左右されると言っても過言ではなく,痴漢事件で処分の軽減を試みるのであれば示談以外にないと考えてよいでしょう。
事件によっては,効果のある弁護活動の内容が示談のみであるというケースも非常に多く見られます。

ポイント
痴漢事件では示談が決定的に重要
示談が唯一の弁護活動となる場合も多い

痴漢事件で示談をする方法

痴漢事件で捜査を受けている場合,示談をするためには捜査機関(警察や検察)にその旨を申し入れ,捜査機関から被害者に連絡を取ってもらうことが必要です。
もっとも,捜査機関は加害者本人と被害者を引き合わせることをしません。当事者同士で連絡を取らせるのは,被害者にとって不適切である上,二次被害の原因になる可能性がある,と考えるためです。
そのため,痴漢事件で示談を試みるためには,弁護士に依頼の上,弁護士を通じて動くことが必要となります。

具体的な流れは,以下の通りです。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

被疑者の方ご本人は,弁護士にご依頼の後,この流れが進むのをお待ちいただくことになります。
弁護士から各所へ連絡を取った際,捜査機関や被害者から連絡を受け取った際など,流れが進むに応じて適宜報告を受けながら,示談の進捗を把握することが可能です。

ポイント
示談の申し入れは,弁護士から捜査機関へ行う
被疑者は,弁護士に依頼の後,弁護士を通じて状況を把握する

痴漢事件の示談金相場

刑事事件で示談を行う場合,加害者(被疑者)から被害者へ示談金の支払を行うのが通常です。具体的な示談金の金額は当事者間の協議で定められることになりますが,事件類型ごとに大まかな目安はあります。

この点,痴漢事件における示談金の目安は,概ね30~50万円とされる例が多く見られます。
事件によってはこの目安を下回るケース,上回るケースいずれもありますが,示談金額とされやすい水準として把握しておいて損はないでしょう。

なお,示談金額が変動する要因としては,以下のような点が挙げられます。

示談金額の変動要因

1.痴漢行為がなされた部位
→衣服の外側より内側の方が大きくなりやすい
→性的な部位に近い方が大きくなりやすい

2.痴漢行為の態様
→軽く触れるよりも強くつかむなどする方が大きくなりやすい

3.痴漢行為がなされた時間の長さ
→長時間に渡るほど大きくなりやすい

4.被害者の心身への支障
→精神疾患などの原因になっている場合,大きくなりやすい

5.従前の関係
→継続的な被害者・加害者の関係があると大きくなりやすい

6.加害者の経済力
→経済力に限界のある場合,金額は小さくなりやすい

痴漢事件の示談内容

痴漢事件で示談を行う場合,以下のような内容を盛り込むことが考えられます。

①確実に盛り込む内容

【確認条項】

加害者が被害者へいくらの支払を行う必要(義務)があるかを,当事者間で確認する条項です。
当事者間で合意した示談金の金額を,支払う義務のある金額と定めることになります。

【給付条項】

確認された支払の義務をどのように果たす(給付する)のか,という点を定める条項です。
金銭の支払を内容とするのが通常ですが,支払方法が手渡しか振り込みか,手渡しであればいつどこで行うか,振り込みの場合はどの口座か,振込手数料は誰が負担するか(通常は加害者が負担),支払の期限はいつまでか,といった点を定めます。

【清算条項】

示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。この条項を設けることで,加害者と被害者との法律関係は示談金の支払をもって終了することになります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)とは「許し」を意味します。宥恕条項は,被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。
加害者が示談金の支払を負担して示談を目指すのは,基本的にこの宥恕条項を獲得するためです。宥恕条項があることによって,捜査機関は被害者に処罰感情がないことを把握でき,不起訴処分の根拠とすることが可能になります。

②当事者の希望で盛り込む条項

【行動の制約】

示談成立後に一定の行動をしないこと(又はすること)を約束するものです。多くの場合,被害者と加害者が接触しないことを確かにするため,両者を物理的に引き離す目的で盛り込むことが考えられます。

痴漢事件で設けられやすい行動制約の内容としては,以下のものが挙げられます。

痴漢事件における行動制約の例

1.事件が起きた電車の利用をしない・制限する
2.事件が起きた駅の利用をしない・制限する
3.事件発生場所の近辺に立ち入らない
4.一定期間内に転居をする
5.勤務先を退職する(職場内での事件など)

なお,示談の内容は「今後一切接触しない」ことを前提にすることが通常であるため,一切接触しないとの約束を補強する意味合いの条項と理解されます。

【違約金】

加害者が示談で定めた約束に違反した場合,約束違反のペナルティとして被害者に金銭(違約金)を支払うという条項です。
主に,行動制約を取り決めた場合に,これを遵守してくれるか被害者が不安である,というケースで設けることが考えられます。
違約金の金額は,特段のルールはありませんが,示談金額をベースに定めることが多く見られます。

この違約金条項は,実際に違約があり金銭を支払う,という形で活用されることはほとんどありません。現実的には,「違約金の約束をできるほど示談条件を守る気持ちが強い」という意思を表明する手段として用いられるものです。

【口外禁止】

事件の内容や示談の内容を,第三者に口外しないと約束する条項です。両当事者のプライバシーを守るために設けることが考えられます。
痴漢事件の場合,口外されてよいと考える加害者はほとんどいないため,弁護士からはほぼすべてのケースで被害者へ口外禁止条項の設定を依頼することになるでしょう。

その他,被害者が複数いて被害者間に交友関係がある場合,示談の内容が共有されてしまうと,他の被害者との示談に悪影響が生じかねないため,被害者間の情報共有を防ぐ目的で設けられることもあります。

痴漢事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で痴漢事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

痴漢事件の場合,30~50万円の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(30万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:30万円

計:119万円

弁護士費用の例

⑤柔軟な料金設定が可能な場合

弁護士費用は,弁護活動の範囲を限定することで費用額を安く抑えることも可能な場合があります。
痴漢事件は,弁護活動の範囲を限定しやすい類型に当たるため,個別のケースによっては弁護士からより柔軟な料金設定のご案内ができることも考えられるでしょう。一例として,弁護活動を示談のみに限定することで,不起訴報酬を発生させない形での弁護活動は有力な場合もあります。

可能な費用負担に限界がある場合も,一度お問い合わせいただくことをお勧めいたします。弁護士から詳細なご案内を申し上げることが可能です。

弁護士費用の例

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刑事事件の示談を弁護士なしで行うことは可能か?メリットやリスクを詳細解説

刑事事件を起こしてしまった場合、被害者との示談が成立するかどうかは処分の結果を大きく左右します。「弁護士なしでも自分で示談できるのでは?」と考える方もいますが、刑事事件の示談交渉には慎重な対応が求められます。方法を誤ると、かえって被害者の心証を悪化させたり、示談が無効とされるおそれもあります。本記事では、弁護士なしで刑事事件の示談を行うことが可能か、そのメリットとリスク、さらに安全に示談を進めるためのポイントを詳しく解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

弁護士なしでも刑事事件の示談交渉は可能

示談とは,当事者間の話し合いによって合意(=契約)し,トラブルを解決することを言います。
刑事事件の場合,被害者と加害者がお互いの法律関係をどのように決着つけるか,合意することを指すのが通常です。
この刑事事件における示談では,加害者が被害者に金銭(示談金)の賠償を行うことが大多数です。

示談が成立している場合,刑事処分が劇的に軽減し,不起訴となることも数多くあります。前科を避けたい,刑罰を軽くしたい,という場合は,示談の試みが極めて重要になります

この点、弁護士なしでも刑事事件の示談交渉は可能です。もっとも、その限界や注意点には十分な配慮することを強くお勧めします。

① 弁護士なしであっても法的な効果はある

刑事事件の示談は、弁護士が行わなければ法的な効果が生じないというわけではありません。示談の法的な意味は、民法上の和解契約と位置付けられることが一般的ですが、和解契約をするために弁護士が必要とはされていないためです。

刑事事件における示談は、和解契約の内容として「加害者を許す」という内容(宥恕=ゆうじょ)を盛り込んだものであることが通常です。そのため、宥恕を含む和解契約ができれば、弁護士がいてもいなくても法律的な効力に不足はありません。

示談書の存在も、示談の成立に必要な要件ではありません。そのため、弁護士なしで口約束をするだけでも示談は成立し、法的効果も生じます。もっとも、紛争の蒸し返しを防ぐ手段として、そして捜査機関に示談の事実を示す手段として、示談書を作成することが通常です。

② 限界が生じやすい点には注意が必要

弁護士なしでも示談交渉は法的に可能ですが、実際には多くの限界が生じます。

最も大きな問題は、被害者側が加害者本人との直接的な接触を拒否するケースが非常に多いことです。
感情的なトラブルを伴う暴行・傷害事件や、当事者間の接触が類型的に不適切な性犯罪などでは、特に直接の接触は拒否されることがほとんどでしょう。捜査機関も、当事者同士の示談交渉を促したり当事者間の連絡先交換を仲介したりすることは考え難いところです。

また、加害者が逮捕・勾留という手続で身柄拘束されてしまうと、加害者本人が被害者に直接連絡する手段はなくなってしまい、弁護士なしの示談交渉は非常に難しくなります。

加えて、弁護士のない示談では、内容面にも限界の生じやすい傾向があります。法的知識の不足により適切な示談条件を判断できず、相場よりも高額な示談金を要求されたり、不利な条件を受け入れてしまうリスクも存在します。
示談書の作成においても、記載内容や方法など、適切な文書を作成するためには法的知識が必要となるため、弁護士なしでは難しいケースが多いでしょう。

弁護士なしでの示談交渉は、これらの限界を十分に理解した上で慎重に検討する必要があります。

【弁護士なしの示談交渉における限界】

・被害者側に拒否されやすい
・身柄拘束されると交渉手段がない
・不利益な内容になる可能性
・示談書の作成が難しい可能性

弁護士なしで刑事事件の示談を行う方法

① 被害者への連絡

刑事事件で示談を進める際、まず被害者との連絡を取ることが最初のステップとなります。

被害者への連絡方法は主に以下の手段があります。

・電話による直接連絡
・書面による謝罪と示談の申し入れ
・共通の知人を介した間接的な連絡
・被害者の代理人弁護士を通じた連絡

連絡を取る際は、まず心からの謝罪の気持ちを伝えることが重要です。
その上で示談について話し合いたい旨を丁寧に伝えましょう。
ただし、被害者が連絡を拒否した場合は、無理に連絡を続けることは控える方が賢明です。

直接の連絡は、被害者が了承していることが明確である場合にのみ行うのが望ましいでしょう。被害者が直接の連絡に否定的な心理状態の場合、連絡を試みることが示談に悪影響を及ぼす恐れもあります。

② 示談条件の交渉

示談条件の交渉は、刑事事件の解決において最も重要な段階の一つです。
交渉で話し合うべき主な条件は以下の通りです。

・示談金の金額
・支払い方法(一括払いか分割払いか)
・支払い期限
・謝罪の方法
・今後の接触に関する取り決め
・宥恕条項(処罰を求めない旨の条項)の有無

交渉では感情的にならず、冷静に話し合うことが重要です。
被害者が求める条件を丁寧に聞き取ることから始め、自分が了承できる水準や内容と整合するか、すり合わせていく交渉が円滑になりやすいでしょう。

相手の要求が過度に高額な場合は、客観的な損害額を基準に適正な金額を提案する必要があります。
ただし、法的知識がないと適切な判断が困難な場合も多いため注意が必要です。

③ 示談書の作成、締結

示談を行うにあたっては、示談書の作成と締結により証明手段を確保しておくことが非常に重要となります。
示談書の記載内容に不備があると、後々トラブルの原因となる可能性があるため、記載内容、方法には注意が必要です。

特に注意すべき点は以下の通りです。

・示談金以外の請求を放棄する条項(清算条項)
・示談内容を第三者に口外しない守秘義務条項
・示談書に記載のない事項について今後一切請求しない条項

示談書の署名押印は、双方が内容を十分理解した上で行うことが大切です。
適切な示談書の作成は、将来的な紛争を防ぐ重要な役割を果たします。

示談の基本的な目的は、清算条項を設けて当事者間の法律関係を終了させる点にあります。刑事事件では、これに加えて刑罰を望まないという許し(宥恕)を含めることが一般的です。

④ 示談金の支払い

示談金の支払が生じる場合、支払い方法や時期について、事前にしっかりと取り決めておく必要があります。

一般的な支払い方法として、以下のような選択肢があります。

・一括払い
 示談成立と同時に全額を支払う方法で、最も確実性が高い
・分割払い
 経済的な事情により一括での支払いが困難な場合に選択される
・振込み
 銀行振込による支払いで、記録が残るため証拠として有効
・現金手渡し
 直接現金で支払う方法だが、受領証の作成が重要

特に分割払いの場合は、各回の支払い金額、支払い日、振込先などを詳細に記載することが適切です。
また、支払い完了後は受領証を受け取り、示談の履行が完了したことを証明できるようにすることも有益でしょう。

示談金を振込みで支払う場合、示談書の締結より支払う方が後になるため、受領する被害者にとっては不安が残りやすいものです。そのため、支払期限を明確にしたり、支払がなされなかった場合の効果を定めたりするなど、被害者側に配慮することも有力でしょう。

⑤ 捜査機関等への連絡

示談が成立した場合、その事実を適切な機関に報告することが重要です。
まず警察や検察庁など、事件を担当している捜査機関への連絡を行いましょう。
示談成立の報告は、不起訴処分や刑事手続きの軽減に直結する重要な手続きです。
捜査機関は示談の成立を知ることで、事件の処理方針を検討する材料として活用します。

報告する際は以下の書類や情報を準備しましょう。

・示談書の写し
・示談金の支払いを証明する書類(振込明細書など)
・捜査機関が連絡するための被害者側の連絡先情報

示談成立後は、極力速やかに、まずは電話連絡で報告を行うことをお勧めします。その際に、共有が必要な書面もあわせて確認するとスムーズです。

弁護士なしで示談交渉を行うメリット

弁護士なしで刑事事件の示談交渉を行うことには、いくつかのメリットが存在します。
最も大きな利点は、弁護士費用を節約できることでしょう。

弁護士に依頼する場合、着手金や成功報酬として数十万円から数百万円の費用が発生することが一般的です。
軽微な事件や経済的に余裕がない場合、この費用負担は大きな問題となります。
弁護士なしで示談交渉を進めれば、これらの費用を抑えることが可能になるのです。

また、当事者同士で直接話し合うことで、より迅速な解決が期待できる場合もあります。
弁護士を介さないため、連絡や交渉のスピードが早く、お互いの気持ちや事情を直接伝えられるでしょう。
特に知人同士のトラブルや軽微な事件では、率直な謝罪と話し合いが効果的な場合があります。

さらに、プライバシーを保護しやすいという側面もあります。
第三者である弁護士を通さずに解決することで、事件の詳細が外部に漏れるリスクを最小限に抑えられるでしょう。

メリット

・弁護費用の節約
・迅速な解決の可能性
・プライバシーの保護

弁護士なしで示談交渉を行うリスク

① 被害者に拒否される可能性が高い

刑事事件の示談交渉において、加害者本人が被害者に直接連絡を取ろうとしても、拒否される可能性が非常に高いのが現実です。

被害者にとって加害者は「自分に害を与えた相手」であり、心理的な恐怖や不安を抱いているケースがほとんどでしょう。
特に暴行事件や窃盗事件などでは、被害者が加害者との直接的な接触を避けたいと考えるのは自然な反応といえます。

被害者が示談交渉を拒否する主な理由は以下の通りです。

・加害者への恐怖心や不信感
・感情的な対立による冷静な話し合いの困難さ
・加害者本人では誠意が伝わりにくい
・法的知識不足による不安感

また、被害者側も弁護士に相談している場合、「加害者本人とは直接話さないように」とアドバイスを受けていることも多いでしょう。

一方で弁護士が代理人として交渉する場合、第三者的立場から冷静かつ専門的なアプローチが可能となります。
被害者も法的な専門家との交渉であれば、安心して話し合いに応じる傾向があります。

警察や検察の捜査を受けている場合、示談希望の意思を表明すると、捜査担当者から弁護士への依頼を促されることも多いです。

② 逮捕勾留されると示談交渉ができなくなる

逮捕勾留されてしまうと、身体の自由が奪われるため示談交渉が極めて困難になります。
警察署や拘置所に身柄を拘束された状態では、被害者との直接的な連絡や面会は基本的に不可能です。

また、勾留期間は最大20日間と限られており、その間に示談を成立させなければ起訴される可能性が高まります。
時間的な制約がある中で、本人が直接交渉を進めるのは現実的ではありません。

さらに、勾留中に無理な示談交渉を試みると、被害者に不信感を与えかねません。
家族が代理で交渉することも可能ですが、法的な知識が不足していると適切な対応が難しくなります。

逮捕勾留された場合は、示談交渉の機会を逃さないためにも早急に弁護士への依頼を検討することが重要です。

③ 不当に不利な条件を強いられる恐れがある

弁護士なしで示談交渉を進めると、法的知識の不足から不当に不利な条件を受け入れてしまう危険性があります。

被害者側は「示談金をもっと多く支払ってもらいたい」と考え、相場を大幅に上回る金額を要求してくる場合が少なくありません。
また、示談書に「今後一切の請求を行わない」という条項を入れずに、後日追加請求の余地を残すような内容を提案される恐れもあるでしょう。

さらに、示談成立後の守秘義務について過度に厳しい条件を設定されたり、被害者の精神的損害を理由に継続的な金銭支払いを求められたりするケースも存在します。

法的知識のない一般の方では、これらの条件が妥当かどうかを判断することは困難です。
「早く解決したい」という気持ちから、相手の言いなりになってしまう状況に陥りがちでしょう。

適切な示談条件を見極めるためには、類似事件の相場や法的な基準についての専門知識が不可欠といえます。

被害者側の希望する条件が不合理だと思ったとしても、現実的に当事者本人が断ることは非常に難しいものです。内容面で交渉を要する場合は、弁護士を窓口に行うことが現実的には必須でしょう。

④ 適切な示談書の作成が困難

適切な示談書作成には専門的な知識が不可欠となります。
示談書には被害の詳細、示談金額、支払い方法、清算条項、宥恕条項などの必須項目を正確に記載する必要があります。

特に清算条項は今後一切の請求をしないことを明記する重要な条項です。
宥恕条項では被害者が加害者を許し、処罰を求めない意思を表明します。
これらの条項が不適切だと、後日トラブルが再発する恐れがあります。

示談書には双方が署名押印を行うことが一般的ですが、どのように署名するか、どのような印鑑で押印するか、といった点も、示談書作成の際に要する専門的知識の一つです。署名押印にどのような効果を期待するかで、適切な方法が変わってきます。

⑤ 交渉がうまくいかないときの対処法が分からない

弁護士なしで示談交渉を進める場合、交渉が行き詰まった際の対処法を知らないことが大きなリスクとなります。
「相手が話し合いに応じてくれない…」という状況に陥った時、一般の方では適切な解決策を見つけることが困難でしょう。
被害者が感情的になって交渉を拒否したり、提示した示談金額に納得してもらえない場合、素人判断では状況を悪化させる恐れがあります。

弁護士であれば、交渉が難航した際に以下のような対処法を提案できます。

・示談条件の見直しや代替案の提示
・被害者の心情に配慮した適切なアプローチ方法の変更
・法的手続きへの移行タイミングの判断

また、示談交渉の期限が迫っている場合や、検察庁への事件送致が近づいている状況では、迅速かつ的確な判断が求められます。
経験のない方が独力で対応すると、貴重な時間を無駄にしてしまい、最終的に起訴されてしまう可能性が高まるでしょう。

専門知識と豊富な経験を持つ弁護士なら、状況に応じた最適な解決策を提示し、円滑な示談成立へと導いてくれます。

示談交渉がスムーズに進まない場合、長期的な目線で示談を試みる必要がありますが、解決を急ぎたい当事者本人には非常に難しいことです。

⑥ 示談後に紛争を蒸し返される恐れがある

弁護士なしで示談交渉を進めた場合、示談成立後に被害者から紛争を蒸し返される恐れがあります。

弁護士が関与しない示談書では、法的な記載が不完全になりがちです。
特に「清算条項」や「口外禁止条項」などの重要な条項が抜け落ちることで、後日被害者から「示談金が足りない」「追加の損害が発生した」といった主張をされる可能性が高まります。

また、示談書の文言が曖昧だと、被害者が示談の内容を異なって解釈し、新たな要求をしてくる場合もあるでしょう。
「これで終わりだと思っていたのに…」と困惑する加害者も少なくありません。

さらに、弁護士なしの示談では被害者の感情的な部分が十分に解決されず、後から不満が爆発することもあります。
被害者が示談後にSNSで事件について発信したり、職場や近隣に話を広めたりするリスクも考えられます。

専門的な知識を持つ弁護士が作成した示談書であれば、こうした後日の紛争を防ぐための条項が適切に盛り込まれ、真の解決につながりやすくなります。

示談交渉を弁護士に依頼するべき理由

① 刑事事件化を防げる可能性

弁護士に示談交渉を依頼する最大のメリットは、刑事事件化を防げる可能性が高まることです。

警察に被害届が提出される前や、捜査が本格化する前に示談が成立すれば、事件として立件されずに済む場合があります。
特に軽微な事件では、被害者との間で示談が成立していることを理由に、警察が事件として扱わない判断をするケースも少なくありません。

「このまま警察沙汰になってしまうかもしれない…」と不安に感じている方にとって、弁護士による迅速な示談交渉は非常に有効でしょう。

弁護士は法的な観点から適切な示談条件を提示し、被害者の納得を得やすい交渉を行います。
また、示談書の作成においても、将来的な紛争を防ぐための条項を盛り込むなど、専門的な配慮が可能です。

さらに、弁護士が介入することで被害者側も安心感を持ち、示談に応じやすくなる傾向があります。
早期の示談成立により刑事事件化を回避できれば、前科がつくことなく、社会生活への影響を最小限に抑えることが可能になりやすいでしょう。

刑事事件化を防ぐことができれば、即時にトラブルが解決することとなり、加害者本人にとってのメリットが極めて大きな結果となります。目指す余地のある状況であれば、可能な限り目指すことをお勧めします。

② 示談が成立しやすくなる

弁護士が示談交渉に関わることで、被害者との合意に至る可能性が大幅に向上します。

被害者側は、加害者本人からの直接的な接触に対して警戒心や恐怖感を抱くことが多いものです。
「また何かされるかもしれない…」という不安から、話し合いの場を持つこと自体を拒否するケースが非常に多いでしょう。

一方、弁護士が代理人として交渉に当たる場合、被害者の心理的負担は大きく軽減されます。
法律の専門家が間に入ることで、冷静かつ建設的な話し合いが可能となり、感情的な対立を避けながら解決策を模索できるのです。

また、弁護士は示談交渉の経験が豊富なため、被害者の心情に配慮した適切なアプローチを選択できます。
謝罪の仕方から補償内容の提示方法まで、相手が受け入れやすい形で進めることが可能です。

さらに、弁護士が関与することで示談の法的効力や内容について被害者に丁寧に説明でき、安心して合意に至れる環境を整えられます。
このような専門的なサポートにより、示談成立の確率は格段に高くなるでしょう。

③ 法的な手続が不利になることを防げる

弁護士に示談交渉を依頼することで、刑事手続きにおいて不利な状況に陥ることを防げます。

刑事事件では、捜査段階から起訴、裁判まで複雑な法的手続きが存在しており、一般の方が全てを把握するのは困難でしょう。
弁護士は刑事手続きの専門知識を持っているため、各段階で適切な対応を取ることができます。

特に重要なのは、捜査機関との対応です。
取り調べでの発言や証拠の取り扱いについて、弁護士がいることで適切なアドバイスを受けられ、不利な供述を避けることが可能になります。

また、示談成立後の手続きも重要なポイント。
示談書の内容や示談成立の事実を適切に捜査機関に伝えることで、不起訴処分や起訴猶予の可能性を高められます。

法的手続きでの失敗は取り返しがつかない結果を招く可能性があるため、専門家のサポートが不可欠といえるでしょう。

④ 示談金額や示談条件が適切にできる

弁護士に示談交渉を依頼する大きなメリットは、示談金額や示談条件を適切に設定できることです。

法的知識のない個人が示談交渉を行うと、「相場がわからず高額すぎる示談金を要求されるかもしれない…」という不安を抱えがちでしょう。
実際に、被害者側から過大な要求をされても、それが妥当かどうか判断できません。

弁護士は過去の類似事例や刑罰の見込みを基に、事件の内容に応じた適正な示談金額を算定します。
暴行事件なら治療費や慰謝料、窃盗事件なら被害額や迷惑料など、事件類型ごとの相場を熟知しているためです。

また、示談条件についても法的リスクを考慮した適切な内容を提案してくれます。

・宥恕条項(許しの意思表示)の明記
・清算条項(追加請求の禁止)の設定
・口外禁止条項の適切な範囲設定

これらの条項により、示談成立後のトラブルを未然に防げるでしょう。

弁護士の専門知識により、法的効果を最大限に活かした示談が実現できます。

⑤ 釈放や不起訴の可能性が高くなる

弁護士に示談交渉を依頼することで、釈放や不起訴処分を得られる可能性が大幅に向上します。

刑事事件では、示談の成立が処分決定に与える影響は極めて大きいものです。
検察官は起訴・不起訴を判断する際、被害者との示談成立を重要な情状として考慮するでしょう。
特に初犯や軽微な事件では、示談成立により不起訴処分となるケースが多く見られます。

弁護士が関与することで示談成立の確率が高まり、結果として以下のような効果が期待できます。

・身柄拘束中の場合は早期釈放の可能性
・在宅事件では不起訴処分の可能性向上
・起訴されても略式起訴や執行猶予付き判決の可能性

釈放や不起訴を目指すためには、刑事手続の流れや期間制限に配慮することが不可欠です。時期が遅れてしまうと、せっかく示談が成立しても釈放や不起訴に十分な効果が得られません。

刑事事件の示談交渉を依頼する弁護士の選び方

① 刑事事件や示談交渉の経験、専門性

刑事事件の示談交渉は民事訴訟とは全く異なる特殊な分野です。
被害者心理の理解、捜査機関との連携、適切なタイミングでの交渉など、専門的な知識と経験が不可欠となります。

経験豊富な弁護士なら以下の点で優れた対応が期待できます。

・事件の性質に応じた最適な示談戦略の立案
・被害者の感情に配慮した適切なアプローチ
・示談金額の相場や交渉のタイミングの判断
・検察官や警察との効果的な連携

インターネットで検索している場合は、弁護士のホームページで刑事事件の取扱実績や解決事例を確認することも有力です。
事前のリサーチを踏まえて、初回相談では具体的な対応方針を聞いてみましょう。

また、示談交渉だけでなく、その後の刑事手続きまで見据えた総合的なサポートができる弁護士を選ぶことが重要です。
専門性の高い弁護士なら、示談成立後の不起訴処分や執行猶予獲得まで含めた戦略的な対応が可能となります。

② 口コミなどの評価

弁護士選びにおいて口コミや評価は重要な判断材料となります。
しかし「評判が良いから安心できるかもしれない…」と思う一方で、情報の見極めが必要でしょう。

まず、複数の情報源から評価を収集することが大切です。
事務所ホームページ、法律相談サイト、Google口コミなど様々な媒体をチェックしましょう。
特に刑事事件や示談交渉に関する具体的な評価があるかを確認してください。

評価を見る際は以下のポイントに注目すべきです。

・刑事事件での実際の解決事例や成果
・依頼者とのコミュニケーション能力
・費用の透明性や説明の分かりやすさ
・迅速な対応や連絡の取りやすさ

ただし、極端に良い評価や悪い評価だけでなく、バランスの取れた意見を参考にすることが重要です。
また、口コミの内容が具体的で信憑性があるかも判断材料となります。

③ 説明や案内の明快さ、分かりやすさ

弁護士選びでは、説明の分かりやすさが極めて重要です。
刑事事件の示談交渉は複雑な手続きが多いため、弁護士が丁寧に説明してくれるかどうかで、依頼者側の理解度や安心感が大きく変わります。

説明や案内が明快な弁護士の場合、法律用語を使わずに現状を説明し、今後の流れを具体的に示してくれることも期待できます。

弁護士の説明力を判断する際には、以下の各点を意識することが有力です。

・法律用語を一般的な言葉に言い換えて説明する
・質問に対して具体例を交えて回答する
・手続きの流れを時系列で整理して伝える
・費用や期間について明確に提示する
・リスクやデメリットも隠さず説明する

分かりやすい説明ができる弁護士は、示談交渉でも相手方に対して適切なコミュニケーションを取れる可能性が高いと推測できます。説明の明快さを意識することで、その弁護士が適切な示談交渉をしてくれるか、という点にも自然に配慮することができるでしょう。

④ 弁護士の信頼感

示談交渉を依頼する弁護士選びにおいて、信頼感は最も重要な判断基準の一つです。

刑事事件という人生に大きく関わる問題だからこそ、「この弁護士に任せて本当に大丈夫だろうか…」と不安に感じる方も多いでしょう。

信頼できる弁護士を見極めるポイントは以下の通りです。

・初回相談時の対応が丁寧で親身になって話を聞いてくれる
・質問に対して曖昧な回答ではなく、明確で具体的な説明をしてくれる
・費用や手続きについて透明性があり、隠し事がない
・連絡が取りやすく、レスポンスが早い
・事件の見通しについて楽観的すぎず、現実的な見解を示してくれる

また、弁護士会への所属確認や懲戒処分歴の有無も重要な判断材料となります。
面談時の印象や話しやすさも大切な要素です。

信頼関係が築けない弁護士では、重要な情報を正確に伝えられず、結果的に示談交渉にも悪影響を及ぼしかねません。

その弁護士の判断であれば、仮に結果が奏功しなくても納得できるという信頼感があることは非常に重要です。刑事事件の示談においては、具体的な動き方はある程度弁護士の裁量に委ねざるを得ないためです。

示談交渉を弁護士に依頼する場合の弁護士費用

① 逮捕されていない事件(在宅事件)

逮捕されていない在宅事件では、弁護士費用は比較的抑えられる傾向にあります。
身柄拘束されていないため、弁護士との面談や打ち合わせが柔軟に行えること、身柄拘束への対応を要しないことなどが費用を抑える要因となっています。

具体的な費用の金額や内訳は以下の通りです。

・着手金:30万円から50万円程度
・成功報酬:30万円から50万円程度
・示談交渉費用:別途20万円から30万円程度
・その他に実費が発生

弁護士費用が心配で依頼を躊躇してしまう場合は、複数の弁護士事務所で見積もりを取ることも有力です。
在宅事件では時間的余裕があるため、事務所間の比較が比較的容易にできるでしょう。

② 逮捕されている事件(身柄事件)

逮捕されている身柄事件では、弁護士費用が在宅事件よりも高額になります。

具体的な費用水準は以下のとおりです。

・着手金:50万円から80万円程度
・成功報酬:50万円から80万円程度
・示談交渉費用:別途30万円程度
・その他に実費が発生

身柄事件の場合、示談交渉のみでなく刑事手続に対する全般的な対応が不可欠になります。
これらの負担が費用に反映されるため、在宅事件に比して高額になりやすい傾向にあります。

③ 示談後にトラブルが発生した場合の弁護士費用

示談後に発生するトラブルは、刑事手続外の内容であり、いわゆる民事事件であることが一般的です。
金銭の追加請求や、示談の有効性が争われるといった内容が代表的でしょう。

民事トラブルにおける弁護士費用は、交渉段階か訴訟段階かによって異なりやすいところです。

一般的な費用の水準は、以下が一例です。

【交渉段階の場合】

・着手金:20万円から30万円程度
・成功報酬:20万円~(経済的利益の大きさにより異なる)
・その他に実費等が発生

【訴訟段階の場合】

・着手金:40万円から60万円程度
・成功報酬:40万円~(経済的利益の大きさにより異なる)
・その他に実費等が発生

示談後のトラブルは、経緯や内容が様々であり、適切な方針は個別に検討することが適切です。そのため、まずは一度法律相談を行い、取るべき対応や方針を決定していくことが望ましいでしょう。

刑事事件の示談に強い弁護士をお探しの方へ

被害者のいる事件では,示談ができるかできないかで処分が決まると言ってよいケースが少なくありません。
そのため,示談は,刑事処罰がどうなるか,前科が付いてしまうかを左右する非常に重要なものです。
しかし,示談の試み方を誤ってしまうと,示談が成立せず,取り返しのつかない不利益が生じかねません。

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