大麻で懲役になる?刑罰と実刑の分かれ目・減刑のポイント

大麻は所持や使用などの行為によって懲役刑の対象となる可能性があります。(なお、拘禁刑が導入され懲役刑は廃止されていますが、本記事で扱う処分の見通しに大きく影響するものではありません。)

処分を左右する事情は一律ではありません。同じ大麻事件でも、単純所持と営利目的の事案では重さが異なり、執行猶予が付く可能性があるかどうかも個別事情によって左右されます。

「何年くらいの懲役になるのか」「刑務所に入るのか」と不安を感じても、懲役の可能性だけで判断すると、実際の見通しを誤ることがあります。法改正による変更点も含め、前提を整理して理解することが重要です。

実刑と執行猶予の分かれ目を知ることが重要です。本記事では、大麻で問題となる刑罰や実刑となりやすいケース、処分が軽くなる可能性まで、ケース別にわかりやすく解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

大麻で懲役になる行為とは|所持・使用・譲渡など該当ケースを整理

処罰対象となる行為の範囲は所持だけではありません。大麻事件では、何が問題となっているかによって適用され得る犯罪類型や処分の見通しも変わるため、まず行為ごとの違いを整理しておくことが重要です。

所持

大麻の所持は代表的に問題となる類型です。自己使用目的で持っていた場合でも処罰対象となり得て、少量だから直ちに問題が軽くなるとは限りません。所持量、保管状況、反復性の有無などは、その後の処分判断に影響することがあります。

使用

大麻の使用も処罰対象となり得ます。使用だけの問題と思っていても、所持とあわせて問題になる場合もあり、どのような事実関係で把握されるかによって評価が変わることがあります。

譲渡・譲受

他人への受け渡しは所持より重く評価されることがあります。友人間でのやり取りでも問題になる可能性があり、無償であっても軽視できません。単なる所持より重い事案として見られることもあります。

栽培

大麻の栽培は重く扱われやすい行為です。少数であっても栽培として評価されれば、単純所持とは異なる見られ方をする可能性があります。規模や目的によって処分判断に差が生じることもあります。

輸出入・営利目的の関与

営利目的や流通への関与は実刑リスクが高まりやすい類型です。利益目的や継続的関与が疑われる事案では、単純所持より重い処分が問題になりやすくなります。特に営利性は量刑判断でも重く見られやすい要素です。行為ごとの法的評価の違いを理解することが重要です。どの行為が問題になっているかによって処分の見通しは変わり得るため、「大麻で懲役になるのか」を考える際は、まず行為類型を整理して把握することが出発点になります。

大麻の懲役は何年?刑罰一覧をわかりやすく解説

行為によって法定刑の重さは異なります。「大麻で懲役になると何年なのか」という疑問に対しては一律に答えられるものではなく、どの行為が問題になっているかで見通しは変わります。まず、主な法定刑を整理すると以下のとおりです。

行為類型法定刑
使用7年以下の拘禁刑
所持・譲渡・譲受7年以下の拘禁刑
営利目的の所持・譲渡等10年以下の拘禁刑および300万円以下の罰金
栽培・輸出入1年以上10年以下の拘禁刑
営利目的の栽培・輸出入1年以上の有期拘禁刑および500万円以下の罰金

※具体的な適用関係は個別事案により異なり得ます。

使用や所持でも重い刑罰が予定されている

使用や所持にも重い法定刑が設けられています。自己使用目的だから直ちに軽いと決まるわけではなく、法定刑だけを見ると相応に重い枠組みが置かれています。

もっとも、法定刑は上限を含む枠組みであり、実際の処分がそのままこの水準になることを意味するわけではありません。

営利目的があると重くなりやすい

営利目的の有無は重要な分かれ目です。単純所持などと比べて法定刑が重く、罰金が併科される類型もあるため、処分の重さを考えるうえで区別して見る必要があります。

特に利益目的や流通への関与がある事案では、実刑リスクにも影響しやすくなります。

法定刑と実際の量刑は別に考える必要がある

法定刑と量刑は同じではありません。法律上重い刑が定められていても、初犯か再犯か、量や態様などによって実際の処分は変わり得ます。

「何年の懲役か」という数字だけで結論は決まらず、実刑になる可能性や執行猶予の余地は別途検討が必要です。

刑罰の年数だけで処分は決まりません。法定刑を把握したうえで、実際にどのような場合に実刑が問題になるのかもあわせて理解することが重要です。

【結論】大麻で懲役(実刑)になるのはどんな場合か

初犯の単純所持で直ちに実刑になるとは限りません。「大麻で懲役」と聞くと、逮捕されればすぐ刑務所に入るように感じるかもしれませんが、実際にはそう単純ではありません。事件の内容や本人の事情によって、処分の見通しは変わり得ます。

初犯で自己使用目的の単純所持などでは、直ちに実刑だけが問題になるわけではないケースもあります。他方で、再犯である場合や悪質性が強いと評価されやすい場合には、見通しは異なり得ます。

実刑リスクが高まりやすい事情として、営利目的が疑われる場合、大量所持、反復継続性が認められる場合などは重く見られやすい傾向があります。単純所持と比べて悪質性が高いと評価されやすい事情があると、実刑リスクも高まりやすくなります。

また、前科前歴の有無は量刑判断で見られやすい事情の一つです。初犯か再犯かは、処分の見通しを考えるうえで無視できない要素といえます。実刑になるかは個別事情で決まります。「大麻事件なら実刑」と単純に決まるものではなく、量、態様、営利性、再犯性などが総合的に見られることになります。実刑リスクが高まりやすい事情がある一方、どのような場合に執行猶予が見込まれ得るかもあわせて見ることが重要です。

組織的・営利目的の事件を除き、初犯で実刑になることはあまり多くないでしょう。ただし、同種前科があると実刑リスクが跳ね上がることに注意が必要です。

【ケース別】使用だけ・少量所持でも懲役になる?具体的に解説

使用だけ・少量所持という事情だけで、直ちに結論が決まるわけではありません。量が少ないことや初犯であることは判断材料になり得ますが、それのみで「懲役にならない」と言い切れるわけではありません。所持の態様、反復性、入手経緯なども含めて見られる可能性があります。

「軽いケースだから重い処分にはならない」と考えたくなるかもしれませんが、少量という事情だけで見通しが決まるわけではなく、事案全体で評価されることがあります。たとえば所持量だけでなく、どのような経緯で所持に至ったのか、継続的な使用が疑われる事情があるのかなども見られ得ます。少量所持という言葉だけで安心してしまうと、見通しを誤るおそれがあります。

単純所持と重く見られやすいケースの違いは押さえておく必要があります。友人間の受け渡しであっても譲渡として問題になる可能性があり、営利目的が疑われる事案では、単純所持とは異なる評価を受けやすくなります。量が少なくても、営利性が疑われる事情があれば見通しは変わり得ます。

ここで重要なのは、「少量かどうか」と「どの類型の事案か」は別問題だという点です。少量でも単純所持ではなく重く見られやすい類型として評価されるなら、見通しは異なり得ます。量だけでなく、事件の性質を見る必要があります。

また、栽培が問題となる場合も、単純所持と同じ発想では整理しにくいことがあります。規模や目的によって評価は変わりますが、一般により重く見られやすい類型です。何の類型に当たる事案なのかは、見通しを考えるうえで重要です。

初犯か再犯かを含む個別事情も見通しに影響し得ます。初犯だから直ちに問題が小さいとは限らず、再犯であれば厳しく見られやすくなる場合もあります。量や態様だけでなく、前科前歴なども含めて見られる可能性があります。

処分は一つの事情だけで決まるものではなく、複数の事情が重なって判断されるのが通常です。「使用だけ」「少量所持」といったラベルだけで、自分のケースを評価しないことが重要です。不安がある場合も、逆に軽く見てしまう場合も、どちらも一般論だけで判断しない視点が重要になります。自分のケースの位置づけの整理が重要です。使用、少量所持、譲渡、営利目的の関与では問題になるポイントが違います。一般論だけで判断せず、自分のケースで何が問題になり得るのかを整理して考えることで、処分の見通しも考えやすくなります。

あまりに少量の場合、そもそも所持と言えるかどうか(=犯罪に該当するか)が問題になりやすいです。

2024年改正で大麻の処罰はどう変わった?使用罪の新設に注意

2024年改正では、使用の処罰化と処罰体系の見直しという重要な変更があります。「使用罪ができた」だけでは改正の全体像は説明できません。

大麻が麻薬として位置づけられた

まず、改正後は条文上、大麻は麻薬として整理されています。

麻薬及び向精神薬取締法第2条第1項第1号
「麻薬 別表第一に掲げる物及び大麻をいう。」

大麻が麻薬に位置づけられたことにより、大麻関連行為は麻薬規制の枠組みで理解することになります。これは名称変更ではなく、処罰を理解する前提の変更でもあります。

麻薬は施用(使用)が禁止されている

その上で、麻薬については施用禁止規定があります。

麻薬及び向精神薬取締法第27条第1項
「何人も麻薬を施用してはならない。」
(法令上認められた場合を除く趣旨)

大麻が麻薬に位置づけられた結果、この施用禁止が大麻にも及ぶことになります。ここが「大麻使用が処罰対象になった」法的な仕組みです。

従来は、使用より所持が中心に語られることもありましたが、改正後は使用そのものが独立して問題となり得る前提に変わっています。この点は理解しておく必要があります。

使用には罰則がある

そして、その違反には罰則があります。

麻薬及び向精神薬取締法第66条の2第1項
「第二十七条第一項…に違反した者は、七年以下の拘禁刑に処する。」

禁止規定と罰則規定がセットで存在するため、大麻の使用は処罰対象となります。「使用だけなら処罰されない」という従前の理解は前提にできません。

所持等の法定刑も変わっている

さらに、改正では使用だけでなく、所持等の法定刑も見直されています。

麻薬及び向精神薬取締法第66条第1項
「…麻薬を…所持した者…は、七年以下の拘禁刑に処する。」

所持側の厳罰化方向の変更も重要です。単純所持については従前より上限が引き上げられた整理と理解されており、改正は使用だけを新たに問題化したものではありません。

処罰体系全体を引き締める方向で整理された側面があるため、「改正=使用罪新設だけ」と理解すると不十分です。

改正で変わったポイントは、使用が処罰対象になったことに加え、所持等を含む処罰体系も変わったことです。大麻で懲役の可能性を考える際も、この改正後の前提で理解する必要があります。

実刑と執行猶予の分かれ目|大麻で刑務所に入るケースとは

大麻事件で直ちに実刑になるとは限りません。 実刑か執行猶予かは、個別事情によって見通しが分かれます。

実刑か執行猶予かを左右する主な事情

量刑判断で見られやすい事情として、初犯か再犯か、所持量、事件態様、営利目的の有無などがあります。これらは一つだけで結論を決めるものではありませんが、見通しを考えるうえで重要な要素です。

再犯や反復継続性がある場合は厳しく見られやすいことがありますし、営利目的や大量所持が疑われる場合も、単純所持とは異なる評価を受けやすくなります。どの事情があるかによって、実刑リスクの見え方は変わり得ます。

また、量刑判断では有利・不利双方の事情が見られることがあります。重く見られやすい事情だけでなく、どのような個別事情があるかも含めて総合的に判断される点は重要です。

実刑が問題になりやすいケース

悪質性が高いと評価されやすい事情がある場合、実刑リスクは高まりやすくなります。営利目的、大量所持、再犯などはその典型として問題になりやすい事情です。

もっとも、これらがあるから直ちに実刑と決まるわけではなく、個別事情の総合評価になります。単純所持と同じ発想で見通しを考えにくい類型がある、という理解が重要です。

「大麻事件なら実刑」と単純化するのではなく、どの事情が重く見られ得るのかを整理して考える必要があります。

執行猶予か実刑かは個別事情で決まる

実刑か執行猶予かは総合判断で決まります。一つの事情だけで結論が出るものではなく、複数の事情を踏まえて判断されるのが通常です。

初犯だから直ちに執行猶予とは限らず、逆に逮捕されたから実刑とも限りません。一般論だけで結論づけると、見通しを誤るおそれがあります。

重要なのは、自分の事案でどの事情が問題になり得るのかを整理して考えることです。実刑か執行猶予かという問いも、その個別事情の中で見る必要があります。

大麻で逮捕された後の流れ|懲役になるまでの手続き

逮捕された後は、すぐ懲役が決まるわけではない

逮捕されたから、その場で懲役が決まるわけではありません。 大麻事件でも、逮捕後には段階を経て処分が決まっていきます。通常は捜査が進み、その中で起訴するか不起訴とするかが判断され、起訴された場合に裁判へ進む流れになります。不起訴となれば裁判にならない場合もあり、「逮捕されたらそのまま刑務所」という理解は正確ではありません。

また、逮捕後には勾留が問題になる場合もあり、身柄拘束が続くかどうかが最初の重要なポイントになることがあります。逮捕された段階では、まずこの捜査段階にいることを理解しておくことが重要です。

処分の見通しは逮捕時点で固まるわけではありません。 逮捕は手続の出発点の一つであって、最終結論ではありません。逮捕されたことで「もう懲役になる」と考えてしまうことがありますが、実際にはその後の手続の中で分かれていく部分があります。

大まかには、
逮捕 → 起訴するかどうかの判断 → 裁判 → 処分決定
という流れで進みます。まずはこの流れを押さえることが重要です。

起訴後に実刑か執行猶予かが問題になる

実刑になるかどうかは通常、起訴後に判断されます。 裁判では、初犯か再犯か、単純所持か、営利目的が疑われる事案かなど、個別事情を踏まえて処分が判断されます。

ここで実刑になるのか、執行猶予が付くのかが問題になりますが、逮捕時点で直ちに決まるものではありません。逮捕された段階と、量刑が判断される段階は分けて理解する必要があります。

また、逮捕直後の対応や状況整理が、その後の見通しに関わる場合もあります。どの段階で何が問題になっているのかを把握しながら対応することには意味があります。

「懲役になるか」だけで早い段階から考え過ぎないことも重要です。まずは起訴されるか、その後どのような処分が問題になり得るかという順番で整理した方が、実際の流れにも沿っています。大切なのは、手続には段階があることを踏まえて考えることです。今どの局面にあるのかを整理することで、その後の見通しも考えやすくなります。

不起訴・減刑は可能か|大麻事件で処分が軽くなるケース

不起訴が問題になる場合はある

大麻事件でも不起訴が問題になる余地はあります。 逮捕されたから必ず起訴されるわけではなく、個別事情によって不起訴が問題となる場合もあります。不起訴といっても理由は一つではなく、情状面が考慮される場合だけでなく、犯罪事実の立証が十分でないなど、証拠関係が問題となることで不起訴が問題になる場合もあります。

不起訴には複数の類型があり得るため、「こうすれば不起訴になる」と単純に考えられるものではありません。事案ごとに何が争点になるかは異なり得ますし、早い段階で何が問題になり得るか整理する意味もあります。

処分が軽くなる方向で考慮される事情もある

量刑が軽い方向で考慮され得る事情が問題になる場合もあります。初犯かどうか、事案の内容、反省状況、悪質性の程度などは、一般に量刑判断で見られ得る事情として挙がることがあります。量が少ないことなどが問題になることもありますが、それだけで結論が決まるわけではなく、複数事情の総合評価になる可能性があります。

「減刑」といっても、何か一つあれば当然に軽くなるという意味ではありません。どの事情がどの程度評価され得るかは個別事案によって異なります。場合によっては、実刑ではなく執行猶予が問題となる形で「処分が軽くなる方向」が論点になることもあります。

不起訴と減刑は別の問題として考える必要がある点も重要です。起訴されるかどうかの問題と、起訴後にどの程度軽い処分になり得るかは別の局面の問題です。この整理を分けて考えると、見通しを捉えやすくなります。

早い段階で見通しを整理することが重要

早期対応が意味を持つ場合もあります。 どの段階で何が問題になっているかを整理することで、検討できる対応が変わる場合もあります。一般論だけで「不起訴になる」「減刑できる」と考えるのではなく、自分の事案で何が問題になり得るのかを整理して考えることが重要です。また、不起訴の可能性を考える場面と、量刑を軽くする方向を検討する場面では、見るべきポイントが異なり得ます。どの局面の話をしているのか整理することも重要です。

大麻の事件は、何かをすれば確実に減刑や不起訴へとつながる、という事件類型ではありません。ケースによっては、減刑や不起訴の余地に乏しいことを前提に対応方針を検討すべき場合もあり得るでしょう。

大麻事件で弁護士に依頼するメリット|早期釈放・減刑の可能性

早い段階で相談する意味がある場合もある

大麻事件では、早い段階で相談することに意味がある場合があります。 逮捕直後なのか、起訴前なのか、裁判段階なのかによって問題になる論点は異なり、どの段階にいるかによって検討すべき対応も変わり得ます。そのため、早期に状況や見通しを整理することには意味があります。

身柄拘束が問題になっている場面では、その局面で何が課題になっているのか整理することが重要になる場合がありますし、「この先どう進むのか分からない」という不安を手続の流れに沿って整理できることにも意義があります。何を優先して考えるべきか整理しやすくなること自体が、早期相談の一つのメリットといえます。

処分の見通しや軽い方向の検討につながる場合がある

処分の見通しや軽い方向の検討につながる場合があることも、相談の意義の一つです。不起訴の可能性が問題になるのか、量刑面で考慮され得る事情をどう整理するのかなど、事案ごとに検討すべき論点は異なり得ます。一般論だけで「もう実刑になる」「もう手遅れだ」と考えず、個別事情を踏まえて見通しを考えることが重要です。

また、早期釈放や減刑という言葉だけを切り取って理解するのではなく、現時点でどのような対応が考えられるかを整理できることにも意味があります。自分の事案で何が問題になり得るか個別に整理できることは、相談の大きなメリットといえるでしょう。

一人で見通しを決めつけないことも重要

自己判断だけで結論を決めつけないことも重要です。悲観し過ぎることも、逆に軽く考え過ぎることも、どちらも適切とは限りません。どの局面で何が問題になっているかを整理しながら考えることで、見通しを誤りにくくなります。

相談のメリットは、単に結果を軽くする可能性だけではなく、今の状況を整理し、取るべき対応を考えやすくする点にもあります。その意味でも、早い段階で状況整理をする意義は小さくありません。

大麻事件では、特に身柄拘束をされていて早期釈放を目指したい、という場合に弁護士の助力が必須と言えます。

大麻の懲役に関するよくある質問

初犯でも懲役になることはありますか?

初犯であっても直ちに「懲役にならない」とは言い切れません。 処分は初犯かどうかだけで決まるわけではなく、事案の内容や個別事情によって見通しは変わり得ます。

一方で、初犯という事情が考慮され得る場面もあり、初犯だから必ず重い処分になるという意味でもありません。初犯という一点だけで結論を決めないことが重要です。

使用だけでも処罰されますか?

現在は使用も処罰対象となる前提で理解する必要があります。 「使用だけなら罪にならない」という古い理解を前提にしないことが重要です。

もっとも、具体的な処分の見通しは個別事情によって異なり得ます。

少量所持なら実刑にはなりませんか?

少量所持という事情だけで実刑にならないとは言い切れません。 量だけで結論が決まるわけではなく、他の事情も含めて見られる可能性があります。

「少量だから大丈夫」と単純に考えないことが重要です。

逮捕されたらすぐ刑務所に入りますか?

逮捕されたから直ちに刑務所に入るわけではありません。 逮捕後には手続の流れがあり、その中で処分が決まっていきます。

逮捕と実刑確定は別の問題として理解する必要があります。

弁護士に相談した方がいいですか?

早い段階で相談する意味がある場合はあります。 どの段階で何が問題になっているか整理することに意味がある場面もあります。

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特設サイト:藤垣法律事務所

薬物の規制にはどんな種類がある?大麻の使用は違法?捜査への対応法は?薬物事件を知りたい人への完全ガイド

●どんな薬物が規制の対象になっているのか?

●大麻は犯罪にならないと聞いたけど本当か?

●薬物事件は逮捕されるのか?

●薬物事件は起訴されるのか?

●薬物事件の刑罰はどのようなものか?

●薬物事件の再犯の場合,実刑は避けられないか?

●薬物事件は弁護士に依頼すべきか?

といった悩みはありませんか?

このページでは,薬物事件についてお困りの方に向けて,薬物事件の取り締まり内容争点になりやすい事項刑罰の軽減を目指す弁護活動などを解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

薬物規制の類型

薬物に対する規制は、様々な薬物について様々な法律でなされています。
その主な類型は以下の通りです。

①覚せい剤取締法
②大麻取締法
③麻薬及び向精神薬取締法
④あへん法
⑤麻薬特例法
⑥毒物及び劇物取締法
⑦医薬品医療機器等法

参照:違法薬物について

①覚せい剤取締法

規制の対象となる薬物は覚せい剤です。
覚せい剤取締法では、主に覚せい剤の使用・所持・譲渡・製造・輸入・輸出を禁止しています。
覚せい剤は、規制される薬物の中でも依存性や幻覚作用の強い薬物で、その危険性が大きいことから、違反行為に対する刑罰は厳罰化されていることに特徴があります。

参照:覚醒剤取締法 e-Gov法令検索

②大麻取締法

大麻(主に大麻草の樹液に含まれる成分)を規制対象とする法律です。
大麻の栽培・製造・所持・譲渡・輸入・輸出を禁止しています。

なお、大麻については、使用行為が処罰の対象とされていませんでしたが、2023年12月6日に成立した法改正により、使用行為も処罰対象とされました。

参照:大麻取締法 e-Gov法令検索

③麻薬及び向精神薬取締法

ヘロイン、コカイン、モルヒネなど、麻薬及び向精神薬として指定された薬物を規制対象とする法律です。
主に麻薬及び向精神薬の製造・所持・譲渡・輸入・輸出を禁止しています。

なお、使用が新たに処罰対象とされる大麻は、法的には麻薬に位置づけられるという方法で使用が禁止されることとなります。
※2024年12月12日施行(引用:大麻の所持・譲渡、使用、栽培は禁止!法改正の内容も紹介します

参照:麻薬及び向精神薬取締法 e-Gov法令検索

④あへん法

あへんとは、ケシの実から採取される果汁を乾燥させ凝固させた物質です。
あへん法は、このあへんについて栽培・製造・所持・譲渡・輸入・輸出を禁止しています。

参照:あへん法 e-Gov法令検索

⑤麻薬特例法

正式名称は、「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」といいます。

①覚せい剤、②大麻、③麻薬及び向精神薬、④あへんのそれぞれについて、
組織的犯罪や国際的犯罪などを特に厳罰とするため設けられた特例法です。

参照:国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律 e-Gov法令検索

⑥毒物及び劇物取締法

人の生命や健康に著しい被害を与える恐れのある毒物や劇物について、その製造、販売、譲渡、使用、保管等に厚生労働大臣の許可を受けなければならないと定める法律です。
また、毒劇物の容器にはその旨表示しなければならず、毒劇物の保管を誤って漏洩させる行為も刑罰の対象とされています。

毒物や劇物の例
毒物: 青酸カリウム、シアン化ナトリウム、ヒ素、ストリキニーネ、ニコチンなど
劇物: 塩酸、硫酸、硝酸、苛性ソーダ、亜鉛メチルなど

参照:毒物及び劇物取締法 e-Gov法令検索

⑦医薬品医療機器等法

正式名称は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。

医薬品、医薬部外品、化粧品等、安全性や有効性が失われてはならない「医薬品等」について、その無許可販売・営業や、商品の誇大広告などを禁止する法律です。
脱法ドラッグと呼ばれる医薬品の不正な所持や譲渡を禁じる法律でもあります。

参照:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 e-Gov法令検索

⑧まとめ

①覚せい剤取締法対象薬物:覚せい剤
②大麻取締法対象薬物:大麻
③麻薬及び向精神薬取締法対象薬物:麻薬(コカイン・ヘロインなど)・向精神薬
④あへん法対象薬物:あへん
⑤麻薬特例法①~④の組織的犯罪や国際的犯罪を厳罰化
⑥毒物及び劇物取締法毒物や劇物に関する製造・販売・保管などのルール
⑦医薬品医療機器等法医薬品等の無許可販売・誇大広告などを禁止

大麻に対する規制

①従来の規制内容

従来、大麻については、その使用が禁止されていませんでした。
これは、覚せい剤や麻薬及び向精神薬といった他の薬物とは異なる大麻の特徴であったということができます。

②大麻の使用が罪でなかった経緯

大麻取締法に使用の罪がなかった経緯は、必ずしも明らかにされてはいませんが、以下のような理由が指摘されています。

・法律制定当時、大麻草が国内で乱用されている状況はなかった
・大麻草の栽培を、農産物の一つとして許可制にすれば不正取引は防げると思われていた
・大麻草の栽培農家が、作業中に大麻の成分を吸引したケースが犯罪にならないよう配慮した

③大麻使用罪の新設

2023年12月6日の法改正により、大麻を麻薬に含める形で、大麻の使用が犯罪されました。大麻を他の麻薬と同様に扱うことになるため、簡単に言えば、大麻の特別扱いがなくなるということです。

これは、大麻由来成分を用いた薬物の使用が横行していることを踏まえ、大麻由来成分の不正な使用を麻薬の不正な使用と位置付けることにしたものと言われています。

薬物事件の刑罰

薬物事件の刑罰は、対象となる薬物の危険性の大きさや違反行為の内容によって異なります。
代表的なものとして、薬物ごとの所持に対する刑罰は以下の通りです。

①覚せい剤    10年以下の拘禁刑
②ヘロイン(麻薬)10年以下の拘禁刑
③コカイン(麻薬)7年以下の拘禁刑
④あへん     7年以下の拘禁刑
⑤大麻      5年以下の拘禁刑
⑥向精神薬    3年以下の拘禁刑

覚せい剤やヘロインなど、効果や依存性の強い薬物であるほど、違反行為の罰則は重く定められています。
また、営利目的である場合には、刑罰はさらに重くなります。

薬物事件と逮捕

薬物事件の捜査は、基本的に逮捕を伴う方法で行われます。
逮捕される方が通常である、と理解しても間違いかもしれません。

薬物事件の場合、違反行為が何であっても、一人だけの力でその違反行為ができるというケースは非常に少ないものです。所持であれば、販売者(いわゆる売人)から購入していることが大半ですし、譲渡の事件であれば、その性質上譲り渡した人と譲り受けた人が存在します。
そのため、薬物事件の捜査は複数名の関与を想定して行いますが、薬物に関するやり取りが秘密裏に行われやすいこと、重大な刑罰の対象となりやすい事件類型であることなどを踏まえ、証拠隠滅を防ぐ目的で逮捕されることが多くなるのです。

薬物事件の起訴

①基本的な運用

薬物事件は、犯罪事実の存在が明らかである場合には、起訴され公判(公開の裁判)の対象となることが一般的です。
他の軽微な事件類型の場合には、犯罪事実の存在が明らかであっても、検察官に大目に見てもらうことができれば、不起訴(起訴猶予)になる余地もあり得ますが、薬物事件の場合、起訴猶予になることは非常に困難であり、ほとんど例が見られないものと理解するのが適切でしょう。

②不起訴になる場合

薬物事件で不起訴になるケースは、犯罪事実の存在が立証できるか不明確な場合がほとんどです。不起訴の理由としては、「嫌疑なし」又は「嫌疑不十分」ということになります。
嫌疑不十分として不起訴になる場合の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

量が極めて少ない

袋の中に残りカスのようなものが少しだけ入っていた場合など、所持量が極めて少ない場合には、それが薬物の所持と評価することができるのかが不明確であるため、嫌疑不十分となることがあり得ます。
また、極めて少量の所持は、自分の意思で所持していたのか不意に混入しただけなのかの区別も難しく、その点でも薬物所持の立証が困難になりやすいです。

持ち主がだれか分からない

共同利用していた個室などの中で薬物が発見された場合、誰かが薬物を所持していることが明らかでも、具体的に誰が持ち主か分からないことがあります。このケースでは、誰の物であるか分からない以上、誰のものであるとも立証できないことになり、嫌疑不十分となり得るでしょう。

なお、複数の人が協力して薬物を所持していた場合には、共同所持として協力者全員の犯罪が立証されることがあります。誰の物か分からず不起訴になるのは、協力や意思疎通なく誰かが勝手に所持していたケースに限られることになります。

意図せず荷物の中に薬物が混入した可能性を否定できない

荷物の中に薬物が混入していたものの、それが意図的に携帯していたのか、意図せず荷物の中に混入していたのか分からない場合は、嫌疑不十分になり得ます。例えば、直前に薬物所持者を含む大人数がいる場所で時間を過ごしていた場合、その中で荷物内に薬物が入ってしまっただけであるかもしれず、もしそうであれば当然ながら犯罪にはならないわけです。

もっとも、荷物の中から薬物が見つかった場合のすべてについて、勝手に入っていただけだという主張がまかり通るわけではありません。勝手に入っていた可能性も確かにある、と言えるだけの事情は必要になるでしょう。

尿検査に用いられた液体が本人の尿か分からない

薬物使用は、尿検査の結果を客観的証拠とすることが一般的です。そのため、検査結果のもとになった尿は間違いなく被疑者の出したものであることが必要です。
逆に、尿の採取過程で他の物質が混入した可能性があるなど、尿検査に用いられた液体が本当に本人の尿か分からないと、薬物使用の根拠としては不十分であり、嫌疑不十分となることが考えられます。

ポイント
薬物ごとの刑罰は,対象となる薬物の依存性などにより異なる
薬物事件は逮捕をするケースが多数
処分の基準は,犯罪事実が立証できれば起訴,できなければ不起訴

薬物事件で科せられる処分

薬物事件の刑事処分は、具体的な違反行為によって様々ですが、単純な所持や自己使用といったものであれば、初犯だと執行猶予の対象となることが多いです。
執行猶予とは、懲役刑など、刑務所に収監する刑の執行を一定期間猶予し、その期間内を無事に過ごせば、刑の執行がなくなるというものです。つまり、次はないが今回は刑務所に入れないこととする、という意味合いの処分ということになります。

もっとも、薬物事件の中でも、営利目的で行われたものについては重大な刑罰の対象となりやすく、初犯でも実刑判決となることが多く見られます。実刑判決となった場合、直ちに刑務所に収監されることとなります。

薬物事件の再犯は執行猶予になるか

①薬物事件の再犯における執行猶予の困難さ

薬物事件は、薬物の依存性もあり、類型的に再犯が生じやすい犯罪類型です。
そして、薬物事件の初犯は執行猶予になりやすいことから、再犯は執行猶予前科のある状態での事件ということになります。

この点、執行猶予期間中の再犯は、原則として執行猶予の対象にはなりません。再度の執行猶予という制度もありますが、その対象となるのは稀と言えるでしょう。再度の執行猶予となるのは、徹底した入院治療を前提としたケースの一部など、極めて限定した場合に限られます。

また、執行猶予期間の経過後でも、経過後それほど期間が経っていなければ、同じく実刑判決の対象となります。執行猶予期間の経過後、概ね10年以内の場合、実刑判決が強く懸念される傾向にあるでしょう。

②刑の一部執行猶予制度

そのような薬物の再犯における特徴的な制度に、「刑の一部執行猶予」というものがあります。

刑の一部執行猶予制度とは、その文字通り、刑の全部でなく一部を執行猶予の対象にする、というものです。
実刑判決の一類型ではありますが、刑務所における更生と社会内における更生を併用することで、より適切な再犯防止を目指すための制度と位置付けられています。
具体的な刑の宣告としては、「懲役1年6月、うち6月について3年の執行猶予」といった内容になります。執行猶予のない期間は服役し、執行猶予のついた期間は服役せず社会内での更生を試みる形を取ります。

薬物事件では、この一部執行猶予が広く採用される傾向にあります。
実刑判決の対象として刑務所での服役を強いたとしても、それが薬物依存の解決には直接つながらず、再発防止にとって必ずしも適切ではないと考えられるためです。
そうであれば、一部執行猶予とし、一部を社会内での更生とすることで、薬物依存からの脱却も含めたより適切な方法での再犯防止を実現しようということです。

薬物事件の場合、他の事件類型よりも一部執行猶予の対象となるための要件が緩く、刑の一部執行猶予制度を採用しやすい配慮がなされています。
例えば、薬物事件以外だと、「禁錮以上の刑に処せられたことが」ある人には一部執行猶予とすることができませんが、薬物事件にはその制限はありません。
一方で、薬物事件については、一部執行猶予期間中に保護観察が必須とされており、生活状況を厳格に管理されることとなります。

ポイント
単純所持や自己使用は初犯の場合だと執行猶予が見込まれやすい
再犯は実刑判決が一般的
実刑判決の場合には一部執行猶予が広く用いられている

薬物事件で弁護士に依頼すべき場合

①認め事件の場合

認め事件では、犯罪事実を争うために弁護士に依頼する必要はありませんが、取り扱いや処分の軽減を目指す場合には弁護士に依頼するのが適切です。具体的には、以下のような場合が挙げられます。

・逮捕回避を目指す場合
→捜査機関に犯罪事実が発覚していないが今後発覚が見込まれる、という場合には、自首などの方法で将来の逮捕回避を目指すことが有力です。その際は、弁護士に依頼の上で具体的な方法や方針を検討してもらい、弁護士と共同して実行するのが適切でしょう。

・早期釈放を目指す場合
→逮捕や勾留が防げない場合には、できる限り早期の釈放を目指すことが有力です。
弁護士への依頼により、捜査を早期に終結してもらって勾留期間を短縮したり、起訴後に速やかな保釈の手続を行ったりという手段を通じて、早期釈放を目指すことが可能となります。

・刑罰の軽減を図る場合
→刑事処分の軽減を目指す場合、刑事処分の検討は高度に法的な内容になるため、弁護士に依頼の上、弁護士を通じて対応してもらうことが適切です。また、刑罰の軽減を図るために自分ができることが何か、という点も、あわせて協議することが可能です。

・再度の執行猶予や一部執行猶予を目指す場合
→再度の執行猶予や一部執行猶予といった、原則とは異なる刑事処分を求める場合には、弁護士に依頼の上、弁護士から法的主張・立証を行うことが適切です。
弁護士に依頼した場合、執行猶予が獲得できる見込みも踏まえて、どのような動きを取るべきかを検討してもらうことも可能です。

・再発防止を目指す場合
→再発の生じやすい事件類型であることから、再発を防ぐことも非常に重要となります。
薬物への依存がうかがわれる場合には治療等の医学的な解決を試みるなど、弁護士から適切な再発防止策の案内を受けることはとても有力でしょう。

②否認事件の場合

否認事件では、犯罪事実の存在が立証できるかどうか、ということが極めて大きな問題になります。
薬物事件については、「薬物事件の起訴」の項目で解説した通り、犯罪事実の立証が困難ではないかという問題の生じる類型が一定数あります。それらを踏まえ、どのような方針で否認を貫いていくかは、弁護士による法的判断が適切でしょう。
また、弁護士への委任により、否認の方針が適切かどうかという案内を受けることも可能になります。

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

薬物事件は,身柄拘束を伴う捜査が行われやすい類型です。また,他の関係者が想定される事件では,弁護士以外との面会すらできない場合も珍しくありません。
一方で,法的には刑事処罰の対象とできるか難しいケースも多く,望ましい結果を獲得するためには,薬物事件に精通した弁護士の協力を得るのが非常に有力です。

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