【後遺障害8級】対象となる各部位の症状は?認定された場合の慰謝料額は?

交通事故の被害に遭った際,治療が終了してもなお症状が残ってしまう場合には,後遺障害等級認定を受けられる可能性があります。後遺障害等級が認定された場合,受領できる慰謝料額などが大きく変わるため,等級の認定基準を把握することは重要です。

自賠責保険では,1級から14級の後遺障害等級が定められており,それぞれに詳細な認定基準が設けられています。ここでは,後遺障害8級の対象となる症状や認定の基準,認定された場合の慰謝料額などを弁護士が解説します。

後遺障害8級の認定基準

8級の認定基準一覧

1号一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になつたもの
2号脊柱に運動障害を残すもの
3号一手のおや指を含み二の手指を失つたもの又はおや指以外の三の手指を失つたもの
4号一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの
5号一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
6号一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
7号一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
8号一上肢に偽関節を残すもの
9号一下肢に偽関節を残すもの
10一足の足指の全部を失つたもの

【1号】一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になつたもの

失明とは以下のいずれかの場合をいいます。

「失明」とは
①眼球を失ったもの
②明暗が分からないもの
③明暗がようやく分かる程度のもの

明暗が分かるかどうかは,以下の2つの能力を基準に判断します。

光覚弁
→暗室にて,面前でペンライト等の照明を点滅させたとき,明暗が弁別できる能力
手動弁
→面前で手の平を上下左右にゆっくり動かしたとき,動きの方向を弁別できる能力

また,後遺障害等級の対象とする視力は,矯正視力を指します。そのため,眼鏡やコンタクトレンズなどを着用した状態の視力を基準に判断されます。

【2号】脊柱に運動障害を残すもの

具体的基準

脊柱に運動障害を残すもの(8級)
1.次のいずれかにより頚部または胸腰部の可動域が参考可動域角度の1/2以下に制限されたもの
①頚椎又は胸腰椎に脊椎圧迫骨折等が存しており,そのことがX線写真等により確認できるもの
②頚椎又は胸腰椎に脊椎固定術が行われたもの
③項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの

2.頭蓋から上位頚髄間(頭蓋骨・首の骨・背中の骨)にかけて著しい異常可動性がある場合

【3号】一手のおや指を含み二の手指を失つたもの又はおや指以外の三の手指を失つたもの

「手指を失ったもの」とは,以下の場合を指します。

1.手指を中手骨又は基節骨で切断したもの
2.親指については指節間関節、それ以外の指については近位指節間関節において、基節骨と中節骨が離断したもの

(「障害認定必携」より引用)

【4号】一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの

「手指の用を廃したもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.手指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
2.中手指節関節又は近位指節間関節(親指については指節間関節)の可動域が1/2以下に制限されるもの
3.親指について、橈側外転又は掌側外転のいずれかの可動域が1/2以下に制限されるもの
4.手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚完全に脱失したもの

「親指を含む3本の指」又は「親指以外の4本の指」について用廃となった場合,8級4号の認定対象となります。

【5号】一下肢を五センチメートル以上短縮したもの

下肢の短縮は,上前腸骨棘と下腿内果下端の間の長さを健側の下肢と比較して等級認定を行います。

下肢の短縮

【6号】一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

「関節の用を廃したもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.関節が強直したもの
2.関節の完全弛緩性麻痺またはこれに近い状態(※)にあるもの
3.人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

※「これに近い状態」とは,自動の可動域が10%程度以下になった場合を指します。
(例)健側の可動域が150度の場合,患側の可動域が15度以下であれば関節の用廃となる

関節可動域は,関節ごとに定められる主要運動の測定値を比較します。
上肢の三大関節の主要運動は,以下の通りです。

関節主要運動参考可動域角度
肩関節①屈曲(前方拳上)180度
肩関節②外転(側方拳上)180度
肘関節屈曲・伸展(※)145度・5度(合計150度)
手関節屈曲(掌屈)・伸展(背屈)(※)90度・70度(合計160度)
※肘関節と手関節は,「屈曲+伸展」の合計値を比較

なお,左右いずれも可動域制限が生じている場合,参考可動域との比較を行います。

肩関節の運動

肘関節の運動

関節の運動には,主要運動のほかに参考運動があります。
可動域制限を判断する場合に参考運動を用いるのは,主要運動の可動域が基準をわずかに(=機能障害は5度,著しい機能障害は10度)上回る場合とされます。

関節参考運動参考可動域角度
肩関節①伸展(後方拳上)50度
肩関節②外旋・内旋60度・80度(合計140度)
手関節①橈屈25度
手関節②尺屈55度
橈屈と尺屈

【7号】一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

「関節の用を廃したもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.関節が強直したもの
2.関節の完全弛緩性麻痺またはこれに近い状態(※)にあるもの
3.人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの

※「これに近い状態」とは,自動の可動域が10%程度以下になった場合を指します。
(例)健側の可動域が150度の場合,患側の可動域が15度以下であれば関節の用廃となる

関節可動域は,関節ごとに定められる主要運動の測定値を比較します。
下肢の三大関節の主要運動は,以下の通りです。

関節主要運動参考可動域角度
股関節①屈曲・伸展125度・15度(合計140度)
股関節②外転・内転145度・20度(合計65度)
ひざ関節屈曲・伸展130度・0度(合計130度)
足関節屈曲(底屈)・伸展(背屈)45度・20度(合計65度)
「屈曲+伸展」「外転+内転」の合計値を比較

なお,左右いずれも可動域制限が生じている場合,参考可動域との比較を行います。

股関節の主要運動

足関節の主要運動

関節の運動には,主要運動のほかに参考運動があります。
可動域制限を判断する場合に参考運動を用いるのは,主要運動の可動域が基準をわずかに(=機能障害は5度,著しい機能障害は10度)上回る場合とされます。

関節参考運動参考可動域角度
股関節外旋・内旋45度・45度(合計90度)

【8号】一上肢に偽関節を残すもの

偽関節とは,骨折した部位が変形癒合し,関節でない部分が曲がって関節のようになってしまった状態を指します。関節のようだが関節ではない,ニセの関節というべきものです。

「偽関節を残すもの」とは,以下のいずれかに該当する場合を指します。

1.上腕骨の骨幹部等にゆ合不全を残すが硬性補装具を必要とはしないもの
2.橈骨及び尺骨の両方の骨幹部等にゆ合不全を残すが硬性補装具を必要とはしないもの
3.橈骨または尺骨のいずれか一方の骨幹部等にゆ合不全を残すもので、時々硬性補装具を必要とするもの

【9号】一下肢に偽関節を残すもの

「偽関節を残すもの」とは,以下のいずれかに該当する場合を指します。

1.大腿骨の骨幹部等にゆ合不全を残すが硬性補装具を必要とはしないもの
2.脛骨及び腓骨の両方の骨幹部等にゆ合不全を残すが硬性補装具を必要とはしないもの
3.脛骨の骨幹部等にゆ合不全を残すもので、時々硬性補装具を必要とするもの

【10号】一足の足指の全部を失つたもの

「足指を失ったもの」とは,足指を中足指節関節から失ったことを指します。つまり,足指をすべて失った場合を指すことになります。

(「障害認定必携」より引用)

足指の全部について,付け根から先のすべてを失った場合,等級認定の対象となります。

後遺障害8級の慰謝料

等級ごとの後遺障害慰謝料

後遺障害等級【自賠責基準】【裁判基準】
1級1150万円2800万円
2級998万円2370万円
3級861万円1990万円
4級737万円1670万円
5級618万円1400万円
6級512万円1180万円
7級419万円1000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

後遺障害8級の場合,自賠責保険からは331万円の慰謝料が支払われます。また,裁判基準の慰謝料は830万円となります。

後遺障害8級の逸失利益

後遺障害逸失利益は,以下の計算式で算出されます。

後遺障害逸失利益
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

このうち,労働能力喪失率は等級ごとに設けられており,等級が上位であるほど喪失率も大きくなります。

1級100%
2級100%
3級100%
4級92%
5級79%
6級67%
7級56%
8級45%
9級35%
10級27%
11級20%
12級14%
13級9%
14級5%

後遺障害8級の場合は,労働能力喪失率が45%となります。

計算例
年収500万円,40歳,8級認定

計算式
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

=500万円×0.45×18.3270(27年ライプニッツ)
41,235,750円

後遺障害等級の認定を受ける方法

①手続の方法

認定手続は,加害者の自賠責保険会社に所定の書類を提出する方法で行われますが,被害者側と加害者側のどちらが提出するかによって,大きく二通りの手続があります。

1.事前認定
対人賠償保険(被害者の人身損害を賠償する加害者側の保険)が,自賠責保険会社に提出する際の方法です。自社の賠償額を算定するため,事前に後遺障害等級認定を求める手続のため,事前認定と呼ばれます。

2.被害者請求
被害者側が,対人賠償保険を通さずに自ら自賠責保険会社に提出する際の方法です。
被害者が自ら自賠責保険会社への請求を行うため,被害者請求と呼ばれます。

3.両者の違い
両者の主な違いは,以下の通りです。

項目【事前認定】【被害者請求】
提出する人対人賠償保険被害者自身
提出書面必要書類一式必要書類以外も提出可
提出物の収集保険会社が行う被害者自身が行う

②手続の流れ

後遺障害等級認定の基本的な流れは,以下の通りです。

【事前認定の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③後遺障害診断書の提出相手保険に後遺障害診断書を提出します。
④事前認定の実施相手保険による自賠責保険への提出を待ちます。
⑤後遺障害等級の結果通知相手保険に結果の通知があり,相手保険から被害者側に知らされます。


【被害者請求の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③申請書類の準備治療期間中の診断書やレセプト,交通事故証明書などの必要書類を取得し,申請書類に必要事項を記載します。
④被害者請求の実施必要書類を自賠責保険会社に提出し,被害者請求を実施します。
⑤後遺障害等級の結果通知申請者である被害者又は代理人に直接通知されます。

事前認定は,後遺障害診断書を相手保険に提出するのみで足りるため,手続が簡便であるというメリットがあります。一方で,自賠責保険に提出される資料は必要不可欠なもののみであるため,認定に有用な資料を追加で提出したい,という場合には適していません。
一方,被害者請求は,後遺障害診断書以外の提出書面も全て積極的に提出する必要があるため,手続負担が大きくなりやすいところです。しかし,提出できる資料は不可欠なものに限られず,判断に際して考慮してほしい資料や内容を任意に提出できるというメリットがあります。

後遺障害等級のうち,検査結果の数値で認定結果が決まる場合には,事前認定か被害者請求かという手段よりもその検査結果が重要になるでしょう。検査結果が認定基準を満たしている限り,どちらの方法でも差し支えないという結論になります。
一方,認定基準が数値だけでは判断できず,複数の事情を総合的に踏まえる必要がある場合,考慮してもらうべき事情を積極的に提出することが有益になり得ます。この点,必要な診断書等以外の資料を積極的に提出したい場合には,被害者請求の方法を取る必要があります。
そのため,数値で判断が可能な内容かどうかによって,事前認定と被害者請求を適宜選択することが有力でしょう。

弁護士依頼のメリット

①必要な対応を弁護士に任せることができる

交通事故被害に遭った場合,主に相手保険との間でやり取りが必要になり,その内容は多岐に渡ることが少なくありません。そのため,ただでさえ被害に遭って心身のダメージを抱えている中,相手保険への対応でさらに疲弊させられてしまうということが生じがちです。
この点,弁護士に依頼をすれば,その後の必要な対応を全て弁護士に任せることが可能です。弁護士に適切な対応をしてもらうことで,不要な負担を感じることなく解決を目指せるでしょう。

②後遺障害等級認定に必要なことが分かる

後遺障害等級認定を目指す場合,その等級認定基準を満たしていると判断してもらうことが必要になります。そうすると,あらかじめ等級認定基準を踏まえた上で,基準を満たす内容の資料を提出する形で申請を試みることが不可欠です。
しかしながら,等級認定基準を正確に把握することは,交通事故分野に精通していない限りは容易でありません。

この点,弁護士に依頼することで,等級認定基準を踏まえた申請の準備を弁護士に検討してもらうことが可能になります。そのため,後遺障害等級認定のために必要な対応が分かり,適切な申請ができるようになるでしょう。

③慰謝料などの増額が期待できる

交通事故の場合,弁護士が交渉を行うことで,慰謝料などの増額ができる場合が非常に多く見られます。これは,保険会社が,弁護士の有無で慰謝料などの賠償額を異にする運用をしているためです。
弁護士に依頼することで,慰謝料をはじめとした損害賠償額の増加が期待できるでしょう。また,後遺障害等級が認定された場合,後遺障害に応じた慰謝料なども発生するため,弁護士による増額の余地はさらに大きくなることが見込まれます。

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【後遺障害9級】具体的な認定対象や補償金額の計算方法を徹底解説

交通事故の被害に遭った際,治療が終了してもなお症状が残ってしまう場合には,後遺障害等級認定を受けられる可能性があります。後遺障害等級が認定された場合,受領できる慰謝料額などが大きく変わるため,等級の認定基準を把握することは重要です。

自賠責保険では,1級から14級の後遺障害等級が定められており,それぞれに詳細な認定基準が設けられています。ここでは,後遺障害9級の対象となる症状や認定の基準,認定された場合の慰謝料額などを弁護士が解説します。

後遺障害9級の認定基準

9級の認定基準一覧

1号両眼の視力が0.6以下になつたもの
2号一眼の視力が0.06以下になつたもの
3号両眼に半盲症,視野狭窄又は視野変状を残すもの
4号両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
5号鼻を欠損し,その機能に著しい障害を残すもの
6号咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
7号両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
8号一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり,他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
9号一耳の聴力を全く失つたもの
10神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
11胸腹部臓器の機能に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
12号一手のおや指又はおや指以外の二の手指を失つたもの
13号一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
14号一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの
15一足の足指の全部の用を廃したもの
16号外貌に相当程度の醜状を残すもの
17号生殖器に著しい障害を残すもの

【1号】両眼の視力が0.6以下になつたもの

後遺障害等級の対象とする視力は,矯正視力を指します。そのため,眼鏡やコンタクトレンズなどを着用した状態の視力を基準に判断されます。

両眼の矯正視力が0.6以下になった場合,認定対象となります。

【2号】一眼の視力が0.06以下になつたもの

同じく矯正視力を基準に判断されます。
一眼の矯正視力が0.06以下になった場合,認定対象となります。

【3号】両眼に半盲症,視野狭窄又は視野変状を残すもの

「半盲症」とは

「半盲症」とは
視野の右半分又は左半分が欠損し,見えなくなってしまう症状をいいます。以下のような種類があります。
同側半盲:両眼の同じ側で半盲が生じる場合
異名半盲:両眼のそれぞれ反対側で半盲が生じる場合

また,視野の上半分または下半分が欠損する場合もあり,「水平半盲」といいます。

「視野狭窄」とは

「視野狭窄」とは
視野が狭くなる症状をいいます。以下のような種類があります。
同心性狭窄:中心部分ははっきり見えるが,周辺部分が見えない
不規則狭窄:視野の一部分が規則性のない形で狭くなる

「視野変状」とは

「視野変状」とは
半盲症や視野狭窄のほか,視野に異常が生じることをいいます。具体的には以下の内容があります。
暗転:視野の中に暗くて見えない部分が生じるもの
視野欠損:視野の一部が見えなくなる状態

【4号】両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの

「まぶたに著しい欠損を残すもの」とは
まぶたを閉じた場合に角膜(眼球の色がある部分を覆う膜)を完全に覆えない程度のもの

まぶたが欠損した結果,両目について閉じたときに角膜が完全に覆われない状態となった場合,9級4号の認定対象になります。

【5号】鼻を欠損し,その機能に著しい障害を残すもの

鼻を欠損し」たとは,以下の場合を指します。

鼻を欠損し」たとは
鼻軟骨部の全部又は大部分の欠損をしたこと

鼻は,上部に鼻骨と呼ばれる骨であり,鼻骨の下に軟骨部があります。軟骨部は,一般的に鼻と呼ぶ三角錐の形に隆起した部位を指すものと理解して差し支えないでしょう。
したがって,鼻の三角錐形の部分が全部又は大部分欠損した場合に,欠損障害に該当し得ることになります。

著しい機能障害とは

鼻呼吸困難,または嗅覚脱失をいいます。

嗅覚の障害については,「嗅覚脱失」と「嗅覚減退」が挙げられますが,これらは「T&Tオルファクトメータ」(嗅覚測定用の基準臭)による検査で認知域値(においを判別・表現できる最低濃度)を測定し,判定されます。具体的な基準は以下の通りです。

嗅覚脱失」認知域値5.6以上
嗅覚減退」認知域値2.6以上5.5以下

鼻呼吸困難,または嗅覚脱失をいいます。

嗅覚の障害については,「嗅覚脱失」と「嗅覚減退」が挙げられますが,これらは「T&Tオルファクトメータ」(嗅覚測定用の基準臭)による検査で認知域値(においを判別・表現できる最低濃度)を測定し,判定されます。具体的な基準は以下の通りです。

嗅覚脱失」認知域値5.6以上
嗅覚減退」認知域値2.6以上5.5以下

このうち,著しい機能障害に位置付けられるのは「嗅覚脱失」となります。

【6号】咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの

そしゃく機能言語機能両方に障害を残す場合が該当します。

そしゃく機能の障害については,以下の点を基準に総合的に判断します。

上下咬合咬合(こうごう かみ合わせの意)のズレなど
排列状態歯並びのズレや不足など
下顎の開閉運動歯をかみしめることができる程度など

これらの判断に当たっては,以下のような点を考慮します。

そしゃく機能の判断要素
画像所見(他覚的所見)があること
・他覚的所見と対応するそしゃく状況があること

そしゃく状況に関しては,「そしゃく状況報告書」を踏まえた判断が一般的です。そしゃく状況報告書とは,被害者やその家族が,食べられる食材の内容や程度を記載するものです。

そしゃく状況報告表

「そしゃく機能に障害を残すもの」
=以下のいずれかの場合
①固形食物の中にそしゃくができないものがあること(※)
②そしゃくが十分にできないものがあり,そのことが医学的に確認できる場合(※※)

(※)ごはん,煮魚,ハム等はそしゃくできるが,たくあん,らっきょう,ピーナッツ等の一定の固さの食物中にそしゃくできないものがあるなど
(※※)不正咬合,顎関節の障害,開口障害など,そしゃくできないものがあることの原因が医学的に確認できる場合

言語機能の障害は,語音(特に子音)の発音にどの程度の制限が生じたかを基準に判断されます。

子音は,以下の4種類に分けることができます。

子音の4種類
口唇音(ま行音,ぱ行音,ば行音,わ行音,ふ)
歯舌音(な行音,た行音,だ行音,ら行音,さ行音,しゅ,し,ざ行音,じゅ)
口蓋音(か行音,が行音,や行音,ひ,にゅ,ぎゅ,ん)
喉頭音(は行音)

これら4種類の子音それぞれについて,発音不能なものがあるか,何種類あるか,といった点を踏まえ,言語機能の障害の程度を判断します。

「言語の機能に障害を残すもの」
=4種の語音のうち,1種の発音不能のもの

【7号】両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの

具体的な認定基準は以下の通りです。

①両耳の平均純音聴力レベルが60dB以上のもの
②両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上であり,かつ,最高明瞭度が70%以下のもの

【一耳の聴力ともう一耳の聴力の関係】

一耳の聴力ともう一耳の聴力の関係

【両耳聴力と最高明瞭度の関係】

両耳聴力と最高明瞭度の関係

【8号】一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり,他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの

具体的な認定基準は以下の通りです。

1耳の平均純音聴力レベルが80dB以上(=耳に接しなければ大声を解することができない程度)

かつ

他耳の平均純音聴力レベルが50dB以上(一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度)

【9号】一耳の聴力を全く失つたもの

一耳の聴力を全く失つた」とは,片耳の平均純音聴力レベルが90dB以上の状態であることをいいます。
片耳の聴力がこの状態にまで低下した場合,9級9号の認定対象になります。

【10号】神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

通常の労務に服することはできるが,社会通念上,就労可能な職種が相当程度に制約されるものを指します。

神経系統の機能や精神への障害の代表例としては,脳の器質的損傷に伴う高次脳機能障害,脳挫傷や脊髄損傷などによる身体性機能障害,脳の器質的損傷を伴わない非器質性精神障害などが挙げられます。
具体的な認定基準は,傷害の具体的な内容によって個別に定められています。

【1.高次脳機能障害】

脳機能の4能力のいずれか1つが相当程度失われていることを要します。

高次脳機能障害の4能力

①意思疎通能力
→職場などで他人と適切にコミュニケーションできるか

②問題解決能力
→作業課題の指示や要求水準を正しく理解し,適切に判断して円滑に業務遂行できるか

③作業負荷に対する持続力・持久力
→一般的な就労時間に耐えられるか

④社会行動能力
→職場で他人と円滑な共同作業ができるか,社会的行動ができるか

【2.身体性機能障害】

軽度の単麻痺が認められるもの
(単麻痺:片手又は片足のみの麻痺)

【3.非器質性精神障害】

非器質性精神障害の精神症状としては,以下のようなものが挙げられます。

精神症状

①抑うつ状態
②不安の状態
③意欲低下の状態
④慢性化した幻覚・妄想性の状態
⑤記憶又は知的能力の障害

これらの精神症状については,以下の「a」又は「b」のいずれかに該当するときに認定対象となります。

a.就労している者又は就労の意欲のある者であって,以下の判断項目のうち②~⑧のいずれか1つの能力が失われているもの又は判断項目の4つ以上についてしばしば助言・援助が必要と判断されるもの

判断項目
①身辺日常生活
②仕事・生活に積極性・関心を持つこと
③通勤・勤務時間の遵守
④普通に作業を持続すること
⑤他人との意思疎通
⑥対人関係・協調性
⑦身辺の安全保持,危機の回避
⑧困難・失敗への対応

b.就労意欲の低下又は欠落により就労していない者であって,身辺日常生活について時に助言・援助を必要とする程度の障害が残存しているもの

【4.外傷性てんかん】

数ヶ月に1回以上の発作が転倒する発作等(※)以外の発作であるもの又は服薬継続によりてんかん発作がほぼ完全に抑制されているもの
※転倒する発作:①意識障害の有無を問わず転倒する発作,又は②意識障害を呈し状況にそぐわない行為を示す発作

【5.頭痛】

通常の労務に服することはできるが,激しい頭痛により,時には労働に従事することができなくなる場合があるため,就労可能な職種が相当程度に制約されるもの

【6.失調・めまい・平衡機能障害】

通常の労務に服することはできるが,めまいの自覚症状が強く,かつ,眼振その他平衡機能検査に明らかな異常所見が認められ,就労可能な職種が相当程度に制約されるもの

【7.疼痛性感覚異常(RSD・カウザルギー)】

通常の労務に服することはできるが,疼痛により時には労働に従事することができなくなるため,就労可能な職種が相当程度に制約されるもの

【11号】胸腹部臓器の機能に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

「胸腹部臓器の機能障害」と呼ばれるものです。胸腹部の臓器に障害が残った結果,労務自体はできるもののかなりの制限が生じる場合に,9級11号の認定対象となります。

具体的な認定基準は,臓器ごとに定められています。

1.呼吸器

動脈酸素分圧60Torr~70Torrで,動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲内(37Torr~43Torrの間)の場合

2.循環器

a.心機能の低下による運動耐容能の低下が中程度であるもの

「運動耐容能」とは
運動の負荷に耐えることのできる能力をいい,どの程度の運動強度に耐えられるかによって区別をします。
運動・作業強度の指標には「METs」(メッツ)という単位を用い,この値が大きいほど運動強度が大きいものとなります。

「運動耐容能の低下が中程度であるもの」とは(9級)
=おおむね6METs(メッツ)を超える強度の身体活動が制限されるもの
(例)
平地を健康な人と同じ速度で歩くのは差し支えないものの、平地を急いで歩く、平地を健康な人と同じ程度で階段を上るという身体活動が制限されるもの

b.ペースメーカーを植え込んだもの

c.人工弁に置換する手術を行った場合で,継続的に抗凝血薬療法を行うもの

3.食道の障害

食道の狭さくによる通過障害を残すもの

以下のいずれにも該当する場合を指します。

食道の狭さくによる通過障害を残すもの」とは
1.通過障害の自覚症状があること
2.消化管造影検査により,食道の狭さくによる造影剤のうっ滞が認められること

4.胃の障害

消化吸収障害及びダンピング症候群が認められるもの

消化吸収障害及び胃切除術後逆流性食道炎が認められるもの

「消化吸収障害」とは

以下のいずれかに該当するもの
1.胃の全部を亡失したこと
2.噴門部または幽門部を含む胃の一部を亡失し、低体重等(※)が認められること
(※)①BMI20以下又は②事故前からBMI20以下の場合は体重が10%以上減少

「ダンピング症候群」とは

以下のいずれにも該当するもの
1.胃の全部または幽門部を含む胃の一部を亡失した
2.早期ダンピング症候群に起因する症状(※)または晩期ダンピング症候群に起因する症状(※※)が認められること
(※)食後30分以内に出現するめまい,起立不能等
(※※)食後2時間後から3時間後に出現する全身脱力感,めまい等

「胃切除術後逆流性食道炎」とは

以下のいずれにも該当するもの
1.胃の全部又は噴門部を含む胃の一部を亡失したこと
2.胃切除術後逆流性食道炎に起因する自覚症状(胸焼け,胸痛,嚥下困難等)があること
3.内視鏡検査により食道にの胃切除術後逆流性食道炎に起因する所見(びらん,潰瘍等)が認められること

5.小腸の障害

a.小腸を大量に切除し,残存する空腸および回腸の長さが100センチメートル以下となったもの

b.小腸皮膚瘻を残すもののうち,瘻孔から漏出する小腸内容がおおむね1日100ミリリットル以上であるもの
(パウチなどによる維持管理が困難であるものを除く)

6.大腸の障害

a.大腸皮膚瘻を残すもののうち,瘻孔から漏出する大腸内容がおおむね1日100ミリリットル以上であるもの
(パウチなどによる維持管理が困難であるものを除く)

b.便秘を残し,用手摘便を要すると認められるもの

便秘とは

=次のいずれにも該当するもの
1.排便反射を支配する神経の損傷がMRIやCTなどにより確認できること
2.排便回数が週2回以下の頻度であって,恒常的に硬便であると認められること

c.便失禁を残し,常時おむつの装着が必要であるもの
(完全便失禁を残す場合を除く)

7.肝臓の障害

肝硬変
(ウイルスの持続感染が認められ,かつ,AST・ALTが持続的に低値であるものに限る)

8.すい臓の障害

外分泌機能の障害内分泌機能の障害両方が認められるもの

外分泌機能:膵液(消化液)を腸に送り出す機能
外分泌機能の障害」とは

次のいずれにも該当するもの
1.上腹部痛,脂肪便,頻回の下痢などの外分泌機能の低下による症状が認められること
2.BT-PABA(PFD)試験で異常低値(70%未満)を示すこと
3.ふん便中キモトリプシン活性で異常低値(24U/g未満)を示すこと
4.アミラーゼまたはエラスターゼの異常低値を認めるもの

内分泌機能:ホルモンを血液中に送り出す機能
内分泌機能の障害」とは

次のいずれにも該当するもの
1.異なる日に行った経口糖負荷試験で境界型または糖尿病型であることが2回以上確認されること
2.空腹時血漿中のC-ペプチド(CPR)が0.5ng/ml以下(インスリン異常低値)であること
3.Ⅱ型糖尿病に該当しないこと

9.腹部臓器周辺のヘルニア

常時ヘルニア内容の脱出・膨隆が認められるもの

立位をしたときにヘルニア内容の脱出・膨隆が認められるもの

腹壁瘢痕ヘルニア,腹壁ヘルニア,鼠径ヘルニア又は内ヘルニアを残す場合に認定対象となります。もっとも,手術を行うことが通常であり,通常は多くは手術によりヘルニア内容の脱出は認めなくなることから,手術を試みたものの完治できない場合などが対象となります。

10.腎臓の障害

a.一側の腎臓を失い,GFR値が50ml/分を超え70ml/分以下のもの
b.腎臓を失っておらず,GFR値が30ml/分を超え50ml/分以下のもの

11.尿管,膀胱及び尿道の障害

a.尿路変向術を行ったもの
→尿禁制型尿路変向術(禁制型尿リザボアおよび外尿道口形成術を除く)を行ったもの

b.排尿障害を残すもの
→膀胱の機能障害により残尿が100ミリリットル以上であるもの

c.畜尿障害を残すもの
→切迫性尿失禁および腹圧性尿失禁のため,常時パッド等を装着しなければならないが、パッドの交換までは要しないもの

【12号】一手のおや指又はおや指以外の二の手指を失つたもの

「手指を失ったもの」とは,以下の場合を指します。

1.手指を中手骨又は基節骨で切断したもの
2.親指については指節間関節、それ以外の指については近位指節間関節において、基節骨と中節骨が離断したもの

(「障害認定必携」より引用)

【13号】一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの

「手指の用を廃したもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.手指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
2.中手指節関節又は近位指節間関節(親指については指節間関節)の可動域が1/2以下に制限されるもの
3.親指について、橈側外転又は掌側外転のいずれかの可動域が1/2以下に制限されるもの
4.手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚完全に脱失したもの

親指を含む2本の指」又は「親指以外の3本の指」について用廃となった場合,9級13号の認定対象となります。

【14号】一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの

「足指を失ったもの」とは,足指を中足指節関節から失ったことを指します。つまり,足指をすべて失った場合を指すことになります。

(「障害認定必携」より引用)

足の「親指を含む2本の指」について,付け根から先のすべてを失った場合,等級認定の対象となります。

【15号】一足の足指の全部の用を廃したもの

「足指の用を廃したもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.親指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
2.親指以外の足指について、中節骨又は基節骨で切断したもの
3.親指以外の足指について、遠位指節間関節又は近位指節間関節で離断したもの
4.親指の中足指節間関節又は指節間関節の可動域が1/2以下に制限されるもの
5.親指以外の足指の中足指節間関節又は近位指節間関節の可動域が1/2以下に制限されるもの

【16号】外貌に相当程度の醜状を残すもの

醜状障害と呼ばれるものです。
醜状障害は,人の目につく人体の露出面に,目立つ傷跡が残った場合の後遺障害をいいます。醜状の具体的な内容としては,瘢痕や線状痕,組織の陥没,色素沈着による変色などが挙げられます。

9級16号は外貌の醜状障害に関するものですが,外貌とは,頭部・顔面部・頸部の各部位を指します。それぞれの部位について,認定基準は以下のとおり定められています。

9級16号「外貌に相当程度の醜状を残すもの」

部位基準
顔面部5cm以上の線状痕で、人目につく程度のもの

なお,瘢痕の大きさや線状痕の長さを確認する際には,以下の点に注意を要します。

①人目につくことが必要
→眉や髪で隠れる部分は醜状として扱われません。また,アゴの下で正面から見えない部分も対象外となります。これらの部分を除いた長さや面積を計測します。

②2つ以上の傷跡がある場合の判断方法
→複数の傷跡は,それらが一体となっている場合,一体となっている面積や長さを合算した数値で等級が判断されます

③事故時に生じたものでない醜状の取り扱い
→治療中に生じた手術痕や,やけど等の治療後に生じた色素沈着なども,醜状障害の対象に含まれます。

【17号】生殖器に著しい障害を残すもの

具体的な認定基準は以下の通りです。

【男性】
 陰茎の大部分を欠損したもの
 勃起障害を残すもの
 射精障害を残すもの
【女性】
 膣口狭さくを残すもの
 両側の卵巣に閉塞・癒着を残すもの(※)
 頸管に閉塞を残すもの(※)
 子宮を失ったもの(※)

(※)画像所見により認められるものに限る

陰茎の大部分を欠損したもの」とは

陰茎を膣に挿入することができないと認められるもの

勃起障害を残すもの」とは

以下のいずれかに該当するもの
1.夜間睡眠時に十分な勃起が認められないことがリジスキャンによる夜間陰茎勃起検査により証明されること
2.支配神経の損傷など,勃起障害の原因となりうる所見が,神経系検査か血管系検査のいずれかにより認められること

射精障害を残すもの」とは

次のいずれかに該当するもの
1.尿道または射精管が断裂していること
2.両側の下腹神経の断裂により当該神経の機能が失われていること
3.膀胱頚部の機能が失われていること

膣口狭さくを残すもの」とは

陰茎を膣に挿入することができないと認められるもの

後遺障害9級の慰謝料

等級ごとの後遺障害慰謝料

後遺障害等級【自賠責基準】【裁判基準】
1級1150万円2800万円
2級998万円2370万円
3級861万円1990万円
4級737万円1670万円
5級618万円1400万円
6級512万円1180万円
7級419万円1000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

後遺障害9級の場合,自賠責保険からは249万円の慰謝料が支払われます。また,裁判基準の慰謝料は690万円となります。

後遺障害9級の逸失利益

後遺障害逸失利益は,以下の計算式で算出されます。

後遺障害逸失利益
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

このうち,労働能力喪失率は等級ごとに設けられており,等級が上位であるほど喪失率も大きくなります。

1級100%
2級100%
3級100%
4級92%
5級79%
6級67%
7級56%
8級45%
9級35%
10級27%
11級20%
12級14%
13級9%
14級5%

後遺障害9級の場合は,労働能力喪失率が35%となります。

計算例
年収500万円,40歳,9級認定

計算式
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

=500万円×0.35×18.3270(27年ライプニッツ)
32,072,250円

後遺障害等級の認定を受ける方法

①手続の方法

認定手続は,加害者の自賠責保険会社に所定の書類を提出する方法で行われますが,被害者側と加害者側のどちらが提出するかによって,大きく二通りの手続があります。

1.事前認定
対人賠償保険(被害者の人身損害を賠償する加害者側の保険)が,自賠責保険会社に提出する際の方法です。自社の賠償額を算定するため,事前に後遺障害等級認定を求める手続のため,事前認定と呼ばれます。

2.被害者請求
被害者側が,対人賠償保険を通さずに自ら自賠責保険会社に提出する際の方法です。
被害者が自ら自賠責保険会社への請求を行うため,被害者請求と呼ばれます。

3.両者の違い
両者の主な違いは,以下の通りです。

項目【事前認定】【被害者請求】
提出する人対人賠償保険被害者自身
提出書面必要書類一式必要書類以外も提出可
提出物の収集保険会社が行う被害者自身が行う

②手続の流れ

後遺障害等級認定の基本的な流れは,以下の通りです。

【事前認定の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③後遺障害診断書の提出相手保険に後遺障害診断書を提出します。
④事前認定の実施相手保険による自賠責保険への提出を待ちます。
⑤後遺障害等級の結果通知相手保険に結果の通知があり,相手保険から被害者側に知らされます。


【被害者請求の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③申請書類の準備治療期間中の診断書やレセプト,交通事故証明書などの必要書類を取得し,申請書類に必要事項を記載します。
④被害者請求の実施必要書類を自賠責保険会社に提出し,被害者請求を実施します。
⑤後遺障害等級の結果通知申請者である被害者又は代理人に直接通知されます。

事前認定は,後遺障害診断書を相手保険に提出するのみで足りるため,手続が簡便であるというメリットがあります。一方で,自賠責保険に提出される資料は必要不可欠なもののみであるため,認定に有用な資料を追加で提出したい,という場合には適していません。
一方,被害者請求は,後遺障害診断書以外の提出書面も全て積極的に提出する必要があるため,手続負担が大きくなりやすいところです。しかし,提出できる資料は不可欠なものに限られず,判断に際して考慮してほしい資料や内容を任意に提出できるというメリットがあります。

後遺障害等級のうち,検査結果の数値で認定結果が決まる場合には,事前認定か被害者請求かという手段よりもその検査結果が重要になるでしょう。検査結果が認定基準を満たしている限り,どちらの方法でも差し支えないという結論になります。
一方,認定基準が数値だけでは判断できず,複数の事情を総合的に踏まえる必要がある場合,考慮してもらうべき事情を積極的に提出することが有益になり得ます。この点,必要な診断書等以外の資料を積極的に提出したい場合には,被害者請求の方法を取る必要があります。
そのため,数値で判断が可能な内容かどうかによって,事前認定と被害者請求を適宜選択することが有力でしょう。

弁護士依頼のメリット

①必要な対応を弁護士に任せることができる

交通事故被害に遭った場合,主に相手保険との間でやり取りが必要になり,その内容は多岐に渡ることが少なくありません。そのため,ただでさえ被害に遭って心身のダメージを抱えている中,相手保険への対応でさらに疲弊させられてしまうということが生じがちです。
この点,弁護士に依頼をすれば,その後の必要な対応を全て弁護士に任せることが可能です。弁護士に適切な対応をしてもらうことで,不要な負担を感じることなく解決を目指せるでしょう。

②後遺障害等級認定に必要なことが分かる

後遺障害等級認定を目指す場合,その等級認定基準を満たしていると判断してもらうことが必要になります。そうすると,あらかじめ等級認定基準を踏まえた上で,基準を満たす内容の資料を提出する形で申請を試みることが不可欠です。
しかしながら,等級認定基準を正確に把握することは,交通事故分野に精通していない限りは容易でありません。

この点,弁護士に依頼することで,等級認定基準を踏まえた申請の準備を弁護士に検討してもらうことが可能になります。そのため,後遺障害等級認定のために必要な対応が分かり,適切な申請ができるようになるでしょう。

③慰謝料などの増額が期待できる

交通事故の場合,弁護士が交渉を行うことで,慰謝料などの増額ができる場合が非常に多く見られます。これは,保険会社が,弁護士の有無で慰謝料などの賠償額を異にする運用をしているためです。
弁護士に依頼することで,慰謝料をはじめとした損害賠償額の増加が期待できるでしょう。また,後遺障害等級が認定された場合,後遺障害に応じた慰謝料なども発生するため,弁護士による増額の余地はさらに大きくなることが見込まれます。

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【後遺障害10級】具体的な症状から慰謝料,逸失利益の金額まで

交通事故の被害に遭った際,治療が終了してもなお症状が残ってしまう場合には,後遺障害等級認定を受けられる可能性があります。後遺障害等級が認定された場合,受領できる慰謝料額などが大きく変わるため,等級の認定基準を把握することは重要です。

自賠責保険では,1級から14級の後遺障害等級が定められており,それぞれに詳細な認定基準が設けられています。ここでは,後遺障害10級の対象となる症状や認定の基準,認定された場合の慰謝料額などを弁護士が解説します。

後遺障害10級の認定基準

10級の認定基準一覧

1号一眼の視力が0.1以下になつたもの
2号正面を見た場合に複視の症状を残すもの
3号咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
4号十四歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5号両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
6号一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
7号一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
8号一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
9号一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの
10一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
11号一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの

【1号】「一眼の視力が0.1以下になつたもの」

後遺障害等級の対象とする視力は,矯正視力を指します。そのため,眼鏡やコンタクトレンズなどを着用した状態の視力を基準に判断されます。

【2号】「正面を見た場合に複視の症状を残すもの」

複視」は,1つの物体が2つに見えることをいいます。主に眼の周りにある筋肉の一部が麻痺して片方の眼球の動きが悪くなることで,物が上下左右にずれて二重に見える状態を指します。

「複視の症状を残すもの」とは,以下の全てを満たす場合を指します。

1.本人が複視のあることを自覚していること
2.眼筋の麻痺等複視を残す明らかな原因が認められること
3.ヘススクリーンテストにより患側の像が健側に比して5度以上離れた位置にあること

【3号】「咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの」

そしゃく機能言語機能いずれか一方に障害を残す場合が該当します。

そしゃく機能の障害については,以下の点を基準に総合的に判断します。

上下咬合咬合(こうごう かみ合わせの意)のズレなど
排列状態歯並びのズレや不足など
下顎の開閉運動歯をかみしめることができる程度など

これらの判断に当たっては,以下のような点を考慮します。

そしゃく機能の判断要素
画像所見(他覚的所見)があること
・他覚的所見と対応するそしゃく状況があること

そしゃく状況に関しては,「そしゃく状況報告書」を踏まえた判断が一般的です。そしゃく状況報告書とは,被害者やその家族が,食べられる食材の内容や程度を記載するものです。

そしゃく状況報告表

「そしゃく機能に障害を残すもの」
=以下のいずれかの場合
①固形食物の中にそしゃくができないものがあること(※)
②そしゃくが十分にできないものがあり,そのことが医学的に確認できる場合(※※)

(※)ごはん,煮魚,ハム等はそしゃくできるが,たくあん,らっきょう,ピーナッツ等の一定の固さの食物中にそしゃくできないものがあるなど
(※※)不正咬合,顎関節の障害,開口障害など,そしゃくできないものがあることの原因が医学的に確認できる場合

言語機能の障害は,語音(特に子音)の発音にどの程度の制限が生じたかを基準に判断されます。

子音は,以下の4種類に分けることができます。

子音の4種類
口唇音(ま行音,ぱ行音,ば行音,わ行音,ふ)
歯舌音(な行音,た行音,だ行音,ら行音,さ行音,しゅ,し,ざ行音,じゅ)
口蓋音(か行音,が行音,や行音,ひ,にゅ,ぎゅ,ん)
喉頭音(は行音)

これら4種類の子音それぞれについて,発音不能なものがあるか,何種類あるか,といった点を踏まえ,言語機能の障害の程度を判断します。

「言語の機能に障害を残すもの」
=4種の語音のうち,1種の発音不能のもの

【4号】「十四歯以上に対し歯科補綴を加えたもの」

歯牙障害と呼ばれるものです。歯牙障害は,歯科補綴を加えた歯の数によって等級が認定されます。

歯牙障害の認定基準

等級基準
10級4号14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
11級4号10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
12級3号7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
13級4号5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
14級2号3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

「歯科補綴を加えたもの」とは
=現実に喪失又は著しく欠損した歯牙に対する補綴

「著しく欠損した」とは
歯冠部(歯肉より露出している部分)の体積の4分の3以上を欠損したもの

「補綴」とは
歯が喪失したり欠損したりしたところを,クラウン(歯全体を覆う被せ物)や入れ歯などの人工物で補うこと

【留意事項】
①認定対象になる歯の条件
→認定対象となる歯は,永久歯を指します。乳歯や含まれず,いわゆる親知らずも含まれません。ただし,乳歯が欠損したことで永久歯の萌出が見込めない場合は含まれます。

②喪失した歯の数より補綴した義歯の数が多い場合
→喪失した歯牙が大きい場合や歯間が広かった場合など,喪失した歯の数よりも多くの補綴を要した場合,等級の認定は喪失した歯の数によって判断されます。

(例)4本を喪失したが,5本の補綴をした場合,4本の歯科補綴として14級2号を認定する

③ブリッジなどで失った歯以外を切除した場合
→交通事故で失った歯の補綴に際して,ブリッジを設ける目的などで他の歯を切除した場合,歯冠部の4分の3以上切除していれば,歯科補綴を加えた本数に含みます。

(例)交通事故で2本喪失したところ,両側2本の歯にブリッジを施した場合,4本の歯科補綴として14級2号を認定する

なお,歯牙障害については,歯科用の後遺障害診断書を用いて主治医の記載を依頼します。

後遺障害診断書(歯科用)

【5号】「両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの」

聴力障害は,「純音聴力レベル」の平均値及び「明瞭度」の最高値を基準に判断されます。

「純音聴力レベル」とは
音波の基本的なもの(=純音)に対する聴こえ方の程度。音が聴こえるかどうか

「明瞭度」とは
言語の音声(語音)に対する聴こえ方の程度。言葉を聞き取れるかどうか

そして,1メートル以上の距離で普通の話し声を聞き取れないと評価される場合に10級5号の認定対象となります。具体的な基準は以下の通りです。

①両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上のもの
②両耳の平均純音聴力レベルが40dB以上であり、かつ、最高明瞭度が70%以下のもの

一耳の聴力ともう一耳の聴力の関係
両耳聴力と最高明瞭度の関係

【6号】「一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの」

片耳が接するほど近くでなければ大声でも聞き取れない程度に至った場合を指します。

具体的には,片耳の平均純音聴力レベルが80dB以上90dB未満の場合に10級6号の認定対象になります。

【7号】「一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの」

手指の用廃に関する等級です。

「手指の用を廃したもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.手指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
2.中手指節関節又は近位指節間関節(親指については指節間関節)の可動域が1/2以下に制限されるもの
3.親指について、橈側外転又は掌側外転のいずれかの可動域が1/2以下に制限されるもの
4.手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚完全に脱失したもの

(「障害認定必携」より引用)

「親指」又は「親指以外の2本の指」について用廃となった場合に,等級認定の対象となります。

【8号】「一下肢を三センチメートル以上短縮したもの」

下肢の短縮は,上前腸骨棘と下腿内果下端の間の長さを健側の下肢と比較して等級認定を行います。

下肢の短縮

【9号】「一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの」

「足指を失ったもの」とは,足指を中足指節関節から失ったことを指します。つまり,足指をすべて失った場合を指すことになります。

(「障害認定必携」より引用)

足の「親指」又は「親指以外の4本の指」について,付け根から先のすべてを失った場合,等級認定の対象となります。

【10号】「一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの」

「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
2.人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2分の1以下に制限されていないもの

関節可動域は,関節ごとに定められる主要運動の測定値を比較します。
上肢の三大関節の主要運動は,以下の通りです。

関節主要運動参考可動域角度
肩関節①屈曲(前方拳上)180度
肩関節②外転(側方拳上)180度
肘関節屈曲・伸展(※)145度・5度(合計150度)
手関節屈曲(掌屈)・伸展(背屈)(※)90度・70度(合計160度)
※肘関節と手関節は,「屈曲+伸展」の合計値を比較

なお,左右いずれも可動域制限が生じている場合,参考可動域との比較を行います。

肩関節の運動

肘関節の運動

関節の運動には,主要運動のほかに参考運動があります。
可動域制限を判断する場合に参考運動を用いるのは,主要運動の可動域が基準をわずかに(=機能障害は5度,著しい機能障害は10度)上回る場合とされます。

関節参考運動参考可動域角度
肩関節①伸展(後方拳上)50度
肩関節②外旋・内旋60度・80度(合計140度)
手関節①橈屈25度
手関節②尺屈55度
橈屈と尺屈

【11号】「一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの」

「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
2.人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されていないもの

関節可動域は,関節ごとに定められる主要運動の測定値を比較します。
下肢の三大関節の主要運動は,以下の通りです。

関節主要運動参考可動域角度
股関節①屈曲・伸展125度・15度(合計140度)
股関節②外転・内転145度・20度(合計65度)
ひざ関節屈曲・伸展130度・0度(合計130度)
足関節屈曲(底屈)・伸展(背屈)45度・20度(合計65度)
「屈曲+伸展」「外転+内転」の合計値を比較

なお,左右いずれも可動域制限が生じている場合,参考可動域との比較を行います。

股関節の主要運動

足関節の主要運動

関節の運動には,主要運動のほかに参考運動があります。
可動域制限を判断する場合に参考運動を用いるのは,主要運動の可動域が基準をわずかに(=機能障害は5度,著しい機能障害は10度)上回る場合とされます。

関節参考運動参考可動域角度
股関節外旋・内旋45度・45度(合計90度)

後遺障害10級の慰謝料

等級ごとの後遺障害慰謝料

後遺障害等級【自賠責基準】【裁判基準】
1級1150万円2800万円
2級998万円2370万円
3級861万円1990万円
4級737万円1670万円
5級618万円1400万円
6級512万円1180万円
7級419万円1000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

後遺障害10級の場合,自賠責保険からは190万円の慰謝料が支払われます。また,裁判基準の慰謝料は550万円となります。

後遺障害10級の逸失利益

後遺障害逸失利益は,以下の計算式で算出されます。

後遺障害逸失利益
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

このうち,労働能力喪失率は等級ごとに設けられており,等級が上位であるほど喪失率も大きくなります。

1級100%
2級100%
3級100%
4級92%
5級79%
6級67%
7級56%
8級45%
9級35%
10級27%
11級20%
12級14%
13級9%
14級5%

後遺障害10級の場合は,労働能力喪失率が27%となります。

計算例
年収500万円,40歳,10級認定

計算式
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

=500万円×0.27×18.3270(27年ライプニッツ)
24,741,450円

後遺障害等級の認定を受ける方法

①手続の方法

認定手続は,加害者の自賠責保険会社に所定の書類を提出する方法で行われますが,被害者側と加害者側のどちらが提出するかによって,大きく二通りの手続があります。

1.事前認定
対人賠償保険(被害者の人身損害を賠償する加害者側の保険)が,自賠責保険会社に提出する際の方法です。自社の賠償額を算定するため,事前に後遺障害等級認定を求める手続のため,事前認定と呼ばれます。

2.被害者請求
被害者側が,対人賠償保険を通さずに自ら自賠責保険会社に提出する際の方法です。
被害者が自ら自賠責保険会社への請求を行うため,被害者請求と呼ばれます。

3.両者の違い
両者の主な違いは,以下の通りです。

項目【事前認定】【被害者請求】
提出する人対人賠償保険被害者自身
提出書面必要書類一式必要書類以外も提出可
提出物の収集保険会社が行う被害者自身が行う

②手続の流れ

後遺障害等級認定の基本的な流れは,以下の通りです。

【事前認定の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③後遺障害診断書の提出相手保険に後遺障害診断書を提出します。
④事前認定の実施相手保険による自賠責保険への提出を待ちます。
⑤後遺障害等級の結果通知相手保険に結果の通知があり,相手保険から被害者側に知らされます。


【被害者請求の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③申請書類の準備治療期間中の診断書やレセプト,交通事故証明書などの必要書類を取得し,申請書類に必要事項を記載します。
④被害者請求の実施必要書類を自賠責保険会社に提出し,被害者請求を実施します。
⑤後遺障害等級の結果通知申請者である被害者又は代理人に直接通知されます。

事前認定は,後遺障害診断書を相手保険に提出するのみで足りるため,手続が簡便であるというメリットがあります。一方で,自賠責保険に提出される資料は必要不可欠なもののみであるため,認定に有用な資料を追加で提出したい,という場合には適していません。
一方,被害者請求は,後遺障害診断書以外の提出書面も全て積極的に提出する必要があるため,手続負担が大きくなりやすいところです。しかし,提出できる資料は不可欠なものに限られず,判断に際して考慮してほしい資料や内容を任意に提出できるというメリットがあります。

後遺障害等級のうち,検査結果の数値で認定結果が決まる場合には,事前認定か被害者請求かという手段よりもその検査結果が重要になるでしょう。検査結果が認定基準を満たしている限り,どちらの方法でも差し支えないという結論になります。
一方,認定基準が数値だけでは判断できず,複数の事情を総合的に踏まえる必要がある場合,考慮してもらうべき事情を積極的に提出することが有益になり得ます。この点,必要な診断書等以外の資料を積極的に提出したい場合には,被害者請求の方法を取る必要があります。
そのため,数値で判断が可能な内容かどうかによって,事前認定と被害者請求を適宜選択することが有力でしょう。

弁護士依頼のメリット

①必要な対応を弁護士に任せることができる

交通事故被害に遭った場合,主に相手保険との間でやり取りが必要になり,その内容は多岐に渡ることが少なくありません。そのため,ただでさえ被害に遭って心身のダメージを抱えている中,相手保険への対応でさらに疲弊させられてしまうということが生じがちです。
この点,弁護士に依頼をすれば,その後の必要な対応を全て弁護士に任せることが可能です。弁護士に適切な対応をしてもらうことで,不要な負担を感じることなく解決を目指せるでしょう。

②後遺障害等級認定に必要なことが分かる

後遺障害等級認定を目指す場合,その等級認定基準を満たしていると判断してもらうことが必要になります。そうすると,あらかじめ等級認定基準を踏まえた上で,基準を満たす内容の資料を提出する形で申請を試みることが不可欠です。
しかしながら,等級認定基準を正確に把握することは,交通事故分野に精通していない限りは容易でありません。

この点,弁護士に依頼することで,等級認定基準を踏まえた申請の準備を弁護士に検討してもらうことが可能になります。そのため,後遺障害等級認定のために必要な対応が分かり,適切な申請ができるようになるでしょう。

③慰謝料などの増額が期待できる

交通事故の場合,弁護士が交渉を行うことで,慰謝料などの増額ができる場合が非常に多く見られます。これは,保険会社が,弁護士の有無で慰謝料などの賠償額を異にする運用をしているためです。
弁護士に依頼することで,慰謝料をはじめとした損害賠償額の増加が期待できるでしょう。また,後遺障害等級が認定された場合,後遺障害に応じた慰謝料なども発生するため,弁護士による増額の余地はさらに大きくなることが見込まれます。

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【後遺障害11級】認定対象となる症状の一覧から補償される金額まで

交通事故の被害に遭った際,治療が終了してもなお症状が残ってしまう場合には,後遺障害等級認定を受けられる可能性があります。後遺障害等級が認定された場合,受領できる慰謝料額などが大きく変わるため,等級の認定基準を把握することは重要です。

自賠責保険では,1級から14級の後遺障害等級が定められており,それぞれに詳細な認定基準が設けられています。ここでは,後遺障害11級の対象となる症状や認定の基準,認定された場合の慰謝料額などを弁護士が解説します。

後遺障害11級の認定基準

11級の認定基準一覧

1号両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2号両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3号一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
4号十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
5号両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
6号一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
7号脊柱に変形を残すもの
8号一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失つたもの
9号一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
10胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの

【1号】「両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの」

著しい調節機能障害」とは以下の場合を指します。

著しい調節機能障害
眼の調節力が損傷を受けなかった方の他眼に比して2分の1以下に減じたもの

(注意事項)
①両眼とも損傷を受けた場合,損傷していない眼の調節機能に異常がある場合は,年齢別の調整力と比較する
②以下のいずれかに当たる場合は障害認定されない
・損傷していない眼の調整力が1.5D以下であるとき
・55歳以上であるとき

5歳ごとの年齢別の調整力

年齢(歳)調整力(ジオプトリー(D))
159.7
209.0
257.6
306.3
355.3
404.4
453.1
502.2
551.5
601.35

「眼球に著しい運動障害を残すもの」とは,以下の場合を指します。

「眼球に著しい運動障害を残すもの」
=眼球の注視野が2分の1以下に減じたもの

注視野とは
頭部を固定した状態で眼球を動かして直視できる範囲
平均値は単眼視で各方面50度,両眼視で各方面45度とされています。

【2号】「両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの」

【具体的基準】

「まぶたに著しい運動障害を残すもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。
①まぶたを開けた時にまぶたが完全に瞳孔(黒目)を覆ってしまうもの
②まぶたを閉じたときに角膜(眼球の色がある部分を覆う膜)を完全に覆えないもの

交通事故の影響でまぶたに麻痺が残るなどした結果,目を開いたときに瞳孔が覆われてしまったり,目を閉じたときに角膜が完全に覆われない状態となった場合,11級2号の認定対象になります。

【3号】「一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの」

「まぶたに著しい欠損を残すもの」とは
まぶたを閉じた場合に角膜(眼球の色がある部分を覆う膜)を完全に覆えない程度のもの

まぶたが欠損した結果,目を閉じたときに角膜が完全に覆われない状態となった場合,11級3号の認定対象になります。

【4号】「十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの」

歯牙障害と呼ばれるものです。歯牙障害は,歯科補綴を加えた歯の数によって等級が認定されます。

歯牙障害の認定基準

等級基準
10級4号14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
11級4号10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
12級3号7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
13級4号5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
14級2号3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

「歯科補綴を加えたもの」とは
=現実に喪失又は著しく欠損した歯牙に対する補綴

「著しく欠損した」とは
歯冠部(歯肉より露出している部分)の体積の4分の3以上を欠損したもの

「補綴」とは
歯が喪失したり欠損したりしたところを,クラウン(歯全体を覆う被せ物)や入れ歯などの人工物で補うこと

【留意事項】
①認定対象になる歯の条件
→認定対象となる歯は,永久歯を指します。乳歯や含まれず,いわゆる親知らずも含まれません。ただし,乳歯が欠損したことで永久歯の萌出が見込めない場合は含まれます。

②喪失した歯の数より補綴した義歯の数が多い場合
→喪失した歯牙が大きい場合や歯間が広かった場合など,喪失した歯の数よりも多くの補綴を要した場合,等級の認定は喪失した歯の数によって判断されます。

(例)4本を喪失したが,5本の補綴をした場合,4本の歯科補綴として14級2号を認定する

③ブリッジなどで失った歯以外を切除した場合
→交通事故で失った歯の補綴に際して,ブリッジを設ける目的などで他の歯を切除した場合,歯冠部の4分の3以上切除していれば,歯科補綴を加えた本数に含みます。

(例)交通事故で2本喪失したところ,両側2本の歯にブリッジを施した場合,4本の歯科補綴として14級2号を認定する

なお,歯牙障害については,歯科用の後遺障害診断書を用いて主治医の記載を依頼します。

後遺障害診断書(歯科用)

【5号】「両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの」

交通事故による聴力の低下のため,両耳について1メートル以上離れた距離では小声での話し声を聞き取ることが困難になった状態を指します。
具体的には,検査の結果,両耳の平均純音聴力レベルが40dB以上の状態をいいます。

純音聴力レベル」とは,どこまで小さな音を聴き取れるか,という聴こえ方の程度を言い,このレベルが大きいほど,大きい音しか聞こえないことを意味します。
両耳の平均純音聴力レベルと後遺障害等級の関係をまとめると,以下のようになります。

一耳の聴力ともう一耳の聴力の関係

【6号】「一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの」

片耳の聴力が低下した結果,40センチメートル以上の距離では普通の話声を聞き取れないとみなされる状態に至った場合を指します。具体的な基準は以下の通りです。

具体的な認定基準

1.片耳の平均純音聴力レベルが70dB以上80dB未満の場合
2.片耳の平均純音聴力レベルが50dB以上かつ最高明瞭度が50%以下の場合

【7号】「脊柱に変形を残すもの」

圧迫骨折や破裂骨折に伴って脊柱部の変形が生じる後遺障害です。客観的に脊柱の変形が確認できる場合,11級7号の認定がなされます。
具体的基準は以下の通りです。

脊柱に変形を残すものとは

1.圧迫骨折が生じ、そのことがエックス線写真等で確認できる場合
2.脊椎固定術が行われた場合
3.3個以上の脊椎について、椎弓切除術などの椎弓形成術を受けた場合

【8号】「一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失つたもの」

手指の欠損障害と呼ばれるものです。「手指を失った」と評価される場合,欠損障害が認定されます。

「手指を失ったもの」とは,以下の場合を指します。

1.手指を中手骨又は基節骨で切断したもの
2.親指については指節間関節、それ以外の指については近位指節間関節において、基節骨と中節骨が離断したもの

(「障害認定必携」より引用)

【9号】「一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの」

足指の機能障害と呼ばれるものです。「足指の用を廃したもの」と評価される場合に,機能障害が認定されます。

「足指の用を廃したもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.親指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
2.親指以外の足指について、中節骨又は基節骨で切断したもの
3.親指以外の足指について、遠位指節間関節又は近位指節間関節で離断したもの
4.親指の中足指節間関節又は指節間関節の可動域が1/2以下に制限されるもの
5.親指以外の足指の中足指節間関節又は近位指節間関節の可動域が1/2以下に制限されるもの

(「障害認定必携」より引用)

【10号】「胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの」

「胸腹部臓器の機能障害」と呼ばれるものです。胸腹部の臓器に障害が残った結果,労務自体はできるものの明らかな支障が残った場合に,11級10号の認定対象となります。

具体的な認定基準は,臓器ごとに定められています。

1.呼吸器

a.動脈酸素分圧70Torrを超え,動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲(37Torr~43Torr)にない場合
b.スパイロメトリーの結果が%1秒量55以下又は%肺活量60以下で,軽度の呼吸困難がある場合
c.スパイロメトリーの結果が%1秒量55~70又は%肺活量60~80で,高度、中等度または軽度の呼吸困難が認められる場合

呼吸困難の程度に関する判断基準

高度呼吸困難のため、連続しておおむね100m以上歩けないもの
中等度呼吸困難のため、平地でさえ健常者と同じように歩けないが、自分のペースでなら1km程度の歩行ができるもの
軽度呼吸困難のため、健常者と同じようには階段の昇降ができないもの

2.循環器

a.心機能の低下による運動耐容能の低下が軽度であるもの

「運動耐容能の低下が軽度であるもの」とは(11級)
=おおむね8METs(メッツ)を超える強度の身体活動が制限されるもの
(例)
平地で急いで歩く、健康な人と同じ速度で階段を上るという身体活動に支障がないものの、それ以上に激しいか、急激な身体活動が制限されるもの

b.人工弁に置換する手術を行ったが,継続的な抗凝血薬療法の必要はない場合

c.偽腔開存型の解離を残すもの

大動脈に亀裂が入った結果,血管壁の内膜が裂けてしまった状態大動脈解離と言います。
大動脈解離が起きると,血管が裂けたことで新しい血管の通り道(偽腔)が生まれますが,偽腔の血流が止まっていない状態を「偽腔開存型」と言います。

3.胃の障害

・消化吸収障害、ダンピング症候群、胃切除術後逆流性食道炎のいずれかが認められるもの

「消化吸収障害」とは

以下のいずれかに該当するもの
1.胃の全部を亡失したこと
2.噴門部または幽門部を含む胃の一部を亡失し、低体重等(※)が認められること
(※)①BMI20以下又は②事故前からBMI20以下の場合は体重が10%以上減少

「ダンピング症候群」とは

以下のいずれにも該当するもの
1.胃の全部または幽門部を含む胃の一部を亡失した
2.早期ダンピング症候群に起因する症状(※)または晩期ダンピング症候群に起因する症状(※※)が認められること
(※)食後30分以内に出現するめまい,起立不能等
(※※)食後2時間後から3時間後に出現する全身脱力感,めまい等

「胃切除術後逆流性食道炎」とは

以下のいずれにも該当するもの
1.胃の全部又は噴門部を含む胃の一部を亡失したこと
2.胃切除術後逆流性食道炎に起因する自覚症状(胸焼け,胸痛,嚥下困難等)があること
3.内視鏡検査により食道にの胃切除術後逆流性食道炎に起因する所見(びらん,潰瘍等)が認められること

4.小腸の障害

a.残存する空腸および回腸の長さが100センチメートルを超え300センチメートル未満であり,消化吸収障害(低体重等)が認められるもの

b.「小腸皮膚瘻を残すもの」のうち,瘻孔から少量ではあるが明らかに小腸内容が漏出する程度のもの

c.小腸に狭さくを残すもの

「小腸に狭さくを残すもの」とは

次のいずれにも該当するもの
1.1か月に1回程度,腹痛,腹部膨満感,嘔気,嘔吐などの症状が認められること
2.単純エックス線像においてケルクリングひだ像が認められること

5.大腸の障害

a.大腸を大量に切除したもの
結腸のすべてを切除するなど大腸のほとんどを切除したものを指します。

b.大腸に狭さくを残すもの

「大腸に狭さくを残すもの」とは

=次のいずれにも該当するもの
1.1か月に1回程度,腹痛,腹部膨満感などの症状が認められること
2.単純エックス線像において貯留した大量のガスにより結腸膨起像が相当区間認められること

c.「便秘を残すもの」のうち,用手摘便を要しないもの

便秘とは

=次のいずれにも該当するもの
1.排便反射を支配する神経の損傷がMRIやCTなどにより確認できること
2.排便回数が週2回以下の頻度であって,恒常的に硬便であると認められること

d.「便失禁を残すもの」のうち,常時おむつの装着が必要ではないもの

6.肝臓の障害

慢性肝炎
(ウイルスの持続感染が認められ,かつ,AST・ALTが持続的に低値であるものに限る)

7.すい臓の障害

外分泌機能の障害と内分泌機能の障害のいずれかが認められるもの

外分泌機能:膵液(消化液)を腸に送り出す機能
外分泌機能の障害」とは

次のいずれにも該当するもの
1.上腹部痛,脂肪便,頻回の下痢などの外分泌機能の低下による症状が認められること
2.BT-PABA(PFD)試験で異常低値(70%未満)を示すこと
3.ふん便中キモトリプシン活性で異常低値(24U/g未満)を示すこと
4.アミラーゼまたはエラスターゼの異常低値を認めるもの

内分泌機能:ホルモンを血液中に送り出す機能
内分泌機能の障害」とは

次のいずれにも該当するもの
1.異なる日に行った経口糖負荷試験で境界型または糖尿病型であることが2回以上確認されること
2.空腹時血漿中のC-ペプチド(CPR)が0.5ng/ml以下(インスリン異常低値)であること
3.Ⅱ型糖尿病に該当しないこと

8.腹部臓器周辺のヘルニア

重激な業務に従事した場合など腹圧が強くかかるときにヘルニア内容の脱出・膨隆が認められるもの

腹壁瘢痕ヘルニア,腹壁ヘルニア,鼠径ヘルニア又は内ヘルニアを残す場合に認定対象となります。もっとも,手術を行うことが通常であり,通常は多くは手術によりヘルニア内容の脱出は認めなくなることから,手術を試みたものの完治できない場合などが対象となります。

9.腎臓の障害

a.一側の腎臓を失い,GFR値が70ml/分を超え90ml/分以下のもの
b.腎臓を失っておらず,GFR値が50ml/分を超え70ml/分以下のもの

GFR値
→腎臓が血液をろ過して尿を作った量の値

10.尿管,膀胱及び尿道の障害

a.尿路変向術を行ったもの
→外尿道口形成術を行ったもの
→尿道カテーテルを留置したもの

b.排尿障害を残すもの
→膀胱の機能障害により残尿が50ミリリットル以上100ミリリットル未満であるもの
→尿道狭さくのため糸状ブジーを必要とするもの

c.畜尿障害を残すもの
→切迫性尿失禁および腹圧性尿失禁のため,常時パッド等の装着は要しないが、下着が少しぬれるもの
→頻尿を残すもの

頻尿」とは

次のいずれにも該当するもの
1.器質的病変による膀胱容量の減少または膀胱・尿道の支配神経の損傷が認められること
2.日中8回以上の排尿が認められること
3.多飲などの他の原因が認められないこと

11.生殖機能の障害

狭骨盤または比較的狭骨盤が認められるもの
→産科的真結合線が10.5cm未満または入口部横径が11.5cm未満のものが該当します。

後遺障害11級の慰謝料

等級ごとの後遺障害慰謝料

後遺障害等級【自賠責基準】【裁判基準】
1級1150万円2800万円
2級998万円2370万円
3級861万円1990万円
4級737万円1670万円
5級618万円1400万円
6級512万円1180万円
7級419万円1000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

後遺障害11級の場合,自賠責保険からは136万円の慰謝料が支払われます。また,裁判基準の慰謝料は420万円となります。

後遺障害11級の逸失利益

後遺障害逸失利益は,以下の計算式で算出されます。

後遺障害逸失利益
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

このうち,労働能力喪失率は等級ごとに設けられており,等級が上位であるほど喪失率も大きくなります。

1級100%
2級100%
3級100%
4級92%
5級79%
6級67%
7級56%
8級45%
9級35%
10級27%
11級20%
12級14%
13級9%
14級5%

後遺障害11級の場合は,労働能力喪失率が20%となります。

計算例
年収500万円,40歳,11級認定

計算式
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

=500万円×0.20×18.3270(27年ライプニッツ)
18,327,000円

後遺障害等級の認定を受ける方法

①手続の方法

認定手続は,加害者の自賠責保険会社に所定の書類を提出する方法で行われますが,被害者側と加害者側のどちらが提出するかによって,大きく二通りの手続があります。

1.事前認定
対人賠償保険(被害者の人身損害を賠償する加害者側の保険)が,自賠責保険会社に提出する際の方法です。自社の賠償額を算定するため,事前に後遺障害等級認定を求める手続のため,事前認定と呼ばれます。

2.被害者請求
被害者側が,対人賠償保険を通さずに自ら自賠責保険会社に提出する際の方法です。
被害者が自ら自賠責保険会社への請求を行うため,被害者請求と呼ばれます。

3.両者の違い
両者の主な違いは,以下の通りです。

項目【事前認定】【被害者請求】
提出する人対人賠償保険被害者自身
提出書面必要書類一式必要書類以外も提出可
提出物の収集保険会社が行う被害者自身が行う

②手続の流れ

後遺障害等級認定の基本的な流れは,以下の通りです。

【事前認定の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③後遺障害診断書の提出相手保険に後遺障害診断書を提出します。
④事前認定の実施相手保険による自賠責保険への提出を待ちます。
⑤後遺障害等級の結果通知相手保険に結果の通知があり,相手保険から被害者側に知らされます。


【被害者請求の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③申請書類の準備治療期間中の診断書やレセプト,交通事故証明書などの必要書類を取得し,申請書類に必要事項を記載します。
④被害者請求の実施必要書類を自賠責保険会社に提出し,被害者請求を実施します。
⑤後遺障害等級の結果通知申請者である被害者又は代理人に直接通知されます。

事前認定は,後遺障害診断書を相手保険に提出するのみで足りるため,手続が簡便であるというメリットがあります。一方で,自賠責保険に提出される資料は必要不可欠なもののみであるため,認定に有用な資料を追加で提出したい,という場合には適していません。
一方,被害者請求は,後遺障害診断書以外の提出書面も全て積極的に提出する必要があるため,手続負担が大きくなりやすいところです。しかし,提出できる資料は不可欠なものに限られず,判断に際して考慮してほしい資料や内容を任意に提出できるというメリットがあります。

後遺障害等級のうち,検査結果の数値で認定結果が決まる場合には,事前認定か被害者請求かという手段よりもその検査結果が重要になるでしょう。検査結果が認定基準を満たしている限り,どちらの方法でも差し支えないという結論になります。
一方,認定基準が数値だけでは判断できず,複数の事情を総合的に踏まえる必要がある場合,考慮してもらうべき事情を積極的に提出することが有益になり得ます。この点,必要な診断書等以外の資料を積極的に提出したい場合には,被害者請求の方法を取る必要があります。
そのため,数値で判断が可能な内容かどうかによって,事前認定と被害者請求を適宜選択することが有力でしょう。

弁護士依頼のメリット

①必要な対応を弁護士に任せることができる

交通事故被害に遭った場合,主に相手保険との間でやり取りが必要になり,その内容は多岐に渡ることが少なくありません。そのため,ただでさえ被害に遭って心身のダメージを抱えている中,相手保険への対応でさらに疲弊させられてしまうということが生じがちです。
この点,弁護士に依頼をすれば,その後の必要な対応を全て弁護士に任せることが可能です。弁護士に適切な対応をしてもらうことで,不要な負担を感じることなく解決を目指せるでしょう。

②後遺障害等級認定に必要なことが分かる

後遺障害等級認定を目指す場合,その等級認定基準を満たしていると判断してもらうことが必要になります。そうすると,あらかじめ等級認定基準を踏まえた上で,基準を満たす内容の資料を提出する形で申請を試みることが不可欠です。
しかしながら,等級認定基準を正確に把握することは,交通事故分野に精通していない限りは容易でありません。

この点,弁護士に依頼することで,等級認定基準を踏まえた申請の準備を弁護士に検討してもらうことが可能になります。そのため,後遺障害等級認定のために必要な対応が分かり,適切な申請ができるようになるでしょう。

③慰謝料などの増額が期待できる

交通事故の場合,弁護士が交渉を行うことで,慰謝料などの増額ができる場合が非常に多く見られます。これは,保険会社が,弁護士の有無で慰謝料などの賠償額を異にする運用をしているためです。
弁護士に依頼することで,慰謝料をはじめとした損害賠償額の増加が期待できるでしょう。また,後遺障害等級が認定された場合,後遺障害に応じた慰謝料なども発生するため,弁護士による増額の余地はさらに大きくなることが見込まれます。

交通事故に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,1000件を超える数々の交通事故解決に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内いたします。
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後遺障害12級の神経症状とは?認定基準から慰謝料まで弁護士がわかりやすく解説

交通事故のあと、手足のしびれや痛みがなかなか取れない場合、後遺障害12級と診断される可能性があります。

後遺障害12級の神経症状は、「しびれ・痛み・感覚障害」などが医学的に証明された場合に認定される等級です。

適正な慰謝料や逸失利益を受け取るためには、認定基準と異議申立のポイントを正しく理解しておくことが重要です。

そこで本記事では、後遺障害12級の神経症状の具体的な認定基準や該当する代表的な症状例などを詳しく解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

後遺障害12級の神経症状とは?

交通事故や労災などで受傷した後、治療を続けても「しびれ」「痛み」「感覚の鈍さ」などの神経症状が残る場合、後遺障害12級に該当することがあります。

12級の中でも「12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)」として扱われるケースが多く、神経の損傷が医学的に確認できるかどうかが認定の重要な判断基準です。

たとえば、MRIやCTなどの画像検査によって神経圧迫や損傷が裏付けられた場合には、単なる自覚症状ではなく「医学的に証明可能な神経障害」として評価されやすくなります。

一方で、症状があるのに検査結果に明確な異常が見られない場合、より軽い14級と判断されることも少なくありません。

そのため、医師に的確な診断書を書いてもらうことが、12級認定のための大きなポイントです。

後遺障害12級に認定される代表的なケース

後遺障害12級に認定される代表的なケースは、主に以下の通りです。

  • むち打ち・頸椎捻挫による神経症状
  • 腰椎ヘルニアや脊髄損傷に伴うしびれ・痛み
  • 末梢神経損傷による知覚障害・運動障害

詳しく解説します。

むち打ち・頸椎捻挫による神経症状

交通事故の後遺症として多いのが、むち打ち症(頸椎捻挫)による神経症状です。

追突事故などで首に強い衝撃が加わると、頸椎やその周囲の神経が損傷し、長期間にわたってしびれや痛み、頭痛、倦怠感などが残る場合があります。

症状の程度が重い場合には、12級13号として後遺障害が認定されることがありますが、医学的な証拠が乏しいと14級止まりになることも少なくありません。

腰椎ヘルニアや脊髄損傷に伴うしびれ・痛み

腰椎ヘルニアや脊髄損傷が原因で手足にしびれや痛みが残る場合も、後遺障害12級に該当することがあります。

とくに交通事故で腰部に強い衝撃を受けた場合、椎間板が突出して神経を圧迫し、下肢の感覚鈍麻や歩行障害などが生じることがあるのです。

こうした症状が治療を続けても改善せず、画像検査などで神経圧迫が確認されれば、12級の認定が期待できます。

末梢神経損傷による知覚障害・運動障害

骨折や外傷により末梢神経が損傷した場合、手足の感覚が鈍くなったり、力が入りづらくなるといった神経症状が残ることがあります。

このような症状が長期にわたり改善しない場合、後遺障害12級に認定されるケースがあります。

とくに、上肢や下肢の神経損傷では、感覚の喪失や細かい動作の困難が残ることが多く、作業能力や生活の質に直接影響を及ぼすでしょう。

後遺障害12級の認定基準

12級の認定基準一覧

1号1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2号1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3号7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
4号1耳の耳殻の大部分を欠損したもの
5号鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
6号1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
7号1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
8号長管骨に変形を残すもの
9号一手のこ指を失ったもの
101手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
111足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの
12号1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14号外貌に醜状を残すもの

【1号】「1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの」

著しい調節機能障害」とは以下の場合を指します。

著しい調節機能障害
眼の調節力が損傷を受けなかった方の他眼に比して2分の1以下に減じたもの

(注意事項)
①両眼とも損傷を受けた場合,損傷していない眼の調節機能に異常がある場合は,年齢別の調整力と比較する
②以下のいずれかに当たる場合は障害認定されない
・損傷していない眼の調整力が1.5D以下であるとき
・55歳以上であるとき

5歳ごとの年齢別の調整力

年齢(歳)調整力(ジオプトリー(D))
159.7
209.0
257.6
306.3
355.3
404.4
453.1
502.2
551.5
601.35

「眼球に著しい運動障害を残すもの」とは,以下の場合を指します。

「眼球に著しい運動障害を残すもの」
=眼球の注視野が2分の1以下に減じたもの

注視野とは
頭部を固定した状態で眼球を動かして直視できる範囲
平均値は単眼視で各方面50度,両眼視で各方面45度とされています。

【2号】「1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの」

【具体的基準】

「まぶたに著しい運動障害を残すもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。
①まぶたを開けた時にまぶたが完全に瞳孔(黒目)を覆ってしまうもの
②まぶたを閉じたときに角膜(眼球の色がある部分を覆う膜)を完全に覆えないもの

【3号】「7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの」

「歯科補綴を加えたもの」とは
=現実に喪失又は著しく欠損した歯牙に対する補綴

「著しく欠損した」とは
歯冠部(歯肉より露出している部分)の体積の4分の3以上を欠損したもの

「補綴」とは
歯が喪失したり欠損したりしたところを,クラウン(歯全体を覆う被せ物)や入れ歯などの人工物で補うこと

【留意事項】
①認定対象になる歯の条件
→認定対象となる歯は,永久歯を指します。乳歯や含まれず,いわゆる親知らずも含まれません。ただし,乳歯が欠損したことで永久歯の萌出が見込めない場合は含まれます。

②喪失した歯の数より補綴した義歯の数が多い場合
→喪失した歯牙が大きい場合や歯間が広かった場合など,喪失した歯の数よりも多くの補綴を要した場合,等級の認定は喪失した歯の数によって判断されます。

(例)7本を喪失したが,10本の補綴をした場合,7本の歯科補綴として12級を認定する

③ブリッジなどで失った歯以外を切除した場合
→交通事故で失った歯の補綴に際して,ブリッジを設ける目的などで他の歯を切除した場合,歯冠部の4分の3以上切除していれば,歯科補綴を加えた本数に含みます。

(例)交通事故で5本喪失したところ,両側2本の歯にブリッジを施した場合,7本の歯科補綴として12級を認定する

【4号】「1耳の耳殻の大部分を欠損したもの」

「耳殻の大部分の欠損」とは,以下の場合を指します。

「耳殻の大部分の欠損」
耳殻の軟骨部の2分の1以上を欠損したもの

ここで「耳殻」とは,耳のうち外に張り出て飛び出している部分をいいます。
一般的に「耳」と呼ぶ楕円形の部位全体を指します。

なお,耳殻の欠損障害が醜状障害にも該当する場合,いずれか上位の等級が認定されます

【5号】「鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの」

変形障害と呼ばれるものです。
変形の程度としては,裸体になったときに目で見てわかるものであることが必要とされます。そのため,レントゲン等の撮影画像で判断できるというのみでは認定対象とはなりません。

【6号】「1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」

「関節の機能に障害を残すもの」とは,以下の場合を指します。

関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されている場合

関節可動域は,関節ごとに定められる主要運動の測定値を比較します。
上肢の三大関節の主要運動は,以下の通りです。

関節主要運動参考可動域角度
肩関節①屈曲(前方拳上)180度
肩関節②外転(側方拳上)180度
肘関節屈曲・伸展(※)145度・5度(合計150度)
手関節屈曲(掌屈)・伸展(背屈)(※)90度・70度(合計160度)
※肘関節と手関節は,「屈曲+伸展」の合計値を比較

なお,左右いずれも可動域制限が生じている場合,参考可動域との比較を行います。

肩関節の運動

肘関節の運動

関節の運動には,主要運動のほかに参考運動があります。
可動域制限を判断する場合に参考運動を用いるのは,主要運動の可動域が基準をわずかに(=機能障害は5度,著しい機能障害は10度)上回る場合とされます。

関節参考運動参考可動域角度
肩関節①伸展(後方拳上)50度
肩関節②外旋・内旋60度・80度(合計140度)
手関節①橈屈25度
手関節②尺屈55度
橈屈と尺屈

【7号】「1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」

「関節の機能に障害を残すもの」とは,以下の場合を指します。

関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されている場合

関節可動域は,関節ごとに定められる主要運動の測定値を比較します。
下肢の三大関節の主要運動は,以下の通りです。

関節主要運動参考可動域角度
股関節①屈曲・伸展125度・15度(合計140度)
股関節②外転・内転145度・20度(合計65度)
ひざ関節屈曲・伸展130度・0度(合計130度)
足関節屈曲(底屈)・伸展(背屈)45度・20度(合計65度)
「屈曲+伸展」「外転+内転」の合計値を比較

なお,左右いずれも可動域制限が生じている場合,参考可動域との比較を行います。

股関節の主要運動

足関節の主要運動

関節の運動には,主要運動のほかに参考運動があります。
可動域制限を判断する場合に参考運動を用いるのは,主要運動の可動域が基準をわずかに(=機能障害は5度,著しい機能障害は10度)上回る場合とされます。

関節参考運動参考可動域角度
股関節外旋・内旋45度・45度(合計90度)

【8号】「長管骨に変形を残すもの」

上肢又は下肢のいずれかについて,長い骨が骨折後にうまく癒合せず,変形してしまった場合です。

上肢の「長管骨に変形を残すもの」とは,以下のいずれかに該当する場合を指します。

1.上腕骨に変形を残し、外見から想定できる程度のもの(=15度以上屈曲して不正癒合したもの)
2.橈骨及び尺骨の両方に変形を残し、外見から想定できる程度のもの(=15度以上屈曲して不正癒合したもの)
3.上腕骨、橈骨又は尺骨の骨端部に癒合不全を残すもの
4.橈骨又は尺骨の骨幹部又は骨幹端部に癒合不全を残し、硬性補装具を必要としないもの
5.上腕骨、橈骨又は尺骨の骨端部のほとんどを欠損したもの
6.上腕骨(骨端部を除く)の直径が2/3以下に減少したもの
7.橈骨又は尺骨(骨端部を除く)の直径が1/2以下に減少したもの
8.上腕骨が50度以上、外旋又は内旋で変形癒合しているもの

(「障害認定必携」より引用)

下肢の「長管骨に変形を残すもの」とは,以下のいずれかに該当する場合を指します。

1.大腿骨に変形を残し、外見から想定できる程度のもの(=15度以上屈曲して不正癒合したもの)
2.脛骨に変形を残し、外見から想定できる程度のもの(=15度以上屈曲して不正癒合したもの)
3.大腿骨の骨端部に癒合不全を残すもの
4.脛骨の骨端部に癒合不全を残すもの
5.腓骨の骨幹部又は骨幹端部に癒合不全を残すもの
6.大腿骨の骨端部のほとんどを欠損したもの
7.脛骨の骨端部のほとんどを欠損したもの
8.大腿骨(骨端部を除く)の直径が2/3以下に減少したもの
9.脛骨(骨端部を除く)の直径が2/3以下に減少したもの
10.大腿骨が外旋45度以上(=股関節の内旋が0度を超えて可動できない)又は、内旋30度以上(=股関節の外旋が15度を超えて可動できない)で変形癒合しているもの

(「障害認定必携」より引用)

【9号】「一手のこ指を失ったもの」

「手指を失ったもの」とは,以下の場合を指します。

1.手指を中手骨又は基節骨で切断したもの
2.親指については指節間関節、それ以外の指については近位指節間関節において、基節骨と中節骨が離断したもの

(「障害認定必携」より引用)

【10号】「1手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの」

「手指の用を廃したもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.手指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
2.中手指節関節又は近位指節間関節(親指については指節間関節)の可動域が1/2以下に制限されるもの
3.親指について、橈側外転又は掌側外転のいずれかの可動域が1/2以下に制限されるもの
4.手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚完全に脱失したもの

【11号】「1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの」

3つの基準が設けられています。

12級11号に該当する場合

1足の第2の足指を失ったもの
第2の足指を含み2の足指を失ったもの
第3の足指以下の第3の足指を失ったもの

なお,「第2の足指」は人差し指,「第3の足指」は中指を指します。そのため,「第3の足指以下の3の足指」は,中指・薬指・小指の3つを指します。

「足指を失ったもの」とは,足指を中足指節関節から失ったことを指します。つまり,足指をすべて失った場合を指すことになります。

(「障害認定必携」より引用)

【12号】「1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの」

「足指の用を廃したもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.親指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
2.親指以外の足指について、中節骨又は基節骨で切断したもの
3.親指以外の足指について、遠位指節間関節又は近位指節間関節で離断したもの
4.親指の中足指節間関節又は指節間関節の可動域が1/2以下に制限されるもの
5.親指以外の足指の中足指節間関節又は近位指節間関節の可動域が1/2以下に制限されるもの

【13号】「局部に頑固な神経症状を残すもの」

神経症状と呼ばれるものです。むち打ちの場合に認定を目指す類型の代表例であるため,後遺障害等級の代表格としても知られているでしょう。これは,交通事故の外傷によって神経系統に異常を来した結果,痛みや痺れといった神経への症状が残存する後遺障害を一般的に指すものです。

具体的な等級とその認定基準は,以下の通りです。

等級認定基準
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

後遺障害等級は,1級から14級まであり,1級が最も上位の(=重い)後遺障害です。神経症状については,12級の方がより上位の後遺障害等級となります。

また,それぞれの認定基準を満たしているかどうかの具体的な考え方は,以下の通りです。

12級13号症状が医学的に証明できる場合
(画像所見などの他覚的所見によって客観的に認められる場合)
14級9号症状が医学的に説明できる場合
(他覚的所見はないものの,受傷内容や治療経過を踏まえると症状の存在が医学的に推定できる場合)

したがって,画像所見など,第三者が客観的に確認できる所見がある場合は12級の認定される可能性があり,そのような客観的な所見がない場合は14級の認定を目指すことになります。

【14号】「外貌に醜状を残すもの」

醜状障害と呼ばれるものです。
醜状障害は,人の目につく人体の露出面に,目立つ傷跡が残った場合の後遺障害をいいます。醜状の具体的な内容としては,瘢痕や線状痕,組織の陥没,色素沈着による変色などが挙げられます。

12級14号は外貌の醜状障害に関するものですが,外貌とは,頭部・顔面部・頸部の各部位を指します。それぞれの部位について,認定基準は以下のとおり定められています。

12級14号 外貌に醜状を残すもの

部位基準
頭部鶏卵大面以上の瘢痕又は頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損
顔面部10円銅貨大以上の瘢痕又は長さ3センチメートル以上の線状痕
頚部鶏卵大面以上の瘢痕

なお,瘢痕の大きさや線状痕の長さを確認する際には,以下の点に注意を要します。

①人目につくことが必要
→眉や髪で隠れる部分は醜状として扱われません。また,アゴの下で正面から見えない部分も対象外となります。これらの部分を除いた長さや面積を計測します。

②2つ以上の傷跡がある場合の判断方法
→複数の傷跡は,それらが一体となっている場合,一体となっている面積や長さを合算した数値で等級が判断されます

③事故時に生じたものでない醜状の取り扱い
→治療中に生じた手術痕や,やけど等の治療後に生じた色素沈着なども,醜状障害の対象に含まれます。

後遺障害12級の神経症状に対する慰謝料

等級ごとの後遺障害慰謝料

後遺障害等級【自賠責基準】【裁判基準】
1級1150万円2800万円
2級998万円2370万円
3級861万円1990万円
4級737万円1670万円
5級618万円1400万円
6級512万円1180万円
7級419万円1000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

後遺障害12級の場合,自賠責保険からは94万円の慰謝料が支払われます。また,裁判基準の慰謝料は290万円となります。

後遺障害12級の逸失利益

後遺障害逸失利益は,以下の計算式で算出されます。

後遺障害逸失利益
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

このうち,労働能力喪失率は等級ごとに設けられており,等級が上位であるほど喪失率も大きくなります。

1級100%
2級100%
3級100%
4級92%
5級79%
6級67%
7級56%
8級45%
9級35%
10級27%
11級20%
12級14%
13級9%
14級5%

後遺障害12級の場合は,労働能力喪失率が14%となります。

計算例
年収500万円,40歳,12級13号認定(むち打ちの場合)

計算式
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

=500万円×0.14×8.5302(10年ライプニッツ)
5,971,140円

(※)12級13号のむち打ちについては,労働能力喪失期間を10年以内とする運用が広く用いられています。

後遺障害等級の認定を受ける方法

①手続の方法

認定手続は,加害者の自賠責保険会社に所定の書類を提出する方法で行われますが,被害者側と加害者側のどちらが提出するかによって,大きく二通りの手続があります。

1.事前認定
対人賠償保険(被害者の人身損害を賠償する加害者側の保険)が,自賠責保険会社に提出する際の方法です。自社の賠償額を算定するため,事前に後遺障害等級認定を求める手続のため,事前認定と呼ばれます。

2.被害者請求
被害者側が,対人賠償保険を通さずに自ら自賠責保険会社に提出する際の方法です。
被害者が自ら自賠責保険会社への請求を行うため,被害者請求と呼ばれます。

3.両者の違い
両者の主な違いは,以下の通りです。

項目【事前認定】【被害者請求】
提出する人対人賠償保険被害者自身
提出書面必要書類一式必要書類以外も提出可
提出物の収集保険会社が行う被害者自身が行う

②手続の流れ

後遺障害等級認定の基本的な流れは,以下の通りです。

【事前認定の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③後遺障害診断書の提出相手保険に後遺障害診断書を提出します。
④事前認定の実施相手保険による自賠責保険への提出を待ちます。
⑤後遺障害等級の結果通知相手保険に結果の通知があり,相手保険から被害者側に知らされます。


【被害者請求の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③申請書類の準備治療期間中の診断書やレセプト,交通事故証明書などの必要書類を取得し,申請書類に必要事項を記載します。
④被害者請求の実施必要書類を自賠責保険会社に提出し,被害者請求を実施します。
⑤後遺障害等級の結果通知申請者である被害者又は代理人に直接通知されます。

事前認定は,後遺障害診断書を相手保険に提出するのみで足りるため,手続が簡便であるというメリットがあります。一方で,自賠責保険に提出される資料は必要不可欠なもののみであるため,認定に有用な資料を追加で提出したい,という場合には適していません。
一方,被害者請求は,後遺障害診断書以外の提出書面も全て積極的に提出する必要があるため,手続負担が大きくなりやすいところです。しかし,提出できる資料は不可欠なものに限られず,判断に際して考慮してほしい資料や内容を任意に提出できるというメリットがあります。

後遺障害等級のうち,検査結果の数値で認定結果が決まる場合には,事前認定か被害者請求かという手段よりもその検査結果が重要になるでしょう。検査結果が認定基準を満たしている限り,どちらの方法でも差し支えないという結論になります。
一方,認定基準が数値だけでは判断できず,複数の事情を総合的に踏まえる必要がある場合,考慮してもらうべき事情を積極的に提出することが有益になり得ます。この点,必要な診断書等以外の資料を積極的に提出したい場合には,被害者請求の方法を取る必要があります。
そのため,数値で判断が可能な内容かどうかによって,事前認定と被害者請求を適宜選択することが有力でしょう。

弁護士依頼のメリット

①必要な対応を弁護士に任せることができる

交通事故被害に遭った場合,主に相手保険との間でやり取りが必要になり,その内容は多岐に渡ることが少なくありません。そのため,ただでさえ被害に遭って心身のダメージを抱えている中,相手保険への対応でさらに疲弊させられてしまうということが生じがちです。
この点,弁護士に依頼をすれば,その後の必要な対応を全て弁護士に任せることが可能です。弁護士に適切な対応をしてもらうことで,不要な負担を感じることなく解決を目指せるでしょう。

②後遺障害等級認定に必要なことが分かる

後遺障害等級認定を目指す場合,その等級認定基準を満たしていると判断してもらうことが必要になります。そうすると,あらかじめ等級認定基準を踏まえた上で,基準を満たす内容の資料を提出する形で申請を試みることが不可欠です。
しかしながら,等級認定基準を正確に把握することは,交通事故分野に精通していない限りは容易でありません。

この点,弁護士に依頼することで,等級認定基準を踏まえた申請の準備を弁護士に検討してもらうことが可能になります。そのため,後遺障害等級認定のために必要な対応が分かり,適切な申請ができるようになるでしょう。

③慰謝料などの増額が期待できる

交通事故の場合,弁護士が交渉を行うことで,慰謝料などの増額ができる場合が非常に多く見られます。これは,保険会社が,弁護士の有無で慰謝料などの賠償額を異にする運用をしているためです。
弁護士に依頼することで,慰謝料をはじめとした損害賠償額の増加が期待できるでしょう。また,後遺障害等級が認定された場合,後遺障害に応じた慰謝料なども発生するため,弁護士による増額の余地はさらに大きくなることが見込まれます。

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【後遺障害13級】具体的な認定基準は?慰謝料や逸失利益の金額は?

交通事故の被害に遭った際,治療が終了してもなお症状が残ってしまう場合には,後遺障害等級認定を受けられる可能性があります。後遺障害等級が認定された場合,受領できる慰謝料額などが大きく変わるため,等級の認定基準を把握することは重要です。

自賠責保険では,1級から14級の後遺障害等級が定められており,それぞれに詳細な認定基準が設けられています。ここでは,後遺障害13級の対象となる症状や認定の基準,認定された場合の慰謝料額などを弁護士が解説します。

後遺障害13級の認定基準

13級の認定基準一覧

1号一眼の視力が0.6以下になつたもの
2号正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
3号一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
4号両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
5号五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
6号一手のこ指の用を廃したもの
7号一手のおや指の指骨の一部を失つたもの
8号一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
9号一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの
10一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
11胸腹部臓器の機能に障害を残すもの

【1号】「一眼の視力が0.6以下になつたもの」

後遺障害等級の対象とする視力は,矯正視力を指します。そのため,眼鏡やコンタクトレンズなどを着用した状態の視力を基準に判断されます。

【2号】「正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの」

複視」は,1つの物体が2つに見えることをいいます。主に眼の周りにある筋肉の一部が麻痺して片方の眼球の動きが悪くなることで,物が上下左右にずれて二重に見える状態を指します。

「複視の症状を残すもの」とは,以下の全てを満たす場合を指します。

1.本人が複視のあることを自覚していること
2.眼筋の麻痺等複視を残す明らかな原因が認められること
3.ヘススクリーンテストにより患側の像が健側に比して5度以上離れた位置にあること

【3号】「一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの」

「半盲症」とは

「半盲症」とは
視野の右半分又は左半分が欠損し,見えなくなってしまう症状をいいます。以下のような種類があります。
同側半盲:両眼の同じ側で半盲が生じる場合
異名半盲:両眼のそれぞれ反対側で半盲が生じる場合

また,視野の上半分または下半分が欠損する場合もあり,「水平半盲」といいます。

「視野狭窄」とは

「視野狭窄」とは
視野が狭くなる症状をいいます。以下のような種類があります。
同心性狭窄:中心部分ははっきり見えるが,周辺部分が見えない
不規則狭窄:視野の一部分が規則性のない形で狭くなる

「視野変状」とは

「視野変状」とは
半盲症や視野狭窄のほか,視野に異常が生じることをいいます。具体的には以下の内容があります。
暗転:視野の中に暗くて見えない部分が生じるもの
視野欠損:視野の一部が見えなくなる状態

【4号】「両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの」

「まぶたの一部に欠損を残すもの」とは
まぶたを閉じた場合に、角膜を完全に覆うことができるものの、球結膜(白目)が露出してしまう場合

「まつげはげを残すもの」とは
まつげの生えている周縁の2分の1以上にわたってまつげはげを残す場合

両目について,目を閉じていても白目が露出してしまった場合,又はまつげが半分以上剥げてしまった場合は,13級4号の認定対象になります。

【5号】「五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの」

歯牙障害と呼ばれる後遺障害です。歯牙障害は,歯科補綴を加えた歯の数によって等級が認定されます。

「歯科補綴を加えたもの」とは
=現実に喪失又は著しく欠損した歯牙に対する補綴

「著しく欠損した」とは
歯冠部(歯肉より露出している部分)の体積の4分の3以上を欠損したもの

「補綴」とは
歯が喪失したり欠損したりしたところを,クラウン(歯全体を覆う被せ物)や入れ歯などの人工物で補うこと

【留意事項】
①認定対象になる歯の条件
→認定対象となる歯は,永久歯を指します。乳歯や含まれず,いわゆる親知らずも含まれません。ただし,乳歯が欠損したことで永久歯の萌出が見込めない場合は含まれます。

②喪失した歯の数より補綴した義歯の数が多い場合
→喪失した歯牙が大きい場合や歯間が広かった場合など,喪失した歯の数よりも多くの補綴を要した場合,等級の認定は喪失した歯の数によって判断されます。

(例)5本を喪失したが,7本の補綴をした場合,5本の歯科補綴として13級を認定する

③ブリッジなどで失った歯以外を切除した場合
→交通事故で失った歯の補綴に際して,ブリッジを設ける目的などで他の歯を切除した場合,歯冠部の4分の3以上切除していれば,歯科補綴を加えた本数に含みます。

(例)交通事故で3本喪失したところ,両側2本の歯にブリッジを施した場合,5本の歯科補綴として13級を認定する

なお,歯牙障害については,歯科用の後遺障害診断書を用いて主治医の記載を依頼します。

後遺障害診断書(歯科用)

【6号】「一手のこ指の用を廃したもの」

手指の用廃に関する等級です。

「手指の用を廃したもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.手指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
2.中手指節関節又は近位指節間関節(親指については指節間関節)の可動域が1/2以下に制限されるもの
3.親指について、橈側外転又は掌側外転のいずれかの可動域が1/2以下に制限されるもの
4.手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚完全に脱失したもの

(「障害認定必携」より引用)

【7号】「一手のおや指の指骨の一部を失つたもの」

1指骨の一部を失っていること(遊離骨片の状態を含む)がX線写真より確認できるものを指します。

【8号】「一下肢を一センチメートル以上短縮したもの」

下肢の短縮は,上前腸骨棘と下腿内果下端の間の長さを健側の下肢と比較して等級認定を行います。

下肢の短縮

【9号】「一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの」

「足指を失ったもの」とは,足指を中足指節関節から失ったことを指します。つまり,足指をすべて失った場合を指すことになります。

(「障害認定必携」より引用)

【10号】「一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの」

3つの基準が設けられています。

13級10号に該当する場合

1足の第2の足指の用を廃したもの
第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの
第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの

なお,「第2の足指」は人差し指,「第3の足指」は中指を指します。そのため,「第3の足指以下の3の足指」は,中指・薬指・小指の3つを指します。

「足指の用を廃したもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.親指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
2.親指以外の足指について、中節骨又は基節骨で切断したもの
3.親指以外の足指について、遠位指節間関節又は近位指節間関節で離断したもの
4.親指の中足指節間関節又は指節間関節の可動域が1/2以下に制限されるもの
5.親指以外の足指の中足指節間関節又は近位指節間関節の可動域が1/2以下に制限されるもの

上記のうち「1」及び「4」は親指に関する基準であるため,「2」「3」「5」のいずれかに該当する場合,14級8号の認定対象になります。

【11号】「胸腹部臓器の機能に障害を残すもの」

具体的な認定基準は,各臓器ごとに異なります。具体的には以下のような基準が設けられています。

胃の障害
噴門部または幽門部を含む胃の一部を亡失したもの

胆のうの障害
胆のうを失ったもの

ひ臓の障害
ひ臓を失ったもの

腎臓の障害
1.一側の腎臓を失い,GFR値が90ml/分を超えるもの
2.腎臓を失っておらず,GFR値が70ml/分を超え90ml/分以下のもの

生殖機能に軽微な障害を残すもの
【男性】
 一側の睾丸を失ったもの(睾丸の亡失に準ずべき程度の萎縮を含む)
【女性】
 一個の卵巣を失ったもの

後遺障害13級の慰謝料

等級ごとの後遺障害慰謝料

後遺障害等級【自賠責基準】【裁判基準】
1級1150万円2800万円
2級998万円2370万円
3級861万円1990万円
4級737万円1670万円
5級618万円1400万円
6級512万円1180万円
7級419万円1000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

後遺障害13級の場合,自賠責保険からは57万円の慰謝料が支払われます。また,裁判基準の慰謝料は180万円となります。

後遺障害13級の逸失利益

後遺障害逸失利益は,以下の計算式で算出されます。

後遺障害逸失利益
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

このうち,労働能力喪失率は等級ごとに設けられており,等級が上位であるほど喪失率も大きくなります。

1級100%
2級100%
3級100%
4級92%
5級79%
6級67%
7級56%
8級45%
9級35%
10級27%
11級20%
12級14%
13級9%
14級5%

後遺障害13級の場合は,労働能力喪失率が9%となります。

計算例
年収500万円,40歳,13級認定

計算式
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

=500万円×0.09×18.3270(27年ライプニッツ)
8,247,150円

後遺障害等級の認定を受ける方法

①手続の方法

認定手続は,加害者の自賠責保険会社に所定の書類を提出する方法で行われますが,被害者側と加害者側のどちらが提出するかによって,大きく二通りの手続があります。

1.事前認定
対人賠償保険(被害者の人身損害を賠償する加害者側の保険)が,自賠責保険会社に提出する際の方法です。自社の賠償額を算定するため,事前に後遺障害等級認定を求める手続のため,事前認定と呼ばれます。

2.被害者請求
被害者側が,対人賠償保険を通さずに自ら自賠責保険会社に提出する際の方法です。
被害者が自ら自賠責保険会社への請求を行うため,被害者請求と呼ばれます。

3.両者の違い
両者の主な違いは,以下の通りです。

項目【事前認定】【被害者請求】
提出する人対人賠償保険被害者自身
提出書面必要書類一式必要書類以外も提出可
提出物の収集保険会社が行う被害者自身が行う

②手続の流れ

後遺障害等級認定の基本的な流れは,以下の通りです。

【事前認定の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③後遺障害診断書の提出相手保険に後遺障害診断書を提出します。
④事前認定の実施相手保険による自賠責保険への提出を待ちます。
⑤後遺障害等級の結果通知相手保険に結果の通知があり,相手保険から被害者側に知らされます。


【被害者請求の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③申請書類の準備治療期間中の診断書やレセプト,交通事故証明書などの必要書類を取得し,申請書類に必要事項を記載します。
④被害者請求の実施必要書類を自賠責保険会社に提出し,被害者請求を実施します。
⑤後遺障害等級の結果通知申請者である被害者又は代理人に直接通知されます。

事前認定は,後遺障害診断書を相手保険に提出するのみで足りるため,手続が簡便であるというメリットがあります。一方で,自賠責保険に提出される資料は必要不可欠なもののみであるため,認定に有用な資料を追加で提出したい,という場合には適していません。
一方,被害者請求は,後遺障害診断書以外の提出書面も全て積極的に提出する必要があるため,手続負担が大きくなりやすいところです。しかし,提出できる資料は不可欠なものに限られず,判断に際して考慮してほしい資料や内容を任意に提出できるというメリットがあります。

後遺障害等級のうち,検査結果の数値で認定結果が決まる場合には,事前認定か被害者請求かという手段よりもその検査結果が重要になるでしょう。検査結果が認定基準を満たしている限り,どちらの方法でも差し支えないという結論になります。
一方,認定基準が数値だけでは判断できず,複数の事情を総合的に踏まえる必要がある場合,考慮してもらうべき事情を積極的に提出することが有益になり得ます。この点,必要な診断書等以外の資料を積極的に提出したい場合には,被害者請求の方法を取る必要があります。
そのため,数値で判断が可能な内容かどうかによって,事前認定と被害者請求を適宜選択することが有力でしょう。

弁護士依頼のメリット

①必要な対応を弁護士に任せることができる

交通事故被害に遭った場合,主に相手保険との間でやり取りが必要になり,その内容は多岐に渡ることが少なくありません。そのため,ただでさえ被害に遭って心身のダメージを抱えている中,相手保険への対応でさらに疲弊させられてしまうということが生じがちです。
この点,弁護士に依頼をすれば,その後の必要な対応を全て弁護士に任せることが可能です。弁護士に適切な対応をしてもらうことで,不要な負担を感じることなく解決を目指せるでしょう。

②後遺障害等級認定に必要なことが分かる

後遺障害等級認定を目指す場合,その等級認定基準を満たしていると判断してもらうことが必要になります。そうすると,あらかじめ等級認定基準を踏まえた上で,基準を満たす内容の資料を提出する形で申請を試みることが不可欠です。
しかしながら,等級認定基準を正確に把握することは,交通事故分野に精通していない限りは容易でありません。

この点,弁護士に依頼することで,等級認定基準を踏まえた申請の準備を弁護士に検討してもらうことが可能になります。そのため,後遺障害等級認定のために必要な対応が分かり,適切な申請ができるようになるでしょう。

③慰謝料などの増額が期待できる

交通事故の場合,弁護士が交渉を行うことで,慰謝料などの増額ができる場合が非常に多く見られます。これは,保険会社が,弁護士の有無で慰謝料などの賠償額を異にする運用をしているためです。
弁護士に依頼することで,慰謝料をはじめとした損害賠償額の増加が期待できるでしょう。また,後遺障害等級が認定された場合,後遺障害に応じた慰謝料なども発生するため,弁護士による増額の余地はさらに大きくなることが見込まれます。

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【後遺障害14級】認定対象となる症状や慰謝料額を一挙解説

交通事故の被害に遭った際,治療が終了してもなお症状が残ってしまう場合には,後遺障害等級認定を受けられる可能性があります。後遺障害等級が認定された場合,受領できる慰謝料額などが大きく変わるため,等級の認定基準を把握することは重要です。

自賠責保険では,1級から14級の後遺障害等級が定められており,それぞれに詳細な認定基準が設けられています。ここでは,後遺障害14級の対象となる症状や認定の基準,認定された場合の慰謝料額などを弁護士が解説します。

後遺障害14級の認定基準

14級の認定基準一覧

1号一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
2号三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
3号一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
4号上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
5号下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
6号一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
7号一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの
8号一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
9号局部に神経症状を残すもの

【1号】「一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの」

具体的には,以下の場合を指します。

1.まぶたを欠損したことで,眼を閉じても眼球の一部(白目)が露出してしまう場合
2.まぶたで眼球全てを覆うことはできるが,まぶたの欠損によってまつげが半分以上無くなって生えてこない場合

【2号】「三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの」

歯牙障害と呼ばれる後遺障害です。歯牙障害は,歯科補綴を加えた歯の数によって等級が認定されます。

「歯科補綴を加えたもの」とは
=現実に喪失又は著しく欠損した歯牙に対する補綴

「著しく欠損した」とは
歯冠部(歯肉より露出している部分)の体積の4分の3以上を欠損したもの

「補綴」とは
歯が喪失したり欠損したりしたところを,クラウン(歯全体を覆う被せ物)や入れ歯などの人工物で補うこと

【留意事項】
①認定対象になる歯の条件
→認定対象となる歯は,永久歯を指します。乳歯や含まれず,いわゆる親知らずも含まれません。ただし,乳歯が欠損したことで永久歯の萌出が見込めない場合は含まれます。

②喪失した歯の数より補綴した義歯の数が多い場合
→喪失した歯牙が大きい場合や歯間が広かった場合など,喪失した歯の数よりも多くの補綴を要した場合,等級の認定は喪失した歯の数によって判断されます。

(例)4本を喪失したが,5本の補綴をした場合,4本の歯科補綴として14級2号を認定する

③ブリッジなどで失った歯以外を切除した場合
→交通事故で失った歯の補綴に際して,ブリッジを設ける目的などで他の歯を切除した場合,歯冠部の4分の3以上切除していれば,歯科補綴を加えた本数に含みます。

(例)交通事故で2本喪失したところ,両側2本の歯にブリッジを施した場合,4本の歯科補綴として14級2号を認定する

【3号】「一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの」

交通事故による聴力の低下のため,1メートル以上離れた距離では小声での話し声を聞き取ることが困難になった状態を指します。
具体的には,検査の結果,1耳の平均純音聴力レベルが40デシベル以上70デシベル未満の状態のことをいいます。

純音聴力レベル」とは
音波の基本的なもの(=純音)に対する聴こえ方の程度。音が聴こえるかどうか

【4号】「上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの」

上肢の露出面とは,肩関節から先(指先まで)を指します。
この範囲に,手のひら大(指を除く)の醜状が残った場合,認定対象になります。

【5号】「下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの」

下肢の露出面とは,股関節から先(足の背部まで)を指します。
この範囲に,手のひら大(指を除く)の醜状が残った場合,認定対象になります。

【6号】「一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの」

具体的には,以下の場合を指します。

1.指の骨の一部を喪失した場合
2.骨折した骨がうまく癒合しなかった場合

1指骨の一部を失っていること(遊離骨片の状態を含む)がX線写真より確認できる必要があります。

【7号】「一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの」

遠位指節間関節は,最も指先に近い関節(いわゆる第一関節)を指します。

(「障害認定必携」より引用)

交通事故により,親指以外の手指を第一関節で曲げたり伸ばしたりできなくなった場合に該当します。

【8号】「一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの」

第三の足指とは中指のことをいいます。そのため,「第三の足指以下」の足指とは,中指,薬指,小指を指します。

また,「足指の用を廃したもの」とは,以下のいずれかの場合を指します。

1.親指の末節骨の長さの1/2以上を失ったもの
2.親指以外の足指について、中節骨又は基節骨で切断したもの
3.親指以外の足指について、遠位指節間関節又は近位指節間関節で離断したもの
4.親指の中足指節間関節又は指節間関節の可動域が1/2以下に制限されるもの
5.親指以外の足指の中足指節間関節又は近位指節間関節の可動域が1/2以下に制限されるもの

上記のうち「1」及び「4」は親指に関する基準であるため,「2」「3」「5」のいずれかに該当する場合,14級8号の認定対象になります。

【9号】「局部に神経症状を残すもの」

局部=体の一部に,神経系統の障害による症状が残ることを指します。
一般に,神経症状が医学的に証明できないものの,医学的に説明できる場合をいうものと理解されています。

症状が医学的に証明できる場合
=画像所見などの他覚的所見によって客観的に認められる場合

症状が医学的に説明できる場合
=他覚的所見はないものの,受傷内容や治療経過を踏まえると症状の存在が医学的に推定できる場合

他覚的所見はないものの,総合的判断によって症状の存在が説明可能と評価される場合,14級9号の認定対象になります。

後遺障害14級の慰謝料

等級ごとの後遺障害慰謝料

後遺障害等級【自賠責基準】【裁判基準】
1級1150万円2800万円
2級998万円2370万円
3級861万円1990万円
4級737万円1670万円
5級618万円1400万円
6級512万円1180万円
7級419万円1000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

後遺障害14級の場合,自賠責保険からは32万円の慰謝料が支払われます。また,裁判基準の慰謝料は110万円となります。

後遺障害14級の逸失利益

後遺障害逸失利益は,以下の計算式で算出されます。

後遺障害逸失利益
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

このうち,労働能力喪失率は等級ごとに設けられており,等級が上位であるほど喪失率も大きくなります。

1級100%
2級100%
3級100%
4級92%
5級79%
6級67%
7級56%
8級45%
9級35%
10級27%
11級20%
12級14%
13級9%
14級5%

後遺障害14級の場合は,労働能力喪失率が5%となります。

計算例
年収500万円,40歳,14級9号認定(むち打ちにて)

計算式
=「基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」

=500万円×0.05×4.5797(5年ライプニッツ※)
1,144,925円

(※)14級9号のむち打ちについては,労働能力喪失期間を5年以内とする運用が広く用いられています。

後遺障害等級の認定を受ける方法

①手続の方法

認定手続は,加害者の自賠責保険会社に所定の書類を提出する方法で行われますが,被害者側と加害者側のどちらが提出するかによって,大きく二通りの手続があります。

1.事前認定
対人賠償保険(被害者の人身損害を賠償する加害者側の保険)が,自賠責保険会社に提出する際の方法です。自社の賠償額を算定するため,事前に後遺障害等級認定を求める手続のため,事前認定と呼ばれます。

2.被害者請求
被害者側が,対人賠償保険を通さずに自ら自賠責保険会社に提出する際の方法です。
被害者が自ら自賠責保険会社への請求を行うため,被害者請求と呼ばれます。

3.両者の違い
両者の主な違いは,以下の通りです。

項目【事前認定】【被害者請求】
提出する人対人賠償保険被害者自身
提出書面必要書類一式必要書類以外も提出可
提出物の収集保険会社が行う被害者自身が行う

②手続の流れ

後遺障害等級認定の基本的な流れは,以下の通りです。

【事前認定の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③後遺障害診断書の提出相手保険に後遺障害診断書を提出します。
④事前認定の実施相手保険による自賠責保険への提出を待ちます。
⑤後遺障害等級の結果通知相手保険に結果の通知があり,相手保険から被害者側に知らされます。


【被害者請求の場合】

①症状固定の判断医師の診断などで症状固定時期に至ったことを確認します。
②後遺障害診断書の作成主治医の先生へ,後遺障害診断書の作成を依頼します。所定の書式があるため,書式を持参の上で医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
③申請書類の準備治療期間中の診断書やレセプト,交通事故証明書などの必要書類を取得し,申請書類に必要事項を記載します。
④被害者請求の実施必要書類を自賠責保険会社に提出し,被害者請求を実施します。
⑤後遺障害等級の結果通知申請者である被害者又は代理人に直接通知されます。

事前認定は,後遺障害診断書を相手保険に提出するのみで足りるため,手続が簡便であるというメリットがあります。一方で,自賠責保険に提出される資料は必要不可欠なもののみであるため,認定に有用な資料を追加で提出したい,という場合には適していません。
一方,被害者請求は,後遺障害診断書以外の提出書面も全て積極的に提出する必要があるため,手続負担が大きくなりやすいところです。しかし,提出できる資料は不可欠なものに限られず,判断に際して考慮してほしい資料や内容を任意に提出できるというメリットがあります。

後遺障害14級の場合,神経症状のうち,主に自覚症状に関する認定が問題となるケースが多く見られます。そして,自覚症状の内容や程度が分かる資料を別途作成・提出するためには,被害者請求の方法を取る必要があります。
そのため,特に自覚症状が重要な問題となるときには,被害者請求の方法を選択することが有力でしょう。

弁護士依頼のメリット

①必要な対応を弁護士に任せることができる

交通事故被害に遭った場合,主に相手保険との間でやり取りが必要になり,その内容は多岐に渡ることが少なくありません。そのため,ただでさえ被害に遭って心身のダメージを抱えている中,相手保険への対応でさらに疲弊させられてしまうということが生じがちです。
この点,弁護士に依頼をすれば,その後の必要な対応を全て弁護士に任せることが可能です。弁護士に適切な対応をしてもらうことで,不要な負担を感じることなく解決を目指せるでしょう。

②後遺障害等級認定に必要なことが分かる

後遺障害等級認定を目指す場合,その等級認定基準を満たしていると判断してもらうことが必要になります。そうすると,あらかじめ等級認定基準を踏まえた上で,基準を満たす内容の資料を提出する形で申請を試みることが不可欠です。
しかしながら,等級認定基準を正確に把握することは,交通事故分野に精通していない限りは容易でありません。

この点,弁護士に依頼することで,等級認定基準を踏まえた申請の準備を弁護士に検討してもらうことが可能になります。そのため,後遺障害等級認定のために必要な対応が分かり,適切な申請ができるようになるでしょう。

③慰謝料などの増額が期待できる

交通事故の場合,弁護士が交渉を行うことで,慰謝料などの増額ができる場合が非常に多く見られます。これは,保険会社が,弁護士の有無で慰謝料などの賠償額を異にする運用をしているためです。
弁護士に依頼することで,慰謝料をはじめとした損害賠償額の増加が期待できるでしょう。また,後遺障害等級が認定された場合,後遺障害に応じた慰謝料なども発生するため,弁護士による増額の余地はさらに大きくなることが見込まれます。

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浮気・不倫の慰謝料を請求するにはどうするのがベストか?慰謝料請求を受けてしまった場合はどうすべきか?請求された慰謝料額を支払わないとマズい?弁護士解説

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浮気・不倫の慰謝料を請求する方法

配偶者による浮気・不倫があった場合,慰謝料を請求する権利が発生します。これは,浮気や不倫が民法上の「不法行為」に該当し,不法行為の被害者は加害者に対して損害賠償請求をする権利を有する,という点に根拠があります。

浮気・不倫がなされた場合,慰謝料を請求する方法は,交渉するか法的手続を取るかの2通りです。
浮気や不倫の慰謝料に限らず,他者に金銭を支払わせる方法は,話し合いを通じて相手の意思に基づいて支払ってもらうか,裁判手続で強制的に回収するかのいずれかとなります。そして,裁判手続としては,調停と訴訟の2つがあります
そのため,細かく区別すると,請求の方法は以下の三通りが存在することになります。

慰謝料の請求方法
1.交渉(相手の意思に基づいて支払ってもらう)
2.調停(裁判手続①)
3.訴訟(裁判手続②)

また,請求方法の検討手順としては,以下の流れが一般的でしょう。

請求方法の検討手順
1.まずは交渉が可能か
2.交渉が困難な場合,調停と訴訟の選択
3.調停と訴訟の選択をする場合の判断要素は,以下のものが代表的

・話し合いを希望する場合は調停,裁判所の判決を希望する場合は訴訟
・できるだけ短期で解決したい場合は調停,長期化を辞さない場合は訴訟
・不成立に終わるリスクを抱えるのが調停,必ず結論が出るのが訴訟

交渉で金銭が回収できれば,法的手続を行う負担が回避できるため,最も有益であることがほとんどです。その手続負担は,相手方にとっても同じく発生するものであるので,相手方も負担を避けたいという意欲が強ければ,交渉で終了することは十分考えられるでしょう。
やむを得ず法的手続が必要である場合には,裁判所を仲介して話し合う「調停」か,裁判所が公権的に判断を下す「裁判」のいずれかを選択することになります。調停と訴訟は,どちらかを優先して選択する関係にはないため,それぞれの利点を踏まえて方法選択することが適切でしょう。

ポイント
慰謝料の請求方法は,交渉・調停・訴訟
交渉で請求できるならば,交渉を選択するのが通常は有益
交渉が不可能な場合は,調停か訴訟のいずれかを選択する

慰謝料を請求できる相手や内容

配偶者による浮気・不倫の場合,慰謝料の請求が可能ですが,その請求相手は,配偶者とその不貞相手の両方になります。配偶者と不貞相手の2名による不貞行為は,2名が一緒に行った不法行為であるため,法律的には「共同不法行為」に該当します。共同不法行為の場合,被害者は,加害者に対してそれぞれ全額の請求を行うことが可能です。
配偶者が浮気・不倫をした場合も,配偶者と不貞相手にそれぞれ全額の慰謝料請求が可能です。なお,一方が全額支払った場合には,もう一方に支払を求める権利がなくなるため,二重取りすることはできません

もっとも,浮気や不倫を原因として離婚に至った場合には,話が変わってきます
不貞行為を行ったことに対する慰謝料と,不貞行為が原因となって離婚に至ったことへの慰謝料は,法律上は別のものとして区別されます。一般的に,不貞行為の慰謝料よりも,離婚にまで至ったことへの慰謝料の方が,被害者の精神的苦痛が重大であり,金額的にも大きくなる傾向にあります。
ここで,被害者としては,不貞行為のせいで離婚した以上,配偶者にも不貞相手にも離婚の慰謝料を請求したいと考えるところですが,実務の運用はそのようになっていません。多くの場合,配偶者には離婚慰謝料を請求できるものの,不貞相手に離婚慰謝料を請求することは難しい場合が多いところです。

最高裁判所の判断によると,不貞相手に離婚の慰謝料を請求できるのは,「当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をする等して当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき特段の事情があるときに限られる」とされています。ただ不貞関係があっただけではなく,積極的に夫婦関係に干渉した場合でなければ,不貞相手に離婚慰謝料を請求するのは難しいと考えられます。

ポイント
慰謝料の請求相手は,配偶者及び不貞相手の両方
両方に対して全額の請求が可能。二重取りは不可
不貞相手には,不貞行為の慰謝料は請求できるが,離婚慰謝料の請求は多くの場合困難

慰謝料の請求金額

慰謝料の金額は,交渉であれば当事者間の合意によって決まりますが,目安として採用されやすい金額水準は,概ね以下の通りです。

慰謝料金額の目安
不貞行為の慰謝料:50~150万円ほど
離婚の慰謝料:100~300万円ほど

不貞行為のみを対象とする場合よりも,離婚まで含む場合の方が慰謝料額は大きくなる傾向にあります。これは,不貞行為に対する精神的苦痛のみを金銭換算するか,不貞行為に加えて離婚に至ったことの精神的苦痛も加えて金銭換算するか,という違いによるものです。

また,金額を変動させる要素としては,以下のようなものが挙げられます。

1.不貞行為の期間
長期間にわたる不貞行為の場合、慰謝料が増加する傾向にあります。

2.不貞行為の回数
複数回にわたる不貞行為が確認されている場合、慰謝料が増加します。

3.不貞行為以外の婚姻関係破綻事由の有無
不貞行為のみが婚姻関係を破綻させた事情である場合,慰謝料は増額傾向にあります。

4.婚姻期間
長年にわたる婚姻関係が破綻した場合、慰謝料が増加する傾向にあります。

5.子どもの有無
子どもがいる場合、家庭全体に与える影響が大きいため、慰謝料が増加する場合があります。

慰謝料請求から受領までの流れ

浮気・不倫に対する慰謝料を請求する場合の基本的な流れは,以下の通りです。

1.証拠の収集
→まずは不貞行為の証拠を収集することが重要です。請求の根拠がなければ,慰謝料請求は困難であることが多く見られます。

証拠の例
写真やビデオ 配偶者と不貞相手が一緒にいるところを撮影した写真やビデオ
メールやメッセージ 不貞行為を示すメールやSNSのメッセージ
領収書やカードの明細 ホテルの領収書やクレジットカードの明細など
目撃者 不貞行為を目撃した第三者の供述

2.請求内容の準備
→収集した証拠によって請求が可能か確認の上,具体的な請求内容を検討します。多くの場合,確認できた不貞行為の内容や請求する慰謝料の金額を書面化し,請求書の形を設けることが有力です。

3.請求
請求書を配偶者及び不貞相手に送付し,請求の意思を相手に伝えます。この場合,郵送であれば「内容証明郵便」の利用が有力です。内容証明郵便は,送付した内容と日付を郵便局が証明してくれる送付方法で,後から送付したかどうかが争いになることを防ぐことが可能になります。

4.交渉
→相手に支払の意思があるか,支払う場合にはいくらをどのような方法で支払うか,といった点を交渉するのが通常です。

5.調停又は訴訟
→交渉では合意に至らない場合,調停又は訴訟といった法的手続を利用します。

慰謝料請求を受けた場合の対処

慰謝料を請求する人がいるということは,逆に請求される人もいるということになります。そこで,配偶者又は不貞相手の配偶者を名乗る人物から,不貞行為や離婚の慰謝料を請求された場合の対処もあわせて問題になります。

基本的には,以下のようなステップでの検討が有力でしょう。

①請求内容の確認

どのような内容について,どのような理由で,いくらの請求をしてきているか,という点を確認することが先決です。

請求金額
→具体的な金額が明示されているか。
請求理由
→不貞行為の具体的な内容や時期が記載されているか。
証拠の有無
→請求側がどのような証拠を提示しているか。

②証拠の確認

請求されている内容に心当たりがあるか,請求内容に証拠があるのか,という点を検討します。示されやすい証拠としては,メールやSNSなどのメッセージ,写真や映像,不貞行為時の領収証やカード明細などが挙げられます。

③交渉の検討

相手の請求内容や根拠が妥当であるかどうかを前提に,交渉方法や内容を検討します。
基本的には,心当たりのある内容であれば,金額面や条件面の交渉に努め,心当たりがなければ請求に応じた支払いを拒むことが適切でしょう。

④弁護士への依頼の検討

特に不貞行為に心当たりがあり,金額や条件についてできるだけの相談を希望したい場合は,交渉を弁護士に依頼することが有力です。このような場合には,自分で希望条件を申し出たり,交渉をしたりすることが非常に難しく,かといって交渉を怠ればより不利益な結果に至りやすいため,弁護士への依頼を積極的に検討することをお勧めします。

一方,心当たりがない場合には,請求に対して拒否回答をするのが通常であるため,それほどの心理的負担はないことが多いと思われます。もっとも,拒否の意思が確かであることを示すため,より適切な方法で拒否の意思を表明するために,弁護士を通じて弁護士名義で拒否することも有力でしょう。

弁護士から請求された慰謝料を支払う必要はあるか

弁護士が慰謝料請求を行う場合,内容証明郵便を利用の上,一定期間内に請求金額を弁護士の銀行口座へ入金するよう依頼するのが通常です。そのため,弁護士による請求書面は,制限期間内に多額の金銭を支払うよう強く求める内容となることが多く見られます。

このような書面を目の当たりにすると,書面を受領した段階で請求された金額の慰謝料を支払う義務があるようにも思えますが,そうではありません。弁護士から内容証明郵便で慰謝料を請求されたとしても,その請求に応じた支払の義務が発生しているわけではありません
そもそも,内容証明郵便はただの郵便なので,その実質は弁護士からのお手紙というのみです。形式の厳格なお手紙でしかなく,そのお手紙によって支払義務が発生することはあり得ません。
弁護士から内容証明郵便での請求が届いた場合には,まず落ち着いてその内容の確認に努めるようにしましょう。

なお,内容証明郵便を送って慰謝料請求する場合,それは後の訴訟提起を想定したものであることは少なくありません。内容証明郵便を送っても応じてこなければ,訴訟で金銭を請求するつもりである,ということです。
そのため,お手紙に過ぎないからといって内容を確認しないまま放置をすることはお勧めしません。迅速に対応して訴訟を避ける方が適切な内容であれば,速やかに対応の検討をするべきであることは間違いありません。

ポイント
弁護士からの内容証明郵便は,実質はただのお手紙
弁護士からの請求によって支払義務が発生することはない
もっとも,内容を確認の上で迅速に対応すべき場合はある

慰謝料を支払えば問題は解決するか

慰謝料を請求された当事者としては,慰謝料を支払うことで早く問題を解決させたい,と考えることが多いと思われます。もっとも,慰謝料を支払うことで直ちに問題が解決するとは限りません。解決方法を誤れば,慰謝料を支払ったにもかかわらず問題が解決しないままになってしまっていることがあり得ます。

具体的には,慰謝料を支払えば今後は何の請求もしないという合意を取り付けることが極めて重要になります。法的には「清算」などと言います。
法律関係が清算できていなければ,慰謝料を支払ってもそれが支払うべき全額であるかどうかも定かでなく,後から追加で支払を求める余地が残ってしまいます。これでは,慰謝料を支払った意味はあまりないでしょう。

請求に応じて慰謝料を支払う場合は,慰謝料の支払によって当事者間の法律関係が清算できることを十分に確認する必要があります。清算が合意できた場合には,その内容を必ず書面化することで,後から紛争が蒸し返されることを防ぎましょう。

ポイント
慰謝料を支払う場合は,支払によって法律関係が清算できることを確認する

離婚・男女問題に強い弁護士をお探しの方へ

浮気・不倫の慰謝料問題は、法的には金銭の問題ですが、その中身は当事者間の思いが詰まった非常に深いものであることがほとんどです。
そのため、双方の事情を丁寧にくみ取り、適切な解決方法を見つけられるかどうかが、円滑な解決にとって重要となりますが、これは慰謝料問題に長けた弁護士が間に入って検討するのが適切です。

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,離婚・男女問題に精通した弁護士が迅速対応し,円滑な解決を実現するお力添えが可能です。是非お気軽にご相談ください。

特設サイト:藤垣法律事務所

後遺障害慰謝料の計算方法|算出基準や弁護士依頼のメリットまで解説

後遺障害慰謝料は、交通事故で後遺症が残った精神的苦痛に対する賠償金です。

金額は、後遺障害等級ごとに定められた基準に基づいて計算され、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つの算出方法によって大きく変わります。

あらかじめ計算方法を理解しておくことで、不当に低い金額での示談を避け、正当な賠償を受けやすくなるでしょう。

そこで本記事では、後遺障害慰謝料の計算方法や算出基準、弁護士依頼のメリットなどを詳しく解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

後遺障害慰謝料の計算方法

後遺障害慰謝料は,後遺障害等級ごとにその金額が定められています。
後遺障害慰謝料の計算基準には,大きく分けて自賠責基準と裁判基準があり,自賠責基準よりも裁判基準の方が高い金額が定められています。等級ごとの具体的な金額は以下の通りです。

後遺障害等級【自賠責基準】【裁判基準】
1級1150万円2800万円
2級998万円2370万円
3級861万円1990万円
4級737万円1670万円
5級618万円1400万円
6級512万円1180万円
7級419万円1000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

後遺障害慰謝料の算出基準

後遺障害慰謝料は基準によって金額が大きく変わります。主な算出基準は、以下の通りです。

  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 弁護士基準(裁判所基準)

詳しく解説します。

自賠責基準

自賠責基準は、自動車損害賠償保障法に基づく公的な最低補償ラインで、後遺障害等級ごとに定められた定額表を用いて算定されます。

被害者がまず受けられる金額としての役割があり、迅速な支払いや最低限の補償を目的とするため、他の基準に比べて最も低く抑えられることが普通です。

また、認定や請求には所定の手続きや書類(後遺障害診断書や画像等の提出)が必要で、等級認定が得られなければ支給されない点にも注意が必要です。

任意保険基準

任意保険基準は各保険会社が内部で定める基準で、自賠責基準より高い水準を想定するものの、弁護士基準には及ばないことが多いです。

示談交渉の段階では保険会社側がこの基準を基に提示額を決めるため、被害者が専門家を介さず交渉すると任意保険基準での妥結に留まるケースが多く見られます。

また、各社の社内運用や担当者の裁量によって算定額が変わるため、具体的な金額は一律ではありません。

弁護士基準(裁判所基準)

弁護士基準は、裁判例や損害賠償算定の実務基準に基づき算出される水準で、三つの基準の中で最も高額になることが一般的です。

実際の裁判で認められた判例や、弁護士が交渉で用いる判例表を参考に等級や症状の程度を詳細に評価し、被害者の実損や精神的苦痛を広く反映させます。

結果として、弁護士に依頼して弁護士基準で交渉することが、金額面で有利になるケースが多いです。

後遺障害等級の認定を得るためのポイント

後遺障害等級の認定は慰謝料額を左右する重要な要素です。後遺障害等級の認定を得るためには、主に以下4つのことが必要です。

  • 後遺症の症状を客観的に記録・保存する
  • 適切な医師に診断書を作成してもらう
  • 画像検査や検査結果などの医学的証拠を揃える
  • 後遺症が自賠責の等級基準に当てはまる

詳しく解説します。

後遺症の症状を客観的に記録・保存する

後遺症の主張を裏付けるためには、症状の発生時刻や頻度、日常生活での具体的な制限などを継続的に記録することが重要です。

診察時には症状の詳細を口頭だけで済ませず、メモやスマホ動画、写真、痛みの程度を示すスケール(VASなど)を用いて客観的に残すと説得力が増します。

さらに、通院履歴や処方履歴、リハビリの記録など医療機関の記録と照合できる形で保存しておくと、自賠責や審査機関への提出書類としても有効です。

適切な医師に診断書を作成してもらう

後遺障害認定に用いる診断書は形式や記載内容が認定結果に直結するため、後遺障害の実態を正確に把握している専門医に作成してもらうことが望ましいです。

可能であれば事故直後から同じ医師に継続して診てもらい、症状の推移や治療結果を一貫して記載してもらうと診断書の信頼性が高まります。

また、診断書には主観的訴えだけでなく具体的な所見、検査数値、日常生活の制限などを詳細に記載してもらうよう依頼することが重要です。

画像検査や検査結果などの医学的証拠を揃える​​

MRI、CT、X線、神経伝導検査、筋電図、血液検査など、症状に応じた客観的検査を適宜実施し、その結果を保存しておくことが後遺障害認定の要です。

特に器質的変化が認められる場合は画像所見が強い証拠となり、神経・筋の障害では機能検査の数値が評価に直結します。

検査は事故前後の比較や専門医による報告書があるとより有利で、検査結果の報告書や画像データそのものを提出できるようにしておきましょう。

後遺症が自賠責の等級基準に当てはまる

自賠責による等級認定は具体的な基準表(症状の種類と程度)に照らして判断されるため、自分の後遺症がどの等級に該当しうるかをあらかじめ把握しておくことが重要です。

単に「痛みが残った」だけでは等級に該当しないことがあり、機能障害や可動域制限、感覚障害の程度を客観的に示すデータが必要です。

等級表の要件に合わせて診断書や検査結果を整えることで、認定可能性を高められます。

後遺障害の損害について弁護士に依頼すべき場合

後遺障害等級が認定された場合には,そうでない場合に比べて損害額が大きく増加するため,基本的に弁護士への相談が適切でしょう。中でも,特に弁護士委任が有力になりやすい場合としては,以下のようなケースが挙げられます。

①後遺障害等級がより上位の場合

後遺障害等級が上位であるほど,その損害額も大きくなります。損害額の大きさは,弁護士に依頼した場合の増額幅の大きさに直結するため,後遺障害等級が上位であるほど弁護士への依頼が有力になりやすいでしょう。

②過失がない又は小さい場合

過失がないか,あったとしても10%程度など小さい場合には,弁護士への依頼によって増額した分が過失相殺によって差し引かれないため,弁護士依頼の利益が大きくなりやすいところです。そのため,過失が小さければ小さいほど弁護士への依頼が有力になるでしょう。

③弁護士費用特約が利用できる場合

弁護士費用特約が利用できれば,弁護士への依頼に必要な費用の負担が大きく軽減されます。法律事務所によっては弁護士費用の負担がゼロになることも珍しくないため,そのような弁護士への依頼ができれば,費用倒れのリスクなく弁護士に依頼ができるでしょう。

交通事故の後遺障害に強い弁護士をお探しの方へ

後遺障害の損害は,金額が非常に大きくなりやすいため,適切な対応ができた場合とできなかった場合の金額面への影響もまた大きくなる傾向にあります。
加えて,他の損害項目にはない独自の争点もあり,解決を図るためには後遺障害に強い弁護士へのご相談をお勧めします。

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,1000件を超える数々の交通事故解決に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内いたします。
ご相談やお困りごとのある方は,お気軽にお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

交通事故の慰謝料とは?具体的な計算方法は?弁護士はなぜ増額させられる?弁護士に慰謝料交渉を依頼すべき場合も解説

●交通事故の慰謝料とは何のお金か?

●交通事故の慰謝料にはどんなものがあるか?

●慰謝料の相場を知りたい

●慰謝料の計算方法を知りたい

●弁護士に依頼すると慰謝料が増額するのはなぜか?

●交通事故の慰謝料交渉は弁護士に依頼すべきか?

というお悩みはありませんか?

このページでは,交通事故の慰謝料に関してお困りの方に向けて,交通事故の慰謝料相場や計算方法弁護士に依頼すべきかどうかなどを解説します。

慰謝料とは

慰謝料は,精神的苦痛を金銭換算したものを言います。慰謝料自体は,交通事故に限ったものではなく,加害者が被害者に精神的苦痛を与えた出来事の全てに発生し得るものです。例えば,離婚の際に発生する慰謝料は,離婚の原因を作った人が配偶者に与えた精神的苦痛を金銭換算したもの,ということができます。
交通事故の場合は,事故による受傷の苦痛,入通院の負担を強いられる苦痛などが,慰謝料の対象となるところです。

交通事故における慰謝料は,精神的苦痛を金銭換算する方法として客観的な基準を設けています。具体的には,①入通院期間や実通院日数②後遺障害等級に応じた計算となります。

ポイント
慰謝料=精神的苦痛に対する賠償

交通事故における慰謝料の種類

交通事故における慰謝料には,以下の2種類があります。

①傷害慰謝料(入通院慰謝料)
交通事故によって受傷したことや入通院を強いられたことへの精神的苦痛を金銭換算したものを,「傷害慰謝料(又は入通院慰謝料)」といいます。
傷害慰謝料は,入通院を要した期間や実通院日数を基準に計算します。入院や通院の期間が長いほど,慰謝料額は大きくなりますが,実通院日数があまりに少ない場合には,それを踏まえて慰謝料額を小さくすることがあります。

②後遺障害慰謝料
交通事故の受傷について治療を尽くしたものの,将来に渡って後遺障害が残存してしまった場合,その精神的苦痛を金銭換算したものが「後遺障害慰謝料」です。
後遺障害慰謝料は,1級から14級までの後遺障害等級を基準に計算します。同じ等級の中でも,腕,足,頭など,複数の部位に関する複数の後遺障害が定められていますが,等級が同じであればその内容が異なっていても後遺障害慰謝料は同額です。

慰謝料の計算方法

①計算方法の種類

慰謝料の計算方法には,「自賠責基準」「任意保険基準」「裁判基準」の3通りがあります。これらの基本的な違いは,以下の通りです。

自賠責基準自賠責保険から支払われる慰謝料額を定める基準
任意保険基準任意保険会社内部における慰謝料の計算基準
裁判基準裁判所が慰謝料額を計算するときの基準

一般的には,自賠責基準が最も小さく,裁判基準が最も大きい傾向にあります。
もっとも,自賠責保険は被害者の過失が7割未満であれば金額に反映させないというルールがあるため,過失の程度によっては自賠責基準が他の基準より金額が大きくなる場合もあり得ます。

ポイント
交通事故の慰謝料は傷害慰謝料と後遺障害慰謝料の2種類
慰謝料の計算方法は自賠責基準・任意保険基準・裁判基準の3種類

②傷害慰謝料

自賠責基準の計算方法

①対象日数「総治療期間」と「実通院日数×2」のいずれか小さい日数
②日額1日4,300円
③計算方法①対象日数×②日額=自賠責基準の金額

(例1)
総治療期間(通院期間)120日 実通院日数30日の場合

①対象日数:「総治療期間」120日>「実通院日数×2」60日のため小さい方の60日
②日額:1日4,300円
③計算方法:60×4,300=258,000円

(例2)
総治療期間(通院期間)60日 実通院日数40日の場合

①対象日数:「総治療期間」60日<「実通院日数×2」80日のため小さい方の60日
②日額:1日4,300円
③計算方法:60×4,300=258,000円

(例3)
総治療期間180日 実通院日数100日の場合


①対象日数:「総治療期間」180日>「実通院日数×2」100日のため小さい方の180日
②日額:1日4,300円
③計算方法:180×4,300=774,000円

もっとも,現実に自賠責保険からこの金額が支払われるかどうかはケースによります。それは,自賠責保険には上限額があるためです。

自賠責保険金は,治療費や通院交通費など,傷害部分の合計金額に120万円の上限があります。単純計算で120万円を超える場合,120万円までしか支払われないことになります。
実通院日数が100日というケースだと,治療費や交通費の合計額が42万6000円を超えることも決して少なくはないため,上限の120万円を超過する可能性があります。仮に慰謝料以外の合計が50万円発生していれば,慰謝料は最大でも70万円の支払になります。

上記はあくまで単純計算の結果であり,実際に支払われる金額は他の損害額によるということに注意しましょう。

任意保険基準の計算方法

任意保険基準は,入通院期間を基準に,保険会社の内部で採用されている計算方法を用いて計算されます。
任意保険基準の代表的な金額は,以下の通りです。なお,1月=30日とみなして計算します。

任意保険基準の慰謝料(一例)

(例1)
総治療期間120日 実通院日数30日の場合

通院期間120日=4月のため,478,000円

(例2)
総治療期間60日 実通院日数40日の場合

通院期間60日=2月のため,252,000円

ただし,自賠責基準258,000円がこれより大きいため,自賠責保険から満額の慰謝料が支払われる限り,実際の支払額は258,000円となります

(例3)
総治療期間180日 実通院日数100日の場合


通院期間180日=6月のため,642,000円

自賠責保険金が642,000円を上回る場合,実際の支払額は自賠責保険金額となります。慰謝料以外の金額の合計が(120万円-642,000円=)558,000円より小さい場合,自賠責慰謝料が642,000円より大きくなるため,実際の支払額は自賠責保険金額となります。

裁判基準の計算方法

裁判基準では,任意保険基準と同様,入通院期間を基準に計算しますが,その金額は任意保険基準より大きくなるのが通常です。
また,裁判基準の場合,他覚症状のないむち打ち(=軽傷)の場合(別表Ⅱ)とそうでない(=重傷)場合(別表Ⅰ)の二種類があり,重傷に用いられる別表Ⅰの方が金額が大きく定められています。

具体的な金額は以下の通りです。なお,1月=30日とみなして計算します。

裁判基準の慰謝料 別表Ⅰ(重傷)

裁判基準の慰謝料 別表Ⅱ(軽傷)

(例1)
総治療期間120日 実通院日数30日の場合

通院期間120日=4月のため,以下の通り
裁判基準(別表Ⅰ)90万円
裁判基準(別表Ⅱ)67万円

(例2)
総治療期間60日 実通院日数40日の場合

通院期間60日=2月のため,以下の通り
裁判基準(別表Ⅰ)52万円
裁判基準(別表Ⅱ)36万円

(例3)
総治療期間180日 実通院日数100日の場合


通院期間180日=6月のため,以下の通り
裁判基準(別表Ⅰ)116万円
裁判基準(別表Ⅱ)89万円

(注)
1月に満たない期間がある場合,30日=1月を前提に日割り計算をします。
例えば,むち打ちで通院期間36日である場合,1月+(1月と2月の間が)6日となり,慰謝料金額は以下の通り計算できます。
19万円+(36万円-19万円)÷30×6=224,000円

まとめ

(例1)
総治療期間120日 実通院日数30日の場合
自賠責基準    258,000円
任意保険基準   478,000円
裁判基準(別表Ⅰ)90万円
裁判基準(別表Ⅱ)67万円

(例2)
総治療期間60日 実通院日数40日の場合
自賠責基準    258,000円
任意保険基準   252,000円(実際の支払額は258,000円)
裁判基準(別表Ⅰ)52万円
裁判基準(別表Ⅱ)36万円

(例3)
総治療期間180日 実通院日数100日の場合
自賠責基準    774,000円※
任意保険基準   642,000円
裁判基準(別表Ⅰ)116万円
裁判基準(別表Ⅱ)89万円

※総額が上限である120万円を超える場合,実際の支払額はより小さくなる

ポイント
・自賠責は「総治療期間」又は「実通院日数×2」×4,300円
・自賠責保険の上限額120万円に注意
・任意保険基準は,入通院期間を基準に保険会社内部の計算方法にて計算する。自賠責保険金額を下回る場合は自賠責保険金額を採用する。
・裁判基準は,同じく入通院期間を基準に計算するが,最も金額の大きな計算方法であるのが通常。

③後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は,後遺障害等級によって決まります。

後遺障害等級は,自賠責保険の手続によって認定されますが,ある等級が認定された場合,まず自賠責保険から自動的に定額の慰謝料が支払われます。自賠責保険の金額では足りない部分がある場合,差額は加害者(又は保険会社)からの支払いとなります。

後遺障害慰謝料の金額も,裁判基準が最も大きいのが通常です。等級ごとの比較は以下の通りです。

後遺障害等級【自賠責基準】【裁判基準】
1級1150万円2800万円
2級998万円2370万円
3級861万円1990万円
4級737万円1670万円
5級618万円1400万円
6級512万円1180万円
7級419万円1000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

弁護士依頼で慰謝料が増額する理由

保険会社は,弁護士がいない場合,被害者の方には自賠責基準を念頭に置いた賠償額の提示を行うのが一般的です。自賠責基準の金額は自賠責保険から支払われるため,その金額のみで解決できれば自社の負担がなくなるからです。被害者の方が自賠責基準で合意してくれることに期待して,低い水準の提示を行っているというわけですね。

しかし,弁護士が入ると保険会社の対応は大きく変化します。弁護士が入った段階で自賠責基準での解決は困難であることが明らかになるため,保険会社は裁判基準を念頭においた金額計算に方針を変更するのです。保険会社が弁護士の有無で慰謝料の計算基準を変える運用をしていることから,弁護士が入って慰謝料を請求すると増額する,という寸法です。

一般的に,弁護士が保険会社と交渉を行う場合に目標とする慰謝料の水準は,裁判で認められ得る最大額(=裁判基準)の80~90%ほどとされることが多く見られます。裁判基準満額の金額は,あくまで裁判により裁判所が認めることのできる最大額であるため,裁判での立証を経ない交渉段階では満額で解決する可能性は低いところです。

ポイント 保険会社の対応
弁護士依頼前:自賠責基準を念頭に計算
弁護士依頼後;裁判基準を念頭に計算

自賠責基準と裁判基準の差額が,弁護士依頼により慰謝料が増額する理由

慰謝料交渉を弁護士に依頼すべき場合

慰謝料の交渉を弁護士に依頼すべきであるのは,弁護士への依頼によって最終的な獲得金額が大きくなる場合です。

弁護士に依頼すると,以下のようなプラスとマイナスがあります。

【プラス】
弁護士が交渉をしたことによる慰謝料の増額分

【マイナス】
弁護士に支払う費用(いわゆる弁護士費用)

そのため,プラスの方がマイナスより大きければ,弁護士に依頼すべき場合と言えるでしょう。

具体的には以下のようなケースが挙げられます。

①長期の治療を要した場合

裁判基準の慰謝料は,治療期間が長いほど大きな金額になります。そして,自賠責基準と裁判基準の差額も大きくなりやすい傾向にあります。
そのため,長期の治療を要した場合は,弁護士依頼によるプラスの部分が大きくなり,弁護士に依頼すべき場合に当たりやすいと言えるでしょう。

②受傷の程度が大きい場合

裁判基準の慰謝料には,骨折など他覚所見がある場合と,むち打ちなど他覚所見のない(=自覚症状のみである)場合の二種類があります。そして,他覚所見がある場合の方が,重傷と理解されるため,慰謝料も大きい金額になります。
そのため,他覚所見のあるような受傷の大きい事故である場合,弁護士依頼によるプラスの部分が大きくなり,弁護士に依頼すべき場合に当たりやすいでしょう。

③過失がない場合

自賠責基準の慰謝料は,7割以上の過失がない限り減額されない運用となっています。一方,裁判基準の慰謝料は1割の過失でも過失相殺を行う運用です。そのため,過失があるケースだと,過失分の減少がない自賠責基準と過失で減少がある裁判基準の差額は小さくなります。
逆に,過失がない事故の場合,自賠責基準と裁判基準の差額が小さくなる要因がないため,弁護士依頼によるプラスの部分が大きくなり,弁護士に依頼すべき場合に当たりやすいと言えるでしょう。

④弁護士費用特約が利用可能である場合

弁護士費用特約は,交通事故被害者が加害者への損害賠償を請求する際,弁護士委任に必要な弁護士費用を賄ってくれる保険のサービスです。弁護士費用特約が利用できる場合,弁護士費用の負担によるマイナスが小さくなるため,弁護士に依頼すべき場合に当たりやすいでしょう。

交通事故の慰謝料に強い弁護士をお探しの方へ

交通事故の慰謝料は,弁護士への依頼で最も大きく変わりやすいものと言えます。
逆に,弁護士に交渉を依頼しなかった場合,本来受領できるはずの慰謝料が受け取れず,一度合意してしまえば適正な慰謝料を受け取る機会を失ってしまいます。
交通事故の慰謝料については,金額の妥当性を弁護士にご相談されることをお勧めします。

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