【暴行事件の示談を知りたい人のために】示談金額の考え方や盛り込むべき示談条件などを詳細解説

このページでは,暴行事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

暴行事件における示談のメリット
暴行事件で示談は必要か
暴行事件で示談をする方法
暴行事件の示談金相場
暴行事件の示談内容・条項
暴行事件の示談で注意すべきこと
暴行事件の示談に必要な費用

QRコード又はアカウントリンクから
友達登録の上、ご相談ください。

<営業時間内即日対応>

営業時間外もお受付可能
友だち追加

暴行事件における示談のメリット

暴行事件で示談をすることには,以下のように多数のメリットがあります。

①前科の回避

暴行事件では,犯罪事実の存在が明らかであれば,被害者が特に許している場合を除いて起訴されることが一般的です。起訴された場合には,刑罰を受けることになるため,前科(刑罰を受けた経歴)が付いてしまいます。

この点,起訴を防いで前科が付かないようにするための最も有力な手段が,示談です。示談が成立する場合,被害者が加害者を許すという意思を表明することになるため,被害者が許した事実を踏まえて不起訴になる可能性が非常に高くなります。

被害者が許すのは,基本的に示談が成立した場合のみです。暴行事件で捜査が行われるのは,被害者が捜査や処罰を求めているからであるため,何もしなければ被害者は許さないままとなってしまいます。
示談は,被害者の許しを通じて前科を防ぐ唯一の手段として,大きなメリットのある行動と言えるでしょう。

ポイント
示談のない暴行事件は起訴されるのが一般的
示談をすれば,不起訴の可能性が非常に高くなる

②逮捕の回避

暴行事件は,被害者の身体に危害の生じる恐れが高い類型であるため,被害者を危険から守るために加害者を逮捕することが多いものでもあります。当事者間の感情的なトラブルであることも多いことから,事件の大小にかかわらず加害者を逮捕して物理的に引き離す,という取り扱いになることも少なくありません。
そして,逮捕をされると,同居家族や仕事の関係者に具体的な影響が生じかねない上,刑事施設に収容されることで重大な精神的苦痛を強いられることになります。逮捕のデメリットは極めて大きなものです。

この点,示談の成立した暴行事件は,その後に逮捕されることがほとんどないということができるでしょう。示談が成立している以上,その後に逮捕をして被害者を加害者から守る必要がないためです。

逮捕を防ぎ,円滑に事件を解決するための手段として,示談のメリットは非常に大きいと考えてよいでしょう。

ポイント
暴行事件は逮捕される場合が多い
示談が成立すれば,逮捕の必要はほとんどなくなる

③早期釈放

暴行事件で既に逮捕や勾留という身柄拘束をされている場合,早期釈放の手段として示談は非常に有力です。

逮捕をされた場合,まず最長72時間拘束された後,10日間の勾留,さらには最長10日間の勾留延長と,20日を超える期間の身柄拘束を強いられる可能性も否定できません。勾留延長までがすべて行われてしまう場合,加害者の生活はそれまでとは一変しているでしょう。
一方,少しでも早期に釈放されれば,それだけ生活への悪影響も小さく済むことが多いはずです。

この点,逮捕の後に示談が成立した場合,勾留をするか,さらには勾留延長をするか,という局面において,釈放の判断を促す非常に大きな材料になります。逮捕後に勾留されず釈放された場合は,最長72時間の身柄拘束で済むことになるため,生活への影響も最小限に抑えられるでしょう。

逮捕から起訴までの流れ

④被害者との解決

暴行事件は,犯罪であるという側面のみでなく,当事者間の法律問題(民事事件)の側面も持つトラブルです。具体的には,被害者が加害者に対して,精神的苦痛への慰謝料などを金銭で支払うよう請求することが可能とされます。
そして,この金銭請求の権利は,加害者が刑罰を受けても影響されません。そのため,加害者としては,刑罰を受けた上でさらに被害者から金銭を請求される可能性もあり得ます。

この点,示談が成立した場合,被害者との法律問題も同時に解決することとなります。そのため,示談成立後に被害者から金銭を請求される可能性はなくなり,当事者間でのトラブル解決にもつながるでしょう。

ポイント
被害者から金銭を請求される可能性がある
示談が成立すれば,被害者からの金銭請求もなくなる

暴行事件で示談は必要か

暴行事件の場合,疑われている内容に間違いがなければ,処分軽減のためには示談が必要と考えるべきです。
事件の内容が間違いない場合(認め事件の場合),処分の重さは被害者の意向を反映する形で決められます。被害者が処罰を望めば処罰が科されやすく,逆に被害者が処罰しないことを望めば処罰が科されづらくなるのです。

そのため,被害者に処罰を望まない意思を表明してもらうために,その唯一の手段である示談を行う必要がある,ということになります。

一方,疑われている内容が事実でない,という場合(否認事件の場合)には,示談を行うかどうかに慎重な判断が望ましいでしょう。

示談の基本的な内容は,被害者への謝罪と賠償です。これを受けた被害者が加害者を許すことで,示談が刑事処分の軽減につながるというわけです。
そのため,被害者への謝罪と賠償を行うべきでない場合,謝罪と賠償を内容とする示談を行うのは不合理です。最悪の場合,疑いが事実でない,という主張の信用性に悪影響を及ぼす可能性もあります。疑いが事実でないのに被害者への謝罪と賠償をするのは矛盾するからですね。

ただし,否認事件であっても,解決を急ぐ目的で示談を行うことはあり得ます。その場合は,示談の内容に配慮する必要があるため,必ず専門家の意見を仰ぐようにしましょう。

ポイント
認め事件では示談が必要
否認事件では示談するか慎重な判断をすべき

暴行事件で示談をする方法

暴行事件における示談は,捜査機関(警察や検察)から被害者に連絡を入れてもらう方法で試みることが一般的です。捜査機関担当者が被害者に示談への意向を確認し,示談交渉を了承する場合には連絡先の交換に至る,という流れが通常です。

しかし,捜査機関がこのような取り扱いをするのは,加害者が弁護士を通じて示談を試みる場合に限られます。弁護士を間に挟まない限り,示談交渉を開始することはできません。
暴行事件の場合,当事者間に大きな感情的対立の生じていることが多いため,捜査機関は当事者を直接引き合わせることはできないと考えます。そのため,弁護士を窓口にすることを条件に,示談交渉を認めるという運用をしているのです。

弁護士が示談交渉を試みる場合の主な流れは,以下の通りです。

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

示談交渉の流れ

暴行事件の示談金相場

暴行事件の示談金は,概ね10~30万円ほどが目安になりやすいでしょう。
暴行事件は,被害者がケガをしていないことが前提であるため,被害者がケガをしている傷害事件などと比べて,示談金は低額になる傾向があります。

個別の示談金は当事者間の協議で決定しますが,示談金額に影響する事情としては以下のような点が挙げられます。

示談金に影響する事情

1.暴行の経緯
→被害者に落ち度がなければ増額要因に,被害者にも落ち度があれば減額要因になる

2.暴行の内容
→危険性の高い行為であれば増額要因に,けがをする可能性のない行為であれば減額要因になる

3.ケガのなかった理由
→被害者が回避した結果であれば増額要因に,加害者の行為が原因であれば減額要因になる

暴行事件の示談内容・条項

①一般的な示談条項

【確認条項】

加害者の被害者に対する支払金額を確認する条項です。

【給付条項】

確認条項に記載した金銭の支払をどのように行うのかを定める条項です。

【清算条項】

示談で定めた条項以外には,当事者間に権利義務の関係がないことを定める条項です。清算条項を取り交わせば,その後に相手から金銭を追加請求される可能性は法的になくなります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項とは,被害者が加害者を許す,という意味の条項です。
示談が刑事処分に有利な影響を及ぼすのは,基本的にこの宥恕条項があるためです。被害者が加害者を許している,という事実が,刑事処分を劇的に軽減させる要素となります。

②暴行事件で特に定めやすい条項

【接触禁止】

加害者が被害者に対して接触を図ることを禁止する条項です。
暴行事件の当事者になった間柄の場合,その後に被害者が加害者と接触を希望することはほとんどありません。そのため,被害者からは,加害者が接触することのないよう約束してほしいと求められることが多く見られます。
接触禁止に応じるデメリットは基本的にないため,この点は示談に盛り込むことが適切でしょう。

【現場への接近禁止】

事件の現場になった場所の近辺に接触することを禁止する条項です。偶然にでも加害者と会うことがないよう,被害者から求められることがあります。
具体的な接近禁止の対象としては,以下のような例が挙げられます。

接近禁止の例

1.事件の発生した店舗や施設
2.事件の発生した電車
3.路上で事件が起きた場合の現場周辺

もっとも,これらの接近禁止は,あまり広範囲に定めてしまうと加害者側の負担が過度に大きくなる可能性もあり得ます。具体的に接近禁止を合意する場合には,無理が生じないよう条件を慎重に検討するのが適切です。

暴行事件の示談で注意すべきこと

①言い分の食い違いが起きやすい

特にケンカのように感情的な対立が原因となった暴行事件の場合,互いに冷静さを欠く中での出来事であるため,内容の記憶も冷静にはできていないことが多くなりがちです。
そうすると,当事者間で事件の内容に関する記憶が大きく食い違っており,相手は実際よりも自分の落ち度を大きいものと主張してくる,という場合も珍しくありません。

言い分が食い違う場合,示談金額を含めた条件をどのように定めるかは個別のケースによりますが,少なくとも言い分が食い違う可能性をあらかじめ想定しておくことは大切です。
実際に言い分が食い違った場合も,十分にあり得ることだと理解できていれば,冷静に柔軟な対応をすることも容易になります。

②将来に傷害結果が出たときの補償

暴行事件の場合,被害者の身体には支障が生じていないことが前提ですが,被害者からは「将来身体に支障があった場合には金銭で補償してほしい」と求められる場合があり得ます。
現実的には,時間が経ってから初めて身体に支障が生じることは考えにくいため,例外的なケースを除いては現実に問題になることはないでしょう。ただ,「今」示談ですべてを解決するとなると,被害者側に漠然とした不安が生じてしまうことも納得はできるところです。

そのため,基本的には「将来,暴行行為による傷害結果が明らかになった場合には別途協議する」といった形で,身体の支障が分かったときに改めて話し合う余地を残すことが合理的な解決方法になるでしょう。

ポイント
事実関係の言い分が食い違う可能性を事前に想定しておく
傷害結果が将来判明した場合に配慮した示談もあり得る

暴行事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で暴行事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

一般的な在宅事件では,34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

暴行事件の場合,10~30万円の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(10万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:10万円

計:99万円

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

【ストーカー規制法違反の示談を知りたい人のために】示談は必要か?示談はどんな内容か?示談の注意点は何か?弁護士が解説

このページでは,ストーカー規制法違反事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

ストーカー規制法違反事件で示談は必要か
ストーカー規制法違反事件における示談のメリット
ストーカー規制法違反事件で示談をする方法
ストーカー規制法違反事件の示談金相場
ストーカー規制法違反事件の示談内容・条項
ストーカー規制法違反事件の示談で注意すべきこと
ストーカー規制法違反事件の示談に必要な費用

QRコード又はアカウントリンクから
友達登録の上、ご相談ください。

<営業時間内即日対応>

営業時間外もお受付可能
友だち追加

ストーカー規制法違反事件で示談は必要か

ストーカー規制法違反事件の場合,解決のために示談は必要不可欠と理解するのが適切です。

そもそも,ストーカー規制法違反となる行為は何かといえば,「つきまとい」や「GPSによる位置情報の取得」を同一人物に対して反復して行うことです。恋愛感情が満たされなかったことへの怨恨の感情を満たす目的でこれらの行為をするのは,被害者の精神的苦痛が非常に大きいのみでなく,被害者への更なる危害も懸念されるため,ストーカー規制法で特に禁じられ,刑罰の対象となっているのです。

そのため,ストーカー規制法違反とされる行為は,特定の被害者に向けた行為であって,その責任の重さは,被害者に与える損害の大きさに応じて定められることが一般的です。被害者が大きな苦痛を受けているほど,ストーカー規制法違反の責任も重くなります。

この点,ストーカー規制法違反で示談をすることは,被害者に生じた損害の大部分が回復されたことを意味します。そして,示談によって被害者の損害が回復されている場合,これに応じて犯罪の責任の重さも大きく減少するのが通常です。

被害者の損害を事後的に回復する手段は示談以外になく,示談で被害者の損害を回復することの効果は極めて大きいため,ストーカー規制法違反事件を解決するためには示談が必要と考えるべきでしょう。

ポイント
ストーカー規制法違反の責任の重さは,被害者の苦痛の大きさに影響される
示談により被害者の苦痛が回復されるため,責任の軽減につながる

ストーカー規制法違反事件における示談のメリット

①逮捕を防げる

ストーカー規制法違反の事件が捜査される場合は,ストーカー行為が執拗に繰り返されている,と理解された場合であることが一般的です。

ストーカー規制法違反の事実を警察が把握した場合,まずは,警告や禁止命令という方法で加害者にそれ以上のストーカー行為をしないよう求めることが通常です。その後にトラブルが起きなければ,捜査を受けることなく終了することが見込まれます。
一方,警告や禁止命令にもかかわらずストーカー行為が継続された場合には,犯罪捜査に踏み切らなければならない,という判断になります。警告や禁止命令ではやめてくれなかった以上,より強い手段に出なければならないためです。

そうすると,ストーカー規制法違反の捜査は,開始された段階では既にストーカー行為を強制的に食い止める必要が大きい状況にある,という場合が非常に多い傾向にあります。そのため,確実にストーカー行為を防ぐ方法として,逮捕勾留といった身柄拘束が行われやすいです。

この点,ストーカー規制法違反の事件で示談が成立した場合,その後に逮捕されることは考えにくくなるでしょう。なぜなら,被害者と示談が成立している以上,被害者に対する危害が生じる可能性はなくなったと理解できるためです。被害者に対する危害が生じないのであれば,危害を防ぐために逮捕する必要もなくなるわけです。

ストーカー規制法違反では逮捕されやすい傾向があることを踏まえると,示談によって逮捕を防げるメリットは非常に大きなものと言えるでしょう。

ポイント
警告や禁止命令を無視してのストーカー行為は逮捕の可能性が高い
示談が成立することで,逮捕されることは考えにくくなる

②前科を防げる

ストーカー規制法違反の場合,被害者が特に加害者を許しているケースを除き,起訴されて何らかの刑罰を受けることが通常です。刑罰の内容としては,一般的には罰金刑などが多く見られますが,悪質なケースでは罰金にとどまらず,公開の裁判を受けて執行猶予又は実刑というより重い刑罰の対象になる可能性も否定できないところです。

刑事罰の種類

この点,ストーカー規制法違反の刑事処分は,被害者の意向に極めて大きく左右されます。被害者が加害者への刑罰を希望しなければ,刑罰が科される可能性は非常に低くなるでしょう。
そして,被害者が加害者への刑罰を希望しない,ということになる唯一の手段が,示談です。示談が成立する場合,被害者は加害者の刑罰を望まないという意向を示すことになるため,刑罰が科される可能性は極めて低くなります。

ポイント
ストーカー規制法違反事件は,被害者が許している場合を除き起訴されやすい
示談が成立すれば,被害者が許していることを明らかにできる

③当事者間の紛争が解決できる

ストーカー規制法違反事件に至る当事者間では,長期間に渡る複数のトラブルが起きていることが通常です。類型的に,見知らぬ人同士の間で起きることがほとんどない事件のため,当事者間でトラブルがあり,それによって感情的な対立の生じたことが,ストーカー行為につながっている,という場合が大半です。
そのため,ストーカー規制法違反事件の当事者間では,ストーカー行為以外にも解決すべき紛争がいくつも存在することが多く見られます。

この点,示談を行うときには,これらの当事者間の紛争を一挙に解決する形を取ることが通常です。両当事者にとって,ストーカー行為だけを解決しても当事者間の紛争全体の解決にはならないので,ストーカー行為のみを切り取って示談し,それ以外の紛争を棚上げにするということはあまりありません。
そうすると,ストーカー規制法違反事件で示談をすることによって,当事者間の紛争は一通り解決することになります。示談後に紛争の火種が残らないのは,大きなメリットと言えるでしょう。

ポイント
当事者間には,長期間に渡る複数のトラブルがある
示談によって,すべてのトラブルを一挙に解決できる

ストーカー規制法違反事件で示談をする方法

ストーカー規制法違反事件の場合,当事者間に交友関係があったというケースが多いため,被害者の連絡先や住居などを把握していることが珍しくありません。そのため,示談を試みたいと考えた場合,被害者に直接連絡をすることも不可能ではないでしょう。

しかしながら,被害者への直接の連絡は厳禁です。示談目的であっても,決して行わないようにするべきと考えましょう。
それは,ストーカー規制法違反事件として捜査されている以上,被害者が加害者側からの直接の連絡を受け入れる可能性がないためです。最悪の場合,更なるストーカー行為と判断され,より責任が重くなる恐れも否定できません。

ストーカー規制法違反事件で示談を試みる場合には,弁護士に依頼し,弁護士から捜査機関(警察や検察)の担当者に連絡してもらうのが適切です。連絡を受けた捜査担当者が,被害者に示談の意向を確認し,被害者が了承すれば,弁護士との間で示談交渉を開始することが可能になります。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

ストーカー規制法違反事件の示談金相場

ストーカー規制法違反事件の示談金は,ケースによりますが30~150万円ほどとされる場合が多く見受けられます。事件類型的に,示談金の幅が非常に大きくなりやすいという特徴があるところです。

示談金額に影響を与える事情や問題点としては,以下のような点が挙げられます。

①当事者間の関係全体の清算となること

ストーカー規制法違反の事件は,それまでに交友関係やトラブルがあった間柄で生じることが通常です。そのため,示談をしようとすれば,これまでの交友関係全体を清算するための話し合いとならざるを得ないことが多いでしょう。

そのため,当事者間の従前の関係が複雑であればあるほど,被害者からは高額の示談金を求められることが増えやすい傾向にあります。「あんなこともされた,こんなこともされた」という具合に,過去のトラブルについても責任を取る内容の示談を求められることは珍しくありません。

ストーカー規制法違反の事件で示談を試みる場合は,ストーカー行為とされたもののみでなく,それまでの一切のトラブルが交渉の対象になりやすい点を想定しておくことが適切です。
示談金額に幅が生じやすいのは,当事者間の関係がケースによって様々であるためです。

②刑罰との関係

ストーカー規制法違反の事件では,想定される刑罰を上回る示談金が発生する場合もある点に特徴があります。

ストーカー規制法に定められている刑罰は,以下の3種類です。

①ストーカー行為をした場合
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金

②禁止命令に反してストーカー行為をした場合
2年以下の懲役又は200万円以下の罰金

③禁止命令に違反した場合
6月以下の懲役又は50万円以下の罰金

ストーカー行為があったか,禁止命令の違反があったかによって刑罰の程度が異なりますが,禁止命令違反(③)では罰金が50万円以下,ストーカー行為(①)では罰金が100万円以下と定められているため,100万円を超える示談金になった場合,法律が定める罰金額の上限を超える金銭を支払う必要が生じやすいことになります。
これは,ストーカー規制法違反の責任の重さと比較して支払金額が高すぎる可能性がある,との理解もできるでしょう。

もっとも,これは当事者間の関係をすべて清算するために起きることであり,単にストーカー規制法違反に対する示談金,というだけの意味合いではありません。そのため,金額が法律上の罰金額上限を超えたとしても,直ちに不当という考え方はしなくてもよいでしょう。

法的にも,他のトラブルが別途犯罪に当たる場合,複数の犯罪で処分される可能性があるため,ストーカー規制法違反の罰金額上限を超える刑罰になることも十分に考えられます。その意味でも,示談金額とストーカー規制法の刑罰との関係はそれほど意識する問題ではないと考える方が適切です。

ポイント
当事者間の関係や経緯によって,示談金額は変わりやすい
罰金額の上限を超える示談金になるケースもある

ストーカー規制法違反事件の示談内容・条項

①一般的な示談条項

【確認条項】

加害者の被害者に対する支払金額を確認する条項です。

【給付条項】

確認条項に記載した金銭の支払をどのように行うのかを定める条項です。

【清算条項】

示談で定めた条項以外には,当事者間に権利義務の関係がないことを定める条項です。清算条項を取り交わせば,その後に相手から金銭を追加請求される可能性は法的になくなります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項とは,被害者が加害者を許す,という意味の条項です。
示談が刑事処分に有利な影響を及ぼすのは,基本的にこの宥恕条項があるためです。被害者が加害者を許している,という事実が,刑事処分を劇的に軽減させる要素となります。

②ストーカー規制法違反事件で特に定める条項

【接触禁止】

ストーカー規制法違反は,被害者が加害者からの接触を防ぎたい,と希望しているからこそ,捜査されているものです。そのため,被害者との解決に当たっては,接触禁止の約束をすることが必須とされやすいでしょう。

【立入禁止】

被害者の自宅や職場など,被害者の生活圏への立入を加害者に禁止する条項です。接触禁止をより確実にするため,設ける場合が大多数と考えてよいでしょう。
ただし,立入禁止の範囲が広くなり過ぎると,加害者側のその後の生活に影響しかねないため,範囲や立入方法などの条件を具体的に調整し,互いに了承の可能な内容とすることが肝要です。

【違約金条項】

被害者からは,加害者による接触禁止の約束を信用できない,との意向が示される場合も少なくありません。ストーカー規制法違反の事件は,警告や禁止命令があったにもかかわらずストーカー行為が続いた,というものであることが多数であるため,「警告や禁止命令に従わなかったのに示談内容に従うのか」という不安が被害者側に生じやすいのです。

そのため,接触禁止の約束をより強固なものとするため,約束違反にペナルティを設ける違約金条項を設けるケースも多数あります。「示談内容に反すれば違約金を支払うことになっても構わない」という意思表明によって,被害者側の納得を獲得することを目的とした条項です。

ストーカー規制法違反事件の示談で注意すべきこと

①相手に何かを要求をする交渉ではない

ストーカー規制法違反の事件では,当事者双方に何らかの言い分がある場合がほとんどです。加害者側にも,被害者への不満があるからこそ,ストーカー行為とされる行動に及んだはずです。

しかし,示談交渉の場はその不満を相手にぶつけたり,相手に何かを求めたりするものではない,という点に注意が必要です。示談の目的は,あくまでストーカー行為を被害者に許してもらうことですから,相手に自分の不満をぶつけるような行動は,示談の目的に反する極めて不合理な行為と言えるでしょう。

ストーカー事件として扱われている以上,相手が今後に渡って交友関係を保ちたいと思っている可能性はないと考える必要があります。そのため,示談に際しては少しでも円滑に,穏やかに当事者同士の関係を終了させることを目指しましょう

②親告罪ではない

ストーカー規制法違反は,従来,親告罪であったため,示談によって告訴が取り消されれば,確実に不起訴となる事件類型でした。しかし,平成28年(2016年)の法改正によって,親告罪ではなくなったため,現在は告訴がなくても事件の起訴が可能です。つまり,告訴がなくても刑罰を受けて前科が付く可能性があります

そうすると,示談をしても法的には起訴される可能性がゼロにはならない,ということになります。示談をすることで直ちに事件が終了するわけでないことには注意が必要でしょう。
もっとも,現実的には示談が成立したストーカー規制法違反の事件は,不起訴となることが通常です。被害者が起訴を希望しない以上,その意向を尊重して不起訴処分とされる傾向にあります。

ストーカー規制法違反事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所でストーカー規制法違反事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

一般的な在宅事件では,34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

ストーカー規制法違反事件の場合,30~150万円の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(50万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:50万円

計:139万円

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

公然わいせつ事件は示談で不起訴を目指す|弁護士に依頼すべき重要なポイントとは

このページでは,公然わいせつ事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,不起訴処分との関係や弁護士に依頼する場合の注意点なども紹介していますので,ご検討の参考にしてみてください。

【このページで分かること】

公然わいせつ事件における示談とは
公然わいせつ事件で示談するメリット
公然わいせつ事件で示談をする方法
公然わいせつ事件の示談金相場
公然わいせつ事件の示談内容・条項
公然わいせつ事件の示談で注意すべきこと
公然わいせつ事件の弁護士選びに関するポイント
公然わいせつ事件で不起訴処分を獲得する方法

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

公然わいせつ事件における示談とは

公然わいせつ罪とは,文字通り「公然とわいせつな行為」をする犯罪です。代表例としては,路上で性器を露出したり,不特定多数の人がいる場で性行為をしたりすることが挙げられます。

この公然わいせつ罪は,直接の被害者が存在しない犯罪類型と理解されています。公然わいせつ罪によって害されるのは,秩序ある社会であって,個人ではないと考えられているためです。
公然わいせつ罪が犯罪とされることで守られているのは,公然わいせつ行為が安易に起きず,性的な乱れのない社会とされています。そのため,公然わいせつ事件が起きた場合,その被害者とされるべき個人は存在しないのが通常です。

しかし,公然わいせつ行為が特定の個人に向けられている場合など,事実上は個人に対するわいせつ行為と評価されるケースでは,その目撃者との示談が非常に重要な動きになりやすい傾向にあります。この場合には,社会の秩序が乱されたことによって現実に損害を被っているのが目撃者個人のみであるため,その目撃者の意向が刑事処分の結果に大きく影響するからです。

したがって,公然わいせつ事件では,「特定の目撃者が存在する場合に,目撃者との間で行う示談」が目指すべき示談ということになるでしょう。

ポイント
公然わいせつ事件は秩序ある社会を守るもの
ただし,特定の目撃者に向けられている場合は,目撃者の意向が刑事処分に大きく影響する

公然わいせつ事件で示談するメリット

①逮捕の回避

公然わいせつ事件は,特に複数回発生している場合,逮捕の可能性が高くなるケースがあり得ます。同種の公然わいせつ事件が複数回発生している場合,今後も同様の事件が発生する可能性も高く,逮捕しなければ社会の健全な秩序が守れないと判断されるためです。
また,事件が1件であったとしても,それが特定の個人に向けられた悪質なものである場合は,その目撃者個人を保護するために逮捕される可能性が高くなります。このようなケースでは,公共の場における痴漢事件や強制わいせつ事件と類似のものと評価され,目撃者への危害を避けるための逮捕が有力となるからです。

しかしながら,公然わいせつ事件で目撃者と示談をした場合,示談後にその事件で逮捕されることは基本的になくなると考えてよいでしょう。目撃者との間で解決をしている以上,目撃者保護のために逮捕をする必要がなくなるためです。
この点,複数の事件がある場合,一人の目撃者と示談をしても他の事件で逮捕される可能性は残るとの理解も自然ではあります。もっとも,一つの公然わいせつ事件で示談を試みている以上,その後に類似の事件を起こす可能性や,目撃者に危害の及ぶ可能性は大きく低下しているため,複数の事件があっても逮捕の可能性はハッキリと下がることになるでしょう。

ポイント
複数の事件がある場合,特定の目撃者を狙った事件の場合は,逮捕の可能性が高まる
示談ができれば,その事件で逮捕される可能性はほぼなくなる

②前科の回避

公然わいせつ事件は,犯罪事実が間違いない場合,起訴されることが通常です。起訴された場合,初犯であれば罰金刑が多く見られますが,刑罰であることに変わりはないため,前科が付くことになってしまいます。
また,初犯でない場合など,処分が重くなる事情もあれば,罰金刑にとどまらず,公開の裁判がなされた上で執行猶予又は実刑といったより重い刑罰の対象となる可能性も否定はできません。

刑事罰の種類

この点,示談がなされている場合,初犯の事件であれば不起訴処分が見込まれやすいところです。不起訴処分となれば,刑罰を受けることもなくなるため,前科を防ぐことができます。
また,刑罰を防ぐことができない場合であっても,目撃者との示談はその刑罰を劇的に軽減させる効果を発揮します。いずれにしても,前科の回避を目指して示談を行うことに損はないと言えるでしょう。

ポイント
公然わいせつ事件は,犯罪事実が立証できる場合は起訴するのが通常
目撃者との示談によって,処分は劇的に軽減する

公然わいせつ事件で示談をする方法

公然わいせつ事件における示談は,わいせつ行為の目撃者との間で行うことになりますが,加害者と目撃者の間では,連絡を取り合う方法のないことが通常です。そのため,捜査機関を通じて,目撃者に示談希望の旨を伝えてもらう必要があります。
しかし,加害者本人が示談希望をしたとしても,目撃者との直接の連絡を認めてもらうことは困難です。加害者とのやり取りは目撃者との負担が大きい上,更なるトラブルの原因にもなりかねないと理解されるためです。

そのため,公然わいせつ事件で示談をするためには,弁護士に依頼し,弁護士を間に挟んで目撃者への連絡を試みることが必要となります。依頼を受けた弁護士は,捜査機関に示談希望の旨を伝え,目撃者の意思を確認してもらいます。目撃者が示談交渉を了承した場合には,弁護士に連絡先が伝えられるなどし,示談交渉が開始できる,という流れになるのが一般的です。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

公然わいせつ事件の示談金相場

公然わいせつ事件の示談金は,概ね10~50万円ほどが目安になりやすいでしょう。金額に大きな幅があるのは,一口に公然わいせつ事件といってもその内容が様々であるためです。
具体的な示談金額は,以下のように,事件の内容・悪質さによって大きく変化するのが通常です。

公然わいせつ事件の示談金目安

1.特定の個人に対して性器を見せつけた場合
30万円~50万円ほど
性的欲求を満足させるために,特定の個人に精神的苦痛を強いる行為であって,公然わいせつ事件の中でも悪質性の高いものと評価されます。

2.車内での自慰行為を通行人に目撃された場合
10~30万円ほど
目撃者に見せつけるつもりでないことは明らかであるため,悪質とまでは評価されませんが,車を停めていた場所によっては,目撃されることを期待していたと考えざるを得ない場合もあり,悪質性が高くなり得ます。

3.路上での用足し(小便)を目撃された場合
10万円ほど
通常の用足しであれば,目撃者に向けられた行為である可能性がほとんどないため,悪質性が高いとは評価されづらい傾向にあります。

公然わいせつ事件の示談内容・条項

①一般的な示談条項

【確認条項】

加害者が被害者に支払う金額を確認する条項です。

【給付条項】

加害者が支払う金銭について,支払時期や方法を定める条項です。

【清算条項】

示談に定める支払いのほか,当事者間に債権債務関係がないことを確認する条項です。示談金を支払う場合は,清算条項を確実に儲けることが重要となります。
清算条項は,示談成立後に相手から重ねて金銭請求されることを防ぐ効果があります。逆に,清算条項を設けていないと,法的には示談後にも別途金銭請求される余地が残ってしまうことになります。

【宥恕条項】

被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。宥恕(ゆうじょ)とは,「許し」を意味します。
公然わいせつ事件で目撃者と示談を行うのは,目撃者からこの宥恕条項を獲得するためです。目撃者が宥恕の意向を示している場合には,これを理由に刑事処分を軽減させることが可能になります。

②公然わいせつ事件で特に設ける条項

【接触禁止】

加害者が目撃者に接触することを禁止する条項です。目撃者は,加害者との接触を防ぎたいと考えていることが通常であるため,公然わいせつ事件では今後の当事者間の接触を防止する内容の示談とすることが一般的でしょう。

【立入禁止】

事件現場や付近への立入を禁止する条項です。特に,加害者が目撃者の住居やその近辺で公然わいせつ行為に及んだ場合に設けられることが多くなります
典型例は,帰宅する目撃者の後をつけて,人目のない場所で性器を見せつけた,といった場合です。このようなケースでは,加害者が目撃者の生活圏を把握してしまっている可能性があるため,付近への立入を禁止することで目撃者の安全確保を約束することが有力な手段になります。

公然わいせつ事件の示談で注意すべきこと

①目撃者の特定が困難な場合

公然わいせつ罪で示談が可能になるのは,特定の目撃者がおり,その目撃者が判明している場合です。一人の目撃者に向けられた公然わいせつ事件であれば,その目撃者が警察に通報するなどしなければ捜査が開始されることはないため,捜査が開始された時点で目撃者が特定できている可能性は非常に高いと言えます。
一方,事件の内容によっては,以下のように目撃者の特定が困難な場合もあり得ます。

目撃者の特定が困難なケース

1.通報者が目撃者自身でない
目撃者自身は警察に通報しておらず,他の第三者が警察に通報したような事件では,通報者が目撃者のことを知らない限り,目撃者が特定できない可能性があります。

2.目撃者があまりに多数である
目撃者が多数であって,示談相手となるべき目撃者が特定できない場合,目撃者全員との示談ができない限りは示談が困難になる可能性があります。

3.目撃者がいるか不明である
→捜査されるに至った経緯によっては,そもそも事件の目撃者がいるのかがわからない場合もあり得ます。具体例としては,警察官が現認したケースや,防犯映像で後日確認されたケースなどがあり得るでしょう。

②目撃者と加害者の認識にズレのある場合

然わいせつ事件は,わいせつ行為が目撃者に向けられたものかどうかによって悪質性が大きく変わる傾向にあります。例えば,性器を露出した事件の場合,ただ漫然と露出をしたのか,特定の相手に見せつけることで性的欲求を満たそうとしたのかによって,その悪質さは異なるとの理解が一般的です。もちろん,特定の個人に見せつけようと露出した事件の方が悪質と理解されます。

この点,加害者としては特定の個人に向けたわけではないとしても,目撃者は自分に向けて行われたと認識している場合があります。そのようなケースだと,加害者自身の認識より,目撃者は悪質な事件だと考えている,ということになり,示談の条件や示談金にも影響を及ぼす可能性があります。

具体的な解決方法や交渉の方針は,弁護士との個別のご相談が適切ですが,示談を試みるにあたっては,目撃者が自分と同じ理解をしているわけではないという可能性を想定しておくようにしましょう。

公然わいせつ事件の不起訴処分

公然わいせつ事件で不起訴になる可能性

公然わいせつ事件は,事件の内容や事件後の対応などによって,不起訴になる可能性が十分に考えられる事件類型です。そのため,不起訴を目指す行動は,非常に重要ということができるでしょう。

この点,公然わいせつ事件の中でも不起訴の可能性が高くなりやすい事件内容としては,以下のようなものが挙げられます。

公然わいせつ事件で不起訴の可能性が高くなるケース

1.目撃できる人数が少ない事件

2.1回きりの事件

3.特定の相手を標的にしていない事件

【1.目撃できる人数が少ない事件】

公然わいせつ事件は,より多くの人が目撃できるように行われる場合の方が悪質で,違法性も重大であると評価される傾向にあります。逆に,目撃できる人数が際立って少ない行為であった場合,違法性は大きくないと理解され,不起訴の可能性が高くなりやすいでしょう。

また,誰も目撃できないような行為であった場合,公然わいせつ罪の成立に必要な「公然」性がないと判断すべきケースもあり得ます。公然性がない場合,犯罪は成立しないため,不起訴とせざるを得ないことになります。

【2.1回きりの事件】

公然わいせつ事件の場合,類似の行為が繰り返し行われやすい傾向にあります。複数回繰り返された結果,捜査機関に通報されてマークされたり,目撃者から通報されやすくなったりし,捜査に発展するという流れが多く見られるところです。

一方,1回きりの事件である場合,繰り返されるケースと比べて違法性は大きくないと評価されるのが通常です。また,繰り返し行った場合よりも再犯の可能性が低いと判断されるため,再発防止の観点でも不起訴処分の可能性が高まるでしょう。

【3.特定の相手を標的にしていない事件】

公然わいせつ事件の中には,特定の相手を標的にしたものとそうでないものがありますが,特定の相手を標的にした事件の方が,悪質で違法性の大きいものと理解されています。また,再犯によって標的となった人が精神的苦痛を受けることのないよう,刑罰を科して強く再犯防止をすべき,との理解から,起訴されやすい傾向にもあるところです。

逆に,特定の相手を標的にしていない事件の場合,悪質さが比較的小さく,特定の目撃者を保護するために刑罰を科すという必要もありません。そのため,特定の相手を標的にした場合よりも不起訴の可能性が高くなりやすいでしょう。

公然わいせつ事件で不起訴を目指す場合の注意点

①示談相手がいない可能性

公然わいせつ事件は,犯罪の成立に被害者の存在が必要ありません。そのため,示談を試みようとしても,示談相手となる人が存在しないケースがある点に注意が必要です。目撃者との示談は,起訴不起訴の判断に大きな影響を及ぼす動きですが,それができないとなると,不起訴を目指す努力に限界が生じる可能性も否定できません。

示談相手がいない場合に不起訴を目指す具体的な方法は,弁護士のような専門家でも判断が容易ではないところです。そのため,刑事事件に精通した弁護士に相談・依頼をし,適切な対応を尽くすことをお勧めします。

②示談の効果

公然わいせつ事件では,目撃者との示談が有力な弁護活動の代表格ですが,示談が成立したからといって不起訴処分に直結するわけではない,という点には十分な注意が必要です。
公然わいせつ事件で示談を試みる相手は,「目撃者」であって「被害者」ではありません。そのため,あくまで目撃者の立場にとどまる人の一存で起訴不起訴の結論を決定的に左右できるとは限らないのです。

もっとも,事後的にできる努力の中で,目撃者との示談が最も効果の大きい行動であることもまた事実です。示談以上に不起訴を近づけられる努力は存在しないことが多いでしょう。
公然わいせつ事件の示談は,不起訴を決定づけるものではないものの最重要な試みの一つ,というものと理解することをお勧めします。

③否認事件の留意事項

否認事件として,「人に見せるつもりがなかった」という趣旨の主張をすることは一定数見られます。実際,人に見せるつもりがなかったのに公然わいせつ事件の捜査を受けた場合には,そのような主張をするのが適切でしょう。

もっとも,「公然わいせつ罪が成立するために,誰かが見ている必要はない」という点には注意が必要です。現実には誰も見ていなくても,不特定多数者が認識し得る方法を取っていれば,公然わいせつ罪は成立します。誰かに見せる意図がなかった,ということと,結果的に誰も見ていなかった,ということは法的に全く異なるものです。

「誰も見ていなかった(から公然わいせつ罪でない)」という主張は否認の言い分として不適切であるため,十分に留意することをお勧めします。

弁護士へ依頼する際のポイント

公然わいせつ事件で弁護士を選ぶタイミング

①逮捕直後

公然わいせつ事件は,逮捕されるケースも一定数存在する事件類型です。特に,特定の相手を対象とした露出行為が問題になった場合や,店舗内で行為が発覚して店舗関係者とトラブルになった場合など,関係者を保護する必要がある場合には,現行犯逮捕されるケースも見られます。

しかし,逮捕されたとしてもその場で全てが手遅れとなるわけではありません。逮捕後に適切な対応を尽くすことができれば,早期に釈放してもらうことができ,生活への影響を最小限に抑えることが可能です。公然わいせつ事件の場合,逮捕されたとしても速やかな釈放の余地は残っていることが少なくないでしょう。

この点,逮捕直後には弁護士しか被疑者と接見できないことが通常であり,釈放を目指す動きも弁護士を通じて行う必要が生じやすいところです。そのため,逮捕直後に釈放を目指すときは,弁護士選びが重要と言えるでしょう。
逮捕直後に適切な弁護士選びができれば,早期釈放の実現できる可能性が大きく高まることは間違いありません。

ポイント
公然わいせつ事件は,逮捕後に早期釈放される場合も少なくない

②呼び出しを受けたとき

公然わいせつ事件の捜査を受ける場合の流れとしては,後日に警察などから呼び出しを受けることも考えられます。これは,被疑者に対する取り調べを行うため,警察署への出頭を求める目的であることが通常です。
そのため,出頭要請を受けたときには,その後に行われるであろう取り調べの対応について事前に検討しておく必要があります。想定される質問や質問への回答方法・内容を整理し,取り調べに備えることは非常に重要でしょう。

もっとも,個別の事件に応じた出頭時の対応方法・内容を当事者自身が判断することは容易ではありません。取調べがどのような流れで行われるのか,自分がどのように対応することが望ましいのか,警察から求められたことに応じてよいのか,といった点は,刑事事件に精通した専門家以外には判断が困難でしょう。

そのため,警察などの呼び出しを受けたタイミングで,取調べに備えて弁護士を選ぶことは有力な選択肢と言えます。適切な弁護士選びができれば,出頭時の対応が万全になるほか,その後の弁護活動も充実したものになるでしょう。

ポイント
呼び出しを受けた場合,取調べされることが見込まれる
取り調べ対応を万全にするための弁護士選びが重要

③自首を試みたいとき

自首とは,罪を犯した者が,捜査機関に対してその罪を自ら申告し,自身に対する処分を求めることをいいます。犯罪事実や犯人が捜査機関に知られる前に,自分の犯罪行為を自発的に捜査機関へ申告することが必要とされます。

公然わいせつ事件では,現行犯で捜査が開始されたのでない限り,捜査機関が被疑者をすぐに特定できるケースはあまりありません。また,事件を目撃した人がいたとしても,すぐに警察へ通報などするとは限りません。
そうすると,公然わいせつ事件では自首を検討する時間的な猶予は一定程度あることが多いため,速やかな自首は有力な選択肢の一つです。

もっとも,本当に自首をすべきかどうか,自首をする場合にどのような手順・方法で行うか,という点は,当事者自身での判断が困難なポイントです。自首を試みようと考えるときには,適切な弁護士選びの上で,弁護士とともに検討・行動をするのが適切でしょう。
そのため,自首を試みたいと考えるときは,弁護士選びのタイミングということができます。

ポイント
公然わいせつ事件は,自首を行う時間的猶予のあるケースが多い

公然わいせつ事件の弁護士を選ぶ基準

①公然わいせつ事件の解決実績があるか

刑事事件は,過去の先例に沿った判断や運用をされることが一般的です。裁判所は,過去の先例と整合した取り扱いをすることで,公平を保ちながら適切に法律を運用する機関であるためです。

そうすると,先例を把握していること,過去に同種の事件を解決した実績があることは,事件の見通しを正確に持つ上で非常に重要な要素となります。弁護士が依頼者側に案内する見通しのほとんどは,過去の経験か過去の裁判例を根拠にしたものです。

特に,公然わいせつ事件の場合,ケースによって不起訴処分を目指せることも珍しくはないため,不起訴処分を目指せる見通しの有無や目指す場合の具体的方法を正確に把握することは非常に重要となります。具体的な弁護活動の経験から,それらを詳細に案内してくれる弁護士への依頼が適切でしょう。

②コミュニケーションにストレスがないか

公然わいせつ事件の場合,事件内容に応じて見込まれる処分の軽重や行うべき弁護活動が変わってくるため,弁護士としては詳細な聴取が必要となります。もっとも,事件の内容は不名誉な内容であることが一般的なので,話したくないことや話すことを躊躇してしまう点も生じやすいところです。

そのため,弁護士に安心して事件の内容を告げることができるか,弁護士とのコミュニケーションにストレスを感じないか,という点は非常に重要なポイントになります。もし,最初の段階で弁護士とのコミュニケーションに何らかの違和感がある場合,その違和感は将来的に大きなストレスや不信感につながりやすいため,注意することをお勧めします。

③弁護士からの連絡が滞らないか

弁護士と連絡を取る方法や連絡の頻度は,弁護士により様々です。特に,「弁護士と連絡したくても連絡が取れない」という問題は,セカンドオピニオンとして相談をお受けする場合に最も多く寄せられるお話の一つです。
電話をしても常に不通となって折り返しがない,メールへの返信も全くない,といったように,弁護士との連絡が滞るという問題は生じてしまいがちです。

そのため,弁護士とはどのような方法で連絡が取れるか,どのような頻度で連絡が取れるか,という点を重要な判断基準の一つとすることは,事件解決のために有力でしょう。

なお,法律事務所によっては,事務職員が窓口になって弁護士が直接には対応しない運用であるケースも考えられます。そのような運用が希望に合わない場合は,依頼後の連絡方法を具体的に確認することも有益でしょう。

④弁護士費用に不透明な点はないか

公然わいせつ事件の弁護士費用は,弁護活動の内容によって異なることが多く見られます。特に,目撃者との示談を行うか,身柄拘束を受けているか,といった点は,弁護活動の量に直接影響するため,弁護士費用の金額を左右しやすいでしょう。

そのため,弁護士選びに際しては,どのような場合にいくらの弁護士費用が発生するのか,契約内容に不透明な点が生じないよう十分に確認することをお勧めします。弁護士費用の発生する条件が細かく枝分かれしていて分かりづらい場合,結果として予想に反した高額の費用となる可能性も否定はできないので,弁護士費用の内容が明快であることは重要な基準とすることが有力です。

公然わいせつ事件で弁護士を選ぶ必要

①早期釈放のため

公然わいせつ事件の場合,逮捕されても早期に釈放してもらうことができるケースは決して少なくありません。そして,早期釈放が実現できるかどうかは,その後の日常生活を大きく左右する極めて重要な点と言えます。
そのため,早期釈放を目指すことは,逮捕された公然わいせつ事件において最も注力すべきポイントと言っても過言ではありません。

この点,早期釈放を目指す場合,具体的な活動は弁護士に委ねざるを得ません。接見で必要な話し合いを行ったり,ご家族と連絡を取り合ったり,捜査機関や裁判所に必要なアクションを尽くしたりと,早期釈放に向けて弁護士でしかできないことは多岐に渡ります。
公然わいせつ事件で早期釈放を目指す場合には,弁護士への依頼を早期に検討することが肝要です。

②不起訴処分のため

公然わいせつで不起訴処分を目指す方法としては,認め事件であれば目撃者との示談,否認事件であれば法的に整理された主張立証が有力です。

この点,目撃者との示談を試みる場合,弁護士を窓口にすることが不可欠です。当事者同士で直接やり取りするわけにはいかないため,弁護士に依頼することが示談の出発点となります。
また,否認事件で必要な主張立証は,法律上の要件や個別事件の争点を正確に理解して行う必要があるため,やはり弁護士へ依頼の上,弁護士から行ってもらうことが適切な内容となるでしょう。

そのため,不起訴処分を獲得するためには,弁護士を適切に選ぶことが非常に重要となります。

③適切な取り調べ対応のため

刑事事件の捜査では取調べが不可欠です。特に,被疑者への取調べは捜査の中核であって,被疑者からどのような話が引き出せるかによってその後の捜査が決定づけられる事件も少なくありません。

逆に,被疑者の立場にある場合,取調べにどのような対応を取るのが最も有益であるのかを把握していることは非常に重要です。自分が何を話すか,どのように話すかによって,その後の捜査や処分が決定づけられる可能性もあるため,取調べ対応の方法・内容は十分に検討する必要があるでしょう。

この点,個別の事件に応じてどのような取調べ対応をすべきかは,弁護士の法的な判断を仰ぐことが適切です。そのため,取調べ対応に万全を期すためには,弁護士選びが重要なポイントとなるでしょう。

④更生や治療を図るため

公然わいせつ事件は,その原因にご本人の疾患や依存症などが関係していることも一定数見られます。その場合,更生プログラムや治療を受けることで再発防止を図る動きが非常に重要となります。
また,再発防止の努力を尽くしていることは,不起訴処分を含めた処分の軽減を目指す面でも大きな影響を及ぼすことがあるため,できる限りの試みを行うことが適切でしょう。

この点,どのように更生を図るべきか,治療を通じた改善を目指すべきか,という点は,個別の事件や当事者の状況等により様々です。闇雲に通院だけをしても,あまり意味はないということになりかねません。
そのため,事件に応じた適切な更生や治療を図りたい場合には,案内やサポートに適した弁護士選びを行うことが重要と言えます。

公然わいせつ事件における弁護士選びの準備

①状況をまとめる

弁護士選びを適切に行うためには,相談相手の弁護士に事件の内容を正確に把握してもらうことが必要となります。そのため,事件の具体的内容は整理して伝えられるようまとめることが有益でしょう。

弁護士が事件の内容の一部を把握しているかいないかで,アドバイスの内容が大きく変わる場合も否定できません。弁護士に誤解が生じることを防ぐため,起きた出来事を漏れなく伝える用意をしておくとよいでしょう。

②証拠をまとめる

手元に証拠となる物がある場合,弁護士選びに際してまとめておくことが有益です。
公然わいせつ事件では,自家用車が関わっているケースのドライブレコーダー映像や,自分が録音録画したものなどがある場合,その記録内容が弁護士の判断を左右する重要な証拠である可能性もあり得ます。
そのため,弁護士への相談に際して,それらの証拠が手元にあれば,内容を確認の上で弁護士に示す準備をすることも有力でしょう。

もっとも,認め事件の場合にはそれほど慎重に証拠を確認する必要のないケースも少なくありません。証拠の重要度は事件により異なるため,個別の取り扱いについては弁護士の判断を求めるのが適切です。

③弁護士依頼の目的をまとめる

弁護士を選ぶ際,何のために,何を目指して弁護士に依頼するのか,という点を明確にしておくことが必要です。相談の目的に関して弁護士とズレが生じると,弁護士からの案内も目的から外れたものになってしまい,結果として弁護士選びが円滑にできないためです。
もちろん,弁護士側も法律相談の目的を想像することはできるため,理解が大きくズレることは多くありませんが,その目的が自分にとってどれだけ重要なものか,という詳細なニュアンスの面は,どうしても弁護士側の想像では補いきれないものです。

この点,公然わいせつ事件では,不起訴処分を目指す場合の意欲の強さが大きな分かれ目になり得るところです。公然わいせつ事件の場合,不起訴処分を獲得する確実な手段はないため,どこまで試みても不起訴となるかどうかは不明確にならざるを得ません。そのため,見通しが不透明ながらも負担を背負ってできる限りの動きを尽くすのか,ある程度にとどめるのかは,不起訴を目指す意欲の大きさに大きく影響を受けるでしょう。

弁護士選びを実のあるものにするためにも,弁護士選びの目的は明確に表現できるようにしましょう。

④予算を決める

弁護士への依頼には費用が発生しますが,弁護士費用は法律事務所によって異なり,同じ弁護士への依頼でも依頼内容によって異なります。当然ながら,弁護士への依頼内容が多いほど弁護士費用は高額になりやすく,逆もまた然りです。
また,示談を試みる場合には,弁護士費用に加えて示談金が経済的な負担となります。弁護士費用だけを支払えても,示談金が支払えないと示談はできないため,示談金の負担も事前の想定が必要です。

そのため,弁護士選びに際しては,あらかじめ予算の範囲を明確に決めておくのが有益でしょう。現在は,ホームページ上で詳細に弁護士費用を明示している法律事務所も少なくないため,ご自身なりに費用負担のイメージを持って弁護士選びを行うのも有力です。
また,現実の弁護士費用と予算との開きが小さければ,弁護士への依頼内容を一部削るなど,柔軟な依頼方法で開きを埋めることができる場合もあり得ます。個別のケースに関しては弁護士と十分に相談してみましょう。

公然わいせつ事件で弁護士に依頼する場合の注意点

①弁護士ごとに弁護方針が異なる可能性

公然わいせつ事件の弁護活動は,詳細な内容や方針が弁護士により異なるケースが少なくありません。それだけ,活動内容の選択肢が多く,どのような弁護活動が結果に結びつくのか,不明確であるということでもあります。

そのため,弁護士に依頼する場合には,その弁護士から案内された弁護方針が唯一のものでない可能性を踏まえておくことをお勧めします。弁護方針の内容をしっかりと理解した上で,弁護士への依頼を判断したいところです。

②本人が動く必要

公然わいせつ事件の対応としては,示談や再発防止の試みが有力ですが,いずれも当事者本人の動きが不可欠です。示談の場合,示談の条件に拘束されるのは当事者本人であるため,本人の意思決定が必要ですし,再発防止は当然ながら当事者本人が講じなければならないためです。

そうすると,弁護活動には本人の同意や対応が不可欠であるため,弁護士選びに際しても本人抜きで行わないことを強くお勧めします。
もっとも,弁護士への依頼自体がご家族であることは特に問題ありません。ご本人も状況や方針を把握し,一緒に取り組んでいける体制を取ることができれば問題ないでしょう。

③弁護士に相談できる時間の制限

弁護士への法律相談は,30分以内,又は1時間以内といった形で時間を区切って行われるのが通常です。その時間内で,必要な情報を伝え,弁護士から案内を受け,弁護士選びの検討を行う必要があります。
もっとも,その時間は決して長くはありません。無意識に相談時間を浪費してしまうと,肝心の弁護士選びに必要な話が聞けないまま相談が終了してしまう可能性もあるでしょう。

そのため,弁護士選びに際しては,弁護士への法律相談に時間的な制限があることを踏まえ,弁護士選びの基準や聞きたいことなどを可能な限り整理して法律相談に臨むことをお勧めします。そのようなスタンスは,法律相談をより有益な内容とする結果にもつながるでしょう。

公然わいせつ事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で公然わいせつ事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

一般的な在宅事件では,34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

公然わいせつ事件の場合,10~50万円の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(10万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:10万円

計:99万円

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

【ひき逃げ事件の示談を知りたい人のために】ひき逃げ事件における示談の重要性,目指すべき示談の内容などを詳細に解説

このページでは,ひき逃げ事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

ひき逃げ事件で示談は必要か
ひき逃げ事件における示談のメリット
ひき逃げ事件で示談をする方法
ひき逃げ事件の示談金相場
ひき逃げ事件の示談内容・条項
ひき逃げ事件の示談で注意すべきこと
ひき逃げ事件の示談に必要な費用

QRコード又はアカウントリンクから
友達登録の上、ご相談ください。

<営業時間内即日対応>

営業時間外もお受付可能
友だち追加

ひき逃げ事件で示談は必要か

ひき逃げ事件では,示談が決定的に重要な意味を持つものであり,示談は間違いなく必要と考えるのが適切です。

前提として,ひき逃げ事件とは,自動車運転中に人身事故を起こしてしまった人が,その場を離れて逃走してしまうものを言います。
自動車の運転中に人身事故が起きた場合,運転者は,直ちに被害者を救護するという法律上の義務を負うところ,この救護義務に違反することを,俗に「ひき逃げ」と呼びます。
ひき逃げ事件は,被害者の生命や身体を危険にさらすのみならず,自動車運転者にとって極めて重要な義務の違反であるため,重大な刑事処罰の対象となることが珍しくありません。
被害者に生じた受傷結果によっては,初犯でも実刑判決となって刑務所に収容される場合はあり得るところです。
また,受傷結果が軽微な事件でも,不起訴となる場合はあまりなく,罰金執行猶予といった刑罰の対象となることが多数みられる類型です。

刑事罰の種類

この点,示談が成立し,ほかならぬ被害者が加害者を許しているという場合には,加害者に対する処分は劇的に軽減することが通常です。
示談がなければ実刑判決が懸念されるケースであっても,示談が成立した後に実刑判決が言い渡される可能性は極めて低くなります。前科があるなど,他に実刑判決をしなければならない事情がなければ,示談によって実刑判決を回避できることが通常です。

ひき逃げ事件の場合,処分の軽減を目指すときには,まず被害者との示談を目指すことが有力でしょう。

ひき逃げ事件における示談のメリット

①逮捕が回避できる

ひき逃げ事件は,逮捕の可能性が高い事件類型ということができます。その主な理由は,以下の通りです。

ひき逃げ事件で逮捕の可能性が高い理由

1.現場から逃げた事件である
→逃亡の恐れが大きい事件と理解される

2.悪質な事件類型である
→責任の重さを踏まえて逮捕されやすい

3.重大な処罰が予想される
→逮捕しないと,処罰を逃れるための逃亡や証拠隠滅が懸念される

ひき逃げ事件では,類型的に逮捕の恐れが大きいことを踏まえ,まずは逮捕を回避することを目指すのが望ましいでしょう。

この点,逮捕前に示談が成立しているひき逃げ事件では,その後に逮捕される可能性が非常に低くなります。示談が成立した後になって,加害者が逃亡や証拠隠滅を図るとは考えにくいためです。
示談が成立しているかどうかは,逮捕の有無を左右する極めて重要な事情ということができるでしょう。

ただし,ひき逃げ事件は,加害者にとって被害者の所在が分からないことが通常であるため,事前に示談をすることは容易ではありません。具体的な方針については,弁護士との十分な相談を行うようにしましょう。

②長期の勾留が回避できる

ひき逃げ事件で逮捕勾留される状況となった場合,早期釈放によって長期間の勾留を防ぐことが目標となります。
この点,示談の成立は,早期釈放のために極めて重要な材料となるため,示談には長期間の勾留を回避できるメリットがあると言えるでしょう。

示談が成立した場合,その後に重大な刑事処分が科される可能性が低くなる,との理解が一般的です。そのため,処分の重大性を踏まえて勾留し続けておく必要はなくなります。
また,被害者との間で解決している以上,釈放しても被害者と加害者の間でのトラブルの危険は生じないのが通常です。そのため,被害者保護の目的で勾留し続ける必要もなくなります。

したがって,示談が成立すれば,勾留を続ける必要の大部分が失われることになり,早期釈放を促しやすくなるのです。
身柄拘束されたひき逃げ事件の場合,被害者との示談を目指すのは非常にメリットが大きい行動になるでしょう。

③実刑判決が回避できる

ひき逃げ事件は,事故態様や被害者に生じた被害の結果によっては,初犯でも実刑判決の対象となる可能性があります。実刑判決の場合,刑務所に収容され,社会生活を継続することができなくなってしまうため,実刑判決を回避できるかどうかは極めて重要です。

この点,示談が成立したひき逃げ事件で実刑判決になることは通常ありません。特に,初犯であり被害者と十分な内容の示談ができていれば,実刑判決になる可能性は非常に低いでしょう。

実刑判決の回避にこれほど直接の影響を与えられる行動は,示談以外にはありません。そのため,示談は実刑判決の回避に対して極めて大きなメリットのある行動と理解するのが適切です。

ひき逃げ事件で示談をする方法

ひき逃げ事件で示談を試みる場合,捜査機関(警察や検察)を通じて,加害者側の意思を被害者に伝えてもらうことが必要となります。
ただ,被害者側が加害者との直接のやり取りを了承するとは限らず,当事者間では示談交渉が開始できない場合も少なくありません。そのため,弁護士に依頼し,弁護士に間に入ってもらう形で行うのが適切でしょう。

弁護士に依頼した場合には,弁護士から捜査機関に連絡をし,まず弁護士限りで被害者との連絡を取ることができないか,試みることになります。捜査機関担当者が被害者の意向を確認し,弁護士との連絡が可能となれば,連絡先を交換の上で連絡が開始できる,という流れを辿ることになるでしょう。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

ひき逃げ事件の示談金相場

ひき逃げ事件の場合,被害者は何らかのケガを負っていることになるため,治療費や慰謝料といった損害が発生しています。そのため,示談に際しては被害者に生じた損害を考慮することが不可欠であり,示談金額にも大きく影響します。

もっとも,被害者に生じた損害については,加入する自動車保険からの支払を行ってもらうのが適切でしょう。その主な理由は以下の通りです。

自動車保険から支払を行ってもらうべき理由

1.金額が大きくなりやすい

2.金額計算に専門的な知識が必要となる

3.当事者間では感情的なトラブルの恐れが大きい

適切な手順で,適切な金額の支払を行うためには,自動車保険の利用が合理的と考えるのがよいでしょう。

そして,損害賠償に自動車保険を用いた場合,当事者間の示談金は,治療費や慰謝料といった損害を除いた金額ということになります。具体的には,「処罰を望まないという意思を表明してもらうことの対価」となるでしょう。
ひき逃げ事件の被害者にとって,加害者の刑事処罰を希望しないメリットは基本的にありません。そのため,加害者側からただ許しを求められたとしても,直ちに応じようと思う被害者はあまりいないでしょう。
そのため,加害者側としては,許しを獲得するための対価を被害者に提供することで,被害者にとって示談が有益なものとなるよう提案することが有力です。対価は基本的に金銭となりますが,このような金銭を支払う場合の相場は,概ね10~50万円ほどという水準が目安になるでしょう。

具体的な示談金額は,事故の内容や被害の程度,加害者の経済力といった事情によって左右されることが考えられます。

示談金額を左右する事情

1.事故の内容
→加害者の落ち度が大きな事故であるほど増額要因になる

2.被害の程度
→被害者の受傷が重いほど増額要因になる

3.加害者の経済力
→経済力に限りがある場合,増額が困難となり得る

ひき逃げ事件の示談内容・条項

【確認条項】

加害者が被害者に支払う金額を確認する条項です。

【給付条項】

加害者が支払う金銭について,支払時期や方法を定める条項です。

【清算条項】

示談に定める支払いのほか,当事者間に債権債務関係がないことを確認する条項です。加害者が保険を利用せずすべて自分で賠償する場合には,設ける必要のある条項です。清算条項がないと,示談後にも被害者が重ねて金銭請求することが法的には可能となってしまいます。

一方,被害者の損害賠償を自動車保険に依頼する場合には,逆に清算条項を設けるべきではありません。清算条項を設けてしまうと,その後に被害者が保険会社から金銭を支払ってもらえなくなる恐れがあるためです。

保険会社は,加害者の代わりに,加害者が支払うべき金銭を支払う立場にあります。逆に言えば,加害者に支払う義務のない金銭は,保険会社も支払いません。そして,清算条項を設けるということは,加害者が支払うべき金銭がもう存在しない,という意味になります。
そのため,清算条項を設けた以上,被害者は保険会社からも金銭を支払ってもらえなくなってしまうのです。

【宥恕条項】

被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。宥恕(ゆうじょ)とは,「許し」を意味します。ひき逃げ事件の示談で加害者が目指すのは,この宥恕条項の獲得です。宥恕の伴った示談を行うことによって,刑事処分の軽減という効果が生じ得ることになります。

ひき逃げ事件の示談で注意すべきこと

①示談が処分の軽減に影響する範囲

ひき逃げ事件は,厳密には複数の犯罪に該当する行為です。

ひき逃げ事件で該当する犯罪

1.過失運転致傷(致死)
→自動車事故で他人を死傷させたこと

2.救護義務違反(ひき逃げ)
→被害者の救護を怠ってその場を離れたこと
(※ひき逃げ事件の処分が重くなる主な要因)

3.報告義務違反
→事故の発生を警察に報告する義務に反したこと
(※ただし,刑罰の重みは救護義務違反に大きく劣る)

ひき逃げ事件は,単に過失運転致傷(致死)があったのみでなく,救護義務の違反があるために重大な犯罪行為とみなされる,ということになります。

しかし,示談が直接処分の軽減に影響するのは,「1.過失運転致傷(致死)」の部分と理解されています。最も重大な救護義務違反との関係では,示談の意味は十分にあるものの,かといって示談すれば救護義務違反を起訴しなくてよくなる,というわけではないのです。
これは,救護義務違反が被害者を守るためのものというのみでなく,広く道路交通に関わる人の安全という公共の利益を守るための犯罪類型であるためです。被害者と示談したとしても,公共の利益を害した点について責任を負わせる必要がなくなるわけではない,ということになるのです。

ひき逃げ事件については,示談=不起訴という単純な関係にはならないことに注意が必要でしょう。

②被害者の感情面

ひき逃げ事件は,被害者にとって非常に理不尽な内容であるケースが多く,被害者の加害者に対する感情が強くなることが珍しくありません。これは,加害者が示談を申し入れたときにも大きく影響するポイントとなります。

ひき逃げ事件の場合,被害者目線では,加害者を許すという判断に大きな抵抗のあることが大多数です。いきなり許してほしいという趣旨のお願いをしても,拒否される方が普通でしょう。
そのため,まずは被害者の感情面に配慮の上,謝罪の試みを行う,という方針が適切になりやすいところです。許してもらえるかどうかは,謝罪を受け取ってもらった後の問題である,と考える方が合理的でしょう。

示談を急ぐのではなく,まずは粘り強く謝罪の意思を伝える,ということを大切にするのが,結果的に示談の近道になると言っても過言ではありません。

ポイント
示談=不起訴ではない
まずは謝罪を試みることから始める

ひき逃げ事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所でひき逃げ事件に関して弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

一般的な在宅事件では,34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

ひき逃げ事件の場合,10~50万円の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(20万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:20万円

計:109万円

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

【当て逃げ事件の示談を知りたい人のために】当て逃げ事件における示談の必要性,メリット,不可欠な内容などを解説

このページでは,当て逃げ事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

当て逃げ事件で示談は必要か
当て逃げ事件における示談のメリット
当て逃げ事件で示談をする方法
当て逃げ事件の示談金相場
当て逃げ事件の示談内容・条項
当て逃げ事件の示談で注意すべきこと
当て逃げ事件の示談に必要な費用

QRコード又はアカウントリンクから
友達登録の上、ご相談ください。

<営業時間内即日対応>

営業時間外もお受付可能
友だち追加

当て逃げ事件で示談は必要か

当て逃げ事件の場合,被害者との示談は極めて重要であり,処分軽減のためには必要不可欠と考えるのが適切でしょう。

そもそも,「当て逃げ」事件というのは,自動車運転中に人のケガを伴わない交通事故(物損事故)を起こした人が,警察に事故発生の報告をしないままその場を離れてしまうことを指します。物損事故を起こした運転者は,事故の発生を警察に報告する法律上の義務を負うため,そのまま立ち去る行為がこの報告義務の違反に該当するのです。

そのため,当て逃げ事件の場合には,物的な損害を被った被害者が存在することになります。ほかの車両や家の塀などが代表例ですが,物的な損害を被れば,被害者は金銭的な損害や各種手続の負担を強いられます。そして,当て逃げ事件の処分に際しては,そのような被害者の意向を反映した判断をすることが一般的です。

当て逃げ事件で示談が成立した場合,被害者の意向としては加害者を許すという内容になるのが通常です。そのため,被害者の意向を反映した刑事処分も,加害者を許すという内容=不起訴処分となりやすいのです。
したがって,当て逃げ事件での示談は,刑事処分の軽減を目指し,不起訴処分の獲得を試みるためには必要不可欠なものと言えるでしょう。

ポイント
当て逃げ事件の刑事処分は,被害者の意向を反映したものになる
示談によって被害者から許しが得られれば,刑事処分も軽減される

当て逃げ事件における示談のメリット

①刑罰を防げる

当て逃げ事件では,被害者との示談によって被害者の許しが得られれば,その意向を反映して刑事処分が軽減されることが一般的です。特に重大な処分をするべき事情がなければ,示談が成立している場合には不起訴処分とされることが非常に多くなるでしょう。

不起訴処分とされれば,刑罰を受けることなく手続が終了し,前科が付くこともありません。刑罰を科されない不起訴処分は,刑事手続の結果として最も利益の大きなものであるため,当て逃げ事件の示談には非常に大きなメリットがあるということができるでしょう。

②逮捕を防げる

逮捕は,逃亡を防ぐ目的で行われる可能性があるところ,当て逃げ事件は,事故現場から一度逃げてしまっている事件類型です。そのため,当て逃げ事件の加害者はまさに逃げる可能性が高いと評価され,逮捕される可能性も否定できません。
逮捕をされてしまうと,一定期間の身柄拘束が強いられてしまい,生活への悪影響は避けられないため,逮捕されるかどうかは非常に重要な問題です。

この点,当て逃げ事件で逮捕前に示談が成立している場合,その後に逮捕される可能性は非常に低くなります。示談を行っているということは,適切な被害者対応を行っているのが明らかであるため,その後にあえて加害者が逃亡を試みるとは考え難いからです。

早期の示談は,逮捕を防ぐ手段としても非常に有効な動きとなります。

③早期釈放につながる

当て逃げ事件で逮捕勾留をされた場合にも,示談は早期釈放のための重要な要素となります。

刑事事件の身柄拘束としては,最長72時間の「逮捕」,その後10日間の「勾留」,さらに最長10日間の「勾留延長」が定められています。これらがすべて行われた場合,約23日間の身柄拘束を経て,起訴不起訴の判断を受けることになります。

逮捕から起訴までの流れ

しかしながら,逮捕段階で示談ができれば勾留の可能性が大きく下がり,勾留中に示談ができれば勾留延長の可能性が大きく下がる,という具合に,示談によって身柄拘束から早期に釈放してもらうことが可能になります。
示談の成立した当て逃げ事件は,それ以上身柄拘束をしておく必要がないと評価されやすいため,釈放の時期も繰り上がって早期になりやすいのです。

ポイント 示談のメリット
刑罰の防止:示談できれば不起訴になりやすい事件類型
逮捕の防止:逃亡の恐れがなくなったと判断されやすい
早期釈放:示談後に身柄拘束を続ける必要はないと評価されやすい

当て逃げ事件で示談をする方法

当て逃げ事件で示談を試みる場合,大きく分けて「捜査機関を通じて申し入れる」か「被害者に直接申し入れる」か,という二つの方法が考えられます。

【捜査機関を通じて申し入れる場合】

特に当事者間で連絡を取る手段がない場合,弁護士に依頼して弁護士から捜査機関に連絡を入れてもらうことが必要です。弁護士から連絡を受けた捜査担当者は,被害者に意向を確認し,被害者が示談交渉に応じる場合には連絡先の交換を仲介します。
連絡先の交換ができた場合,弁護士から被害者に連絡を行い,示談交渉を開始します。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

【被害者に直接申し入れる場合】

当て逃げ事件では,警察を通じて当事者間の連絡先交換を行う場合があります。これは,主に加害者から被害者への金銭賠償をするのに必要であるためです。加害者が自分の保険会社に事故を報告し,被害者の連絡先を伝えることで,保険会社と被害者のやり取りが開始する,という流れが一般的です。

当事者間で連絡を取ることができる場合,被害者側が了承するのであれば直接示談交渉を申し入れることも可能です。ただ,示談交渉には丁寧な説明と交渉が必要になるため,弁護士に依頼して弁護士に行ってもらうようにしましょう。

具体的な方法としては,以下のいずれかが考えられます。

示談を試みる方法

1.依頼した弁護士から直接被害者に連絡する
2.加入保険の担当者から被害者に連絡してもらう

示談交渉の流れ

当て逃げ事件の示談金相場

当て逃げ事件の示談金は,損害の賠償に保険を利用するかどうかによって大きく異なります。

①賠償のために保険を利用する場合

保険を利用する場合,被害者側に生じた物的な損害はすべて保険会社から支払われることになります。そのため,示談金額を検討するにあたって被害者に生じた物的損害の金額を考慮する必要はありません。
したがって,当て逃げ事件の示談としては,端的に「被害者が加害者を許す」というのみの内容になるのが一般的です。

そうすると,この場合の示談金は,被害者が加害者を許すことへの対価という意味合いの金銭になります。そのような金銭は,法的には特に支払いの必要がないため,当事者間で特に合意をしたときのみ発生する支払となります。
そして,許すことへの対価となる金額は,概ね数万円~10万円ほどという場合が多く見られます。当て逃げによって生じた経済的なマイナスは補填されていることが前提であるため,いわゆる「お気持ち」といった支払いになるのが通常でしょう。

そのため,保険を利用する場合の示談金は0円~10万円の範囲内というのが目安になりやすいところです。

②賠償のために保険を利用しない場合

保険を利用しない場合,まずは被害者に生じた経済的な損害を支払わなければなりません。これに,上記の「許すことへの対価」を加えた金額が,保険利用しない場合の示談金額ということになります。

保険利用しない場合の示談金額

「1.被害者に生じた経済的な損害」

「2.被害者が加害者を許すことの対価」

したがって,この場合の示談金額は,「被害者の財産的な損害額」+「0~10万円ほど」という理解になるでしょう。

当て逃げ事件の示談内容・条項

【確認条項】

加害者が被害者に支払う金額を確認する条項です。ただし,加害者が金銭を支払うことが前提であるため,加害者から被害者への支払がない場合には設けません。

【給付条項】

加害者が支払う金銭について,支払時期や方法を定める条項です。これも,加害者が金銭を支払うときに限り設ける条項となります。

【清算条項】

示談に定める支払いのほか,当事者間に債権債務関係がないことを確認する条項です。加害者が保険を利用せずすべて自分で賠償する場合には,設ける必要のある条項です。清算条項がないと,示談後にも被害者が重ねて金銭請求することが法的には可能となってしまいます。

一方,被害者の物的損害を保険から支払う場合には,逆に清算条項を設けるべきではありません。清算条項を設けてしまうと,その後に被害者が保険会社から金銭を支払ってもらえなくなる恐れがあるためです。

保険会社は,加害者の代わりに,加害者が支払うべき金銭を支払う立場にあります。逆に言えば,加害者に支払う義務のない金銭は,保険会社も支払いません。そして,清算条項を設けるということは,加害者が支払うべき金銭がもう存在しない,という意味になります。
そのため,清算条項を設けた以上,被害者は保険会社からも金銭を支払ってもらえなくなってしまうのです。

【宥恕条項】

被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。宥恕(ゆうじょ)とは,「許し」を意味します。
当て逃げ事件で加害者が示談をする目的は,この宥恕条項を獲得するためです。保険を利用するかどうかにかかわらず設けることが必須と言えるでしょう。

ポイント 示談条項
確認条項:金銭を支払う場合のみ設ける
給付条項:金銭を支払う場合のみ設ける
清算条項:保険利用をしない場合のみ設ける
宥恕条項:必ず設ける

当て逃げ事件の示談で注意すべきこと

①示談が困難な場合

当て逃げ事件は,ぶつけられた物の所有者が被害者となりますが,その被害者によっては示談が困難な場合もあります。

示談が可能になりやすいのは,相手が個人の場合です。その個人の判断如何で,示談できるかどうかはいずれも考えられます。
しかし,相手が個人でない場合は,示談によって許しを得ることが困難な場合が少なくありません。

例えば,公の施設や建造物に対する当て逃げでは市区町村が被害者となり,会社や店舗であればその企業が被害者となりますが,これらの被害者は基本的に「許す」という内容の交渉に応じることがありません。
このような場合には,金銭賠償だけは確実に行い,全額の金銭賠償をした事実を考慮してもらう動き方が現実的でしょう。

②過失割合が問題になる場合

特に自動車同士の当て逃げ事件の場合,事故の過失割合が問題になる可能性があります。
例えば,被害者と加害者の過失割合が「20:80」の当て逃げ事件で,被害者に100万円の損害が生じた場合,加害者の支払うべき金額は80万円の限度となります。加害者が保険を利用した場合,保険から被害者には80万円しか支払われません。

しかし,これでは被害者が感情的に納得していないことが少なくありません。100万円の被害を受けたにも関わらず,80万円を受領しただけで加害者を許す,ということに難色が示されることは珍しくないでしょう。

この場合,被害者の過失分を埋め合わせる趣旨で,加害者が「損害総額」と「保険の支払」の差額を支払う形での示談を提案することは一案です。加害者としては支払義務のない金銭ですが,被害者側にも示談に応じる具体的なメリットが生じるため,示談成立に至りやすい交渉方法の一つと言えるでしょう。

ポイント
被害者が個人でない場合,許しを得ることは困難
被害者に過失がある場合,被害者の過失分を加害者が埋め合わせる示談も有力

当て逃げ事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で当て逃げ事件に関して弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

一般的な在宅事件では,34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
宥恕の獲得11万円
出張日当・実費実額

活動の成果が生じた場合に限り,44万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

当て逃げ事件の場合,0~10万円の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(0円で宥恕獲得+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+44万円=78万円
示談金:0円

計:78万円

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

交通事故で加害者に処罰を望まない場合の対応方法|弁護士の役割まで徹底解説

交通事故の被害に遭われた方は、怪我の治療や示談交渉、加害者の刑事処分など、さまざまな問題に直面します。

とくに、加害者が深く反省している場合、「重い処罰までは望まないが、適正な賠償は受けたい」という複雑な思いを抱えることは少なくありません。

適切な対応を誤れば、処罰意思の表明が賠償に不利に働くのではないかと不安を感じる方もいらっしゃいます。

本記事では、交通事故の被害者が加害者の処罰を望まない場合に、その意思を法的に正確に伝える方法や、被害者自身の賠償問題への影響について詳しく解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

被害者が処罰を望まない意思を伝える具体的な方法と注意点

交通事故の被害者の方が「加害者に重い処罰は望まない」と考える場合、加害者の刑事手続きに影響を与える「宥恕(ゆうじょ)」の意思として法的に扱われます。

この意思を伝える方法は、口頭ではなく、後から証拠となる書面によって行う必要があります。

示談書に「処罰を望まない」旨を記載する

交通事故の損害賠償問題(民事)と加害者の刑事処分(刑事)を同時に解決する最も一般的な方法は、示談書に宥恕の意思を明記することです。

結論、この方法が推奨されるのは、賠償問題が解決したことと、処罰を求めない意思表明が一体となるため、法的な関係性が明確になるからです。

示談書には、「被害者は、本示談をもって加害者による損害の賠償を受け入れたものとし、加害者に対する刑事処罰を求めないことを表明する」といった文言を盛り込めます。

この示談書は、後に検察官が加害者を起訴するかどうかを判断する際、被害者の処罰感情が和らいでいることを示す決定的な証拠として扱われます。

ポイントとして、被害者の方がこの意思を伝えるのは、必ず賠償額(示談金)に納得し、受け取りを確約した後に限定してください。

賠償額が確定する前に意思を伝えてしまうと、後の交渉で不利になる可能性があります。

(参考文献:民法 第709条、刑事訴訟法 第248条)

検察官宛てに「嘆願書(加害者有利)」を提出する

示談書とは別に、被害者の方が個別に加害者の処罰軽減を求める嘆願書を、事件を担当している検察官宛てに提出することも可能です。

嘆願書は、示談の成立とは独立して、被害者の純粋な処罰感情の緩和を直接的に検察官に訴えるための手段となります。

嘆願書には、加害者が事故後に真摯に謝罪や反省をしている点、示談が成立している点などを記載し、「よって、検察官におかれては、加害者に対して寛大な処分(不起訴処分など)を下していただきたい」という旨を明記します。

注意点は、嘆願書に一度署名をしてしまうと、後からその内容を撤回することは困難です。

必ず内容を吟味し、ご自身の処罰感情と賠償額に納得した上で、提出するかどうかを決定するようにしてください。

処罰を望まない意思が加害者の刑事手続きに与える影響

被害者が加害者に処罰を望まないという「宥恕の意思」は、加害者の刑事処分に対して大きな影響を受けます。

宥恕の意思があることは、加害者の刑事処罰が最も軽い処分、すなわち不起訴処分となる可能性を高めます。

不起訴処分となれば、加害者には前科はつきません。万が一、検察官が加害者を起訴したとしても、裁判官は被害者の宥恕の意思を情状として最大限考慮します。

これにより、懲役刑や禁錮刑などの重い実刑ではなく、執行猶予付きの判決や、罰金で済む略式命令となる可能性が高まるのです。

交通事故の処罰を望まない場合の弁護士の役割

加害者に処罰を望まない被害者の方にとって、弁護士に依頼することは、単に賠償金を獲得する以上の大きなメリットがあります。

ここからは、交通事故の処罰を望まない場合の弁護士の役割について詳しく解説します。

適正な賠償額の算定と獲得

被害者側の弁護士の重要な役割は、被害者が受けた損害に見合った、最も高額な弁護士基準(裁判基準)による賠償金を獲得することです。

処罰を望まないという意思とは関係なく、弁護士は保険会社が提示する低額な基準ではなく、裁判実務に基づいた適正な慰謝料額を算定し、交渉によって確実に被害者の利益を守ります。

保険会社は、自社の基準で低い賠償額を提示することが多いため、弁護士が介入し、法的な根拠に基づいた請求を行うことで、賠償額を大幅に増額できるでしょう。

加害者への間接的な意思伝達

加害者側から嘆願書の提出や示談交渉を求められた際、被害者の方が直接対応するのは精神的な負担が大きいものです。

弁護士が被害者の代理人となることで、加害者やその弁護人との交渉窓口を一本化できます。

これにより、被害者の方は煩雑な交渉から解放され、治療に専念できるようになるでしょう。

処罰を望まない意思表明のタイミングや形式についても、弁護士が被害者の方の意思を確認した上で、法的に最も適切な方法で加害者側に伝達します。

感情と実利の切り分け

被害者の方は、加害者の反省の度合いを見て「重い処罰は不要」と考える一方で、「怪我や生活の被害に対しては十分な賠償を受けたい」という複雑な思いを抱えます。

弁護士は、処罰感情という感情的な側面と、適正な賠償金獲得という実利的な側面を明確に切り分け、交渉を進められます。

被害者の感情に寄り添いつつも、示談交渉においては法的な基準に基づいて冷静に判断するよう助言し、被害者の方が感情に流されて不利益な示談をすることを防げるでしょう。

交通事故の被害者が適切な解決を目指すための行動ステップ

加害者の処罰を望まない場合でも、被害者の方が適切な賠償を獲得し、事件を円満に終結させるために、以下のステップで行動することが重要です。

ステップ1:まずはご自身の治療と賠償問題の解決を優先する

加害者の刑事処分を心配する前に、何よりも優先すべきは被害者ご自身の怪我の治療と、損害の確定です。

示談交渉は、治療が終了し、将来的な後遺障害の有無が確定した後に行うのが原則です。

損害額が確定していない段階で安易に示談や処罰意思の表明をしてしまうと、将来発生する可能性のある損害について賠償を受けられなくなるおそれがあります。

ステップ2:示談交渉に入る前に弁護士基準の賠償額を把握する

保険会社から示談の提案があったとしても、その金額に安易に合意してはいけません。

示談交渉を始める前に、必ず弁護士に相談し、ご自身の損害が最も高額な弁護士基準(裁判基準)でいくらになるのかを正確に把握しておくべきです。

保険会社は、自社の基準(任意保険基準)や自賠責保険の基準など、低額な基準で慰謝料を提示します。

弁護士が介入し、弁護士基準を適用することで、提示額が2倍~3倍に増額するケースも珍しくありません。適正額を把握することで、交渉で不利になることを防げます。

ステップ3:処罰を望まない意思は「示談書」の署名時に伝える

処罰を望まないという意思(宥恕の意思)は、加害者に対する被害者の方の大きな譲歩の一つです。

この重要な意思表示は、適正な賠償額で示談が成立し、示談書に署名捺印する際に、書面に明記する形で伝えるのが安全で、効果的な行動となります。

先に宥恕の意思だけを伝えてしまうと、加害者側が「処罰回避の目的は達した」として、後の賠償交渉で非協力的になるリスクがあります。

示談書の締結をもって初めて意思を伝えることで、被害者の方の利益を最後まで守ることができるのです。

まとめ

交通事故の加害者に処罰を望まないというお気持ちは、加害者の真摯な反省を受け入れた結果であり、事件の円満な解決を目指す上で重要なことです。

この「宥恕(ゆうじょ)の意思」は、加害者の不起訴処分の可能性を高める、法的に極めて重要な要素となります。

しかし、その意思が被害者ご自身の賠償額を減らすことは原則としてありません。

感情的な面と実利的な面を切り分け、「治療の完了」「弁護士基準の適正な賠償金獲得」を確実に実現した上で、示談書を通じて宥恕の意思を伝えることが、被害者の方にとって最も賢明で、後悔のない解決方法です。

【淫行事件の示談を知りたい人のために】示談で不起訴になるか?相手と連絡を取る手段は?示談金額は?

このページでは,淫行事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

淫行事件で示談は必要か
淫行事件における示談のメリット
淫行事件で示談をする方法
淫行事件の示談金相場
淫行事件の示談内容・条項
淫行事件の示談で注意すべきこと
淫行事件の示談に必要な費用

QRコード又はアカウントリンクから
友達登録の上、ご相談ください。

<営業時間内即日対応>

営業時間外もお受付可能
友だち追加

淫行事件で示談は必要か

一般に「淫行」と呼ばれる事件は,18歳未満の男女と性行為に及ぶものをいいます。18歳未満の男女は,その心身の発達を守るため,原則として性行為の相手とすることが禁じられており,これに反して「淫行」に及ぶと処罰の対象となります。
具体的には,各都道府県における「青少年保護育成条例」又は「青少年健全育成条例」といった条例の違反行為として取り締まりの対象となるところです。法律でなく条令の違反行為ですが,刑罰も定められており,れっきとした犯罪行為です。

この点,淫行事件で刑罰を防ぐためには,示談が決定的に重要であり,示談の試みは必要不可欠と考えてよいでしょう。

淫行事件の場合,被害者側の処罰感情が刑事処分を決定づけることが極めて多く見られます。処罰感情とは,被疑者(=加害者)の処罰を望むかどうかという気持ちのことを指しますが,処罰を希望する場合には処罰の対象となり,逆に処罰を望まない場合には処罰されないことが通常です。
そして,加害者側が何も行動を起こさない場合,被害者側の処罰感情は「処罰を希望する」という内容であると理解されるのが原則です。被害者側が捜査や処分を望んだから捜査が開始されたのであって,捜査が始まっている以上は処罰を希望しているのだと理解して間違いはないでしょう。

そのため,淫行事件での示談は,「処罰を希望する」との処罰感情を「処罰を希望しない」というものに変更してもらうことで,処罰を防ぐ手段ということができます。このようにして処罰の回避を図る手段は示談以外になく,示談は処罰の回避にとって決定的に必要な要素と考えて差し支えありません。

ポイント
淫行は「青少年保護育成条例」又は「青少年健全育成条例」の違反行為
示談がなければ,処罰感情を踏まえて起訴されることが一般的
示談できれば,処罰感情が変化するため不起訴が獲得できる

淫行事件における示談のメリット

①前科の回避

淫行事件では,示談できるかどうかによって刑罰の有無が変わりやすいため,刑罰を受けず前科を回避できることが何より大きなメリットと言えるでしょう。
逆に,示談しなかった場合は,起訴されて罰金刑などの刑罰を受けることが見込まれやすいため,示談の有無は刑事事件の結果を極めて大きく左右することになります。

②逮捕勾留の回避

淫行事件における示談は,早期に行うことで逮捕や勾留の回避にもつながります。

刑事事件における身柄拘束としては,最大72時間の「逮捕」,10日間の「勾留」,最大10日間の「勾留延長」と続くことがあります。これらがすべて行われた場合,23日前後の身柄拘束を強いられることになります。

逮捕から起訴までの流れ

この点,逮捕前に示談が成立した場合,基本的に逮捕される可能性はなくなることがほとんどでしょう。淫行事件の場合,被害者側の意に反して逮捕を行う必要が生じることは考え難いです。
また,逮捕された場合でも,その後の勾留や勾留延長を避けるための手段として,示談は決定的な効果を発揮することが非常に多く見られます。示談が成立した以上,それ以上の身柄拘束は必要ないとの判断になることは,淫行の事件では決して珍しくありません。

③報道の回避

早期の示談は,事件が報道されて公になることの予防にもなります。

刑事事件が報道されるのは,多くの場合が逮捕直後です。逮捕された事件の情報が警察から報道機関に提供され,報道機関がそれらの情報を取捨選択する形で報道されることが一般的な運用とされています。
そのため,示談によって逮捕を回避することで,事実上は報道の対象になることが考えにくくなるでしょう。

職業や勤務先など,立場によってはより報道されやすい場合もあり得ますが,この場合にも早期の示談で事件が解決していれば,その後の報道はなされにくくなるのが一般的です。報道を抑止する現実的な手段としては,示談によって当事者間で解決してしまうのが最も適切です。

淫行事件で示談をする方法

淫行事件の示談は,捜査機関に示談を希望したい旨を申し入れることから始まります。捜査機関の担当者から被害者側に連絡を入れてもらい,示談の話し合いに応じるかどうかを確認してもらうのです。

しかしながら,これは当事者や家族が直接行ってもうまくいきません。捜査機関は,当事者間を直接引き合わせるとトラブルの原因になりかねないとの理由で,当事者間の直接の示談交渉を認めないためです。そのため,被害者側との示談を試みる場合には,自分の代理人となる弁護士に依頼し,弁護士を通じて被害者側との示談を試みることが必要になります。
弁護士の連絡を受けた捜査機関は,被害者側(親権者)に連絡を試み,示談交渉に応じるか意向を確認します。被害者側が了承した場合には,弁護士に連絡先が伝えられるなどして示談交渉が開始されます。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

なお,迅速な示談の成立は,迅速な動き出しにかかっているという面が強くあります。被害者側としては,時間が経った後より,速やかに示談の申し入れをしてきた場合の方が,謝罪の意思を感じ取れるため,感情的に示談を受け入れやすくなるのが通常です。
迅速解決は,迅速な動き出し,ひいては迅速な弁護士委任にかかっていると言ってもよいでしょう

ポイント
弁護士を通じて捜査機関に示談を申し入れる
迅速な動き出しが極めて重要

淫行事件の示談金相場

淫行事件の場合,示談金の目安は20~30万円ほどとされるケースが多く見られます。淫行自体が,当事者双方に合意があることを前提とした事件類型のため,無理矢理に性行為を求めたような事件に比して小さな金額となるのが通常です。

具体的な金額は個別の事情に応じて交渉されますが,一般に示談金額を増減させる事情としては以下のような点が挙げられます。

示談金額の増減要因

1.相手の年齢
→低いほど増額要因になる

2.性行為のきっかけ
→虚偽の話で騙す行為があった場合,増額要因になる

3.性行為に至る経緯
→判断能力の低下に付け込む形で性行為に至った場合,増額要因になる

4.相手側の原因の有無
→被害者側から誘った等の原因があれば,減額要因になる

5.加害者側の経済力
→支払える金額に限界がある場合,増額が困難になりやすい

淫行事件の示談内容・条項

①一般的な示談条項

【確認条項】

加害者の被害者に対する支払金額を確認する条項です。

【給付条項】

確認条項に記載した金銭の支払をどのように行うのかを定める条項です。

【清算条項】

示談で定めた条項以外には,当事者間に権利義務の関係がないことを定める条項です。清算条項を取り交わせば,その後に相手から金銭を追加請求される可能性は法的になくなります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項とは,被害者が加害者を許す,という意味の条項です。
示談が刑事処分に有利な影響を及ぼすのは,基本的にこの宥恕条項があるためです。被害者が加害者を許している,という事実が,刑事処分を劇的に軽減させる要素となります。

②淫行事件で特に定めやすい条項

【接触禁止】

今後の当事者間の接触を防ぐため,加害者が被害者側に接触することを禁止する条項を設けることがあります。
なお,条項を設けない場合でも,示談後に当事者間の連絡を試みることは控えるのが賢明でしょう。示談後の別件のトラブルに発展し,示談が無駄になってしまう恐れがあります。

【立入禁止】

淫行の過程で,被害者の自宅や生活圏を把握してしまっている場合,被害者方や近辺への立入を禁止する条項を設けることが考えられます。

立入禁止の条項を求められた場合には,接触しないという意思を示す意味でもできるだけ応じるのが合理的でしょう。特に,生活圏が全く重ならない場合は,極力相手の請求に応じて合意するのが円滑です。
一方,立入禁止がその後の日常生活に支障を及ぼす可能性がある場合は,弁護士と相談の上で綿密な取り決めを目指すことが必要です。立入禁止を約束した場合,その違反は違法行為となってしまうため,合意前に十分な相談をするようにしましょう。

淫行事件の示談で注意すべきこと

①示談の相手は本人か親権者か

淫行事件は,相手本人が青少年(=18歳未満の未成年者)であるため,法的には親権者を相手に示談すべきことになります。相手本人と示談した場合,法律上は後から取り消されてしまう可能性も否定できません。
もっとも,相手の親子関係によっては,親権者との示談が困難な場合もあるため,個別の場合に誰を相手にすべきかは難しい判断となることもあります。

この点,刑事処罰を避ける目的であれば,相手本人と示談をすることも決しておかしくはありません。相手方の親子関係に問題がある場合,捜査機関が処罰感情を確認する相手も本人となることがありますが,その場合には本人と直接示談するのがむしろ端的ともいえます。
確かに,法的には完全に十分な示談ではないかもしれませんが,それを理由に不起訴処分にできない,ということはまずありません。

示談の相手は,個別の状況や相手方の希望などを踏まえ,柔軟にしてもよいところでしょう。

②示談しても起訴される場合

淫行の事件は,示談によって不起訴にされることが非常に多いですが,当事者間の関係によっては示談をしても起訴が避けられない場合があります。典型例としては,加害者が仕事上の立場を通じて被害者と知り合った場合が挙げられます。
具体的には,教員や医師などが想定されますが,業務を通じて児童の個人情報を把握でき,児童とやり取りできる立場にある場合,その立場を悪用して淫行に至る行為は悪質と判断される傾向にあります。そうすると,元々の事件の悪質性が高い影響で,示談による軽減があっても不起訴までは至らない,ということがあり得るのです。

業務上知り合った相手との淫行事件については,示談をしても不起訴にならない可能性があることを踏まえておくのが望ましいでしょう。

淫行事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で淫行事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

一般的な在宅事件では,34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

淫行事件の場合,20~30万円の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(20万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:20万円

計:109万円

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

児童買春事件で示談する必要性|逮捕・不起訴の可能性を踏まえて示談のメリットや金額などを解説

「児童買春行為で警察に摘発されてしまった…相手と示談を結ぶことで前科を避けられるのだろうか?」

「示談を進めるうえでの注意点や流れが知りたい。」

そう思う方もいるのではないでしょうか。

児童買春に関する事件では、示談の成立が刑事処分に大きく影響する可能性があります。

ただし、相手方との示談交渉は慎重に進めなければ逆効果になるリスクもあるため、正しい知識と手順を理解することが重要です。

本記事では、児童買春の示談の意味や成立のポイント、示談を成功させるための流れ、注意点について詳しく解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

児童買春とは

児童買春とは、18歳未満の児童に対して金銭その他の財産上の利益を与える約束をした上で、性的な行為を行うことです。

ここからは、以下2つの内容について深掘りしていきます。

  • 児童買春の刑罰内容
  • 児童買春に関連する刑罰

児童買春の刑罰内容

児童買春を行った場合、日本の法律では非常に重い刑罰が科される可能性があります。

具体的には、「児童買春・児童ポルノ禁止法」第4条により、児童に対して金銭等を与えて性交や類似行為を行った者は「5年以下の懲役または300万円以下の罰金」に処されると定められています。

第四条

児童買春をした者は、五年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
引用:e-Gov法令検索「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」

この刑罰は、単に買春行為を行っただけでなく、児童の性的自己決定権を侵害した重大な行為であるという観点から重く評価されています。

また、初犯であっても起訴されるリスクがあり、示談が成立していたとしても不起訴になるとは限りません。

逆に示談が成立しなかった場合、裁判に進む可能性が高くなります。

実際の運用では、被害者(児童)やその保護者との示談の成立や謝罪の意思、再犯防止への取り組みなどが処分を決める際の判断材料となります。

児童買春に該当する行為は一時の過ちであっても、人生に大きな影響を与える重大な刑事事件であると認識すべきです。

児童買春に関連する刑罰

児童買春そのものに対する刑罰に加えて、それに関連する行為についても法的に罰則が設けられています。

たとえば、児童買春を助長するような勧誘行為や、児童と買春の場をセッティングする行為(いわゆる「周旋行為」)は、同法第6条・第7条などにより処罰対象です。

具体的には、児童買春の周旋を行った者は「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に処されることがあります。

さらに、スマートフォンやSNSを使って児童を買春に誘導したり、援助交際を匂わせるメッセージのやりとりを行った場合でも、「児童誘引罪」として刑事罰の対象となります。

実際に性交に至らなくても、性的な行為を約束したうえで会っただけでも処罰される可能性がある点に注意が必要です。

児童買春事件で逮捕される可能性

児童買春事件は,捜査に際して逮捕される可能性が十分に考えられる事件類型です。逮捕をされるケース,されないケースはいずれもありますが,逮捕の可能性が高くなりやすい要因や,逮捕されやすい場合の特徴としては,以下のような点が挙げられます。

逮捕の可能性が高まる要因

1.児童への悪影響を防ぐため

2.今後の事件発生を防ぐため

特に対処をしない場合、基本的には起訴されると考えるのが適切です。弁護士を通じて示談などの必要な対応を取った場合は、結果が伴えば大部分のケースで不起訴が目指せる印象です。

1.児童への悪影響を防ぐため

児童買春事件の場合,同一の児童と複数回に渡って行為が行われるケースも少なくありません。そのため,児童が多数の児童買春事件に関与した結果,児童の性風俗の乱れが深刻化する可能性が懸念されやすく,これを防ぐために逮捕がなされる場合が考えられます。

また,児童自身が児童買春事件の重要な証拠であるため,児童に圧力をかけるなどして口止めを図ろうとする可能性が懸念される場合もあります。児童が証拠隠滅行為による被害を受けることのないよう,逮捕によって当事者間の接触を防ぐことが考えられます。

今後の事件発生を防ぐため

児童買春事件では,複数の児童を相手に多数回の行為が行われる場合も少なくありません。そのため,今後,他の児童を相手に児童買春事件が起きることを防ぐ目的で逮捕がなされる可能性が考えられます。

そのほか,逮捕されやすいケースの例としては,以下のような場合が挙げられます。

逮捕されやすいケース

1.児童の年齢が低い場合
→年齢が低いほど逮捕リスクが高い

2.多数の余罪が見込まれる場合
→余罪の数が際立っていると,逮捕リスクが高い

3.被疑者が罪証隠滅を図った場合
→児童と口裏合わせを試みたり,物証を処分したりしている場合,逮捕リスクが高い

児童買春事件で逮捕を避ける方法

①当事者間での解決

児童買春事件は,当事者間で既に解決している場合,その後に捜査が開始されることは現実的に考えづらいです。そして,捜査が行われない限り,捜査上の手続の一つである逮捕も行われないため,当事者間での解決は逮捕を防ぐための有力な手段と言えます。

当事者間で速やかに解決する余地がある場合には,積極的に解決を目指すことが有益でしょう。

②自首

被疑者が積極的に自首を行った場合,逮捕の必要性は低いと評価されることが通常です。自首は,自ら捜査機関に犯罪事実を明らかにする行為であって,自分から犯罪を告げてきた被疑者が逃亡や証拠隠滅を図るとは考え難いためです。

自首を行うことができるのは,児童買春事件について捜査を受ける前の段階に限られますが,自首の余地がある場合には逮捕回避の有力な手段として検討することが望ましいでしょう。

③適切な捜査対応

既に捜査機関から呼び出されるなどし,捜査が継続されている場合には,その捜査への対応を適切に行うことで,逮捕を避けられる可能性が高まります。

児童買春事件の場合,逮捕せずに捜査が進められている状況下では,被疑者の捜査対応に問題がない限り逮捕しないまま捜査を遂げてもよいと考えられていることが通常です。呼び出しには確実に応じ,取調べにも可能な限りの回答をするなど,円滑な捜査への協力姿勢を明らかにすることで,逮捕のリスクは低下しやすい状況と言えるでしょう。

児童買春事件で不起訴になる可能性

児童買春事件は,犯罪事実が明らかであれば,起訴をする方が一般的です。初犯であるから,反省しているからという理由で不起訴処分となることはあまりないでしょう。
特に,児童買春事件で起訴されやすい場合としては,以下のような例が挙げられます。

児童買春事件で起訴されやすいケース

1.児童の年齢が低い場合
→年齢が低ければ低いほど,刑事責任が重く,起訴されやすい

2.児童を強く唆した場合
→児童の自発的な判断でなく,児童を強く唆した事件の場合,責任が重く起訴されやすい

3.件数・回数が多い場合
→相手となった児童の数や児童買春の回数が多いほど,責任が重く起訴されやすい

4.児童の親権者が起訴を望む場合
→親権者の意向を酌む形で起訴されやすい

児童買春事件で不起訴を目指す場合には,不起訴を目指す積極的な動きが必要となります。この点,事後的に動かせる事情は,児童の親権者が起訴を望むかどうか,という点です。そのため,児童側との示談によって,起訴を望まないとの意向を獲得することが有力になりやすいでしょう。

児童買春で示談する必要性とは

児童買春で示談する必要性は主に以下のとおりです。

  • 不起訴処分を得るための重要な手段となる
  • 量刑判断において情状酌量の材料となる
  • 民事上の責任を整理する

詳しく解説します。

不起訴処分を得るための重要な手段となる

児童買春の事件で警察に摘発された場合、最終的に起訴されるか否かは検察官の判断に委ねられます。

この段階で被害者との示談が成立しているかどうかは、不起訴処分を得られるかどうかに大きな影響を及ぼします。

特に初犯で反省の意思が見られ、被害者と円満に示談が成立している場合、検察官が「訴追の必要性なし」と判断し、不起訴処分となる可能性が高いです。

不起訴処分となれば、刑事裁判にかけられることもなく、前科がつかないというメリットがあります。

将来的な就職や社会生活への影響を最小限に抑えるためには、不起訴処分を狙う必要があるでしょう。

ただし、示談があれば必ず不起訴になるというわけではなく、事件の悪質性や再犯の可能性など総合的な要素を踏まえた判断がなされます。

そのため、示談を結ぶ際には、弁護士の助言を受けつつ、形式的な合意にとどまらず、誠意ある対応を示すことが求められます。

量刑判断において情状酌量の材料となる

もし児童買春の容疑で起訴されてしまった場合でも、裁判所が下す量刑判断において、示談の成立は情状酌量の材料として重要視されます。

示談とは、被害者に対する謝罪と償いの具体的な行動のひとつであり、その意思を形として示す行為です。

裁判においては、加害者がどのように反省し、被害者との関係修復に努めたかという姿勢が、判決における刑の軽減へとつながる場合があります。

実際に、同種の事件で執行猶予付き判決となったケースの多くで、示談の成立が判断に影響を与えたとされています。

また、被害者が加害者を許し、処罰を望まない旨を示す「宥恕(ゆうじょ)」の意志を示す文書がある場合、それが量刑に直接反映されることもあるでしょう。

ただし、形式的な示談では裁判官に誠意が伝わらず、軽減要素と見なされないこともあるため、誠実な対応が前提となります。

民事上の責任を整理する

児童買春事件では、刑事責任とは別に、被害者側から損害賠償請求を受ける可能性もあります。

これは民事上の責任に該当し、被害者が受けた精神的苦痛に対する慰謝料請求が中心となります。

示談を結ぶことは、このような民事的な責任問題を早期に解決し、将来的な紛争の長期化を防ぐという意味でも有効な手段です。

示談書においては、「今後一切の請求を行わない」といった条項を盛り込むことで、再度同じ被害者から損害賠償を請求されるリスクを防げます。

加害者側にとって、精神的・経済的負担を軽減する上で大きな安心材料となるでしょう。

児童買春と示談

児童買春事件における示談と不起訴の関係

児童買春は,児童(=18歳未満の男女)に対して金銭などの対価を渡す代わりに,性的な行為をしてもらうことを言います。これは,判断能力が成熟していない児童のスキに付け込んで性的な関係に引きずり込むという問題があるため,犯罪として禁じられ,処罰の対象とされています。

この児童買春事件は,児童を相手とするもので,児童が安易に性的な行為に走ってしまうという不利益を負わせるものであるため,児童に被害を及ぼす事件であることは間違いありません。したがって,児童買春事件において示談を行うことは非常に重要な動きとなります。
示談が成立すれば,児童買春事件の処分は大きく軽減されるでしょう。

しかしながら,児童買春の事件は示談をしても不起訴に直結するとは限りません。これは,児童買春事件の「保護法益」が複数あり,示談だけではそのすべてを手当てできないためです。

窃盗や痴漢といった事件は,被害者個人の利益のみが保護法益とされます。この個人の利益は,侵害された本人が許せば埋め合わせられるものであるため,示談ができ,被害者本人が法益の侵害を許すことで,十分な回復が可能です。

しかし,児童買春事件の場合,この個人の利益のみでなく,児童が健全に成長できるため,社会から性的搾取や性的虐待を防ぐという社会全体の利益も保護の対象としています。児童個人が許したとしても,社会全体の利益を害したことへの処罰は必要なままであるため,示談=不起訴とはならないのです。

児童買春事件の保護法益

児童個人の利益(個人的法益)
性的搾取のない社会を守る利益(社会的法益)

児童との示談で責任が軽減するのは「個人的法益」の面のみ

児童買春事件で示談するメリット

児童買春事件で示談をすることには数多くのメリットがあるということができます。具体的には以下の各点が挙げられるでしょう。

①刑事処分の軽減

児童買春事件において示談をしても不起訴とは限らない,ということは,決して示談が刑事処分を軽減する効果を生まないという意味ではありません。示談ができれば,刑事処分は非常に大きく軽減することになります

これは,示談によって児童個人の利益(個人的法益)を害したことへの刑事責任を負わせる必要がほぼなくなるためです。これは,刑事責任の重さを考慮する上で無視することのできないものです。
児童買春に社会的法益を守る側面があると言っても,個別の事件で問題になるのはその児童であることに変わりはないため,示談が評価されて不起訴処分に至るケースは現実に数多く存在します。

裏を返せば,この個人的法益に対する刑事責任を軽減させる手段は,示談以外にありません。示談以上に刑事責任を軽減させられる行動も現実的には存在しないため,示談の持つ意味は極めて大きいと考えるべきでしょう。

②逮捕の防止

示談が成立した児童買春事件は,その後に逮捕される可能性が極めて小さくなります。

児童買春事件の場合,捜査を行う際に逮捕を伴うことは少なくありません。逮捕は,逃亡や証拠隠滅を防ぐ目的で行われますが,児童買春事件では加害者が児童に連絡を取る手段を持っていることが多く,加害者と児童との接触を防ぐために逮捕される場合があります。
また,事件類型的に余罪が多い傾向にあり,児童ポルノ画像,映像を所持している場合も少なくないため,これらの証拠隠滅を防ぐ目的も兼ねて,逮捕の上で捜査することが一定数見られます。

しかしながら,児童買春事件について示談が成立した場合,少なくともその事件で逮捕をする必要はほとんどなくなります。示談が成立している以上,加害者が児童に何らかの損害を与える見込みがないためです。
また,余罪のみを理由とした逮捕は法的に認められないため,余罪の具体的な疑いや証拠がなければ,余罪が逮捕につながることもありません。

そのため,児童買春事件では,逮捕されず在宅捜査されている段階で示談を目指すことが非常に有力と言えるでしょう。

③逮捕後の早期釈放

児童買春事件で逮捕されてしまった場合,示談が成立すれば早期に釈放される可能性が非常に高くなります。
示談が成立する場合,加害者は児童に謝罪や支払などの誠意を尽くしていることが明らかであるので,釈放しても不利益につながる見込みがないためです。

特に,捜査機関に対して犯罪事実を認めている状況だと,あわせて示談が成立することで早期釈放の可能性は飛躍的に高まると言えるでしょう。認め事件で逮捕勾留されてしまった場合には,迅速に示談を目指すことが非常に重要です。

ポイント 示談のメリット
処分軽減
逮捕防止
早期釈放

児童買春事件で示談をする方法

児童買春事件の場合,児童と直接連絡を取る手段があれば,児童に連絡を試みる手段も思い浮かぶかもしれません。しかし,自分で児童と直接連絡を取って示談を目指すことは適切ではありません。
その具体的な理由としては,以下の点が挙げられます。

当事者同士で示談の連絡を試みるべきでない理由

1.児童本人に示談をする能力がない
→親権者に無断で行った示談は取り消される可能性がある

2.児童に対する脅迫や強要を疑われる可能性がある
→親権者に発覚した際,脅迫や強要の疑いを晴らす手段がない

3.逮捕のリスクが高くなる恐れがある
→児童への働きかけによる証拠隠滅を疑われかねない

以上の通り,当事者同士で示談の連絡を試みることは,示談の効力そのものに問題があるのみならず,自ら逮捕の危険を招く結果になる可能性すらある不適切な行為です。

示談を目指す場合は,捜査されている状況かどうかによって,以下のいずれかの方法を取るのが適切です。

適切な示談の試み方

1.捜査されていない場合
→①弁護士から児童側に連絡を取ってもらう
→②警察に出頭(自首)した後,弁護士から捜査機関に連絡を取ってもらう

2.捜査されている状況の場合
→弁護士から捜査機関の担当者に連絡を取ってもらう

いずれの場合も,弁護士を窓口にして連絡を行うことが肝要です。弁護士であれば,脅迫や強要による証拠隠滅行為をすることはないと理解してもらえるため,示談交渉が円滑に進められます。
なお,捜査機関に連絡を入れる場合の示談交渉に至る流れは以下の通りです。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

児童買春事件の示談金相場

児童買春事件の場合,30万円前後が示談金額の目安にされることが多く見られます。刑事事件の示談は加害者側が譲歩しやすいことを考慮しても,あまりに悪質な手口で児童買春に誘い込んでいる場合を除き,30~50万円ほどでの合意が相場とされやすいでしょう。

個別の示談金額は,事件の内容や双方の意向によって左右されますが,金額を増減させやすい事情としては,以下の点が挙げられます。

示談金額を増減させる事情

1.児童買春に至る経緯
→児童を執拗に誘うなど,意思決定に強い影響を与えている場合には増額されやすい

2.性行為の内容
→児童が希望しない行為をさせた場合には増額されやすい

3.頻度・回数
→頻度が高く,回数が多いほど増額されやすい

4.児童への悪影響
→生活の乱れや精神疾患につながっている場合は増額されやすい

児童買春事件の示談内容・条項

①一般的な示談条項

【確認条項】

加害者の被害者に対する支払金額を確認する条項です。

【給付条項】

確認条項に記載した金銭の支払をどのように行うのかを定める条項です。

【清算条項】

示談で定めた条項以外には,当事者間に権利義務の関係がないことを定める条項です。当事者間には,加害者が児童へ損害賠償を支払う義務が生じる可能性もありますが,清算条項を設けることによってその点が紛争化することも予防できます。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項とは,被害者が加害者を許す,という意味の条項です。
示談が刑事処分に有利な影響を及ぼすのは,基本的にこの宥恕条項があるためです。被害者が加害者を許している,という事実が,刑事処分を劇的に軽減させる要素となります。

②児童買春事件で特に定めやすい条項

【連絡先や連絡方法の消去】

今後当事者間で連絡を取ることがないよう,連絡先や連絡に用いていたSNSアカウントなどを消去することがあります。SNSアカウントに関しては,再作成も不可能ではないため,アカウントの再作成をしないという約束を取り交わすケースもあり得ます。

【接触禁止】

当事者間で連絡を取らないことをより確かにするため,連絡等の接触を禁止する旨を明記することがあります。
接触しないことをより強く約束する場合には,約束に反した場合に違約金を支払うという約束をすることもあります。

【口外禁止】

児童売春の事実は,加害者はもちろん児童にとっても流出を防ぎたい情報であることが通常です。そのため,口外の禁止を児童側から求められる場合も考えられます。
口外禁止条項を設ける場合は,双方に口外を禁止することが一般的です。

児童買春事件の示談で注意すべきこと

①捜査されていない段階で示談を試みるか

児童買春事件が捜査されていない段階では,自分から積極的にアクションを取らなければ示談交渉の開始自体が困難です。具体的には,以下のような方法が挙げられます。

捜査されていない段階で示談交渉の開始を目指す方法

1.弁護士から児童側に連絡を取ってもらう
2.警察に出頭(自首)した後,弁護士から捜査機関に連絡を取ってもらう

しかしながら,これらの手段は,自分から事件の捜査・処分を招く結果になるリスクがあります。つまり,「動かなければ捜査されなかったのに,動いたばかりに捜査・処分の対象になってしまった」という結果になる可能性があるのです。

円滑に示談ができれば,刑事処罰を受けずに済む可能性は高くなりやすいですが,示談が不成立に終わった場合には問題が大きくなります。処分を防ぐために動いたにもかかわらず,動いたことでかえって処罰を受けてしまうことも否定できないのです。

そのため,捜査されていない状況で児童側との示談を検討する場合には,勢いに任せた判断を避け,刑事事件に強い弁護士への十分な相談を尽くすようにしましょう。

②余罪がある場合にどこまで示談が必要か

児童買春事件は,一人を相手に1件だけ行った,という場合よりも,複数人を相手に複数回行った,という場合の方が多い傾向にあります。つまり,児童買春事件は余罪が多くなりやすい事件類型ということができます。
そして,余罪がある場合には,その余罪について示談をするべきなのか,余罪がいくつかあればどの件を示談すべきなのか,という点が重要な問題になります。

この点,結論的には,「捜査の対象となった件について,そのすべてを示談する」のが最も適切でしょう
余罪の中には,具体的な捜査・処分の対象とされる件とそうでない件があります。その違いは,主に「児童(又は親権者)が警察に捜査を求めているか」によって区別されるのが一般的です。言い換えれば,児童側が捜査を求めたときに,それをきっかけにして捜査が行われる傾向にあります

具体的な捜査の対象となった事件は,すべて起訴される可能性があり,起訴されれば刑罰を受ける(=前科が付く)結果となってしまいます。そして,捜査されている件が複数ある場合,ある事件で示談をしても他の事件の処分には影響を及ぼしません。示談をした児童は,他の事件に関しては他人でしかないためです。

そのため,「捜査の対象となった件について,そのすべてを示談する」べきということになるのです。
逆に,具体的な捜査の対象となっていない件については,示談をすることに不利益こそありませんがメリットもないため,積極的に示談を試みる対象とする実益はないでしょう。児童側で問題になっていない以上,こちらから問題として蒸し返す必要がないとも言えます。

③親権者が強い悪感情を持っていないか

児童買春事件の場合,示談交渉の相手は親権者になるのが通常ですが,親権者の対応は個別のケースによって様々です。代表的には,以下のような場合が多く見られます。

示談相手となる親権者の対応

.児童側にも大きな問題があったと考えている
2.内容次第では円滑な解決を想定している
3.児童を唆して性的行為に至ったことを強く憤っている

親権者の感情としては,「1」が最も穏やかであり,「3」が最も強い悪感情であるということになりますが,具体的なケースがいずれに当たるかは連絡を試みてみなければわかりません。
場合によっては,親権者が児童から問題の断片だけしか聞き取っていない場合もあり,そのために強い憤りを示されることも少なくありません。

児童買春事件は,児童の了承を得て性的行為に及ぶものであるため,「お互い様」という面があると考えることも不可能ではありません。しかし,示談を試みる場合には,「お互い様」発想を親権者も持っているとは限らないということを十分に想定しておくことをお勧めします。

児童買春事件で弁護士を選ぶタイミング

①逮捕直後

児童買春事件では,捜査に際して逮捕されるケースも少なくありません。しかし一方で,逮捕された児童買春事件で早期釈放がなされるケースも決して少なくはありません。
そのため,児童買春事件で逮捕された場合,その直後に適切な弁護士への依頼をすることによって,早期釈放につながる可能性も十分に考えられるでしょう。

もちろん,早期釈放が困難な児童買春事件も少なからずあるところです。ただ,今回の事件は早期釈放が可能か困難か,その理由は何か,という点を把握することができるのも,逮捕直後に弁護士を選ぶことの重要な利点と言えるでしょう。

ポイント
児童買春事件は,早期釈放が可能なケースも考えられる

②出頭を求められた後

児童買春事件で警察等から出頭を求められた場合,取調べ目的であることが見込まれます。取調室で事件の内容等を聴取し,供述調書という書面にまとめることが,呼び出しの目的であることが通常でしょう。
この点,取調べに際してどのような回答をすべきか,留意すべき点はあるか,といった問題は,個別の事件によって正解が異なりますが,今回の事件での正解を知るためには,専門家である弁護士の判断が不可欠です。事件の争点を法的に整理し,争点との関係で適切な対応を尽くすことが重要となるためです。
特に,児童買春事件で争点となりやすい特徴的なポイントもあるため,それらを押さえておくことでその後の対応が格段に行いやすくなる場合も少なくありません。

出頭を求められた段階は,その後の取調べ対応を万全なものとするため,適切な弁護士選びを行うべきタイミングと言えるでしょう。

ポイント
取り調べの対応方針は,弁護士の判断が適切

③起訴された後

児童買春事件で起訴される場合,「公判請求」と「略式請求」の二通りの方法があります。公判請求は,公開の裁判を行う手続,略式請求は公開の裁判を省略する手続ですが,一般的には略式手続の方が軽微な事件で用いられます。略式請求の場合,罰金刑を超える処分はできないため,罰金刑に収まる事件であることも必要です。

公判請求と略式請求

公判請求
→公開の裁判を行う。略式の場合よりも刑事責任が重いケース

略式請求
→公開の裁判を省略する。罰金刑にとどまるケース

この点,略式請求であれば書面の手続のみで終了しますが,公判請求の場合には公開の裁判を受ける準備が必要となります。公開の裁判でどのような対応を取るかは,刑事処分の結果を左右する重要なものであるため,その準備は弁護士に依頼して十分に行うことが適切です。
そのため,公判請求をされた場合には,公判の準備のため適切な弁護士を選ぶべきタイミングと言えます。

ポイント
公判請求された場合,裁判の準備が必要となる

④自首を試みるとき

児童買春事件は,事件の性質上,児童との間で秘密裏に行われることから,事件の発生から捜査機関の発覚までに相当程度の期間を要することが少なくありません。そのため,捜査機関に事件が発覚する前に自首をすることで,大きな不利益を回避できる場合もあります。
もっとも,自首をするべきかどうか,する場合にどのような方法で進めるか,という点は,当事者の方には判断が困難な問題であり,専門的な検討が不可欠です。

そのため,自首を試みるときには,専門性のある弁護士に依頼をし,弁護士の意見を仰ぎながら進めることが適切です。自首の検討をご希望のときは,弁護士選びを十分に行うことをお勧めします。

ポイント
事件の発生から発覚までに時間がかかりやすい
事件発覚前に自首することが有益な場合も

児童買春事件の弁護士を選ぶ基準

①児童買春事件の特徴を把握しているか

児童買春事件は,弁護士にとって意識すべき特徴が複数あります。これらの特徴を把握し,具体的な弁護活動や依頼者への案内に反映させられることは,弁護士にとって重要な能力と言えるでしょう。

児童買春事件の弁護活動における特徴

1.親権者の位置づけ
→児童は未成年であるため,児童側と示談などの接触を試みる場合には,法的には親権者を相手にする必要があります。もっとも,刑事事件の解決という限度では,児童自身との間で解決を図る方が適切なケースもあります。

2.示談の効果
→児童買春事件は,示談をしたとしても刑事処罰を受けないとは限りません。そのため,示談をしてもなお刑罰を受ける結果となる可能性には留意が必要です。

3.余罪の取り扱い
→同種の余罪がある場合,捜査機関に対してどのように述べるか,余罪の解決をどのように図るか,という点は,個別の事件により大きく異なります。

弁護士選びに際しては,児童買春事件の特徴を適切に把握しているかどうか,という点を重要な基準とすることをお勧めします。

②迅速な対応ができるか

児童買春事件の弁護活動は,動きが迅速であることが極めて重要となる場合が少なくありません。時間制限のある身柄事件はもちろん,円滑な児童側との示談に際しても,条件をすり合わせる弁護士のフットワークが大きな役割を果たしやすい傾向にあります。

もっとも,動きの迅速さは完全に個々の弁護士の判断に委ねられているのが現状です。迅速な対応をしてもらえるかどうかは弁護士次第,ということになってしまいます。
そのため,弁護士を選ぶ際には,その弁護士が迅速に動いてくれるタイプであるかどうか,という点を重視するのが有益でしょう。

③弁護士と円滑に連絡が取れるか

弁護士と連絡を取る方法や連絡の頻度は,弁護士により様々です。特に,「弁護士と連絡したくても連絡が取れない」という問題は,セカンドオピニオンとして相談をお受けする場合に最も多く寄せられるお話の一つです。
電話をしても常に不通となって折り返しがない,メールへの返信も全くない,といったように,弁護士との連絡が滞るという問題は生じてしまいがちです。

そのため,弁護士と円滑に連絡が取れるか,という点を重要な判断基準の一つとすることは,事件解決のために有力でしょう。

なお,法律事務所によっては,事務職員が窓口になって弁護士が直接には対応しない運用であるケースも考えられます。そのような運用が希望に合わない場合は,依頼後の連絡方法を具体的に確認することも有益でしょう。

④児童買春事件の示談に長けているか

児童買春事件の示談は,傷害事件や窃盗事件などの一般的な示談とは異なる面があります。それは,示談相手である児童が一方的な被害者とは言いづらい,という点です。
児童買春は,少なくとも当事者同士は合意をして行われたものであるため,被害者の意思に反して殴られた,盗まれたという事件とはいささか性質が異なるというわけです。

もっとも,児童が合意したことを理由に,児童側に対してある程度強気に出てよいかというと,そうではありません。そのような態度は,示談の成立を遠ざける意味しか持たないのが通常です。そもそも,児童の合意があっても犯罪行為であることに変わりはないため,児童が合意したという事実を示談の場に持ち出して交渉材料とするのは法的にも不合理でしょう。

弁護士選びに際しては,このような児童買春事件の特徴を踏まえ,円滑に示談の成立を引き出せる弁護士への依頼をお勧めします。

児童買春事件で弁護士に依頼する場合の注意点

①余罪によって見通しが変わる可能性

刑事事件の取り扱いや処分は,対象となる事件の数によって異なることが一般的です。処分すべき事件が多ければ,それだけ捜査は長期間かかり,処分も事件の数に比例して重くなることが見込まれやすくなります。

余罪は,そのすべてが捜査や処分の対象となるわけではありませんが,児童買春事件の場合,芋づる式に複数の事件が捜査されることも多い傾向にある事件類型と言えます。そのため,児童買春事件の見通しは余罪によって変わり得る,という点に注意することが望ましいでしょう。

②身柄事件のスケジュール

逮捕などの身柄拘束を伴う事件を,身柄事件と呼びます。この身柄事件は,法律で定められた期間制限の中で処理する必要があるため,厳密なスケジュールがあることに注意することが望ましいでしょう。

逮捕をされると,最大72時間以内に「勾留」という手続に移行するかが判断されます。勾留されると,引き続き10日間の身柄拘束が行われ,更に「勾留延長」がなされると勾留が最大10日間延長となります。

逮捕から起訴までの流れ

裏を返すと,逮捕から最長22~23日ほどの間に捜査が終結し,起訴又は不起訴の判断が行われることになります。そのため,不起訴を目指すための弁護士選びは,このスケジュールを念頭に,極力早期に進めることが必要です。

③年齢に関する争点の重要性

児童買春事件は,児童(=18歳未満の男女)を相手とした事件です。一方,18歳以上を相手に同様の行為をした場合,売春防止法で禁じられる違法な行為である可能性は高いものの,罰則の対象ではないため犯罪とはならないのが一般的です。そのため,相手が18歳未満であることは,犯罪が成立するかどうかという点で非常に重要なポイントになります。

具体的には,以下のような問題が生じ得るところです。

児童買春事件で年齢が問題になるケース

1.相手の年齢が実際に18歳未満でない可能性がある場合

2.相手の年齢が18歳以上だと信じていた場合

児童買春事件の場合,年齢に関する争点は極めて重大なものとなるため,年齢が争点となる場合には弁護士の専門的な判断を仰ぐことを強くお勧めします。

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

【児童ポルノ事件の示談を知りたい人のために】児童ポルノと示談の関係,示談の方法や金額,示談の効果などを一挙解説

このページでは,児童ポルノ事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

児童ポルノ事件は示談で不起訴になるか
児童ポルノ事件で示談する意味
児童ポルノ事件で示談をする方法
児童ポルノ事件の示談金相場
児童ポルノ事件の示談内容・条項
児童ポルノ事件の示談で注意すべきこと
児童ポルノ事件の示談に必要な費用

QRコード又はアカウントリンクから
友達登録の上、ご相談ください。

<営業時間内即日対応>

営業時間外もお受付可能
友だち追加

児童ポルノ事件は示談で不起訴になるか

児童ポルノ事件でも示談は有力な手段です。児童ポルノに関する事件として最も代表的なのは児童ポルノの「製造」事件ですが,これは児童ポルノを撮影したり,児童本人に撮影させてデータを送信してもらったりする行為が該当します。そして,被写体となった児童及びその親権者との間で,児童ポルノ製造事件について示談をすることは数多く見られます。

ただし,製造をはじめとする児童ポルノ事件については,示談をしたから不起訴になるというわけではない,という点に注意が必要です。

そもそも,示談が不起訴の重要な材料になるのは,事件の被害者自身が,示談によって不起訴を希望することとなったためです。被害者の存在する事件では,その被害者の意向を起訴不起訴の判断に反映させる取り扱いが一般的であるため,被害者が不起訴を望む以上は不起訴にすべきだ,という結論になりやすいわけです。

しかしながら,児童ポルノの事件は,単純に示談を被害者とする事件というのみでなく,社会の秩序を乱すという側面があると言われています。児童ポルノが広く製造されてしまうと,児童が健全に成長できる社会にならないため,児童ポルノ事件を犯罪とすることで健全な社会を守ろうとしているということです。

児童ポルノ事件の二つの側面

1.被害者である児童を保護する側面

2.社会の秩序を維持する側面

そうすると,児童ポルノ事件における示談は,「1.被害者である児童を保護する側面」には大きく影響するものの,「2.社会の秩序を維持する側面」から起訴するべきだという問題は解決できないため,示談をしても起訴される可能性が十分に残るのです。
そのため,児童ポルノ事件では「示談=不起訴」でないという点に十分留意するのが適切でしょう。

もっとも,これは児童ポルノ事件で示談する利益がない,という意味ではありません。児童ポルノ事件で不起訴を目指す最も有力な手段は,やはり示談であることがほとんどでしょう。
その点では,「示談=不起訴」ではないことを踏まえつつ,不起訴を目指すのであれば示談を試みることが望ましいと言えます。

ポイント
児童ポルノ事件は示談しても起訴される可能性がある
ただし,不起訴を目指す最も有力な手段が示談であることは変わりない

児童ポルノ事件で示談する意味

児童ポルノ事件の場合,示談されてもなお起訴される可能性はあるため,示談をすることにどのような意味があるのか,という疑問を持たれる場合もあり得るところです。
この点,結論的には,児童ポルノ事件の示談には大きな意味がある,と考えるのが適切でしょう。具体的には,以下のような意味があり得ます。

①処分の軽減

児童ポルノ事件で示談しても不起訴にならないことがある,というのは,示談に不起訴の可能性を高める効果がないという意味ではありません。示談は間違いなく不起訴の可能性を高める重要な要素です。
また,仮に示談で起訴が避けられなかったとしても,起訴後の処分の重さは示談するのとしないのとで大きな差が生じます。

刑事処罰には,大きく分けて罰金,執行猶予,実刑という3種類の内容があります。

刑事罰の種類

この点,罰金で終了すれば,公開の裁判を受ける必要なく,金銭の支払だけで手続が終了するため,最も軽微な処分と言えます。一方,執行猶予では刑務所には入らないものの公開の裁判を受けることになり,実刑では直ちに刑務所へ収容されることとなります。

児童ポルノ事件では,初犯の場合に執行猶予又は罰金という処分が多く見られますが,示談によって執行猶予が罰金になったり,同じ罰金でも罰金額が大きく減少したりと,示談を考慮した処分の軽減となるのが通常です。

なお,罰金額の減少は,より軽微な前科しか残らなかったということになるため,万一その後に別件で刑事処分を受けた場合の重さに大きな影響を及ぼします。

②逮捕の回避

児童ポルノ事件は,捜査に際して逮捕される場合されない場合いずれも考えられる事件類型です。そして,逮捕を行うかどうかは,捜査の初期段階で判断されることもあれば,捜査がある程度進行した段階で判断されることもあります。

この点,比較的早期に示談が成立すれば,その後に逮捕される可能性は非常に低くなるでしょう。特に逮捕するべき事情が他になければ,示談が成立した児童ポルノ事件で逮捕されることは考え難いと言っても過言ではありません。

示談を早期に試みることで,示談そのものの成功率も高くなりやすいため,迅速に示談を進め,逮捕を回避することを目指すのは非常に有力でしょう。

③金銭請求の予防

児童ポルノ事件が発生した場合,児童の親権者から,児童に生じた損害の賠償を請求される可能性があり得ます。例えば,児童ポルノの流出によって精神的苦痛を受けた,不登校になってしまった,精神疾患が生じてしまったなど,児童の生活に支障が生じた場合には,具体的な損害もあるため,その損害を金銭で埋め合わせるよう求められる可能性が高くなるでしょう。

この点,示談の成立は当事者間の金銭問題の解決を意味するものです。示談が成立すれば,その後に金銭請求を受ける筋合いは法的になくなります。そのため,示談が成立することで,その後の一切の金銭請求が予防でき,大きな安心につながるでしょう。

児童ポルノ事件で示談をする方法

児童ポルノ事件で示談をする場合は,まず弁護士に依頼をしましょう。弁護士を窓口にして,弁護士限りで相手と連絡を取ることが不可欠です。

児童ポルノ事件で捜査を受けている場合,依頼を受けた弁護士は,捜査機関の担当者に示談希望の旨を連絡します。連絡を受けた捜査機関から児童側(通常は親権者)に連絡を取ってもらい,示談のお話に応じるか意思確認をしてもらうためです。
意思確認の結果,児童側の了承が得られれば,弁護士との間で連絡先を交換し,示談交渉を開始することができます。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

この点,代表例である児童ポルノ製造事件では,SNSなどで児童と直接連絡を取っていることが多く,児童との連絡手段が存在するケースも珍しくはありません。しかし,児童との直接の連絡は控え,警察や検察の担当者を通じて連絡を試みるようにしましょう。
例外的に,まだ捜査を受けていない段階では,児童の連絡先に直接問い合わせるしかないこともあります。もっとも,この場合でも当事者間で連絡を取ろうとするのはトラブルの原因になるため,弁護士から連絡を入れてもらうなど,事前に弁護士と十分に相談してください。

ポイント
弁護士を通じて,捜査機関担当者に連絡を入れてもらう
捜査を受けていない場合は,弁護士を通じて連絡を試みてもらう

児童ポルノ事件の示談金相場

児童ポルノ事件のうち,最も代表的な児童ポルノ製造事件では,概ね30~50万円ほどが示談金の目安とされやすいでしょう。

この点,示談金額に影響を及ぼす事情としては,主に以下の各事項が挙げられます。

示談金を増減させる事情

1.製造に至った経緯
→児童の意思を強く誘導しているほど増額要因になる

2.児童ポルノの数・内容
→数が多く,過激であるほど増額要因になる

3.児童の年齢
→年齢が低いほど増額要因になる

4.生活への影響
→児童の私生活や学校生活に具体的な支障があると,増額要因になる

5.親権者の受け止め
→親権者が,児童が被害を受けたという認識を強く持つ場合,増額要因になり得る

6.加害者側の経済力
→経済力に限りがある場合,減額要因になる

児童ポルノ事件の示談内容・条項

①一般的な示談条項

【確認条項】

加害者の被害者に対する支払金額を確認する条項です。

【給付条項】

確認条項に記載した金銭の支払をどのように行うのかを定める条項です。

【清算条項】

示談で定めた条項以外には,当事者間に権利義務の関係がないことを定める条項です。清算条項があることによって,児童側からの金銭請求を未然に防ぐことが可能になります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項とは,被害者が加害者を許す,という意味の条項です。
示談が刑事処分に有利な影響を及ぼすのは,基本的にこの宥恕条項があるためです。被害者が加害者を許している,という事実が,刑事処分を劇的に軽減させる要素となります。

②児童ポルノ事件で特に定めやすい条項

【連絡禁止・接触禁止】

児童側に対する一切の連絡を禁じ,その他方法の手段を問わず接触することをあわせて禁止する条項です。
児童ポルノの事件では,加害者と児童とが知り合い,性的な内容のコミュニケーションを交わすことを通じて生じることが大多数です。そのため,原因となったコミュニケーションを将来に渡って絶つことが,示談の条件として定められやすい傾向にあります。

【児童ポルノの削除・撮影機器の処分】

児童側は,児童ポルノの流出を強く懸念していることが通常です。加害者側に流出させる意図が全くなかったとしても,言葉のみでは信用し難いとのリアクションを受けることは珍しくありません。

そのため,当該児童ポルノ画像・映像を削除することや,撮影に用いた機器を処分することを条項に盛り込み,児童側の安心につながる示談内容とするケースも少なくありません。
場合によっては,データを処分したことや機器を処分したことの根拠を事前に示すこともあり得るでしょう。具体的な方法は,個別の協議によるところです。

【SNSアカウントの削除】

当事者がSNSを通じて知り合った場合,該当するSNSアカウントを削除し,連絡方法を具体的に失わせることも考えられます。
これは,連絡禁止をより確かにするため追加で設ける条項,という意味合いが強いでしょう。

児童ポルノ事件の示談で注意すべきこと

①示談と不起訴の関係

児童ポルノ事件は,示談が成立しても不起訴が見込めるとは限らない,という点に注意が必要です。起訴前の示談は,不起訴を目指すために行う場合がほとんどですが,示談は実現できても不起訴は実現できない可能性がある,ということをあらかじめ踏まえて示談に臨むことが大切になります。

この点は,児童側から示談条件を求められた場合にどこまで応じるのか,という判断に強く影響することが考えられるでしょう。不起訴が約束されるのであれば大きな不利益を受け入れることができても,不起訴になるかが不透明であれば受け入れづらい,ということは少なくありません。

事件の内容や示談の状況によっては,弁護士が検察官との協議を試み,児童側の要望に応じて示談をすることを条件に不起訴処分を求める,という動き方もあり得るところです。そのような見込みや活動方法に関しては,やはり刑事事件に精通した弁護士への十分なご相談を強くお勧めいたします。

②余罪がある場合

児童ポルノの事件では,複数の児童を相手に児童ポルノ製造事件が起きている場合もあります。事件類型としては,比較的余罪の多い傾向にあるでしょう。特に,SNSを通じて児童と知り合う方法の場合,不特定多数の児童と連絡を取ることが可能であり,相手となる児童も不特定多数になることが少なくありません。

この点,複数の児童に対する事件がいずれも捜査・処分の対象となる場合,全体として不起訴になるためにはすべての相手との間で示談を行う必要があります。一人の児童と示談ができても,ほかの児童に対する事件の処分とは関係がないためです。

そのため,「示談=不起訴」と限らない点も相まって,余罪のある児童ポルノ事件では示談の試みに関する判断が非常に難しいという特徴があります。理想は全件の示談ですが,経済的な条件や処分見込みなどを踏まえて,やはり弁護士との十分なご相談をされるのが望ましいでしょう。

③親権者の感情面

児童ポルノの事件は,相手の当事者が児童(=未成年)であるため,示談交渉の相手は親権者となることが通常です。そして,親権者は加害者側に対して強い被害感情を持っている場合が少なくはありません。その理由としては,以下のような点が挙げられます。

親権者の被害感情が強い場合の理由

1.子である児童への思い入れ
2.事件の全体像を知らない(特に児童が何をしたか)
3.警察から被害者の立場であると指摘されている

一方で,児童ポルノ製造の事件は,児童が製造行為に応じていることがほとんどであり,加害者としては「無理矢理製造したわけではないのに」という感覚を持つことも少なくありません。そのため,児童の親権者が強い被害感情を持っている一方,加害者側としては児童に大きな被害を与えた,という認識まではないなど,当事者間のズレが生じることも多数見られます。

示談を試みる場合は,親権者が想像以上に強い被害感情を持っている可能性があることを事前に踏まえておくことが望ましいでしょう。また,その点を正確に踏まえた弁護士に依頼することで,円滑かつ合理的な内容の示談につながる可能性が高くなります。

児童ポルノ事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で児童ポルノ事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

一般的な在宅事件では,34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

児童ポルノ事件の場合,30~50万円の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(30万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:30万円

計:119万円

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

【侵入窃盗事件の示談を知りたい人のために】侵入窃盗で示談をすることの重要性や示談方法,具体的な示談金額・内容など弁護士が解説

このページでは,侵入窃盗事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

侵入窃盗事件で示談は必要か
侵入窃盗事件における示談のメリット
侵入窃盗事件で示談をする方法
侵入窃盗事件の示談金相場
侵入窃盗事件の示談内容・条項
侵入窃盗事件の示談で注意すべきこと
侵入窃盗事件の示談に必要な費用

QRコード又はアカウントリンクから
友達登録の上、ご相談ください。

<営業時間内即日対応>

営業時間外もお受付可能
友だち追加

侵入窃盗事件で示談は必要か

侵入窃盗事件の場合,身に覚えのない事件であるケースを除いて示談は必要と考えるべきでしょう。

前提として,侵入窃盗事件には以下の類型があります。

住居への侵入(住宅対象侵入窃盗)

①空き巣居住者がいないところに侵入し,窃盗する
②居空き(いあき)居住者がいるところに侵入し,窃盗する
③忍び込み居住者の就寝中に侵入し,窃盗する
.

住居以外への侵入

①出店荒らし営業時間外の店舗に侵入し,窃盗する
②事務所荒らしビルなどのオフィスに侵入し,窃盗する

これらの侵入窃盗行為は,被害者に生じる損害が大きく,被害者を保護する必要が非常に大きいため,加害者側の取り扱いも重いものになりやすいです。捜査の対象になれば逮捕勾留が見込まれやすく,犯罪が立証されれば起訴されやすく,事件の程度によっては初犯で実刑判決を受け,刑務所に入ることを強いられる場合もあり得るところです。

このように,侵入窃盗事件の場合には捜査や処罰の対象になった場合の不利益が非常に大きいため,その不利益を軽減させる試みがとても重要になります。そして,加害者側の不利益を最も大きく軽減させるものが,示談です

示談が成立するかしないかによって,刑事手続における取り扱いが決定的に変わることも決して珍しくはありません。侵入窃盗事件で処分の軽減を目指す場合は,まず示談を検討することが適切でしょう。

ポイント
侵入窃盗事件は,逮捕や起訴などの面で重い取り扱いになりやすい
示談ができれば取り扱いが決定的に軽減することも珍しくない

侵入窃盗事件における示談のメリット

①逮捕の回避

侵入窃盗事件は,被疑者(加害者)を逮捕した上で捜査を行うことが非常に多い類型です。捜査機関が犯罪捜査を行う場合には,被疑者を逮捕して行う身柄事件と逮捕せずに行う在宅事件がありますが,重大事件であり逮捕の必要性が高い場合には,身柄事件として扱われる傾向にあります。侵入窃盗事件は,類型的に逮捕の必要性が高いと理解されているわけです。

この点,逮捕前に被害者との示談を成立させることができれば,その後逮捕される可能性は非常に小さくなります。なぜなら,被疑者の逮捕は被害者保護を大きな目的の一つとして行うところ,示談成立後であれば被害者保護の必要はほとんどなくなるためです。
逮捕前に示談を成立させることは容易ではありませんが,逮捕前の示談は極めて利益が大きいため,可能性がある場合には最優先で試みるのが適切でしょう。

②早期釈放

逮捕勾留をされた侵入窃盗事件の場合,示談によって早期釈放を図ることのできるケースが少なくありません。
逮捕前に示談ができれば,その後に逮捕をする必要がほとんどなくなる,という点を紹介しましたが,これは逮捕後であっても大きな違いはありません。つまり,逮捕後に示談が成立した場合,その後に逮捕勾留といった身柄拘束を続ける必要はほとんどなくなる場合が非常に多く見られます。

そのため,侵入窃盗事件で身柄拘束を受けている場合には,少しでも早い示談の成立を目指すことで,少しでも身柄拘束の期間を縮め,早期釈放を実現させるのが理想的です。認め事件の場合には,速やかに示談の試みを進めるようにしましょう。

③不起訴の獲得

侵入窃盗事件は,被害者の自宅など,部外者が入ってはならない場所への侵入を伴うために,窃盗事件の中でも悪質な事件類型とされやすいです。そのため,侵入窃盗事件で犯罪の立証に必要な証拠が揃えば,基本的には起訴されるものと考える必要があります。
そして,起訴された場合は,無罪判決を獲得しない限りは刑罰を受けることになり,前科が付くことも避けられません。

この点,起訴前に被害者と示談ができた場合には,同一の事件であっても不起訴処分となる可能性が非常に高くなります。それは,ほかならぬ被害者が不起訴を希望することになるためです。

起訴前に示談を行う場合,加害者側が求める最大の条件が,被害者に不起訴を希望してもらうこととなります。侵入窃盗事件のように被害者の存在する事件類型では,その被害者が起訴を望むか不起訴を望むかによって,処分が非常に大きく変わってきます。侵入窃盗事件でも,被害者が不起訴を望むのであればその通りに不起訴とするのが一般的と言えます。
そして,被害者に不起訴を希望してもらうための唯一の方法が,示談です。示談の内容として被害者が不起訴を希望する旨を盛り込み,捜査機関に提出できれば,不起訴の獲得が極めて現実的になるでしょう。

④実刑判決の回避

侵入窃盗事件は,その重大性から初犯であっても実刑判決の対象となる可能性があります。刑事裁判の判決には,大きく分けて執行猶予判決と実刑判決がありますが,執行猶予判決は刑務所に入る必要がない一方,実刑判決は直ちに刑務所に入ることを強制されてしまいます。

判決の種類

執行猶予判決刑務所に入る必要がない
実刑判決直ちに刑務所に入る必要がある

したがって,実刑判決になることは非常に大きな不利益であり,何としてでも避ける必要があると言えます。

この点,示談が成立している侵入窃盗事件の場合,一般的には実刑判決の対象となる可能性が非常に低くなります。特に実刑判決とするべき事情がなければ,示談成立後に実刑判決となることは考え難いと言ってもよいでしょう。
侵入窃盗事件で示談を行う場合,損害を補填するための金銭の支払を行った上で,少なくとも当事者間では一定の解決をすることを内容とするため,当事者間で解決した事件について,重ねて実刑判決という重い刑罰を科す必要はあまりないと考えられるのです。

侵入窃盗事件で起訴が避けられない場合にも,実刑判決の回避を目指すために示談を試みることを強くお勧めいたします。

⑤民事事件の同時解決

侵入窃盗事件では,被害者に重大な精神的苦痛が生じるとともに,盗まれた財産の分だけ被害者に経済的な損害も生じます。そのため,被害者は,これらの損害を加害者に金銭で賠償するよう求める権利を持つことになります。
当事者間の権利義務に関する問題を「民事事件」と言いますが,侵入窃盗事件は被害者と加害者の間における民事事件の側面も持つというわけです。仮に示談をしなかった場合,刑罰を受けてもそれで全て終わりではなく,今度は被害者から民事事件として金銭賠償を求められる可能性も十分に考えられます。

この点,示談が成立する場合,示談の中で民事事件の解決も行うことが通常です。具体的には「示談で定めるほかには互いに権利義務がない」ということを合意することになります。
このような合意をすれば,示談の内容以外には請求することもされることもないため,民事事件についても同時に解決でき,当事者間の関係を適切な形で終えることが可能になります。

侵入窃盗事件で示談をする方法

侵入窃盗事件で示談を試みる場合,基本的には捜査を受けている状態であるため,捜査を担当する警察や検察を通じて行うことが適切です。もっとも,警察や検察は,当事者間での直接のやり取りを許すわけにはいかないため,自ら行うのではなく,弁護士に依頼し弁護士を通じて行うことが必要です。

弁護士に依頼をした場合,弁護士が警察や検察に示談の希望を伝え,捜査担当者から被害者に連絡を入れてもらうことが一般的です。その後,被害者側から示談交渉が可能であるとの返答が得られれば,弁護士限りで被害者の連絡先が伝えられ,弁護士と被害者との連絡が始まることになります。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

侵入窃盗事件では,被害者が加害者側との直接のやり取りを希望している可能性がほとんどないため,どれだけ示談を希望する気持ちが強くても直接話をしようとすることは控えましょう。謝罪の意思を伝えるつもりであったとしても,その気持ちが正しく理解してもらえず,かえって逆効果になる可能性が非常に高く見込まれます。
正しいステップを踏むことで,謝罪や支払の意思を適切に伝えることが重要です。

ポイント
示談交渉は,弁護士が捜査機関に申し入れる方法で行う
被害者側への直接の交渉は控える

侵入窃盗事件の示談金相場

侵入窃盗事件の示談金は,ケースによって非常に大きな開きがあります。ただ,基本的な考え方としては,「侵入行為の精神的苦痛に対する支払」と「窃盗行為による財産的損害への支払」を合計したものということができるでしょう。

侵入窃盗事件の示談金

侵入行為の精神的苦痛に対する支払」

窃盗行為の財産的損害に対する支払」

この点,侵入行為の精神的苦痛を金銭換算する際の判断要素としては,以下の事情が挙げられます。

示談金の判断要素

1.侵入行為の回数
→多いほど示談金の増額要素となる

2.侵入した場所
→プライバシーの侵害が大きい場所であるほど増額要素となる

3.侵入方法
→悪質な方法であるほど増額要素となる

4.当事者間の関係
→被害者の信頼を裏切る侵入は増額要素となる

実際の示談交渉では,これらの要素を踏まえながら当事者間で協議を試みることになります。一般的には,増額要素に当たるものがない場合,侵入行為に対する支払額は20~30万円ほどが目安になりやすいところです。盗まれた財産が高額なものでなければ,30万円ほどを示談金とする例は少なくないでしょう。

ただし,増額すべき要素がある場合にはこれを大きく超える金額を要する可能性もある点には注意が必要でしょう。最も多く見られるのは,侵入行為が複数回に渡る場合です。
侵入窃盗事件は,その性質上,同じ場所に複数回侵入を繰り返すケースが少なくありません。当然ながら,頻繁に侵入されている場合の方が被害者の苦痛は大きくなり,示談に必要な金銭も多くなるのが通常です。
多数回の侵入があった事件では,概ね100~300万円といった高額の示談金とならざるを得ないことも考えられます。具体的な示談金額に関しては,個別の事情を踏まえて弁護士と十分に協議することをお勧めします。

ポイント
単純な事件であれば20~30万円ほどが目安か
複数回に渡る侵入行為があると金額が跳ね上がることも

侵入窃盗事件の示談内容・条項

①一般的な示談条項

【確認条項】

加害者の被害者に対する支払金額を確認する条項です。

【給付条項】

確認条項に記載した金銭の支払をどのように行うのかを定める条項です。

【清算条項】

示談で定めた条項以外には,当事者間に権利義務の関係がないことを定める条項です。清算条項があることによって,民事事件との同時解決が可能になります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項とは,被害者が加害者を許す,という意味の条項です。
示談が刑事処分に有利な影響を及ぼすのは,基本的にこの宥恕条項があるためです。被害者が加害者を許している,という事実が,刑事処分を劇的に軽減させる要素となります。

②侵入窃盗事件で特に定めやすい条項

【接触禁止】

加害者が被害者への接触を試みない,という内容を定める条項です。特に,加害者が被害者への性的な興味関心から事件を起こした場合に定めることが多く見られます。

【立入禁止】

加害者に対して,一定の場所への立入を禁止する条項です。侵入窃盗事件の場合,侵入場所や近辺への立入禁止を被害者が希望するケースが非常に多く見られます。この点は,被害者の求めに応じて可能な限り応じるのが適切でしょう。

侵入窃盗事件の示談で注意すべきこと

①事件が複数の場合が少なくない

侵入窃盗事件は,複数回行われているケースが少なくありません。この場合,回数を重ねるごとに行動や内容がエスカレートしていることも多く見られます。
事件が複数あることは,侵入窃盗事件の示談に大きな影響を及ぼします。具体的には,以下のような影響が挙げられるでしょう。

事件複数の場合の影響

【同一の被害者に対する複数の事件】

同じ被害者に対して複数の侵入窃盗事件がある場合,示談金がより高額にならざるを得ない可能性に注意が必要です。回数が多く,内容もエスカレートしていると,それだけ被害者の損害や苦痛は大きくなるため,被害者の損害を埋め合わせるための示談金も大きくなることが通常です。

【複数の被害者に対する事件】

事件が複数であり,かつ被害者も複数の場合,一人の被害者と示談ができても,全体が不起訴になるわけではない,という点に注意が必要です。一人の被害者が不起訴を希望したとしても,それはほかの被害者の事件には関係しないためです。

全体が不起訴となるには,処分される事件のすべてについて示談を行うことが必要になるでしょう。

②転居の問題が生じ得る

特に住宅への侵入窃盗事件の場合,被害者側が転居を希望し,転居費用を含めた示談金を請求する,ということも珍しくありません。そのため,示談を試みる場合には転居の話が生じ得る点に注意が必要でしょう。

この点は金銭の問題となるため,転居費用名目の金銭を上乗せするかどうか,という判断になりますが,基本的には被害者の希望に応じていくらかの上乗せをする方針が適切でしょう。これは,上乗せに応じないという対応では示談の成立が困難となりやすいためです。
裏を返せば,金額面の調整で示談の可能性がある,ということでもあるため,被害者側に示談交渉を拒絶される場合よりもはるかに望ましい状況と考えてもよいかもしれません。

③逮捕前の示談は容易でない

逮捕前に示談が成立すれば,侵入窃盗事件でも逮捕の可能性が非常に大きく低下しますが,現実に逮捕前の示談を行うことは容易ではありません。これは,自分に対する捜査がなされたことを知るのが逮捕のタイミングであるためです。「自分の事件が捜査されているから示談したい」では遅いのですね。

そのため,逮捕前の示談を試みる場合には,自分に対する捜査が行われているか分からない段階で自分からアクションを起こす必要があります。具体的には,警察などに自首(出頭)し,自分の犯罪行為を積極的に伝え,その上で示談を希望することを要するでしょう。

ただ,自分から出頭することは大きなリスクも付きまとう行為であるため,検討する場合には刑事事件に精通した弁護士へのご相談を強くお勧めします。

ポイント 注意点
複数事件の場合には配慮が必要
転居費用の支払が問題になり得る
逮捕前の示談は自首を要しやすい

侵入窃盗事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で侵入窃盗事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。
(身柄事件の場合)

①活動開始時

基本着手金33万円
着手金(身柄対応)22万円
実費相当額1万円
合計56万円

身柄事件では,56万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

侵入窃盗事件の場合,30万円前後の示談金が一例として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(身柄事件にて30万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:56万円+55万円=111万円(※)
示談金:30万円

計:141万円

※身柄事件では,接見を要する場合の出張日当が別途発生し得ます。

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所