藤垣法律事務所です。
この度、弁護士藤垣圭介が「みんなの記事監修」に専門家として登録されました。
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何卒よろしくお願い申し上げます。
2025/3/3
藤垣法律事務所
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2025/3/3
藤垣法律事務所
このページでは,男女トラブルで警察から呼び出された場合について,適切な対応方法などを弁護士が解説します。
男女トラブルに関する呼び出しへの対応や今後の見込みを検討するときの参考にご活用ください。
LINE相談24時間受付中
男女トラブルで呼び出しを受けた場合,警察署への出頭を求められ,トラブルについて話を聞かれることが見込まれます。このとき,基本的には以下の対応を心掛けるのが適切でしょう。
取るべき対応の基本
1.可能な範囲で呼び出しに応じる
2.自身の記憶を一貫して話す
【1.可能な範囲で呼び出しに応じる】
相手が警察であっても,呼び出しに強制力はないため,法律上は応じる必要もなく,無視することも可能です。しかし,むやみに拒んだり無視したりすることは適切な対応とは言えません。呼び出しに対して不合理な対応を取った場合,逮捕の引き金になる可能性があるためです。
呼び出しをしている以上,警察が話をしたいと考えていることは明らかであるため,できるだけ円滑に警察と話をする機会を設けることに協力する方が賢明です。警察側も,協力的な態度を示す相手に対しては,それほど過激な言動には出ないことが通常です。
もっとも,無理に優先して時間を割かなければいけない,というものではありません。日常生活への支障が最小限にとどまるよう,可能な範囲で応じるスタンスを示せば十分でしょう。
【2.自身の記憶を一貫して話す】
呼び出しに応じた際は,警察からトラブルの内容等に関して話を聞かれることが見込まれます。この際,基本は記憶の通りを話すことが適切です。少なくとも,不利益を避けようと虚偽の話をしてしまうのはお勧めできません。かえって,嘘をついたばかりに不要な不利益を被ってしまう恐れすらあります。
記憶の通りに供述した場合,多くの部分が相手方の供述と合致している可能性が高いため,事実を話していると評価してもらいやすく,円滑な手続につながりやすいでしょう。
また,供述に際しては,常に内容が一貫していることが非常に重要です。
当事者双方の供述に対する評価は,「信用できるか」という基準で判断されることになります。そして,話が一貫していることは,その話が信用できることの重要な判断要素となることが少なくありません。
特に,相手と言い分の食い違いがある箇所については,話が二転三転したり重要な部分があやふやだったりすると,信用できないとの評価につながりやすいでしょう。
ポイント
可能な範囲で応じること
記憶の通りに一貫して話すこと
男女トラブルの場合,当事者間での示談交渉が先行して行われている場合も多く見られます。ただ,示談交渉中だから相手が警察に話をしないとは限らないため,示談交渉中に呼び出しを受ける可能性はあり得るところです。
この場合,まずは呼び出しをしてきた警察担当者に,当事者間での示談交渉中であることや,示談での解決を目指したいと考えていることを十分に伝えることを心がけましょう。相手次第では,警察が示談交渉中であることを知らずに呼び出している可能性もあるためです。
通常,当事者間で示談が見込まれるのであれば,警察がそこに割って入って捜査を進めることはそれほど多くありません。相手が示談交渉中であることを伏せて警察に相談している場合は,示談交渉中であることを警察側に把握してもらい,それでも呼び出しを要するか判断を仰ぐとよいでしょう。場合によっては詳細な交渉内容を共有することも有力です。
ポイント
警察は示談交渉中であることを把握していない場合もある
呼び出しを受けたとき,その目的を教えてもらえず,濁される場合もあり得ます。具体的には,「警察から連絡が来ることに心当たりはあるか」「…月頃の件」「(場所)の件」といった表現で,こちらから自発的に話すことを促すケースが多く見られます。このような場合は,取調べ目的だと考えて間違いないことがほとんどでしょう。
警察の取り扱いとして,取調べを行う相手に捜査情報を伝えることを避けようとするのが通常です。安易に情報を伝えて,逃亡や証拠隠滅のきっかけになることを防ぐのが主な目的です。
そのため,どのような用件で,何のために呼び出しているかを明確に告げてくれない場合は,トラブルの当事者として取り調べを行いたい,という意味であると理解するのが賢明でしょう。
ポイント
取調べ目的の呼び出しは,内容を濁されることがある
男女トラブルで呼び出しを受けた場合,呼び出しに応じて出頭したところを逮捕されるケースはあまり見られません。呼び出しを受ける場合は,逮捕をせずにいわゆる在宅捜査を行う予定であることが一般的でしょう。
逮捕が必要であると判断された場合は,呼び出しを受けるのではなく,予告なしに逮捕状を持参して自宅等に訪れることが多く見られます。呼び出しを行って逮捕の可能性を知らせてしまうと,逃亡や証拠隠滅の原因になりかねず,逮捕をする目的が実現できない恐れがあるためです。
男女トラブルで呼び出しを受けた場合,逮捕を恐れて出頭を躊躇することは避けるようにしましょう。呼び出しに応じる態度を見せる方が,かえって逮捕の可能性が下がる結果につながります。
男女トラブルの捜査が行われるきっかけは,ほとんどが被害者による被害申告です。被害者の申告内容を踏まえ,トラブル相手の話を聞く必要があると判断した場合に,呼び出すことになります。
具体的なタイミングはケースにより様々ですが,被害者が警察に相談した後それほど期間を空けずに呼び出すことが多い傾向にあります。呼び出しの方法は電話連絡が通常でしょう。
警察が当事者双方から話を聞き,その言い分の相違点を確認した後,相違点に関して詳細を聴き取るために呼び出すことが考えられます。呼び出しが複数に渡る場合は,前回の呼び出し以降に新しく聴き取りを要する事項が出てきたケースであることが多いでしょう。
呼び出し方法は,それ以前と同じ方法であることが通常ですが,基本的には電話連絡となることが一般的です。
警察は,作成した供述調書等の証拠を検察庁に送致しますが,担当者が作成した供述調書に不足があり,補充や訂正を求められることもあります。補充や訂正が必要な場合には,補充訂正目的であることを明示して呼び出しが行われる流れになりやすいでしょう。
呼び出し方法は,同様に電話連絡であることが一般的です。
男女トラブルでの呼び出しは,警察が当事者間の言い分の相違を把握するために行うことが通常です。そのため,呼び出しに応じる段階で言い分を整理しておくことが適切でしょう。
言い分を整理し,警察に正しく把握してもらうことができれば,有益な解決につながりやすくなります。
示談交渉中に呼び出しを受け,その後に示談が成立したなど,示談交渉に進展があった場合は,できる限り速やかに警察側に伝えることが適切です。示談書の取り交わしを行った場合は,書面の写しを合わせて提出するとスムーズでしょう。
呼び出しを受けたとしても,示談が成立すればその後の出頭が必要なくなる可能性も十分にあります。
呼び出しに応じて警察と話をする際には,トラブル相手に関する話題となることは避けられませんが,相手方のことを話す場合は,今後相手に接触する意思があると思われるような内容とならないように気を付けましょう。
男女トラブルは,当事者間の言い分が食い違い,互いに納得をしていない状況である場合も少なくありません。そのため,捜査機関としては,当事者間でトラブルが深刻化し,より重大な事件に発展してしまう可能性を懸念することがあります。
このとき,相手への不満が募るあまり,相手に抗議したい,考え直してもらいたいなど,相手への接触や働きかけを希望する話をしていると,捜査機関が逮捕によって当事者間の接触を防ぐ判断に至る可能性もあり得ます。
呼び出しに応じる場合は,相手に接触したいという意思がないことを前提とした対応を尽くすのが賢明です。
警察から呼び出しを受ける場合,その目的には主に以下のようなケースが考えられます。
参考人とは,特定の事件について捜査の参考とすべき情報を持っているであろう人を言います。具体例としては,事件の目撃者や,被疑者の同僚・友人といった近しい人物,会社で犯罪が起きた場合の従業員などが挙げられます。
参考人の呼び出しは,犯罪捜査のために必要な情報を参考人から教えてもらうために行われるものです。参考人は捜査や処罰の対象となることが想定されていないため,逮捕をされたり前科が付いたりすることは通常ありません。
身元引受人とは,文字通り被疑者の身元を引き受ける人を言います。身柄を拘束しない事件(=在宅事件)の場合,捜査機関は被疑者の任意の出頭を求めることになりますが,出頭をより確かに見込めるように,適任者を警察署に呼び出し,身元引受人となることを求める取り扱いが広く行われています。
身元引受人は,同居家族(配偶者や親など)であることが一般的です。同居家族に適任者がいない場合は,勤務先の上司や被疑者の依頼した弁護士が身元引受人になることもあります。
身元引受人に対する呼び出しは,通常,被疑者の初回の取り調べが終了した後に行われます。捜査機関から身元引受人に電話連絡がなされ,被疑者を連れて帰ることと身元引受人になることが依頼される,という流れが一般的です。
身元引受人は,被疑者の監督者というのみの立場であるため,呼び出しに応じても逮捕されたり前科が付いたりすることはありません。また,呼び出しに応じなかったとしても特に問題が生じることはありません。
被疑者とは,犯罪の嫌疑をかけられている者をいいます。ニュースなどでは「容疑者」と呼ばれますが,法律的には「被疑者」が正しい呼び方となります。
被疑者を呼び出す目的は,犯人候補として取調べを行うことに尽きます。犯罪の疑いを認めるかどうか,認める場合には具体的に何をしたか,などを確認し,記録化するために,被疑者を警察署へ呼び出します。
被疑者として呼び出される場合,事件の内容や状況によっては逮捕される可能性も否定できません。また,犯罪事実が明らかになれば,刑事処罰を受けて前科が付く可能性もあり得ます。
| 参考人 | 身元引受人 | 被疑者 | |
| 呼び出しの理由 | 事件の情報獲得 | 被疑者の出頭確保 | 犯人候補の取り調べ |
| 逮捕の可能性 | 通常なし | なし | あり |
| 前科の可能性 | 通常なし | なし | あり |
警察の呼び出しには強制力がありません。そのため,呼び出しを拒んだとしても法的にペナルティを科せられることはなく,その意味では呼び出しを拒むことはどのような場合でも可能,ということになるでしょう。
もっとも,立場によって呼び出しを拒むことにリスクや問題の生じる可能性はあり得ます。
参考人は,捜査への協力を依頼されている立場に過ぎないため,呼び出しに応じなかったとしてもリスクを抱えたり問題が生じたりすることは通常ありません。
ただし,「現在は参考人にとどまる取り扱いだが,犯罪への関与が疑われる可能性がある」という状況の場合には,呼び出しに応じないことのリスクが生じ得ます。呼び出しに対して積極的な協力や情報提供を尽くす場合に比べると,呼び出しを拒んで捜査協力を一切しない場合の方が,より強く犯罪の関与を疑われやすい傾向にあるためです。
そして,具体的な犯罪への関与を疑われた場合,今度は参考人でなく被疑者として,呼び出しを受けるなどの捜査が行われる可能性も否定はできません。
そのため,呼び出しを拒むことで犯罪への関与を疑われかねない場合には,拒むリスクが生じ得ると言えるでしょう。
身元引受人は,犯罪への関与が想定されていない立場の人物であるため,呼び出しを拒むことで犯罪の疑いをかけられるものではありません。
もっとも,同居している被疑者の身元引受人となるよう求められ,これを拒んだ場合,被疑者に不利益が生じる可能性は考えられます。身元引受人が拒んだから逮捕をする,ということはあまりありませんが,所在確認のために警察が自宅に訪れることは珍しくありません。そうすると,周囲の人々に警察と関わっている事実が分かってしまい,私生活に影響を及ぼす恐れがあり得ます。
被疑者が同居の家族であって今後も同居を予定している,という場合には,可能な限り身元引受人としての呼び出しに応じる方が無難なケースが多いでしょう。
被疑者に対する呼び出しは,取り調べを行うための方法の一つとして行われるものです。この点,捜査機関が被疑者の取り調べを行う方法は,逮捕して強制的に行うか,呼び出しをして任意の出頭を求めるかの二択であることが通常です。
被疑者を取り調べる方法
1.逮捕をして強制的に行う
2.呼び出して任意の出頭を求める
この点,呼び出しても任意に出頭してくれないとなると,取り調べをするためには逮捕をするほかない,という判断になる可能性もあり得ます。二択のうち一方がダメであった以上,もう一方の方法が取られるのは自然なことであるためです。
そのため,被疑者として呼び出しを受けた場合,可能な限り応じることが適切になりやすいでしょう。もちろん,あまりに回数が多かったり,あまりに時間が長かったりという場合には,その点の配慮を求めることは全く問題ありませんが,呼び出しを徹頭徹尾拒む,というスタンスを取って被疑者自身が得をすることはあまりないと考えるのが適切です。
ポイント 呼び出しを拒む行動の注意点
参考人の場合,拒むことで事件への関与を疑われないように注意
身元引受人の場合,同居する被疑者への不利益に注意
被疑者の場合,拒んだことで逮捕を誘発する可能性に注意
被疑者として警察に呼び出された場合には,弁護士に依頼をすることが有益になりやすいです。具体的には,以下のようなメリットが生じます。
呼び出しがなされた場合,そのまま逮捕されるというケースも否定できないところです。呼び出しに応じた流れで逮捕されると,その後に弁護士への相談や依頼をすることは困難となり,一定期間の身柄拘束を強いられてしまいます。
この点,呼び出された段階で弁護士に依頼し,弁護士を通じて適切な対応を取ることで,逮捕を回避できる場合があります。具体的に逮捕を回避するための手段は,ケースによっても異なりやすいため,弁護士と十分に相談するようにしましょう。
警察に呼び出された際の取り調べは,捜査担当者のやり方によっては違法・不適切なものになる場合もあり得ます。強く恫喝されたり,侮辱的な発言を受けたりと,取り調べがヒートアップするほど精神的苦痛を伴うケースが珍しくありません。
この点,弁護士に依頼をしている場合,捜査担当者による不適切な取り調べは多くの場合で防ぐことが可能です。これは,捜査担当者が,弁護士の目があることに配慮するためです。
不適切な取り調べを行えば,後から弁護士を通じて問題視される可能性があるため,不用意な取り調べは行えない,というわけです。
弁護士の目を光らせる意味でも,呼び出しに際して弁護士に依頼することは有力な手段でしょう。
被疑者として呼び出される場合,その後に起訴されて前科が付く可能性を想定する必要があります。被疑者として呼び出されるということは,自分に対して捜査が行われていることが明らかであるため,その先に控える処分に無関心でいるわけにはいきません。
この点,呼び出しという早期の段階で弁護士に依頼することで,適切な弁護活動を尽くしてもらい,前科を防げる可能性が高くなります。被害者のいる事件であれば被害者との示談を目指す,否認事件であれば自分が犯人でないことを主張するなど,個別のケースに応じた適切な弁護活動を通じて,前科を防ぐ試みができるのは大きなメリットになるでしょう。
さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
早期対応が重要となりますので,お困りごとがある方はお早めにお問い合わせください。
特設サイト:藤垣法律事務所
藤垣法律事務所です。
弊所に不倫慰謝料分野のご依頼をいただいたお客様より頂戴したお客様の声をご紹介します。
※事件や個人の特定を防ぐため,一部編集を行っている場合があります。

【お客様の声】
(配偶者の)不倫に対しての弁護をして頂きました。
相手はとても若く,常識も財力も無い状態で,とても大変なお仕事になってしまったと思います。
私自身,このような経験をする事は後にも先にも無いと思っていたために,
自分で思っていた以上に精神的に落ち込んでしまい,頭が回らない毎日で,
大変ご迷惑をおかけしてしまったはずですが,
最初から最後まで丁寧に冷静に対応していただきまして,
とても優しく,うまく言えないですが本当に素晴らしく,
本当に心から感謝しています。
【弁護士のコメント】
配偶者の不貞行為に関して,不貞相手への慰謝料請求をご委任いただきました。
不貞慰謝料を請求する局面では,配偶者や不貞相手の心無い言動に大きな精神的苦痛を感じることかと思います。
そのような中,弁護士のご対応がサポートの一つになっておりましたら何よりです。
問題解決に至ったのは,迅速なご依頼と十分なご検討の賜物かと思います。
温かいお言葉の数々誠にありがとうございます。
藤垣法律事務所です。
弊所は、この度、札幌市の取り組みである「サッポロスマイルパートナーズ」に登録認定をいただきました。
「サッポロスマイルパートナーズ」は、札幌が「笑顔になれる街」であるために、札幌を愛する市民が札幌で「暮らしたい」「来てみたい」「自己実現を図りたい」「新しい活動や事業を始めたい」という方々を温かく迎え入れたり、暮らしの中の楽しみを伝えていくきっかけとなる仕組みづくりを目指す取り組みです。
弊所では、本趣旨に賛同し、登録の認定を頂戴するに至りました。


何卒よろしくお願い申し上げます。
2025/2/28
藤垣法律事務所
このページでは,男女トラブルの逮捕に関して,刑事弁護士が徹底解説します。逮捕の可能性はどの程度あるか,逮捕を避ける方法はあるか,逮捕された場合に釈放を目指す方法はあるかなど,対応を検討する際の参考にしてみてください。
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男女トラブルは,決して類型的に逮捕の可能性が高いわけではありませんが,ケースによっては逮捕が懸念されることもあります。そのため,男女トラブルにおける逮捕の可能性を把握するためには,その区別の基準を踏まえておくことが適切でしょう。
逮捕の可能性を左右する基準
1.性的行為に合意がある可能性の有無
2.当事者間の言い分の相違
3.客観的証拠の有無
4.行為の態様・程度
【1.性的行為に合意がある可能性の有無】
男女トラブルで逮捕の可能性が低いケースの代表例は,男女間に性的行為の合意がなされていた可能性がある,という場合です。
男女トラブルが犯罪に該当し得るためには,さらには逮捕され得るためには,少なくともその男女間の性的行為が一方の合意なく行われていなければなりません。そのため,一方は合意がなかったと主張しているものの,客観的な状況を見れば合意があった可能性がある,という場合,逮捕の判断は慎重にならざるを得ません。
性的行為の合意があった可能性がうかがわれる事情としては,以下のような点が挙げられます。
性的行為の合意をうかがわせる事情
1.自分の意思でホテル内や自宅内に入っている
2.行為の直前直後における関係が良好である
3.行為後にも友人関係が継続している
4.性的行為を複数回に渡って繰り返している
逮捕は,人の身体の自由を全面的に奪う意味で,非常に強力な手続です。その一方,逮捕された人の不利益も非常に大きくなることから,合意をうかがわせる事情があるケースでの逮捕は,非常に慎重な判断が求められる傾向にあります。
【2.当事者間の言い分の相違】
当事者間の言い分が概ね合致している場合,一方を逮捕してまで捜査する必要はあまり大きくないと考えられます。男女トラブルで逮捕をする最大の目的は,加害者が被害者へ圧力を加える行為を防ぐ点にあるためです。
当事者間の言い分が大きく食い違い,被害者が加害者にとって不利益な話をしている場合,加害者が被害者に圧力を加え,その供述を捻じ曲げようとする恐れがあると考えられます。このような証拠隠滅が起きてしまうと,捜査の妨げになるのみでなく,被害者への二次的被害にもつながりかねないため,逮捕を行うことで防ぐ,というのが刑事手続の運用です。
そのため,男女トラブルで逮捕の可能性が高いケースは,加害者が被害者に圧力を加えるなど,何らかの働きかけをする可能性が高い場合と言えます。逆に,言い分に食い違いがないなど,働きかけの可能性がない場合には,逮捕の可能性が低下しやすいでしょう。
【3.客観的証拠の有無】
男女トラブルは,被害者と主張する側の供述を裏付ける客観的証拠に乏しいことも少なくありません。そのため,第三者である捜査機関の目線からは,被害者と主張する人物の供述が真実であるかどうか,はっきりしないという場合が多くなりやすいものです。
この点,客観的証拠に乏しく被害者とされる人物の言い分が客観的に正しいか分からない段階で,その相手方を一方的に逮捕するというのは,誤認逮捕などの危険が高く,行われづらい傾向にあります。このような場合には,いきなり逮捕に踏み切るのではなく,相手方から任意で話を聞くことを目指すのが一般的でしょう。
【4.性的行為を複数回に渡って繰り返している】
トラブルとされる出来事が起きた日以外にも,その前後に当事者間で性的行為があった場合,男女トラブルで一方を逮捕する可能性は非常に低くなります。その具体的な理由としては,以下のような点が挙げられます。
逮捕の可能性が低下する理由
・性的行為を合意していた可能性が高い
・逮捕してまで被害者を保護する必要に乏しい
・男女関係のもつれ(民事事件)でしかない可能性が高い
男女間のトラブルで逮捕を決断するには,被害者側の言い分を信用できることが不可欠です。性的行為が複数回繰り返されている場合,被害者側の言い分を信用しきることは難しく,逮捕の可能性は低くなりやすいでしょう。
法律で定められた逮捕の種類としては,「通常逮捕」「現行犯逮捕」「緊急逮捕」が挙げられます。それぞれに具体的なルールが定められているため,そのルールに反する逮捕は違法ということになります。逮捕という強制的な手続を行うためには,それだけ適切な手順で進めなければなりません。
現行犯逮捕とは,犯罪が行われている最中,又は犯罪が行われた直後に,犯罪を行った者を逮捕することを言います。現行犯逮捕は,逮捕状がなくてもでき,警察などの捜査機関に限らず一般人も行うことができる,という点に特徴があります。
典型例としては,目撃者が犯人の身柄を取り押さえる場合などが挙げられます。犯罪の目撃者であっても,他人の身柄を強制的に取り押さえることは犯罪行為になりかねませんが,現行犯逮捕であるため,適法な逮捕行為となるのです。
ただし,現行犯逮捕は犯行と逮捕のタイミング,犯行と逮捕の場所のそれぞれに隔たりのないことが必要です。犯罪を目撃した場合でも,長時間が経った後に移動した先の場所で逮捕するのでは,現行犯逮捕とはなりません。
なお,現行犯逮捕の要件を満たさない場合でも,犯罪から間がなく,以下の要件を満たす場合には「準現行犯逮捕」が可能です。
準現行犯逮捕が可能な場合
1.犯人として追いかけられている
2.犯罪で得た物や犯罪の凶器を持っている
3.身体や衣服に犯罪の痕跡がある
4.身元を確認されて逃走しようとした
ポイント
現行犯逮捕は,犯罪直後にその場で行われる逮捕
捜査機関でなくても可能。逮捕状がなくても可能
通常逮捕は,裁判官が発付する逮捕状に基づいて行われる逮捕です。逮捕には,原則として逮捕状が必要であり,通常逮捕は逮捕の最も原則的な方法ということができます。
裁判官が逮捕状を発付するため,そして逮捕状を用いて通常逮捕するためには,以下の条件を備えていることが必要です。
通常逮捕の要件
1.罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由
→犯罪の疑いが十分にあることを言います。「逮捕の理由」とも言われます。
2.逃亡の恐れ又は罪証隠滅の恐れ
→逮捕しなければ逃亡や証拠隠滅が懸念される場合を指します。「逮捕の必要性」ともいわれます。
通常逮捕の要件がある場合,検察官や警察官の請求に応じて裁判官が逮捕状を発付します。裁判官は,逮捕の理由がある場合,明らかに逮捕の必要がないのでない限りは逮捕状を発付しなければならないとされています。
ポイント
通常逮捕は,逮捕状に基づいて行う原則的な逮捕
逮捕の理由と逮捕の必要性が必要
緊急逮捕は,犯罪の疑いが十分にあるものの,逮捕状を待っていられないほど急速を要する場合に,逮捕状がないまま行う逮捕手続を言います。
緊急逮捕は,逮捕状なく行うことのできる例外的な逮捕のため,可能な場合のルールがより厳格に定められています。具体的には以下の通りです。
緊急逮捕の要件
1.死刑・無期・長期3年以上の罪
2.犯罪を疑う充分な理由がある
3.急速を要するため逮捕状を請求できない
4.逮捕後直ちに逮捕状の請求を行う
緊急逮捕と現行犯逮捕は,いずれも無令状で行うことができますが,緊急逮捕は逮捕後に逮捕状を請求しなければなりません。また,現行犯逮捕は一般人にもできますが,緊急逮捕は警察や検察(捜査機関)にしか認められていません。
緊急逮捕と現行犯逮捕の違い
| 現行犯逮捕 | 緊急逮捕 | |
| 逮捕状 | 不要 | 逮捕後に請求が必要 |
| 一般人の逮捕 | 可能 | 不可能 |
逮捕されると,警察署での取り調べが行われた後,翌日又は翌々日に検察庁へ送致され,検察庁でも取り調べ(弁解録取)を受けます。この間,逮捕から最大72時間の身柄拘束が見込まれます。
その後,「勾留」となれば10日間,さらに「勾留延長」となれば追加で最大10日間の身柄拘束が引き続きます。この逮捕から勾留延長までの期間に,捜査を遂げて起訴不起訴を判断することになります。

ただし,逮捕後に勾留されるか,勾留後に勾留延長されるか,という点はいずれの可能性もあり得るところです。事件の内容や状況の変化によっては,逮捕後に勾留されず釈放されたり,勾留の後に勾留延長されず釈放されたりと,早期の釈放となる場合も考えられます。
逮捕をされてしまった事件では,少しでも速やかな釈放を目指すことが非常に重要になりやすいでしょう。
ポイント
逮捕後は最大72時間の拘束,その後10日間の勾留,最大10日間の勾留延長があり得る
勾留や勾留延長がなされなければ,その段階で釈放される
逮捕をされてしまうと,以下のように多数の不利益が見込まれます。
逮捕をされてしまうと,身柄が強制的に留置施設へ収容されてしまうため,日常の社会生活を続けることができません。スマートフォンの所持も許されないので,外部の人と連絡を取ることも不可能です。
そのため,周囲と連絡等ができないことによる様々な問題が生じやすくなります。
また,逮捕後勾留されるまでの間は,原則として弁護士以外の面会ができません。面会によって最低限の連絡を図ろうと思っても,勾留前の逮捕段階では面会すら叶わないことが一般的です。
さらに,勾留後についても,接見禁止決定がなされた場合には弁護士以外の面会ができません。
逮捕された場合,仕事は無断欠勤となることが避けられません。その後,身柄拘束が長期化すると,それだけの間欠勤をし続けなければならないことにもなります。こうして仕事ができないでいると,仕事への悪影響を回避することも難しくなります。
また,逮捕によって勤務先に勤め続けることが事実上難しくなる場合も考えられます。
逮捕は罰則ではなく捜査手法の一つに過ぎないため,逮捕だけを理由に懲戒解雇されることは考え難いですが,一方で仕事の関係者に自分の逮捕が知れ渡ると,事実上仕事が続けられなくなるケースも珍しくはありません。
逮捕されると,通常,同居の家族には捜査機関から逮捕の事実が告げられます。場合によっては,家族が逮捕に伴う各方面への対応を強いられることも考えられます。また,家族にとっては,被疑者が逮捕された,という事実による精神的苦痛も計り知れず,一家の支柱が逮捕された場合には経済的な問題も生じ得ます。
このように,逮捕は本人のみならず家族にも多大な影響を及ぼす出来事となりやすいものです。
刑事事件は,一部報道されるものがありますが,報道されるケースの大半が逮捕された事件の場合です。通常,逮捕された事件の情報が警察から報道機関に通知され,報道機関はその情報を用いて刑事事件の報道を行うことになります。
そのため,逮捕された場合は,そうでない事件と比較して報道の恐れが大きくなるということができます。
万一実名報道の対象となり,氏名や写真とともに逮捕の事実が公になると,その記録が後々にまで残り,生活に重大な支障を及ぼす可能性も否定できません。
一般的には,重大事件や著名人の事件,社会的関心の高い事件など,報道の価値が高い事件が特に報道の対象となりやすいため,逮捕=報道ということはありませんが,逮捕によって報道のリスクを高める結果が回避できるに越したことはありません。
逮捕と前科に直接の関係はありませんが,逮捕されるケースは重大事件と評価されるものであることが多いため,事件の重大性から前科が付きやすいということが言えます。
逮捕をするのは逃亡や証拠隠滅を防ぐためですが,逃亡や証拠隠滅はまさに前科を避ける目的で行われる性質のものです。そのため,逮捕の必要が大きいということは前科が付く可能性の高い事件である,という関係が成り立ちやすいでしょう。
男女トラブルは,警察が関与する前に当事者間で解決ができれば,警察の捜査が行われることはなく,捜査の手段である逮捕が行われる可能性もなくなります。捜査が行われる前に当事者間で解決する余地がある,というのは,男女トラブルの大きな特徴の一つです。
そのため,男女トラブルが発生し,自分が加害者であるとの認識がある場合は,できるだけ速やかに当事者間での解決を目指すのが有力です。具体的には,被害者との間で示談を行い,被害者から「被害届を出さない」といった約束をしてもらうことができれば,逮捕はほぼ確実に防ぐことができるでしょう。
なお,実際に示談を試みる場合,当事者が直接やり取りすることは不適切になりやすいため,弁護士に依頼し,弁護士を通じて示談交渉を試みることをお勧めします。
逮捕は,逃亡や証拠隠滅を防ぐための手続です。そのため,自分から警察に出頭し,捜査を求める動きをする人に対しては,逮捕の必要性が低いと考えることが通常です。
そこで,逮捕を避ける方法としては,自ら警察に出頭する手段も有力と言えます。
1.認め事件の出頭
認め事件で自分から出頭する場合は,自分の行ってしまった犯罪事実を捜査機関へ積極的に告げることになります。捜査機関にまだ発覚していない場合であれば,法律上「自首」に該当し,より処分が軽減する可能性も高くなるでしょう。
2.否認事件の出頭
否認事件で出頭を試みる場合は,その方法を工夫する必要があります。なぜなら,「相手との間で男女トラブルになって困っている」と出頭しても,犯罪の問題でなく当事者間のトラブルに過ぎない限りは,警察が介入することがないためです。これは民事不介入とも言われます。
そこで,相手から示談金を支払えと恐喝されている,謝罪を強要されている,事実でないことをSNSで拡散されて名誉を害されているなど,犯罪被害について相談を行う形を取るのは一案です。自分の犯罪被害について捜査を求めつつ,自分は捜査機関に自ら出頭した,という動きが可能になり,逮捕回避につながりやすくなるでしょう。
男女トラブルで警察などの呼び出しを受けた場合は,可能な限り呼び出しに応じて出頭することが,逮捕回避のためにも適切な対応となるでしょう。
捜査機関が呼び出しを行う前提には,「逮捕しなくても呼び出しをすれば出頭してくれるであろう」という判断があります。呼び出しに応じて出頭してくれる限りは,逮捕しなくていいと考えているわけです。
ところが,呼び出しに応じて出頭してくれないとなれば話は大きく変わります。呼び出しても出頭してくれない以上,逮捕をして強制的に来てもらうほかない,との判断が生じ得る恐れも否定できません。
呼出を受けたケースでは,拒否せず応じる態度であることを示し,逮捕のリスクを下げるのが賢明でしょう。
男女トラブルに関しては,特に逮捕を予防するために弁護士へ依頼することが非常に有力です。
逮捕を回避する第一の手段として挙げられるのは事前の示談ですが,円滑に示談交渉を進め,当事者間で解決を図るためには,間に弁護士を挟んで協議することが重要です。弁護士を挟まずに交渉を行った場合,感情的な対立が激しくなりやすく,場合によっては示談しようと連絡を試みる行為が逮捕の原因になる可能性も否定できません。
また,否認事件では,逮捕を回避するためにどのような行動をするべきか,判断は容易ではありません。例えば,否認を前提に相手と示談をする,自ら先回りして警察に相談する,現状では特に動かず待機するなど,選択肢は複数あり,メリットデメリットを十分に理解した上で最も事件の内容や自身の希望に沿った行動を取ることが必要です。
このような判断や行動に際しては,弁護士の専門的なサポートを受けることを強くお勧めします。
ポイント
弁護士依頼は円滑な示談のため重要
否認事件での行動選択も弁護士の専門的判断が望ましい
男女トラブルで逮捕がなされる時期は,被害者が捜査機関に相談などをした時期に大きく左右されます。もっとも,被害者が行動を起こすタイミングに関するルールは基本的になく,被害者側の意向によると言わざるを得ません。
そのため,被害者が早く動けば捜査の開始も早く,被害者がなかなか動かなければ捜査も開始しない,といったように,被害者次第で手続の時期が変わってしまうため,逮捕が懸念される時期がいつか,ということを予測するのは非常に困難です。
男女トラブルでは,「いつまで逮捕の可能性があるか」という疑問に第三者が回答することのできない場合が多いでしょう。
男女トラブルは,犯罪としては「不同意わいせつ罪」又は「不同意性交等罪」に該当することが多い類型ですが,これらの犯罪は逮捕された場合の身体拘束の期間が長くなりやすい傾向にあります。
特に,当事者間で言い分が食い違う場合は,加害者とされる側の身柄を拘束した状態で裏付け証拠を収集することになるため,早期釈放は難しいケースが少なくないでしょう。
男女トラブルは,逮捕するかどうかの判断は慎重を期す必要がありますが,逮捕すべきと判断された場合の早期釈放は難しいことに注意が必要です。
さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
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藤垣法律事務所です。
ベンナビ刑事事件様にて、以下の記事の監修を行わせていただきました。
「詐欺加害者になったら弁護士に無料相談を。選び方・費用も解説」
https://keiji-pro.com/columns/335/
「当番弁護士とは?呼び方やしてくれること、利用する際の注意点を解説」
https://keiji-pro.com/columns/13/
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藤垣法律事務所
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この度、「離婚弁護士ウォーク」様に弊所をご紹介いただきました。
「離婚弁護士ウォーク」様
https://rikon.uocc.co.jp/
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2025/2/25
藤垣法律事務所
このページでは,男女トラブルの不起訴処分について知りたい方へ,不起訴処分を目指す方法や不起訴処分となった場合のメリットなどを弁護士が徹底解説します。不起訴処分を目指す場合の参考にしてみてください。
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男女トラブルは,いきなり警察が関与することになることの少ない事件類型です。多くの場合,当事者間で問題になり,当事者間での解決が見込まれない場合に一方が警察に相談等を行う,という流れになりやすいでしょう。
この点,警察が捜査を開始することなくトラブルが解決すれば,起訴される可能性はありません。起訴するか不起訴にするか,という判断は,捜査を行った結果として検察官が行うものであって,捜査が開始していない限りは起訴不起訴の判断自体がなされないためです。
そのため,男女トラブルで起訴されないことを目指す最も端的な方法は,捜査が開始されないようにする,ということになります。男女トラブルの捜査は,当事者の一方が警察に捜査を求めたことをきっかけに生じるのがほとんどであるため,具体的には当事者双方が警察の捜査を求めない,という形で解決することが望ましいでしょう。
ポイント
男女トラブルは警察の関与前に当事者間で問題になる
警察の捜査が始まらなければ起訴される可能性もない
男女トラブルは,基本的に被害者が存在する事件類型です。そして,被害者のいる事件では,起訴を希望するか不起訴を希望するか,という被害者の意向が処分に直接の影響を及ぼしやすい傾向にあります。
もちろん,被害者が起訴を希望しない場合の方が,不起訴になりやすいということになります。そのため,被害者から起訴を希望しないという意思を表明してもらうことが,不起訴を目指す極めて有力な手段です。
具体的には,被害者の宥恕(ゆうじょ)を獲得することが適切でしょう。宥恕とは許しのことをいい,被害者と加害者の間で示談を締結する際には,「宥恕条項」という形で被害者の宥恕を条項に含めることが一般的です。
被害者から許しを得た上で,その許しを「宥恕条項」の形にすることができれば,不起訴に至る可能性は飛躍的に上がるでしょう。
ポイント
男女トラブルは,被害者が起訴を希望しなければ不起訴になりやすい
被害者の宥恕=許しが得られれば,不起訴の可能性が大きく上がる
男女トラブルで当事者間での解決が困難なケースでは,自首を試みることで処分の軽減を目指す手段も有力です。
自首とは,罪を犯した者が,捜査機関に対してその罪を自ら申告し,自身に対する処分を求めることをいいます。そして,自分からリスクを背負って自首した人に対しては,そうでない人よりも軽微な処分とするのが通常です。自首をする側としては,「自首した方が処分が軽くなる」という効果を期待して自首することが一般的であるとも言えるでしょう。
もっとも,不起訴を実現するための手段としては,被害者の宥恕ほど決定的な意味を持つものではありません。自首をしたからといって必ず処分が軽くなったり不起訴が約束されたりするわけではないためです。自首に関しては,被害者の宥恕が明らかに獲得できない場合の次善策,という位置づけと考えるのがよいでしょう。
ポイント
自首した場合は,処分が軽くなりやすい
もっとも,不起訴に直結するとは限らない
男女トラブルの場合,トラブルの内容について,当事者双方の言い分に争いのあることが珍しくありません。この点,犯罪に該当する行為があったかどうか,という点に争いがあるケースでは,犯罪が存在しない(又は立証できない)という結論を目指すことが有力でしょう。
この場合,まずは相手方に対してはっきりと自身の言い分を伝えることが肝要です。相手は「自分は被害者である」と考えているため,自分の言い分をはっきりさせておかないと,加害者であることを前提に話を進められてしまう恐れがあります。後になって言い分を主張し始めても,軌道修正は困難になりやすいでしょう。
犯罪をしていないとの認識であれば,「私は加害者ではない」と考えていることを,早期にはっきりと伝えるようにしましょう。
犯罪の成否について当事者間で争いのある場合,後は犯罪の立証ができるか,その証拠があるか,という問題になります。そこでは,犯罪がなかったこと,犯罪を立証する証拠が存在しないことなどを,粘り強く説明し続けることが適切です。
ポイント
犯罪の認識がなければ,その認識を早期にはっきりと伝える
犯罪の成否に争いがある場合,犯罪の立証ができるかが問題になる
男女トラブルの事件は,当事者間での解決状況や証拠関係によって不起訴になる可能性が十分に考えられる事件類型です。
男女トラブルの場合,当事者間で解決しており,当事者双方(特に被害者)が起訴を望まないのであれば,不起訴になることが通常です。当事者の意思に反して起訴をすることは,当事者のプライバシーを保護する観点からも不適切となりやすく,当事者間で解決した後に起訴されることは考えにくいと言っても差し支えないでしょう。
男女トラブルは,当事者間での解決状況次第で起訴不起訴の判断が決定的に左右されやすい事件類型と言えます。
一般的な男女トラブルでは,犯罪を直接証明するような客観的証拠が存在するケースがあまりありません。男女間のトラブルはプライベートな場所で発生する性質のものであり,そのプライベートな行為が何かに記録されているケースが少ないためです。
そのため,犯罪を立証できるだけの証拠がなく,事件を起訴することが困難な場合は珍しくありません。証拠関係が乏しい場合には,不起訴になる可能性が高くなりやすいでしょう。
不起訴処分とは,検察官が事件を起訴しないとする処分をいいます。不起訴になった事件は,裁判の対象にならず,刑罰が科せられる可能性がなくなるため,前科がつくこともなくなります。
不起訴処分には,以下のような類型があります。
不起訴処分の類型
1.嫌疑なし
捜査の結果,犯罪の疑いがないと明らかになった場合です。真犯人が明らかになった場合などが代表例です。
2.嫌疑不十分
捜査を遂げた結果,犯罪を立証するための証拠が不十分であり,犯罪事実を立証できないと判断された場合です。具体例としては,犯人が特定できない場合などが挙げられます。
3.起訴猶予
犯罪事実は明らかに立証できるものの,犯罪者の年齢や性格,過去の経歴,犯行動機,犯罪後の事情などを踏まえ,検察官があえて起訴をしない場合です。被害者と示談が成立した場合などが代表例とされます。
4.その他の類型
・訴訟条件を欠く場合
→被疑者が死亡した場合,公訴時効が完成した場合など
・罪とならず
→被疑者の行為が犯罪に当たらない場合,被疑者が14歳未満の場合など
なお,犯罪事実が間違いなくある認め事件の場合,不起訴になる手段は基本的に「起訴猶予」を目指す以外にありません。起訴猶予は,検察官から大目に見てもらうという意味合いの処分であるため,認め事件では誠意ある対応を尽くすことが非常に重要となるでしょう。
ポイント
不起訴処分には,嫌疑なし,嫌疑不十分,起訴猶予等の類型がある
認め事件では起訴猶予を目指す必要がある
逮捕をされてしまった場合でも,不起訴にならないわけではありません。逮捕された事件の最終的な処分が不起訴となって終了することは,数多く見られるところです。一方,逮捕されなかった事件(いわゆる在宅事件)でも不起訴処分になるとは限らず,在宅事件の処分が起訴という場合も珍しくありません。
これは,逮捕が捜査を行う手段の一つであるのに対し,不起訴が捜査の結果なされる処分であることに原因があります。
刑事事件の捜査は,逮捕をするかしないか,いずれかの方法で進行しますが,いずれの捜査手法を取ったとしても,起訴されるか不起訴となるかは同様に判断されることとなるのです。

なお,起訴されやすい事件が逮捕されやすい,という側面はあります。起訴されやすい事件は,類型的に重大な事件であることが多いところ,重大な事件では,重い処分を免れるために逃亡や証拠隠滅をされる恐れが大きいと判断される傾向にあると考えられます。そのため,被疑者の逃亡や証拠隠滅を防ぐための逮捕が必要になりやすいのです。
裏を返せば,逮捕された事件では,不起訴を獲得するにはより積極的な努力が必要となりやすいでしょう。弁護士に相談の上,不起訴を目指すために適切な対応を試みるようにしましょう。
ポイント
逮捕は捜査の手段,不起訴は捜査を終えた後の処分
逮捕と不起訴は両立する
起訴されやすい事件は逮捕されやすい傾向にある,という側面も
不起訴処分となった場合には,以下のような効果が生じます。
前科とは,刑罰を科せられた経歴を指しますが,不起訴となった場合には刑罰が科せられません。そのため,不起訴となれば刑罰の経歴=前科がつくことなく,刑事手続が終了することになります。
そして,前科がつかないことには,以下のようなメリットがあると考えられます。
前科がつかないことのメリット
1.資格に対する影響を避けられる
国家資格を用いた職業の場合,前科によって資格制限が生じると,仕事の継続ができない可能性が生じてしまいます。
前科がつかなければ,資格制限は生じず,仕事への悪影響もありません。
2.就職・転職への影響を避けられる
前科のあることは,就職や転職の差異に不利益な事情として考慮されやすい傾向にあります。
前科がつかなければ,履歴書に前科を記載する必要もなく,就職先に刑事事件のことを知られずに済みます。
3.海外渡航の制限を避けられる
前科がある場合,パスポートやビザ,エスタなどの手続に悪影響が生じ,海外渡航が認められない場合があります。
前科がつかなければ,海外渡航の制限が生じる事情もなくなるため,海外渡航を自由に行うことが可能です。
不起訴処分となった場合,身柄拘束されている状況であれば速やかに釈放されます。不起訴処分が出た以上,捜査のために身柄拘束を継続する必要がなくなるためです。
不起訴処分とされた事件では,その後に逮捕されることがありません。逮捕は,捜査を行う場合の選択肢の一つであるところ,不起訴処分によって捜査が終了するため,逮捕を行う余地もなくなるからです。
ただし,余罪がある場合には,余罪での逮捕が行われる可能性が残ります。
不起訴処分によって捜査が終了するため,警察や検察から取り調べを受けることがなくなります。もっとも,不起訴処分は今後の捜査を禁じるものではないため,新しい証拠が発見された場合には捜査が再開され,改めて取調べを受ける場合もあり得るところです。
男女トラブルの場合,該当し得る犯罪としては,主に以下の2つが想定されます。
男女トラブルで該当し得る犯罪類型
不同意わいせつ罪
→6月以上10年以下の拘禁刑
不同意性交等罪
→5年以上の有期拘禁刑
いずれも,刑罰としてより軽微な罰金刑の定めがない,という特徴があります。起訴された場合,罰金刑の余地がないため,それだけ重大な犯罪類型と言えます。

また,不同意性交等罪に関しては,原則として執行猶予が付かないという特徴もあります。執行猶予は,3年以下の懲役(拘禁)刑の場合にしかつけられないため,短期が5年とされている不同意性交等罪では付けられないのです。厳密には,法律に定められた減刑をすることで執行猶予を付ける余地もありますが,原則として執行猶予が付かない事件類型であることに留意が必要であるのは間違いないでしょう。
男女トラブルの事件は,示談による解決が有益ですが,示談に際しては示談金や示談条件といった諸々の負担が伴います。そして,男女トラブルの場合,他の事件類型と比べて示談時の加害者の負担が大きくなりやすい傾向がある,という点には注意が必要でしょう。
特に,継続的な交友関係のあった男女間や,立場上の上下関係があった男女間の場合,トラブルより前の時期における精神的苦痛や,今後の生活への影響なども踏まえた交渉になりやすいです。そのため,被害者からはより大きな請求がなされやすく,示談の成立には大きな負担が伴いやすいでしょう。
示談のメリットが極めて大きいため,できる限り示談の成立を目指したいところですが,その対価が相当程度必要になる可能性には注意することをお勧めします。
男女トラブルは,出来事を証明する客観的証拠に乏しいことが少なくありませんが,その場合に犯罪が立証できるかは,まず当事者双方の言い分がどの程度信用できるか,という観点から検討されます。
この点,加害者とされる側の言い分が明らかに不合理であるなど,当事者間の主張の信用性に大きな差があれば,客観的証拠が十分でなくても起訴される可能性はあります。そのため,客観的な証拠がなさそうだからといって,まともな対処をせず放置したり,「どうせ立証できない」と安易に高をくくったりすることはお勧めできません。
罪を犯していない,という否認のスタンスを取る場合には,自分の記憶を整理し,求められれば理路整然と述べられるようにしておきましょう。
さいたま市大宮区の藤垣法律事務所では,500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が,最良の解決をご案内することができます。
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弊所に刑事事件分野のご依頼をいただいたお客様より頂戴したお客様の声をご紹介します。
※事件や個人の特定を防ぐため,一部編集を行っている場合があります。

【お客様の声】
この度は,たいへんお世話になりました。
一度お会して御礼の言葉を言いたかったですけど出来ず
書面上の感謝になってしまいましたが,
自分としては,にどと過ちを起こさない事が先生への御礼としてこの書面で誓います。
本当有り難うございました。
【弁護士のコメント】
初犯の刑事事件で無事不起訴処分が獲得されたケースでした。
ただ,再度刑事処分の対象となる場合は,同じく不起訴処分になる可能性が低くなりやすいため,
ご指摘のとおり,二度と同様の出来事が起きないということが,
本件の結果を活かす最大の方策だと思います。
不起訴処分の結果がご依頼者様の今後につながれば幸いです。
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当事務所は,「いたばしSDGsパートナー」に登録いたしましたので,報告申し上げます。
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