飲酒運転に加えて事故現場から離れてしまった場合、いわゆる「ひき逃げ」として扱われ、逮捕や実刑判決に至る可能性が高い重大事件となります。もっとも、事故後の対応や早期の出頭、被害回復への取り組みなどによって、刑事手続の進み方や最終的な処分が変わる余地もあります。ここでは、飲酒運転によるひき逃げ事故において、在宅捜査のまま手続が進み、最終的に実刑を回避できた事例を紹介します。

この記事の監修者

藤垣圭介

藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介

全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。

事案の概要

ご相談者は、深夜に居酒屋で飲酒した後、飲酒運転の状態で自動車を運転していました。
その途中、交差点において他車と出会い頭の交通事故を起こしました。

しかし、飲酒運転の発覚を恐れ、

  • 被害者の救護
  • 警察への事故報告

を行わず、そのまま現場を離れてしまいました(いわゆるひき逃げ)。

相談時点では警察からの連絡はありませんでしたが、
被害者が通報している可能性や、既に捜査が開始されているかは不明な状況でした。


想定された法的リスク

本件は単なる交通事故ではなく、

  • 酒気帯び(または酒酔い)運転
  • 救護義務違反(ひき逃げ)

が重なる重大事件であり、一般的には

  • 逮捕・勾留
  • 起訴
  • 実刑判決

まで至る可能性が高い事案でした。

特に「逃走」があるため、身柄拘束の危険性が強く懸念されました。


弁護士の対応

1 逮捕回避のための出頭方針

捜査機関からの呼び出しを待つのではなく、
弁護士主導で警察署への出頭を実施しました。

逃亡のおそれを払拭し、事件と向き合う姿勢を明確にすることで、
逮捕の必要性を低減させる方針をとりました。

その結果、

  • 真摯な反省
  • 自発的出頭

が評価され、逮捕されず在宅事件として処理されることになりました。


2 実刑回避のための弁護活動

本件では、仮に起訴された場合、実刑判決の可能性が高い類型でした。
そこで、刑事処分の軽減に向けて次の対応を進めました。

  • 取調べ対応の指導
  • 被害者への謝罪
  • 示談交渉を含む被害回復の尽力
  • 再発防止環境の整備

事件後の行動を丁寧に積み重ね、
「危険性の低い事案」へ評価を変えていく弁護を行いました。


結果

最終的に裁判では

  • 身柄拘束なし
  • 執行猶予判決

となり、
ご相談者は刑務所への収容(実刑)を回避することができました。


この事例のポイント

  • ひき逃げ+飲酒運転でも、早期対応により逮捕回避が可能な場合がある
  • 捜査前の自主出頭のタイミングが結果を大きく左右する
  • 実刑の可能性が高い事案でも、被害回復と適切な対応で執行猶予の余地が生まれる

重大交通事件では、事故後の行動が処分を大きく変えます。
特に逃走事案では、早期の専門的対応が結果に直結します。

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