児童買春で捜査を受けたら弁護士へ|早期依頼が重要な理由と弁護の流れ

児童買春の疑いで警察から事情を聞かれたり、捜査を受けたりすると、多くの方が強い不安を感じるものです。今後どうなるのか、逮捕されるのか、仕事や家族への影響は──そうした疑問に冷静に対応するためには、早い段階で弁護士に相談することが大切です。児童買春は重大な犯罪として厳しい刑罰が科される可能性がありますが、弁護士のサポートによっては不起訴処分や減刑を目指せる場合もあります。この記事では、児童買春の弁護士を探している方に向けて、児童買春の刑罰内容から弁護活動の流れ、依頼するメリットや費用の目安まで、分かりやすく解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

児童買春とは

児童買春とは、18歳未満の児童に対して対価を支払い、性的行為を行う犯罪をいいます。
この行為は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(児童買春・児童ポルノ禁止法)によって厳しく処罰されています。

児童買春が重大な犯罪とされるのは、未成年者の心身の健全な発達を損なうおそれがあるうえ、深刻な精神的被害をもたらす可能性が高いためです。
児童は判断能力が未熟であり、大人との間には明らかな力関係の差があります。
そのため、法律上は児童の同意があっても責任が免れることはなく、大人側が一方的に刑事責任を負う仕組みとなっています。

たとえば、出会い系サイトやSNSを通じて知り合った高校生に金銭を渡し、性的行為を行った場合、相手が17歳であれば児童買春罪が成立します。
また、いわゆる「援助交際」という名目であっても、法的には児童買春として扱われることになります。

このような行為に関与した場合、事案の内容によっては重大な刑事処分を受けるおそれがあるため、早期に弁護士へ相談し、適切な法的対応を取ることが重要です。

児童買春の刑罰

児童買春の刑罰は、5年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です(同法第4条第1項)。
行為の内容や態様が悪質な場合には、拘禁刑が科されることも多く、初犯であっても執行猶予が付かない実刑判決となる可能性があります。
一方で、反省の意思が認められ、被害者との示談が成立している場合には、執行猶予付き判決や罰金刑にとどまることもあります。

また、児童買春の罪で有罪判決を受けると、前科として記録されるため、就職や社会復帰に長期的な影響を及ぼすおそれがあります。

さらに、この犯罪は被害者である児童に対し、深刻な精神的・身体的影響を与える点でも極めて重く扱われます。
裁判所は量刑を決定する際、被害者の年齢や行為の態様、常習性の有無、反省や更生への取り組みなどを総合的に考慮します。

そのため、適切な弁護活動によって被害者との示談を成立させたり、反省や更生の姿勢を示したりすることが、執行猶予付き判決や罰金刑への減軽につながる場合があります。

児童買春の場合、決して実刑判決が多いというわけではなく、執行猶予判決の方が多いと言っても誤りではないでしょう。しかし、事件の内容や数、児童の年齢や加害者の立場など、個別の事情によっては実刑判決の可能性も否定できません。

児童買春の弁護活動

児童買春の事件では、被疑者・被告人の権利を守りながら、できる限り有利な結果を導くことが弁護士の重要な役割です。
社会的な影響が大きい罪名であるため、適切な弁護を行わなければ、必要以上に重い処分を受けるおそれもあります。

そのため弁護士は、事件の内容や証拠の状況を丁寧に確認し、早期の釈放や不起訴処分、あるいは執行猶予付き判決など、依頼者にとって最も望ましい結果を目指して活動します。
また、身柄拘束が長引けば、仕事や家庭への影響も大きくなるため、できる限り早い段階での対応が欠かせません。

弁護活動の具体的な内容には、事実関係の整理や証拠の精査、被害者との示談交渉、検察官との協議などが含まれます。
これらを通じて、事件の背景や反省の状況を適切に伝え、最終的な処分の軽減を図ります。

児童買春事件の弁護方針は、事実を認めるか否かによって大きく異なります。
以下では、それぞれの場合にどのような弁護活動が行われるのか解説します。

(1)認め事件の児童買春

認め事件とは、被疑者が児童買春の事実を認めているケースを指します。
このような場合、事実関係に争いはないため、弁護活動の焦点は刑の軽減や社会復帰の支援に置かれます。

「認めているのだから軽く済むだろう」と考える方もいますが、適切な弁護活動を行わなければ重い刑を受けるおそれもあります。
弁護士は、反省の態度や再発防止への取組みなどを具体的に示し、検察官や裁判官に対して処分の軽減を求める弁護活動を行います。

主な弁護活動の内容は次のとおりです。

・情状弁護による刑の軽減
・被害者との示談交渉
・不起訴処分の獲得に向けた活動
・執行猶予付き判決の獲得
・社会復帰に向けた環境整備

なかでも重要なのは情状弁護です。
被疑者がどのように反省しているか、今後どのように更生を図ろうとしているか、家族や勤務先による再発防止の支援体制があるかといった点を丁寧に伝えることで、刑の軽減が期待できます。

また、被害者との示談も非常に重要な要素です。
示談が成立すれば、不起訴処分や執行猶予付き判決の可能性が高まります。

認め事件では、できるだけ早い段階で弁護士に相談・依頼することが、より良い結果を導くための大きな鍵となります。

児童買春では、他の多くの事件類型と同様、児童側との示談が処分の軽減に大きな影響を与えるため、積極的に示談を目指すことは重要です。ただし、示談をすれば不起訴になる、とまでは言えないため注意しましょう。

(2)否認事件の児童買春

否認事件とは、被疑者や被告人が児童買春の事実を否定している事件を指します。
このような事件では、弁護士の役割が極めて重要になります。

否認事件の弁護活動は、主に事実関係の争いを中心に進められます。
「実際には児童買春などしていないのに疑われてしまった」という状況では、誤った判断で処罰されないよう、無実を証明するための慎重で戦略的な弁護が必要です。

弁護士が行う主な活動には、次のようなものがあります。

・捜査機関による証拠収集への適切な対応
・アリバイや反証となる証拠の収集・整理
・取調べ時の助言や供述調書の内容確認
・検察官との協議を通じた不起訴処分の働きかけ

なかでも重要なのは、取調べ段階での対応です。
不用意な発言や不正確な供述が記録されてしまうと、供述調書が不利な証拠として扱われるおそれがあります。
弁護士は、取調べ前に注意点を助言したり、必要に応じて記録内容を確認したりして、依頼者の権利を守ります。

また、児童買春の否認事件では、相手方の供述や物的証拠の信用性を詳細に検討することも不可欠です。
捜査機関の証拠に矛盾や不備があれば、証拠能力や信用性を争う弁護方針を取ることで、不起訴や無罪の可能性を高めることができます。

このように、否認事件では早期に弁護士を選任し、証拠と取調べの段階から適切に対応することが、事件の結果を左右する大きなポイントとなります。

児童買春の否認事件に特徴的な争点の一つは、「児童の年齢を認識していたか」という点です。被疑者が児童を18歳未満であると認識していなければ犯罪が成立しないため、18歳以上だと誤解していた、という場合には年齢の認識を適切に争うことが適切です。

児童買春に強い弁護士へ依頼するメリット

児童買春の事件で弁護士に依頼することには、単なる手続きの代行を超えた重要な意味があります。
経験と専門知識を持つ弁護士のサポートによって、事件の早期解決や処分の軽減が期待できるでしょう。

児童買春事件は、社会的な影響が非常に大きい分野です。
被害者対応や報道リスク、職場・家庭への影響など、一般の方が一人で対応するのは難しい問題が数多く存在します。
また、刑事手続きは複雑で、初動を誤ると不利な結果につながる可能性もあるため、早期の弁護士依頼が欠かせません。

弁護士による具体的なサポートとしては、次のようなものがあります。

・逮捕回避や早期釈放に向けた迅速な対応
・不起訴処分を目指すための証拠収集と検察官への意見書提出
・被害者との示談交渉における適切な対応
・勾留阻止・保釈請求など身柄解放に関する活動
・社会的影響を最小限に抑えるための助言と調整

児童買春事件では、被害者感情への配慮と法的主張のバランスが非常に重要です。
刑事弁護の経験が豊富な弁護士であれば、事案の性質に応じて最適な対応をとりながら、依頼者の立場を守るための具体的な戦略を立てることができます。

早い段階で専門の弁護士に相談することが、逮捕の回避や不起訴処分の実現につながる最初の一歩となるでしょう。

児童買春に強い弁護士を選ぶポイント

児童買春事件でどの弁護士に依頼するかは、今後の人生を大きく左右する極めて重要な判断です。
経験と専門知識を備えた弁護士に相談することで、不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得といったより良い結果が期待できます。

児童買春事件は、性犯罪の中でも社会的制裁が非常に厳しい類型です。
この分野では、法令知識だけでなく、被害者対応・示談交渉・報道リスクなど、実務経験に基づく繊細な判断力が欠かせません。
そのため、一般的な刑事事件を扱うだけの弁護士よりも、性犯罪事件を多数取り扱った実績を持つ弁護士を選ぶことが重要です。

弁護士を選ぶ際の主なポイントは次のとおりです。

・児童買春事件や性犯罪事件の対応実績が豊富であること
・被害者との示談交渉に精通していること
・早期釈放や不起訴処分を目指す弁護方針を明確に提示できること
・依頼者や家族への説明が丁寧で、信頼関係を築けること
・緊急時にも迅速に対応できる体制が整っていること

特に、児童買春事件の経験が豊富な弁護士は、検察官との交渉や裁判官への効果的な主張の仕方を熟知しています。
こうした実務感覚を持つ弁護士であれば、証拠の扱いや情状面の伝え方など、細部まで戦略的に対応できます。

また、初回相談無料や24時間対応といった体制を整えている法律事務所もあります。
突然の逮捕や捜査にもすぐに対応できる弁護士を選ぶことで、初動の遅れによる不利益を最小限に抑えることができるでしょう。

個々の弁護士によって大きな差の生じやすい点の一つが、対応の迅速さです。連絡への返答にどの程度の時間がかかるか、弁護活動の着手や進行をどのようなペースで行うか、という点は、弁護士の裁量的な判断に影響されやすいため、迅速さに長けた弁護士に依頼することをお勧めします。

児童買春を弁護士に依頼する場合の費用相場

児童買春の事件を弁護士に依頼する際の費用は、事件の内容や弁護士の経験、活動の範囲によって異なります。
性犯罪事件では、被害者対応や示談交渉などに専門的な対応が求められるため、事案に応じて費用の水準が変動します。

弁護士費用の一般的な目安

費用項目相場の目安備考
着手金約30万〜100万円程度弁護活動を始める際に支払う費用。否認事件や公判対応を伴う場合は高額になることがあります。
成功報酬約20万〜50万円程度不起訴処分や執行猶予判決など、有利な結果を得た場合に支払う報酬です。
認め事件(示談中心)約50万〜80万円程度示談交渉や情状弁護を中心とするケースで、比較的短期間で終結する場合に多い水準です。
否認事件(公判対応あり)約100万〜200万円程度証拠の精査や法廷での弁護活動など、活動範囲が広い場合に相応の費用がかかります。
その他の実費数万円程度接見や出張に伴う交通費、証拠資料の取得費用などが別途必要です。

費用を抑えるための工夫

・分割払いや後払いに対応している事務所を選ぶ
依頼者の経済状況に応じて柔軟に対応してくれる事務所もあります。

・初回相談無料の事務所で早めに相談する
費用の見通しや弁護方針を早い段階で確認することが重要です。

・複数の事務所で見積もりを取り比較する
依頼内容と費用のバランスを事前に把握しておくと安心です。

なお、児童買春事件では、処分の内容が将来の生活や社会的評価に大きく影響します。
費用面だけで判断せず、この分野の実績があり、適切に対応できる弁護士を選ぶことが大切です。

児童買春を弁護士に依頼するときのよくある質問

児童買春は逮捕されるか

児童買春事件は,捜査に際して逮捕される可能性が十分に考えられる事件類型です。逮捕をされるケース,されないケースはいずれもありますが,逮捕の可能性が高くなりやすい要因や,逮捕されやすい場合の特徴としては,以下のような点が挙げられます。

逮捕の可能性が高まる要因

1.児童への悪影響を防ぐため

2.今後の事件発生を防ぐため

【1.児童への悪影響を防ぐため】

児童買春事件の場合,同一の児童と複数回に渡って行為が行われるケースも少なくありません。そのため,児童が多数の児童買春事件に関与した結果,児童の性風俗の乱れが深刻化する可能性が懸念されやすく,これを防ぐために逮捕がなされる場合が考えられます。

また,児童自身が児童買春事件の重要な証拠であるため,児童に圧力をかけるなどして口止めを図ろうとする可能性が懸念される場合もあります。児童が証拠隠滅行為による被害を受けることのないよう,逮捕によって当事者間の接触を防ぐことが考えられます。

【2.今後の事件発生を防ぐため】

児童買春事件では,複数の児童を相手に多数回の行為が行われる場合も少なくありません。そのため,今後,他の児童を相手に児童買春事件が起きることを防ぐ目的で逮捕がなされる可能性が考えられます。

そのほか,逮捕されやすいケースの例としては,以下のような場合が挙げられます。

逮捕されやすいケース

1.児童の年齢が低い場合
→年齢が低いほど逮捕リスクが高い

2.多数の余罪が見込まれる場合
→余罪の数が際立っていると,逮捕リスクが高い

3.被疑者が罪証隠滅を図った場合
→児童と口裏合わせを試みたり,物証を処分したりしている場合,逮捕リスクが高い

児童買春は不起訴になるか

児童買春事件は,犯罪事実が明らかであれば,起訴をする方が一般的です。初犯であるから,反省しているからという理由で不起訴処分となることはあまりないでしょう。
特に,児童買春事件で起訴されやすい場合としては,以下のような例が挙げられます。

児童買春事件で起訴されやすいケース

1.児童の年齢が低い場合
→年齢が低ければ低いほど,刑事責任が重く,起訴されやすい

2.児童を強く唆した場合
→児童の自発的な判断でなく,児童を強く唆した事件の場合,責任が重く起訴されやすい

3.件数・回数が多い場合
→相手となった児童の数や児童買春の回数が多いほど,責任が重く起訴されやすい

4.児童の親権者が起訴を望む場合
→親権者の意向を酌む形で起訴されやすい

児童買春事件で不起訴を目指す場合には,不起訴を目指す積極的な動きが必要となります。この点,事後的に動かせる事情は,児童の親権者が起訴を望むかどうか,という点です。そのため,児童側との示談によって,起訴を望まないとの意向を獲得することが有力になりやすいでしょう。

児童買春は示談すべきか

児童買春の事件では、示談が極めて重要な対応のひとつとなります。
被害者との示談が成立すれば、不起訴処分や執行猶予付き判決が認められる可能性が高まります。
示談は、被害者の処罰感情を和らげ、事件を円満に終結させるための重要な手段といえるでしょう。

検察官は、示談の成立を情状の一つとして重視します。
被害者が処罰を望まない意思を示した場合や、加害者が真摯に反省していることが示された場合には、起訴猶予(不起訴)や執行猶予付き判決といった寛大な処分が選択されることがあります。
特に初犯で反省が深い場合には、示談が処分判断に大きく影響することもあります。

ただし、児童買春事件では被害者が未成年であるため、示談交渉には特別な配慮が必要です。
被害者本人ではなく保護者との交渉が中心となり、感情的な対立を避けながら慎重に進めなければなりません。
また、被害者への直接連絡はトラブルにつながるおそれがあるため、必ず弁護士を通じて適法かつ適切に進めることが重要です。

示談を行う際には、次のような点が重視されます。

・適切な示談金額と支払い方法の設定
・被害者、保護者に対する誠実な謝罪の姿勢
・再発防止に向けた具体的な取組みの明確化
・接触禁止などの約束事項の整理

示談は、単に金銭的な補償を行うための手続きではなく、被害者の心情を理解し、反省と再出発の意思を示すための機会でもあります。
弁護士が介入することで、法的手続に沿った形で誠実な対応を行い、検察官や裁判所に対しても適切に示談内容を伝えることが可能になります。

児童買春事件では、示談の有無が処分や量刑に大きく影響することがあるため、早期に弁護士へ相談し、慎重かつ適切な方法で進めることが大切です。

児童買春で弁護士依頼するときの注意点は?

①余罪によって見通しが変わる可能性

刑事事件の取り扱いや処分は,対象となる事件の数によって異なることが一般的です。処分すべき事件が多ければ,それだけ捜査は長期間かかり,処分も事件の数に比例して重くなることが見込まれやすくなります。

余罪は,そのすべてが捜査や処分の対象となるわけではありませんが,児童買春事件の場合,芋づる式に複数の事件が捜査されることも多い傾向にある事件類型と言えます。そのため,児童買春事件の見通しは余罪によって変わり得る,という点に注意することが望ましいでしょう。

②身柄事件のスケジュール

逮捕などの身柄拘束を伴う事件を,身柄事件と呼びます。この身柄事件は,法律で定められた期間制限の中で処理する必要があるため,厳密なスケジュールがあることに注意することが望ましいでしょう。

逮捕をされると,最大72時間以内に「勾留」という手続に移行するかが判断されます。勾留されると,引き続き10日間の身柄拘束が行われ,更に「勾留延長」がなされると勾留が最大10日間延長となります。

逮捕から起訴までの流れ

裏を返すと,逮捕から最長22~23日ほどの間に捜査が終結し,起訴又は不起訴の判断が行われることになります。そのため,不起訴を目指すための弁護士選びは,このスケジュールを念頭に,極力早期に進めることが必要です。

③年齢に関する争点の重要性

児童買春事件は,児童(=18歳未満の男女)を相手とした事件です。一方,18歳以上を相手に同様の行為をした場合,売春防止法で禁じられる違法な行為である可能性は高いものの,罰則の対象ではないため犯罪とはならないのが一般的です。そのため,相手が18歳未満であることは,犯罪が成立するかどうかという点で非常に重要なポイントになります。

具体的には,以下のような問題が生じ得るところです。

児童買春事件で年齢が問題になるケース

1.相手の年齢が実際に18歳未満でない可能性がある場合

2.相手の年齢が18歳以上だと信じていた場合

児童買春事件の場合,年齢に関する争点は極めて重大なものとなるため,年齢が争点となる場合には弁護士の専門的な判断を仰ぐことを強くお勧めします。

児童買春に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

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児童買春事件で自首をするべき場合から具体的な自首の方法まで徹底網羅

このページでは,児童買春事件の自首に関して,自首をすべきかどうか,自首のメリット,自首を試みる際の具体的な方法などを弁護士が解説します。自首を検討する際の参考にしてみてください。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

自首のメリット

①刑罰の減軽事由に当たる

自首は,刑法で定められているものですが,その定めは「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは,その刑を減軽することができる。」という内容です。つまり,自首が成立した場合の直接の効果は「刑を減軽できる」ということになります。

刑罰が減軽される場合,基本的には言い渡される刑罰の上限が2分の1になります。そのため,自首によって刑罰が減軽されると,自首がなかった場合に比べて最大でも半分の刑罰までしか科せられません。

なお,「刑を減軽することができる」という定めは,任意的減軽と呼ばれます。これは,減軽することも減軽しないこともできる,というもので,自首したから必ず減軽の対象になるわけではありません。この点の最終的な判断は裁判所に委ねられますが,自首が刑罰の重みに大きく影響することは間違いありません。

ポイント
自首は刑の任意的減軽事由

②逮捕が回避できる可能性が高まる

被疑者が自首をした事件では,その被疑者を逮捕する可能性が非常に低くなることが一般的です。それは,逮捕の必要性が大きく低下するためです。

逮捕の要件には,「逮捕の理由」と「逮捕の必要性」があるとされています。

逮捕の要件

1.罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由
→犯罪の疑いが十分にあることを言います。「逮捕の理由」とも言われます。

2.逃亡の恐れ又は罪証隠滅の恐れ
→逮捕しなければ逃亡や証拠隠滅が懸念される場合を指します。「逮捕の必要性」ともいわれます。

この点,自首をする人物は,自分の犯罪事実を自発的に捜査機関へ告げ,その事件に関する刑事処分を受けるきっかけを自ら作っています。そのため,自分から捜査や処分を求めている人が逃亡や証拠隠滅をすることは考えにくいと言わざるを得ません。
そうすると,自首がなされた事件は,類型的に逃亡や罪証隠滅の恐れ(逮捕の必要性)が低いため,逮捕を回避できる可能性が高くなるのです。

逮捕の回避は,自首を試みる場合の大きな目的の一つと言えます。自分から捜査機関に犯罪を打ち明ける対価として,逮捕を避けてほしいと申し出る試みである,ということもできるでしょう。
ただし,必ず逮捕が防げるというわけではありません。自首をしたとしても逮捕せざるを得ないような重大事件であれば,自首は刑罰の軽減を目指して行うべきことになるでしょう。

ポイント
自首したケースは逮捕の必要性が低いと判断されやすい

③示談の可能性が高まる

被害者のいる事件の場合,自首をした被疑者自身が加害者であることが明らかです。そのため,被疑者ががさらに処分の軽減を図ろうとする場合,示談の試みが非常に大切となります。なぜなら,被疑者の刑事処分は,被害者の意向を可能な限り反映したものになるためです。
示談によって被害者の許しが得られた場合,許したという被害者の意向を反映して刑事処分を軽減することがほとんどでしょう。事件によっては,被害者が加害者の刑罰を希望しない,という意向を表明すれば,事実上不起訴が見込まれると言えるケースも少なくありません。
それだけ,示談の成否は刑事処分を決定的に左右し得るものです。

この点,被害者としては,加害者が自首をしたのか,警察に特定されて捕まったのかによって,示談を受け入れる気持ちが生じるかどうかに大きな違いが生じます。自首した場合の方が,被害者が示談を受け入れる気持ちになりやすいことは明らかです。
そのため,自首という行動は,その後の示談が成立する可能性を高めるという大きなメリットももたらすものと言えます。

ポイント
自首した場合の方が,被害者に示談を受け入れられる可能性が高くなる

④不起訴の可能性が高まる

自首した場合,刑の任意的減軽事由となりますが,これは刑罰を受けることを前提としたお話です。受ける刑罰が半減する可能性がある,というわけですね。

この点,自首が処分を軽減させるのは,決して刑罰が科せられる場合のみではありません。そもそも刑罰を科すかどうか,つまり起訴するか不起訴にするか,という局面でも,自首は処分を軽減させる事情として考慮されます。それは,自首をすることで刑事責任を軽くすべき,という考え方がこの局面にも当てはまるためです。

事件によっては,自首の有無で起訴不起訴が分かれるケースもあり得ます。自首以外に不起訴の判断を促せる事情がなかったとしても,自首を考慮して不起訴になる場合があり得るのは,自首の大きなメリットでしょう。

ポイント
自首を理由に不起訴処分が得られる場合もある

児童買春事件で自首をするべき場合

①自分が被疑者と特定される場合

自首は,やがて自分が被疑者と特定されることが見込まれる状況で,特定前に行うことによって最も大きな効果を発揮します。裏を返せば,自首をしないまま自分が被疑者と特定されるに至ってしまうと,自首をするタイミングを失ってしまい,大きな不利益につながる恐れがあるでしょう。

児童買春事件の場合,児童との間で連絡を取った方法や内容を手掛かりにして,被疑者を特定するケースが多く見られます。連絡に用いたアプリのアカウント情報や,電話をした場合の電話番号,連絡をする中で児童に伝えた個人情報など,被疑者特定のきっかけとなるものは比較的多く残りやすい事件類型と言えます。
そのため,児童買春事件では,捜査が開始されると,被疑者が特定される可能性は比較的高い傾向にあると考えられるでしょう。

ポイント
やがて自分が被疑者と特定される状況で,特定前に自首を行うのが有益
児童買春事件は,比較的被疑者の特定がなされやすい

②児童との連絡が突然途絶えた場合

児童と継続的に連絡を取っていたものの,突然連絡が取れなくなった,という場合には,児童側に捜査のきっかけが生じた可能性が考えられます。児童との連絡内容をもとに捜査が進められた場合,自身が特定され,捜査の対象となることが考えられるため,自首を検討するのが有力なタイミングと言えるでしょう。

もっとも,児童との連絡が途絶えた場合でも,その原因が捜査の開始とは限らない点には注意が必要です。単に児童の感情面や判断の問題であったり,児童が携帯電話等を紛失したためであったりと,全く別の原因である可能性も否定できないため,可能な限り慎重に状況の確認を行いたいところです。

ポイント
捜査が開始された場合,児童との連絡が取れなくなることがある

③日常生活への支障を防ぎたい場合

児童買春事件で捜査を受けることとなった場合,日常生活への支障が避け難く生じることも少なくはありません。特に,逮捕を伴う捜査となれば,それまで通りの生活を続けることは現実的に難しく,仕事や家庭,学業などに大きな影響が生じやすいところです。

この点,早期に自首を行うことで,捜査機関に十分な配慮をしてもらえれば,児童買春事件の捜査が日常生活に与える影響を最小限にとどめることも可能です。逮捕されず,周囲にも発覚しない形で捜査を進めてもらうことで,日常生活への支障を防ぐことは決して困難ではないでしょう。
刑事事件の生活への影響を防ぐ手段として,自首は非常に有力と言えます。

ポイント
自首によって,逮捕や周囲への発覚を防げる場合も少なくない

自首の方法と流れ

自首を円滑に,効果的に行うためには,適切な手順を踏んで自首することが望ましいところです。適切な自首ができれば,自首のメリットがより早期に,明確に得られるでしょう。

①自首の方法1.警察への連絡

自首は,警察署に直接出頭して行うこともできますが,事前に警察署に電話連絡をすることがより適切でしょう。事前連絡なく出頭した場合,警察側に自首を受け入れる体制や準備がなく,かえって手続が煩雑になってしまう可能性があります。

連絡先=自首をする先の警察署としては,事件の発生場所を管轄する警察とすることが最も円滑になりやすいです。ただ,自分の生活圏と事件の発生場所が遠く離れている場合は,自分の住居地の最寄りの警察署でもよいでしょう。

自首先の警察署

1.事件の発生場所を管轄する警察署
2.自分の住居地を管轄する警察署

また,連絡先は,自首をする事件分野を取り扱う担当課,担当係に行うことが望ましいです。事件を取り遣う部署は事件類型ごとに異なりますが,一般的には以下のような区別が可能です。

事件を取り扱う部署の例

暴行・傷害
→刑事課 強行犯係

詐欺・横領
→刑事課 知能犯係

窃盗
→刑事課 盗犯係

痴漢・盗撮
→生活安全課

児童買春・児童ポルノ
→生活安全課(少年係)

警察に連絡をした際は,事件を取り扱う係に電話を回してもらい,担当部署の電話応対者に自首を希望する旨とその内容を伝えるとスムーズになりやすいです。

なお,事件の概要や自首を希望するに至った経緯などを伝える可能性が高いため,整理して伝えられるよう,事前にメモを作成するなどして伝えたいことをまとめるのが望ましいでしょう。

②自首の方法2.警察への出頭

予定した日時に警察へ出頭します。
出頭した際にまずどこへ行き,どのようにして担当者に話を通してもらうかは,事前連絡の時点で確認しておくことが望ましいでしょう。

出頭後は,警察所で話を聞かれることが想定されます。どの程度の時間,どのような手続を行うことになるのかは事前の想定が困難であるため,当日の予定は終日空けておくことが適切です。

警察の受付から担当者につないでもらうと,担当課の取調室などへ案内されることが一般的です。

③自首後の流れ1.取り調べの実施

自首後は,まず事件の内容や流れについて取調べを受けることになります。自首をより円滑に進めるため,事前の準備に沿って事件の内容をできるだけ詳細に話すようにしましょう。
取調べの内容としては,以下のような事項が想定されます。

自首後の取調べ内容

1.事件の日時・場所
2.事件の具体的な内容
3.事件が発生した理由
4.自首を試みた経緯・理由
5.身上経歴

自首は,自分の犯罪行為を申告して処分を求めるものであるため,対象となる犯罪の内容については,何かを包み隠していると疑われないよう真摯な供述に努めることが有益です。また,反省・後悔の意思や,被害者に対する謝罪の意思が十分に伝わるような対応が尽くせれば,より望ましい内容になるということができるでしょう。

ポイント
自首を受けた警察で取調べが行われる
真摯な供述を心掛け,反省や謝罪の意思が伝わることを目指す

④自首後の流れ2.自首の受理

警察では,取調べで自首をした人から一通りの話を聞いた後,「自首調書」を作成します。
内容や形式は一般的な供述調書と大きく異なりませんが,自首を受理したことを明らかにするため自首調書を作成するものとされています。

自首調書には,事件の概要,本人の身上経歴,自首をした理由や経緯などが記載されます。

ポイント
自首を受け付けた警察では「自首調書」が作成される

⑤自首後の流れ3.逮捕の判断

自首を受けた警察では,取調べの内容等を踏まえ,その被疑者を逮捕するかどうか判断することになります。自首した事件では,被疑者を逮捕する必要は大きく低下すると理解されるのが通常ですが,それでも逮捕の可能性が否定できるわけではありません。

逮捕をするかどうかは,逃亡の恐れや罪証隠滅の恐れを主な基準に判断されますが,自首をしているケースでは自首後に逃亡することは想定されづらいと言えます。そのため,罪証隠滅の恐れがどの程度あるか,という基準が重視されやすいでしょう。
そして,自首を通じて罪証隠滅の恐れがないと判断してもらうためには,以下のような対応方法が考えられます。

逮捕を防ぐための自首の方法

1.時系列に沿った詳細な供述に努める
→隠し事なく供述していると評価してもらえれば,その上で証拠隠滅する恐れがあるとは判断されづらい

2.証拠の持参
→事件の内容に応じて想定される物的証拠を積極的に持参することで,罪証隠滅の余地がないと判断してもらいやすい

自首のやり方によって逮捕されるかどうかに差が生じる可能性もあるため,自首に際しては罪証隠滅の恐れがないと理解してもらうことをできる限り目指すようにしましょう。

ポイント
逮捕の有無は,罪証隠滅の恐れの有無によって判断されやすい

児童買春事件の自首は弁護士に依頼すべきか

児童買春事件で自首を検討する場合は,弁護士への依頼が適切です。弁護士の専門的な判断に基づいて進めることにより,より有益な結果となることが期待できるでしょう。
弁護士に依頼する場合の具体的なメリットとしては,以下の点が挙げられます。

①適切な方法で自首ができる

自首を行うことに決めたとしても,具体的にどのように進めるのか,という点は判断の難しい問題です。事前連絡は行うべきか,行うのであればだれに対して何を言うのか,自首をする先はどこかなど,実際に行うとなると疑問は数多く出てくるでしょう。

この点,弁護士に依頼することで,弁護士がケースに沿った適切な自首の方法を案内してくれます。また,自首に必要な対応の多くを弁護士が行ってくれるため,対応の負担が大きく軽減することにもつながるでしょう。

②出頭時の対応方法が分かる

自首を行う場合,警察署等への出頭は避けられません。そのため,出頭した際にどのような話をするべきか,どのような方針で振る舞うべきか,といった点は,自首を行う前にしっかりと整理しておくことが必要となります。

この点,弁護士に依頼をした場合には,出頭時には何をどこまで話すか,出頭した際のお話はどのように着地することを目指すか,といった事項について,弁護士から適切な案内を受けることが可能です。出頭時にすべきことが適切に整理されていれば,出頭の心理的負担も大きく緩和できるでしょう。

③直ちに弁護活動を開始できる

自首は,あくまで捜査が始まるきっかけに過ぎません。自首後には,事件の捜査が始まることになります。
そのため,自首を行うのであれば,その後に弁護士の弁護活動を依頼することが適切です。せっかく自首を行って処分の軽減を目指している以上,その後に示談や早期釈放のための弁護活動をしてもらわないというのは,非常にもったいないと考えるべきでしょう。

この点,自首の段階で弁護士に依頼をすれば,自首後にも引き続き弁護活動をしてもらうことができるため,必要な弁護活動を直ちに開始してもらうことが可能となります。弁護活動には,時間との勝負が避けられないものもあるため,弁護活動が速やかに開始されることのメリットは非常に大きいと言えます。

児童買春事件で自首をする場合の注意点

①法的に自首が成立しない場合

自首が成立するためには,犯罪事実又は犯人が捜査機関に発覚していない段階であることが必要です。警察が犯罪事実を把握して捜査をしているのみでは,自首ができない状況とは言えませんが,捜査が進んで犯人が発覚してしまうと,その後に自首を試みても法的には自首が成立しません。

児童買春事件の場合,捜査が尽くされれば児童の相手となった犯人の特定は可能であることが少なくありません。そのため,自首の試みは,捜査が尽くされる前に行う必要があり,極力早期に検討することが適切でしょう。

②捜査を誘発する可能性

自首は,捜査機関に自らの犯罪事実を述べる行為であるため,自首によって初めて捜査機関が事件を把握する,という可能性も否定できません。児童買春事件では,児童側から捜査機関に事件が発覚したと考えて自首に踏み切ることが一定数見られますが,実際には児童と捜査機関が一切接触していない可能性もあるため,自首したばかりに捜査を誘発する結果となるリスクには注意が必要です。

自首をする段階で事件の捜査が行われているか,という点を正確に把握する方法は残念ながらありません。そのため,自首をする場合は,捜査を誘発してしまう可能性は覚悟した上で行わざるを得ないところです。
なお,既に捜査されているかどうかをある程度推測することは,専門性のある弁護士であればできる可能性もあります。不安がある場合には,事前に弁護士への相談を行われることをお勧めします。

③捜索差押えが行われる可能性

児童買春事件の場合,児童ポルノに関する事件(児童の身体の撮影など)が同時に起きている可能性が懸念されやすいです。そのため,児童買春事件の捜査の一環として,被疑者の携帯電話やパソコンなど,撮影内容が保存されている可能性のある証拠物を確認するケースは多く見られるところです。
また,携帯電話やパソコンは,児童買春事件に関する児童との連絡ツールである場合も多いため,連絡履歴を確認する目的でも,中身の確認は行われやすいでしょう。

児童買春事件で自首をした場合でも,同様に携帯電話やパソコンの確認を求められるケースは少なくありません。そして,捜査機関の判断によっては,捜索差押えという強制捜査によって,それらの証拠物を獲得しようとする可能性もあり得ます。

自首後,警察官などが自宅の捜索差押えを行うことになる可能性は,事前に想定しておく方がよいでしょう。

④自首しても不起訴にならない可能性

自首は,刑事処分を大きく軽減させる事情となることが一般的です。リスクや心理的負担を抱えてでも,反省の意思を示すために自首をしていることは,不起訴の可能性を高める重要な判断材料になることは間違いありません。

もっとも,自首をすれば不起訴になる,という関係があるわけではありません。自首をし,自首が原因となって捜査が開始された結果,その事件で起訴される,という結果になっても,何らおかしくはないのです。

自首をする場合には,結果的に起訴されてしまう可能性があることも十分に理解しておきましょう。

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【児童買春事件での呼び出し】呼び出された場合に逮捕や前科を防ぐための対応方法を解説

このページでは,児童買春事件で警察から呼び出された場合について,適切な対応方法などを弁護士が解説します。
児童買春事件に関する呼び出しへの対応や今後の見込みを検討するときの参考にご活用ください。

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児童買春事件で呼び出された場合の対応法

①基本的な考え方

児童買春事件で呼び出しを受けた場合には,まず「逮捕されずに済む可能性が十分にある状況である」ということを正しく認識するのが適切です。逮捕されずに済む可能性が十分にあることが把握できていれば,対応の方針を「逮捕されずに済むこと」と定めて適切な対応に努めることが容易になるでしょう。

児童買春事件は,逮捕するケースしないケースいずれも考えられる類型ですが,逮捕をするのであれば,予告をせずに突然逮捕を試みる方が得策とされます。予告をしてしまうと,児童との連絡内容などの証拠を隠滅されるきっかけになりかねないためです。
そのため,呼び出しているケースは,逮捕しない可能性を強く想定していることが多く,適切な対応を尽くせばその想定通り逮捕されずに済むことが十分に考えられるのです。

ポイント
児童買春事件は逮捕をするケースしないケースいずれもあり得る事件類型
呼び出す動きは,逮捕しない可能性を強く想定したもの

②呼び出しの連絡に対する応答

呼び出しの連絡を受けた際の応答としては,まず出頭には応じる,ということを重視するのが適切です。

呼び出し連絡の目的は,警察署等への出頭を求めるためであることが通常です。裏を返せば,出頭を求める方法としては逮捕でなく呼び出し連絡で足りる,と考えている可能性が高く,実際に出頭をしてくれれば,逮捕はやはり必要ないとの判断に至ることが見込まれます。
そのため,逮捕のない取り扱いをより確かなものとする意味でも,出頭自体には応じるようにしましょう。なお,日時の調整は可能ですので,求められた日時の出頭ができない場合には日程のすり合わせを試みるのが適切です。

また,呼び出し連絡の際に認否が問われることもありますが,このときには自身の認識に沿った認否をはっきりと伝えることが適切です。認否が一貫し,はっきりしていることは,その後の手続の円滑化につながります。

ポイント
出頭の求めには応じる
認否を問われた際には,はっきりと一貫して伝える

③出頭後の対応

出頭後には取調べを受けることが見込まれますが,その際の対応としては,基本的にありのままの事実関係を述べることが適切でしょう。

取調べに対しては,黙秘権という権利があるため,何も話さず黙秘をしていることも可能ではあります。ただ,児童買春事件の場合,相手である児童がある程度話をしたり証拠となるやり取りを提供したりしている可能性が高く見込まれます。そのため,黙秘によっても証拠収集を防ぐことが難しく,黙秘が奏功しづらいという特徴があることに注意が必要です。

ポイント
児童買春事件は黙秘が奏功しづらい

児童買春事件の呼び出しに応じると逮捕されるか

児童買春事件の場合,捜査機関が呼び出しを選択している状況下では,呼び出しに適切な対応をしている限りは逮捕しないのが通常です。捜査機関としては,逮捕しないことを念頭に呼び出している,という場合が非常に多いでしょう。
この点,逮捕の回避につながる適切な対応の具体例としては,以下のような内容が挙げられます。

逮捕回避につながる対応方法

1.無視をしない

2.出頭拒否をしない

3.明らかに内容虚偽の否認をしない

【1.無視をしない】

呼び出しの連絡を無視することは,最も避けるべき対応と言えます。なにも事態が進展しないばかりか,「逮捕しなければ来てもらえない」との評価につながる可能性があるため,逮捕を自ら招く行動と言っても過言ではありません。

【2.出頭拒否をしない】

出頭拒否が度重なると,逮捕の必要性があるとの判断につながる恐れが大きくなります。過度な要求を全て受け入れる必要まではありませんが,一度も出頭しない,曜日や時間帯に関わらず一切出頭しない,というスタンスは控えるのが賢明です。
スケジュール上可能な範囲でのみ出頭する,という形でも差し支えないので,出頭を一切拒否することはしないようにしましょう。

【3.明らかに内容虚偽の否認をしない】

否認すること自体に問題はありませんが,明らかに不合理で内容虚偽と分かる否認に終始することは,証拠隠滅の恐れがあるとの評価につながりかねません。不合理な否認は控えることが賢明でしょう。

具体的にどのような認否をすべきか,判断が困難な場合は,弁護士に相談して専門的な見解を仰ぐことをお勧めします。

児童買春事件で警察が呼び出すタイミングや方法

①事件当日の内容を目撃された場合

警察による呼び出しのきっかけの一つとして,児童とホテルを出入りする姿など,児童買春行為の裏付けになる様子を目撃されることが挙げられます。捜査機関が現認する経緯は,パトロールや通報など様々ですが,目撃された際には直ちに捜査が開始され,呼び出しの対象となることが考えられるでしょう。

なお,ホテルの出入りなどを捜査機関が現認した場合,その場で職務質問を受けるなどして,警察署での取調べに移行することも考えられます。この場合には,呼び出しはなく現行犯に近い取り扱いとなるでしょう。

②児童との連絡内容が発覚した場合

携帯電話などで児童と連絡を取っている場合,その連絡内容が捜査機関に発覚し,呼び出しの原因となることがあります。連絡内容が捜査機関に知られるのは,児童側に要因のあることが通常ですが,具体的には以下のようなケースが挙げられるでしょう。

児童との連絡内容が発覚する要因

1.親権者に発覚した場合
→親権者がたまたま連絡内容を目撃し,捜査機関に相談した等

2.児童が別件で補導された場合
→捜査機関に携帯電話の中身を確認された際に発覚した等

このような場合は,児童から必要な事項を聴取した後に呼び出されることが想定されやすいでしょう。そのため,呼び出しは発覚から一定期間経過した後であることが多く見られます。

③児童から情報提供があった場合

児童自ら,捜査機関に情報提供がなされ,それをきっかけに呼び出しの連絡が行われる場合も考えられます。このようなケースは,児童との関係が悪化してしまい,児童が感情的な行動に及んだという場合が多く見られるところです。

この場合にも,先に児童の話を一通り聴取し,関連する証拠を確認した後で,呼び出しに移ることが多く見られます。

児童買春事件の呼び出しに応じたときの注意点

①認否の方針

児童買春事件の呼び出しは,相手方である児童から事前に話を引き出している可能性が高い,という点に大きな特徴があります。捜査のきっかけが児童側の事情によることが通常であるため,捜査機関は先に児童の話を一通り聞き,これを踏まえて呼び出しを行う,という流れになりやすいのです。

そのため,認否の方針を検討する際には,児童から捜査機関にある程度情報が伝わっていることを想定した上で,方針決定をすることが適切でしょう。認否の内容が児童の話と大きく矛盾することは,不利益が大きいため極力避けたいところです。

②児童との連絡

児童買春事件で呼び出しを受けた際,児童が警察とどのような話をしているかは気になるところです。そのため,児童と連絡を取る手段があれば,児童から直接内容を聞き出したい,という思いになることもあるでしょう。

しかしながら,児童と警察との話の内容を聞き出す目的で,児童と直接連絡を取ることはお勧めできません。証拠隠滅を疑われるきっかけになり得る上,口裏合わせに発展すればそれ自体が犯罪となる危険もあります。
呼び出しを受けた段階では,その後の児童とのやり取りは捜査機関に筒抜けとなる可能性も十分に考えられるため,安易に児童との連絡を試みることは控えるようお勧めします。

③連絡先や連絡履歴の取り扱い

児童買春事件では,事前に児童との間で会う予定や対価の内容を協議するため,連絡先や連絡履歴の残っていることが多く見られます。これらは,児童買春事件の重要な証拠になり得るため,被疑者として呼び出された際にはどのように取り扱うべきか,問題となります。

この点,連絡先や連絡履歴について,周囲を巻き込む形で証拠隠滅をすることは避けるようにしましょう。証拠隠滅罪は,自分の犯罪の証拠を自分で隠滅することは対象としていませんが,自分の犯罪の証拠を他人に隠滅してもらう行為は対象となるのが通常です。そのため,周囲を巻き込んで行う証拠隠滅行為は,犯罪として処罰の対象となりかねません。

警察が呼び出す主な目的

警察から呼び出しを受ける場合,その目的には主に以下のようなケースが考えられます。

①参考人である場合

参考人とは,特定の事件について捜査の参考とすべき情報を持っているであろう人を言います。具体例としては,事件の目撃者や,被疑者の同僚・友人といった近しい人物,会社で犯罪が起きた場合の従業員などが挙げられます。

参考人の呼び出しは,犯罪捜査のために必要な情報を参考人から教えてもらうために行われるものです。参考人は捜査や処罰の対象となることが想定されていないため,逮捕をされたり前科が付いたりすることは通常ありません。

②身元引受人である場合

身元引受人とは,文字通り被疑者の身元を引き受ける人を言います。身柄を拘束しない事件(=在宅事件)の場合,捜査機関は被疑者の任意の出頭を求めることになりますが,出頭をより確かに見込めるように,適任者を警察署に呼び出し,身元引受人となることを求める取り扱いが広く行われています。

身元引受人は,同居家族(配偶者や親など)であることが一般的です。同居家族に適任者がいない場合は,勤務先の上司や被疑者の依頼した弁護士が身元引受人になることもあります。
身元引受人に対する呼び出しは,通常,被疑者の初回の取り調べが終了した後に行われます。捜査機関から身元引受人に電話連絡がなされ,被疑者を連れて帰ることと身元引受人になることが依頼される,という流れが一般的です。

身元引受人は,被疑者の監督者というのみの立場であるため,呼び出しに応じても逮捕されたり前科が付いたりすることはありません。また,呼び出しに応じなかったとしても特に問題が生じることはありません。

③被疑者である場合

被疑者とは,犯罪の嫌疑をかけられている者をいいます。ニュースなどでは「容疑者」と呼ばれますが,法律的には「被疑者」が正しい呼び方となります。

被疑者を呼び出す目的は,犯人候補として取調べを行うことに尽きます。犯罪の疑いを認めるかどうか,認める場合には具体的に何をしたか,などを確認し,記録化するために,被疑者を警察署へ呼び出します。

被疑者として呼び出される場合,事件の内容や状況によっては逮捕される可能性も否定できません。また,犯罪事実が明らかになれば,刑事処罰を受けて前科が付く可能性もあり得ます。

参考人身元引受人被疑者
呼び出しの理由事件の情報獲得被疑者の出頭確保犯人候補の取り調べ
逮捕の可能性通常なしなしあり
前科の可能性通常なしなしあり

警察の呼び出しを拒むことは可能か

警察の呼び出しには強制力がありません。そのため,呼び出しを拒んだとしても法的にペナルティを科せられることはなく,その意味では呼び出しを拒むことはどのような場合でも可能,ということになるでしょう。
もっとも,立場によって呼び出しを拒むことにリスクや問題の生じる可能性はあり得ます。

①参考人の場合

参考人は,捜査への協力を依頼されている立場に過ぎないため,呼び出しに応じなかったとしてもリスクを抱えたり問題が生じたりすることは通常ありません。

ただし,「現在は参考人にとどまる取り扱いだが,犯罪への関与が疑われる可能性がある」という状況の場合には,呼び出しに応じないことのリスクが生じ得ます。呼び出しに対して積極的な協力や情報提供を尽くす場合に比べると,呼び出しを拒んで捜査協力を一切しない場合の方が,より強く犯罪の関与を疑われやすい傾向にあるためです。
そして,具体的な犯罪への関与を疑われた場合,今度は参考人でなく被疑者として,呼び出しを受けるなどの捜査が行われる可能性も否定はできません。

そのため,呼び出しを拒むことで犯罪への関与を疑われかねない場合には,拒むリスクが生じ得ると言えるでしょう。

②身元引受人の場合

身元引受人は,犯罪への関与が想定されていない立場の人物であるため,呼び出しを拒むことで犯罪の疑いをかけられるものではありません。

もっとも,同居している被疑者の身元引受人となるよう求められ,これを拒んだ場合,被疑者に不利益が生じる可能性は考えられます。身元引受人が拒んだから逮捕をする,ということはあまりありませんが,所在確認のために警察が自宅に訪れることは珍しくありません。そうすると,周囲の人々に警察と関わっている事実が分かってしまい,私生活に影響を及ぼす恐れがあり得ます。

被疑者が同居の家族であって今後も同居を予定している,という場合には,可能な限り身元引受人としての呼び出しに応じる方が無難なケースが多いでしょう。

③被疑者の場合

被疑者に対する呼び出しは,取り調べを行うための方法の一つとして行われるものです。この点,捜査機関が被疑者の取り調べを行う方法は,逮捕して強制的に行うか,呼び出しをして任意の出頭を求めるかの二択であることが通常です。

被疑者を取り調べる方法

1.逮捕をして強制的に行う
2.呼び出して任意の出頭を求める

この点,呼び出しても任意に出頭してくれないとなると,取り調べをするためには逮捕をするほかない,という判断になる可能性もあり得ます。二択のうち一方がダメであった以上,もう一方の方法が取られるのは自然なことであるためです。

そのため,被疑者として呼び出しを受けた場合,可能な限り応じることが適切になりやすいでしょう。もちろん,あまりに回数が多かったり,あまりに時間が長かったりという場合には,その点の配慮を求めることは全く問題ありませんが,呼び出しを徹頭徹尾拒む,というスタンスを取って被疑者自身が得をすることはあまりないと考えるのが適切です。

ポイント 呼び出しを拒む行動の注意点
参考人の場合,拒むことで事件への関与を疑われないように注意
身元引受人の場合,同居する被疑者への不利益に注意
被疑者の場合,拒んだことで逮捕を誘発する可能性に注意

呼び出された場合に弁護士へ依頼するメリット

被疑者として警察に呼び出された場合には,弁護士に依頼をすることが有益になりやすいです。具体的には,以下のようなメリットが生じます。

①逮捕を回避できる

呼び出しがなされた場合,そのまま逮捕されるというケースも否定できないところです。呼び出しに応じた流れで逮捕されると,その後に弁護士への相談や依頼をすることは困難となり,一定期間の身柄拘束を強いられてしまいます。

この点,呼び出された段階で弁護士に依頼し,弁護士を通じて適切な対応を取ることで,逮捕を回避できる場合があります。具体的に逮捕を回避するための手段は,ケースによっても異なりやすいため,弁護士と十分に相談するようにしましょう。

②不適切な取り調べを防げる

警察に呼び出された際の取り調べは,捜査担当者のやり方によっては違法・不適切なものになる場合もあり得ます。強く恫喝されたり,侮辱的な発言を受けたりと,取り調べがヒートアップするほど精神的苦痛を伴うケースが珍しくありません。

この点,弁護士に依頼をしている場合,捜査担当者による不適切な取り調べは多くの場合で防ぐことが可能です。これは,捜査担当者が,弁護士の目があることに配慮するためです。
不適切な取り調べを行えば,後から弁護士を通じて問題視される可能性があるため,不用意な取り調べは行えない,というわけです。

弁護士の目を光らせる意味でも,呼び出しに際して弁護士に依頼することは有力な手段でしょう。

③前科を防げる

被疑者として呼び出される場合,その後に起訴されて前科が付く可能性を想定する必要があります。被疑者として呼び出されるということは,自分に対して捜査が行われていることが明らかであるため,その先に控える処分に無関心でいるわけにはいきません。

この点,呼び出しという早期の段階で弁護士に依頼することで,適切な弁護活動を尽くしてもらい,前科を防げる可能性が高くなります。被害者のいる事件であれば被害者との示談を目指す,否認事件であれば自分が犯人でないことを主張するなど,個別のケースに応じた適切な弁護活動を通じて,前科を防ぐ試みができるのは大きなメリットになるでしょう。

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【児童買春事件の逮捕】逮捕されやすいケースの特徴や逮捕を防ぐための具体的方法などを網羅

このページでは,児童買春事件の逮捕に関して,刑事弁護士が徹底解説します。逮捕の可能性はどの程度あるか,逮捕を避ける方法はあるか,逮捕された場合に釈放を目指す方法はあるかなど,対応を検討する際の参考にしてみてください。

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児童買春事件で逮捕される可能性

児童買春事件は,捜査に際して逮捕される可能性が十分に考えられる事件類型です。逮捕をされるケース,されないケースはいずれもありますが,逮捕の可能性が高くなりやすい要因や,逮捕されやすい場合の特徴としては,以下のような点が挙げられます。

逮捕の可能性が高まる要因

1.児童への悪影響を防ぐため

2.今後の事件発生を防ぐため

【1.児童への悪影響を防ぐため】

児童買春事件の場合,同一の児童と複数回に渡って行為が行われるケースも少なくありません。そのため,児童が多数の児童買春事件に関与した結果,児童の性風俗の乱れが深刻化する可能性が懸念されやすく,これを防ぐために逮捕がなされる場合が考えられます。

また,児童自身が児童買春事件の重要な証拠であるため,児童に圧力をかけるなどして口止めを図ろうとする可能性が懸念される場合もあります。児童が証拠隠滅行為による被害を受けることのないよう,逮捕によって当事者間の接触を防ぐことが考えられます。

【2.今後の事件発生を防ぐため】

児童買春事件では,複数の児童を相手に多数回の行為が行われる場合も少なくありません。そのため,今後,他の児童を相手に児童買春事件が起きることを防ぐ目的で逮捕がなされる可能性が考えられます。

そのほか,逮捕されやすいケースの例としては,以下のような場合が挙げられます。

逮捕されやすいケース

1.児童の年齢が低い場合
→年齢が低いほど逮捕リスクが高い

2.多数の余罪が見込まれる場合
→余罪の数が際立っていると,逮捕リスクが高い

3.被疑者が罪証隠滅を図った場合
→児童と口裏合わせを試みたり,物証を処分したりしている場合,逮捕リスクが高い

逮捕の種類・方法

法律で定められた逮捕の種類としては,「通常逮捕」「現行犯逮捕」「緊急逮捕」が挙げられます。それぞれに具体的なルールが定められているため,そのルールに反する逮捕は違法ということになります。逮捕という強制的な手続を行うためには,それだけ適切な手順で進めなければなりません。

①現行犯逮捕

現行犯逮捕とは,犯罪が行われている最中,又は犯罪が行われた直後に,犯罪を行った者を逮捕することを言います。現行犯逮捕は,逮捕状がなくてもでき,警察などの捜査機関に限らず一般人も行うことができる,という点に特徴があります。

典型例としては,目撃者が犯人の身柄を取り押さえる場合などが挙げられます。犯罪の目撃者であっても,他人の身柄を強制的に取り押さえることは犯罪行為になりかねませんが,現行犯逮捕であるため,適法な逮捕行為となるのです。

ただし,現行犯逮捕は犯行と逮捕のタイミング,犯行と逮捕の場所それぞれに隔たりのないことが必要です。犯罪を目撃した場合でも,長時間が経った後に移動した先の場所で逮捕するのでは,現行犯逮捕とはなりません。

なお,現行犯逮捕の要件を満たさない場合でも,犯罪から間がなく,以下の要件を満たす場合には「準現行犯逮捕」が可能です。

準現行犯逮捕が可能な場合

1.犯人として追いかけられている

2.犯罪で得た物や犯罪の凶器を持っている

3.身体や衣服に犯罪の痕跡がある

4.身元を確認されて逃走しようとした

ポイント
現行犯逮捕は,犯罪直後にその場で行われる逮捕
捜査機関でなくても可能。逮捕状がなくても可能

②通常逮捕(後日逮捕)

通常逮捕は,裁判官が発付する逮捕状に基づいて行われる逮捕です。逮捕には,原則として逮捕状が必要であり,通常逮捕は逮捕の最も原則的な方法ということができます。

裁判官が逮捕状を発付するため,そして逮捕状を用いて通常逮捕するためには,以下の条件を備えていることが必要です。

通常逮捕の要件

1.罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由
→犯罪の疑いが十分にあることを言います。「逮捕の理由」とも言われます。

2.逃亡の恐れ又は罪証隠滅の恐れ
→逮捕しなければ逃亡や証拠隠滅が懸念される場合を指します。「逮捕の必要性」ともいわれます。

通常逮捕の要件がある場合,検察官や警察官の請求に応じて裁判官が逮捕状を発付します。裁判官は,逮捕の理由がある場合,明らかに逮捕の必要がないのでない限りは逮捕状を発付しなければならないとされています。

ポイント
通常逮捕は,逮捕状に基づいて行う原則的な逮捕
逮捕の理由と逮捕の必要性が必要

③緊急逮捕

緊急逮捕は,犯罪の疑いが十分にあるものの,逮捕状を待っていられないほど急速を要する場合に,逮捕状がないまま行う逮捕手続を言います。

緊急逮捕は,逮捕状なく行うことのできる例外的な逮捕のため,可能な場合のルールがより厳格に定められています。具体的には以下の通りです。

緊急逮捕の要件

1.死刑・無期・長期3年以上の罪
2.犯罪を疑う充分な理由がある
3.急速を要するため逮捕状を請求できない
4.逮捕後直ちに逮捕状の請求を行う

緊急逮捕と現行犯逮捕は,いずれも無令状で行うことができますが,緊急逮捕は逮捕後に逮捕状を請求しなければなりません。また,現行犯逮捕は一般人にもできますが,緊急逮捕は警察や検察(捜査機関)にしか認められていません。

緊急逮捕と現行犯逮捕の違い

現行犯逮捕緊急逮捕
逮捕状不要逮捕後に請求が必要
一般人の逮捕可能不可能

逮捕後の流れ

逮捕されると,警察署での取り調べが行われた後,翌日又は翌々日に検察庁へ送致され,検察庁でも取り調べ(弁解録取)を受けます。この間,逮捕から最大72時間の身柄拘束が見込まれます。
その後,「勾留」となれば10日間,さらに「勾留延長」となれば追加で最大10日間の身柄拘束が引き続きます。この逮捕から勾留延長までの期間に,捜査を遂げて起訴不起訴を判断することになります。

逮捕から起訴までの流れ

ただし,逮捕後に勾留されるか,勾留後に勾留延長されるか,という点はいずれの可能性もあり得るところです。事件の内容や状況の変化によっては,逮捕後に勾留されず釈放されたり,勾留の後に勾留延長されず釈放されたりと,早期の釈放となる場合も考えられます。

逮捕をされてしまった事件では,少しでも速やかな釈放を目指すことが非常に重要になりやすいでしょう。

ポイント
逮捕後は最大72時間の拘束,その後10日間の勾留,最大10日間の勾留延長があり得る
勾留や勾留延長がなされなければ,その段階で釈放される

逮捕による不利益

逮捕をされてしまうと,以下のように多数の不利益が見込まれます。

①社会生活を継続できない

逮捕をされてしまうと,身柄が強制的に留置施設へ収容されてしまうため,日常の社会生活を続けることができません。スマートフォンの所持も許されないので,外部の人と連絡を取ることも不可能です。
そのため,周囲と連絡等ができないことによる様々な問題が生じやすくなります

また,逮捕後勾留されるまでの間は,原則として弁護士以外の面会ができません。面会によって最低限の連絡を図ろうと思っても,勾留前の逮捕段階では面会すら叶わないことが一般的です。
さらに,勾留後についても,接見禁止決定がなされた場合には弁護士以外の面会ができません。

②仕事への影響

逮捕された場合,仕事は無断欠勤となることが避けられません。その後,身柄拘束が長期化すると,それだけの間欠勤をし続けなければならないことにもなります。こうして仕事ができないでいると,仕事への悪影響を回避することも難しくなります。

また,逮捕によって勤務先に勤め続けることが事実上難しくなる場合も考えられます。
逮捕は罰則ではなく捜査手法の一つに過ぎないため,逮捕だけを理由に懲戒解雇されることは考え難いですが,一方で仕事の関係者に自分の逮捕が知れ渡ると,事実上仕事が続けられなくなるケースも珍しくはありません。

③家族への影響

逮捕されると,通常,同居の家族には捜査機関から逮捕の事実が告げられます。場合によっては,家族が逮捕に伴う各方面への対応を強いられることも考えられます。また,家族にとっては,被疑者が逮捕された,という事実による精神的苦痛も計り知れず,一家の支柱が逮捕された場合には経済的な問題も生じ得ます。

このように,逮捕は本人のみならず家族にも多大な影響を及ぼす出来事となりやすいものです。

④報道の恐れ

刑事事件は,一部報道されるものがありますが,報道されるケースの大半が逮捕された事件の場合です。通常,逮捕された事件の情報が警察から報道機関に通知され,報道機関はその情報を用いて刑事事件の報道を行うことになります。
そのため,逮捕された場合は,そうでない事件と比較して報道の恐れが大きくなるということができます。

万一実名報道の対象となり,氏名や写真とともに逮捕の事実が公になると,その記録が後々にまで残り,生活に重大な支障を及ぼす可能性も否定できません。
一般的には,重大事件や著名人の事件,社会的関心の高い事件など,報道の価値が高い事件が特に報道の対象となりやすいため,逮捕=報道ということはありませんが,逮捕によって報道のリスクを高める結果が回避できるに越したことはありません。

⑤前科が付く可能性

逮捕と前科に直接の関係はありませんが,逮捕されるケースは重大事件と評価されるものであることが多いため,事件の重大性から前科が付きやすいということが言えます。
逮捕をするのは逃亡や証拠隠滅を防ぐためですが,逃亡や証拠隠滅はまさに前科を避ける目的で行われる性質のものです。そのため,逮捕の必要が大きいということは前科が付く可能性の高い事件である,という関係が成り立ちやすいでしょう。

児童買春事件で逮捕を避ける方法

①当事者間での解決

児童買春事件は,当事者間で既に解決している場合,その後に捜査が開始されることは現実的に考えづらいです。そして,捜査が行われない限り,捜査上の手続の一つである逮捕も行われないため,当事者間での解決は逮捕を防ぐための有力な手段と言えます。

当事者間で速やかに解決する余地がある場合には,積極的に解決を目指すことが有益でしょう。

②自首

被疑者が積極的に自首を行った場合,逮捕の必要性は低いと評価されることが通常です。自首は,自ら捜査機関に犯罪事実を明らかにする行為であって,自分から犯罪を告げてきた被疑者が逃亡や証拠隠滅を図るとは考え難いためです。

自首を行うことができるのは,児童買春事件について捜査を受ける前の段階に限られますが,自首の余地がある場合には逮捕回避の有力な手段として検討することが望ましいでしょう。

③適切な捜査対応

既に捜査機関から呼び出されるなどし,捜査が継続されている場合には,その捜査への対応を適切に行うことで,逮捕を避けられる可能性が高まります。

児童買春事件の場合,逮捕せずに捜査が進められている状況下では,被疑者の捜査対応に問題がない限り逮捕しないまま捜査を遂げてもよいと考えられていることが通常です。呼び出しには確実に応じ,取調べにも可能な限りの回答をするなど,円滑な捜査への協力姿勢を明らかにすることで,逮捕のリスクは低下しやすい状況と言えるでしょう。

児童買春事件の逮捕は弁護士に依頼すべきか

児童買春事件の逮捕に関する検討や対応は,弁護士に依頼し,弁護士の専門的な見解を仰ぎながら進めることが望ましいです。弁護士と協同することで,具体的には以下のような利点が考えられます。

①逮捕リスクの大きさを判断してもらえる

児童買春事件の場合,将来における捜査や逮捕の可能性が児童側の事情によって大きく左右されるため,逮捕リスクを客観的に判断することが非常に困難な傾向にあります。
もっとも,事情や状況によっては,専門家である弁護士が精査することで現段階の逮捕リスクの大きさをある程度判断できる場合もあり得るところです。

逮捕リスクの大きさが分かれば,逮捕を防ぐためにどれだけ積極的な動きを取るべきかも判断しやすくなるため,適切な対応につながりやすいでしょう。

②逮捕回避のために適切な動きが分かる

逮捕回避の方法は,当事者間での解決(示談)や自首など複数ありますが,具体的なケースでどのような手段を取るべきかは,弁護士の専門的な判断に委ねることが望ましいところです。
また,どのような手段を講じれば,逮捕の回避はどの程度の可能性で実現できるか,というバランスも検討してもらうことができるため,事件の内容や状況に合った適切な動き方を選択することができるでしょう。

加えて,実際に逮捕回避の動きをする際には,対応の多くを弁護士に任せることができるため,自身の負担を軽減しながら適切な動きを取ることができます。

③示談が実施できる

逮捕回避のために有力な示談の試みは,弁護士に依頼しなければ行えないことが通常です。既に捜査が行われている場合には,弁護士が捜査機関に連絡をし,捜査機関から児童側に意向を確認してもらうことになります。その後,児童側から弁護士限りでの連絡先交換に了承が得られれば,示談交渉が開始できる,というのが一般的な流れです。

示談交渉の流れ

示談を通じた逮捕回避を目指す場合には,弁護士への依頼が不可欠と言えるでしょう。

児童買春事件の逮捕に関する注意点

①児童への接触方法

児童買春事件では,捜査が行われているか不明な段階で示談を試みる場合,児童に直接接触を図る必要があり得ます。児童の連絡先以外にめぼしい接触方法がなければ,児童へ連絡を取ることで示談交渉に着手せざるを得ない場合もあるでしょう。

この場合,決して当事者自身から示談を持ち掛けることがないように注意しましょう。当事者自身が行うのでなく,弁護士などの代理人を通じて連絡するのが適切です。
当事者が自ら示談交渉を試みる行為は,児童に圧力をかけて証拠隠滅を図ろうとしているのではないか,との誤解を招く恐れがあり,かえって逮捕の可能性が高くなる原因になりかねません。

②逮捕後の拘束期間

児童買春事件は,逮捕された場合の拘束期間に様々な可能性のある事件類型です。

早ければ,逮捕から2~3日の間に,勾留されることなく釈放される可能性もあります。早期釈放されれば,その後は在宅事件として取り扱われるため,社会生活に復帰することができます。
一方,事件によっては,最長20日間の勾留が行われた上,その後に余罪で再度逮捕勾留され,更に20日以上の身柄拘束が繰り返されることもあり得ます。余罪の数によっては,その期間が数か月に渡る可能性も否定できません。

個別の事件でどの程度の拘束期間が想定されるかは,専門性ある弁護士の見解を仰ぐことが望ましいでしょう。

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【児童買春事件の不起訴処分】不起訴処分となるための方法や不起訴処分の効果などを弁護士が解説

このページでは,児童買春事件の不起訴処分について知りたい方へ,不起訴処分を目指す方法や不起訴処分となった場合のメリットなどを弁護士が徹底解説します。不起訴処分を目指す場合の参考にしてみてください。

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児童買春事件で不起訴を目指す方法

①児童の年齢を知っていた場合

児童買春行為があり,かつ相手の年齢が18歳未満であると知っていた場合には,犯罪が成立するかどうかを争う余地に乏しいため,犯罪事実を認める前提で不起訴を目指すことが必要です。具体的には,児童側との間で示談を試み,当事者間での解決を図ることが有力でしょう。

児童側との示談を試みる場合,児童が未成年である関係で,お話合いの相手方は児童の親権者となることが一般的です。また,当事者間で直接示談交渉を行うのは困難であるため,弁護士に依頼し,弁護士と親権者との間で協議を行ってもらうことが必要となります。

児童との間で示談が成立し,児童側が不起訴を希望するに至れば,不起訴処分を実現するための貴重な材料になるでしょう。

ポイント
犯罪の成否を争うことは困難
親権者との示談を目指す方法が有力

②児童の年齢を知らなかった場合

児童との間で買春行為(金銭などを対価に性的な行為をすること)はあったものの,相手の児童の年齢を18歳未満だとは知らなかった場合,犯罪が成立するかどうかを争う余地が生じます。児童買春事件は,相手が児童(=18歳未満)であることが必要であるため,犯罪が成立するには,相手が児童であることの故意も要するのです。
この場合,「犯罪の故意がなかった」との主張を行うことが考えられます。犯罪の故意が立証できなければ,起訴は困難であるため,不起訴処分が見込まれることとなります。

もっとも,単に確認不足で年齢を知らなかった,という場合には,犯罪の故意があったと判断されやすい点に注意が必要です。年齢確認を怠っていた場合は,「18歳未満でも構わない」という心理状態であったと理解されますが,これは故意があると評価されてしまいます。
犯罪の故意がなかったと言えるためには,18歳以上であることを確認し,根拠を持って確信していたにもかかわらず,実際には18歳未満であった,といった事情が必要とされやすいでしょう。児童側が年齢を偽っていたケースなどが代表例です。

ポイント
犯罪の故意を争う余地がある
年齢確認を尽くしたことは必要

③全く心当たりがない場合

疑われている事件に全く心当たりがない場合,犯人が自分であるという点を争う方針が考えられます。被疑者が犯人であるか,という争点を「犯人性」と言いますが,この場合の対応は犯人性を争う,ということになります。犯人性が立証できないと,被疑者を起訴することは困難であるため,不起訴処分が見込まれます。

児童買春事件の場合,特に当事者がSNSなどのネット上のやり取りで知り合ったケースでは,当事者間で互いの身元が分からないことも少なくありません。そのため,周辺事情を元に被疑者の特定を目指した結果,犯人でない人が犯人と疑われる場合もあり得るところです。

このときの具体的な対応としては,自分の記憶するありのままを一貫して述べる,というものが最も適切でしょう。否認事件では,黙秘を選択するケースもありますが,心当たりがなく,自身の言い分が確かに存在する場合であれば,その内容を積極的に述べる方が有益です。
また,対応に際しては,内容に一貫性があることを重視するのが適切です。一貫性は,その話が信用できることの重要な判断材料となり,犯人性の立証が難しい,という判断を促すことにもつながる効果が期待できます。

ポイント
犯人性を争う
一貫性のある回答を心掛ける

児童買春事件で不起訴になる可能性

児童買春事件は,犯罪事実が明らかであれば,起訴をする方が一般的です。初犯であるから,反省しているからという理由で不起訴処分となることはあまりないでしょう。
特に,児童買春事件で起訴されやすい場合としては,以下のような例が挙げられます。

児童買春事件で起訴されやすいケース

1.児童の年齢が低い場合
→年齢が低ければ低いほど,刑事責任が重く,起訴されやすい

2.児童を強く唆した場合
→児童の自発的な判断でなく,児童を強く唆した事件の場合,責任が重く起訴されやすい

3.件数・回数が多い場合
→相手となった児童の数や児童買春の回数が多いほど,責任が重く起訴されやすい

4.児童の親権者が起訴を望む場合
→親権者の意向を酌む形で起訴されやすい

児童買春事件で不起訴を目指す場合には,不起訴を目指す積極的な動きが必要となります。この点,事後的に動かせる事情は,児童の親権者が起訴を望むかどうか,という点です。そのため,児童側との示談によって,起訴を望まないとの意向を獲得することが有力になりやすいでしょう。

不起訴の意味・種類

不起訴処分とは,検察官が事件を起訴しないとする処分をいいます。不起訴になった事件は,裁判の対象にならず,刑罰が科せられる可能性がなくなるため,前科がつくこともなくなります。

不起訴処分には,以下のような類型があります。

不起訴処分の類型

1.嫌疑なし
捜査の結果,犯罪の疑いがないと明らかになった場合です。真犯人が明らかになった場合などが代表例です。

2.嫌疑不十分
捜査を遂げた結果,犯罪を立証するための証拠が不十分であり,犯罪事実を立証できないと判断された場合です。具体例としては,犯人が特定できない場合などが挙げられます。

3.起訴猶予
犯罪事実は明らかに立証できるものの,犯罪者の年齢や性格,過去の経歴,犯行動機,犯罪後の事情などを踏まえ,検察官があえて起訴をしない場合です。被害者と示談が成立した場合などが代表例とされます。

4.その他の類型

・訴訟条件を欠く場合
→被疑者が死亡した場合,公訴時効が完成した場合など

・罪とならず
→被疑者の行為が犯罪に当たらない場合,被疑者が14歳未満の場合など

なお,犯罪事実が間違いなくある認め事件の場合,不起訴になる手段は基本的に「起訴猶予」を目指す以外にありません。起訴猶予は,検察官から大目に見てもらうという意味合いの処分であるため,認め事件では誠意ある対応を尽くすことが非常に重要となるでしょう。

ポイント
不起訴処分には,嫌疑なし,嫌疑不十分,起訴猶予等の類型がある
認め事件では起訴猶予を目指す必要がある

逮捕と不起訴の関係

逮捕をされてしまった場合でも,不起訴にならないわけではありません。逮捕された事件の最終的な処分が不起訴となって終了することは,数多く見られるところです。一方,逮捕されなかった事件(いわゆる在宅事件)でも不起訴処分になるとは限らず,在宅事件の処分が起訴という場合も珍しくありません。

これは,逮捕が捜査を行う手段の一つであるのに対し,不起訴が捜査の結果なされる処分であることに原因があります。
刑事事件の捜査は,逮捕をするかしないか,いずれかの方法で進行しますが,いずれの捜査手法を取ったとしても,起訴されるか不起訴となるかは同様に判断されることとなるのです。

刑事手続の流れ

なお,起訴されやすい事件が逮捕されやすい,という側面はあります。起訴されやすい事件は,類型的に重大な事件であることが多いところ,重大な事件では,重い処分を免れるために逃亡や証拠隠滅をされる恐れが大きいと判断される傾向にあると考えられます。そのため,被疑者の逃亡や証拠隠滅を防ぐための逮捕が必要になりやすいのです。
裏を返せば,逮捕された事件では,不起訴を獲得するにはより積極的な努力が必要となりやすいでしょう。弁護士に相談の上,不起訴を目指すために適切な対応を試みるようにしましょう。

ポイント
逮捕は捜査の手段,不起訴は捜査を終えた後の処分
逮捕と不起訴は両立する
起訴されやすい事件は逮捕されやすい傾向にある,という側面も

不起訴になった場合の効果

不起訴処分となった場合には,以下のような効果が生じます。

①前科がつかない

前科とは,刑罰を科せられた経歴を指しますが,不起訴となった場合には刑罰が科せられません。そのため,不起訴となれば刑罰の経歴=前科がつくことなく,刑事手続が終了することになります。

そして,前科がつかないことには,以下のようなメリットがあると考えられます。

前科がつかないことのメリット

1.資格に対する影響を避けられる

国家資格を用いた職業の場合,前科によって資格制限が生じると,仕事の継続ができない可能性が生じてしまいます。
前科がつかなければ,資格制限は生じず,仕事への悪影響もありません

2.就職・転職への影響を避けられる

前科のあることは,就職や転職の差異に不利益な事情として考慮されやすい傾向にあります。
前科がつかなければ,履歴書に前科を記載する必要もなく,就職先に刑事事件のことを知られずに済みます

3.海外渡航の制限を避けられる

前科がある場合,パスポートやビザ,エスタなどの手続に悪影響が生じ,海外渡航が認められない場合があります。
前科がつかなければ,海外渡航の制限が生じる事情もなくなるため,海外渡航を自由に行うことが可能です。

②釈放される

不起訴処分となった場合,身柄拘束されている状況であれば速やかに釈放されます。不起訴処分が出た以上,捜査のために身柄拘束を継続する必要がなくなるためです。

③逮捕されない

不起訴処分とされた事件では,その後に逮捕されることがありません。逮捕は,捜査を行う場合の選択肢の一つであるところ,不起訴処分によって捜査が終了するため,逮捕を行う余地もなくなるからです。
ただし,余罪がある場合には,余罪での逮捕が行われる可能性が残ります。

④取り調べを受けない

不起訴処分によって捜査が終了するため,警察や検察から取り調べを受けることがなくなります。もっとも,不起訴処分は今後の捜査を禁じるものではないため,新しい証拠が発見された場合には捜査が再開され,改めて取調べを受ける場合もあり得るところです。

児童買春事件で不起訴を目指す場合の注意点

①示談が成立しても起訴され得る

児童買春事件では,不起訴を目指す際に示談が有力な手段となりますが,示談が成立すれば全て不起訴になる,というわけではありません。示談が成立したことは,刑事責任を大きく減少させる事情ではありますが,刑事責任が全てなかったことになるものではないためです。

特に,児童買春事件は,児童個人に損害を与える面のほか,社会の性的な秩序を乱した,という面がある事件類型と理解されています。そのため,社会の秩序に悪影響を与えた面について責任を負わせるため,示談が成立していても起訴すべき,との判断になる可能性があり得るところです。

②余罪の起訴

児童買春事件は,捜査の過程で発覚した余罪についても,同じく起訴される可能性が低くない点に注意が必要です。

児童買春事件で余罪がある場合,相手の児童が特定できれば,その児童の年齢を確認したり,組織的な児童買春事件の可能性を検討したりするため,捜査機関が児童から直接話を聞くことも一定数見られます。このようにして余罪の具体的な捜査が行われると,余罪も刑事処分の対象となるため,余罪についても不起訴を目指すことが必要となります。

一件でも起訴されると,全体として不起訴の目的は実現できないことになるため,余罪で不起訴を目指す必要が生じ得る点も,あらかじめ想定しておくことが適切でしょう。

③贖罪寄付の効果

刑事事件で深い反省を示す手段として,「贖罪寄付(しょくざいきふ)」というものがあります。これは,反省と贖罪の気持ちを,金銭の寄付という形で表明するものです。薬物事件のように被害者がいない事件や,被害者がいても示談ができなかった事件などで利用されることがあります。
児童買春事件でも,児童側との示談が叶わなかった場合に,不起訴を目指す手段として検討することは一案です。

もっとも,贖罪寄付は,それのみで劇的に不起訴処分の確率を高めるようなものではない,という点に十分注意することが適切です。起訴不起訴の境界線上にあるような事件で,不起訴処分の後押しをする,というのが,贖罪寄付のような試みの基本的な位置づけと理解するのがよいでしょう。

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【児童買春事件の弁護士選び】弁護士を選ぶタイミングや方法,注意点などを解説

このページでは,児童買春事件の弁護士選びについてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。弁護士への依頼を検討する際の参考にご活用ください。

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児童買春事件で弁護士を選ぶタイミング

①逮捕直後

児童買春事件では,捜査に際して逮捕されるケースも少なくありません。しかし一方で,逮捕された児童買春事件で早期釈放がなされるケースも決して少なくはありません。
そのため,児童買春事件で逮捕された場合,その直後に適切な弁護士への依頼をすることによって,早期釈放につながる可能性も十分に考えられるでしょう。

もちろん,早期釈放が困難な児童買春事件も少なからずあるところです。ただ,今回の事件は早期釈放が可能か困難か,その理由は何か,という点を把握することができるのも,逮捕直後に弁護士を選ぶことの重要な利点と言えるでしょう。

ポイント
児童買春事件は,早期釈放が可能なケースも考えられる

②出頭を求められた後

児童買春事件で警察等から出頭を求められた場合,取調べ目的であることが見込まれます。取調室で事件の内容等を聴取し,供述調書という書面にまとめることが,呼び出しの目的であることが通常でしょう。
この点,取調べに際してどのような回答をすべきか,留意すべき点はあるか,といった問題は,個別の事件によって正解が異なりますが,今回の事件での正解を知るためには,専門家である弁護士の判断が不可欠です。事件の争点を法的に整理し,争点との関係で適切な対応を尽くすことが重要となるためです。
特に,児童買春事件で争点となりやすい特徴的なポイントもあるため,それらを押さえておくことでその後の対応が格段に行いやすくなる場合も少なくありません。

出頭を求められた段階は,その後の取調べ対応を万全なものとするため,適切な弁護士選びを行うべきタイミングと言えるでしょう。

ポイント
取り調べの対応方針は,弁護士の判断が適切

③起訴された後

児童買春事件で起訴される場合,「公判請求」と「略式請求」の二通りの方法があります。公判請求は,公開の裁判を行う手続,略式請求は公開の裁判を省略する手続ですが,一般的には略式手続の方が軽微な事件で用いられます。略式請求の場合,罰金刑を超える処分はできないため,罰金刑に収まる事件であることも必要です。

公判請求と略式請求

公判請求
→公開の裁判を行う。略式の場合よりも刑事責任が重いケース

略式請求
→公開の裁判を省略する。罰金刑にとどまるケース

この点,略式請求であれば書面の手続のみで終了しますが,公判請求の場合には公開の裁判を受ける準備が必要となります。公開の裁判でどのような対応を取るかは,刑事処分の結果を左右する重要なものであるため,その準備は弁護士に依頼して十分に行うことが適切です。
そのため,公判請求をされた場合には,公判の準備のため適切な弁護士を選ぶべきタイミングと言えます。

ポイント
公判請求された場合,裁判の準備が必要となる

④自首を試みるとき

児童買春事件は,事件の性質上,児童との間で秘密裏に行われることから,事件の発生から捜査機関の発覚までに相当程度の期間を要することが少なくありません。そのため,捜査機関に事件が発覚する前に自首をすることで,大きな不利益を回避できる場合もあります。
もっとも,自首をするべきかどうか,する場合にどのような方法で進めるか,という点は,当事者の方には判断が困難な問題であり,専門的な検討が不可欠です。

そのため,自首を試みるときには,専門性のある弁護士に依頼をし,弁護士の意見を仰ぎながら進めることが適切です。自首の検討をご希望のときは,弁護士選びを十分に行うことをお勧めします。

ポイント
事件の発生から発覚までに時間がかかりやすい
事件発覚前に自首することが有益な場合も

児童買春事件の弁護士を選ぶ基準

①児童買春事件の特徴を把握しているか

児童買春事件は,弁護士にとって意識すべき特徴が複数あります。これらの特徴を把握し,具体的な弁護活動や依頼者への案内に反映させられることは,弁護士にとって重要な能力と言えるでしょう。

児童買春事件の弁護活動における特徴

1.親権者の位置づけ
→児童は未成年であるため,児童側と示談などの接触を試みる場合には,法的には親権者を相手にする必要があります。もっとも,刑事事件の解決という限度では,児童自身との間で解決を図る方が適切なケースもあります。

2.示談の効果
→児童買春事件は,示談をしたとしても刑事処罰を受けないとは限りません。そのため,示談をしてもなお刑罰を受ける結果となる可能性には留意が必要です。

3.余罪の取り扱い
→同種の余罪がある場合,捜査機関に対してどのように述べるか,余罪の解決をどのように図るか,という点は,個別の事件により大きく異なります。

弁護士選びに際しては,児童買春事件の特徴を適切に把握しているかどうか,という点を重要な基準とすることをお勧めします。

②迅速な対応ができるか

児童買春事件の弁護活動は,動きが迅速であることが極めて重要となる場合が少なくありません。時間制限のある身柄事件はもちろん,円滑な児童側との示談に際しても,条件をすり合わせる弁護士のフットワークが大きな役割を果たしやすい傾向にあります。

もっとも,動きの迅速さは完全に個々の弁護士の判断に委ねられているのが現状です。迅速な対応をしてもらえるかどうかは弁護士次第,ということになってしまいます。
そのため,弁護士を選ぶ際には,その弁護士が迅速に動いてくれるタイプであるかどうか,という点を重視するのが有益でしょう。

③弁護士と円滑に連絡が取れるか

弁護士と連絡を取る方法や連絡の頻度は,弁護士により様々です。特に,「弁護士と連絡したくても連絡が取れない」という問題は,セカンドオピニオンとして相談をお受けする場合に最も多く寄せられるお話の一つです。
電話をしても常に不通となって折り返しがない,メールへの返信も全くない,といったように,弁護士との連絡が滞るという問題は生じてしまいがちです。

そのため,弁護士と円滑に連絡が取れるか,という点を重要な判断基準の一つとすることは,事件解決のために有力でしょう。

なお,法律事務所によっては,事務職員が窓口になって弁護士が直接には対応しない運用であるケースも考えられます。そのような運用が希望に合わない場合は,依頼後の連絡方法を具体的に確認することも有益でしょう。

④児童買春事件の示談に長けているか

児童買春事件の示談は,傷害事件や窃盗事件などの一般的な示談とは異なる面があります。それは,示談相手である児童が一方的な被害者とは言いづらい,という点です。
児童買春は,少なくとも当事者同士は合意をして行われたものであるため,被害者の意思に反して殴られた,盗まれたという事件とはいささか性質が異なるというわけです。

もっとも,児童が合意したことを理由に,児童側に対してある程度強気に出てよいかというと,そうではありません。そのような態度は,示談の成立を遠ざける意味しか持たないのが通常です。そもそも,児童の合意があっても犯罪行為であることに変わりはないため,児童が合意したという事実を示談の場に持ち出して交渉材料とするのは法的にも不合理でしょう。

弁護士選びに際しては,このような児童買春事件の特徴を踏まえ,円滑に示談の成立を引き出せる弁護士への依頼をお勧めします。

児童買春事件で弁護士を選ぶ必要

①早期釈放のため

逮捕後の早期釈放を目指す場合,具体的な活動は弁護士に委ねざるを得ません。接見で必要な話し合いを行ったり,ご家族と連絡を取り合ったり,捜査機関や裁判所に必要なアクションを尽くしたりと,早期釈放に向けて弁護士でしかできないことは多岐に渡ります。

児童買春事件では,逮捕後の適切な対応によって早期釈放が実現されるケースも一定数見られます。早期釈放が生活に及ぼす影響は極めて大きいため,逮捕を伴う児童買春事件で適切な弁護士を選ぶことは非常に重要と言えるでしょう。

②処分軽減のため

認め事件の場合,児童側との示談が処分軽減のために非常に有力な動きとなります。もっとも,示談の試みは,当事者間で直接行うことができないため,弁護士に依頼し,弁護士を通じて行うことが必要となります。
また,その後の示談交渉や示談の取り交わしなども,弁護士が主導する形で進めることが欠かせません。

処分の軽減を図る最も有力な手段が,弁護士なしでは試みられないということでもあるため,処分の軽減を図りたい場合には弁護士選びが必要不可欠と言えるでしょう。

③余罪の悪影響を防ぐため

児童買春事件は,余罪の存在することが比較的多い事件類型でもあります。この点,余罪が刑事処分にどのような影響を及ぼすかは,様々な事情によって大きく異なりやすいものです。同じ余罪であっても,刑事処分には特に影響しなくて済むケースもあれば,処分が重くなる大きな要因となるケースもあり得るところです。

そして,個別の事件で余罪が処分に影響し得るか,処分への影響を防ぐ手段はあるか,という点については,専門家の法的判断が不可欠です。余罪が刑事処分に悪影響を与える可能性が懸念される場合は,弁護士選びの必要性が高いと言えるでしょう。

④仕事への悪影響を防ぐため

刑事事件は,勤務先等による懲戒処分の原因となることが少なくありません。特に児童買春事件は,その内容の性質上,コンプライアンスの観点から懲戒処分に影響することが少なくない事件類型と言えます。
もっとも,適切な弁護活動が尽くされれば,懲戒処分など仕事への悪影響は防ぐことのできる場合も十分にあり得ます。事件の勤務先への発覚を予防する,発覚した場合でも軽微な処分を促す,といった対応によって,影響を最小限にとどめられる可能性は決して低くないでしょう。

仕事への影響が懸念される場合には,適切な弁護士選びを行うことが肝要です。

児童買春事件における弁護士選びの準備

①事件内容を説明する準備

弁護士選びに際しては,弁護士に十分な情報を伝えた上で,弁護士からの案内を受けることが不可欠です。弁護士が不十分な情報しか得られていないと,弁護士からの案内にミスマッチを感じたとしても,弁護士の力量や相性の問題なのかが正しく判断できません。

この点,児童買春事件では,以下の事情を伝えることが適切でしょう。

説明すべき内容

1.時期や場所

2.知り合った経緯

3.年齢を把握した方法,内容

4.性的な行為の具体的内容

5.対価の内容,対価をいつどのように決めたか

6.余罪の有無,内容,時期,数

②証拠となる資料を示す準備

児童とのやり取りの内容など,事件に関する証拠となり得るものが手元にある場合は,弁護士に示せるよう準備しておくことが有益です。児童との間で実際にどのようなやり取りをしていたのかが分かれば,弁護士からの案内もより精度が増す可能性があります。

また,児童買春事件の場合には,児童の性的な姿を撮影したもの(=児童ポルノ)の有無にも留意することが望ましいでしょう。児童ポルノを撮影したり,所持したりしている場合には,その行為が別途犯罪として処罰の対象となる可能性もあります。弁護士に正確な判断をしてもらうため,児童を撮影したものがある場合には弁護士と共有することをお勧めします。

③弁護士に要望を伝える準備

弁護士選びを行う場合には,弁護士に実現してほしい要望があるはずですが,その要望の内容は正しく弁護士に把握してもらえるように準備しておくのが望ましいでしょう。
弁護士選びを行う際の要望としては,逮捕を防ぎたい,前科を防ぎたい,周囲への発覚を防ぎたい,といった内容が代表的です。もっとも,事件の内容や状況によっては,要望の一部は実現できるもののほかは実現が困難である,という場合もあり得るところです。

最優先したい要望が,その弁護士への依頼によって実現可能かどうか,という点は,弁護士への依頼前に把握することが肝要です。そのために,自分の要望を弁護士に伝える準備を十分にしておくことをお勧めします。

児童買春事件で弁護士に依頼する場合の注意点

①余罪によって見通しが変わる可能性

刑事事件の取り扱いや処分は,対象となる事件の数によって異なることが一般的です。処分すべき事件が多ければ,それだけ捜査は長期間かかり,処分も事件の数に比例して重くなることが見込まれやすくなります。

余罪は,そのすべてが捜査や処分の対象となるわけではありませんが,児童買春事件の場合,芋づる式に複数の事件が捜査されることも多い傾向にある事件類型と言えます。そのため,児童買春事件の見通しは余罪によって変わり得る,という点に注意することが望ましいでしょう。

②身柄事件のスケジュール

逮捕などの身柄拘束を伴う事件を,身柄事件と呼びます。この身柄事件は,法律で定められた期間制限の中で処理する必要があるため,厳密なスケジュールがあることに注意することが望ましいでしょう。

逮捕をされると,最大72時間以内に「勾留」という手続に移行するかが判断されます。勾留されると,引き続き10日間の身柄拘束が行われ,更に「勾留延長」がなされると勾留が最大10日間延長となります。

逮捕から起訴までの流れ

裏を返すと,逮捕から最長22~23日ほどの間に捜査が終結し,起訴又は不起訴の判断が行われることになります。そのため,不起訴を目指すための弁護士選びは,このスケジュールを念頭に,極力早期に進めることが必要です。

③年齢に関する争点の重要性

児童買春事件は,児童(=18歳未満の男女)を相手とした事件です。一方,18歳以上を相手に同様の行為をした場合,売春防止法で禁じられる違法な行為である可能性は高いものの,罰則の対象ではないため犯罪とはならないのが一般的です。そのため,相手が18歳未満であることは,犯罪が成立するかどうかという点で非常に重要なポイントになります。

具体的には,以下のような問題が生じ得るところです。

児童買春事件で年齢が問題になるケース

1.相手の年齢が実際に18歳未満でない可能性がある場合

2.相手の年齢が18歳以上だと信じていた場合

児童買春事件の場合,年齢に関する争点は極めて重大なものとなるため,年齢が争点となる場合には弁護士の専門的な判断を仰ぐことを強くお勧めします。

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児童買春事件で示談する必要性|逮捕・不起訴の可能性を踏まえて示談のメリットや金額などを解説

「児童買春行為で警察に摘発されてしまった…相手と示談を結ぶことで前科を避けられるのだろうか?」

「示談を進めるうえでの注意点や流れが知りたい。」

そう思う方もいるのではないでしょうか。

児童買春に関する事件では、示談の成立が刑事処分に大きく影響する可能性があります。

ただし、相手方との示談交渉は慎重に進めなければ逆効果になるリスクもあるため、正しい知識と手順を理解することが重要です。

本記事では、児童買春の示談の意味や成立のポイント、示談を成功させるための流れ、注意点について詳しく解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

児童買春とは

児童買春とは、18歳未満の児童に対して金銭その他の財産上の利益を与える約束をした上で、性的な行為を行うことです。

ここからは、以下2つの内容について深掘りしていきます。

  • 児童買春の刑罰内容
  • 児童買春に関連する刑罰

児童買春の刑罰内容

児童買春を行った場合、日本の法律では非常に重い刑罰が科される可能性があります。

具体的には、「児童買春・児童ポルノ禁止法」第4条により、児童に対して金銭等を与えて性交や類似行為を行った者は「5年以下の懲役または300万円以下の罰金」に処されると定められています。

第四条

児童買春をした者は、五年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
引用:e-Gov法令検索「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」

この刑罰は、単に買春行為を行っただけでなく、児童の性的自己決定権を侵害した重大な行為であるという観点から重く評価されています。

また、初犯であっても起訴されるリスクがあり、示談が成立していたとしても不起訴になるとは限りません。

逆に示談が成立しなかった場合、裁判に進む可能性が高くなります。

実際の運用では、被害者(児童)やその保護者との示談の成立や謝罪の意思、再犯防止への取り組みなどが処分を決める際の判断材料となります。

児童買春に該当する行為は一時の過ちであっても、人生に大きな影響を与える重大な刑事事件であると認識すべきです。

児童買春に関連する刑罰

児童買春そのものに対する刑罰に加えて、それに関連する行為についても法的に罰則が設けられています。

たとえば、児童買春を助長するような勧誘行為や、児童と買春の場をセッティングする行為(いわゆる「周旋行為」)は、同法第6条・第7条などにより処罰対象です。

具体的には、児童買春の周旋を行った者は「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に処されることがあります。

さらに、スマートフォンやSNSを使って児童を買春に誘導したり、援助交際を匂わせるメッセージのやりとりを行った場合でも、「児童誘引罪」として刑事罰の対象となります。

実際に性交に至らなくても、性的な行為を約束したうえで会っただけでも処罰される可能性がある点に注意が必要です。

児童買春事件で逮捕される可能性

児童買春事件は,捜査に際して逮捕される可能性が十分に考えられる事件類型です。逮捕をされるケース,されないケースはいずれもありますが,逮捕の可能性が高くなりやすい要因や,逮捕されやすい場合の特徴としては,以下のような点が挙げられます。

逮捕の可能性が高まる要因

1.児童への悪影響を防ぐため

2.今後の事件発生を防ぐため

特に対処をしない場合、基本的には起訴されると考えるのが適切です。弁護士を通じて示談などの必要な対応を取った場合は、結果が伴えば大部分のケースで不起訴が目指せる印象です。

1.児童への悪影響を防ぐため

児童買春事件の場合,同一の児童と複数回に渡って行為が行われるケースも少なくありません。そのため,児童が多数の児童買春事件に関与した結果,児童の性風俗の乱れが深刻化する可能性が懸念されやすく,これを防ぐために逮捕がなされる場合が考えられます。

また,児童自身が児童買春事件の重要な証拠であるため,児童に圧力をかけるなどして口止めを図ろうとする可能性が懸念される場合もあります。児童が証拠隠滅行為による被害を受けることのないよう,逮捕によって当事者間の接触を防ぐことが考えられます。

今後の事件発生を防ぐため

児童買春事件では,複数の児童を相手に多数回の行為が行われる場合も少なくありません。そのため,今後,他の児童を相手に児童買春事件が起きることを防ぐ目的で逮捕がなされる可能性が考えられます。

そのほか,逮捕されやすいケースの例としては,以下のような場合が挙げられます。

逮捕されやすいケース

1.児童の年齢が低い場合
→年齢が低いほど逮捕リスクが高い

2.多数の余罪が見込まれる場合
→余罪の数が際立っていると,逮捕リスクが高い

3.被疑者が罪証隠滅を図った場合
→児童と口裏合わせを試みたり,物証を処分したりしている場合,逮捕リスクが高い

児童買春事件で逮捕を避ける方法

①当事者間での解決

児童買春事件は,当事者間で既に解決している場合,その後に捜査が開始されることは現実的に考えづらいです。そして,捜査が行われない限り,捜査上の手続の一つである逮捕も行われないため,当事者間での解決は逮捕を防ぐための有力な手段と言えます。

当事者間で速やかに解決する余地がある場合には,積極的に解決を目指すことが有益でしょう。

②自首

被疑者が積極的に自首を行った場合,逮捕の必要性は低いと評価されることが通常です。自首は,自ら捜査機関に犯罪事実を明らかにする行為であって,自分から犯罪を告げてきた被疑者が逃亡や証拠隠滅を図るとは考え難いためです。

自首を行うことができるのは,児童買春事件について捜査を受ける前の段階に限られますが,自首の余地がある場合には逮捕回避の有力な手段として検討することが望ましいでしょう。

③適切な捜査対応

既に捜査機関から呼び出されるなどし,捜査が継続されている場合には,その捜査への対応を適切に行うことで,逮捕を避けられる可能性が高まります。

児童買春事件の場合,逮捕せずに捜査が進められている状況下では,被疑者の捜査対応に問題がない限り逮捕しないまま捜査を遂げてもよいと考えられていることが通常です。呼び出しには確実に応じ,取調べにも可能な限りの回答をするなど,円滑な捜査への協力姿勢を明らかにすることで,逮捕のリスクは低下しやすい状況と言えるでしょう。

児童買春事件で不起訴になる可能性

児童買春事件は,犯罪事実が明らかであれば,起訴をする方が一般的です。初犯であるから,反省しているからという理由で不起訴処分となることはあまりないでしょう。
特に,児童買春事件で起訴されやすい場合としては,以下のような例が挙げられます。

児童買春事件で起訴されやすいケース

1.児童の年齢が低い場合
→年齢が低ければ低いほど,刑事責任が重く,起訴されやすい

2.児童を強く唆した場合
→児童の自発的な判断でなく,児童を強く唆した事件の場合,責任が重く起訴されやすい

3.件数・回数が多い場合
→相手となった児童の数や児童買春の回数が多いほど,責任が重く起訴されやすい

4.児童の親権者が起訴を望む場合
→親権者の意向を酌む形で起訴されやすい

児童買春事件で不起訴を目指す場合には,不起訴を目指す積極的な動きが必要となります。この点,事後的に動かせる事情は,児童の親権者が起訴を望むかどうか,という点です。そのため,児童側との示談によって,起訴を望まないとの意向を獲得することが有力になりやすいでしょう。

児童買春で示談する必要性とは

児童買春で示談する必要性は主に以下のとおりです。

  • 不起訴処分を得るための重要な手段となる
  • 量刑判断において情状酌量の材料となる
  • 民事上の責任を整理する

詳しく解説します。

不起訴処分を得るための重要な手段となる

児童買春の事件で警察に摘発された場合、最終的に起訴されるか否かは検察官の判断に委ねられます。

この段階で被害者との示談が成立しているかどうかは、不起訴処分を得られるかどうかに大きな影響を及ぼします。

特に初犯で反省の意思が見られ、被害者と円満に示談が成立している場合、検察官が「訴追の必要性なし」と判断し、不起訴処分となる可能性が高いです。

不起訴処分となれば、刑事裁判にかけられることもなく、前科がつかないというメリットがあります。

将来的な就職や社会生活への影響を最小限に抑えるためには、不起訴処分を狙う必要があるでしょう。

ただし、示談があれば必ず不起訴になるというわけではなく、事件の悪質性や再犯の可能性など総合的な要素を踏まえた判断がなされます。

そのため、示談を結ぶ際には、弁護士の助言を受けつつ、形式的な合意にとどまらず、誠意ある対応を示すことが求められます。

量刑判断において情状酌量の材料となる

もし児童買春の容疑で起訴されてしまった場合でも、裁判所が下す量刑判断において、示談の成立は情状酌量の材料として重要視されます。

示談とは、被害者に対する謝罪と償いの具体的な行動のひとつであり、その意思を形として示す行為です。

裁判においては、加害者がどのように反省し、被害者との関係修復に努めたかという姿勢が、判決における刑の軽減へとつながる場合があります。

実際に、同種の事件で執行猶予付き判決となったケースの多くで、示談の成立が判断に影響を与えたとされています。

また、被害者が加害者を許し、処罰を望まない旨を示す「宥恕(ゆうじょ)」の意志を示す文書がある場合、それが量刑に直接反映されることもあるでしょう。

ただし、形式的な示談では裁判官に誠意が伝わらず、軽減要素と見なされないこともあるため、誠実な対応が前提となります。

民事上の責任を整理する

児童買春事件では、刑事責任とは別に、被害者側から損害賠償請求を受ける可能性もあります。

これは民事上の責任に該当し、被害者が受けた精神的苦痛に対する慰謝料請求が中心となります。

示談を結ぶことは、このような民事的な責任問題を早期に解決し、将来的な紛争の長期化を防ぐという意味でも有効な手段です。

示談書においては、「今後一切の請求を行わない」といった条項を盛り込むことで、再度同じ被害者から損害賠償を請求されるリスクを防げます。

加害者側にとって、精神的・経済的負担を軽減する上で大きな安心材料となるでしょう。

児童買春と示談

児童買春事件における示談と不起訴の関係

児童買春は,児童(=18歳未満の男女)に対して金銭などの対価を渡す代わりに,性的な行為をしてもらうことを言います。これは,判断能力が成熟していない児童のスキに付け込んで性的な関係に引きずり込むという問題があるため,犯罪として禁じられ,処罰の対象とされています。

この児童買春事件は,児童を相手とするもので,児童が安易に性的な行為に走ってしまうという不利益を負わせるものであるため,児童に被害を及ぼす事件であることは間違いありません。したがって,児童買春事件において示談を行うことは非常に重要な動きとなります。
示談が成立すれば,児童買春事件の処分は大きく軽減されるでしょう。

しかしながら,児童買春の事件は示談をしても不起訴に直結するとは限りません。これは,児童買春事件の「保護法益」が複数あり,示談だけではそのすべてを手当てできないためです。

窃盗や痴漢といった事件は,被害者個人の利益のみが保護法益とされます。この個人の利益は,侵害された本人が許せば埋め合わせられるものであるため,示談ができ,被害者本人が法益の侵害を許すことで,十分な回復が可能です。

しかし,児童買春事件の場合,この個人の利益のみでなく,児童が健全に成長できるため,社会から性的搾取や性的虐待を防ぐという社会全体の利益も保護の対象としています。児童個人が許したとしても,社会全体の利益を害したことへの処罰は必要なままであるため,示談=不起訴とはならないのです。

児童買春事件の保護法益

児童個人の利益(個人的法益)
性的搾取のない社会を守る利益(社会的法益)

児童との示談で責任が軽減するのは「個人的法益」の面のみ

児童買春事件で示談するメリット

児童買春事件で示談をすることには数多くのメリットがあるということができます。具体的には以下の各点が挙げられるでしょう。

①刑事処分の軽減

児童買春事件において示談をしても不起訴とは限らない,ということは,決して示談が刑事処分を軽減する効果を生まないという意味ではありません。示談ができれば,刑事処分は非常に大きく軽減することになります

これは,示談によって児童個人の利益(個人的法益)を害したことへの刑事責任を負わせる必要がほぼなくなるためです。これは,刑事責任の重さを考慮する上で無視することのできないものです。
児童買春に社会的法益を守る側面があると言っても,個別の事件で問題になるのはその児童であることに変わりはないため,示談が評価されて不起訴処分に至るケースは現実に数多く存在します。

裏を返せば,この個人的法益に対する刑事責任を軽減させる手段は,示談以外にありません。示談以上に刑事責任を軽減させられる行動も現実的には存在しないため,示談の持つ意味は極めて大きいと考えるべきでしょう。

②逮捕の防止

示談が成立した児童買春事件は,その後に逮捕される可能性が極めて小さくなります。

児童買春事件の場合,捜査を行う際に逮捕を伴うことは少なくありません。逮捕は,逃亡や証拠隠滅を防ぐ目的で行われますが,児童買春事件では加害者が児童に連絡を取る手段を持っていることが多く,加害者と児童との接触を防ぐために逮捕される場合があります。
また,事件類型的に余罪が多い傾向にあり,児童ポルノ画像,映像を所持している場合も少なくないため,これらの証拠隠滅を防ぐ目的も兼ねて,逮捕の上で捜査することが一定数見られます。

しかしながら,児童買春事件について示談が成立した場合,少なくともその事件で逮捕をする必要はほとんどなくなります。示談が成立している以上,加害者が児童に何らかの損害を与える見込みがないためです。
また,余罪のみを理由とした逮捕は法的に認められないため,余罪の具体的な疑いや証拠がなければ,余罪が逮捕につながることもありません。

そのため,児童買春事件では,逮捕されず在宅捜査されている段階で示談を目指すことが非常に有力と言えるでしょう。

③逮捕後の早期釈放

児童買春事件で逮捕されてしまった場合,示談が成立すれば早期に釈放される可能性が非常に高くなります。
示談が成立する場合,加害者は児童に謝罪や支払などの誠意を尽くしていることが明らかであるので,釈放しても不利益につながる見込みがないためです。

特に,捜査機関に対して犯罪事実を認めている状況だと,あわせて示談が成立することで早期釈放の可能性は飛躍的に高まると言えるでしょう。認め事件で逮捕勾留されてしまった場合には,迅速に示談を目指すことが非常に重要です。

ポイント 示談のメリット
処分軽減
逮捕防止
早期釈放

児童買春事件で示談をする方法

児童買春事件の場合,児童と直接連絡を取る手段があれば,児童に連絡を試みる手段も思い浮かぶかもしれません。しかし,自分で児童と直接連絡を取って示談を目指すことは適切ではありません。
その具体的な理由としては,以下の点が挙げられます。

当事者同士で示談の連絡を試みるべきでない理由

1.児童本人に示談をする能力がない
→親権者に無断で行った示談は取り消される可能性がある

2.児童に対する脅迫や強要を疑われる可能性がある
→親権者に発覚した際,脅迫や強要の疑いを晴らす手段がない

3.逮捕のリスクが高くなる恐れがある
→児童への働きかけによる証拠隠滅を疑われかねない

以上の通り,当事者同士で示談の連絡を試みることは,示談の効力そのものに問題があるのみならず,自ら逮捕の危険を招く結果になる可能性すらある不適切な行為です。

示談を目指す場合は,捜査されている状況かどうかによって,以下のいずれかの方法を取るのが適切です。

適切な示談の試み方

1.捜査されていない場合
→①弁護士から児童側に連絡を取ってもらう
→②警察に出頭(自首)した後,弁護士から捜査機関に連絡を取ってもらう

2.捜査されている状況の場合
→弁護士から捜査機関の担当者に連絡を取ってもらう

いずれの場合も,弁護士を窓口にして連絡を行うことが肝要です。弁護士であれば,脅迫や強要による証拠隠滅行為をすることはないと理解してもらえるため,示談交渉が円滑に進められます。
なお,捜査機関に連絡を入れる場合の示談交渉に至る流れは以下の通りです。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

児童買春事件の示談金相場

児童買春事件の場合,30万円前後が示談金額の目安にされることが多く見られます。刑事事件の示談は加害者側が譲歩しやすいことを考慮しても,あまりに悪質な手口で児童買春に誘い込んでいる場合を除き,30~50万円ほどでの合意が相場とされやすいでしょう。

個別の示談金額は,事件の内容や双方の意向によって左右されますが,金額を増減させやすい事情としては,以下の点が挙げられます。

示談金額を増減させる事情

1.児童買春に至る経緯
→児童を執拗に誘うなど,意思決定に強い影響を与えている場合には増額されやすい

2.性行為の内容
→児童が希望しない行為をさせた場合には増額されやすい

3.頻度・回数
→頻度が高く,回数が多いほど増額されやすい

4.児童への悪影響
→生活の乱れや精神疾患につながっている場合は増額されやすい

児童買春事件の示談内容・条項

①一般的な示談条項

【確認条項】

加害者の被害者に対する支払金額を確認する条項です。

【給付条項】

確認条項に記載した金銭の支払をどのように行うのかを定める条項です。

【清算条項】

示談で定めた条項以外には,当事者間に権利義務の関係がないことを定める条項です。当事者間には,加害者が児童へ損害賠償を支払う義務が生じる可能性もありますが,清算条項を設けることによってその点が紛争化することも予防できます。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項とは,被害者が加害者を許す,という意味の条項です。
示談が刑事処分に有利な影響を及ぼすのは,基本的にこの宥恕条項があるためです。被害者が加害者を許している,という事実が,刑事処分を劇的に軽減させる要素となります。

②児童買春事件で特に定めやすい条項

【連絡先や連絡方法の消去】

今後当事者間で連絡を取ることがないよう,連絡先や連絡に用いていたSNSアカウントなどを消去することがあります。SNSアカウントに関しては,再作成も不可能ではないため,アカウントの再作成をしないという約束を取り交わすケースもあり得ます。

【接触禁止】

当事者間で連絡を取らないことをより確かにするため,連絡等の接触を禁止する旨を明記することがあります。
接触しないことをより強く約束する場合には,約束に反した場合に違約金を支払うという約束をすることもあります。

【口外禁止】

児童売春の事実は,加害者はもちろん児童にとっても流出を防ぎたい情報であることが通常です。そのため,口外の禁止を児童側から求められる場合も考えられます。
口外禁止条項を設ける場合は,双方に口外を禁止することが一般的です。

児童買春事件の示談で注意すべきこと

①捜査されていない段階で示談を試みるか

児童買春事件が捜査されていない段階では,自分から積極的にアクションを取らなければ示談交渉の開始自体が困難です。具体的には,以下のような方法が挙げられます。

捜査されていない段階で示談交渉の開始を目指す方法

1.弁護士から児童側に連絡を取ってもらう
2.警察に出頭(自首)した後,弁護士から捜査機関に連絡を取ってもらう

しかしながら,これらの手段は,自分から事件の捜査・処分を招く結果になるリスクがあります。つまり,「動かなければ捜査されなかったのに,動いたばかりに捜査・処分の対象になってしまった」という結果になる可能性があるのです。

円滑に示談ができれば,刑事処罰を受けずに済む可能性は高くなりやすいですが,示談が不成立に終わった場合には問題が大きくなります。処分を防ぐために動いたにもかかわらず,動いたことでかえって処罰を受けてしまうことも否定できないのです。

そのため,捜査されていない状況で児童側との示談を検討する場合には,勢いに任せた判断を避け,刑事事件に強い弁護士への十分な相談を尽くすようにしましょう。

②余罪がある場合にどこまで示談が必要か

児童買春事件は,一人を相手に1件だけ行った,という場合よりも,複数人を相手に複数回行った,という場合の方が多い傾向にあります。つまり,児童買春事件は余罪が多くなりやすい事件類型ということができます。
そして,余罪がある場合には,その余罪について示談をするべきなのか,余罪がいくつかあればどの件を示談すべきなのか,という点が重要な問題になります。

この点,結論的には,「捜査の対象となった件について,そのすべてを示談する」のが最も適切でしょう
余罪の中には,具体的な捜査・処分の対象とされる件とそうでない件があります。その違いは,主に「児童(又は親権者)が警察に捜査を求めているか」によって区別されるのが一般的です。言い換えれば,児童側が捜査を求めたときに,それをきっかけにして捜査が行われる傾向にあります

具体的な捜査の対象となった事件は,すべて起訴される可能性があり,起訴されれば刑罰を受ける(=前科が付く)結果となってしまいます。そして,捜査されている件が複数ある場合,ある事件で示談をしても他の事件の処分には影響を及ぼしません。示談をした児童は,他の事件に関しては他人でしかないためです。

そのため,「捜査の対象となった件について,そのすべてを示談する」べきということになるのです。
逆に,具体的な捜査の対象となっていない件については,示談をすることに不利益こそありませんがメリットもないため,積極的に示談を試みる対象とする実益はないでしょう。児童側で問題になっていない以上,こちらから問題として蒸し返す必要がないとも言えます。

③親権者が強い悪感情を持っていないか

児童買春事件の場合,示談交渉の相手は親権者になるのが通常ですが,親権者の対応は個別のケースによって様々です。代表的には,以下のような場合が多く見られます。

示談相手となる親権者の対応

.児童側にも大きな問題があったと考えている
2.内容次第では円滑な解決を想定している
3.児童を唆して性的行為に至ったことを強く憤っている

親権者の感情としては,「1」が最も穏やかであり,「3」が最も強い悪感情であるということになりますが,具体的なケースがいずれに当たるかは連絡を試みてみなければわかりません。
場合によっては,親権者が児童から問題の断片だけしか聞き取っていない場合もあり,そのために強い憤りを示されることも少なくありません。

児童買春事件は,児童の了承を得て性的行為に及ぶものであるため,「お互い様」という面があると考えることも不可能ではありません。しかし,示談を試みる場合には,「お互い様」発想を親権者も持っているとは限らないということを十分に想定しておくことをお勧めします。

児童買春事件で弁護士を選ぶタイミング

①逮捕直後

児童買春事件では,捜査に際して逮捕されるケースも少なくありません。しかし一方で,逮捕された児童買春事件で早期釈放がなされるケースも決して少なくはありません。
そのため,児童買春事件で逮捕された場合,その直後に適切な弁護士への依頼をすることによって,早期釈放につながる可能性も十分に考えられるでしょう。

もちろん,早期釈放が困難な児童買春事件も少なからずあるところです。ただ,今回の事件は早期釈放が可能か困難か,その理由は何か,という点を把握することができるのも,逮捕直後に弁護士を選ぶことの重要な利点と言えるでしょう。

ポイント
児童買春事件は,早期釈放が可能なケースも考えられる

②出頭を求められた後

児童買春事件で警察等から出頭を求められた場合,取調べ目的であることが見込まれます。取調室で事件の内容等を聴取し,供述調書という書面にまとめることが,呼び出しの目的であることが通常でしょう。
この点,取調べに際してどのような回答をすべきか,留意すべき点はあるか,といった問題は,個別の事件によって正解が異なりますが,今回の事件での正解を知るためには,専門家である弁護士の判断が不可欠です。事件の争点を法的に整理し,争点との関係で適切な対応を尽くすことが重要となるためです。
特に,児童買春事件で争点となりやすい特徴的なポイントもあるため,それらを押さえておくことでその後の対応が格段に行いやすくなる場合も少なくありません。

出頭を求められた段階は,その後の取調べ対応を万全なものとするため,適切な弁護士選びを行うべきタイミングと言えるでしょう。

ポイント
取り調べの対応方針は,弁護士の判断が適切

③起訴された後

児童買春事件で起訴される場合,「公判請求」と「略式請求」の二通りの方法があります。公判請求は,公開の裁判を行う手続,略式請求は公開の裁判を省略する手続ですが,一般的には略式手続の方が軽微な事件で用いられます。略式請求の場合,罰金刑を超える処分はできないため,罰金刑に収まる事件であることも必要です。

公判請求と略式請求

公判請求
→公開の裁判を行う。略式の場合よりも刑事責任が重いケース

略式請求
→公開の裁判を省略する。罰金刑にとどまるケース

この点,略式請求であれば書面の手続のみで終了しますが,公判請求の場合には公開の裁判を受ける準備が必要となります。公開の裁判でどのような対応を取るかは,刑事処分の結果を左右する重要なものであるため,その準備は弁護士に依頼して十分に行うことが適切です。
そのため,公判請求をされた場合には,公判の準備のため適切な弁護士を選ぶべきタイミングと言えます。

ポイント
公判請求された場合,裁判の準備が必要となる

④自首を試みるとき

児童買春事件は,事件の性質上,児童との間で秘密裏に行われることから,事件の発生から捜査機関の発覚までに相当程度の期間を要することが少なくありません。そのため,捜査機関に事件が発覚する前に自首をすることで,大きな不利益を回避できる場合もあります。
もっとも,自首をするべきかどうか,する場合にどのような方法で進めるか,という点は,当事者の方には判断が困難な問題であり,専門的な検討が不可欠です。

そのため,自首を試みるときには,専門性のある弁護士に依頼をし,弁護士の意見を仰ぎながら進めることが適切です。自首の検討をご希望のときは,弁護士選びを十分に行うことをお勧めします。

ポイント
事件の発生から発覚までに時間がかかりやすい
事件発覚前に自首することが有益な場合も

児童買春事件の弁護士を選ぶ基準

①児童買春事件の特徴を把握しているか

児童買春事件は,弁護士にとって意識すべき特徴が複数あります。これらの特徴を把握し,具体的な弁護活動や依頼者への案内に反映させられることは,弁護士にとって重要な能力と言えるでしょう。

児童買春事件の弁護活動における特徴

1.親権者の位置づけ
→児童は未成年であるため,児童側と示談などの接触を試みる場合には,法的には親権者を相手にする必要があります。もっとも,刑事事件の解決という限度では,児童自身との間で解決を図る方が適切なケースもあります。

2.示談の効果
→児童買春事件は,示談をしたとしても刑事処罰を受けないとは限りません。そのため,示談をしてもなお刑罰を受ける結果となる可能性には留意が必要です。

3.余罪の取り扱い
→同種の余罪がある場合,捜査機関に対してどのように述べるか,余罪の解決をどのように図るか,という点は,個別の事件により大きく異なります。

弁護士選びに際しては,児童買春事件の特徴を適切に把握しているかどうか,という点を重要な基準とすることをお勧めします。

②迅速な対応ができるか

児童買春事件の弁護活動は,動きが迅速であることが極めて重要となる場合が少なくありません。時間制限のある身柄事件はもちろん,円滑な児童側との示談に際しても,条件をすり合わせる弁護士のフットワークが大きな役割を果たしやすい傾向にあります。

もっとも,動きの迅速さは完全に個々の弁護士の判断に委ねられているのが現状です。迅速な対応をしてもらえるかどうかは弁護士次第,ということになってしまいます。
そのため,弁護士を選ぶ際には,その弁護士が迅速に動いてくれるタイプであるかどうか,という点を重視するのが有益でしょう。

③弁護士と円滑に連絡が取れるか

弁護士と連絡を取る方法や連絡の頻度は,弁護士により様々です。特に,「弁護士と連絡したくても連絡が取れない」という問題は,セカンドオピニオンとして相談をお受けする場合に最も多く寄せられるお話の一つです。
電話をしても常に不通となって折り返しがない,メールへの返信も全くない,といったように,弁護士との連絡が滞るという問題は生じてしまいがちです。

そのため,弁護士と円滑に連絡が取れるか,という点を重要な判断基準の一つとすることは,事件解決のために有力でしょう。

なお,法律事務所によっては,事務職員が窓口になって弁護士が直接には対応しない運用であるケースも考えられます。そのような運用が希望に合わない場合は,依頼後の連絡方法を具体的に確認することも有益でしょう。

④児童買春事件の示談に長けているか

児童買春事件の示談は,傷害事件や窃盗事件などの一般的な示談とは異なる面があります。それは,示談相手である児童が一方的な被害者とは言いづらい,という点です。
児童買春は,少なくとも当事者同士は合意をして行われたものであるため,被害者の意思に反して殴られた,盗まれたという事件とはいささか性質が異なるというわけです。

もっとも,児童が合意したことを理由に,児童側に対してある程度強気に出てよいかというと,そうではありません。そのような態度は,示談の成立を遠ざける意味しか持たないのが通常です。そもそも,児童の合意があっても犯罪行為であることに変わりはないため,児童が合意したという事実を示談の場に持ち出して交渉材料とするのは法的にも不合理でしょう。

弁護士選びに際しては,このような児童買春事件の特徴を踏まえ,円滑に示談の成立を引き出せる弁護士への依頼をお勧めします。

児童買春事件で弁護士に依頼する場合の注意点

①余罪によって見通しが変わる可能性

刑事事件の取り扱いや処分は,対象となる事件の数によって異なることが一般的です。処分すべき事件が多ければ,それだけ捜査は長期間かかり,処分も事件の数に比例して重くなることが見込まれやすくなります。

余罪は,そのすべてが捜査や処分の対象となるわけではありませんが,児童買春事件の場合,芋づる式に複数の事件が捜査されることも多い傾向にある事件類型と言えます。そのため,児童買春事件の見通しは余罪によって変わり得る,という点に注意することが望ましいでしょう。

②身柄事件のスケジュール

逮捕などの身柄拘束を伴う事件を,身柄事件と呼びます。この身柄事件は,法律で定められた期間制限の中で処理する必要があるため,厳密なスケジュールがあることに注意することが望ましいでしょう。

逮捕をされると,最大72時間以内に「勾留」という手続に移行するかが判断されます。勾留されると,引き続き10日間の身柄拘束が行われ,更に「勾留延長」がなされると勾留が最大10日間延長となります。

逮捕から起訴までの流れ

裏を返すと,逮捕から最長22~23日ほどの間に捜査が終結し,起訴又は不起訴の判断が行われることになります。そのため,不起訴を目指すための弁護士選びは,このスケジュールを念頭に,極力早期に進めることが必要です。

③年齢に関する争点の重要性

児童買春事件は,児童(=18歳未満の男女)を相手とした事件です。一方,18歳以上を相手に同様の行為をした場合,売春防止法で禁じられる違法な行為である可能性は高いものの,罰則の対象ではないため犯罪とはならないのが一般的です。そのため,相手が18歳未満であることは,犯罪が成立するかどうかという点で非常に重要なポイントになります。

具体的には,以下のような問題が生じ得るところです。

児童買春事件で年齢が問題になるケース

1.相手の年齢が実際に18歳未満でない可能性がある場合

2.相手の年齢が18歳以上だと信じていた場合

児童買春事件の場合,年齢に関する争点は極めて重大なものとなるため,年齢が争点となる場合には弁護士の専門的な判断を仰ぐことを強くお勧めします。

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児童買春事件とは?どんな法律で規制されている?一般的な刑罰は?徹底解説

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このページでは,児童買春について知りたい児童買春で逮捕や前科を防ぎたい,という方に向けて,児童買春に関する法律や弁護活動について解説します。

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児童買春とは

児童買春とは,いわゆる児童ポルノ法で禁じられている犯罪行為の一種ですが,その基本的な内容は,

①18歳未満に対して
②対価を渡して
③性的な行為をすること

ということができます。
対価については,金銭に限らず,プレゼントや食事も含まれます。


また,対象となる性行為には,

①性交(挿入)
②性交類似行為(口淫や手淫等)
③性器・肛門・乳首を触ったり触らせたりすること


が含まれます。

児童買春の刑罰は,5年以下の懲役又は300万円以下の罰金とされています。
児童の数や年齢,行為態様など,個別の事情によって,具体的な刑罰が大きく変わる事件類型です。

児童買春とパパ活の違い

一般的に「パパ活」と言われるのは,若い女性が年上の男性から金銭を受け取り,対価としてデートや性行為をするものです。
このパパ活は,児童買春に該当する場合,該当しない場合いずれも考えられるでしょう。

具体的には,まず,①女性側が18歳以上であれば,児童買春に該当することはありません。
児童買春の相手は児童(=18歳未満)であることが必要です。

また,②性交や性交類似行為など,性的な行為がなければ,児童買春には当たりません。
男性から女性に金銭が支払われたとしても,その対価が肉体関係を伴わない程度であれば,児童買春には当たらないことになります。

児童買春と売春の違い

「売春」は,売春防止法で禁じられた違法行為です。
そして,この売春は,対価を得て性交する行為を言います。
売春は対価を受け取る側の行為であり,児童買春は対価を渡す側の行為という区別が可能です。

もっとも,売春と児童買春が対象とする行為は,完全に一致しているわけではなく,以下のような違いがあります

①18歳未満であるかどうか
児童買春は,その相手が18歳未満である場合にのみ成立しますが,売春は18歳以上が行う場合も含まれます。

②対象となる行為が性交に限られるかどうか
売春は,性交する場合のみを対象としますが,児童買春は,性交に至らなくても,性交類似行為や性器等を触る行為があれば成立します。

なお,売春防止法違反の刑罰は,主に売春のあっせんや管理をする行為に対して科せられます。
売春をした人やその相手方になった(買春した)人自身は,基本的に処罰の対象とはなりません。
ただし,やり方によっては罰則の対象になりますし,罰則はなくとも違法な行為であることは間違いありません。

児童買春が警察に発覚する場合

児童買春事件が警察に発覚する経緯としては,概ね以下の場合が挙げられます。

①児童の親権者に発覚し,親権者が警察に相談する場合

いわゆる「親バレ」というものです。親権者の相談を受けた警察は,児童に話を聞くなどして捜査に着手し,SNSでのやり取りなどから被疑者を特定することが考えられます。

②別件捜査の過程で芋づる式に判明する場合

児童は,複数の相手との間で児童買春をしているケースが非常に多いため,別件の児童買春事件で事情聴取を受けた児童やそのスマートフォンの履歴などから,事件の存在が発覚する場合があります。

③児童が補導され,警察に事情聴取された際に発覚する場合

児童が夜間の外出や不適切な場所への出入り等を行い,警察に補導されると,事情聴取として素行の確認をなされる場合があります。
そのとき,児童買春の事実が発覚し,捜査の対象となる可能性が考えられます。

児童買春事件は,上記各場合のように,児童と警察との接触が捜査のきっかけになる場合がほとんどです。
そして,児童と警察が接触する可能性があるか,という点は,完全に児童の日常生活に依存するため,自分の努力で児童買春の発覚を防ぐことは非常に困難と言わざるを得ないところがあります。

児童買春と自首

児童買春をしてしまったものの,まだ警察からの捜査を受けていない場合,今後の逮捕が心配という人は少なくないと思います。
そのときの選択肢としては,自分から警察に出頭して犯罪事実を述べること,つまり自首が考えられます。

自首のメリットデメリットとしては,以下の点が挙げられます。

【メリット】
①逮捕される可能性が下がる
②刑事処分が軽減されやすくなる
③被害届が出ていないと分かる可能性がある

【デメリット】
①事件が発覚せずに済む可能性がなくなる
②やり方を検討する負担や実行する負担が大きい

一般的な児童買春事件であれば,自首が成立する場合に逮捕されることは考えにくくなるでしょう。
また,最終的な処分も,不起訴を含む軽微なものになる可能性が大きくなります。
事件が発覚せず終わる可能性を自分から放棄することにはなりますが,非常に有力な手段であると言えます。
もっとも,具体的にどうするかをご自身で検討したり実行したりすることは難しいので,自首を検討する場合には弁護士へのご相談をお勧めいたします。

児童買春と逮捕

児童買春事件は,逮捕をされる可能性が相当程度考えられる事件類型です。

類型的に余罪の存在が疑われやすい事件のため,相当数の余罪があると思われる事件では,余罪を含めた罪証隠滅を防ぐ目的で逮捕される可能性があります。
また,児童の年齢が特に低い場合や,捜査対象となる件数が多い場合には,事件の重大性などを踏まえて逮捕される可能性があります。

一方,児童の年齢が18歳に近く,捜査対象となる事件が1件であるなど,悪質性が高くはないと判断されれば,逮捕されずに在宅事件として取り扱われるケースも多く見られます。

個別のケースで逮捕されるかは,具体的な判断が必要となるため,児童買春事件で逮捕が懸念される場合には弁護士へのご相談が有力でしょう。
弁護士への相談や依頼を実施すれば,あわせて逮捕を避けるための試みについても案内を受けることができます。

児童買春と前科

児童買春事件は,起訴されて前科がつくことになる場合が多く見られます。
一般的には,悪質とは言えない事件でも罰金刑などの刑罰を受けることが見込まれやすいでしょう。
罰金となる場合には,公開の裁判(公判)をせずに罰金とする略式手続が取られるのが通常です。

一方,児童の年齢が低い,件数が多いなど,悪質と評価される事件では,略式手続では済ませられず,公判の対象となることが考えられます。
公判に至った場合には,執行猶予を含む懲役刑の対象となることが見込まれるでしょう。

児童買春事件では,積極的に前科を避けるための動きを取らない限り,前科がつきやすいと言えます。
前科を避けたい場合には,児童側との示談を行い,児童側の宥恕(許し)を獲得することが必要になりやすいです。

児童買春の示談

児童買春事件で処分の軽減や不起訴を目指す場合には,示談の試みが非常に重要となります。
示談を試みる際の一般的な方法は,以下の通りです。

①弁護士が被疑者の方などから依頼を受ける
②弁護士から捜査機関に連絡し,示談の申し入れをしたい旨伝える
③捜査機関から児童側に連絡をし,示談のお話合いが可能か意向を聞く
④児童側の了承が得られれば,弁護士と児童側(通常は親権者)との連絡先交換をする
⑤弁護士と児童側が交渉をする
⑥合意に至れば,示談を取り交わす

示談は,捜査機関に申し入れる方法で試みますが,当事者同士を引き合わすことは認めてもらえないため,弁護士を通じて,弁護士限りでの交渉を申し入れることが必要です。
示談を試みる場合には,弁護士への委任を行うようにしましょう。

ただし,児童買春の事件で示談を行う場合には,注意点があります。
それは,示談をしたからといって必ずしも不起訴になるわけではない,ということです。

そもそも,示談によって不起訴になるのは,犯罪の被害者が,その被害に対する刑罰を希望しないためです。
これは,犯罪によって生じる被害が,その個人に対する被害のみであることを前提にしています。
窃盗罪であれば,被害者個人の財産だけが犯罪の被害であるから,被害者が刑罰を希望しなければ不起訴になる,というわけです。

しかし,児童買春の事件は,犯罪によって生じる被害が個人の被害だけではないと理解されています。
具体的には,児童の個人的な被害に加え,社会の秩序が乱された(社会的法益の侵害)という面もあるのです。
そのため,児童や親権者だけが許したとしても,社会の秩序が乱されたという点については許されておらず,必ずしも不起訴になるわけではありません。

そのため,児童買春事件で示談を試みる場合には,示談をしても不起訴になると決まるわけではないという点にはあらかじめ留意しておくようにしましょう。

児童買春における弁護活動

児童買春事件の弁護活動としては,以下の内容が挙げられます。

①逮捕や勾留を防ぐ弁護活動

児童買春の事件は,逮捕されるかどうかがケースにより様々です。また,弁護活動次第では逮捕や勾留を防ぐことができる場合もあります。
それらの判断は,刑事事件に精通した弁護士にご依頼の上,個別の事情を踏まえて行ってもらいましょう。そして,弁護活動によって逮捕や勾留が防げる可能性のある場合は,あわせて弁護活動に着手してもらうのが適切です

②示談交渉・締結

児童買春事件で,事後的に処分の軽減を図る手段としては,やはり示談が最大の効果を持ちます。
示談をすれば不起訴になる,というほど単純ではありませんが,示談以上に不起訴の可能性を高めてくれるものは他にありません。
もっとも,この示談交渉や締結は,弁護士に依頼しなければ現実的には行うことができないため,弁護士に依頼の上,示談の試みを行ってもらうことが適切でしょう。

③自首同行

後日逮捕が懸念される場合,先手を打って自首を行うことで,後日逮捕を回避できる可能性が高くなります。
そして,弁護士に依頼し,自首に同行してもらうことで,適切な方法での自首が容易になり,逮捕回避や処分の軽減につながる可能性をより高くすることも可能です。
自首を検討する場合には,弁護士と同行する手段もあわせて検討されることをお勧めします。

④取調べ対応の協議・助言

捜査に際しては,警察や検察から取調べを受けますが,その際にどのような対応・返答をすべきか,という点は簡単な問題ではありません。
特に,発覚していない余罪があったり,取調べの手法が過激だったりする場合には,対応に困ることも少なくないでしょう。
弁護士へ依頼し,それらの不安を率直に相談されることで,弁護士と対応方針の協議をすることや弁護士からの助言を受けることが可能です。

児童買春事件に強い弁護士をお探しの方へ

児童買春は,件数・内容・程度・捜査状況等,様々な事情によって取り扱いや見込みが大きく変わってくる可能性のある事件類型です。
そのため,適切な対応を取るためには,児童買春事件に精通した弁護士へのご相談が非常に重要となってきます。

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
児童買春事件でお困りごとがある方は,お早めにお問い合わせください。

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