「任意整理シアター」法律記事監修のお知らせ

藤垣法律事務所です。

この度、ろっくす様ご運営の「任意整理シアター」にて、以下の記事の監修を行わせていただきました。

【弁護士監修】自己破産するとどうなる?生活や家族への影響を解説

「任意整理シアター」では、ご運営者自身の任意整理のご経験を踏まえ、借金や債務整理の問題に関する有益な情報発信を行われております。

何卒よろしくお願い申し上げます。

藤垣法律事務所

「起業開業ガイド by タチアゲ」に弊所代表弁護士が取材されました

株式会社タチアゲ様が運営するWEBメディア「起業開業ガイド by タチアゲ」に、代表弁護士藤垣圭介へのインタビュー記事が掲載されました。

迅速な解決と温かな信頼 ― 藤垣法律事務所が拓く新たな法律支援の形 | 起業開業ガイド by タチアゲ

「起業開業ガイド by タチアゲ」は、資金調達(ファクタリング・ビジネスローン)、法人口座(ネット銀行比較)、法人カード、バーチャルオフィスなど、起業家・個人事業主・フリーランス必見の情報が満載!専門家監修の図解で分かりやすく解説。おすすめランキング、比較表、手続き、費用など、サービス選びに役立つ情報を網羅的に掲載されています。

よろしくお願いいたします。

藤垣法律事務所

「ベンナビ交通事故」法律記事監修のお知らせ

藤垣法律事務所です。

ベンナビ交通事故様にて、以下の記事の監修を行わせていただきました。

通勤中の交通事故でも労災保険は使える?自賠責保険や任意保険と比較して解説
https://jico-pro.com/columns/423/
信号無視による事故の過失割合は10対0になる?ケースごとの過失割合を解説
https://jico-pro.com/columns/154/
交通事故の流れを徹底解説!事故処理と損害賠償を獲得するまでの手続き
https://jico-pro.com/columns/57/
交通事故で骨折した場合の慰謝料相場はいくら?計算ツールも紹介!
https://jico-pro.com/columns/310/
交通事故の慰謝料は弁護士基準でいくら?計算ツールも紹介!
https://jico-pro.com/columns/1/

何卒よろしくお願い申し上げます。

藤垣法律事務所

「ちょこっと弁護士Q&A」記事執筆のお知らせ

藤垣法律事務所です。

株式会社LegalOn Technologies様の「ちょこっと弁護士Q&A(ちょこ弁)」にて、記事執筆を行わせていただきました。

【執筆記事】
社長が逮捕されたら、どのタイミングで逮捕の事実を公表すべきでしょうか。

【執筆者情報】
藤垣 圭介 弁護士

「ちょこっと弁護士Q&A(ちょこ弁)」では、社長向けにお悩み解決を支援するため、社長として様々な場面で遭遇するトラブルや疑問について、有益な解決方法をQ&A方式で紹介されています。

何卒よろしくお願い申し上げます。

藤垣法律事務所

「マネーセレクト」法律記事監修のお知らせ

藤垣法律事務所です。

株式会社Crepas(代表:牧村和慶)様の「マネーセレクト」にて、以下の記事の監修を行わせていただきました。

債務整理おすすめランキング【弁護士・司法書士事務所の費用や口コミを比較】

「マネーセレクト」では、カードローンや債務整理、車の保険や買取査定、法律問題(B型肝炎訴訟や離婚問題)など、お金に関する多様な問題について有益な情報発信を行われております。

何卒よろしくお願い申し上げます。

藤垣法律事務所

【さいたま市の顧問弁護士監修】企業経営をサポートするさいたま市の公認会計士事務所7選

企業経営には、会計が適正であることを求められる局面が少なくありません。しかも、対処は突然必要になることも多く、対応を迫られる企業には大きな負担が生じやすいものです。
藤垣法律事務所にて顧問のご対応をさせていただく中でも、企業の上場を目指す場合や金融機関等の信用を獲得しなければならない場合に、難解な会計監査や財務判断が発生し、経営者の方が頭を悩ませるケースをお見受けするところです。
このとき、財務や経営の専門家として企業の強いサポートになるのが公認会計士です。企業の健全な運営や成長のためには、公認会計士の存在が非常に重要となりやすいでしょう。

そこで、今回はさいたま市で行われている公認会計士事務所を7選にして紹介いたします。
(五十音順)

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企業経営における公認会計士の存在意義

公認会計士は、単なる財務の監査役としての役割のみでなく、企業経営の健全性を保ち、成長を促進するパートナーとして重大な役割を果たしています。企業が長期的に発展するために必要な財務の透明性、適正なガバナンス、徹底したリスク管理のため、その重要性は企業の発展とともに大きくなっていくものです。

具体的な存在意義としては、以下のような点が挙げられます。

・財務諸表監査
→企業が適正な会計処理を行っているかをチェックし、不正や誤謬を未然に防ぐ

・税務や内部統制に対する助言
→税務リスクを低減するための助言、不正リスクの低減や業務プロセスの改善に向けたアドバイスを行う

・M&Aや事業再生における知見の活用
→買収対象企業の財務状況の分析やリスク評価、経営不振企業の再生計画の策定

企業規模が大きく、事業分野が広くなるほど、その必要性も重大になりやすいです。
成長の過程で公認会計士からの適切なサポートを得られるかどうかは、個別企業のご状況を拝見する中でも痛感することが多いところです。

さいたま市内の公認会計士事務所

①井上正之公認会計士・税理士事務所

井上正之公認会計士・税理士事務所は、埼玉県さいたま市浦和区に位置し、JR浦和駅西口から徒歩5分とアクセスに優れた会計事務所です。代表の井上正之氏は、公認会計士・税理士として豊富な実務経験を持ち、法人・個人の税務、財務デューデリジェンス、資金繰りサポートなど、多岐にわたるサービスを提供しています。

同事務所の特徴は、「現場第一」をモットーに、実際の現場を確認しながら効率化や問題点の提案を行う姿勢です。また、クライアントの経営理念を尊重し、共に考えるパートナーとしての役割を重視しています。税務顧問サービスでは、税務申告や節税対策、融資に関する相談まで幅広く対応し、会計コンサルティングでは、新会計基準の導入や上場準備、金融機関対応のための連結会計体制強化など、専門的な支援を提供しています。

さらに、会計監査においては、会社法監査、私学助成法監査、社会福祉法人監査、医療法人監査など、15年以上の経験を活かし、適切に実施しています。研修講師としても定評があり、大手商社での講師実績や確定申告講習会など、多彩な実績を持っています。

井上正之公認会計士・税理士事務所は、クライアントとの信頼関係を最優先に考え、親身で迅速な対応を心掛けています。税務・会計に関する相談は、電話やメールで気軽に問い合わせることができ、初回相談の流れも明確に示されています。また、経営革新等支援機関として、中小企業の経営力強化を支援する体制も整っています。

名称 井上正之公認会計士・税理士事務所
住所〒330-0062 埼玉県さいたま市浦和区仲町2-5-1 ロイヤルパインズホテル浦和 地下1階 Mio内
電話番号048-829-7723(受付時間9:30~17:30)
ホームページhttps://www.inoue-cpa.jp/

②岩波公認会計士事務所

岩波公認会計士事務所は、埼玉県さいたま市岩槻区に拠点を構える会計事務所です。代表の岩波一泰氏は、社会福祉法人に関連する業務に高い専門性を有し、クライアントの多様なニーズに応じたサービスを提供しています。

同事務所では、クライアントの悩みや疑問を丁寧に伺い、最適な解決策を共に考える姿勢を大切にしています。特に、社会福祉法人や医療法人等の非営利法人に関する会計や会計組織構築に向けた相談、法人税、所得税、相続税等の各種税務相談に対応しています。また、会社や事業主に代わり会計帳簿の記帳業務も行っており、日常の経理業務から専門的な会計処理まで幅広くサポートしています。

さらに、岩波氏は「監査法人アシスト」の社員として、社会福祉法人に対する会計監査業務や会計指導業務等を中心に行っています。また、執筆活動にも積極的で、「初めての社会福祉法人会計」や「社会福祉法人の事務処理体制の向上支援業務」などの著書を通じて、専門知識の普及にも努めています。

岩波公認会計士事務所は、クライアントとの信頼関係を重視し、親身で迅速な対応を心掛けています。社会福祉法人や医療法人等の非営利法人に関する会計や税務の相談、また、法人税、所得税、相続税等の各種税務相談について、電話やメールで気軽に問い合わせることができます。

名称 岩波公認会計士事務所
住所〒339-0057 埼玉県さいたま市岩槻区本町1-5-3 岩波榮一ビル3F
電話番号048-812-7877
ホームページhttps://mk-i-cpa.com/

③大野夏美税理士・公認会計士事務所

大野夏美税理士・公認会計士事務所は、埼玉県さいたま市大宮区に拠点を構え、特に医療・介護・福祉分野に強みを持つ会計事務所です。代表の大野夏美氏は、1999年に公認会計士試験に合格し、朝日監査法人(現あずさ監査法人)で主に金融機関の監査に従事した後、2009年に同事務所を開設しました。

同事務所は、税務申告や税務相談、会計監査などの基本業務に加え、医療法人の経営改善や各種組織変更、相続税対策、経営分析、決算業務支援など、多岐にわたるコンサルティングサービスを提供しています。特に、医療・介護・福祉分野における専門知識と経験を活かし、クライアントのニーズに応じた柔軟な対応と明確な料金体系を特徴としています。

大野氏は、「クライアント様の事業が発展するように支援する黒子」「企業は人なり」をモットーに、誠実な対応を心掛けています。また、同事務所は女性らしい柔軟な対応を強みとしており、クライアントとの信頼関係を大切にしています。

所在地は大宮駅から徒歩圏内にあり、アクセスも良好です。税務・会計に関する相談や問い合わせは、電話やメールで気軽に連絡することができます。

名称 大野夏美税理士・公認会計士事務所
住所〒330-0854 埼玉県さいたま市大宮区桜木町4-764 コルレット大宮101
電話番号048-657-2255
ホームページhttps://ono-cpaoffice.jp/

④金子公認会計士・税理士事務所

金子公認会計士・税理士事務所は、埼玉県さいたま市中央区に位置し、JR与野駅西口から徒歩5分とアクセス良好な会計事務所です。代表の金子由里子氏は、公認会計士・税理士・政治資金登録監査人として豊富な経験と専門知識を持ち、クライアントの事業成長と発展を全力でサポートしています。

同事務所は、会計・税務・資金調達・監査に関する幅広いサービスを提供しており、特に法人運営の最大の課題である資金繰りに対して、ファンドレイザーとして積極的な提案と申請を行っています。また、相続税対策やNPO法人、学校法人、公益法人、社会福祉法人、一般社団法人等の会計・税務サポートにも対応しており、各種法人のニーズに応じた専門的な支援を提供しています。

さらに、同事務所は認定経営革新等支援機関として、中小企業の経営力強化を支援する補助金等の申請書類作成もサポートしています。会計監査においては、会社法監査、学校法人監査、社会福祉法人監査、公益法人監査、労働組合法監査、政治資金規正法監査など、幅広い分野での実績があります。

金子公認会計士・税理士事務所は、クライアントの多様なニーズに応じ、きめ細やかで正確なサービスを提供することで、共に成長・発展することを目指しています。会計、税務、資金調達、監査に関する相談は、電話またはお問い合わせフォームから気軽に連絡できます。

また、セミナー等も多数開催しているため、最新の情報収集や知識の習得にも役立てることができます。

名称 金子公認会計士・税理士事務所
住所〒338-0002 埼玉県さいたま市中央区下落合2丁目2-24-3 進瑛ビル2階
電話番号048-767-3555(代表/受付時間9時30分~17時00分)
ホームページhttps://www.ai-cpa.info/

⑤グローブ会計事務所(小野寺大輝税理士・公認会計士事務所)

グローブ会計事務所(小野寺大輝税理士・公認会計士事務所)は、埼玉県さいたま市大宮区に拠点を構える会計事務所です。同事務所は、資金調達に必要な書類の作成支援をはじめ、創業支援、事業再生、事業承継など、法人向けの幅広いサービスを提供しています。また、個人向けには確定申告などの業務にも対応しており、クライアントの多様なニーズに応じたサポートを行っています。

「お客様・仲間・地域社会の安定成長に貢献し、信頼関係を築いていく会計事務所」を理念とし、会計・税務を通じて三方面の充実を目指しています。特に、経営者や個人事業主が気兼ねなく相談できる関係性の構築を重視し、ビジネスにアドバイスだけでなく「伴走」するパートナーとしての役割を担っています。

料金プランは、年商に応じた4つのプランを設けており、個人事業主から法人まで、規模やニーズに合わせた柔軟な対応が可能です。初めての開業で何をすべきか分からない方や、申告や税務、会計処理についてアドバイスが欲しい方、気軽にお金の相談をしたい方など、さまざまな相談に応じています。

相談は電話やメールで受け付けており、予約をすれば時間外や休日でも対応可能です。信頼できるパートナーとして、グローブ会計事務所はクライアントの事業の安定成長をサポートしています。

名称 グローブ会計事務所(小野寺大輝税理士・公認会計士事務所)
住所〒330-0803 埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-36-1 第一大矢部ビル4階
電話番号048-657-8075(受付時間9:00~17:00、休日:水曜・土日祝)
ホームページhttps://growb-accg.com/

⑥高橋公認会計士事務所

高橋公認会計士事務所は、埼玉県さいたま市見沼区に拠点を構える会計事務所です。代表の高橋基貴氏は、公認会計士・税理士の資格を持ち、宅地建物取引主任者や政治資金監査人、生命保険募集人、損害保険募集人など多彩な資格を有しています。

同事務所は、平成21年7月の設立以来、関与法人約70件、個人約30件と、地域の皆様から厚い信頼を得ています。「経営者の身近なパートナー」をコンセプトに、中小企業の経営者を支援し、従業員やそのご家族が幸せになれるサポートをモットーとしています。

所長の高橋氏は、ミサワホーム株式会社での勤務を経て、公認会計士試験に合格し、あずさ監査法人にて上場企業監査やIPO支援に従事しました。その後、独立して現在の事務所を設立し、税務・会計のみならず、不動産売買や保険を活用した節税対策など、幅広い相談に対応しています。

また、同事務所のブログ・コラムでは、経済ニュースや税務関連情報、開業支援、不動産や相続に関する情報など、役立つ情報を発信しています。過去の記事も閲覧可能で、カテゴリ別に興味のある分野をチェックできます。

高橋公認会計士事務所は、経営者の頼れるホームドクターとして、税理士が責任を持ってお手伝いしています。税務・会計に関する相談は、電話やメールで気軽に問い合わせることができます。

名称 高橋公認会計士事務所
住所〒337-0003 埼玉県さいたま市見沼区深作2-3-19
電話番号048-872-6946
ホームページhttps://motoki-kaikei.com/

⑦髙松公認会計士事務所

髙松公認会計士事務所は、埼玉県さいたま市大宮区に拠点を構える会計・税理士事務所です。代表の髙松亮祐氏は、公認会計士・税理士の資格を持ち、経営革新等支援機関としても認定されています。

同事務所は、法人および個人向けの税務業務、IPO支援、上場会社・上場子会社支援、M&A関連のコンサルティング、会計監査業務など、多岐にわたるサービスを提供しています。

特に、税務申告や経理の代行だけでなく、事業の拡大・成長戦略、経理体制の構築支援、株式上場準備支援など、経営全般に関するサポートを行い、クライアントの事業成長に貢献することを理念としています。

髙松氏は、EY新日本有限責任監査法人での勤務を経て、公認会計士登録後、小谷野税理士法人にて経験を積み、2021年に同事務所を開業しました。この豊富な経験を活かし、クライアントに寄り添い、相談しやすい事務所を目指しています。

大宮駅東口から徒歩3分というアクセスの良さも魅力の一つです。税務・経営に関する質問や相談は、電話やメールで気軽に問い合わせることができます。

名称 髙松公認会計士事務所
住所〒330-0802 埼玉県さいたま市大宮区宮町1-86-1 大宮イーストビル709
電話番号050-5604-0645
ホームページhttps://www.tkmt-cpa.com/

企業・個人顧問に強い弁護士をお探しの方へ

藤垣法律事務所では、企業・個人顧問に精通した弁護士が迅速対応し、円滑な解決を実現するお力添えが可能です。是非お気軽にご相談ください。

特設サイト:藤垣法律事務所

「ベンナビ刑事事件」法律記事監修のお知らせ

藤垣法律事務所です。

ベンナビ刑事事件様にて、以下の記事の監修を行わせていただきました。

窃盗の示談金の相場はいくら?示談するメリットや示談交渉の流れを解説
https://keiji-pro.com/columns/272/

何卒よろしくお願い申し上げます。

藤垣法律事務所

特殊詐欺事件で自首するメリットは?実刑判決は防げるのか?弁護士がいた方がいいのか?

このページでは,特殊詐欺事件の自首に関して,自首をすべきかどうか,自首のメリット,自首を試みる際の具体的な方法などを弁護士が解説します。自首を検討する際の参考にしてみてください。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

特殊詐欺事件で自首をするべき場合

①関与した自覚がある場合

特殊詐欺事件は、被害者が犯罪被害に気付いていない場合を除き、被害者が捜査機関に助けを求めないことは考えにくく、被害者の相談を受けた警察等も捜査を行わないことが考えにくい類型です。それだけ、被害が大きくなりやすく、犯罪捜査の必要性も高くなりやすい重大事件ということができるでしょう。

そのため、詐欺事件に関与したとの自覚がある場合には、捜査が行われて自分が特定されるより前に、先手を打って自首をする手段が非常に有力です。自首しなくても犯罪捜査が行われてしまうのであれば、先に自首をする方が有益だと考えるのが適切でしょう。

なお、関与した当時は自覚がなかったものの、後になって犯罪だと分かったという場合は、その旨を捜査機関に申告しても法的には自首ではありません。関与した当時に犯罪の認識がない場合には、犯罪が成立しないためです。
もっとも、自首ではないことを前提に捜査機関へ相談等を試みることは十分に有力でしょう。

ポイント
特殊詐欺事件は、自首しなくても捜査されることが見込まれる
事件当時に自覚がない場合、法的には自首にはならない

②関係者が捜査を受けた場合

事件に関係した他の人物が捜査を受けている場合、その事件は既に相当程度捜査が進んでおり、犯罪の特定に近付いていることがうかがわれます。そうすると、他の関係者として自分が捜査の対象になる可能性も非常に高く、捜査を受ける前に自首を試みることが有力な手段になりやすいでしょう。

また、他の関係者に対する捜査が先行している場合、その関係者の供述は他人に責任を押し付けるような内容であることが少なくありません。自分の責任が軽くなれば、それだけ刑罰も軽くなって有益であるためです。
この場合、放置していると実際よりも自分の責任が重く評価されてしまう恐れがあるため、必要以上の責任を負わされないようにするためにも、実際の内容を捜査機関に伝える試みが有力と言えるでしょう。

ポイント
関係者が特定されている場合、捜査は相当程度進んでいる
他の関係者から責任を押し付けられている恐れもある

③否認事件における自首

否認事件の場合、法的には自首をすることはできません。自首は、自分の犯罪行為を捜査機関に告げてその捜査や処分を求める行動であるためです。

しかしながら、否認事件では捜査機関への積極的な接触ができないかといえば、決してそうではありません。自分が特殊詐欺事件への関与を疑われている可能性や、自分の関与した出来事が特殊詐欺事件である可能性が分かった、という場合には、その旨を素直に警察へ申告し、相談する手段も十分に考えられるところです。

ただ、この場合には、本心から否認しているのか、虚偽の否認で責任逃れを図っているのか、捜査機関からは判断ができません。そのため、否認の内容が真実であるのか、疑われる可能性は踏まえておくことが望ましいでしょう。一貫して粘り強く、情報提供を尽くす姿勢が適切です。

ポイント
捜査機関に情報提供を試みる動きは有力
疑われる可能性は想定しておくことが適切

自首とは

自首とは,罪を犯した者が,捜査機関に対してその罪を自ら申告し,自身に対する処分を求めることをいいます。自分の犯罪行為を自発的に捜査機関へ申告することが必要とされます。

また,自首が成立するためには,犯罪事実や犯人が捜査機関に発覚する前でなければなりません。これは,犯罪事実自体が発覚していない場合のほか,犯罪事実は発覚しているものの犯人が特定できていない場合も含まれます。つまり,犯罪事実か犯人のどちらかが発覚していなければ,自首が成立するということになります。

ポイント 自首の意味
自分の犯罪行為を自発的に捜査機関へ申告し,自分への処分を求めること
犯罪事実又は犯人が特定できていない段階であることが必要

自首のメリット

①刑罰の減軽事由に当たる

自首は,刑法で定められているものですが,その定めは「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは,その刑を減軽することができる。」という内容です。つまり,自首が成立した場合の直接の効果は「刑を減軽できる」ということになります。

刑罰が減軽される場合,基本的には言い渡される刑罰の上限が2分の1になります。そのため,自首によって刑罰が減軽されると,自首がなかった場合に比べて最大でも半分の刑罰までしか科せられません。

なお,「刑を減軽することができる」という定めは,任意的減軽と呼ばれます。これは,減軽することも減軽しないこともできる,というもので,自首したから必ず減軽の対象になるわけではありません。この点の最終的な判断は裁判所に委ねられますが,自首が刑罰の重みに大きく影響することは間違いありません。

ポイント
自首は刑の任意的減軽事由

②逮捕が回避できる可能性が高まる

被疑者が自首をした事件では,その被疑者を逮捕する可能性が非常に低くなることが一般的です。それは,逮捕の必要性が大きく低下するためです。

逮捕の要件には,「逮捕の理由」と「逮捕の必要性」があるとされています。

逮捕の要件

1.罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由
→犯罪の疑いが十分にあることを言います。「逮捕の理由」とも言われます。

2.逃亡の恐れ又は罪証隠滅の恐れ
→逮捕しなければ逃亡や証拠隠滅が懸念される場合を指します。「逮捕の必要性」ともいわれます。

この点,自首をする人物は,自分の犯罪事実を自発的に捜査機関へ告げ,その事件に関する刑事処分を受けるきっかけを自ら作っています。そのため,自分から捜査や処分を求めている人が逃亡や証拠隠滅をすることは考えにくいと言わざるを得ません。
そうすると,自首がなされた事件は,類型的に逃亡や罪証隠滅の恐れ(逮捕の必要性)が低いため,逮捕を回避できる可能性が高くなるのです。

逮捕の回避は,自首を試みる場合の大きな目的の一つと言えます。自分から捜査機関に犯罪を打ち明ける対価として,逮捕を避けてほしいと申し出る試みである,ということもできるでしょう。
ただし,必ず逮捕が防げるというわけではありません。自首をしたとしても逮捕せざるを得ないような重大事件であれば,自首は刑罰の軽減を目指して行うべきことになるでしょう。

ポイント
自首したケースは逮捕の必要性が低いと判断されやすい

③示談の可能性が高まる

被害者のいる事件の場合,自首をした被疑者自身が加害者であることが明らかです。そのため,被疑者ががさらに処分の軽減を図ろうとする場合,示談の試みが非常に大切となります。なぜなら,被疑者の刑事処分は,被害者の意向を可能な限り反映したものになるためです。
示談によって被害者の許しが得られた場合,許したという被害者の意向を反映して刑事処分を軽減することがほとんどでしょう。事件によっては,被害者が加害者の刑罰を希望しない,という意向を表明すれば,事実上不起訴が見込まれると言えるケースも少なくありません。
それだけ,示談の成否は刑事処分を決定的に左右し得るものです。

この点,被害者としては,加害者が自首をしたのか,警察に特定されて捕まったのかによって,示談を受け入れる気持ちが生じるかどうかに大きな違いが生じます。自首した場合の方が,被害者が示談を受け入れる気持ちになりやすいことは明らかです。
そのため,自首という行動は,その後の示談が成立する可能性を高めるという大きなメリットももたらすものと言えます。

ポイント
自首した場合の方が,被害者に示談を受け入れられる可能性が高くなる

④不起訴の可能性が高まる

自首した場合,刑の任意的減軽事由となりますが,これは刑罰を受けることを前提としたお話です。受ける刑罰が半減する可能性がある,というわけですね。

この点,自首が処分を軽減させるのは,決して刑罰が科せられる場合のみではありません。そもそも刑罰を科すかどうか,つまり起訴するか不起訴にするか,という局面でも,自首は処分を軽減させる事情として考慮されます。それは,自首をすることで刑事責任を軽くすべき,という考え方がこの局面にも当てはまるためです。

事件によっては,自首の有無で起訴不起訴が分かれるケースもあり得ます。自首以外に不起訴の判断を促せる事情がなかったとしても,自首を考慮して不起訴になる場合があり得るのは,自首の大きなメリットでしょう。

ポイント
自首を理由に不起訴処分が得られる場合もある

自首の方法と流れ

自首を円滑に,効果的に行うためには,適切な手順を踏んで自首することが望ましいところです。適切な自首ができれば,自首のメリットがより早期に,明確に得られるでしょう。

①自首の方法1.警察への連絡

自首は,警察署に直接出頭して行うこともできますが,事前に警察署に電話連絡をすることがより適切でしょう。事前連絡なく出頭した場合,警察側に自首を受け入れる体制や準備がなく,かえって手続が煩雑になってしまう可能性があります。

連絡先=自首をする先の警察署としては,事件の発生場所を管轄する警察とすることが最も円滑になりやすいです。ただ,自分の生活圏と事件の発生場所が遠く離れている場合は,自分の住居地の最寄りの警察署でもよいでしょう。

自首先の警察署

1.事件の発生場所を管轄する警察署
2.自分の住居地を管轄する警察署

また,連絡先は,自首をする事件分野を取り扱う担当課,担当係に行うことが望ましいです。事件を取り遣う部署は事件類型ごとに異なりますが,一般的には以下のような区別が可能です。

事件を取り扱う部署の例

暴行・傷害
→刑事課 強行犯係

詐欺・横領
→刑事課 知能犯係

窃盗
→刑事課 盗犯係

痴漢・盗撮
→生活安全課

児童買春・児童ポルノ
→生活安全課(少年係)

警察に連絡をした際は,事件を取り扱う係に電話を回してもらい,担当部署の電話応対者に自首を希望する旨とその内容を伝えるとスムーズになりやすいです。

なお,事件の概要や自首を希望するに至った経緯などを伝える可能性が高いため,整理して伝えられるよう,事前にメモを作成するなどして伝えたいことをまとめるのが望ましいでしょう。

②自首の方法2.警察への出頭

予定した日時に警察へ出頭します。
出頭した際にまずどこへ行き,どのようにして担当者に話を通してもらうかは,事前連絡の時点で確認しておくことが望ましいでしょう。

出頭後は,警察所で話を聞かれることが想定されます。どの程度の時間,どのような手続を行うことになるのかは事前の想定が困難であるため,当日の予定は終日空けておくことが適切です。

警察の受付から担当者につないでもらうと,担当課の取調室などへ案内されることが一般的です。

③自首後の流れ1.取り調べの実施

自首後は,まず事件の内容や流れについて取調べを受けることになります。自首をより円滑に進めるため,事前の準備に沿って事件の内容をできるだけ詳細に話すようにしましょう。
取調べの内容としては,以下のような事項が想定されます。

自首後の取調べ内容

1.事件の日時・場所
2.事件の具体的な内容
3.事件が発生した理由
4.自首を試みた経緯・理由
5.身上経歴

自首は,自分の犯罪行為を申告して処分を求めるものであるため,対象となる犯罪の内容については,何かを包み隠していると疑われないよう真摯な供述に努めることが有益です。また,反省・後悔の意思や,被害者に対する謝罪の意思が十分に伝わるような対応が尽くせれば,より望ましい内容になるということができるでしょう。

ポイント
自首を受けた警察で取調べが行われる
真摯な供述を心掛け,反省や謝罪の意思が伝わることを目指す

④自首後の流れ2.自首の受理

警察では,取調べで自首をした人から一通りの話を聞いた後,「自首調書」を作成します。
内容や形式は一般的な供述調書と大きく異なりませんが,自首を受理したことを明らかにするため自首調書を作成するものとされています。

自首調書には,事件の概要,本人の身上経歴,自首をした理由や経緯などが記載されます。

ポイント
自首を受け付けた警察では「自首調書」が作成される

⑤自首後の流れ3.逮捕の判断

自首を受けた警察では,取調べの内容等を踏まえ,その被疑者を逮捕するかどうか判断することになります。自首した事件では,被疑者を逮捕する必要は大きく低下すると理解されるのが通常ですが,それでも逮捕の可能性が否定できるわけではありません。

逮捕をするかどうかは,逃亡の恐れや罪証隠滅の恐れを主な基準に判断されますが,自首をしているケースでは自首後に逃亡することは想定されづらいと言えます。そのため,罪証隠滅の恐れがどの程度あるか,という基準が重視されやすいでしょう。
そして,自首を通じて罪証隠滅の恐れがないと判断してもらうためには,以下のような対応方法が考えられます。

逮捕を防ぐための自首の方法

1.時系列に沿った詳細な供述に努める
→隠し事なく供述していると評価してもらえれば,その上で証拠隠滅する恐れがあるとは判断されづらい

2.証拠の持参
→事件の内容に応じて想定される物的証拠を積極的に持参することで,罪証隠滅の余地がないと判断してもらいやすい

自首のやり方によって逮捕されるかどうかに差が生じる可能性もあるため,自首に際しては罪証隠滅の恐れがないと理解してもらうことをできる限り目指すようにしましょう。

ポイント
逮捕の有無は,罪証隠滅の恐れの有無によって判断されやすい

特殊詐欺事件の自首は弁護士に依頼すべきか

特殊詐欺事件で自首を検討する場合には、弁護士に依頼し、弁護士の判断を仰ぎながら対応を進めていくことが適切です。弁護士への依頼によって、以下のようなメリットが期待できます。

①犯罪に当たるかが分かる

特殊詐欺事件は、その内容や共犯者の募集方法など、様々な点について新しい手口が次々と現れてくる事件類型です。そのため、自分が関与した出来事が特殊詐欺事件に当たるのか、自分は特殊詐欺事件に関与してしまったのか、判断できない場合が少なくありません。
また、自分の行ったことが犯罪そのものへの関与ではない場合、自分が犯罪の責任を負う可能性はあるのか、という点も判断の難しいところです。

この点、弁護士へ依頼した場合には、自分の行為や関わった出来事が犯罪に当たるかどうか、法律の専門的な観点から判断してもらうことが可能です。また、犯罪に当たるかどうかの分岐点や争点が整理できるため、適切な対応方針も判断しやすくなる効果が期待できます。

②自首のメリットが分かる

自首は、自ら犯罪捜査を求める行為であるため、大きなリスクを抱える動きであることは否定できません。そのため、自首によって生じるメリットがどの程度か、十分に理解できなければ判断に踏み切ることは容易でないでしょう。自首のメリットがデメリットを上回ると判断できて、初めて自首を進めることが可能になるはずです。

この点、弁護士に依頼することで、自首をした場合としなかった場合の具体的な比較を含め、個別の事件で自首を行うことの詳細なメリットを把握することが可能です。自分が想像していたメリットと違う、というミスマッチも回避できるため、後悔のない自首の判断ができるでしょう。

③取調べへの備えができる

自首は、刑事手続全体の流れの中では、捜査の出発点であり、スタートラインともいうべき段階です。そのため、自首後に様々な捜査が行われ、警察などによる証拠収集が進められることとなります。自首を行う際には、その後に行われる捜査への対応についても、十分な備えを行っておくことが適切です。

この点、弁護士に依頼した場合には、自首後に行われる取調べの内容や進め方を事前に把握することができ、具体的な返答方針、内容についても専門的な見地から指示や助言などをしてもらうことが可能です。取調べへの適切な対応ができれば、自首の効果はより大きなものになることが期待できます。

特殊詐欺事件で自首をする場合の注意点

①逮捕の回避が困難な場合

自首は、まず逮捕の回避を最大の目的として行うことが多いものです。自首しなければ逮捕が見込まれる場合に、先立って自首を行うことで、逮捕しないとの取り扱いを目指すのが、自首の最初の目標になるでしょう。

しかしながら、特殊詐欺事件の場合には、自首をしても逮捕の回避が困難な場合がある、という点に十分な注意が必要です。特殊詐欺事件は、悪質で重大な事件類型と理解されやすいため、逮捕の必要性が高く、自首を行ってもなお逮捕の判断を覆せない可能性があるためです。

自首が逮捕の可能性を下げる試みであることは間違いありませんが、確実に逮捕が避けられる、というものではない点に注意しましょう。

②実刑判決の回避が困難な場合

特殊詐欺事件における自首は、実刑判決が懸念されるケースで実刑を回避することを目的に行われる場合も一定数あります。しかしながら、重大な特殊詐欺事件では、自首をしても実刑判決の回避が困難な場合がある点に注意すべきです。

実刑判決の回避が困難なケースとしては、以下のような場合が挙げられます。

1.役割が重大である
→中心的な役割を担っていた場合

2.被害規模が大きい
→被害金額が著しく高い場合

3.前科がある
→同種の前科や刑務所への服役経験がある場合

③余罪の取り扱い

複数の特殊詐欺事件がある場合、自首をする際にすべての事件を明らかにすべきか、という点は非常に判断の困難な問題です。

この点、基本的には、捜査される事件が多くならないに越したことはありません。そのため、自分の情報提供がきっかけとなって捜査される事件は、できるだけ少ない方が望ましいでしょう。
一方、捜査機関がどこまでの事件を把握しているのか、今後どこまで明らかになるのかは、事前に見通すことが困難です。捜査される事件についてだけ自首をする、という都合のいい行動は難しいと言わざるを得ないでしょう。

余罪のある特殊詐欺事件での自首を検討する場合には、できる限り弁護士に依頼し、具体的な対応方針について弁護士の判断を仰ぎながら進めていくことをお勧めします。

④逮捕勾留に備えた準備

特殊詐欺事件で自首を行う場合には、逮捕勾留の恐れが低くないことを踏まえ、逮捕勾留に備えた物品の準備をしておくことも有力です。

逮捕勾留に備えた物品の準備としては、一例として以下のものが挙げられます。

1.金銭
→留置場内で飲食品や洗面用具などを購入するため

2.着替え
→貸与でなく自分の着衣を用いるため

3.本
→留置場内での時間を有効活用するため

4.家族の写真など
→接見禁止の場合、家族と面会できないため

なお、留置場内に持ち込める物品には独特なルールがあり、ルールに反した物品は留置場で利用できません。具体的な準備については、弁護士との十分なご相談をお勧めします。

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【特殊詐欺事件での呼び出し】呼び出しに対する適切な対応方法や弁護士依頼のメリットなどを詳細解説

このページでは,特殊詐欺事件で警察から呼び出された場合について,適切な対応方法などを弁護士が解説します。
特殊詐欺事件に関する呼び出しへの対応や今後の見込みを検討するときの参考にご活用ください。

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特殊詐欺事件で呼び出された場合の対応法

①基本姿勢

特殊詐欺事件で呼び出しを受けた場合には、まず「本罪」と「余罪」を区別して検討することが適切です。本罪とは、実際に呼出しを受けた対象事件のことをいい、余罪とは、本罪以外の事件のことを言います。

本罪と余罪の区別が重要であるのは、本罪と余罪とで対応方針を変えるべき場合が少なくないためです。例えば、捜査機関には本罪だけ証拠がそろっているが余罪は発覚していない、という場合、本罪と余罪の両方を全部認めて話すことも、本罪と余罪の両方を否認して認めない態度を取ることも、ともに不適切になりやすいでしょう。本罪だけ証拠がそろっている状況であれば、本罪は認める姿勢が適切ですが、発覚していない余罪の情報提供をするメリットはあまりありません。
 
特殊詐欺事件の捜査は、取調べでどのような発言がなされるか、という点が大きな影響を及ぼしやすい傾向にあります。そのため、対応方針を誤らないための整理として、本罪と余罪の区別を明確にすることをお勧めします。

ポイント
本罪と余罪の区別を明確にする
本罪と余罪とで対応方針を変えるべき場合が少なくない

②認め事件

認め事件の場合、基本的には事実をありのまま告げることが適切です。特に、共犯者に関する情報を分かる限りで提供し、事件の全容解明に向けた協力姿勢を取ることができれば、刑事処分の軽減に向けた有益な事情となり得るでしょう。

また、自分の役割が比較的小さなものであれば、自分の具体的な役割の内容を正しく把握してもらうことも目指すべきです。例えば、詐欺事件そのものの計画に関与しているかどうか、詐欺事件の具体的な内容をどのように理解していたか、という点は、共犯者間の役割や立場に大きく影響しやすいため、整理して伝えられることが適切です。

ポイント
事件の全容解明に向けた協力姿勢を取る
自分の役割が小さいことを正しく把握してもらう

③否認事件

否認事件の場合、まずは具体的な争点を明らかにすることが適切です。なぜ否認をするのか、犯罪が立証できるかどうかのポイントはどこか、という点を、捜査機関に理解してもらうことが、否認事件で適切な結果を目指す第一歩になります。

特殊詐欺事件の場合、否認事件では以下のような争点が見られます。

否認の特殊詐欺事件における争点の例

1.故意
→アルバイト名目などで、詐欺事件と知らずに関与させられた、という主張。

2.犯人性
→自分が犯人であるかどうか、という問題。人違いであると主張するケース。

3.責任の有無
→脅迫され、強制的に関与させられていたという主張。

ポイント
争点を明らかにすることが対応の第一歩

特殊詐欺事件の呼び出しに応じると逮捕されるか

特殊詐欺事件の場合、呼び出しに応じて出頭した際に逮捕される、というケースも一定数見られます。これは、元々逮捕する目的であった場合に、警察から逮捕に向かうのではなく、被疑者の方から警察に来てもらって逮捕する、という動きを選択した場合です。
通常、逮捕する場合には、証拠隠滅のきっかけを与えないよう、警察が被疑者の自宅などに突然訪れ、そのまま逮捕する運用が多く見られます。ただ、特殊詐欺事件では、共犯者との捜査の前後といった捜査上の状況や、遠方である場合などを踏まえ、被疑者に自ら出頭してもらった上で逮捕に踏み切るケースも少数ながら見られるところです。

一方、逮捕するかどうか判断未了の状態で呼び出しを行い、呼び出しへの応答を踏まえて逮捕する、というケースはあまり見られません。裏を返せば、呼び出しへの応対を誤ったから逮捕される、ということにはなりにくいため、呼び出しへの対応を過度に不安視することはお勧めしません。

ポイント
元々逮捕目的である場合、呼び出した上で逮捕を執行するケースはある
呼び出しへの対応が原因で逮捕されるケースは生じにくい

特殊詐欺事件で警察が呼び出すタイミングや方法

①事情を知っている可能性があると考えたとき

特殊詐欺事件は、組織的な事件であることから、いきなり全容を掴むことは困難になりやすいです。そのため、用いられた口座の名義人やスマートフォンの契約者など、事件に関わった可能性のある人物から事情を聴くことで、捜査の進展を目指す動きは少なくありません。
警察が呼び出す場合も、事件について事情を知っている可能性がある人物の存在が浮上した際、その人物を呼び出して話を聞く、という流れは一定数見られるところです。

このような呼び出しは、捜査の比較的初期段階であることが多く見られます。捜査の糸口を掴むために広く情報を収集している段階であるケースが多いでしょう。捜査担当者から電話連絡を行う方法で呼び出しを試みることが一般的です。

②事件への具体的な関与が特定されたとき

具体的な事件への関与が特定され、果たした役割が分かった段階で、事実関係を取り調べるために呼び出されるケースもあり得ます。この段階では、客観的な証拠がある程度捜査機関の手元にあり、少なくとも個別の被害がどのようにして起きたか、ということは明らかであることが多いでしょう。

このような呼び出しは、呼び出される側にとっては初回の呼び出しであることが見込まれますが、捜査としてはある程度進行した段階であることが考えられます。特殊詐欺事件の場合、呼び出しより前にできる限りの捜査を行って証拠を固める流れになりやすいためです。

③証拠品の提出を求めるとき

特殊詐欺事件の場合、共犯者間でのやり取りや、各人の行動を裏付ける記録など、犯罪立証のため収集するべき証拠が非常に多くなりやすいです。そのため、証拠品を獲得する手段として、関係者を呼び出して証拠品の提出を求めることも行われます。

このような呼び出しは、ほかの証拠収集がある程度尽くされた後の段階であることが多く見られます。物的証拠の収集や関係者への事情聴取が行われた後、その内容に関する証拠を獲得する目的で行われることになりやすいでしょう。

特殊詐欺事件の呼び出しに応じたときの注意点

①共犯者の取調べを先行している可能性

特殊詐欺事件は、組織的・計画的に行われる事件であることから、複数の人物から事情を聴取することが通常です。そのため、自分が呼び出しを受けた段階で、既に他の関係者からも事情を聴いており、供述内容が合致するか確認する目的で呼び出されている可能性がある点には注意することが適切です。

特に、共犯者の取調べが先行して行われている場合には、自分の供述と共犯者の供述とが食い違っており、足の引っ張り合いになるケースも少なくありません。共犯者間で誰がより大きな役割を果たした立場であるのか、という点に関する責任のなすりつけ合いに巻き込まれる可能性は十分に想定しておくことが望ましいでしょう。

②供述調書作成時の留意事項

取調べを行う場合、自分の話した内容が供述調書という書面にされ、供述調書に署名押印を求められる、という流れが想定されます。供述調書の作成が、取調べの基本的なゴールと考えても間違いはないでしょう。

この点、供述調書への署名押印について正しい理解を持っておくことは非常に重要です。署名押印は、供述調書の内容が自分の発言と間違いないという意味のお墨付きとなります。そのため、供述調書の文面について、自分の発言が捻じ曲げられていたり、ニュアンスの異なる表現にされていたりしないか、十分に確認した上で署名押印をしましょう。

また、署名押印は拒否することも可能です。お墨付きを与えられない場合には、毅然と署名押印を拒否することも視野に入れるのが適切です。

③故意を否認する主張の仕方

特殊詐欺事件の場合、自分が詐欺事件に関与しているとは思っていなかった、と故意を否認する主張をするケースもあり得ます。この場合には、「故意」が認められる条件を正しく理解しておくことが非常に重要です。

故意は、犯罪行為をしていたことの認識・認容を言いますが、この認識・認容は、犯罪行為を確信している場合に限られません。自分が犯罪行為をしている可能性を分かっていながら、それでも構わないと思っている場合には、犯罪の故意ありと判断されてしまいます。

特殊詐欺事件では、特にアルバイトのような立場だと、詐欺であることをはっきり知らされてはおらず、詐欺だと確信していなかった場合は少なくありません。しかし、詐欺である可能性が容易に分かる状況で、それでも構わないと思っていたのであれば、故意はあるとの結論になるため注意しましょう。

警察が呼び出す主な目的

警察から呼び出しを受ける場合,その目的には主に以下のようなケースが考えられます。

①参考人である場合

参考人とは,特定の事件について捜査の参考とすべき情報を持っているであろう人を言います。具体例としては,事件の目撃者や,被疑者の同僚・友人といった近しい人物,会社で犯罪が起きた場合の従業員などが挙げられます。

参考人の呼び出しは,犯罪捜査のために必要な情報を参考人から教えてもらうために行われるものです。参考人は捜査や処罰の対象となることが想定されていないため,逮捕をされたり前科が付いたりすることは通常ありません。

②身元引受人である場合

身元引受人とは,文字通り被疑者の身元を引き受ける人を言います。身柄を拘束しない事件(=在宅事件)の場合,捜査機関は被疑者の任意の出頭を求めることになりますが,出頭をより確かに見込めるように,適任者を警察署に呼び出し,身元引受人となることを求める取り扱いが広く行われています。

身元引受人は,同居家族(配偶者や親など)であることが一般的です。同居家族に適任者がいない場合は,勤務先の上司や被疑者の依頼した弁護士が身元引受人になることもあります。
身元引受人に対する呼び出しは,通常,被疑者の初回の取り調べが終了した後に行われます。捜査機関から身元引受人に電話連絡がなされ,被疑者を連れて帰ることと身元引受人になることが依頼される,という流れが一般的です。

身元引受人は,被疑者の監督者というのみの立場であるため,呼び出しに応じても逮捕されたり前科が付いたりすることはありません。また,呼び出しに応じなかったとしても特に問題が生じることはありません。

③被疑者である場合

被疑者とは,犯罪の嫌疑をかけられている者をいいます。ニュースなどでは「容疑者」と呼ばれますが,法律的には「被疑者」が正しい呼び方となります。

被疑者を呼び出す目的は,犯人候補として取調べを行うことに尽きます。犯罪の疑いを認めるかどうか,認める場合には具体的に何をしたか,などを確認し,記録化するために,被疑者を警察署へ呼び出します。

被疑者として呼び出される場合,事件の内容や状況によっては逮捕される可能性も否定できません。また,犯罪事実が明らかになれば,刑事処罰を受けて前科が付く可能性もあり得ます。

参考人身元引受人被疑者
呼び出しの理由事件の情報獲得被疑者の出頭確保犯人候補の取り調べ
逮捕の可能性通常なしなしあり
前科の可能性通常なしなしあり

警察の呼び出しを拒むことは可能か

警察の呼び出しには強制力がありません。そのため,呼び出しを拒んだとしても法的にペナルティを科せられることはなく,その意味では呼び出しを拒むことはどのような場合でも可能,ということになるでしょう。
もっとも,立場によって呼び出しを拒むことにリスクや問題の生じる可能性はあり得ます。

①参考人の場合

参考人は,捜査への協力を依頼されている立場に過ぎないため,呼び出しに応じなかったとしてもリスクを抱えたり問題が生じたりすることは通常ありません。

ただし,「現在は参考人にとどまる取り扱いだが,犯罪への関与が疑われる可能性がある」という状況の場合には,呼び出しに応じないことのリスクが生じ得ます。呼び出しに対して積極的な協力や情報提供を尽くす場合に比べると,呼び出しを拒んで捜査協力を一切しない場合の方が,より強く犯罪の関与を疑われやすい傾向にあるためです。
そして,具体的な犯罪への関与を疑われた場合,今度は参考人でなく被疑者として,呼び出しを受けるなどの捜査が行われる可能性も否定はできません。

そのため,呼び出しを拒むことで犯罪への関与を疑われかねない場合には,拒むリスクが生じ得ると言えるでしょう。

②身元引受人の場合

身元引受人は,犯罪への関与が想定されていない立場の人物であるため,呼び出しを拒むことで犯罪の疑いをかけられるものではありません。

もっとも,同居している被疑者の身元引受人となるよう求められ,これを拒んだ場合,被疑者に不利益が生じる可能性は考えられます。身元引受人が拒んだから逮捕をする,ということはあまりありませんが,所在確認のために警察が自宅に訪れることは珍しくありません。そうすると,周囲の人々に警察と関わっている事実が分かってしまい,私生活に影響を及ぼす恐れがあり得ます。

被疑者が同居の家族であって今後も同居を予定している,という場合には,可能な限り身元引受人としての呼び出しに応じる方が無難なケースが多いでしょう。

③被疑者の場合

被疑者に対する呼び出しは,取り調べを行うための方法の一つとして行われるものです。この点,捜査機関が被疑者の取り調べを行う方法は,逮捕して強制的に行うか,呼び出しをして任意の出頭を求めるかの二択であることが通常です。

被疑者を取り調べる方法

1.逮捕をして強制的に行う
2.呼び出して任意の出頭を求める

この点,呼び出しても任意に出頭してくれないとなると,取り調べをするためには逮捕をするほかない,という判断になる可能性もあり得ます。二択のうち一方がダメであった以上,もう一方の方法が取られるのは自然なことであるためです。

そのため,被疑者として呼び出しを受けた場合,可能な限り応じることが適切になりやすいでしょう。もちろん,あまりに回数が多かったり,あまりに時間が長かったりという場合には,その点の配慮を求めることは全く問題ありませんが,呼び出しを徹頭徹尾拒む,というスタンスを取って被疑者自身が得をすることはあまりないと考えるのが適切です。

ポイント 呼び出しを拒む行動の注意点
参考人の場合,拒むことで事件への関与を疑われないように注意
身元引受人の場合,同居する被疑者への不利益に注意
被疑者の場合,拒んだことで逮捕を誘発する可能性に注意

呼び出された場合に弁護士へ依頼するメリット

被疑者として警察に呼び出された場合には,弁護士に依頼をすることが有益になりやすいです。具体的には,以下のようなメリットが生じます。

①逮捕を回避できる

呼び出しがなされた場合,そのまま逮捕されるというケースも否定できないところです。呼び出しに応じた流れで逮捕されると,その後に弁護士への相談や依頼をすることは困難となり,一定期間の身柄拘束を強いられてしまいます。

この点,呼び出された段階で弁護士に依頼し,弁護士を通じて適切な対応を取ることで,逮捕を回避できる場合があります。具体的に逮捕を回避するための手段は,ケースによっても異なりやすいため,弁護士と十分に相談するようにしましょう。

②不適切な取り調べを防げる

警察に呼び出された際の取り調べは,捜査担当者のやり方によっては違法・不適切なものになる場合もあり得ます。強く恫喝されたり,侮辱的な発言を受けたりと,取り調べがヒートアップするほど精神的苦痛を伴うケースが珍しくありません。

この点,弁護士に依頼をしている場合,捜査担当者による不適切な取り調べは多くの場合で防ぐことが可能です。これは,捜査担当者が,弁護士の目があることに配慮するためです。
不適切な取り調べを行えば,後から弁護士を通じて問題視される可能性があるため,不用意な取り調べは行えない,というわけです。

弁護士の目を光らせる意味でも,呼び出しに際して弁護士に依頼することは有力な手段でしょう。

③前科を防げる

被疑者として呼び出される場合,その後に起訴されて前科が付く可能性を想定する必要があります。被疑者として呼び出されるということは,自分に対して捜査が行われていることが明らかであるため,その先に控える処分に無関心でいるわけにはいきません。

この点,呼び出しという早期の段階で弁護士に依頼することで,適切な弁護活動を尽くしてもらい,前科を防げる可能性が高くなります。被害者のいる事件であれば被害者との示談を目指す,否認事件であれば自分が犯人でないことを主張するなど,個別のケースに応じた適切な弁護活動を通じて,前科を防ぐ試みができるのは大きなメリットになるでしょう。

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特殊詐欺事件の逮捕は防げる?いつ釈放される?呼び出しにはどう応じるべき?疑問を徹底解決

このページでは,特殊詐欺事件の逮捕に関して,刑事弁護士が徹底解説します。逮捕の可能性はどの程度あるか,逮捕を避ける方法はあるか,逮捕された場合に釈放を目指す方法はあるかなど,対応を検討する際の参考にしてみてください。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

特殊詐欺事件で逮捕される可能性

特殊詐欺事件は、逮捕の可能性が非常に高い事件類型です。刑事事件では、逮捕して捜査を行う(身柄事件とする)か、逮捕しないで捜査を行う(在宅事件とする)か、いずれかの方法を選択できますが、特殊詐欺事件であえて在宅事件を選択することはほとんどありません。基本的にすべての事件で逮捕されると考えてよいでしょう。

特殊詐欺事件で逮捕の可能性が高い理由としては、以下の点が挙げられます。

特殊詐欺事件で逮捕の可能性が高い理由

1.共犯者間での証拠隠滅を防ぐため
→共犯者間での口裏合わせや、隠し持っている証拠の隠滅を防ぐ目的。そのため、逮捕勾留後は、弁護士以外とは面会できない処分(接見禁止決定)がなされやすい。

2.重大な刑罰が見込まれるため
→重大な刑罰が見込まれる場合、処罰から逃れるために逃亡されるリスクが高いと評価される。

3.被害の拡大を食い止めるため
→共犯者に逮捕の事実を知らしめることで、事件の再発を食い止める威嚇的な効果を期待する面もある。

逮捕の方法や流れ

逮捕の種類・方法

法律で定められた逮捕の種類としては,「通常逮捕」「現行犯逮捕」「緊急逮捕」が挙げられます。それぞれに具体的なルールが定められているため,そのルールに反する逮捕は違法ということになります。逮捕という強制的な手続を行うためには,それだけ適切な手順で進めなければなりません。

①現行犯逮捕

現行犯逮捕とは,犯罪が行われている最中,又は犯罪が行われた直後に,犯罪を行った者を逮捕することを言います。現行犯逮捕は,逮捕状がなくてもでき,警察などの捜査機関に限らず一般人も行うことができる,という点に特徴があります。

典型例としては,目撃者が犯人の身柄を取り押さえる場合などが挙げられます。犯罪の目撃者であっても,他人の身柄を強制的に取り押さえることは犯罪行為になりかねませんが,現行犯逮捕であるため,適法な逮捕行為となるのです。

ただし,現行犯逮捕は犯行と逮捕のタイミング,犯行と逮捕の場所のそれぞれに隔たりのないことが必要です。犯罪を目撃した場合でも,長時間が経った後に移動した先の場所で逮捕するのでは,現行犯逮捕とはなりません。

なお,現行犯逮捕の要件を満たさない場合でも,犯罪から間がなく,以下の要件を満たす場合には「準現行犯逮捕」が可能です。

準現行犯逮捕が可能な場合

1.犯人として追いかけられている

2.犯罪で得た物や犯罪の凶器を持っている

3.身体や衣服に犯罪の痕跡がある

4.身元を確認されて逃走しようとした

ポイント
現行犯逮捕は,犯罪直後にその場で行われる逮捕
捜査機関でなくても可能。逮捕状がなくても可能

②通常逮捕(後日逮捕)

通常逮捕は,裁判官が発付する逮捕状に基づいて行われる逮捕です。逮捕には,原則として逮捕状が必要であり,通常逮捕は逮捕の最も原則的な方法ということができます。

裁判官が逮捕状を発付するため,そして逮捕状を用いて通常逮捕するためには,以下の条件を備えていることが必要です。

通常逮捕の要件

1.罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由
→犯罪の疑いが十分にあることを言います。「逮捕の理由」とも言われます。

2.逃亡の恐れ又は罪証隠滅の恐れ
→逮捕しなければ逃亡や証拠隠滅が懸念される場合を指します。「逮捕の必要性」ともいわれます。

通常逮捕の要件がある場合,検察官や警察官の請求に応じて裁判官が逮捕状を発付します。裁判官は,逮捕の理由がある場合,明らかに逮捕の必要がないのでない限りは逮捕状を発付しなければならないとされています。

ポイント
通常逮捕は,逮捕状に基づいて行う原則的な逮捕
逮捕の理由と逮捕の必要性が必要

③緊急逮捕

緊急逮捕は,犯罪の疑いが十分にあるものの,逮捕状を待っていられないほど急速を要する場合に,逮捕状がないまま行う逮捕手続を言います。

緊急逮捕は,逮捕状なく行うことのできる例外的な逮捕のため,可能な場合のルールがより厳格に定められています。具体的には以下の通りです。

緊急逮捕の要件

1.死刑・無期・長期3年以上の罪
2.犯罪を疑う充分な理由がある
3.急速を要するため逮捕状を請求できない
4.逮捕後直ちに逮捕状の請求を行う

緊急逮捕と現行犯逮捕は,いずれも無令状で行うことができますが,緊急逮捕は逮捕後に逮捕状を請求しなければなりません。また,現行犯逮捕は一般人にもできますが,緊急逮捕は警察や検察(捜査機関)にしか認められていません。

緊急逮捕と現行犯逮捕の違い

現行犯逮捕緊急逮捕
逮捕状不要逮捕後に請求が必要
一般人の逮捕可能不可能

逮捕後の流れ

逮捕されると,警察署での取り調べが行われた後,翌日又は翌々日に検察庁へ送致され,検察庁でも取り調べ(弁解録取)を受けます。この間,逮捕から最大72時間の身柄拘束が見込まれます。
その後,「勾留」となれば10日間,さらに「勾留延長」となれば追加で最大10日間の身柄拘束が引き続きます。この逮捕から勾留延長までの期間に,捜査を遂げて起訴不起訴を判断することになります。

逮捕から起訴までの流れ

ただし,逮捕後に勾留されるか,勾留後に勾留延長されるか,という点はいずれの可能性もあり得るところです。事件の内容や状況の変化によっては,逮捕後に勾留されず釈放されたり,勾留の後に勾留延長されず釈放されたりと,早期の釈放となる場合も考えられます。

逮捕をされてしまった事件では,少しでも速やかな釈放を目指すことが非常に重要になりやすいでしょう。

ポイント
逮捕後は最大72時間の拘束,その後10日間の勾留,最大10日間の勾留延長があり得る
勾留や勾留延長がなされなければ,その段階で釈放される

逮捕による不利益

逮捕をされてしまうと,以下のように多数の不利益が見込まれます。

①社会生活を継続できない

逮捕をされてしまうと,身柄が強制的に留置施設へ収容されてしまうため,日常の社会生活を続けることができません。スマートフォンの所持も許されないので,外部の人と連絡を取ることも不可能です。
そのため,周囲と連絡等ができないことによる様々な問題が生じやすくなります。

また,逮捕後勾留されるまでの間は,原則として弁護士以外の面会ができません。面会によって最低限の連絡を図ろうと思っても,勾留前の逮捕段階では面会すら叶わないことが一般的です。
さらに,勾留後についても,接見禁止決定がなされた場合には弁護士以外の面会ができません。

②仕事への影響

逮捕された場合,仕事は無断欠勤となることが避けられません。その後,身柄拘束が長期化すると,それだけの間欠勤をし続けなければならないことにもなります。こうして仕事ができないでいると,仕事への悪影響を回避することも難しくなります。

また,逮捕によって勤務先に勤め続けることが事実上難しくなる場合も考えられます。
逮捕は罰則ではなく捜査手法の一つに過ぎないため,逮捕だけを理由に懲戒解雇されることは考え難いですが,一方で仕事の関係者に自分の逮捕が知れ渡ると,事実上仕事が続けられなくなるケースも珍しくはありません。

③家族への影響

逮捕されると,通常,同居の家族には捜査機関から逮捕の事実が告げられます。場合によっては,家族が逮捕に伴う各方面への対応を強いられることも考えられます。また,家族にとっては,被疑者が逮捕された,という事実による精神的苦痛も計り知れず,一家の支柱が逮捕された場合には経済的な問題も生じ得ます。

このように,逮捕は本人のみならず家族にも多大な影響を及ぼす出来事となりやすいものです。

④報道の恐れ

刑事事件は,一部報道されるものがありますが,報道されるケースの大半が逮捕された事件の場合です。通常,逮捕された事件の情報が警察から報道機関に通知され,報道機関はその情報を用いて刑事事件の報道を行うことになります。
そのため,逮捕された場合は,そうでない事件と比較して報道の恐れが大きくなるということができます。

万一実名報道の対象となり,氏名や写真とともに逮捕の事実が公になると,その記録が後々にまで残り,生活に重大な支障を及ぼす可能性も否定できません。
一般的には,重大事件や著名人の事件,社会的関心の高い事件など,報道の価値が高い事件が特に報道の対象となりやすいため,逮捕=報道ということはありませんが,逮捕によって報道のリスクを高める結果が回避できるに越したことはありません。

⑤前科が付く可能性

逮捕と前科に直接の関係はありませんが,逮捕されるケースは重大事件と評価されるものであることが多いため,事件の重大性から前科が付きやすいということが言えます。
逮捕をするのは逃亡や証拠隠滅を防ぐためですが,逃亡や証拠隠滅はまさに前科を避ける目的で行われる性質のものです。そのため,逮捕の必要が大きいということは前科が付く可能性の高い事件である,という関係が成り立ちやすいでしょう。

特殊詐欺事件で逮捕を避ける方法

①自首

自首は、自ら捜査機関に対して犯罪事実を申告し、自分に対する刑事処分を求める行動です。自首を行った人物が、その後に証拠隠滅を図ることは考えにくいため、自首後に逮捕をする必要は小さいと評価されることが一般的と言えます。
そのため、逮捕を避ける試みとして、自首は非常に有効な手段と言えるでしょう。

特に、被害者がまだ被害に遭った事実に気づいていないなど、事件の捜査が開始される前である場合、自首による逮捕回避の効果は大きくなるところです。既に被害者の申告で捜査が行われている場合よりも、犯罪捜査に対する貢献が大きいため、捜査機関からの配慮が得られやすい傾向にあります。

②示談

特殊詐欺事件は、具体的な被害者のいる事件類型であり、被害者が捜査を希望することで捜査が開始される、という流れが通常です。そのため、被害者から積極的な行動がなされない場合、捜査開始のきっかけが生じず、捜査の手段である逮捕も行われない、ということが見込まれます。

この点、事前に被害者との間で示談が成立し、被害者が加害者を許す判断に至れば、被害者が捜査機関に対する積極的な行動に移らないため、捜査の開始(及び逮捕)を回避できる可能性が高まります。被害者と示談が成立した後に逮捕をされることは、基本的には考えにくいと言えるでしょう。

③否認事件の場合

特殊詐欺事件の場合、SNSで募集するいわゆる「闇バイト」に手を出してしまったと思われる場合など、後から犯罪に関与した可能性が分かるケースもあり得ます。この点、事件当時に詐欺事件への関与を全く知らなかった場合には、犯罪の故意がないため、否認事件(=自分に犯罪が成立することを認めない事件)と位置付けられることになります。

このような否認事件で逮捕の回避を目指すときには、犯罪に関与した可能性が分かった段階で、できるだけ速やかに自ら警察に名乗り出る手段も有力です。もちろん、「本当はわかっていて詐欺に加担したのではないか」と疑われる可能性は十分に覚悟の上で、粘り強く丁寧に説明をする必要はあるところです。
自ら名乗り出た結果、犯罪の加害者ではなく、むしろ巻き込まれた被害者という立場で取り扱ってもらうことができれば、より有益な結果が期待できるでしょう。

特殊詐欺事件の逮捕は弁護士に依頼すべきか

特殊詐欺事件の逮捕に関して適切な行動をとりたい場合には、弁護士に依頼し、弁護士の専門的な判断を仰ぐことを強くお勧めします。
弁護士への依頼によって、具体的には以下のようなメリットが期待できます。

①手続の見通しが分かる

刑事事件の手続は、事件の類型や内容、状況等によってある程度の流れが類型化できます。刑事事件に精通した弁護士に相談・依頼することで、本件ではどのような手続の流れが見込まれるか、という点について、一定の見通しを持つことができるでしょう。

手続の見通しが分かることは、状況に応じた適切な対応方針を判断するために非常に重要なポイントとなります。全体的な手続の見通しを前提に、現段階では何をすべきか、どのような結果を目指すべきか、ということが判断できるようになるため、逮捕回避を目指すに当たって非常に有益と言えるでしょう。

②逮捕を回避するための具体的な手段が分かる

逮捕の回避を目指す場合、具体的にどのような手段をとるのが適切か、という点は、個別の事件や捜査状況等によって様々に異なります。例えば、既に犯罪捜査が進んでいる段階では、自首による逮捕回避を目指そうとしても、自首が成立しない状態になってしまっている可能性があります。自首が成立しないのであれば、自首を前提に逮捕回避を目指す動きは不適切であり、方針や動き方を改める必要が生じ得るでしょう。

この点、弁護士に依頼することで、限られた情報からできる限り状況を把握し、個別の状況に応じた逮捕回避の具体的方法を案内してもらうことが可能です。また、その方法を実行するに当たっても、弁護士とともに行うことで、負担を軽減しながら適切なやり方で進めることができるでしょう。

③逮捕後の弁護活動が迅速に開始できる

特殊詐欺事件の場合、逮捕の回避が困難なケースも珍しくありません。事前に逮捕を回避できるケースの方が少数と言っても間違いではないでしょう。そのため、特殊詐欺事件の場合には、逮捕を想定した上で、逮捕後にどのような方針を取ることが最も有益か、という発想で検討するべき場合は非常に多くなるところです。

この点、弁護士に依頼することで、逮捕後の対応方針が事前にわかるほか、実際に逮捕された場合でもその後の弁護活動を迅速に開始してもらうことが可能です。逮捕されるケースでは、弁護活動がスピード勝負になることも少なくないため、迅速に弁護活動が開始できることのメリットはとても大きくなるでしょう。

特殊詐欺事件の逮捕に関する注意点

①逮捕回避が困難な場合

刑事事件の場合、事前に逮捕回避ができれば、最も大きな不利益の一つが避けられると言っても過言ではありません。そのため、逮捕回避の手段を講じることは、逮捕前の行動として非常に重要なポイントと言えます。

もっとも、特殊詐欺事件では、その重大性や悪質性から、逮捕回避の手段を尽くしてもなお逮捕が避けられない、という場合が珍しくありません。特殊詐欺事件で逮捕の回避を試みることは、チャレンジの意味合いが強いため、結果が伴わない可能性も十分に考慮して進めることが適切です。

②逮捕前に示談することの可否

特殊詐欺事件の場合、逮捕前に示談ができ、被害者との間で解決することができれば、その後に逮捕されることは考えにくくなります。そのため、逮捕前に示談ができるかどうかは大きな関心事と言えるでしょう。

しかしながら、特殊詐欺事件では、逮捕前に被害者に接触し、示談を目指すことは困難であるケースが多いです。通常、被害者側との交友関係がないため、被害者の情報として把握できるのは自宅住所程度にとどまるでしょう。また、自宅住所が分かっていたとしても、直接示談交渉を試みて円滑に応じてもらえる可能性は低いと言わざるを得ず、示談の試みが現実的でない場合はとても多いところです。

特殊詐欺事件では、当事者間の示談で早期に事件解決する手段が取りづらい、という点には十分な注意が望ましいでしょう。

③逮捕後の拘束期間

特殊詐欺事件の場合、逮捕後には勾留されることが見込まれます。逮捕されたものの勾留されず釈放されるケースは、非常に例外的な場合に限られるでしょう。
そして、特殊詐欺事件で勾留された場合、基本的には20日間の勾留を覚悟する必要があります。そのため、逮捕から勾留にかけて、法律で認められた最長期間の身柄拘束になりやすいところです。
しかも、余罪の捜査がある場合には、この最長期間の逮捕勾留が事件の数だけ繰り返されることも珍しくありません。

以上のとおり、特殊詐欺事件では逮捕後の拘束期間が長くなりやすく、早期釈放を期待することが困難である場合が非常に多いところです。見通しを誤らないよう十分に注意することをお勧めします。

④接見禁止

特殊詐欺事件で逮捕された場合、その後の勾留に際して「接見禁止」という処分が行われやすい傾向にあります。接見禁止とは、弁護士以外の人との面会や文書の授受などを禁じる処分のことを言います。

特殊詐欺事件では、共犯者の存在が想定されること、余罪の存在が見込まれることなどから、詐欺組織関係者との接触を防ぐ目的で接見禁止とされることが一般的です。しかも、接見禁止の対象は弁護士以外の全員に及ぶため、家族や友人の面会も禁止されてしまいます。

特殊詐欺事件の対応に当たっては、接見禁止の可能性を十分に想定しておくことをお勧めします。

警察から呼び出しを受けた場合の重要ポイント

特殊詐欺事件で呼び出された場合の対応法

①基本姿勢

特殊詐欺事件で呼び出しを受けた場合には、まず「本罪」と「余罪」を区別して検討することが適切です。本罪とは、実際に呼出しを受けた対象事件のことをいい、余罪とは、本罪以外の事件のことを言います。

本罪と余罪の区別が重要であるのは、本罪と余罪とで対応方針を変えるべき場合が少なくないためです。例えば、捜査機関には本罪だけ証拠がそろっているが余罪は発覚していない、という場合、本罪と余罪の両方を全部認めて話すことも、本罪と余罪の両方を否認して認めない態度を取ることも、ともに不適切になりやすいでしょう。本罪だけ証拠がそろっている状況であれば、本罪は認める姿勢が適切ですが、発覚していない余罪の情報提供をするメリットはあまりありません。
 
特殊詐欺事件の捜査は、取調べでどのような発言がなされるか、という点が大きな影響を及ぼしやすい傾向にあります。そのため、対応方針を誤らないための整理として、本罪と余罪の区別を明確にすることをお勧めします。

ポイント
本罪と余罪の区別を明確にする
本罪と余罪とで対応方針を変えるべき場合が少なくない

②認め事件

認め事件の場合、基本的には事実をありのまま告げることが適切です。特に、共犯者に関する情報を分かる限りで提供し、事件の全容解明に向けた協力姿勢を取ることができれば、刑事処分の軽減に向けた有益な事情となり得るでしょう。

また、自分の役割が比較的小さなものであれば、自分の具体的な役割の内容を正しく把握してもらうことも目指すべきです。例えば、詐欺事件そのものの計画に関与しているかどうか、詐欺事件の具体的な内容をどのように理解していたか、という点は、共犯者間の役割や立場に大きく影響しやすいため、整理して伝えられることが適切です。

ポイント
事件の全容解明に向けた協力姿勢を取る
自分の役割が小さいことを正しく把握してもらう

③否認事件

否認事件の場合、まずは具体的な争点を明らかにすることが適切です。なぜ否認をするのか、犯罪が立証できるかどうかのポイントはどこか、という点を、捜査機関に理解してもらうことが、否認事件で適切な結果を目指す第一歩になります。

特殊詐欺事件の場合、否認事件では以下のような争点が見られます。

否認の特殊詐欺事件における争点の例

1.故意
→アルバイト名目などで、詐欺事件と知らずに関与させられた、という主張。

2.犯人性
→自分が犯人であるかどうか、という問題。人違いであると主張するケース。

3.責任の有無
→脅迫され、強制的に関与させられていたという主張。

ポイント
争点を明らかにすることが対応の第一歩

特殊詐欺事件の呼び出しに応じると逮捕されるか

特殊詐欺事件の場合、呼び出しに応じて出頭した際に逮捕される、というケースも一定数見られます。これは、元々逮捕する目的であった場合に、警察から逮捕に向かうのではなく、被疑者の方から警察に来てもらって逮捕する、という動きを選択した場合です。
通常、逮捕する場合には、証拠隠滅のきっかけを与えないよう、警察が被疑者の自宅などに突然訪れ、そのまま逮捕する運用が多く見られます。ただ、特殊詐欺事件では、共犯者との捜査の前後といった捜査上の状況や、遠方である場合などを踏まえ、被疑者に自ら出頭してもらった上で逮捕に踏み切るケースも少数ながら見られるところです。

一方、逮捕するかどうか判断未了の状態で呼び出しを行い、呼び出しへの応答を踏まえて逮捕する、というケースはあまり見られません。裏を返せば、呼び出しへの応対を誤ったから逮捕される、ということにはなりにくいため、呼び出しへの対応を過度に不安視することはお勧めしません。

ポイント
元々逮捕目的である場合、呼び出した上で逮捕を執行するケースはある
呼び出しへの対応が原因で逮捕されるケースは生じにくい

特殊詐欺事件で警察が呼び出すタイミングや方法

①事情を知っている可能性があると考えたとき

特殊詐欺事件は、組織的な事件であることから、いきなり全容を掴むことは困難になりやすいです。そのため、用いられた口座の名義人やスマートフォンの契約者など、事件に関わった可能性のある人物から事情を聴くことで、捜査の進展を目指す動きは少なくありません。
警察が呼び出す場合も、事件について事情を知っている可能性がある人物の存在が浮上した際、その人物を呼び出して話を聞く、という流れは一定数見られるところです。

このような呼び出しは、捜査の比較的初期段階であることが多く見られます。捜査の糸口を掴むために広く情報を収集している段階であるケースが多いでしょう。捜査担当者から電話連絡を行う方法で呼び出しを試みることが一般的です。

②事件への具体的な関与が特定されたとき

具体的な事件への関与が特定され、果たした役割が分かった段階で、事実関係を取り調べるために呼び出されるケースもあり得ます。この段階では、客観的な証拠がある程度捜査機関の手元にあり、少なくとも個別の被害がどのようにして起きたか、ということは明らかであることが多いでしょう。

このような呼び出しは、呼び出される側にとっては初回の呼び出しであることが見込まれますが、捜査としてはある程度進行した段階であることが考えられます。特殊詐欺事件の場合、呼び出しより前にできる限りの捜査を行って証拠を固める流れになりやすいためです。

③証拠品の提出を求めるとき

特殊詐欺事件の場合、共犯者間でのやり取りや、各人の行動を裏付ける記録など、犯罪立証のため収集するべき証拠が非常に多くなりやすいです。そのため、証拠品を獲得する手段として、関係者を呼び出して証拠品の提出を求めることも行われます。

このような呼び出しは、ほかの証拠収集がある程度尽くされた後の段階であることが多く見られます。物的証拠の収集や関係者への事情聴取が行われた後、その内容に関する証拠を獲得する目的で行われることになりやすいでしょう。

特殊詐欺事件の呼び出しに応じたときの注意点

①共犯者の取調べを先行している可能性

特殊詐欺事件は、組織的・計画的に行われる事件であることから、複数の人物から事情を聴取することが通常です。そのため、自分が呼び出しを受けた段階で、既に他の関係者からも事情を聴いており、供述内容が合致するか確認する目的で呼び出されている可能性がある点には注意することが適切です。

特に、共犯者の取調べが先行して行われている場合には、自分の供述と共犯者の供述とが食い違っており、足の引っ張り合いになるケースも少なくありません。共犯者間で誰がより大きな役割を果たした立場であるのか、という点に関する責任のなすりつけ合いに巻き込まれる可能性は十分に想定しておくことが望ましいでしょう。

②供述調書作成時の留意事項

取調べを行う場合、自分の話した内容が供述調書という書面にされ、供述調書に署名押印を求められる、という流れが想定されます。供述調書の作成が、取調べの基本的なゴールと考えても間違いはないでしょう。

この点、供述調書への署名押印について正しい理解を持っておくことは非常に重要です。署名押印は、供述調書の内容が自分の発言と間違いないという意味のお墨付きとなります。そのため、供述調書の文面について、自分の発言が捻じ曲げられていたり、ニュアンスの異なる表現にされていたりしないか、十分に確認した上で署名押印をしましょう。

また、署名押印は拒否することも可能です。お墨付きを与えられない場合には、毅然と署名押印を拒否することも視野に入れるのが適切です。

③故意を否認する主張の仕方

特殊詐欺事件の場合、自分が詐欺事件に関与しているとは思っていなかった、と故意を否認する主張をするケースもあり得ます。この場合には、「故意」が認められる条件を正しく理解しておくことが非常に重要です。

故意は、犯罪行為をしていたことの認識・認容を言いますが、この認識・認容は、犯罪行為を確信している場合に限られません。自分が犯罪行為をしている可能性を分かっていながら、それでも構わないと思っている場合には、犯罪の故意ありと判断されてしまいます。

特殊詐欺事件では、特にアルバイトのような立場だと、詐欺であることをはっきり知らされてはおらず、詐欺だと確信していなかった場合は少なくありません。しかし、詐欺である可能性が容易に分かる状況で、それでも構わないと思っていたのであれば、故意はあるとの結論になるため注意しましょう。

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