「最近パートナーとの夜の営みがまったくなくて…正直つらい」
「浮気に走るのは悪いことだと分かっているけど、どうしても我慢できなかった」
そんな悩みを抱えて検索している方も多いのではないでしょうか。
セックスレスが続くと、心の距離も広がり、やがて浮気という選択をしてしまう人もいます。しかし、浮気をされた側にとっては突然の裏切りに感じられ、深い傷を負うことにもつながりかねません。
本記事では、セックスレスが浮気を引き起こす原因や対処法などを詳しく解説します。
藤垣法律事務所では、離婚・男女問題に精通した弁護士が在籍しており、迅速対応により最適な解決方法をご提案いたします。下記からぜひご相談ください。
そもそもセックスレスの定義とは

セックスレスとは、夫婦やカップル間で一定期間、性的接触がない状態です。
日本性科学会の定義によれば、セックスレスとは「病気など特別な事情がないにもかかわらず、1か月以上性交渉がない状態」を指します。
つまり、体調不良や妊娠、出張など明確な理由がなく、性的接触が自然消滅している場合はセックスレスとみなされるのです。
この定義をもとにすれば、意外と多くの夫婦がセックスレスの状態にあるとも予測できます。
実際に日本では夫婦の約4割がセックスレスであるという調査結果もあります。
加えて、片方は性行為を望んでいるにもかかわらず、もう片方が拒否しているという非対称な関係も少なくありません。
このようなズレが、心理的な孤独や欲求不満を引き起こし、結果的に浮気や関係の破綻を招くケースも多く見られるのです。
セックスレスそのものが離婚の原因になるケースはそれほど多くないでしょう。離婚全体の数%という印象です。ただ、セックスレスが浮気の原因となることは非常に多く見られます。その結果、離婚問題に発展することも決して少なくありません。
セックスレスで浮気してしまう原因

セックスレスが続くと、心や身体のつながりが薄れていき、浮気に走ってしまう人もいます。ここからは、セックスレスで浮気してしまう主な原因について詳しく解説します。
夫婦間のコミュニケーション不足
セックスレスの背景には、単なる肉体的な関係の問題だけでなく、日常的な会話や感情のやり取りが減っているというコミュニケーション不足が深く関係しています。
たとえば、忙しさや子育てなどで会話の機会が減ると、相手の気持ちや変化に気づきにくくなり、精神的な距離が広がってしまいます。
このような状態では、パートナーと心のつながりを感じることができず、「自分は大切にされていない」と感じる人も少なくありません。
その寂しさを埋めるために、他の異性に心を開いたり、性的な欲求を満たすために浮気へとつながってしまうのです。
つまり、セックスレスによって起きる浮気の本質は、身体の問題というよりも「心の孤独」にあるといえます。
パートナー側に性的関心がない
セックスレスのもう1つの原因として、パートナーの性的関心の欠如が挙げられます。
恋愛初期にはお互いに強く惹かれ合っていたとしても、結婚生活や同棲生活が長くなるにつれ、性的欲求が自然と薄れていくケースがあります。
特に出産後や仕事でのストレスが重なっている場合、性への関心が一時的に消えてしまうこともあるでしょう。
しかし、一方で性的欲求が強く残っている側からすれば、それは大きなストレスになります。
「求めても断られる」「愛されていない気がする」といった気持ちが積み重なり、つい他の相手に目を向けてしまう傾向があります。
要するに、パートナー間で性に対する価値観や欲求レベルに差があると、関係の歪みが浮気という形で現れる可能性があるのです。
精力の低下
加齢や健康状態の変化により、性欲そのものが落ちることもセックスレスの原因です。
特に男性の場合、年齢とともにテストステロンの分泌が減少し、性行為への意欲が低下する傾向にあります。
また、糖尿病や高血圧、睡眠障害などの生活習慣病も、性機能に影響を与えることが知られています。
このような精力の低下は、本人が意図しているわけではないため、パートナーが「拒絶された」と感じてしまうと、誤解やすれ違いが生じやすくなります。
その結果、性的な満足感を他者に求めるようになり、浮気へと発展してしまうケースもあるのです。
身体的な問題であっても、きちんと話し合い、理解し合うことが関係の維持には大切です。
パートナーへの不満や冷めた気持ち
相手に対する不満や愛情の冷めは、セックスレスと浮気の両方に直結する大きな要因です。
家事や育児への協力がない、暴言や無関心など、日常生活の中で積み重なった不満が、やがて異性として見られないという感情につながることがあります。
すると、セックスの機会は自然と減少し、関係性はさらに悪化していきます。
そうした状況で魅力的な他者に出会った場合、「この人の方が私を理解してくれる」「もうパートナーには戻れない」と感じ、浮気に傾く人も出てくるでしょう。
浮気そのものが目的というよりも、「自分の価値を確認したい」「今の関係から逃れたい」という心理が根底にあることが多いのです。
セックスレスで浮気された際の対処法

浮気が発覚したとき、多くの人は動揺し、怒りや悲しみの感情に飲み込まれてしまいます。
しかし、感情だけで行動してしまうと、より関係が悪化することもあるでしょう。
対処法は、主に以下の通りです。
- 事実確認を行う
- 浮気相手との関係を断ち切らせる
- 今後について本音で話し合う
詳しく解説します。
事実確認を行う
まず最初に行うべきは、冷静に事実確認をすることです。
浮気が疑われるとき、証拠が曖昧なまま感情的に問い詰めてしまうと、相手が逆ギレしたり、真実を隠そうとする可能性があります。
LINEやSNSのやり取り、クレジットカードの利用履歴など、客観的に浮気の事実を確認できる情報を集めることが重要です。
証拠を押さえることで、相手に対して冷静に問いただす材料となるだけでなく、今後の話し合いや、必要であれば法的な手続きを進める際にも有利になります。
また、第三者に相談する場合にも、感情論ではなく事実ベースで説明できることが信頼につながります。感情に流されず、まずは情報を整理することが第一歩です。
事実関係を確認する段階では、できるだけ感情的な行動を控え、淡々と確認を進めるよう努めるのが賢明です。十分に事実関係を確認できるか、感情的なやり取りが邪魔をして事実確認が中途半端に終わるかは、その後の対処に大きく影響します。
浮気相手との関係を断ち切らせる
浮気が事実であった場合、関係の再構築を望むのであれば、相手に浮気相手との関係を明確に断ち切らせる必要があります。
もう会わないと口頭で約束させるだけでは不十分で、連絡先の削除や、SNSのブロック、場合によっては誓約書の作成など、具体的な行動を伴うことが大切です。
また、相手が本気で関係を終わらせようとしているかどうかを見極めることもポイントです。
うやむやにされたり、曖昧な対応をとられるようであれば、再発のリスクも高まります。
浮気の原因がセックスレスにある場合でも、それを言い訳にせず、明確に線を引く姿勢が必要です。関係修復の第一条件は、第三者の排除であることを認識しましょう。
連絡方法を消去させるなどの物理的な対処も重要ですが、配偶者と浮気相手双方が関係を断ち切ろうと自ら考えるよう促すことが大切です。対面で話し合う機会を設け、配偶者と浮気相手それぞれにはっきりと意思確認をするなどの手段は有力でしょう。
今後について本音で話し合う
関係を継続するにしても、別れを選ぶにしても、避けて通れないのが本音での話し合いです。
セックスレスというデリケートな問題は、普段の会話ではなかなか触れづらく、すれ違いが生じやすいテーマでもあります。
浮気がきっかけとはいえ、これまで話し合えなかったことをお互いに伝える貴重な機会です。
話し合いでは、相手を一方的に責めるのではなく、「自分がどう感じていたか」「どこに寂しさや不満を感じていたか」を伝えることが大切です。
また、パートナーが浮気に至った背景や本心についても、冷静に耳を傾けましょう。お互いの価値観や欲求をすり合わせることで、関係を修復する糸口が見えてくることもあります。
連絡方法を消去させるなどの物理的な対処も重要ですが、配偶者と浮気相手双方が関係を断ち切ろうと自ら考えるよう促すことが大切です。対面で話し合う機会を設け、配偶者と浮気相手それぞれにはっきりと意思確認をするなどの手段は有力でしょう。
セックスレスと向き合い解消する方法

セックスレスと向き合い解消する方法は、主に以下の通りです。
- スキンシップを取るようにする
- 丁寧なコミュニケーションをとる
- カウンセリング・性の専門家に相談する
詳しく解説します。
スキンシップを取るようにする
セックスという行為にいきなり戻るのは心理的にもハードルが高いものですが、まずは日常的なスキンシップから始めることで、お互いの距離を自然に縮められます。
手をつなぐ、軽くハグする、頭をなでるといった些細な接触でも、「触れる」という行為を通じて安心感や親密感が高まり、身体的な関係への再接続の第一歩です。
スキンシップには、脳内でオキシトシン(愛情ホルモン)が分泌される効果もあり、信頼関係の再構築にも役立ちます。
無理にセックスに持ち込もうとするのではなく、まずは「お互いを大切にしている」という姿勢を身体で示すことが、セックスレス解消への自然な流れをつくるのです。
丁寧なコミュニケーションをとる
セックスレスの根本には、コミュニケーションの希薄化が潜んでいるケースが多くあります。
単なる会話だけでなく、お互いの気持ちや価値観、生活へのストレスなどを丁寧に言葉にして伝え合うことが、セックスレス解消のカギになります。
「なぜ求めなくなったのか」「どこに不満や不安を感じているのか」など、日頃触れにくいテーマにも踏み込むことが大切です。
このとき重要なのは、「責める口調」ではなく、「自分はこう感じている」という“Iメッセージ”で伝えることです。
相手を防御的にさせず、自然な対話の中で気持ちを共有することで、相互理解が深まり、セックスレスの原因となっている誤解やズレが解消されやすくなります。
カウンセリング・性の専門家に相談する
自力での改善が難しい場合は、第三者の手を借りることも検討すべき有効な選択肢です。
夫婦カウンセリングや性機能に関する専門医、心理カウンセラーなど、専門家によるサポートを受けることで、問題の根本原因を客観的に把握し、対処法を見つけやすくなります。
特に性に関する悩みはプライベートな領域のため、一人で抱え込んでしまうことも多いです。
専門家に相談することで「こんな悩みは自分だけじゃない」と安心できたり、解決策が明確になったりします。
日本でも近年は性カウンセリングへの理解が進んでおり、夫婦での参加も増えています。
関係を諦める前に、外部の力を借りて向き合うことが、未来を前向きに進める一手になるかもしれません。
セックスレスの浮気が原因で離婚を選ぶ場合の慰謝料について
セックスレスによってパートナーが浮気をしたという場合、慰謝料の支払いを求められるかどうかは、ケースによって判断が分かれます。
浮気が婚姻関係の破綻前に起きた不貞行為として認定されることが前提であり、加えてセックスレスが浮気の原因となったかどうかも、判断材料です。
民法上では、夫婦には「性交渉を含む婚姻生活の協力義務」があるとされています。
そのため、長期間のセックスレスが一方的な拒否によるものであった場合、関係破綻の原因がセックスレス側にあると見なされ、浮気された側でも慰謝料を請求できない可能性があるのです。
逆に、セックスレスが話し合いもなく一方的に続いていたうえで、不貞行為が発覚したとなれば、浮気した側が有責配偶者として扱われ、慰謝料請求が認められることがあります。
慰謝料の金額は、一般的に50万円〜300万円程度が相場とされていますが、婚姻期間や子どもの有無、生活の実態、浮気の悪質性などによって増減します。
また、裁判にせず示談で解決する場合には、柔軟な取り決めが可能です。
セックスレスで浮気された場合は弁護士へ相談も検討しよう
セックスレスが原因で浮気された場合、精神的なダメージが大きいのはもちろん、今後の夫婦関係や法的対応についても判断が難しい場面が多くなります。
そんなときには、感情的に動く前に、法律の専門家である弁護士に相談することがおすすめです。
藤垣法律事務所では、離婚・男女問題に精通した弁護士が在籍しており、迅速対応により最適な解決方法をご提案いたします。下記からぜひご相談ください。