【淫行事件の示談を知りたい人のために】示談で不起訴になるか?相手と連絡を取る手段は?示談金額は?

このページでは,淫行事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

淫行事件で示談は必要か
淫行事件における示談のメリット
淫行事件で示談をする方法
淫行事件の示談金相場
淫行事件の示談内容・条項
淫行事件の示談で注意すべきこと
淫行事件の示談に必要な費用

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淫行事件で示談は必要か

一般に「淫行」と呼ばれる事件は,18歳未満の男女と性行為に及ぶものをいいます。18歳未満の男女は,その心身の発達を守るため,原則として性行為の相手とすることが禁じられており,これに反して「淫行」に及ぶと処罰の対象となります。
具体的には,各都道府県における「青少年保護育成条例」又は「青少年健全育成条例」といった条例の違反行為として取り締まりの対象となるところです。法律でなく条令の違反行為ですが,刑罰も定められており,れっきとした犯罪行為です。

この点,淫行事件で刑罰を防ぐためには,示談が決定的に重要であり,示談の試みは必要不可欠と考えてよいでしょう。

淫行事件の場合,被害者側の処罰感情が刑事処分を決定づけることが極めて多く見られます。処罰感情とは,被疑者(=加害者)の処罰を望むかどうかという気持ちのことを指しますが,処罰を希望する場合には処罰の対象となり,逆に処罰を望まない場合には処罰されないことが通常です。
そして,加害者側が何も行動を起こさない場合,被害者側の処罰感情は「処罰を希望する」という内容であると理解されるのが原則です。被害者側が捜査や処分を望んだから捜査が開始されたのであって,捜査が始まっている以上は処罰を希望しているのだと理解して間違いはないでしょう。

そのため,淫行事件での示談は,「処罰を希望する」との処罰感情を「処罰を希望しない」というものに変更してもらうことで,処罰を防ぐ手段ということができます。このようにして処罰の回避を図る手段は示談以外になく,示談は処罰の回避にとって決定的に必要な要素と考えて差し支えありません。

ポイント
淫行は「青少年保護育成条例」又は「青少年健全育成条例」の違反行為
示談がなければ,処罰感情を踏まえて起訴されることが一般的
示談できれば,処罰感情が変化するため不起訴が獲得できる

淫行事件における示談のメリット

①前科の回避

淫行事件では,示談できるかどうかによって刑罰の有無が変わりやすいため,刑罰を受けず前科を回避できることが何より大きなメリットと言えるでしょう。
逆に,示談しなかった場合は,起訴されて罰金刑などの刑罰を受けることが見込まれやすいため,示談の有無は刑事事件の結果を極めて大きく左右することになります。

②逮捕勾留の回避

淫行事件における示談は,早期に行うことで逮捕や勾留の回避にもつながります。

刑事事件における身柄拘束としては,最大72時間の「逮捕」,10日間の「勾留」,最大10日間の「勾留延長」と続くことがあります。これらがすべて行われた場合,23日前後の身柄拘束を強いられることになります。

逮捕から起訴までの流れ

この点,逮捕前に示談が成立した場合,基本的に逮捕される可能性はなくなることがほとんどでしょう。淫行事件の場合,被害者側の意に反して逮捕を行う必要が生じることは考え難いです。
また,逮捕された場合でも,その後の勾留や勾留延長を避けるための手段として,示談は決定的な効果を発揮することが非常に多く見られます。示談が成立した以上,それ以上の身柄拘束は必要ないとの判断になることは,淫行の事件では決して珍しくありません。

③報道の回避

早期の示談は,事件が報道されて公になることの予防にもなります。

刑事事件が報道されるのは,多くの場合が逮捕直後です。逮捕された事件の情報が警察から報道機関に提供され,報道機関がそれらの情報を取捨選択する形で報道されることが一般的な運用とされています。
そのため,示談によって逮捕を回避することで,事実上は報道の対象になることが考えにくくなるでしょう。

職業や勤務先など,立場によってはより報道されやすい場合もあり得ますが,この場合にも早期の示談で事件が解決していれば,その後の報道はなされにくくなるのが一般的です。報道を抑止する現実的な手段としては,示談によって当事者間で解決してしまうのが最も適切です。

淫行事件で示談をする方法

淫行事件の示談は,捜査機関に示談を希望したい旨を申し入れることから始まります。捜査機関の担当者から被害者側に連絡を入れてもらい,示談の話し合いに応じるかどうかを確認してもらうのです。

しかしながら,これは当事者や家族が直接行ってもうまくいきません。捜査機関は,当事者間を直接引き合わせるとトラブルの原因になりかねないとの理由で,当事者間の直接の示談交渉を認めないためです。そのため,被害者側との示談を試みる場合には,自分の代理人となる弁護士に依頼し,弁護士を通じて被害者側との示談を試みることが必要になります。
弁護士の連絡を受けた捜査機関は,被害者側(親権者)に連絡を試み,示談交渉に応じるか意向を確認します。被害者側が了承した場合には,弁護士に連絡先が伝えられるなどして示談交渉が開始されます。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

なお,迅速な示談の成立は,迅速な動き出しにかかっているという面が強くあります。被害者側としては,時間が経った後より,速やかに示談の申し入れをしてきた場合の方が,謝罪の意思を感じ取れるため,感情的に示談を受け入れやすくなるのが通常です。
迅速解決は,迅速な動き出し,ひいては迅速な弁護士委任にかかっていると言ってもよいでしょう

ポイント
弁護士を通じて捜査機関に示談を申し入れる
迅速な動き出しが極めて重要

淫行事件の示談金相場

淫行事件の場合,示談金の目安は20~30万円ほどとされるケースが多く見られます。淫行自体が,当事者双方に合意があることを前提とした事件類型のため,無理矢理に性行為を求めたような事件に比して小さな金額となるのが通常です。

具体的な金額は個別の事情に応じて交渉されますが,一般に示談金額を増減させる事情としては以下のような点が挙げられます。

示談金額の増減要因

1.相手の年齢
→低いほど増額要因になる

2.性行為のきっかけ
→虚偽の話で騙す行為があった場合,増額要因になる

3.性行為に至る経緯
→判断能力の低下に付け込む形で性行為に至った場合,増額要因になる

4.相手側の原因の有無
→被害者側から誘った等の原因があれば,減額要因になる

5.加害者側の経済力
→支払える金額に限界がある場合,増額が困難になりやすい

淫行事件の示談内容・条項

①一般的な示談条項

【確認条項】

加害者の被害者に対する支払金額を確認する条項です。

【給付条項】

確認条項に記載した金銭の支払をどのように行うのかを定める条項です。

【清算条項】

示談で定めた条項以外には,当事者間に権利義務の関係がないことを定める条項です。清算条項を取り交わせば,その後に相手から金銭を追加請求される可能性は法的になくなります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項とは,被害者が加害者を許す,という意味の条項です。
示談が刑事処分に有利な影響を及ぼすのは,基本的にこの宥恕条項があるためです。被害者が加害者を許している,という事実が,刑事処分を劇的に軽減させる要素となります。

②淫行事件で特に定めやすい条項

【接触禁止】

今後の当事者間の接触を防ぐため,加害者が被害者側に接触することを禁止する条項を設けることがあります。
なお,条項を設けない場合でも,示談後に当事者間の連絡を試みることは控えるのが賢明でしょう。示談後の別件のトラブルに発展し,示談が無駄になってしまう恐れがあります。

【立入禁止】

淫行の過程で,被害者の自宅や生活圏を把握してしまっている場合,被害者方や近辺への立入を禁止する条項を設けることが考えられます。

立入禁止の条項を求められた場合には,接触しないという意思を示す意味でもできるだけ応じるのが合理的でしょう。特に,生活圏が全く重ならない場合は,極力相手の請求に応じて合意するのが円滑です。
一方,立入禁止がその後の日常生活に支障を及ぼす可能性がある場合は,弁護士と相談の上で綿密な取り決めを目指すことが必要です。立入禁止を約束した場合,その違反は違法行為となってしまうため,合意前に十分な相談をするようにしましょう。

淫行事件の示談で注意すべきこと

①示談の相手は本人か親権者か

淫行事件は,相手本人が青少年(=18歳未満の未成年者)であるため,法的には親権者を相手に示談すべきことになります。相手本人と示談した場合,法律上は後から取り消されてしまう可能性も否定できません。
もっとも,相手の親子関係によっては,親権者との示談が困難な場合もあるため,個別の場合に誰を相手にすべきかは難しい判断となることもあります。

この点,刑事処罰を避ける目的であれば,相手本人と示談をすることも決しておかしくはありません。相手方の親子関係に問題がある場合,捜査機関が処罰感情を確認する相手も本人となることがありますが,その場合には本人と直接示談するのがむしろ端的ともいえます。
確かに,法的には完全に十分な示談ではないかもしれませんが,それを理由に不起訴処分にできない,ということはまずありません。

示談の相手は,個別の状況や相手方の希望などを踏まえ,柔軟にしてもよいところでしょう。

②示談しても起訴される場合

淫行の事件は,示談によって不起訴にされることが非常に多いですが,当事者間の関係によっては示談をしても起訴が避けられない場合があります。典型例としては,加害者が仕事上の立場を通じて被害者と知り合った場合が挙げられます。
具体的には,教員や医師などが想定されますが,業務を通じて児童の個人情報を把握でき,児童とやり取りできる立場にある場合,その立場を悪用して淫行に至る行為は悪質と判断される傾向にあります。そうすると,元々の事件の悪質性が高い影響で,示談による軽減があっても不起訴までは至らない,ということがあり得るのです。

業務上知り合った相手との淫行事件については,示談をしても不起訴にならない可能性があることを踏まえておくのが望ましいでしょう。

淫行事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で淫行事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

一般的な在宅事件では,34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

淫行事件の場合,20~30万円の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(20万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:20万円

計:109万円

弁護士費用の例

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児童買春事件で示談する必要性|逮捕・不起訴の可能性を踏まえて示談のメリットや金額などを解説

「児童買春行為で警察に摘発されてしまった…相手と示談を結ぶことで前科を避けられるのだろうか?」

「示談を進めるうえでの注意点や流れが知りたい。」

そう思う方もいるのではないでしょうか。

児童買春に関する事件では、示談の成立が刑事処分に大きく影響する可能性があります。

ただし、相手方との示談交渉は慎重に進めなければ逆効果になるリスクもあるため、正しい知識と手順を理解することが重要です。

本記事では、児童買春の示談の意味や成立のポイント、示談を成功させるための流れ、注意点について詳しく解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

児童買春とは

児童買春とは、18歳未満の児童に対して金銭その他の財産上の利益を与える約束をした上で、性的な行為を行うことです。

ここからは、以下2つの内容について深掘りしていきます。

  • 児童買春の刑罰内容
  • 児童買春に関連する刑罰

児童買春の刑罰内容

児童買春を行った場合、日本の法律では非常に重い刑罰が科される可能性があります。

具体的には、「児童買春・児童ポルノ禁止法」第4条により、児童に対して金銭等を与えて性交や類似行為を行った者は「5年以下の懲役または300万円以下の罰金」に処されると定められています。

第四条

児童買春をした者は、五年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
引用:e-Gov法令検索「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」

この刑罰は、単に買春行為を行っただけでなく、児童の性的自己決定権を侵害した重大な行為であるという観点から重く評価されています。

また、初犯であっても起訴されるリスクがあり、示談が成立していたとしても不起訴になるとは限りません。

逆に示談が成立しなかった場合、裁判に進む可能性が高くなります。

実際の運用では、被害者(児童)やその保護者との示談の成立や謝罪の意思、再犯防止への取り組みなどが処分を決める際の判断材料となります。

児童買春に該当する行為は一時の過ちであっても、人生に大きな影響を与える重大な刑事事件であると認識すべきです。

児童買春に関連する刑罰

児童買春そのものに対する刑罰に加えて、それに関連する行為についても法的に罰則が設けられています。

たとえば、児童買春を助長するような勧誘行為や、児童と買春の場をセッティングする行為(いわゆる「周旋行為」)は、同法第6条・第7条などにより処罰対象です。

具体的には、児童買春の周旋を行った者は「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に処されることがあります。

さらに、スマートフォンやSNSを使って児童を買春に誘導したり、援助交際を匂わせるメッセージのやりとりを行った場合でも、「児童誘引罪」として刑事罰の対象となります。

実際に性交に至らなくても、性的な行為を約束したうえで会っただけでも処罰される可能性がある点に注意が必要です。

児童買春事件で逮捕される可能性

児童買春事件は,捜査に際して逮捕される可能性が十分に考えられる事件類型です。逮捕をされるケース,されないケースはいずれもありますが,逮捕の可能性が高くなりやすい要因や,逮捕されやすい場合の特徴としては,以下のような点が挙げられます。

逮捕の可能性が高まる要因

1.児童への悪影響を防ぐため

2.今後の事件発生を防ぐため

特に対処をしない場合、基本的には起訴されると考えるのが適切です。弁護士を通じて示談などの必要な対応を取った場合は、結果が伴えば大部分のケースで不起訴が目指せる印象です。

1.児童への悪影響を防ぐため

児童買春事件の場合,同一の児童と複数回に渡って行為が行われるケースも少なくありません。そのため,児童が多数の児童買春事件に関与した結果,児童の性風俗の乱れが深刻化する可能性が懸念されやすく,これを防ぐために逮捕がなされる場合が考えられます。

また,児童自身が児童買春事件の重要な証拠であるため,児童に圧力をかけるなどして口止めを図ろうとする可能性が懸念される場合もあります。児童が証拠隠滅行為による被害を受けることのないよう,逮捕によって当事者間の接触を防ぐことが考えられます。

今後の事件発生を防ぐため

児童買春事件では,複数の児童を相手に多数回の行為が行われる場合も少なくありません。そのため,今後,他の児童を相手に児童買春事件が起きることを防ぐ目的で逮捕がなされる可能性が考えられます。

そのほか,逮捕されやすいケースの例としては,以下のような場合が挙げられます。

逮捕されやすいケース

1.児童の年齢が低い場合
→年齢が低いほど逮捕リスクが高い

2.多数の余罪が見込まれる場合
→余罪の数が際立っていると,逮捕リスクが高い

3.被疑者が罪証隠滅を図った場合
→児童と口裏合わせを試みたり,物証を処分したりしている場合,逮捕リスクが高い

児童買春事件で逮捕を避ける方法

①当事者間での解決

児童買春事件は,当事者間で既に解決している場合,その後に捜査が開始されることは現実的に考えづらいです。そして,捜査が行われない限り,捜査上の手続の一つである逮捕も行われないため,当事者間での解決は逮捕を防ぐための有力な手段と言えます。

当事者間で速やかに解決する余地がある場合には,積極的に解決を目指すことが有益でしょう。

②自首

被疑者が積極的に自首を行った場合,逮捕の必要性は低いと評価されることが通常です。自首は,自ら捜査機関に犯罪事実を明らかにする行為であって,自分から犯罪を告げてきた被疑者が逃亡や証拠隠滅を図るとは考え難いためです。

自首を行うことができるのは,児童買春事件について捜査を受ける前の段階に限られますが,自首の余地がある場合には逮捕回避の有力な手段として検討することが望ましいでしょう。

③適切な捜査対応

既に捜査機関から呼び出されるなどし,捜査が継続されている場合には,その捜査への対応を適切に行うことで,逮捕を避けられる可能性が高まります。

児童買春事件の場合,逮捕せずに捜査が進められている状況下では,被疑者の捜査対応に問題がない限り逮捕しないまま捜査を遂げてもよいと考えられていることが通常です。呼び出しには確実に応じ,取調べにも可能な限りの回答をするなど,円滑な捜査への協力姿勢を明らかにすることで,逮捕のリスクは低下しやすい状況と言えるでしょう。

児童買春事件で不起訴になる可能性

児童買春事件は,犯罪事実が明らかであれば,起訴をする方が一般的です。初犯であるから,反省しているからという理由で不起訴処分となることはあまりないでしょう。
特に,児童買春事件で起訴されやすい場合としては,以下のような例が挙げられます。

児童買春事件で起訴されやすいケース

1.児童の年齢が低い場合
→年齢が低ければ低いほど,刑事責任が重く,起訴されやすい

2.児童を強く唆した場合
→児童の自発的な判断でなく,児童を強く唆した事件の場合,責任が重く起訴されやすい

3.件数・回数が多い場合
→相手となった児童の数や児童買春の回数が多いほど,責任が重く起訴されやすい

4.児童の親権者が起訴を望む場合
→親権者の意向を酌む形で起訴されやすい

児童買春事件で不起訴を目指す場合には,不起訴を目指す積極的な動きが必要となります。この点,事後的に動かせる事情は,児童の親権者が起訴を望むかどうか,という点です。そのため,児童側との示談によって,起訴を望まないとの意向を獲得することが有力になりやすいでしょう。

児童買春で示談する必要性とは

児童買春で示談する必要性は主に以下のとおりです。

  • 不起訴処分を得るための重要な手段となる
  • 量刑判断において情状酌量の材料となる
  • 民事上の責任を整理する

詳しく解説します。

不起訴処分を得るための重要な手段となる

児童買春の事件で警察に摘発された場合、最終的に起訴されるか否かは検察官の判断に委ねられます。

この段階で被害者との示談が成立しているかどうかは、不起訴処分を得られるかどうかに大きな影響を及ぼします。

特に初犯で反省の意思が見られ、被害者と円満に示談が成立している場合、検察官が「訴追の必要性なし」と判断し、不起訴処分となる可能性が高いです。

不起訴処分となれば、刑事裁判にかけられることもなく、前科がつかないというメリットがあります。

将来的な就職や社会生活への影響を最小限に抑えるためには、不起訴処分を狙う必要があるでしょう。

ただし、示談があれば必ず不起訴になるというわけではなく、事件の悪質性や再犯の可能性など総合的な要素を踏まえた判断がなされます。

そのため、示談を結ぶ際には、弁護士の助言を受けつつ、形式的な合意にとどまらず、誠意ある対応を示すことが求められます。

量刑判断において情状酌量の材料となる

もし児童買春の容疑で起訴されてしまった場合でも、裁判所が下す量刑判断において、示談の成立は情状酌量の材料として重要視されます。

示談とは、被害者に対する謝罪と償いの具体的な行動のひとつであり、その意思を形として示す行為です。

裁判においては、加害者がどのように反省し、被害者との関係修復に努めたかという姿勢が、判決における刑の軽減へとつながる場合があります。

実際に、同種の事件で執行猶予付き判決となったケースの多くで、示談の成立が判断に影響を与えたとされています。

また、被害者が加害者を許し、処罰を望まない旨を示す「宥恕(ゆうじょ)」の意志を示す文書がある場合、それが量刑に直接反映されることもあるでしょう。

ただし、形式的な示談では裁判官に誠意が伝わらず、軽減要素と見なされないこともあるため、誠実な対応が前提となります。

民事上の責任を整理する

児童買春事件では、刑事責任とは別に、被害者側から損害賠償請求を受ける可能性もあります。

これは民事上の責任に該当し、被害者が受けた精神的苦痛に対する慰謝料請求が中心となります。

示談を結ぶことは、このような民事的な責任問題を早期に解決し、将来的な紛争の長期化を防ぐという意味でも有効な手段です。

示談書においては、「今後一切の請求を行わない」といった条項を盛り込むことで、再度同じ被害者から損害賠償を請求されるリスクを防げます。

加害者側にとって、精神的・経済的負担を軽減する上で大きな安心材料となるでしょう。

児童買春と示談

児童買春事件における示談と不起訴の関係

児童買春は,児童(=18歳未満の男女)に対して金銭などの対価を渡す代わりに,性的な行為をしてもらうことを言います。これは,判断能力が成熟していない児童のスキに付け込んで性的な関係に引きずり込むという問題があるため,犯罪として禁じられ,処罰の対象とされています。

この児童買春事件は,児童を相手とするもので,児童が安易に性的な行為に走ってしまうという不利益を負わせるものであるため,児童に被害を及ぼす事件であることは間違いありません。したがって,児童買春事件において示談を行うことは非常に重要な動きとなります。
示談が成立すれば,児童買春事件の処分は大きく軽減されるでしょう。

しかしながら,児童買春の事件は示談をしても不起訴に直結するとは限りません。これは,児童買春事件の「保護法益」が複数あり,示談だけではそのすべてを手当てできないためです。

窃盗や痴漢といった事件は,被害者個人の利益のみが保護法益とされます。この個人の利益は,侵害された本人が許せば埋め合わせられるものであるため,示談ができ,被害者本人が法益の侵害を許すことで,十分な回復が可能です。

しかし,児童買春事件の場合,この個人の利益のみでなく,児童が健全に成長できるため,社会から性的搾取や性的虐待を防ぐという社会全体の利益も保護の対象としています。児童個人が許したとしても,社会全体の利益を害したことへの処罰は必要なままであるため,示談=不起訴とはならないのです。

児童買春事件の保護法益

児童個人の利益(個人的法益)
性的搾取のない社会を守る利益(社会的法益)

児童との示談で責任が軽減するのは「個人的法益」の面のみ

児童買春事件で示談するメリット

児童買春事件で示談をすることには数多くのメリットがあるということができます。具体的には以下の各点が挙げられるでしょう。

①刑事処分の軽減

児童買春事件において示談をしても不起訴とは限らない,ということは,決して示談が刑事処分を軽減する効果を生まないという意味ではありません。示談ができれば,刑事処分は非常に大きく軽減することになります

これは,示談によって児童個人の利益(個人的法益)を害したことへの刑事責任を負わせる必要がほぼなくなるためです。これは,刑事責任の重さを考慮する上で無視することのできないものです。
児童買春に社会的法益を守る側面があると言っても,個別の事件で問題になるのはその児童であることに変わりはないため,示談が評価されて不起訴処分に至るケースは現実に数多く存在します。

裏を返せば,この個人的法益に対する刑事責任を軽減させる手段は,示談以外にありません。示談以上に刑事責任を軽減させられる行動も現実的には存在しないため,示談の持つ意味は極めて大きいと考えるべきでしょう。

②逮捕の防止

示談が成立した児童買春事件は,その後に逮捕される可能性が極めて小さくなります。

児童買春事件の場合,捜査を行う際に逮捕を伴うことは少なくありません。逮捕は,逃亡や証拠隠滅を防ぐ目的で行われますが,児童買春事件では加害者が児童に連絡を取る手段を持っていることが多く,加害者と児童との接触を防ぐために逮捕される場合があります。
また,事件類型的に余罪が多い傾向にあり,児童ポルノ画像,映像を所持している場合も少なくないため,これらの証拠隠滅を防ぐ目的も兼ねて,逮捕の上で捜査することが一定数見られます。

しかしながら,児童買春事件について示談が成立した場合,少なくともその事件で逮捕をする必要はほとんどなくなります。示談が成立している以上,加害者が児童に何らかの損害を与える見込みがないためです。
また,余罪のみを理由とした逮捕は法的に認められないため,余罪の具体的な疑いや証拠がなければ,余罪が逮捕につながることもありません。

そのため,児童買春事件では,逮捕されず在宅捜査されている段階で示談を目指すことが非常に有力と言えるでしょう。

③逮捕後の早期釈放

児童買春事件で逮捕されてしまった場合,示談が成立すれば早期に釈放される可能性が非常に高くなります。
示談が成立する場合,加害者は児童に謝罪や支払などの誠意を尽くしていることが明らかであるので,釈放しても不利益につながる見込みがないためです。

特に,捜査機関に対して犯罪事実を認めている状況だと,あわせて示談が成立することで早期釈放の可能性は飛躍的に高まると言えるでしょう。認め事件で逮捕勾留されてしまった場合には,迅速に示談を目指すことが非常に重要です。

ポイント 示談のメリット
処分軽減
逮捕防止
早期釈放

児童買春事件で示談をする方法

児童買春事件の場合,児童と直接連絡を取る手段があれば,児童に連絡を試みる手段も思い浮かぶかもしれません。しかし,自分で児童と直接連絡を取って示談を目指すことは適切ではありません。
その具体的な理由としては,以下の点が挙げられます。

当事者同士で示談の連絡を試みるべきでない理由

1.児童本人に示談をする能力がない
→親権者に無断で行った示談は取り消される可能性がある

2.児童に対する脅迫や強要を疑われる可能性がある
→親権者に発覚した際,脅迫や強要の疑いを晴らす手段がない

3.逮捕のリスクが高くなる恐れがある
→児童への働きかけによる証拠隠滅を疑われかねない

以上の通り,当事者同士で示談の連絡を試みることは,示談の効力そのものに問題があるのみならず,自ら逮捕の危険を招く結果になる可能性すらある不適切な行為です。

示談を目指す場合は,捜査されている状況かどうかによって,以下のいずれかの方法を取るのが適切です。

適切な示談の試み方

1.捜査されていない場合
→①弁護士から児童側に連絡を取ってもらう
→②警察に出頭(自首)した後,弁護士から捜査機関に連絡を取ってもらう

2.捜査されている状況の場合
→弁護士から捜査機関の担当者に連絡を取ってもらう

いずれの場合も,弁護士を窓口にして連絡を行うことが肝要です。弁護士であれば,脅迫や強要による証拠隠滅行為をすることはないと理解してもらえるため,示談交渉が円滑に進められます。
なお,捜査機関に連絡を入れる場合の示談交渉に至る流れは以下の通りです。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

児童買春事件の示談金相場

児童買春事件の場合,30万円前後が示談金額の目安にされることが多く見られます。刑事事件の示談は加害者側が譲歩しやすいことを考慮しても,あまりに悪質な手口で児童買春に誘い込んでいる場合を除き,30~50万円ほどでの合意が相場とされやすいでしょう。

個別の示談金額は,事件の内容や双方の意向によって左右されますが,金額を増減させやすい事情としては,以下の点が挙げられます。

示談金額を増減させる事情

1.児童買春に至る経緯
→児童を執拗に誘うなど,意思決定に強い影響を与えている場合には増額されやすい

2.性行為の内容
→児童が希望しない行為をさせた場合には増額されやすい

3.頻度・回数
→頻度が高く,回数が多いほど増額されやすい

4.児童への悪影響
→生活の乱れや精神疾患につながっている場合は増額されやすい

児童買春事件の示談内容・条項

①一般的な示談条項

【確認条項】

加害者の被害者に対する支払金額を確認する条項です。

【給付条項】

確認条項に記載した金銭の支払をどのように行うのかを定める条項です。

【清算条項】

示談で定めた条項以外には,当事者間に権利義務の関係がないことを定める条項です。当事者間には,加害者が児童へ損害賠償を支払う義務が生じる可能性もありますが,清算条項を設けることによってその点が紛争化することも予防できます。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項とは,被害者が加害者を許す,という意味の条項です。
示談が刑事処分に有利な影響を及ぼすのは,基本的にこの宥恕条項があるためです。被害者が加害者を許している,という事実が,刑事処分を劇的に軽減させる要素となります。

②児童買春事件で特に定めやすい条項

【連絡先や連絡方法の消去】

今後当事者間で連絡を取ることがないよう,連絡先や連絡に用いていたSNSアカウントなどを消去することがあります。SNSアカウントに関しては,再作成も不可能ではないため,アカウントの再作成をしないという約束を取り交わすケースもあり得ます。

【接触禁止】

当事者間で連絡を取らないことをより確かにするため,連絡等の接触を禁止する旨を明記することがあります。
接触しないことをより強く約束する場合には,約束に反した場合に違約金を支払うという約束をすることもあります。

【口外禁止】

児童売春の事実は,加害者はもちろん児童にとっても流出を防ぎたい情報であることが通常です。そのため,口外の禁止を児童側から求められる場合も考えられます。
口外禁止条項を設ける場合は,双方に口外を禁止することが一般的です。

児童買春事件の示談で注意すべきこと

①捜査されていない段階で示談を試みるか

児童買春事件が捜査されていない段階では,自分から積極的にアクションを取らなければ示談交渉の開始自体が困難です。具体的には,以下のような方法が挙げられます。

捜査されていない段階で示談交渉の開始を目指す方法

1.弁護士から児童側に連絡を取ってもらう
2.警察に出頭(自首)した後,弁護士から捜査機関に連絡を取ってもらう

しかしながら,これらの手段は,自分から事件の捜査・処分を招く結果になるリスクがあります。つまり,「動かなければ捜査されなかったのに,動いたばかりに捜査・処分の対象になってしまった」という結果になる可能性があるのです。

円滑に示談ができれば,刑事処罰を受けずに済む可能性は高くなりやすいですが,示談が不成立に終わった場合には問題が大きくなります。処分を防ぐために動いたにもかかわらず,動いたことでかえって処罰を受けてしまうことも否定できないのです。

そのため,捜査されていない状況で児童側との示談を検討する場合には,勢いに任せた判断を避け,刑事事件に強い弁護士への十分な相談を尽くすようにしましょう。

②余罪がある場合にどこまで示談が必要か

児童買春事件は,一人を相手に1件だけ行った,という場合よりも,複数人を相手に複数回行った,という場合の方が多い傾向にあります。つまり,児童買春事件は余罪が多くなりやすい事件類型ということができます。
そして,余罪がある場合には,その余罪について示談をするべきなのか,余罪がいくつかあればどの件を示談すべきなのか,という点が重要な問題になります。

この点,結論的には,「捜査の対象となった件について,そのすべてを示談する」のが最も適切でしょう
余罪の中には,具体的な捜査・処分の対象とされる件とそうでない件があります。その違いは,主に「児童(又は親権者)が警察に捜査を求めているか」によって区別されるのが一般的です。言い換えれば,児童側が捜査を求めたときに,それをきっかけにして捜査が行われる傾向にあります

具体的な捜査の対象となった事件は,すべて起訴される可能性があり,起訴されれば刑罰を受ける(=前科が付く)結果となってしまいます。そして,捜査されている件が複数ある場合,ある事件で示談をしても他の事件の処分には影響を及ぼしません。示談をした児童は,他の事件に関しては他人でしかないためです。

そのため,「捜査の対象となった件について,そのすべてを示談する」べきということになるのです。
逆に,具体的な捜査の対象となっていない件については,示談をすることに不利益こそありませんがメリットもないため,積極的に示談を試みる対象とする実益はないでしょう。児童側で問題になっていない以上,こちらから問題として蒸し返す必要がないとも言えます。

③親権者が強い悪感情を持っていないか

児童買春事件の場合,示談交渉の相手は親権者になるのが通常ですが,親権者の対応は個別のケースによって様々です。代表的には,以下のような場合が多く見られます。

示談相手となる親権者の対応

.児童側にも大きな問題があったと考えている
2.内容次第では円滑な解決を想定している
3.児童を唆して性的行為に至ったことを強く憤っている

親権者の感情としては,「1」が最も穏やかであり,「3」が最も強い悪感情であるということになりますが,具体的なケースがいずれに当たるかは連絡を試みてみなければわかりません。
場合によっては,親権者が児童から問題の断片だけしか聞き取っていない場合もあり,そのために強い憤りを示されることも少なくありません。

児童買春事件は,児童の了承を得て性的行為に及ぶものであるため,「お互い様」という面があると考えることも不可能ではありません。しかし,示談を試みる場合には,「お互い様」発想を親権者も持っているとは限らないということを十分に想定しておくことをお勧めします。

児童買春事件で弁護士を選ぶタイミング

①逮捕直後

児童買春事件では,捜査に際して逮捕されるケースも少なくありません。しかし一方で,逮捕された児童買春事件で早期釈放がなされるケースも決して少なくはありません。
そのため,児童買春事件で逮捕された場合,その直後に適切な弁護士への依頼をすることによって,早期釈放につながる可能性も十分に考えられるでしょう。

もちろん,早期釈放が困難な児童買春事件も少なからずあるところです。ただ,今回の事件は早期釈放が可能か困難か,その理由は何か,という点を把握することができるのも,逮捕直後に弁護士を選ぶことの重要な利点と言えるでしょう。

ポイント
児童買春事件は,早期釈放が可能なケースも考えられる

②出頭を求められた後

児童買春事件で警察等から出頭を求められた場合,取調べ目的であることが見込まれます。取調室で事件の内容等を聴取し,供述調書という書面にまとめることが,呼び出しの目的であることが通常でしょう。
この点,取調べに際してどのような回答をすべきか,留意すべき点はあるか,といった問題は,個別の事件によって正解が異なりますが,今回の事件での正解を知るためには,専門家である弁護士の判断が不可欠です。事件の争点を法的に整理し,争点との関係で適切な対応を尽くすことが重要となるためです。
特に,児童買春事件で争点となりやすい特徴的なポイントもあるため,それらを押さえておくことでその後の対応が格段に行いやすくなる場合も少なくありません。

出頭を求められた段階は,その後の取調べ対応を万全なものとするため,適切な弁護士選びを行うべきタイミングと言えるでしょう。

ポイント
取り調べの対応方針は,弁護士の判断が適切

③起訴された後

児童買春事件で起訴される場合,「公判請求」と「略式請求」の二通りの方法があります。公判請求は,公開の裁判を行う手続,略式請求は公開の裁判を省略する手続ですが,一般的には略式手続の方が軽微な事件で用いられます。略式請求の場合,罰金刑を超える処分はできないため,罰金刑に収まる事件であることも必要です。

公判請求と略式請求

公判請求
→公開の裁判を行う。略式の場合よりも刑事責任が重いケース

略式請求
→公開の裁判を省略する。罰金刑にとどまるケース

この点,略式請求であれば書面の手続のみで終了しますが,公判請求の場合には公開の裁判を受ける準備が必要となります。公開の裁判でどのような対応を取るかは,刑事処分の結果を左右する重要なものであるため,その準備は弁護士に依頼して十分に行うことが適切です。
そのため,公判請求をされた場合には,公判の準備のため適切な弁護士を選ぶべきタイミングと言えます。

ポイント
公判請求された場合,裁判の準備が必要となる

④自首を試みるとき

児童買春事件は,事件の性質上,児童との間で秘密裏に行われることから,事件の発生から捜査機関の発覚までに相当程度の期間を要することが少なくありません。そのため,捜査機関に事件が発覚する前に自首をすることで,大きな不利益を回避できる場合もあります。
もっとも,自首をするべきかどうか,する場合にどのような方法で進めるか,という点は,当事者の方には判断が困難な問題であり,専門的な検討が不可欠です。

そのため,自首を試みるときには,専門性のある弁護士に依頼をし,弁護士の意見を仰ぎながら進めることが適切です。自首の検討をご希望のときは,弁護士選びを十分に行うことをお勧めします。

ポイント
事件の発生から発覚までに時間がかかりやすい
事件発覚前に自首することが有益な場合も

児童買春事件の弁護士を選ぶ基準

①児童買春事件の特徴を把握しているか

児童買春事件は,弁護士にとって意識すべき特徴が複数あります。これらの特徴を把握し,具体的な弁護活動や依頼者への案内に反映させられることは,弁護士にとって重要な能力と言えるでしょう。

児童買春事件の弁護活動における特徴

1.親権者の位置づけ
→児童は未成年であるため,児童側と示談などの接触を試みる場合には,法的には親権者を相手にする必要があります。もっとも,刑事事件の解決という限度では,児童自身との間で解決を図る方が適切なケースもあります。

2.示談の効果
→児童買春事件は,示談をしたとしても刑事処罰を受けないとは限りません。そのため,示談をしてもなお刑罰を受ける結果となる可能性には留意が必要です。

3.余罪の取り扱い
→同種の余罪がある場合,捜査機関に対してどのように述べるか,余罪の解決をどのように図るか,という点は,個別の事件により大きく異なります。

弁護士選びに際しては,児童買春事件の特徴を適切に把握しているかどうか,という点を重要な基準とすることをお勧めします。

②迅速な対応ができるか

児童買春事件の弁護活動は,動きが迅速であることが極めて重要となる場合が少なくありません。時間制限のある身柄事件はもちろん,円滑な児童側との示談に際しても,条件をすり合わせる弁護士のフットワークが大きな役割を果たしやすい傾向にあります。

もっとも,動きの迅速さは完全に個々の弁護士の判断に委ねられているのが現状です。迅速な対応をしてもらえるかどうかは弁護士次第,ということになってしまいます。
そのため,弁護士を選ぶ際には,その弁護士が迅速に動いてくれるタイプであるかどうか,という点を重視するのが有益でしょう。

③弁護士と円滑に連絡が取れるか

弁護士と連絡を取る方法や連絡の頻度は,弁護士により様々です。特に,「弁護士と連絡したくても連絡が取れない」という問題は,セカンドオピニオンとして相談をお受けする場合に最も多く寄せられるお話の一つです。
電話をしても常に不通となって折り返しがない,メールへの返信も全くない,といったように,弁護士との連絡が滞るという問題は生じてしまいがちです。

そのため,弁護士と円滑に連絡が取れるか,という点を重要な判断基準の一つとすることは,事件解決のために有力でしょう。

なお,法律事務所によっては,事務職員が窓口になって弁護士が直接には対応しない運用であるケースも考えられます。そのような運用が希望に合わない場合は,依頼後の連絡方法を具体的に確認することも有益でしょう。

④児童買春事件の示談に長けているか

児童買春事件の示談は,傷害事件や窃盗事件などの一般的な示談とは異なる面があります。それは,示談相手である児童が一方的な被害者とは言いづらい,という点です。
児童買春は,少なくとも当事者同士は合意をして行われたものであるため,被害者の意思に反して殴られた,盗まれたという事件とはいささか性質が異なるというわけです。

もっとも,児童が合意したことを理由に,児童側に対してある程度強気に出てよいかというと,そうではありません。そのような態度は,示談の成立を遠ざける意味しか持たないのが通常です。そもそも,児童の合意があっても犯罪行為であることに変わりはないため,児童が合意したという事実を示談の場に持ち出して交渉材料とするのは法的にも不合理でしょう。

弁護士選びに際しては,このような児童買春事件の特徴を踏まえ,円滑に示談の成立を引き出せる弁護士への依頼をお勧めします。

児童買春事件で弁護士に依頼する場合の注意点

①余罪によって見通しが変わる可能性

刑事事件の取り扱いや処分は,対象となる事件の数によって異なることが一般的です。処分すべき事件が多ければ,それだけ捜査は長期間かかり,処分も事件の数に比例して重くなることが見込まれやすくなります。

余罪は,そのすべてが捜査や処分の対象となるわけではありませんが,児童買春事件の場合,芋づる式に複数の事件が捜査されることも多い傾向にある事件類型と言えます。そのため,児童買春事件の見通しは余罪によって変わり得る,という点に注意することが望ましいでしょう。

②身柄事件のスケジュール

逮捕などの身柄拘束を伴う事件を,身柄事件と呼びます。この身柄事件は,法律で定められた期間制限の中で処理する必要があるため,厳密なスケジュールがあることに注意することが望ましいでしょう。

逮捕をされると,最大72時間以内に「勾留」という手続に移行するかが判断されます。勾留されると,引き続き10日間の身柄拘束が行われ,更に「勾留延長」がなされると勾留が最大10日間延長となります。

逮捕から起訴までの流れ

裏を返すと,逮捕から最長22~23日ほどの間に捜査が終結し,起訴又は不起訴の判断が行われることになります。そのため,不起訴を目指すための弁護士選びは,このスケジュールを念頭に,極力早期に進めることが必要です。

③年齢に関する争点の重要性

児童買春事件は,児童(=18歳未満の男女)を相手とした事件です。一方,18歳以上を相手に同様の行為をした場合,売春防止法で禁じられる違法な行為である可能性は高いものの,罰則の対象ではないため犯罪とはならないのが一般的です。そのため,相手が18歳未満であることは,犯罪が成立するかどうかという点で非常に重要なポイントになります。

具体的には,以下のような問題が生じ得るところです。

児童買春事件で年齢が問題になるケース

1.相手の年齢が実際に18歳未満でない可能性がある場合

2.相手の年齢が18歳以上だと信じていた場合

児童買春事件の場合,年齢に関する争点は極めて重大なものとなるため,年齢が争点となる場合には弁護士の専門的な判断を仰ぐことを強くお勧めします。

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【児童ポルノ事件の示談を知りたい人のために】児童ポルノと示談の関係,示談の方法や金額,示談の効果などを一挙解説

このページでは,児童ポルノ事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

児童ポルノ事件は示談で不起訴になるか
児童ポルノ事件で示談する意味
児童ポルノ事件で示談をする方法
児童ポルノ事件の示談金相場
児童ポルノ事件の示談内容・条項
児童ポルノ事件の示談で注意すべきこと
児童ポルノ事件の示談に必要な費用

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児童ポルノ事件は示談で不起訴になるか

児童ポルノ事件でも示談は有力な手段です。児童ポルノに関する事件として最も代表的なのは児童ポルノの「製造」事件ですが,これは児童ポルノを撮影したり,児童本人に撮影させてデータを送信してもらったりする行為が該当します。そして,被写体となった児童及びその親権者との間で,児童ポルノ製造事件について示談をすることは数多く見られます。

ただし,製造をはじめとする児童ポルノ事件については,示談をしたから不起訴になるというわけではない,という点に注意が必要です。

そもそも,示談が不起訴の重要な材料になるのは,事件の被害者自身が,示談によって不起訴を希望することとなったためです。被害者の存在する事件では,その被害者の意向を起訴不起訴の判断に反映させる取り扱いが一般的であるため,被害者が不起訴を望む以上は不起訴にすべきだ,という結論になりやすいわけです。

しかしながら,児童ポルノの事件は,単純に示談を被害者とする事件というのみでなく,社会の秩序を乱すという側面があると言われています。児童ポルノが広く製造されてしまうと,児童が健全に成長できる社会にならないため,児童ポルノ事件を犯罪とすることで健全な社会を守ろうとしているということです。

児童ポルノ事件の二つの側面

1.被害者である児童を保護する側面

2.社会の秩序を維持する側面

そうすると,児童ポルノ事件における示談は,「1.被害者である児童を保護する側面」には大きく影響するものの,「2.社会の秩序を維持する側面」から起訴するべきだという問題は解決できないため,示談をしても起訴される可能性が十分に残るのです。
そのため,児童ポルノ事件では「示談=不起訴」でないという点に十分留意するのが適切でしょう。

もっとも,これは児童ポルノ事件で示談する利益がない,という意味ではありません。児童ポルノ事件で不起訴を目指す最も有力な手段は,やはり示談であることがほとんどでしょう。
その点では,「示談=不起訴」ではないことを踏まえつつ,不起訴を目指すのであれば示談を試みることが望ましいと言えます。

ポイント
児童ポルノ事件は示談しても起訴される可能性がある
ただし,不起訴を目指す最も有力な手段が示談であることは変わりない

児童ポルノ事件で示談する意味

児童ポルノ事件の場合,示談されてもなお起訴される可能性はあるため,示談をすることにどのような意味があるのか,という疑問を持たれる場合もあり得るところです。
この点,結論的には,児童ポルノ事件の示談には大きな意味がある,と考えるのが適切でしょう。具体的には,以下のような意味があり得ます。

①処分の軽減

児童ポルノ事件で示談しても不起訴にならないことがある,というのは,示談に不起訴の可能性を高める効果がないという意味ではありません。示談は間違いなく不起訴の可能性を高める重要な要素です。
また,仮に示談で起訴が避けられなかったとしても,起訴後の処分の重さは示談するのとしないのとで大きな差が生じます。

刑事処罰には,大きく分けて罰金,執行猶予,実刑という3種類の内容があります。

刑事罰の種類

この点,罰金で終了すれば,公開の裁判を受ける必要なく,金銭の支払だけで手続が終了するため,最も軽微な処分と言えます。一方,執行猶予では刑務所には入らないものの公開の裁判を受けることになり,実刑では直ちに刑務所へ収容されることとなります。

児童ポルノ事件では,初犯の場合に執行猶予又は罰金という処分が多く見られますが,示談によって執行猶予が罰金になったり,同じ罰金でも罰金額が大きく減少したりと,示談を考慮した処分の軽減となるのが通常です。

なお,罰金額の減少は,より軽微な前科しか残らなかったということになるため,万一その後に別件で刑事処分を受けた場合の重さに大きな影響を及ぼします。

②逮捕の回避

児童ポルノ事件は,捜査に際して逮捕される場合されない場合いずれも考えられる事件類型です。そして,逮捕を行うかどうかは,捜査の初期段階で判断されることもあれば,捜査がある程度進行した段階で判断されることもあります。

この点,比較的早期に示談が成立すれば,その後に逮捕される可能性は非常に低くなるでしょう。特に逮捕するべき事情が他になければ,示談が成立した児童ポルノ事件で逮捕されることは考え難いと言っても過言ではありません。

示談を早期に試みることで,示談そのものの成功率も高くなりやすいため,迅速に示談を進め,逮捕を回避することを目指すのは非常に有力でしょう。

③金銭請求の予防

児童ポルノ事件が発生した場合,児童の親権者から,児童に生じた損害の賠償を請求される可能性があり得ます。例えば,児童ポルノの流出によって精神的苦痛を受けた,不登校になってしまった,精神疾患が生じてしまったなど,児童の生活に支障が生じた場合には,具体的な損害もあるため,その損害を金銭で埋め合わせるよう求められる可能性が高くなるでしょう。

この点,示談の成立は当事者間の金銭問題の解決を意味するものです。示談が成立すれば,その後に金銭請求を受ける筋合いは法的になくなります。そのため,示談が成立することで,その後の一切の金銭請求が予防でき,大きな安心につながるでしょう。

児童ポルノ事件で示談をする方法

児童ポルノ事件で示談をする場合は,まず弁護士に依頼をしましょう。弁護士を窓口にして,弁護士限りで相手と連絡を取ることが不可欠です。

児童ポルノ事件で捜査を受けている場合,依頼を受けた弁護士は,捜査機関の担当者に示談希望の旨を連絡します。連絡を受けた捜査機関から児童側(通常は親権者)に連絡を取ってもらい,示談のお話に応じるか意思確認をしてもらうためです。
意思確認の結果,児童側の了承が得られれば,弁護士との間で連絡先を交換し,示談交渉を開始することができます。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

この点,代表例である児童ポルノ製造事件では,SNSなどで児童と直接連絡を取っていることが多く,児童との連絡手段が存在するケースも珍しくはありません。しかし,児童との直接の連絡は控え,警察や検察の担当者を通じて連絡を試みるようにしましょう。
例外的に,まだ捜査を受けていない段階では,児童の連絡先に直接問い合わせるしかないこともあります。もっとも,この場合でも当事者間で連絡を取ろうとするのはトラブルの原因になるため,弁護士から連絡を入れてもらうなど,事前に弁護士と十分に相談してください。

ポイント
弁護士を通じて,捜査機関担当者に連絡を入れてもらう
捜査を受けていない場合は,弁護士を通じて連絡を試みてもらう

児童ポルノ事件の示談金相場

児童ポルノ事件のうち,最も代表的な児童ポルノ製造事件では,概ね30~50万円ほどが示談金の目安とされやすいでしょう。

この点,示談金額に影響を及ぼす事情としては,主に以下の各事項が挙げられます。

示談金を増減させる事情

1.製造に至った経緯
→児童の意思を強く誘導しているほど増額要因になる

2.児童ポルノの数・内容
→数が多く,過激であるほど増額要因になる

3.児童の年齢
→年齢が低いほど増額要因になる

4.生活への影響
→児童の私生活や学校生活に具体的な支障があると,増額要因になる

5.親権者の受け止め
→親権者が,児童が被害を受けたという認識を強く持つ場合,増額要因になり得る

6.加害者側の経済力
→経済力に限りがある場合,減額要因になる

児童ポルノ事件の示談内容・条項

①一般的な示談条項

【確認条項】

加害者の被害者に対する支払金額を確認する条項です。

【給付条項】

確認条項に記載した金銭の支払をどのように行うのかを定める条項です。

【清算条項】

示談で定めた条項以外には,当事者間に権利義務の関係がないことを定める条項です。清算条項があることによって,児童側からの金銭請求を未然に防ぐことが可能になります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項とは,被害者が加害者を許す,という意味の条項です。
示談が刑事処分に有利な影響を及ぼすのは,基本的にこの宥恕条項があるためです。被害者が加害者を許している,という事実が,刑事処分を劇的に軽減させる要素となります。

②児童ポルノ事件で特に定めやすい条項

【連絡禁止・接触禁止】

児童側に対する一切の連絡を禁じ,その他方法の手段を問わず接触することをあわせて禁止する条項です。
児童ポルノの事件では,加害者と児童とが知り合い,性的な内容のコミュニケーションを交わすことを通じて生じることが大多数です。そのため,原因となったコミュニケーションを将来に渡って絶つことが,示談の条件として定められやすい傾向にあります。

【児童ポルノの削除・撮影機器の処分】

児童側は,児童ポルノの流出を強く懸念していることが通常です。加害者側に流出させる意図が全くなかったとしても,言葉のみでは信用し難いとのリアクションを受けることは珍しくありません。

そのため,当該児童ポルノ画像・映像を削除することや,撮影に用いた機器を処分することを条項に盛り込み,児童側の安心につながる示談内容とするケースも少なくありません。
場合によっては,データを処分したことや機器を処分したことの根拠を事前に示すこともあり得るでしょう。具体的な方法は,個別の協議によるところです。

【SNSアカウントの削除】

当事者がSNSを通じて知り合った場合,該当するSNSアカウントを削除し,連絡方法を具体的に失わせることも考えられます。
これは,連絡禁止をより確かにするため追加で設ける条項,という意味合いが強いでしょう。

児童ポルノ事件の示談で注意すべきこと

①示談と不起訴の関係

児童ポルノ事件は,示談が成立しても不起訴が見込めるとは限らない,という点に注意が必要です。起訴前の示談は,不起訴を目指すために行う場合がほとんどですが,示談は実現できても不起訴は実現できない可能性がある,ということをあらかじめ踏まえて示談に臨むことが大切になります。

この点は,児童側から示談条件を求められた場合にどこまで応じるのか,という判断に強く影響することが考えられるでしょう。不起訴が約束されるのであれば大きな不利益を受け入れることができても,不起訴になるかが不透明であれば受け入れづらい,ということは少なくありません。

事件の内容や示談の状況によっては,弁護士が検察官との協議を試み,児童側の要望に応じて示談をすることを条件に不起訴処分を求める,という動き方もあり得るところです。そのような見込みや活動方法に関しては,やはり刑事事件に精通した弁護士への十分なご相談を強くお勧めいたします。

②余罪がある場合

児童ポルノの事件では,複数の児童を相手に児童ポルノ製造事件が起きている場合もあります。事件類型としては,比較的余罪の多い傾向にあるでしょう。特に,SNSを通じて児童と知り合う方法の場合,不特定多数の児童と連絡を取ることが可能であり,相手となる児童も不特定多数になることが少なくありません。

この点,複数の児童に対する事件がいずれも捜査・処分の対象となる場合,全体として不起訴になるためにはすべての相手との間で示談を行う必要があります。一人の児童と示談ができても,ほかの児童に対する事件の処分とは関係がないためです。

そのため,「示談=不起訴」と限らない点も相まって,余罪のある児童ポルノ事件では示談の試みに関する判断が非常に難しいという特徴があります。理想は全件の示談ですが,経済的な条件や処分見込みなどを踏まえて,やはり弁護士との十分なご相談をされるのが望ましいでしょう。

③親権者の感情面

児童ポルノの事件は,相手の当事者が児童(=未成年)であるため,示談交渉の相手は親権者となることが通常です。そして,親権者は加害者側に対して強い被害感情を持っている場合が少なくはありません。その理由としては,以下のような点が挙げられます。

親権者の被害感情が強い場合の理由

1.子である児童への思い入れ
2.事件の全体像を知らない(特に児童が何をしたか)
3.警察から被害者の立場であると指摘されている

一方で,児童ポルノ製造の事件は,児童が製造行為に応じていることがほとんどであり,加害者としては「無理矢理製造したわけではないのに」という感覚を持つことも少なくありません。そのため,児童の親権者が強い被害感情を持っている一方,加害者側としては児童に大きな被害を与えた,という認識まではないなど,当事者間のズレが生じることも多数見られます。

示談を試みる場合は,親権者が想像以上に強い被害感情を持っている可能性があることを事前に踏まえておくことが望ましいでしょう。また,その点を正確に踏まえた弁護士に依頼することで,円滑かつ合理的な内容の示談につながる可能性が高くなります。

児童ポルノ事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で児童ポルノ事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

一般的な在宅事件では,34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

児童ポルノ事件の場合,30~50万円の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(30万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:30万円

計:119万円

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

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【侵入窃盗事件の示談を知りたい人のために】侵入窃盗で示談をすることの重要性や示談方法,具体的な示談金額・内容など弁護士が解説

このページでは,侵入窃盗事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

侵入窃盗事件で示談は必要か
侵入窃盗事件における示談のメリット
侵入窃盗事件で示談をする方法
侵入窃盗事件の示談金相場
侵入窃盗事件の示談内容・条項
侵入窃盗事件の示談で注意すべきこと
侵入窃盗事件の示談に必要な費用

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侵入窃盗事件で示談は必要か

侵入窃盗事件の場合,身に覚えのない事件であるケースを除いて示談は必要と考えるべきでしょう。

前提として,侵入窃盗事件には以下の類型があります。

住居への侵入(住宅対象侵入窃盗)

①空き巣居住者がいないところに侵入し,窃盗する
②居空き(いあき)居住者がいるところに侵入し,窃盗する
③忍び込み居住者の就寝中に侵入し,窃盗する
.

住居以外への侵入

①出店荒らし営業時間外の店舗に侵入し,窃盗する
②事務所荒らしビルなどのオフィスに侵入し,窃盗する

これらの侵入窃盗行為は,被害者に生じる損害が大きく,被害者を保護する必要が非常に大きいため,加害者側の取り扱いも重いものになりやすいです。捜査の対象になれば逮捕勾留が見込まれやすく,犯罪が立証されれば起訴されやすく,事件の程度によっては初犯で実刑判決を受け,刑務所に入ることを強いられる場合もあり得るところです。

このように,侵入窃盗事件の場合には捜査や処罰の対象になった場合の不利益が非常に大きいため,その不利益を軽減させる試みがとても重要になります。そして,加害者側の不利益を最も大きく軽減させるものが,示談です

示談が成立するかしないかによって,刑事手続における取り扱いが決定的に変わることも決して珍しくはありません。侵入窃盗事件で処分の軽減を目指す場合は,まず示談を検討することが適切でしょう。

ポイント
侵入窃盗事件は,逮捕や起訴などの面で重い取り扱いになりやすい
示談ができれば取り扱いが決定的に軽減することも珍しくない

侵入窃盗事件における示談のメリット

①逮捕の回避

侵入窃盗事件は,被疑者(加害者)を逮捕した上で捜査を行うことが非常に多い類型です。捜査機関が犯罪捜査を行う場合には,被疑者を逮捕して行う身柄事件と逮捕せずに行う在宅事件がありますが,重大事件であり逮捕の必要性が高い場合には,身柄事件として扱われる傾向にあります。侵入窃盗事件は,類型的に逮捕の必要性が高いと理解されているわけです。

この点,逮捕前に被害者との示談を成立させることができれば,その後逮捕される可能性は非常に小さくなります。なぜなら,被疑者の逮捕は被害者保護を大きな目的の一つとして行うところ,示談成立後であれば被害者保護の必要はほとんどなくなるためです。
逮捕前に示談を成立させることは容易ではありませんが,逮捕前の示談は極めて利益が大きいため,可能性がある場合には最優先で試みるのが適切でしょう。

②早期釈放

逮捕勾留をされた侵入窃盗事件の場合,示談によって早期釈放を図ることのできるケースが少なくありません。
逮捕前に示談ができれば,その後に逮捕をする必要がほとんどなくなる,という点を紹介しましたが,これは逮捕後であっても大きな違いはありません。つまり,逮捕後に示談が成立した場合,その後に逮捕勾留といった身柄拘束を続ける必要はほとんどなくなる場合が非常に多く見られます。

そのため,侵入窃盗事件で身柄拘束を受けている場合には,少しでも早い示談の成立を目指すことで,少しでも身柄拘束の期間を縮め,早期釈放を実現させるのが理想的です。認め事件の場合には,速やかに示談の試みを進めるようにしましょう。

③不起訴の獲得

侵入窃盗事件は,被害者の自宅など,部外者が入ってはならない場所への侵入を伴うために,窃盗事件の中でも悪質な事件類型とされやすいです。そのため,侵入窃盗事件で犯罪の立証に必要な証拠が揃えば,基本的には起訴されるものと考える必要があります。
そして,起訴された場合は,無罪判決を獲得しない限りは刑罰を受けることになり,前科が付くことも避けられません。

この点,起訴前に被害者と示談ができた場合には,同一の事件であっても不起訴処分となる可能性が非常に高くなります。それは,ほかならぬ被害者が不起訴を希望することになるためです。

起訴前に示談を行う場合,加害者側が求める最大の条件が,被害者に不起訴を希望してもらうこととなります。侵入窃盗事件のように被害者の存在する事件類型では,その被害者が起訴を望むか不起訴を望むかによって,処分が非常に大きく変わってきます。侵入窃盗事件でも,被害者が不起訴を望むのであればその通りに不起訴とするのが一般的と言えます。
そして,被害者に不起訴を希望してもらうための唯一の方法が,示談です。示談の内容として被害者が不起訴を希望する旨を盛り込み,捜査機関に提出できれば,不起訴の獲得が極めて現実的になるでしょう。

④実刑判決の回避

侵入窃盗事件は,その重大性から初犯であっても実刑判決の対象となる可能性があります。刑事裁判の判決には,大きく分けて執行猶予判決と実刑判決がありますが,執行猶予判決は刑務所に入る必要がない一方,実刑判決は直ちに刑務所に入ることを強制されてしまいます。

判決の種類

執行猶予判決刑務所に入る必要がない
実刑判決直ちに刑務所に入る必要がある

したがって,実刑判決になることは非常に大きな不利益であり,何としてでも避ける必要があると言えます。

この点,示談が成立している侵入窃盗事件の場合,一般的には実刑判決の対象となる可能性が非常に低くなります。特に実刑判決とするべき事情がなければ,示談成立後に実刑判決となることは考え難いと言ってもよいでしょう。
侵入窃盗事件で示談を行う場合,損害を補填するための金銭の支払を行った上で,少なくとも当事者間では一定の解決をすることを内容とするため,当事者間で解決した事件について,重ねて実刑判決という重い刑罰を科す必要はあまりないと考えられるのです。

侵入窃盗事件で起訴が避けられない場合にも,実刑判決の回避を目指すために示談を試みることを強くお勧めいたします。

⑤民事事件の同時解決

侵入窃盗事件では,被害者に重大な精神的苦痛が生じるとともに,盗まれた財産の分だけ被害者に経済的な損害も生じます。そのため,被害者は,これらの損害を加害者に金銭で賠償するよう求める権利を持つことになります。
当事者間の権利義務に関する問題を「民事事件」と言いますが,侵入窃盗事件は被害者と加害者の間における民事事件の側面も持つというわけです。仮に示談をしなかった場合,刑罰を受けてもそれで全て終わりではなく,今度は被害者から民事事件として金銭賠償を求められる可能性も十分に考えられます。

この点,示談が成立する場合,示談の中で民事事件の解決も行うことが通常です。具体的には「示談で定めるほかには互いに権利義務がない」ということを合意することになります。
このような合意をすれば,示談の内容以外には請求することもされることもないため,民事事件についても同時に解決でき,当事者間の関係を適切な形で終えることが可能になります。

侵入窃盗事件で示談をする方法

侵入窃盗事件で示談を試みる場合,基本的には捜査を受けている状態であるため,捜査を担当する警察や検察を通じて行うことが適切です。もっとも,警察や検察は,当事者間での直接のやり取りを許すわけにはいかないため,自ら行うのではなく,弁護士に依頼し弁護士を通じて行うことが必要です。

弁護士に依頼をした場合,弁護士が警察や検察に示談の希望を伝え,捜査担当者から被害者に連絡を入れてもらうことが一般的です。その後,被害者側から示談交渉が可能であるとの返答が得られれば,弁護士限りで被害者の連絡先が伝えられ,弁護士と被害者との連絡が始まることになります。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

侵入窃盗事件では,被害者が加害者側との直接のやり取りを希望している可能性がほとんどないため,どれだけ示談を希望する気持ちが強くても直接話をしようとすることは控えましょう。謝罪の意思を伝えるつもりであったとしても,その気持ちが正しく理解してもらえず,かえって逆効果になる可能性が非常に高く見込まれます。
正しいステップを踏むことで,謝罪や支払の意思を適切に伝えることが重要です。

ポイント
示談交渉は,弁護士が捜査機関に申し入れる方法で行う
被害者側への直接の交渉は控える

侵入窃盗事件の示談金相場

侵入窃盗事件の示談金は,ケースによって非常に大きな開きがあります。ただ,基本的な考え方としては,「侵入行為の精神的苦痛に対する支払」と「窃盗行為による財産的損害への支払」を合計したものということができるでしょう。

侵入窃盗事件の示談金

侵入行為の精神的苦痛に対する支払」

窃盗行為の財産的損害に対する支払」

この点,侵入行為の精神的苦痛を金銭換算する際の判断要素としては,以下の事情が挙げられます。

示談金の判断要素

1.侵入行為の回数
→多いほど示談金の増額要素となる

2.侵入した場所
→プライバシーの侵害が大きい場所であるほど増額要素となる

3.侵入方法
→悪質な方法であるほど増額要素となる

4.当事者間の関係
→被害者の信頼を裏切る侵入は増額要素となる

実際の示談交渉では,これらの要素を踏まえながら当事者間で協議を試みることになります。一般的には,増額要素に当たるものがない場合,侵入行為に対する支払額は20~30万円ほどが目安になりやすいところです。盗まれた財産が高額なものでなければ,30万円ほどを示談金とする例は少なくないでしょう。

ただし,増額すべき要素がある場合にはこれを大きく超える金額を要する可能性もある点には注意が必要でしょう。最も多く見られるのは,侵入行為が複数回に渡る場合です。
侵入窃盗事件は,その性質上,同じ場所に複数回侵入を繰り返すケースが少なくありません。当然ながら,頻繁に侵入されている場合の方が被害者の苦痛は大きくなり,示談に必要な金銭も多くなるのが通常です。
多数回の侵入があった事件では,概ね100~300万円といった高額の示談金とならざるを得ないことも考えられます。具体的な示談金額に関しては,個別の事情を踏まえて弁護士と十分に協議することをお勧めします。

ポイント
単純な事件であれば20~30万円ほどが目安か
複数回に渡る侵入行為があると金額が跳ね上がることも

侵入窃盗事件の示談内容・条項

①一般的な示談条項

【確認条項】

加害者の被害者に対する支払金額を確認する条項です。

【給付条項】

確認条項に記載した金銭の支払をどのように行うのかを定める条項です。

【清算条項】

示談で定めた条項以外には,当事者間に権利義務の関係がないことを定める条項です。清算条項があることによって,民事事件との同時解決が可能になります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項とは,被害者が加害者を許す,という意味の条項です。
示談が刑事処分に有利な影響を及ぼすのは,基本的にこの宥恕条項があるためです。被害者が加害者を許している,という事実が,刑事処分を劇的に軽減させる要素となります。

②侵入窃盗事件で特に定めやすい条項

【接触禁止】

加害者が被害者への接触を試みない,という内容を定める条項です。特に,加害者が被害者への性的な興味関心から事件を起こした場合に定めることが多く見られます。

【立入禁止】

加害者に対して,一定の場所への立入を禁止する条項です。侵入窃盗事件の場合,侵入場所や近辺への立入禁止を被害者が希望するケースが非常に多く見られます。この点は,被害者の求めに応じて可能な限り応じるのが適切でしょう。

侵入窃盗事件の示談で注意すべきこと

①事件が複数の場合が少なくない

侵入窃盗事件は,複数回行われているケースが少なくありません。この場合,回数を重ねるごとに行動や内容がエスカレートしていることも多く見られます。
事件が複数あることは,侵入窃盗事件の示談に大きな影響を及ぼします。具体的には,以下のような影響が挙げられるでしょう。

事件複数の場合の影響

【同一の被害者に対する複数の事件】

同じ被害者に対して複数の侵入窃盗事件がある場合,示談金がより高額にならざるを得ない可能性に注意が必要です。回数が多く,内容もエスカレートしていると,それだけ被害者の損害や苦痛は大きくなるため,被害者の損害を埋め合わせるための示談金も大きくなることが通常です。

【複数の被害者に対する事件】

事件が複数であり,かつ被害者も複数の場合,一人の被害者と示談ができても,全体が不起訴になるわけではない,という点に注意が必要です。一人の被害者が不起訴を希望したとしても,それはほかの被害者の事件には関係しないためです。

全体が不起訴となるには,処分される事件のすべてについて示談を行うことが必要になるでしょう。

②転居の問題が生じ得る

特に住宅への侵入窃盗事件の場合,被害者側が転居を希望し,転居費用を含めた示談金を請求する,ということも珍しくありません。そのため,示談を試みる場合には転居の話が生じ得る点に注意が必要でしょう。

この点は金銭の問題となるため,転居費用名目の金銭を上乗せするかどうか,という判断になりますが,基本的には被害者の希望に応じていくらかの上乗せをする方針が適切でしょう。これは,上乗せに応じないという対応では示談の成立が困難となりやすいためです。
裏を返せば,金額面の調整で示談の可能性がある,ということでもあるため,被害者側に示談交渉を拒絶される場合よりもはるかに望ましい状況と考えてもよいかもしれません。

③逮捕前の示談は容易でない

逮捕前に示談が成立すれば,侵入窃盗事件でも逮捕の可能性が非常に大きく低下しますが,現実に逮捕前の示談を行うことは容易ではありません。これは,自分に対する捜査がなされたことを知るのが逮捕のタイミングであるためです。「自分の事件が捜査されているから示談したい」では遅いのですね。

そのため,逮捕前の示談を試みる場合には,自分に対する捜査が行われているか分からない段階で自分からアクションを起こす必要があります。具体的には,警察などに自首(出頭)し,自分の犯罪行為を積極的に伝え,その上で示談を希望することを要するでしょう。

ただ,自分から出頭することは大きなリスクも付きまとう行為であるため,検討する場合には刑事事件に精通した弁護士へのご相談を強くお勧めします。

ポイント 注意点
複数事件の場合には配慮が必要
転居費用の支払が問題になり得る
逮捕前の示談は自首を要しやすい

侵入窃盗事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で侵入窃盗事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。
(身柄事件の場合)

①活動開始時

基本着手金33万円
着手金(身柄対応)22万円
実費相当額1万円
合計56万円

身柄事件では,56万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

侵入窃盗事件の場合,30万円前後の示談金が一例として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(身柄事件にて30万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:56万円+55万円=111万円(※)
示談金:30万円

計:141万円

※身柄事件では,接見を要する場合の出張日当が別途発生し得ます。

弁護士費用の例

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早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

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【自転車窃盗事件の示談を知りたい人のために】示談の方法や内容,示談金相場など示談の知識はこれで網羅

このページでは,自転車窃盗事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

自転車窃盗事件における示談のメリット
自転車窃盗事件でを試みる時期
自転車窃盗事件で示談をする方法
自転車窃盗事件の示談金相場
自転車窃盗事件の示談内容・条項
自転車窃盗事件における示談の特徴
自転車窃盗事件の示談に必要な費用

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自転車窃盗事件における示談のメリット

自転車窃盗事件は,弁護士に依頼するメリットが非常に大きい事件類型の一つと言えます。具体的なメリットとしては,以下の各点が挙げられます。

①前科が防げる

自転車窃盗事件は,方法や内容によって以下のような刑罰の対象になることが考えられます。

一般的な自転車窃盗窃盗罪 10年以下の懲役又は50万円以下の罰金
放置自転車占有離脱物横領罪 1年以下の懲役又は10万円以下の罰金
ゴミの場合自治体によっては窃盗罪や条例違反になる可能性あり

特に,放置されている自転車であることが明らかな場合には,出来心で乗り捨てをしてしまってもそれほど大きな問題がないように感じることがあるかもしれません。しかし,仮に放置自転車であっても占有離脱物横領罪に該当する犯罪行為になってしまいます。
また,自分は放置自転車だと思っていても,実際には放置自転車でなく人が管理している自転車であった,という場合,より重い窃盗罪に該当することが見込まれます。窃盗罪に該当するような自転車窃盗であれば,刑罰を受けて前科が付く可能性はより高くになるでしょう。

この点,刑罰が科されるかどうかを決める重要な判断要素の一つに,被害者の処罰感情が挙げられます。被害者のいる事件類型では,被害者が加害者の刑罰を望んでいるかどうかがとても大きな基準になるのです。
捜査が始まるときには,被害者が刑罰を望んでいることがほとんどです。捜査のきっかけは被害者の被害申告であることが一般的ですが,被害者は加害者への刑罰を望むからこそ被害を警察などに相談しているはずだからです。

そのため,自転車窃盗事件で刑罰を避けるためには,示談を行って「事後的に被害者が処罰を望まなくなった」という状態を作ることが極めて重要になります。逆に,被害者が処罰を望まなくなった場合,刑罰が科される可能性は非常に低くなり,ほとんどの場合では前科を防ぐことができるでしょう。

ポイント
自転車窃盗は窃盗罪や占有離脱物横領罪の対象
前科を防ぐためには被害者が刑罰を望まないことが重要
被害者が刑罰を望まないことを示す手段は示談

②逮捕を防げる

自転車窃盗は,決して逮捕されやすい事件類型ではありませんが,ケースによっては逮捕される場合も十分にあり得ます。一例としては,現行犯で見つかって逃走していた場合や,多くの余罪で事前にマークされていた場合,計画性があり悪質と考えられる場合などが挙げられるでしょう。

この点,自転車窃盗事件で逮捕をする大きな理由は,被害者を保護することにあります。加害者が被害者を特定した場合に,自分に不利益なことを言わせない目的や物証の隠滅を図る目的で被害者に接触する可能性があるため,接触を未然に防ぐ手段として逮捕する,というわけです。

しかし,示談の成立した自転車窃盗事件では,もはや加害者が被害者に接触する必要がありません。加害者にとって最も利益の大きい示談が,既に実現されているためです。
そうすると,自転車窃盗の事件で示談が成立した場合,逮捕の必要はほぼなくなることから,逮捕されることは通常なくなるでしょう。

ポイント
逮捕には加害者の被害者への接触を避ける目的がある
示談済みであれば被害者に接触する必要はなく,そのため逮捕の必要もない

③捜査を終了させられることがある

刑事事件で捜査が開始すると,警察が取り調べや証拠収集を進め,事件を検察庁に送致し,送致を受けた検察庁で処分を受ける,という流れをたどります。

捜査の流れ

1.警察による証拠収集
2.警察から検察への送致
3.検察での処分(起訴又は不起訴)

この点,示談できれば検察での処分は不起訴になりやすいですが,逆に言えば示談してもその場で手続が終わるのでなく,検察での処分までは進むのが大原則です。
しかし,自転車窃盗で早期に示談が成立し,被害者が許す意思を明らかにした場合,事件が比較的小さなものであれば,警察が直ちに捜査を終了させて検察に送致せず終了する可能性もあります。

検察による処分までは,一般的に数か月を要するため,その間の手続負担を回避できるとなれば非常に大きなメリットになるでしょう。

ポイント
示談しても警察から検察に送致されるのが通常
軽微な事件で早期に示談できれば,例外的に送致されず終わることも

自転車窃盗事件で示談を試みる時期

自転車窃盗事件における示談は,早ければ早いほど望ましいでしょう。それは,示談のメリットは示談成立が早いことが前提となっているためです。

示談のメリットと早期示談の関係

1.前科の回避
→起訴される前に示談をすることが必要

2.逮捕の回避
→逮捕するかが判断される前の示談が必要
(逮捕されるかどうかは捜査中の早い段階で判断される)

3.早期終了の可能性
→警察が検察に送致する前の示談が必要

自転車窃盗事件の示談を検討する場合は,少しでも早く動き出すため,まずは一度弁護士に相談してみましょう。

自転車窃盗事件で示談をする方法

自転車窃盗事件で捜査を受けている場合,示談をするためには捜査機関(警察や検察)にその旨を申し入れ,捜査機関から被害者に連絡を取ってもらうことが必要です。
もっとも,捜査機関は加害者本人と被害者を引き合わせることをしません。当事者同士で連絡を取らせるのは,被害者にとって不適切である上,二次被害の原因になる可能性がある,と考えるためです。
そのため,自転車窃盗事件で示談を試みるためには,弁護士に依頼の上,弁護士を通じて動くことが必要となります。

具体的な流れは,以下の通りです。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

自転車窃盗事件は,他人の財産に損害を与える事件のため,その財産を埋め合わせる金銭の支払を行うのが通常です。金銭の支払いは,示談金という形で行うことになりますが,これも直接当事者間で支払うのではなく,弁護士に金銭を預け,弁護士から被害者に支払う方法を取るのが適切でしょう。

ポイント
弁護士から捜査機関に対して示談の申し入れをしてもらう
金銭の支払も弁護士を通じて行う

自転車窃盗事件の示談金相場

自転車窃盗事件の示談金は,対象となった自転車の価格によって大きく変わりやすいところです。具体的には,自転車の時価額に迷惑料又は慰謝料としていくらか上乗せをし,示談金とすることが一般的でしょう。

個別のケースにおける示談金は,被害者と自転車との関係によっても左右されやすい傾向にあります。被害者にとって重要な自転車であるほど金額は大きくなりやすく,逆に被害者にとって価値のない自転車であれば,金額は小さくなりやすいです。

示談金額が大きくなりやすい場合

1.自転車の価値が非常に高い
2.被害者にとって重要な自転車である

示談金額が小さくなりやすい場合

1.自転車の価値が高くない
2.被害者にとって重要度の低い自転車である(放置自転車など)

一般的に,それほど重要な自転車や高価な自転車でなければ,慰謝料を含む示談金の目安は5~10万円ほどになりやすいでしょう。
また,被害品の自転車が無事被害者の手元に戻っている場合,自転車の価格をすべて支払う必要がない可能性もあり,金額はより小さくなりやすいです。

ポイント
示談金は自転車の価格に迷惑料を乗せた金額
高額とする事情がなければ5~10万円ほどが目安

自転車窃盗事件の示談内容・条項

自転車窃盗事件で示談を行う場合,以下のような内容を盛り込むことが考えられます。

【確認条項】

加害者が被害者へいくらの支払を行う必要(義務)があるかを,当事者間で確認する条項です。記載としては,「示談金として,加害者が被害者に対し,金●万円の支払義務があることを確認する」というものになります。

【給付条項】

確認条項で定めた金銭の支払いを行う方法を定める条項です。
支払方法が手渡しか振り込みか,手渡しであればいつどこで行うか,振り込みの場合はどの口座か,振込手数料は誰が負担するか(通常は加害者が負担),支払の期限はいつまでか,といった点を定めます。

【清算条項】

示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。この条項を設けることで,加害者と被害者との法律関係は示談金の支払をもって終了することになります。
逆に,この清算条項がないと,示談した後にも被害者から請求することが法的に可能となってしまうため,忘れず設けることが重要です。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)とは「許し」を意味します。宥恕条項は,被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。
加害者が示談金の支払を負担して示談を目指すのは,基本的にこの宥恕条項を獲得するためです。宥恕条項があることによって,捜査機関は被害者に処罰感情がないことを把握でき,不起訴処分の根拠とすることが可能になります。

【接触禁止条項】

示談成立後,当事者間の接触を禁止する条項です。
被害者側の希望がある場合に設けられやすいものではありますが,自転車窃盗事件に関してはそれほど強く希望されることは多くありません。自転車窃盗の場合,当事者間のやり取りや接触は特にないまま事件が起きる上,被害者にとっても加害者が自分に危害を加える目的でないことが明白であるためです。

自転車窃盗事件における示談の特徴

①金額の定め方

自転車窃盗の事件では,自転車の価値をベースに示談金を定めるのが通常ですが,自転車の価値は被害者によって様々に異なります。

例えば,被害者にとって必要がなく,むしろゴミとして処分したかったような自転車である場合,自転車の価値に対する賠償はそれほど求められないケースも珍しくありません。
一方,カスタマイズを重ねた高価な自転車である場合,被害者にとっての価値は実際の価格より高く,思い入れの強さから高額の支払を要することもあり得ます。

金銭とは異なり,同じものでも人によって価値の違うことがある,という点は自転車窃盗の示談における大きな特徴です。

②被害者の特定が困難な場合

自転車窃盗の場合,被害者の特定は自転車の登録を基準に行います。しかし,自転車が譲渡などされて転々流通しており,登録の変更がなされていない場合,現実の被害者と登録上の所有者が異なるため,被害者の特定が難しい場合もあり得ます。

また,所有者から盗んだのはほかの人であり,その犯人が乗り捨てたものを自分が盗んだ,という流れになることもあります。この場合は,被害者がもともとの所有者であることは明らかなので,自分が所有者から直接盗んだわけでなくても所有者との示談が適切です。

③自転車所有者以外との示談が必要な場合

自転車窃盗事件は,私有地や建物内の駐輪場で行われると,住居侵入罪又は建造物侵入罪もあわせて成立することになります。窃盗罪と住居侵入罪(建造物侵入罪)は別々の犯罪であるため,それぞれについて示談が必要ですが,住居侵入罪(建造物侵入罪)の被害者(=敷地や建物の管理者)は自転車の所有者とは別の人物であることが通常です。

そのため,駐輪場やマンションなどで起きた自転車窃盗事件については,その敷地や建物の管理者とも別途示談が必要となる可能性に注意することが必要です。

自転車窃盗事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で自転車窃盗事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

自転車窃盗事件の場合,5~10万円ほどの示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(10万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:10万円

計:99万円

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

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置き引きで被害届を出されると逮捕される?該当する犯罪や示談の必要性などを徹底解説

置き引きをしてしまい、被害者に被害届を出された場合、自分はどうなってしまうのか不安で夜も眠れないという方もいるでしょう。

置き引きは窃盗罪に該当し、状況によっては逮捕や前科がつく可能性が高いです。しかし、被害の程度や示談の有無によってその後の展開は大きく変わります。

そこで本記事では、置き引きで被害届を出されると逮捕されるのかを踏まえ、示談の必要性ややり方なども解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

置き引きをすると該当する犯罪

置き引きをすると、主に以下2つの犯罪に該当する恐れがあります。

  • 窃盗罪
  • 占有離脱物横領罪

詳しく解説します。

窃盗罪

窃盗罪は、他人の財物を不法に取得する行為に適用される刑法上の犯罪です。刑法第235条に規定されており、他人の物を故意に持ち去った場合に適用されます。

刑法第235条

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
引用:e-Gov法令検索

刑罰は10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

具体的には、駅のベンチに置かれたバッグを持ち去る行為やレストランの席に置かれていたスマートフォンを盗む行為などが該当します。

この場合、持ち主が一時的に目を離していただけであり、所有権を放棄したわけではないため、明確に窃盗と認定されます。

防犯カメラの普及によって、犯行の様子が記録されるケースが増えており、逃げ切ることは難しいでしょう。

占有離脱物横領罪

占有離脱物横領罪は、持ち主の管理下にない物を故意に取得する行為に適用される犯罪です。

刑法第254条に規定されており、1年以下の懲役または10万円以下の罰金となっています。

刑法第254条

遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
引用:e-Gov法令検索

たとえば、道端に落ちている財布を拾ってそのまま持ち帰った場合や、公園のベンチに置き忘れられた傘を持ち去った場合は、この罪に問われる可能性が高いです。

窃盗罪との違いは、財物が「所有者の占有を離れているかどうか」にあります。

所有者が意図的に放棄したわけではないが、一時的に管理下から外れている物を持ち去った場合は占有離脱物横領罪に該当します。

置き引きで被害届を出されると逮捕される可能性がある

置き引きは被害者が警察に被害届を提出することで、正式に捜査が開始されます。警察は防犯カメラの映像や目撃情報をもとに犯人を特定し、逮捕に至るケースも少なくありません。

窃盗罪に該当する場合は逮捕される可能性が高く、証拠が揃っていれば起訴されることもあります。

特に常習的に置き引きを繰り返している場合や、高額な物品を盗んだ場合は、厳しい処罰が下されることが一般的です。

置き引きが発覚するケース

基本的に置き引きが発覚するケースは、防犯カメラからの捜査ですが、主なケースとして挙げられるのが、以下の通りです。

  • 犯人の顔や車のナンバープレートが防犯カメラで発覚する
  • 現場で怪しい動きをする様子が防犯カメラで発覚する
  • 他人の物を持ち去った姿が防犯カメラで発覚する

詳しく解説します。

犯人の顔や車のナンバープレートが防犯カメラで発覚する

近年、多くの公共施設や商業施設では防犯カメラが設置されており、置き引きの犯行が記録されるケースが増えています。

犯人の顔や車のナンバープレートが鮮明に映っていた場合、警察はすぐに捜査を開始し、犯人を特定することが可能です。

特に駅やショッピングモールでは、複数のカメラが設置されており、犯行の一部始終が記録されることが多いため、逃げることは困難です。

現場で怪しい動きをする様子が防犯カメラで発覚する

犯行前に周囲を警戒する動作や、不自然な挙動をする姿も防犯カメラに記録されることがあります。

たとえば、同じ場所を何度も行き来したり、バッグを狙うように周囲を伺う様子は、警備員や警察にとって重要な手がかりになります。

怪しい行動が事前に記録されていると、警察は犯人を特定しやすくなり、捜査がスムーズに進むでしょう。

他人の物を持ち去った姿が防犯カメラで発覚する

置き引きの決定的な証拠となるのは、実際に他人の物を持ち去る瞬間が防犯カメラに映っている場合です。

このような映像が警察に提出されると、犯行が確定し、逮捕に直結する可能性が高まります。

近年の防犯カメラは高画質化が進んでおり、夜間でも鮮明に撮影できるため、犯行の様子を隠すことは困難です。

置き引き事件で示談は必要か

置き引き事件で刑事処分の軽減を目指す場合は,示談は必要と考えるべきでしょう。置き引き事件は,示談するかどうかによって,処分が劇的に変わりやすいです。

置き引き事件は,対象となった物があまりに価値のないものでない限り,犯罪が立証できれば何らかの刑事処罰の対象となることが一般的です。一方,同じ事件で被害者と示談が成立している場合では,むしろ刑事処罰の対象とならないことが見込まれやすくなるでしょう。

ただし,示談が必要となるのは,犯罪事実を認めていてその処分の軽減を求める場合に限られます。犯罪の疑いが事実無根であると主張する(否認事件である)場合,示談はむしろ主張とはちぐはぐな行動となってしまう可能性があるため,示談の要否は慎重に検討するのが適切でしょう。

ポイント
置き引き事件では,示談は処分軽減に劇的な影響を及ぼす
否認事件では,示談が主張とちぐはぐな行動にならないよう注意すべき

置き引き事件における示談のメリット

①逮捕を防げる

置き引き事件は,決して逮捕の可能性が高い事件類型とは理解されていませんが,事件の内容や発覚の経緯などを踏まえて逮捕に至ることは十分にあり得ます。

この点,示談が成立した置き引き事件の場合,示談の後に逮捕されることは考え難いです。逮捕は,被害者への配慮や被害者保護の観点から行われることが多く見られますが,示談が成立した場合には逮捕までして被害者を保護する必要がないと理解されるためです。

早期の示談は,万一の逮捕を防ぐための最善の手段と言えるでしょう。

②前科を防げる

置き引き事件の場合,犯罪事実の存在が明らかであれば罰金刑や懲役刑といった刑罰の対象となることが見込まれます。刑罰を受けた経歴を俗に「前科」と言いますが,刑罰を受けてしまえば前科が付くことにもなります。

この点,置き引き事件で示談が成立した場合,被害者は加害者への刑罰を希望していないことが明らかになります。置き引き事件の刑罰は,被害者が刑罰を希望するかどうかを重要な判断材料として決められるため,被害者が刑罰を望まない場合には不起訴になる可能性が飛躍的に高まります。
一般的な置き引き事件の場合,示談が成立していれば,基本的に不起訴になると言っても決して過言ではないでしょう。

示談は,置き引き事件での前科を防ぐために最も大きな効果を発揮するものであり,前科を回避したい人にとってのメリットは計り知れません。

③早期釈放につながる

既に逮捕・勾留といった身柄拘束を受けている場合,示談の成立には早期釈放を促す効果があります。
置き引き事件で示談が成立すると,一般的には不起訴処分が見込まれるため,それ以上の犯罪捜査を逮捕勾留してまで行う必要はあまりありません。起訴不起訴を決定する検察官は,不起訴となることが明らかな状況となれば期限を待たずに釈放するため,示談によって不起訴処分が明らかとなれば,それだけ早期に釈放されやすくなるのです。

置き引き事件で逮捕勾留された場合は,迅速な示談を通じて早期釈放を目指すのが非常に有力でしょう。

④刑事手続の長期化を防げる

示談の成立した置き引き事件は不起訴処分が見込まれるため,処分までの刑事手続の期間が短縮する可能性が高くなります。
身柄拘束のない在宅事件の場合,基本的に捜査の期間制限がないため,数か月単位で刑事手続が続くことも数多くあります。特に,どのような刑事処分とすべきかが明確でない事件だと,補充捜査が生じるなどして長期化しやすい傾向にあります。

この点,不起訴処分が見込まれる状況であれば,比較的早期に刑事手続が終了し,対応の負担からも解放されることが可能です。置き引き事件では,示談によって不起訴が見込まれる状況になることは決して珍しくないため,示談は刑事手続の早期終結に大きな効果を発揮します。

ポイント 示談のメリット
逮捕を回避できる
前科を回避できる
早期釈放してもらえる
刑事手続の長期化を回避できる

置き引き事件で示談をする方法

置き引き事件で捜査を受けている場合,示談をするためには捜査機関(警察や検察)にその旨を申し入れ,捜査機関から被害者に連絡を取ってもらうことが必要です。
もっとも,捜査機関は加害者本人と被害者を引き合わせることをしません。当事者同士で連絡を取らせるのは,被害者にとって不適切である上,二次被害の原因になる可能性がある,と考えるためです。
そのため,置き引き事件で示談を試みるためには,弁護士に依頼の上,弁護士を通じて動くことが必要となります。

具体的な流れは,以下の通りです。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

示談交渉は弁護士が窓口になって行うため,被害者へ謝罪の気持ちを伝える手段は別途検討する必要があります。具体的には,謝罪文を作成するなどして文書を弁護士に託し,文面を通じて謝意を伝えることが有力です。

示談の成否は,謝罪の気持ちが伝わるかどうかによることも非常に多いため,謝罪を試みる方法については弁護士との十分なご相談をお勧めします。

ポイント
示談の申し入れは,弁護士から捜査機関へ行う
謝罪文を弁護士に託すなどして謝罪の意思を伝える

置き引き事件の示談金相場

置き引き事件の示談金は,置き引きされた被害品の内容によって変わるのが一般的です。具体的には,被害品の価格にいくらかの慰謝料を上乗せして示談金とすることが多いでしょう。

置き引きの代表例は財布ですが,財布の置き引きに関して想定される示談金の考慮要素としては,以下のような点が考えられます。

財布の置き引きにおける示談金の考慮要素

1.被害品の内容
→財布内の現金
→財布内のカード類の価値

2.慰謝料関係
→財布への思い入れ
→財布を失った不安や苦痛
→警察などに相談を強いられた負担
→クレジットカードを止める手続の負担

3.事後的な事情
→財布や中身が被害者の手元に戻ったか
→被害者が何らかの補填を受けているか

以上の各事情を踏まえて金額を協議することになりますが,それほど高価な財布でなく,多額の財産が入っていたわけではなければ,慰謝料を上乗せした示談金としては10万円前後が目安の一つになるでしょう。

ポイント
示談金は,被害品の価格に慰謝料を上乗せした金額
特に高額になる事情がなければ10万円前後が目安

置き引き事件の示談内容・条項

置き引き事件で示談を行う場合,以下のような内容を盛り込むことが考えられます。

【確認条項】

加害者が被害者へいくらの支払を行う必要(義務)があるかを,当事者間で確認する条項です。いわゆる示談金の金額を定める条項を指します。

【給付条項】

確認した金額の支払をどのように行うか定める条項です。手渡しであればいつどのように行うか,振り込みであれば振込先や期限はどうするか,という点を定めます。
一般的に,対面で示談を取り交わした場合は手渡しで,対面以外の方法で示談を取り交わす場合は振り込みで,それぞれ給付することになるでしょう。

【清算条項】

示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。
示談は,示談金の支払によってそれ以上の支払が必要なくなる点が大きな長所ですが,この長所が生じるのは清算条項を定めているからです。万一清算条項が定められていないと,法的にはさらに金銭を請求することも可能になってしまいます。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項は,被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。
加害者が示談金の支払を負担して示談を目指すのは,基本的にこの宥恕条項を獲得するためです。宥恕条項があることによって,捜査機関は被害者が処罰を望んでいないと理解でき,不起訴処分の根拠とすることが可能になります。

【口外禁止】

事件の内容や示談の内容を,第三者に口外しないと約束する条項です。両当事者のプライバシーを守るために設けることが考えられます。当事者のいずれかが希望する場合に設けるものですが,加害者にとっては設けて損のないものであるため,弁護士が示談を行うときには盛り込むことが通常です。

【置き引き事件における示談内容の特徴】

置き引き事件の場合,性犯罪などと異なり,当事者間の接触を防ぐ目的の条項を数多く設けることはあまりありません。そもそも,置き引きという事件の性質上,当事者が直接接触していないため,「今後接触されるかも」という懸念を抱くこと自体が多くはないでしょう。

もちろん,被害者が加害者との接触を希望することは考えにくいため,「今後接触しない」という約束を条項にすることは非常に多いですが,それに加えて接触しないことを確実にするための条項(一定の場所に近づかない等)を設けるケースは少数です。

置き引き事件の示談で注意すべきこと

①経済的損害より心身の苦痛が大きくなりやすい

置き引き事件は,経済的な損害自体はそれほど大きくない場合が少なくありません。しかしながら,事件に遭ったことやその後の対応に伴う心身の苦痛は決して小さなものなく,むしろ被害者の損害のメインになっている場合もあります
被害者に生じる心身の苦痛としては,以下のようなものが挙げられます。

置き引き事件の被害者に生じる精神的苦痛

1.警察への通報や警察対応の負担
2.被害品がないことによる不便(鍵,カード等)
3.示談交渉を求められる負担

置き引き事件の示談を試みる場合には,被害者の負担が被害品の価値以上に大きい場合があることを踏まえておくべきでしょう。

②経済的価値だけで金額を決められない場合がある

置き引き事件の示談金は,被害品の価格を基準に決めることが通常ですが,物によっては経済的な価値だけで示談金を定めることができない場合もあります。

例えば,金額は小さいものの支払時期が迫っている場合の現金,大切な人(特に子ども)からの特別なプレゼント,スペアのない鍵など,金銭換算すればそれほど高額でなくても,被害者にとっては価値の高い場合が多い,という点は置き引き示談の大きな特徴です。

ポイント 置き引き示談の注意点
不便や負担の方が被害者の損害のメインである場合も
金銭的価値以上に被害者にとって価値のある物品も

置き引き事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で置き引き事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

置き引き事件の場合,10万円前後の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(10万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:10万円

計:99万円

弁護士費用の例

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早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

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【万引き事件の示談を知りたい人のために】方法や示談金相場,示談のメリットなどを徹底解説

このページでは,万引き事件の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

【このページで分かること】

万引き事件で示談はできるか
万引き事件における示談とは
万引き事件で示談をする方法
万引き事件の示談金相場
万引き事件の示談内容・条項
万引き事件の示談で注意すべきこと
万引き事件の示談に必要な費用

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万引き事件で示談はできるか

刑事事件における示談は,加害者が被害者に金銭賠償を行い,これに対して被害者が加害者を許す,という合意を指すのが一般的です。被害者のいる事件類型では,被害者が許しているかどうかが刑事処分の結果を大きく左右するため,示談によって被害者の許しを得ることが有力な手段となります。

この点,万引き事件は窃盗罪に該当し,お店は窃盗罪の被害者に当たる立場です。そのため,万引き事件でも示談によって被害者の許しを得ることができれば,刑事処分を大きく軽減させることになるでしょう。

しかし,万引き事件は相手が個人でなく店や会社であるため,特有の問題があります。それは,被害者である店や会社は,許すという対応を基本的にしない,ということです。
万引き被害は,店側にとって件数が非常に多いため,一律の対応方針を決めていることがほとんどです。具体的には,以下のような対応方針であることが多く見られます。

万引き被害に対する店側の一般的な方針

1.支払は対象商品の金額のみ受ける(買取を求める)

2.許すことはしない

3.今後の店への出入りを禁止する

そのため,刑事事件の示談で加害者側にとって最も重要な許しの獲得は,万引き事件だと困難なことが非常に多いです。特に,複数の店舗がある大規模なお店であるほど,一律で許しには応じないという対応がなされる傾向にあります

もちろん,一定の金銭を支払って謝罪や賠償を尽くすことは,刑事処分に一定の影響を及ぼすため,重要であることに変わりはありませんが,万引き事件では許しを内容とする示談になりづらい,という点を踏まえておくことが望ましいでしょう。

ポイント
刑事事件の一般的な示談は,被害者から許しを獲得するもの
万引き事件の場合,被害者である店は一律で許しを拒否するのが一般的

万引き事件における示談とは

万引き事件では,許しを内容とする示談は非常に困難であるため,許しが得られないことを想定して示談を試みることが適切です。具体的には,被害者の希望に沿って損害を回復させたことが,万引き事件における示談の主な内容となります。

そもそも,刑事事件における「示談」という言葉は「合意」という程度の意味合いしかなく,具体的にどのような合意をするかは様々です。許しを内容とする示談もあれば,許しを内容としない示談もあります。そして,万引き事件の示談でまず目指すべきなのは,損害を回復したという結果です。

万引き事件などの窃盗罪は,「財産犯」と呼ばれるカテゴリーの犯罪です。財産犯とは,被害者の財産に損害を及ぼしたという犯罪類型をいいます。この財産犯の刑事処分を判断するときの重要な要素としては,財産への損害がどれだけ回復されたか,という点が挙げられます。
たとえば,1万円の窃盗事件を起こしたものの,あとからその1万円を返したならば,最終的な損害はプラスマイナスゼロとなります。そうすると,刑事処分を判断するときには既に損害が残っていないため,重大な処罰を科す必要は低い,という判断がされやすいのです。
そのため,財産犯である窃盗罪の示談では,お店に生じさせてしまった財産的な損害を回復させることを目指すのが得策です

この点,万引き事件による財産的な損害は,商品以外にも複数考えられます。具体的には,対応に要した人件費,防犯対策を強いられたコストなどが挙げられるでしょう。
もっとも,現実の支払額は,店側から支払を求められた金額とすべきで,それ以上の支払を無理に行おうとするのはかえって不利益になりやすいところです。店側としては,求めた以上の支払を受けても,誰がいくら受け取ればいいかという判断が必要になってしまい,むしろ負担になってしまうためです。

万引き事件における示談は,店側から支払いを求められた金額を確かに支払うことを目指す,という方針で検討するようにしましょう。

ポイント
財産への損害がどれだけ回復されたかが,刑事処分に影響する
万引きの示談では,店から求められた支払いを行うことを目指すべき

万引き事件で示談をする方法

万引き事件の場合,被害店舗の場所や連絡先が分かるため,直接連絡を試みることも不可能ではありません。しかし,捜査を受けている状況であれば,捜査機関を介さずに直接店側との連絡を試みることは控えるのが適切です。
確かに,直接連絡が取れれば円滑ではあります。しかし,店側が加害者からの直接の連絡を希望している可能性はほとんどないため,直接の連絡はお店への迷惑行為と評価される恐れが非常に大きいでしょう。

示談を試みる場合は,弁護士に依頼し,弁護士から捜査機関に連絡を入れてもらうようにしましょう。
弁護士から連絡を受けた捜査機関は,被害店舗に問い合わせ,話を受けるかどうか,受ける際の担当者や連絡先はどうするか,といった点を確認します。このようにして,捜査機関から店舗に連絡を取ってもらえば,示談の試みが店側への迷惑になる危険は避けることができます。

この点,弁護士が示談を試みる場合の基本的な流れは,以下の通りです。

示談交渉の流れ

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

このようにして,弁護士が加害者(被疑者)の謝罪の意思を代弁する形を取ることで,適切な示談の申し入れが可能になります。せっかくの示談の試みが不利益につながらないよう,示談は弁護士を通じて行うことを強くお勧めします。

ポイント
加害者が直接店舗に連絡を取ることは控えるべき
弁護士を通じて捜査機関に連絡し,捜査機関経由で意思確認する

万引き事件の示談金相場

万引き事件の場合,被害店舗が支払いを求める金銭は,万引きの対象となった商品の金額となることが非常に多く見られます。これは,店舗としては商品の買取を求めることで金銭的なやり取りを終了する,という意味合いになります。

刑事事件の一般的な示談では,損害額の実額のみでなく,謝罪の気持ちを上乗せする形で示談金額を定め,支払うことが多く見られます。しかし,万引き事件の場合は相手が店や会社という組織であるため,謝罪の気持ちを込めて金額を上乗せする,といった交渉を行うことはあまりありません。
ただし,同じ店で複数回の万引き行為があり,すべての金額が特定できない場合,損害額を概算して支払う旨の合意をすることはあり得ます。いずれにしても,基本的な示談金額は商品の価格となりやすいということですね。

ポイント
示談金額は対象となった商品の価格になりやすい

万引き事件の示談内容・条項

刑事事件で示談を取り交わす場合,示談書を作成し,その中に様々な条項を盛り込むことが一般的です。しかし,万引き事件の場合では,基本的に被害者が加害者を許す,という合意にはならないため,示談書の作成・締結自体を行わないことも珍しくありません。

万引き事件の示談における具体的な内容としては,以下のようなものが挙げられます。

①通常設ける内容

【確認条項】
支払う金額はいくらか,当事者間で確認する条項です。

【給付条項】
確認した金額を具体的に支払う方法を定める条項です。

なお,商品の買取という形で示談を行う場合,この確認及び給付の内容は,店側の発行するレシート又は領収証で代用されることも少なくありません。

②万引き事件では設けづらい内容

【清算条項】
示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。この条項を設けることで,加害者と被害者との法律関係は示談金の支払をもって終了することになります。
ただ,店側のメリットがないので,店は一律で拒否することが通常です。

【宥恕条項】
宥恕(ゆうじょ)とは「許し」を意味します。宥恕条項は,被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。
もっとも,万引き事件では店側が一律で宥恕を拒否することがほとんどであるため,設けることはあまりありません。

③示談書を作成できなくてもいいのか

万引き事件では特に示談書を作成せず,謝罪と買取だけ行って終了することも多数あります。ただ,示談をするのに書面も作成しなくていいのか,という点は疑問が残るかもしれません。

もっとも,結論的には,書面化しなくても不利益はない,と言って差し支えないでしょう。

書面化をする目的は,紛争の蒸し返しを防ぐためです。金額の合意をしたかしていないか,その金額を支払ったか支払っていないか,といった点が,後から紛争になることを防ぐため,書面に残しておくというわけです。
この点,万引き事件でも,確かに紛争の蒸し返しは防止したいところですが,現実的に店側が紛争を蒸し返すことはありません。店側は良くも悪くも一律の対応をしていることがほとんどですが,書面化せず蒸し返しもしないことが,店側の一律対応の内容でもあるためです。

また,万引き示談の目的である支払の事実は,買取時のレシートや領収証で立証可能ですので,刑事処分に対する影響や効果に差が生じるわけでもありません。刑事処分との関係でも,書面化しなかったから不利益が生じるということはないと言ってよいでしょう。

万引き事件の示談で注意すべきこと

万引き事件の示談では,以下の点に注意すべきところです。

①宥恕の獲得に固執しない

刑事事件で示談を試みる場合,被害者から許し(宥恕)をもらって直ちに解決する,という流れを目指したいと考えることが多いと思います。万引き事件でも,宥恕がもらえるのであればそれに越したことはありませんし,絶対に宥恕が獲得できないとは限りません。

しかし,基本的に宥恕が獲得できるものではない,という現実は,あらかじめ十分に把握しておくことが適切です。宥恕が獲得できない示談は失敗なのではなく,最初から宥恕を内容としない示談を試みる動きになると理解しておくようにしましょう。

自分から謝罪を行うこと,自分から賠償を行うことは,被害店舗側の処罰感情に十分な影響を与えることが珍しくありません。宥恕という形を取っていなくても,処罰を求める意思はない,ということになる可能性はあるのです。
その意味で,宥恕のない示談でも十分に意味を持っているものですから,店側の事情を無視して宥恕ありきの示談を目指すことはむしろ控える方が得にもなります。

②弁護士を通じて行う

店側とのやり取りに際しては,場所や連絡先が分かるからと言って自分で直接連絡を取ることはしないようにしましょう。店側の負担が大きくなり,かえって逆効果になりかねません。

示談の試みに際しては,弁護士に依頼し,弁護士を通じて適切な方法で進めるのが肝要です。店側への謝意は,直接の連絡という方法でなく,適切なやり方で進めるという行動で示すべきでしょう。

万引き事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で万引き事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

一般的な在宅事件では,34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立(宥恕なし)11万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円

活動の成果が生じた場合に限り,44万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

万引き事件の場合,対象商品相当額の示談金が想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(5000円の支払+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+44万円=78万円
示談金:5000円

計:78万5000円

弁護士費用の例

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

風俗トラブルに強い弁護士へ弁護を依頼|示談の流れや解決のポイントを解説

風俗トラブルに巻き込まれると、金銭請求や逮捕、社会的信用の失墜といった深刻な問題に発展する可能性があります。突然の事態に直面したとき、自分一人で解決しようとすると状況が悪化しかねません。こうしたリスクを回避するには、風俗トラブルに精通した弁護士へ早期に相談することが重要です。本記事では、風俗トラブルに強い弁護士に依頼するメリットや示談の流れ、解決のポイントを分かりやすく解説します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

風俗トラブルで弁護士に依頼するメリット

① 家族や勤務先に知られず解決できる

風俗トラブルを弁護士に相談する最大のメリットは、プライバシーを厳格に守りながら問題を解決できることです。

弁護士には守秘義務があり、相談内容が第三者に漏れることはありません。
「家族に知られたらどうしよう…」と不安に感じる方も多いですが、弁護士が代理人として交渉を行うことで、あなたの氏名や個人情報を相手方に明かさずに解決を進めることが可能です。

また、職場への影響も防ぐことができます。
弁護士事務所からの連絡は「法律相談」として扱われるため、上司や同僚に相談内容が知られる心配はありません。

さらに、弁護士が窓口となることで、風俗店や関係者からの直接的な連絡や訪問を完全に遮断できます。
これにより、家族や近隣住民に不審がられるリスクも避けられます。

近年は、平日夜間や土日祝日にも相談対応を行う法律事務所が増えており、仕事や家庭生活に支障をきたすことなく手続きを進められます。

トラブルを秘密裏に、かつ安全に解決したい場合には、弁護士に依頼することが最も確実で安心な方法といえるでしょう。

風俗トラブルの解決は、周囲に発覚しないことが極めて重要です。その重要性と具体的な方法を熟知した弁護士に対応を依頼することで、解決内容は大きく変わりやすいでしょう。

② 不当な請求を防ぐことができる

風俗トラブルで弁護士に依頼する最大のメリットは、法的知識と交渉力を活かして不当な請求を未然に防げることです。

風俗店側から「料金を払わなければ裁判を起こす」「勤務先に連絡する」などと脅され、法外な金額を請求されるケースも少なくありません。
しかし、こうした請求の多くは法的根拠に乏しい不当要求であることが多いのです。

弁護士が介入することで、次のような効果が期待できます。

・請求内容の法的妥当性を専門的に確認
・不当部分を明確に指摘し、適正な金額で交渉
・脅迫的な言動への法的対応

たとえば、「延長料金」などの名目で数十万円を請求された場合でも、弁護士が契約内容を精査した結果、実際の支払義務はごく一部に限られたという事例もあります。

「この金額、本当に支払う必要があるのか…」と不安に感じたときこそ、弁護士の判断が有効です。
個人で対応すると感情的になりやすい場面でも、弁護士が冷静かつ法的根拠に基づいて最適な解決策を提示してくれるでしょう。

風俗トラブルで風俗店側から行われる金銭請求は、法的な根拠の不明確なものがほとんどです。しかし、トラブルの当事者が拒否などの毅然とした対応をすることは容易でないため、弁護士を窓口に進めることが極めて重要になりやすいでしょう。

③ 個人情報の流出を防ぐことができる

風俗トラブルで弁護士に依頼する大きなメリットの一つは、個人情報の流出を防ぎながら安全に問題を解決できることです。

風俗店とのトラブルでは、相手から「職場や家族に連絡する」といった脅しや嫌がらせを受けるケースが少なくありません。
実際に、個人で対応した結果、勤務先に電話をかけられたり、家族に知られてしまったという事例も見られます。

弁護士が介入することで、次のような効果が期待できます。

・弁護士名義の通知により、相手の威圧的な言動を抑制
・連絡窓口を一本化し、直接的な接触を遮断
・法的根拠に基づく対応で、不当な要求を牽制
・守秘義務による情報管理で、依頼者の個人情報を保護

「家族に知られたくない」「会社に連絡されたら困る」といった不安を抱える方も、弁護士を通じて対応することで、情報漏えいのリスクを最小限に抑えることが可能です。

また、弁護士が関与していることにより、相手方も個人情報を悪用した行為が法的に重大な問題となることを認識し、慎重な対応を取るようになります。

風俗トラブルにおける個人情報の保護は、弁護士に依頼する最大のメリットの一つといえるでしょう。

特に過激な動きを取ってくる相手の場合、弁護士の存在は違法、不当な言動を控えさせる効果を発揮しやすいです。

④ 適切な内容で示談をすることができる

弁護士に依頼することで、風俗トラブルの示談交渉を法的に適切で納得のいく内容でまとめることが可能になります。

法的知識を持たないまま交渉を進めると、「相手の言うままに示談してしまうのではないか」と不安に感じる方も多いでしょう。
実際、過大な慰謝料を請求されたり、必要以上に不利な条件で合意してしまうケースも少なくありません。

弁護士が介入することで、次のようなメリットが得られます。

・法的根拠に基づいた適正な金額での示談が実現
・不当な条件や過度な制約の排除による合理的な合意内容
・将来のトラブルを防ぐ条項を盛り込んだ示談書の作成
・相手方の不当要求への的確な反論と交渉対応

特に重要なのは、示談書の内容が法的に有効であり、後日トラブルを再発させないよう慎重に作成されることです。
弁護士は過去の判例や法的基準を踏まえて、依頼者にとって最も有利で現実的な解決策を提案します。

こうした専門的サポートにより、適切な内容の示談を通じて根本的な解決と将来の安心を同時に得ることができるのです。

【風俗トラブル(本番行為)で示談は必要か】

風俗店でのサービス中に,その場の勢いで本番行為に至った場合,行為後になってキャストが「了承していなかった」と主張してトラブルになることがあります。
このような本番行為のトラブルは,解決のために示談すべきと考えるのが適切です。

本番行為がトラブルになる場合,以下のような言い分の食い違いが生じているケースが大多数です。

本番トラブルにおける言い分の相違

【客の言い分】
・キャストの了承を得たと思っていた
・キャストが嫌がっていないためいいと思った

【キャストの言い分】
・嫌がる間もなく無理に本番行為をさせられた
・拒むと報復されると感じ,怖くて抵抗できなかった

現実には,どちらの言い分が実態に近かったのか,第三者が客観的に判断することは困難です。そのため,決してキャストの言い分に従わなければならないというわけではありません。
しかし,このような言い分の食い違いを争うことそのもののデメリットが,風俗トラブルの性質上非常に大きくなりがちです。主なデメリットは以下の通りです。

本番トラブルで強く争うことの主なデメリット

1.紛争の長期化
2.裁判手続の負担が生じうる
3.紛争の事実が周囲に知られる

このようなデメリットがあるため,結果的に自分の言い分が認められたとしても,認められるまでに被る不利益の方が大きく,争うことが合理的ではないのです。

ポイント
本番行為のトラブルは,了承していたかどうかが争いになりやすい
示談せず争うのは,言い分が認められた場合でも大きな不利益が生じる

⑤ 示談成立の可能性が高まる

風俗トラブルにおいて、弁護士が示談交渉を担当することで解決の可能性が大きく高まります。

法的知識と交渉経験を持つ弁護士が介入することで、相手方である風俗店も真摯に対応せざるを得なくなるケースが多く見られます。
弁護士は過去の判例や法的根拠を踏まえて交渉を進めるため、不当な要求や感情的な主張を抑えながら冷静で実務的な話し合いが可能になります。

弁護士が交渉に入ることで、次のような効果が期待できます。

・法的裏付けのある主張により、相手方の譲歩を引き出しやすくなる
・専門的な交渉術で、感情的な対立を避けながら建設的に話し合える
・示談書の作成時に将来のトラブルを防ぐ条項を盛り込める

「個人で交渉しても取り合ってもらえないのでは…」と不安に感じる方も少なくありません。
しかし、弁護士が代理人として交渉することで、相手方も法的リスクを認識し、早期解決に応じる傾向が強まります。

風俗トラブルの場合、示談の成立はイコールトラブルの最終的な解決を意味することになりやすいです。そのため、示談成立の可能性が高まることは、トラブルの悩みや負担から解放される可能性が高まることだと言ってもよいでしょう。

風俗トラブル(本番行為)で示談するメリット

風俗店における本番トラブルでは,警察による捜査を受ける前に示談で解決するメリットが非常に大きいということができるでしょう。具体的なメリットとしては,以下のような点が挙げられます。

①実刑判決を防げる】

本番行為は,法的には「不同意性交等罪」に該当する可能性があるところ,不同意性交等罪の刑罰は「5年以上の有期拘禁刑(5年~20年の間刑務所に収容される)」というものです。この点,拘禁刑の言い渡しを受けても執行猶予が付けば刑務所に入る必要はなくなりますが,5年以上の拘禁刑には執行猶予を付けることができません。そのため,不同意性交等罪で刑罰を受ける場合は,原則的に実刑判決となってしまいます。

本番行為が万一刑罰の対象となった場合の不利益は実刑判決という極めて大きなものですが,事前に示談が成立すれば刑罰の対象となる可能性はなくなります。そのため,示談が成立した場合には実刑判決を防げるという非常に大きなメリットが生じることになります。

【②逮捕を防げる】

本番行為が不同意性交等罪に当たると判断された場合,その罪の重大性から逮捕が強く懸念されます。不同意性交等罪は,基本的に実刑判決となるほど重大な事件類型であるため,証拠隠滅や逃亡の危険が大きく,逮捕が必要とされやすいと考えられているのです。

この点,事前に示談が成立していれば,捜査をする必要も逮捕をする必要もなくなるため,逮捕される可能性はほとんどなくなるでしょう。逮捕の有無はその後の生活を大きく左右するため,逮捕を防げるという示談のメリットは極めて大きなものと言えます。

【③配偶者とのトラブルを防げる】

風俗店での本番行為は,配偶者とのトラブルの原因にもなる可能性があります。本番行為は「不貞行為」に当たり得るため,配偶者から法的責任を問われたり,離婚原因として主張されたりする恐れが否定できないのです。

この点,配偶者とのトラブルにならないためには,配偶者に発覚しないことが最も適切です。配偶者に知られるきっかけが生じる前に,できるだけ速やかに示談で解決できれば,配偶者とのトラブルが生じる可能性もなくなります。

【④職場への発覚を防げる】

風俗店での本番行為が職場に発覚した場合,その後の業務に大きな悪影響の生じる可能性があります。
風俗店は,トラブルが起きた際に客の健康保険証を確認して勤務先を把握しようとすることが多数あります。万一,風俗店が勤務先へ連絡を試みるなどして勤務先に迷惑がかかると,勤務を続けることが難しくなる可能性も否定できません。

示談が成立した場合,店舗から勤務先に連絡される可能性はなくなるため,職場への発覚や悪影響を確実に防ぐことができるでしょう。

ポイント
実刑判決を受けずに済む
逮捕されずに済む
配偶者とのトラブルを予防できる
職場への悪影響を予防できる

⑥ やり取りの負担が軽減できる

風俗トラブルの解決を弁護士に依頼することで、やり取りに伴う精神的・時間的な負担を大幅に減らすことができます。

風俗店との対応では、「どのように返答すればよいのか」「相手が強気な態度を取ってきたらどうしよう」と不安を感じる方が多くいます。
特に、執拗な連絡や威圧的な言動を受けた場合、個人で対応を続けることは大きなストレスとなります。

弁護士が代理人として交渉を行うことで、次のような負担から解放されます。

・風俗店からの直接的な連絡や要求への対応
・法的知識を要する書面や返答の作成
・交渉時の心理的プレッシャー
・対応方針の判断に伴う迷いや不安

また、弁護士は法律に基づいた的確な判断で交渉を進めるため、不要なやり取りを重ねることなく、効率的な解決が期待できます。
個人であれば長期化しがちな案件でも、弁護士が介入することで短期間での解決に近づけるケースも少なくありません。

さらに、弁護士が窓口となることで、トラブルに関する連絡が依頼者本人に直接届くことがなくなります。
これにより、日常生活や仕事への影響を最小限に抑えながら、安心して問題解決に向き合える環境が整うのです。

風俗トラブルの依頼から解決までの流れ

① 弁護士への相談

風俗トラブルの解決において、弁護士への相談は最も重要な第一歩です。
「どこに相談すればよいのかわからない…」と迷う方も少なくありませんが、早期に専門家へ相談することが、トラブルの拡大を防ぐ最善策となります。

弁護士に相談する際は、トラブルの経緯や証拠をできる限り正確に整理して伝えることが大切です。
風俗店との契約内容、支払った金額、相手方からの要求内容などをまとめ、次のような資料を持参するとスムーズです。

・契約書・領収書などの支払証拠
・メールやLINEのやり取り
・相手方からの請求書や通知文
・トラブルが起きた日時や経緯のメモ

また、相談時には次の点を明確にしておくと、より的確な助言を受けられます。

・トラブルが発生した経緯と時系列
・相手方からの具体的な要求内容
・既に支払った金額や約束した内容
・希望する解決方法(示談・交渉・支払拒否など)

多くの法律事務所では初回相談を無料で実施しており、電話・オンライン相談にも対応しています。
さらに、弁護士には守秘義務があるため、相談内容が家族や職場など第三者に漏れることはありません。

一人で悩みを抱え込まず、早めに弁護士へ相談することで、問題を冷静かつ的確に整理し、最適な解決策を見出すことができます。

日頃弁護士との接点がない方にとっては、法律相談はハードルが高く感じられるかもしれませんが、まずは一度試みてみましょう。多くの法律事務所では、相談の受付や相談方法等について、柔軟な対応をしてくれるはずです。

② 風俗店との交渉

風俗トラブルで示談交渉が生じる場合,具体的な交渉の相手方は店舗の代表者となることが一般的です。本番行為の相手はキャスト個人ですが,キャストと直接示談交渉をすることはほとんどありません。
店舗側は「店舗のサービス中,キャストが本番行為の被害に遭った」という理解をしていることが多いので,勤務中のキャストを守る立場と称して金銭請求をしてきます。

そして,風俗サービス中に本番行為がトラブル化した場合,キャストが店舗に連絡し,店舗代表者がサービス中の客室に訪れる流れで話し合いがスタートすることが大多数です。ただ,店舗代表者が話し合いを始めてきたとしても,その場で合意したり金銭を支払ったりすることは避けるようにしましょう。その場で解決しようとすると,どうしても一方的に不利益な内容で合意させられてしまいがちである上,示談内容も不十分なものになりがちであるためです

風俗トラブルで店舗代表者と話し合いが始まったときは,その場では連絡先交換にとどめるのが賢明です。その後,できるだけ速やかに連絡をすると約束した上で,弁護士に依頼し,弁護士から連絡を取ってもらうようにしましょう。
示談の具体的なやり取りは,自分で直接行うのでなく,弁護士を通じて行うことが重要な対応になります。

ポイント

よくある示談の流れ
1.店舗代表者がサービス中の客室に訪れる
2.その場で店舗代表者との話し合いが始まる

その場で解決するデメリット
1.一方的に不利益内容になりがち
2.示談の内容や方法が不十分

適切な示談方法
1.その場では連絡先の交換にとどめる
2.速やかに弁護士へ依頼し,弁護士から連絡してもらう

③ 示談内容の合意と示談書締結

弁護士による交渉がまとまると、次の段階として示談内容の合意と示談書の締結へ進みます。
この段階では、双方が納得できる条件を文書で明確に定め、今後のトラブルを防ぐことが最も重要です。

「本当にこれで問題が終わるのだろうか…」と不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、弁護士が作成する示談書には法的拘束力があり、適切な条項が盛り込まれていれば、相手方による再請求や嫌がらせを防止する効果が期待できます。

示談書締結後は、合意内容に従って示談金の支払いが行われ、トラブルは法的に解決済みの状態となります。
弁護士が作成した示談書は、将来的な紛争予防のための最も確実な証拠書面にもなり、安心して日常生活に戻ることができるでしょう。

風俗トラブル(本番行為)の示談金相場

風俗店での本番行為がトラブルになった場合,示談金額には非常に大きな開きが見られる傾向にありますが,概ね30~100万円ほどで合意する例が多いところです。
金額は個別の内容や当事者の意向によって変わりやすいですが,主な金額の変動要因としては以下のような点が挙げられます。

示談金の増額要因

本番行為の了承がないことが明らかである
本番行為を拒絶された後も執拗に継続した
客側が早期解決を希望している
店舗側が法的手続を辞さない方針である
一定の金額を支払うことをその場で約束した

示談金の減額要因

客側が本番行為の了承を得たと主張しており,その根拠がある
客側が賠償金額の上限を設けている(上限を超えれば示談を諦める)場合
店舗側が早期解決を希望している
キャストや店舗側に不適切な行為があった

なお,風俗トラブルの示談は,「お金で解決する」という側面が強い分野でもあります。感情的に許すかどうかというより,金額が満足できるものかという基準で判断されることが多いため,単純に金額が大きいほど示談に至りやすい傾向が見られるところです。
そのため,風俗トラブルの場合は,支払う側に示談を希望する気持ちが強ければ強いほど高額の示談になりやすいでしょう。裏を返せば,金銭的負担が大きければ大きいほど迅速円滑な解決がしやすい,ということもできます。

ポイント
風俗店の本番トラブルは,30~100万円ほどの合意が多く見られる
風俗トラブルの示談はお金で解決する側面が強い

風俗トラブル(本番行為)の示談内容・条項

風俗店での本番トラブルで示談を行う場合の内容には,以下のものが挙げられます。

【確認条項】
客側の支払うべき金額を確認する条項です。当事者間で合意した金額を明記することになります。
なお,避妊具のない本番行為がトラブルになった場合,妊娠や性病の検査名目で通院費用を加算して支払うケースも考えられます。

【給付条項】
金銭をどのように支払う(給付する)のかを定める条項です。
風俗トラブルの場合,現金の手渡しでの解決が多く見られます。弁護士と店舗代表者の間で,面談の上で示談書の取り交わしと金銭の支払いを同時に行い,その場で解決するという流れが代表的です。

【清算条項】
示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。清算条項を設けることで,その後に請求を受ける恐れがなくなります。

【口外禁止】
トラブルや示談の内容を第三者に口外しない,という条項です。風俗トラブルの場合,周囲への発覚を避ける必要が大きいので,客側が安心を得るためには非常に重要な条項となります。

【個人情報の処分】
主に,店舗側が得た客の個人情報を廃棄・処分するという内容の条項です。店舗は,風俗トラブルの発生時に客の免許証や保険証を確認するなどして住居や勤務先を把握することが多いため,免許証や保険証の廃棄を約束してもらうことが重要になります。
一方,客が撮影した内容の消去など,客側が適切な処分をすることを盛り込む場合もあります。

【店舗の利用禁止】
店舗側の要望で,今後の利用禁止を約束する場合があります。利用禁止を求められた場合には,拒否するメリットに乏しいため応じるのが適切でしょう。

風俗トラブルの示談は弁護士に依頼すべき

風俗トラブルで逮捕を防ぐ場合には,早期に弁護士へ依頼し,適切な弁護活動を行ってもらうことをお勧めします。

まず何より,風俗トラブルの解決に必要な示談のため,示談交渉の専門家である弁護士の存在は非常に重要となります。早期に適切な内容で示談が成立すれば,逮捕の回避はほぼ確実に実現できるでしょう。
風俗トラブルの場合,示談交渉の相手方となる店舗の担当者は,キャストを守るという意味もあって非常に高圧的,好戦的な態度を見せてくることが珍しくありません。そのような相手に,当事者自身が冷静で合理的な対応を尽くすのは至難の業と言わざるを得ません。
この点,風俗トラブルの解決に精通した弁護士へ依頼することで,円滑な示談による逮捕回避が容易になるでしょう。

また,弁護士に対応を委ねることによって,周囲への発覚を防ぎながら逮捕回避を図ることができる,という点も大きなポイントです。
風俗トラブルの場合,逮捕を回避したいのはもちろんですが,逮捕回避とともにトラブルが周囲に発覚しないということが非常に重要です。逮捕が防げたとしても,風俗店で本番トラブルを起こした,と周囲に知られては,対応は失敗と言わざるを得ないでしょう。
この点,弁護士に依頼をすれば,基本的に弁護士が窓口に立ってくれるため,トラブルの事実が周囲に発覚する可能性が極めて低くなります。

風俗トラブル(本番行為)の示談で注意すべきこと

風俗店での本番行為がトラブルになった場合は,示談に際して以下の事項に注意するのが適切です。

①複数の示談が必要

風俗トラブルでは,店舗代表者がキャストの代わりに交渉を行うのが通常です。そして,店舗側は「客と店舗」の間での示談を進めるのが一般的です。

しかしながら,本番行為の当事者はあくまで「客とキャスト」であるため,店舗代表者の進めるとおりに「客と店舗」の間でだけ示談をしても不十分です。風俗トラブルを解決するためには,「客と店舗」の間の示談と「客とキャスト」の間の示談という二つの示談が必要となるのです。

風俗トラブルにおけるキャストと店舗それぞれとの間の法律関係は,以下のように整理できるでしょう。

風俗トラブル(本番行為)の法律関係

【客とキャストの間】

①刑事事件
不同意性交等罪が成立し得る
②民事事件
不法行為に基づく損害賠償請求があり得る

【客と店舗の間】

①刑事事件
基本的になし(ただし,業務妨害罪が成立するケースも)
②民事事件
債務不履行に基づく損害賠償請求があり得る(契約違反)

以上の通り,別々の法律関係があるため,客と店舗の間でだけ示談をしても,キャストに対する犯罪の責任を問われたり,キャストから「不法行為に基づく損害賠償」を請求されたりしたときの対処は何もできていないままとなってしまいます。

このように,厳密にはキャストと店舗それぞれとの間で法律関係があるため,示談もそれぞれとの間で行うことが必要です。
弁護士が示談を行う場合は,店舗代表者にキャストの代理人となることを依頼し,三者間での示談を行うことが多いでしょう。

②金銭を支払った後でも示談すべき

風俗トラブルでは,その場に店舗代表者が乗り込む形で話が始まるため,ケースによってはその場で一定の支払を行っていることがあります。この点,支払をしていれば解決しているようにも思えますが,法的にはそうとは言えません。

その場で金銭を支払うとき,多くは店舗の用意する書式で示談書のようなものを作成することになります。しかし,その書面は法的に十分な記載がなされているものではないため,実際には紛争解決ができていません。
具体的には,「金銭を支払え」「金銭を支払った」という程度の記載はあるものの,必要な支払いが他にあるかどうかは分からない(清算条項がない),ということが大多数です。これでは,既に支払ったにもかかわらず,追加での支払いを求められたときに拒む根拠がありません。

既に金銭を支払った場合でも,しっかりと解決を確認して形に残すため,弁護士に示談を依頼するのが適切でしょう。

ポイント
店舗だけでなくキャストとの間でも示談の必要がある
支払済みでも適切な解決を証拠化するために示談すべき

風俗トラブルで弁護士に依頼するときのポイント

弁護士に依頼するべきタイミング

①金銭請求を受けたとき

風俗トラブルが発生した際によく見られるのが,キャストから店舗側へ連絡がなされ,連絡を受けた店舗の担当者から金銭を請求される,という流れです。多くの場合,キャストと利用客がいるホテルの客室等に店舗の人物が駆け付け,その場でキャストの代理人として話を持ち掛けることになるでしょう。

この点,金銭請求を受けたその場で,自分一人で適切な判断や対応をすることは現実的には不可能です。当事者という立場で,風俗トラブルに関する知識や経験のない中では,万全の対応を求める方が酷と言うべきでしょう。
もっとも,金銭請求を受けている以上,トラブルが顕在化していることは明らかであって,何らかの解決を目指すべきこともまた事実です。適切な判断が困難だからと言って,放置するわけにもいきません。

そのため,金銭請求を受けたときには,風俗トラブルの解決に精通した弁護士に依頼し,円滑なトラブル解決を目指すことが適切です。金銭請求への対応に際しては,弁護士選びが重要になるでしょう。

ポイント
風俗トラブルはその場で金銭請求を受けることが多い
金銭請求への対処は弁護士への依頼が適切

②警察が関与した段階

風俗トラブルは,キャストや店舗側との間で問題なるのみならず,その場に警察を呼び,警察の取り扱いを受ける流れになることも少なくありません。店舗によっては,「お金を支払うか警察を呼ぶか」という選択を求めてくるケースも相当数あります。
警察が現場の客室等に臨場した場合,個別に事情を聴かれるなどし,場合によって刑事事件の捜査に着手する,という流れが考えられます。警察が具体的な捜査に着手しない場合でも,店舗側との話し合いによる解決を求められることがほとんどです。

そのため,警察が捜査に着手するかどうかにかかわらず,風俗トラブルに警察が関与した段階で弁護士選びを検討することが適切です。適切な弁護士を選び,弁護活動を行ってもらうことで,警察の取り扱い状況に応じた解決へのサポートが期待できるでしょう。

ポイント
風俗トラブルの現場に警察を呼ばれる場合も多い
警察が関与した段階で,解決に向けた弁護士選びを検討することが適切

③刑事事件化を防ぎたいとき

風俗トラブルは,刑事事件化することなく円満に解決できれば,最も早期に解決できます。そのため,キャストや店舗との間で速やかに解決することで,刑事事件化を防ぐ方針が非常に有力と言えます。

もっとも,刑事事件化を防ぐための具体的な解決方法は,風俗トラブルの解決に精通した弁護士でないと判断が困難です。解決方法を誤ってしまうと,紛争の火種が残った状態になり,後からトラブルが刑事事件として蒸し返されてしまう可能性もあります。

そのため,早期解決によって風俗トラブルの刑事事件化を防ぎたい場合には,弁護士選びを速やかに行い,解決に適した弁護士への依頼を試みることが有力です。

ポイント
風俗トラブルは,刑事事件化前の解決が最もスムーズ

弁護士を選ぶ基準

①風俗トラブルの解決経験

風俗トラブルは,その他の一般的な刑事事件とは異なる独特な対応が必要な事件類型です。そのため,弁護士である,刑事事件の取り扱いがある,というのみならず,風俗トラブルの解決経験があるかどうか,という点を重要な判断基準とすることが有力でしょう。

風俗トラブルの解決経験があれば,風俗トラブルに特有の動き方や注意点にも精通しているため,十分な弁護活動が期待できる可能性が高いです。一方,風俗トラブルの解決に必要な動き方を把握していないと,解決がなかなか進まず,最悪の場合にはトラブルが深刻化する恐れも否定できません。

②迅速な初期対応の可否

風俗トラブルは,トラブル発生の直後から必要な対応に迫られることが多い,という特徴のある事件類型です。弁護士選びを始める段階で,既に対応を迫られた状態であることも珍しくありません。
そのため,風俗トラブルの解決に当たる弁護士は,迅速な初期対応とフットワークを備えている必要があります。依頼を受けた数日後に動き始める,というわけにはいきません。

もっとも,弁護士がいつどのような対応をしてくれるかは,個々の弁護士のやり方により様々です。事件のスピード感に合わせた迅速な対応のできる弁護士であれば問題ありませんが,万一弁護活動がタイミングを逃したものになってしまうと決定的な悪影響につながる可能性も生じてしまいます。

迅速対応を約束してくれるかどうかは,必ず弁護士選びの基準として設けるようにしましょう。

③プライバシーへの理解

風俗トラブルにおける弁護士と依頼者の間の問題の原因として,プライバシーに関する依頼者側の要望を弁護士が正しく把握できていないことによる方針のズレが挙げられます。依頼者は,周囲への発覚を可能な限り避けながら内密に解決したい,と考えているものの,弁護士側は特に配慮せず,連絡方法などの配慮が不十分なまま活動を進めてしまう,というケースが散見されるところです。

風俗トラブルは,その性質上,身近な人物への発覚を避けながら解決する必要性の高いものですが,弁護士側にその点の十分な理解があるとは限りません。弁護士選びに際しては,事件解決に際してどのようなプライバシーへの配慮をしてもらうことができるか,という点を判断材料とすることが有力でしょう。

弁護士に依頼する場合の注意点

①示談方法の特殊性を踏まえているか

風俗トラブルの示談には,他の事件類型にはない特殊性があります。それは,示談の相手方が2人いる,ということです。具体的には,「キャスト個人」と「店舗」それぞれとの間で示談が必要となります

風俗トラブルを解決する場合,客と店舗担当者の間で解決内容を協議し,合意することが一般的です。客と店舗との間では,客が店舗のサービスを利用する際の約束に反した,という問題があるため,客と店舗との紛争解決が必要であるという面も間違いではありません。

しかし,風俗トラブルの根本的な問題は,基本的に客とキャストの個人間における紛争です。特に,性的行為に同意があったなかった,盗撮行為があったなど,刑事事件の側面に関しては,店舗は第三者に過ぎません。交渉の際,窓口になる店舗担当者も,あくまでキャストの代わりに窓口となっているだけです。

弁護士が風俗トラブルの解決を目指す場合,2人の相手方それぞれと示談をし,それぞれとの間で紛争が終了したことを確認しなければ,弁護活動を全うしたとは言えませんが,店舗とのやり取りになるあまり,肝心な対キャストの個人間における紛争が解決できていない,というケースも散見されます。
弁護士への依頼に際しては,風俗トラブルの示談方法を十分に理解していることを確認しましょう。

ポイント 風俗トラブルで要する2つの示談
対店舗:サービス利用時の契約違反
対キャスト:本番行為,盗撮行為等の刑事事件

②弁護士との連絡方法を確認する

風俗トラブルを弁護士に依頼する大きな目的の一つは,家族など周囲への発覚を防ぐ,という点にあることが多い思われます。事件の性質上,周囲への影響を防ぎつつ解決できるか,という点は非常に重要です。

ただ,弁護士との連絡方法について慎重な確認をしていないと,弁護士からの連絡が原因で周囲に事件が発覚する可能性も否定できません。風俗トラブルの対応に精通している弁護士であれば生じにくい問題ですが,そうでない場合,連絡方法への配慮不足から,弁護士に依頼している事実が家族に発覚してしまい,風俗トラブルの存在を知られてしまう結果になるケースも見受けられます。

弁護士への依頼に際しては,弁護士から連絡があった事実自体が周囲に伝わらないよう,慎重に連絡方法を協議し,解決に努めることをお勧めします。

③トータルの経済的負担を把握する

風俗トラブルは,相手方に金銭を支払う形での解決を目指すことが非常に多い類型です。しかも,金銭面の損得よりも早期解決を優先する場合,その経済的負担はより大きくなりやすいでしょう。

そのため,弁護士費用と示談金を合計した金額として,どの程度の経済的負担が見込まれやすいか,という点は,事前にできるだけ把握し,後から負担しきれないという事態が生じないように留意しましょう。もちろん,具体的な示談金額を事前に決定することはできないため,幅を持った想定にならざるを得ませんが,ある程度の見通しを設けておくことは柔軟な対応のため非常に重要なポイン

風俗トラブル(本番行為)の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で風俗店の本番トラブルに関する示談を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

示談が成立した場合に限り,22万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

風俗サービス中の本番トラブルでは,30~100万円ほどの示談金が想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(50万円で示談成立の場合)

弁護士費用:34万円+22万円=56万円
示談金:50万円

計:106万円

なお,この弁護士費用は刑事事件化しなかった場合を前提としたものです。刑事事件化し,捜査対応などを要した場合には別途弁護士費用が発生します。

弁護士費用の例

風俗トラブルに強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

特設サイト:藤垣法律事務所

風俗での盗撮がバレたらどうなる?示談の方法・金額・注意点を弁護士が完全解説

このページでは,風俗トラブル(盗撮トラブル)の示談についてお悩みの方へ,弁護士が徹底解説します。
示談の方法,内容に加え,当事務所で弁護活動を行う場合の費用も紹介していますので,示談を弁護士に依頼するときの参考にしてみてください。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

風俗トラブル(盗撮)では示談すべき?

風俗サービス中に,キャストが着衣を着けないでいる姿を撮影しようと試みた場合,これが発覚してトラブルになることがあります。
このような風俗店での盗撮トラブルに関しては,示談をすべき必要が非常に大きい類型と言えるでしょう。
その理由としては,以下の点が挙げられます。

①風俗での盗撮トラブルは犯罪

風俗店での盗撮行為は,「性的姿態等撮影罪」という犯罪に該当します(2023年7月13日以降)。そして,この性的姿態等撮影罪は,3年以下の懲役又は300万円以下の罰金という刑罰の対象になります。
風俗店でのサービスは,キャストが自分の意思で着衣を着けない状態になるため,撮影行為が盗撮であるという感覚が薄れがちですが,キャストが了承しない撮影行為は性的姿態等撮影罪が成立する犯罪行為に該当します。

そのため,風俗店での盗撮トラブルが刑事事件として捜査された場合,刑罰の対象となる可能性は十分に考えられます。刑罰を受ければ前科が付くことになるため,捜査や刑罰の対象となることは可能な限り防ぐべきです。

この点,風俗トラブルに関して当事者間で示談が成立した場合,盗撮事件として捜査や刑罰に発展することは基本的になくなります。盗撮行為が犯罪として処分されることを防ぐためには,示談が必要と考えて差し支えないでしょう。

②風俗トラブルで特に示談が必要な理由

盗撮事件の中でも,風俗トラブルでは特に早期の示談が必要となりやすい傾向にあります。その具体的な理由としては,以下の点が挙げられます。

【周囲に発覚する不利益が非常に大きい】

風俗トラブルの場合,自分が風俗店を利用している際のトラブルであることが明らかであるため,特に配偶者がいる立場の人にとっては,家族に発覚する不利益が極めて高くなります。家族への発覚を防ぐためには,家族に影響が生じないうちに,早期で穏便な解決を図る必要がありますが,そのような解決を実現できる手段は示談以外に考えにくいでしょう。

また,風俗トラブルが生じた場合,身分を証明する書面の提示を求められることが大多数です。店舗側は,職業や勤務先も含めて把握することで,逃げ得を防止しようとします。
そのため,風俗トラブルは勤務先への悪影響も強く懸念されやすいところです。風俗トラブルが勤務先に発覚することは確実に避けるべきですが,その具体的な方法はやはり早期の示談になるでしょう。

【相手からの請求を防ぐ利益が非常に大きい】

風俗トラブルでは,店舗側が金銭的に満足できるかどうか,という点が店舗側の方針を大きく左右する傾向にあります。金銭的な満足が得られれば円滑に解決しやすい一方,金銭的に満足できていない状況だと強く金銭を請求してくることがあります。

この点,風俗トラブルにおける店舗側からの金銭請求は,方法や内容が客側の恐怖を募らせるものになることも少なくありません。店舗側は金銭請求の経験に長けているため,どのように請求すれば支払いやすいかも感覚的に理解していることが多く,請求を受ける側にとっては心理的圧迫が大きくなりやすいでしょう。

店舗側からの請求に強い不安や恐怖を感じ続ける事態を避けるためにも,風俗トラブルでは早期に示談することが必要です。

風俗トラブル(盗撮)で示談するメリット

風俗での盗撮トラブルでは,捜査や処分の対象になる前に示談を行うメリットが非常に大きいです。具体的には,以下のようなメリットが挙げられます。

①刑罰を防げる

風俗店での盗撮行為は,いわゆる盗撮罪に当たる犯罪行為のため,罰金をはじめとする刑事罰の対象になり得ます。風俗サービス中の盗撮行為の場合,その証拠を現行犯で押さえられていることが多く,捜査されれば処罰に足りる証拠は十分に確保できてしまうでしょう。

そのため,風俗での盗撮トラブルでは,警察の捜査に発展する前に示談で解決することによって,刑罰を防げるメリットが非常に大きくなりやすいです。
風俗トラブルは,まず当事者間(又は店と客の間)でのやり取りから始まり,いきなり警察が介入するわけではないという点が非常に特徴的ですが,これは,警察が介入する前に解決するチャンスが十分にある,ということでもあります。

②逮捕を防げる

現行犯で盗撮事件が発覚した場合,証拠隠滅や当事者間の接触を防ぐため,逮捕される可能性があります。逮捕をされると,少なくとも当日は帰宅することができず,現実的に周囲への発覚を防ぐことは難しくなりやすいです。

この点,逮捕を防ぐ最も端的な手段は,逮捕される前に当事者間で解決することです。示談により当事者間で解決していれば,その事件で捜査を行う必要はなくなり,逮捕される可能性もなくなるということができるでしょう。

逮捕の有無はその後の生活を大きく左右するため,逮捕を防げるという示談のメリットは極めて大きなものと言えます。

③店からの請求を防げる

風俗トラブルでは,店側からの度重なる請求に大きな精神的負担を強いられるケースが少なくありません。店側としても,被害者であるキャストの損害を客に埋め合わせさせるため,強い態様で繰り返し請求することになりやすいです。

このような店からの金銭請求は,示談によってすべて防ぐことが可能です。示談を取り交わすときには,今後一切の請求をしないことを約束することになるため,示談後に金銭を請求することはできません。
店舗との関係を速やかに断ち切りたい場合には,示談での解決が極めて有益でしょう。

④家族や職場への発覚を防げる

示談での解決は,風俗トラブルが周囲に発覚することの回避にもつながります。風俗トラブルが周囲に発覚するのは,店舗側から客への請求行為が周囲に発覚する,というのが主な経緯ですが,示談によって店舗側からの請求もなくなるため,家族や職場にトラブルが知られる可能性はなくなるでしょう。

また,示談の際に適切な内容を取り交わせば,方法を問わず周囲にトラブルが発覚するような行為を相手に禁じることが可能です。

ポイント 示談のメリット
刑罰を受ける可能性がなくなる
逮捕される可能性がなくなる
店からの請求がなくなる
家族や職場に発覚されず解決する

風俗トラブルの適切な対処と誤ったときのリスク

風俗トラブルが表面化する一般的な流れは,キャストが店側にトラブルの申告(連絡)をし,風俗店の関係者が現場に駆け付ける,ということが多く見られます。代表的なデリバリーヘルスの例では,性的サービスの後,キャストが利用客のシャワー中に店へ連絡し,利用客が部屋を離れる前に店舗関係者が部屋に向かってトラブル解決を迫る,という流れが多いところです。
なお,そこでのトラブル解決は,金銭的解決を指すことが通常です。風俗店のトラブル対応は,金銭的な満足を得られるかどうかを基準とすることが一般的です。

このような風俗トラブルに見舞われた際の適切な対処としては,その場で結論を出したり支払ったりせず,速やかに弁護士へ相談・依頼をすることです。その具体的な理由は,以下の通りです。

①心理的圧迫の影響で多額の支払をしてしまう危険がある

風俗店関係者からは,「女の子がショックを受けている」「犯罪だから警察に突き出すこともできる」などと真偽の不明な文句で心理的圧迫を受け,金銭賠償を強要されることが多く見られます。突然そのような話をされ,正常な判断も難しい中で対応した場合,十分な交渉も検討もできないまま,風俗店側に求められた多額の支払を行ってしまう危険が非常に大きいでしょう。

②トラブルの解決が約束されないままになってしまう

風俗店は,風俗トラブルについて金銭を受領した場合,その内容を自社又は店舗の独自の書式で作成した何らかの書面にすることが多く見られます。もっとも,その書面は,法律的な意味での紛争解決を内容としているわけではなく,記載内容も作成方法も不十分であることがほとんどであり,風俗店側の内部処理くらいの意味合いしかありません。

そのため,せっかく金銭を支払って風俗店と解決したとしても,それ以上の賠償義務があるかないか不明確な上,今後さらに金銭を請求しないとの確約もない,という状態になってしまいます。法的には何も解決しないまま,支払った金銭の負担だけが残るということになりかねません。

③キャストとの間では紛争解決ができない

風俗店の試みるトラブル解決は,あくまで風俗店と利用客の間でのものであり,キャストと利用客との解決を内容とするものではありません。そのため,風俗店と事実上解決できたとしても,その後になってキャストが自分への金銭賠償等を請求してきた場合,これを回避する手立ては存在しないことになります。
紛争全体の解決を図るためには,風俗店と利用客,キャストと利用客それぞれの解決が必要となりますが,それを実現するためには,その場で結論を出さず弁護士に依頼することが不可欠でしょう。

④個人情報を風俗店に保管されてしまう

風俗店は,風俗トラブルが発生したときの運用として,利用客の身分証の写しを取るなど,その個人情報を保管しようとすることが一般的です。もちろん,これに応じる法的な義務はありませんが,現実的にはその場を収めるために応じることが非常に多いでしょう。

この点,自分で風俗店と解決を図った場合,保管された個人情報はそのままになってしまい,これを破棄・処分などすることの約束を取り付けることは困難です。紛争解決した後に相手の個人情報を保管しておく理由は特段ありませんから,風俗店に個人情報を確保されたままの状態が非常に不適切であることは間違いありません。

ポイント
本番行為は両者の合意があるから合法
トラブル化した場合は金銭的解決が問題になりやすい
その場で解決しようとすると適切な解決は困難。弁護士への依頼が得策

風俗トラブルにおける逮捕の可能性

風俗トラブルの場合,風俗店側が警察を呼ぶなどして警察が関与する場合も少なくありませんが,その場合でも逮捕まで至る可能性は決して高いわけではありません。
特に,本番トラブルの場合だと,利用客側はキャストが本番行為に合意していると誤解していたことがほとんどなので,犯罪が成立する可能性は低く,キャストやお店の主張のみを根拠に逮捕することは容易ではありません。

もっとも,内容があまりに過激である場合,トラブルが度重なっていて悪意がないとは考えにくい場合など,特に十分な捜査を要すると判断される場合には,逮捕に至る可能性も否定はできません。

風俗トラブルは自分で解決してもよいか

風俗トラブルは,その場で風俗店関係者から解決を迫られることが多いため,これに応じる形で自分で解決することも不可能というわけではありません。しかし,やはり自分で風俗店側と解決を図ることは,法的にはお勧めできません。

自分で解決を図ることの致命的な問題は,法的には何ら解決されていない状態のままになる,ということです。風俗店側が客の利益になるような示談書などを作成することはありませんので,それ以上の金銭債務がないのか,お店やキャストが他言しないのか,警察を巻き込まないのか,といった点については,全く手つかずになってしまいます。

風俗店やキャストがそれ以上の動きを取らなければ,現実に問題となることはありませんが,裏を返せば,風俗店やキャストが後から金銭請求をしてきたり警察に被害届を出したりしても全く問題ない,ということです。
そのリスクを抱える前提で解決や支払を行うのは,適切とは言い難いでしょう。

風俗トラブル(盗撮)で示談をする方法

風俗トラブルの解決は,店舗の代表者との間で話し合うことが一般的です。盗撮事件の当事者はキャスト個人ですが,キャストが直接話し合いに応じることはあまりなく,キャストを代理して店舗代表者が窓口対応するのが大多数でしょう。

風俗サービス中の盗撮トラブルが発覚した場合,店舗代表者がサービス中の客室に訪れ,その場で解決の話し合いがスタートする例が多く見られます。この時,できる限りその場で合意をしたり金銭を支払ったりしないようにするのが賢明です。その場で解決しようとすると,どうしても一方的に不利益な内容で合意させられてしまいがちである上,示談内容も不十分なものになりがちであるためです。

風俗トラブルで店舗代表者と話し合いが始まったときは,連絡先を交換して速やかに連絡する旨を伝えた上で,できるだけ早く弁護士に相談・依頼をするようにしましょう。弁護士が依頼を受けた後は,弁護士がご自身の代理人として店舗代表者と連絡を取り,示談の話し合いを開始することが可能です。

ポイント

よくある示談の流れ
1.店舗代表者がサービス中の客室に訪れる
2.その場で店舗代表者との話し合いが始まる

その場で解決するデメリット
1.一方的に不利益内容になりがち
2.示談の内容や方法が不十分

適切な示談方法
1.その場では連絡先の交換にとどめる
2.速やかに弁護士へ依頼し,弁護士から連絡してもらう

風俗トラブル(盗撮)の示談金相場

風俗店での盗撮トラブルの場合,示談金額はケースによって様々ですが,概ね20~80万円ほどで合意する例が多く見られます。
解決金額に幅が生じやすい点は,風俗トラブルの特徴の一つでもありますが,金額の変動要因としては以下のような事情が挙げられます。

示談金の増額要因

客側が早期解決を希望している
店舗側が法的手続を辞さない方針である
発覚時にキャストとの間でもみ合いなどのトラブルが起きている
一定の金額を支払うことをその場で約束した

示談金の減額要因

客側が賠償金額の上限を設けている(上限を超えれば示談を諦める)場合
店舗側が早期解決を希望している
キャストや店舗側に不適切な行為があった

なお,風俗トラブルの示談は,「お金で解決する」という側面が強い分野でもあります。感情的に許すかどうかというより,金額が満足できるものかという基準で判断されることが多いため,単純に金額が大きいほど示談に至りやすい傾向が見られるところです。
そのため,風俗トラブルの場合は,支払う側に示談を希望する気持ちが強ければ強いほど高額の示談になりやすいでしょう。裏を返せば,金銭的負担が大きければ大きいほど迅速円滑な解決がしやすい,ということもできます。

ポイント
風俗店の盗撮トラブルは,20~80万円ほどの合意が多く見られる
風俗トラブルの示談はお金で解決する側面が強い

風俗トラブル(盗撮)の示談内容

風俗店での盗撮トラブルで示談を行う場合の内容には,以下のものが挙げられます。

【確認条項】

客側の支払うべき金額を確認する条項です。当事者間で合意した金額を明記することになります。

【給付条項】

金銭をどのように支払う(給付する)のかを定める条項です。
風俗トラブルの場合,現金の手渡しでの解決が多く見られます。弁護士と店舗代表者の間で,面談の上で示談書の取り交わしと金銭の支払いを同時に行い,その場で解決するという流れが代表的です。

【清算条項】

示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。清算条項を設けることで,その後に請求を受ける恐れがなくなります。

【口外禁止】

トラブルや示談の内容を第三者に口外しない,という条項です。風俗トラブルの場合,周囲への発覚を避ける必要が大きいので,客側が安心を得るためには非常に重要な条項となります。

【個人情報の処分】

主に,店舗側が得た客の個人情報を廃棄・処分するという内容の条項です。店舗は,風俗トラブルの発生時に客の免許証や保険証を確認するなどして住居や勤務先を把握することが多いため,免許証や保険証の廃棄を約束してもらうことが重要になります。
一方,客が撮影した内容の消去など,客側が適切な処分をすることを盛り込む場合もあります。

【店舗の利用禁止】

店舗側の要望で,今後の利用禁止を約束する場合があります。利用禁止を求められた場合には,拒否するメリットに乏しいため応じるのが適切でしょう。

風俗トラブル(盗撮)の示談で注意すべきこと

風俗店での盗撮トラブルでは,示談に際して以下の事項に注意するのが適切です。

①お店とだけ示談しても不十分

風俗トラブルの場合,キャスト個人でなく店舗の代表者が窓口となって示談交渉するのが通常です。ただ,あくまで事件の当事者は客とキャストであり,キャストとの間で示談ができなければ示談としては不十分と言わざるを得ません。
厳密には,「客とキャスト」「客と店舗」それぞれとの間で示談をかわすことが必要です。店舗との間でだけ示談ができても,キャストとの間では何も解決できていないため,その後にキャスト個人から金銭を請求されるリスクが残ります。

風俗トラブルにおけるキャストと店舗それぞれとの間の法律関係は,以下のように整理できるでしょう。

風俗トラブル(盗撮)の法律関係

【客とキャストの間】

①刑事事件
性的姿態等撮影罪が成立
②民事事件
不法行為に基づく損害賠償請求があり得る

【客と店舗の間】

①刑事事件
基本的になし(ただし,業務妨害罪が成立するケースも)
②民事事件
債務不履行に基づく損害賠償請求があり得る(契約違反)

このように,厳密にはキャストと店舗それぞれとの間で法律関係があるため,示談もそれぞれとの間で行うことが必要です。
弁護士が示談を行う場合は,店舗代表者にキャストの代理人となることを依頼し,三者間での示談を行うことが多いでしょう。

②金銭を支払った後でも示談すべき

風俗トラブルでは,その場に店舗代表者が乗り込む形で話が始まるため,ケースによってはその場で一定の支払を行っていることがあります。この点,支払をしていれば解決しているようにも思えますが,法的にはそうとは言えません。

その場で金銭を支払うとき,多くは店舗の用意する書式で示談書のようなものを作成することになります。しかし,その書面は法的に十分な記載がなされているものではないため,実際には紛争解決ができていません。
具体的には,「金銭を支払え」「金銭を支払った」という程度の記載はあるものの,必要な支払いが他にあるかどうかは分からない(清算条項がない),ということが大多数です。これでは,既に支払ったにもかかわらず,追加での支払いを求められたときに拒む根拠がありません。

既に金銭を支払った場合でも,しっかりと解決を確認して形に残すため,弁護士に示談を依頼するのが適切でしょう。

風俗トラブル(盗撮)の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で風俗店の盗撮トラブルに関する示談を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

示談が成立した場合に限り,22万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

風俗サービス中の盗撮トラブルでは,20~80万円ほどの示談金が想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(50万円で示談成立の場合)

弁護士費用:34万円+22万円=56万円
示談金:50万円

計:106万円

なお,この弁護士費用は刑事事件化しなかった場合を前提としたものです。刑事事件化し,捜査対応などを要した場合には別途弁護士費用が発生します。

弁護士費用の例

風俗トラブルで弁護士に依頼すべき場合

①金銭請求されている場合

風俗トラブルは,金銭的解決を求められるのがほとんどです。風俗店によっては,恐喝罪などの対象になることを恐れて明言を避けてくることもありますが,基本的に風俗店は全て金銭的解決を図ろうとしていると理解しても誤りではないでしょう。
そのため,風俗トラブルでは金銭面の交渉が不可欠であり,これを行うには風俗トラブルに精通した弁護士への依頼が適切です。

②周囲への発覚を防ぎたい場合

風俗トラブルは,内容の性質上,家族や職場関係者など周囲に発覚する不利益が大きいものです。そのため,周囲に発覚することなく,秘密裏に解決したいということは多いでしょう。
弁護士に依頼した場合,弁護士がすべての窓口になりますので,周囲に事態が発覚する恐れは基本的になくなります。

③個人情報を保管されている場合

風俗トラブルの際には,風俗店に身分証の写しを取られるなど,個人情報を保管されることが多く,個人情報の流出や悪用を不安に感じる場合もあるでしょう。もっとも,自分から風俗店に個人情報の処分を求めることも容易ではありません。
弁護士に依頼した場合には,トラブル解決にあわせて個人情報の処分についても合意を取り付けることで,個人情報に関する不安を解消することが可能です。

弁護士への法律相談に関するポイント

①双方の言い分を整理する

風俗トラブルにおいては,自分と相手方(キャスト)の言い分に大きな差がある場合も珍しくありません。例えば,いわゆる本番トラブルの場合,自分の目からはキャストが特に嫌がっているように感じられなかったものの,相手は無理矢理に本番行為をさせられたと主張している,ということはよくあると言っても過言ではないでしょう。

そのため,弁護士に相談する前提として,トラブルの具体的内容は何か,トラブルに対する当事者双方の言い分はどのようなものか,という点を十分に整理し,弁護士に伝えられるようにしましょう。言い分に食い違いがあるかないか,食い違いがある場合にはどのような内容かによって,弁護士からの案内が大きく異なる可能性もあり得ます。

②現状の交渉経過を整理する

風俗トラブルの大きな特徴の一つが,トラブル発生直後から交渉が始まりやすい,という点です。キャストから連絡を受けた店舗担当者が,サービス中の客室に乗り込み,違反行為の指摘と示談交渉を持ち掛けてくる,という流れは多く見られるところです。

この点,店舗担当者との交渉がどのような内容であるか,何か合意をしたことはあるか,といった事項は,その後の対応に大きな影響を与えます。基本的には弁護士による交渉代行が可能ですが,弁護士依頼の前に一定の合意をしてしまっているのであれば,その合意を覆す余地があるかないか,という点をまず検討する必要が生じ得るためです。
また,合意には至っていないとしても,ある程度金額の話し合いをした後の状況だと,弁護士がその話し合いを根本から覆すような金額の提案をするのは,現実的にトラブル解決の可能性を低下させやすい動きにもなってしまいます。

そのため,弁護士選びに際しては,現状の交渉経過を正しく整理することで,弁護士がどのような対応をできるのか,しっかりと判断できるだけの情報を提供するように努めることをお勧めします。

③優先順位を整理する

風俗トラブルの対応は,当事者間の解決を優先するか,経済的な損失を防ぐことを優先するか,といった優先順位の違いによって,適切な動き方も違ってくることになります。通常,店舗側の方針としては,経済的に満足できるか,という基準で判断することになるため,店舗側が経済的に満足する結果となれば早期に解決しやすい傾向にあります。一方で,そのような解決は「トラブル解決をお金で買う」とも言うべきやり方であるため,経済的には本来負担する必要のない支払が生じることも珍しくありません。

風俗トラブルの場合,金銭的負担よりも穏便で迅速な解決の優先順位が非常に高いケースもありますが,弁護士がその点を把握していないと依頼者側の希望に沿わない弁護活動になる可能性もあり得ます。
弁護士への依頼に際しては,金銭面とトラブル解決のどちらをどの程度優先したいという意向か,というお気持ちをある程度整理しておくことをお勧めします。

刑事事件に強い弁護士をお探しの方へ

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
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特設サイト:藤垣法律事務所

不同意わいせつ事件の示談金相場や方法は?示談するメリットや流れなども徹底解説

わいせつ事件を起こしてしまい、示談を考えているものの、どのように進めればよいのか分からず不安を感じている方もいるでしょう。

自分が同意あったと思っていても相手の女性から同意はなかったと言われて訴えられたら、焦るのも同然です。

まずは示談に応じてくれるかどうかを試し、刑事処分のリスクを減らすことがおすすめです。

そこで本記事では、不同意わいせつ事件の示談の必要性を踏まえ、示談金相場や方法などを弁護士が詳しく解説します。

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内できます。

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この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

不同意わいせつ事件で示談は必要か

「不同意わいせつ罪」は,かつて「強制わいせつ罪」との名称で規律されており,この強制わいせつ罪は長く「親告罪」とされていました。

親告罪とは,検察官が起訴をするために告訴が必要となる犯罪を言います。この親告罪は,示談すれば確実に起訴されない事件類型と理解できます。それは,示談を取り交わす場合,示談の内容として「告訴しない」または「告訴を取り消す」という合意をするため,示談をすれば親告罪の起訴に必要な告訴がなくなるからです。
親告罪でない犯罪(非親告罪)は,示談をしていても起訴することは法律上可能であるため,示談によって確実に起訴されないという点は親告罪の非常に大きな特徴です。

親告罪と示談

親告罪:示談をすれば確実に不起訴
非親告罪:示談をしても法律上起訴が可能

この点,本校執筆時の不同意わいせつ罪は,非親告罪であるため,示談をして告訴がなくなっても確実に不起訴となるわけではありません。しかし,不同意わいせつ事件では示談の必要がなくなっているのかといえば,それは間違いです。非親告罪である不同意わいせつ事件でも,示談は非常に大きな意味を持ち,処分の軽減を目指すには必要と言って差し支えありません。示談の有無で処分が決まるケースが大多数と言っても決して大袈裟ではないでしょう。

不同意わいせつ事件では,まず示談の検討を行うことをお勧めします。

ポイント
不同意わいせつ罪は非親告罪であるため,示談しても起訴は可能
実際の運用上は,示談は不同意わいせつ事件で決定的な意味を持つ

不同意わいせつ事件の示談金相場

不同意わいせつ罪に当たる事件の示談金相場は,概ね50~100万円という場合が多く見られます。不同意わいせつ事件は重大事件であるため,示談金も大きくなりやすいですが,示談金額が増減する要因としては以下のような事情が挙げられます。

不同意わいせつ事件における示談金額の増減要因

1.わいせつ行為の内容
→性器への接触など,身体侵襲の程度が大きい場合,増額要因になります。

2.事件の発生した時間・場所
→夜間や人通りのない路上など,被害者の恐怖心を強める時間・場所での事件である場合,増額要因になります。

3.被害者の心身への支障
→事件が原因で被害者に精神疾患などが生じた場合,損害が拡大するため増額要因になります。

4.当事者間の関係
→上下関係を利用してわいせつ行為をしたなど,立場を用いた悪質な事件の場合,増額要因になります。

5.加害者の経済力
→経済力に限界のある場合,減額要因になります。

示談金の相場は、50〜100万円が一般的となります。それにプラスして弁護士への費用が発生することを頭に入れておいてください。後ほど詳しく説明しますが、弊所では不同意わいせつ事件に伴う費用を着手金が33万円で示談の成果報酬が22万円とさせていただいております。

不同意わいせつ事件で示談をする方法

捜査を受けた不同意わいせつ事件では,示談するためには捜査機関(警察や検察)にその旨を申し入れ,捜査機関から被害者に連絡を取ってもらうことが必要になります。まずは,捜査機関の担当者と被害者との間で話をしてもらうというわけです。
もっとも,捜査機関は加害者本人と被害者を引き合わせることをしません。当事者同士で連絡を取らせるのは,被害者にとって不適切である上,二次被害の原因になる可能性がある,と考えるためです。
そのため,示談を試みるためには,弁護士を介して行うことが必要となります。弁護士に依頼の上,弁護士限りで被害者と連絡が取りたいという申し入れをすれば,捜査機関は被害者との間を取り持ってくれるのが通常です。

弁護士が示談を試みる場合の基本的な流れは,以下の通りです。

示談交渉の流れ

1.弁護士が捜査機関に示談したい旨を申し入れる
2.捜査機関が被害者に連絡を取り,示談に関する意思確認をする
3.被害者が捜査機関に返答をする
4.被害者が了承すれば,捜査機関を介して連絡先を交換する
5.弁護士が被害者に連絡を取り,交渉を開始する

弁護士に依頼した後における進捗の確認は,弁護士を通じて行います。弁護士からは,捜査機関とのやり取りの状況,被害者との連絡状況,示談の話し合いに関する内容など,進展があり次第随時報告を行い,情報共有します。

ポイント
示談の申し入れは,弁護士から捜査機関へ行う
被疑者は,弁護士に依頼の後,弁護士を通じて状況を把握する

不同意わいせつ事件における示談のメリット

不同意わいせつ罪での示談は,数多くのメリットをもたらすものと言えます。不同意わいせつ事件で示談をした場合の具体的なメリットは,主に以下の通りです。

  • 不起訴になり前科を回避できる
  • 逮捕勾留から早期に釈放される
  • 刑罰の軽減
  • 当事者間での解決

詳しく解説します。

①不起訴になり前科を回避できる

不同意わいせつ事件は,決して軽微なものではないため,犯罪事実が明らかに存在するのであれば起訴することが通常です。そして,刑法に定められた不同意わいせつ罪の刑罰は「6月以上10年以下の拘禁刑」であり,拘禁刑より軽微な罰金刑の定めがありません。そのため,不同意わいせつ事件で起訴されると,公開の裁判を受けた上で初犯でも実刑判決の対象になる可能性があります。
また,公開の裁判を受けて実刑判決等の刑罰を受けると,前科が付くことにもなり,その後の生活への支障も否定できません。

しかし,起訴される前に被害者との間で示談することができれば,事件は不起訴処分とされる可能性が非常に高くなります。現実的には,示談をして被害者が不起訴希望の意思を表明するに至れば,不起訴とせざるを得ないことが多いでしょう。それは,被害者自身が起訴を希望していないことが明らかである上,起訴に必要な被害者の協力が得られない可能性が高くなるためです。

不同意わいせつ事件における示談は,不起訴を決定づけるものであり,前科を回避するために最も重要なものと言ってもよいでしょう。

示談の成立で持って不起訴を目指すのが基本的な流れにはなります。示談が成立したことを捜査機関にアプローチをかけて前科の回避を目指します。

②逮捕勾留から早期に釈放される

不同意わいせつ事件は,捜査に当たって逮捕・勾留といった身柄拘束の可能性が低くない事件類型です。犯罪そのものが重大であること,被害者保護のため加害者による被害者への接触を防がなければならないことなどが大きな理由とされます。
そのため,不同意わいせつ事件では逮捕勾留を想定すべきケースが多く,逮捕勾留された場合の釈放に向けた試みも非常に重要です。

この点,不同意わいせつ事件で示談ができた場合,逮捕や勾留の期間が劇的に短縮されることが少なくありません。ケースによっては,示談が確認できた段階で直ちに釈放されることもあり得ます。
一般に,特に示談などをしない不同意わいせつ事件では,20日間の勾留の上,起訴不起訴の判断となります。しかし,例えば5日目で示談できた場合,20日間の勾留となることはほとんどなく,示談後数日のうちには釈放されることが見込まれやすいです。

不同意わいせつ事件における示談は,逮捕勾留の期間も決定的に左右するものであると考えてよいでしょう。

こちらも示談の成立が大きな材料となりますが、示談成立したのに勾留することはないといった不服申し立ての手続きを行います。

③刑罰の軽減

不同意わいせつ事件で起訴されてしまった場合,不起訴を獲得したり前科を回避したりすることは基本的に不可能です。しかし,その場合でも示談を目指すことは非常に大きな意味を持ちます。

刑罰の重さを最終的に判断するのは裁判所ですが,裁判所が刑罰を判断する際に極めて重要視する事情に,被害者の処罰感情や被害者に対する被害の補填が挙げられます。

処罰感情とは,処罰を希望するかどうかという気持ちを言います。被害者の処罰感情が強いほど,刑罰は重くなる傾向にあります。
また,被害者に対する被害の補填は,被害者に生じた損害がどれだけ回復されているか,という意味で重要な判断要素になります。被害の補填は主に金銭で行われることが一般的ですが,事後的に被害が回復されていれば,その結果重い刑罰を科す必要はなくなる,という理解になるのが通常です。

被害者との間で示談が成立すれば,被害者に処罰感情がないことや,被害の補填がなされたことが明らかになります。そのため,示談は刑罰の軽減に直結する効果を持つということができます。

示談がなければ実刑判決が見込まれるケースでも,示談によって実刑判決を回避できる場合は珍しくありません。示談は,被害者がいる事件で刑罰を軽減するための最も有益な試みと理解してよいでしょう。

示談の効果が大きく影響しますが、過去の事例も引き合いに出しながら処分の軽減を捜査機関に意見として示していきます。

④当事者間での解決

不同意わいせつ事件は,民法上の「不法行為」に該当します。そのため,被害者は,加害者に対して不法行為に基づく損害賠償(金銭の支払)を請求することができる,という法律関係に立ちます。
この法律関係は,加害者が刑事処罰を受けてもなくなることがありません。加害者の立場では,刑罰を受けた後,さらに被害者から損害賠償を請求される可能性があるということになります。
そのため,加害者の立場としては,被害者との間で生じている法律関係を解決することも,非常に重要な問題です。

この点,被害者との間で示談が成立した場合,被害者と加害者の間には示談の内容以外に法律関係がない(法律関係が解決した)という約束をすることになります。そのため,示談が成立すれば,その後に加えて被害者から金銭賠償を請求されることはなくなり,法律関係の面でも安心することができます。
なお,当事者間の法律関係が解決したことを約束する示談の条項を,「清算条項」と言います。示談に際して清算条項を盛り込んで解決することで,当事者間の法律関係は示談をもって終了することになります。

ポイント 示談のメリット
不起訴になり前科が回避できる
逮捕勾留から速やかに釈放される
刑罰が軽減する
被害者との法律関係が解決する

不同意わいせつ事件における示談交渉の流れ

不同意わいせつ事件における示談は、以下のような流れで行います。

  • 弁護士が被害者の連絡先を捜査機関から入手する
  • 弁護士と被害者で示談交渉を成立させる
  • 示談書の作成を行う
  • 示談金の支払いをする

詳しく解説します。

弁護士が被害者の連絡先を捜査機関から入手する

不同意わいせつ事件において示談交渉を進めるためには、まず被害者の連絡先を入手する必要があります。

加害者が相手の連絡先を知ってるケースはほとんどないため、まずは弁護士に相談することが先決です。

弁護士が示談交渉を行うためには、まず加害者側の代理人として活動することを正式に依頼します。

そのうえで、捜査機関に対し、弁護人として被害者との示談交渉を希望していることを伝えます。

捜査の進行状況によっては、警察や検察が被害者の意向を確認し、弁護士による示談交渉を受け入れるかどうかを判断することになるでしょう。

仮に被害者が示談交渉に応じる意思を示した場合、捜査機関から弁護士に対して被害者の連絡先が提供されます。

弁護士と被害者で示談交渉を成立させる

弁護士が相手の連絡先を入手できたら、被害者と示談の交渉を行います。

交渉に入る際には、被害者の感情や精神的負担を最大限に配慮しながら、誠実な姿勢を示します。

加害者が反省していることを伝えるとともに、被害者の心情を尊重した対応を取り、被害者が示談に前向きな姿勢を示した場合、具体的な条件を話し合う段階に進む流れです。

示談金の金額や支払い方法に加え、謝罪文の提出、今後の接触禁止の約束など、被害者の求める条件を慎重に確認しながら合意点を探ってくれます。

示談書の作成を行う

示談が前向きに進んだら、示談書の作成をします。

示談書は、加害者と被害者の双方が合意した条件を正式に文書化し、今後のトラブルを防ぐための証拠として機能するものです。

事件の概要を記載し、示談が成立したことを明確に示すところから、示談金の額や支払い方法、期限についてなども記載します。

また、今後のトラブル防止のために、双方が一切の請求を行わないことや、本件に関して第三者に情報を漏らさない旨の秘密保持条項を記載することも重要です。

示談金の支払いをする

最後に、示談金の支払いを済ませます。

示談金の支払いにあたっては、まず示談書に記載された金額や支払い期限、支払い方法を厳密に守らなければなりません。

加害者の経済状況によっては分割払いが認められる場合もありますが、被害者の理解を得ることが必要です。

不同意わいせつ事件の示談内容・条項

不同意わいせつ事件における示談の条項としては,以下のようなものを設けることが考えられます。

①確実に盛り込む内容

【確認条項】

加害者が被害者へいくらの支払を行う必要(義務)があるかを,当事者間で確認する条項です。
当事者間で合意した示談金の金額を,支払う義務のある金額と定めることになります。

【給付条項】

確認された支払の義務をどのように果たす(給付する)のか,という点を定める条項です。
金銭の支払を内容とするのが通常ですが,支払方法が手渡しか振り込みか,手渡しであればいつどこで行うか,振り込みの場合はどの口座か,振込手数料は誰が負担するか(通常は加害者が負担),支払の期限はいつまでか,といった点を定めます。

【清算条項】

示談で定めた内容以外に,当事者間に債権債務関係(法律関係)がないことを確認する条項です。この条項を設けることで,加害者と被害者との法律関係は示談金の支払をもって終了することになります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)とは「許し」を意味します。宥恕条項は,被害者が加害者を許すことを内容とする条項です。
加害者が示談金の支払を負担して示談を目指すのは,基本的にこの宥恕条項を獲得するためです。宥恕条項があることによって,捜査機関は被害者に処罰感情がないことを把握でき,不起訴処分の根拠とすることが可能になります。

②当事者の希望で盛り込む条項

【接触禁止】

示談成立後,当事者間で接触を試みないという約束を行うものです。事件の性質上,加害者による被害者への接触を禁止する条項を設けることが通常です。対面はもちろん,電話,メールなど,いかなる方法でも相手への接触を試みない,という合意をすることになります。

【出入禁止】

被害者と接触する可能性がある場所への出入りを禁止するというものです。出入り禁止の具体例には,以下のようなものが挙げられます。

出入禁止の具体例

1.事件現場が被害者の帰宅途中である場合
→現場近辺の一定区域の立入禁止

2.事件現場が駅構内
→当該駅や周辺への出入禁止

3.事件現場が公共施設内
→当該施設への出入禁止

4.加害者が被害者の住居地を知っている場合
→住居地を含む一定範囲の出入禁止

【違約金】

加害者が示談で定めた約束に違反した場合,約束違反のペナルティとして被害者に金銭(違約金)を支払うという条項です。
主に,行動制約を取り決めた場合に,これを遵守してくれるか被害者が不安である,というケースで設けることが考えられます。
違約金の金額は,特段のルールはありませんが,示談金額をベースに定めることが多く見られます。

この違約金条項は,実際に違約があり金銭を支払う,という形で活用されることはほとんどありません。現実的には,「違約金の約束をできるほど示談条件を守る気持ちが強い」という意思を表明する手段として用いられるものです。

不同意わいせつ事件の示談で注意すべきこと

不同意わいせつ事件の示談では,以下のような点に注意すべき場合が考えられます。

①被害者の感情面

不同意わいせつ罪に該当する重大な事件の場合,被害者側の感情もそれだけ強いことが一般的です。「認めている」「反省している」といっても,それほど安易に許すことは難しい場合も少なくありません。

不同意わいせつ事件の示談に際しては,被害者に大きな精神的ダメージがあることを念頭に,被害者の感情が強い状態でも致し方ないと踏まえた上で試みるのが適切でしょう。金額などの条件提示や,被害者側から要望があった場合の対応は,できるだけ被害者側の感情を汲んで行うのが望ましいところです。

どれくらい傷ついたか、どんな感情を抱いているのかなどを被害者からぶつけられるケースは珍しくありません。その感情が満たされなければ示談成立は困難となるため、被害者側の感情が根深い可能性があることを踏まえておく必要があります。

②認識のズレ

不同意わいせつ事件は,当事者間で事件内容の認識にズレのある場合が少なくありません。「触った」のか「鷲掴みにした」のか,といった行為の強さに関する点,「いきなり襲った」のか「了承を得たつもりであった」のかという経緯の点など,当事者間で認識にズレがあることは多く見られる類型と言えます。
裏を返せば,そのようなズレがあるからこそ,不同意わいせつ罪の問題になっている,ということも言えるでしょう。

不同意わいせつ事件の示談では,自分の記憶と整合しない言い分が被害者側から出てくる可能性を想定しておくのが適切です。その上で,認識にズレがあった場合,どのようにそのズレを埋めて示談の成立につなげるのか,という検討が重要になるでしょう。
具体的なズレの埋め方や示談の方法に関しては,弁護士とのご相談をお勧めします。

自分が記憶している出来事と相手から見た出来事は一致しない可能性があります。被害者側の認識に近づけた示談交渉が必要となります。

③起訴前後の違い・時間制限

不同意わいせつ事件は,起訴前に示談ができれば不起訴が見込まれやすい一方,起訴されてしまった後に示談が成立しても遡って不起訴になる可能性はありません。もちろん,起訴後の示談には刑罰を軽減させる大きな効果がありますが,不起訴ほどの効果とは言えないところです。
そして,起訴前の捜査には時間制限のあることも多く,特に逮捕勾留される身柄事件では,厳格な期間制限が法律で定められています。

そのため,起訴前の示談が時間制限のためできなかった場合,起訴後の示談を起訴前と同じ意味合いのものと考えることは不適切でしょう。示談で加害者側の得られるメリットに限りがある以上,どうしても起訴後の示談の方が示せる条件に限りが生じやすいところです。
逆に,起訴前の示談交渉に関しては,「起訴前に限ってこの条件がお約束できる」という交渉の仕方をすることも少なくありません。そのような示談戦略を有効に活用するためにも,起訴前後における示談の効果の違いは踏まえておくとよいでしょう。

ポイント
被害者の感情が強い可能性を事前に想定する
当事者間で出来事の認識にズレがある可能性を想定する
起訴前後では示談の持つ効果に違いがあることを踏まえておく

基本的には、起訴前に示談を行わなければなりません。起訴された後の示談だと刑罰がついてしまうため、示談する目的が達成されないでしょう。

不同意わいせつ事件の示談に必要な費用

藤垣法律事務所で不同意わいせつ事件の弁護活動を行う場合,必要な費用のモデルケースとしては以下の内容が挙げられます。

①活動開始時

着手金33万円
実費相当額1万円
合計34万円

一般的な在宅事件では,34万円のお預かりにて活動の開始が可能です。

②弁護活動の成果発生時

不起訴処分33万円
示談成立22万円(※)
出張日当・実費実額
※金銭賠償で5.5万円,清算条項締結で5.5万円,宥恕の獲得で11万円

活動の成果が生じた場合に限り,55万円(実費日当を除く)の費用が発生します。

③示談金

不同意わいせつ事件の場合,50~100万円の示談金が目安として想定されます。

④合計額

上記①~③の合計額が必要な費用負担となります。

目安となる費用総額(在宅事件にて50万円で示談成立+不起訴の場合)

弁護士費用:34万円+55万円=89万円
示談金:50万円

計:139万円

⑤柔軟な料金設定が可能な場合

弁護士費用は,弁護活動の範囲を限定することで費用額を安く抑えることも可能な場合があります。

不同意わいせつ事件の場合,捜査を受けておらず,当事者間でのトラブル解決を目指す段階であれば,弁護活動を示談交渉のみに限定する形で,柔軟な料金設定のご案内が可能な場合が考えられます。

可能な費用負担に限界がある場合も,一度お問い合わせいただくことをお勧めいたします。弁護士から詳細なご案内を申し上げることが可能です。

不同意わいせつ事件の示談は刑事事件に強い弁護士へご相談を

不同意わいせつ事件を起こしてしまった場合、刑事処分のリスクを軽減させるために示談が必要です。

示談金の相場は、50〜100万円が一般的となりますが、あくまで相場ですので、事件の内容によって費用は変動します。

まずは弁護士に相談し、スムーズな示談をしてもらえるようにしましょう。

さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内できます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。

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