不倫とうつ病の関係性や症状|慰謝料請求の有無や相場なども徹底解説

「配偶者の不倫が原因で気持ちが沈み、うつ病のような症状が出てきた…」
「裏切られたショックで眠れない、仕事にも集中できない」

そう思う方もいるのではないでしょうか。

不倫は心に大きなダメージを与え、うつ病を発症するきっかけになることがあります。

さらに、不倫が原因で精神的に追い詰められた場合には、慰謝料請求においても重要な要素として扱われることも考えられるでしょう。

そこで本記事では、不倫とうつ病の関係性、起こりやすい症状や生活への影響、さらに慰謝料請求を検討する際のポイントについてわかりやすく解説していきます。

藤垣法律事務所では、離婚・男女問題に精通した弁護士が在籍しており、迅速対応により最適な解決方法をご提案いたします。下記からぜひご相談ください。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

目次

不倫とうつ病の関係性

配偶者の不倫は、パートナーにとって大きな裏切り行為であり、その衝撃は精神面に深刻な影響を与えます。

結婚生活において信頼は基盤であり、それが崩れた瞬間、人は強い孤独感や無力感に襲われます。

この心理的ショックがきっかけとなり、うつ病を発症するケースは少なくありません。

とくに不倫を知った直後には強い怒りや混乱が生じますが、時間の経過とともに「なぜ自分が裏切られたのか」という自己否定感や自責の念が強まり、心が消耗していきます。

これが長期間続くと、心身のバランスが崩れ、うつ症状として表れるのです。また、周囲に相談しにくい問題であることから、孤立感が強まり、症状を悪化させやすいのも特徴です。

つまり、不倫は一時的な精神的ダメージにとどまらず、継続的に心をむしばむ要因となるおそれが十分にあるでしょう。

不倫が原因で起こりやすいうつ症状

不倫による精神的ダメージは多岐にわたり、心と体の両面に影響を及ぼします。

ここからは、不倫が原因で起こりやすいうつ症状を詳しく解説します。

マイナス思考に陥る

不倫を経験すると、被害を受けた側は強い自己否定に陥りやすくなります。

「自分に魅力がなかったのではないか」「結婚生活をうまく築けなかった自分が悪いのではないか」といった思考が繰り返されてしまい、前向きな発想ができなくなるのです。

こうした思考パターンは典型的なうつ病の兆候であり、本人の意志だけで切り替えることは困難です。

さらに、将来に対する希望を見失いやすくなり、日常生活のあらゆる場面で「どうせうまくいかない」と感じる傾向が強まります。

このようなマイナス思考は、精神的な回復を妨げる要因となり、時間が経つほど深刻化していきます。

食欲の低下

不倫による精神的ショックは、自律神経にも影響を及ぼし、食欲不振という形で現れることがあります。

食事を取ること自体に興味を持てなくなったり、口にしても味を感じにくくなったりするケースが多く見られます。

栄養が不足することで体力が低下し、心身ともに疲弊しやすくなります。

また、一部の人は逆に過食に走ることもありますが、いずれの場合も心のバランスが崩れているサインといえるでしょう。

こうした食欲の乱れは、長期化すると健康被害につながり、うつ症状をさらに悪化させるリスクを伴います。

日常が楽しく感じられない

不倫のショックによって、以前は楽しめていた趣味や友人との交流が全く心に響かなくなることがあります。これは、うつ病の大きな特徴である「興味・喜びの喪失」です。

気分が落ち込むだけでなく、生活そのものに無意味さを感じるようになり、社会との関わりを避ける傾向が強まります。

結果として孤立感が深まり、心の回復を阻害する悪循環に陥ります。このような状態が続くと、家庭や仕事においても支障が生じやすく、生活基盤そのものが不安定になる恐れがあります。

疲労を感じやすい

うつ病の症状のひとつに「理由のない疲労感」があります。不倫による精神的ストレスは心身のエネルギーを大きく消耗させるため、十分な休養をとっても疲れが取れないと感じることが増えます。

こうした疲労感は、日常生活の行動意欲を奪い、さらに「動けない自分」に対する自己嫌悪を招きやすいのです。

結果として、身体の疲れと心の疲れが相互に作用し、うつ症状を悪化させていきます。

睡眠障害

不倫の事実を知った後、多くの人が眠れなくなる、夜中に何度も目が覚めるといった睡眠障害を経験します。

これは強い不安やストレスが原因であり、心が常に緊張状態にあるため、質の良い睡眠が得られません。

睡眠不足は脳の働きを低下させ、気分の落ち込みを助長します。その結果、日中の集中力や判断力が落ち、仕事や家庭生活にも影響を及ぼします。

睡眠障害が続くと心身のバランスが崩れやすくなり、うつ症状が慢性化してしまう恐れがあるのです。

不倫されてうつ病になったら慰謝料は請求できる?

配偶者の不倫が原因でうつ病を発症した場合、精神的苦痛に対して慰謝料を請求できる可能性があります。

日本の法律では、不倫は「不貞行為」として民法上の不法行為にあたり、精神的苦痛を受けた側は損害賠償を求める権利があります。

とくに医師の診断によって「不倫が原因でうつ病を発症した」と認められる場合、慰謝料請求の根拠はより強くなるでしょう。

ただし、請求の可否や金額はケースごとに異なり、不倫の期間や態様、夫婦関係の状況などが考慮されます。まずは証拠を集め、専門家に相談することが重要です。

不倫に伴ううつ病の慰謝料請求額の相場

不倫に伴ううつ病で慰謝料を請求する場合、金額は状況によって幅があります。一般的に、不倫そのものに対する慰謝料の相場は100万円から300万円程度とされています。

しかし、うつ病の発症や治療を伴う場合には、精神的苦痛が大きいと判断され、相場より高額になることもあるのです。

ただし、金額は裁判所の判断や提示できる証拠の強さによって左右されるため、一概に断定できません。

重要なのは、精神的苦痛の大きさとその証明力を具体的に示すことです。

不倫が原因でうつ病が発症してしまった場合は、そうでない場合より慰謝料が増額する傾向にあります。50~100万円程度の増額事由になったケースもあります。

不倫に伴ううつ病の慰謝料請求時に必要なこと

不倫とうつ病を理由に慰謝料を請求するには、主張を裏付けるための具体的な証拠や資料が必要です。

ここからは、不倫に伴ううつ病の慰謝料請求時に必要なことを詳しく解説します。

不倫の事実を示す証拠の確保

慰謝料請求において最も重要なのが、不倫の事実を立証できる証拠です。メールやLINEのやり取り、ホテルに出入りする写真、探偵の調査報告書などは有力な証拠となります。

単なる推測や噂では裁判で認められにくいため、客観的かつ具体的な証拠が必要です。

証拠を確保する際は、違法な手段を避けることも重要であり、合法的に収集したものでなければ証拠能力を失う可能性があります。

うつ病の原因であると認められやすくなるよう、不倫の内容や程度を具体的に明らかにできる証拠を収集したいところです。一例としては、不倫の回数や期間、婚外子の有無、不倫相手との結婚を希望していた事実の有無などが特定できるとより望ましいでしょう。

うつ病の診断書や医療記録の取得

不倫が原因でうつ病を発症したことを示すには、医師の診断書や通院記録が欠かせません。

診断書には「うつ病」と明記されていることが望ましく、さらに不倫による精神的ストレスが発症の一因であることが示されれば、慰謝料請求の強い根拠となります。

加えて、通院歴や投薬の記録なども、被害の継続性を証明するうえで役立ちます。

診断の取得は、不倫を知った後できる限り早いタイミングで行われることをお勧めします。期間が経過した後だと、不倫との因果関係が曖昧になってしまう恐れがあります。また、継続的な通院治療を行うことも重要になり得るでしょう。

不倫とうつ病の因果関係を裏付ける資料

慰謝料請求を成功させるには、「不倫」と「うつ病」の因果関係を示すことが必要です。

たとえば、不倫発覚前にはうつ病の症状がなかったことを示す記録や、発覚後に急激に症状が現れたことを裏付ける資料が有効です。

証言や日記、職場での勤怠記録なども因果関係を補強する材料となり得ます。これらを組み合わせることで、主張の信頼性を高められるでしょう。

弁護士への相談と法的手続きの準備

慰謝料請求を行う際は、弁護士に相談することがおすすめです。専門家のサポートを受けることで、証拠の整理や交渉、裁判対応までスムーズに進められます。

また、弁護士が介入することで相手方に与える心理的プレッシャーも大きく、交渉が有利に進む可能性があります。

法的手続きは複雑で時間もかかるため、専門家の力を借りることは成功への近道といえるでしょう。

まとめ|不倫とうつ病の悪循環を断ち切るために

倫は単なる裏切り行為にとどまらず、深刻な精神的ダメージを与え、うつ病発症の引き金となることがあります。

その結果、日常生活や仕事にも支障が生じ、悪循環に陥りやすくなります。

しかし、証拠や診断書を整え、弁護士に相談することで、慰謝料請求を通じて精神的な区切りをつけることが可能です。

重要なのは、一人で抱え込まず、専門機関や法律の力を活用して立ち直りのきっかけをつかむことです。

藤垣法律事務所では、離婚・男女問題に精通した弁護士が在籍しており、迅速対応により最適な解決方法をご提案いたします。下記からぜひご相談ください。

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