「浮気相手に慰謝料って本当に請求できるの?」
「自分のケースでも慰謝料が取れるのか不安…」
そんな疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、浮気相手に対して慰謝料を請求することは法律上可能であり、実際に多くの方が請求を行っています。
ただし、請求の可否や金額は証拠の有無や婚姻関係の実態などによって大きく左右されるため、事前に正しい知識を持つことが重要です。
本記事では、浮気相手に慰謝料を請求できる条件や金額の相場、証拠の集め方から請求の手続き方法までわかりやすく解説します。
藤垣法律事務所では、離婚・男女問題に精通した弁護士が在籍しており、迅速対応により最適な解決方法をご提案いたします。下記からぜひご相談ください。
配偶者の浮気相手に慰謝料請求できる条件とは

配偶者の浮気相手に慰謝料を請求するためには、単なる浮気の事実だけでは不十分です。
法律上、慰謝料請求が認められるためにはいくつかの要件があり、それらを満たすことが重要です。ここでは、具体的にどのような条件が求められるのかについて詳しく解説します。
配偶者との間に法律上の婚姻関係があること
慰謝料請求の前提条件として、まず配偶者と請求者との間に法律上の婚姻関係が存在していることが必要です。
つまり、事実婚や同棲などの関係では基本的に慰謝料請求は認められません。また、別居していたとしても法律上の婚姻関係が継続していれば慰謝料請求は可能です。
ただし、すでに離婚が成立している場合や、婚姻関係が破綻していたと認められる場合は、慰謝料請求が難しくなることもあります。
浮気相手が既婚者であると知りながら関係を持っていたこと
浮気相手に慰謝料を請求するには、その相手が配偶者が既婚者であると知っていた、または知ることができた状況で関係を持っていたことが必要です。
たとえば、相手が独身だと誤信していた場合や、配偶者が独身のように振る舞っていた場合などは、慰謝料請求が認められにくくなります。
逆に、配偶者が結婚指輪をしていた、家族の話をしていたなど、既婚であることが明らかだった場合は、相手の責任が問われやすくなります。
浮気相手が既婚者であると知らなかったと主張する場合は、まずこちらは相手が知っていたと理解している、というスタンスをしっかりと打ち出すことが重要でしょう。その上で、相手が既婚者であると知っていたことを裏付ける根拠を可能な限り獲得したいところです。代表例としては、配偶者と浮気相手との連絡内容が挙げられます。
不貞行為(肉体関係)があったことを証明できること
法律上、不貞行為とは配偶者が第三者と自由意思で肉体関係を持つことを指します。
慰謝料請求のためには、単なる食事や連絡のやりとりだけではなく、実際に肉体関係があったことを証明する必要があります。
その証明には証拠が不可欠であり、後述するような具体的な証拠を集めることが重要です。証拠が不十分な場合、請求が認められないリスクもあります。
不貞行為の証拠がない場合、相手が不貞行為の存在を否定した場合に慰謝料請求が困難になりやすいです。ただし、これは主に裁判などで立証が必要になった場合の問題であるため、交渉で相手が認めるのであれば不利益が生じないこともあり得ます。
浮気相手に請求できる慰謝料の相場はいくら?

慰謝料の金額は一律ではなく、さまざまな要因を考慮して算出されます。ここでは、一般的な相場や増減要因について詳しく解説します。
一般的な慰謝料の相場
浮気相手に請求できる慰謝料の相場は、おおよそ50万円から300万円の範囲内であることが多いです。
特に夫婦関係が浮気によって破綻した場合や離婚に至った場合には、金額が高くなる傾向があります。
逆に、浮気が発覚しても夫婦関係が継続している場合には、比較的低額になることもあります。
慰謝料の額は、精神的苦痛の程度、婚姻期間、子どもの有無、浮気の期間などによっても左右されるため、注意が必要です。
以下の記事では、不倫に関する慰謝料相場について詳しく解説しているので、合わせてご確認ください。
関連記事:不倫の示談金相場はケースによって異なる!金額に影響する内容や意識すべきことなどを徹底解説
配偶者と離婚をしない場合にはケースによって50~150万円程度、離婚原因になった場合には150~300万円程度の慰謝料となることが多く見られます。なお、浮気相手と配偶者が共同して慰謝料を支払う義務を負うため、配偶者の負担部分が生じ得る点には注意したいところです。
慰謝料が増額・減額される主な要因
慰謝料の金額は個別の事情に応じて増減します。増額される要因としては、浮気の期間が長かった、複数回にわたって関係を持っていた、浮気が原因で離婚に至ったなどがあります。
また、請求者がうつ状態になるなど深刻な精神的被害を受けた場合も増額されやすいです。
一方で、減額される要因としては、婚姻関係が既に破綻していた場合や、浮気相手が既婚者であることを知らなかった、または知るのが困難だった場合などが挙げられます。
浮気相手への慰謝料請求に必要な証拠

慰謝料を請求するうえで重要となるのが証拠です。どんなに不貞行為があったと主張しても、証拠がなければ慰謝料請求は認められません。
主に必要な証拠は以下の通りです。
- ラブホテルの出入りを確認できる写真や動画
- 浮気相手とのLINEやメールのやりとり
- 浮気相手との外泊を示すレシートやクレジットカードの利用明細
- 肉体関係の存在を示す日記や自白音声・録音
- 探偵や興信所による調査報告書
詳しく解説します。
ラブホテルの出入りを確認できる写真や動画
ラブホテルへの出入りを捉えた写真や動画は、浮気の決定的証拠として有力です。
時間帯やホテル名が明確に分かるものが理想で、複数回にわたる出入りが記録されていれば、より強い証拠とされます。
これらの証拠は、探偵事務所や興信所に依頼して入手することも可能です。
浮気相手とのLINEやメールのやりとり
LINEやメールなどのメッセージの中で、肉体関係を示唆する内容や愛情表現がされている場合、それも証拠として有効です。
特に「また会いたい」「昨夜はよかったね」など、具体的な行為を連想させるような文面があると、証拠能力が高まります。
ただし、メッセージのやりとりだけでは証拠として弱いとされることもあるため、他の証拠と組み合わせて使うのが望ましいです。
浮気相手との外泊を示すレシートやクレジットカードの利用明細
ホテルの宿泊明細やクレジットカードの履歴など、浮気相手との外泊を示す間接的な証拠も重要です。
特に2人での宿泊が確認できる場合や、複数回利用されている場合は、浮気の継続性を示す材料として役立ちます。
こうした証拠は、直接的な写真や動画がない場合でも有効性を発揮します。
肉体関係の存在を示す日記や自白音声・録音
浮気をした本人や相手が肉体関係を認める発言をした音声や録音、または日記に記されていた場合、それらも有力な証拠です。
たとえば、配偶者が「〇月〇日に○○ホテルに行った」と書き残していた日記や、浮気相手との関係を謝罪している録音データなどが該当します。
特に肉体関係を裏付ける具体的な記述や発言が含まれていれば、裁判でも有力な証拠となる可能性があります。
ただし、録音を行う際は盗聴など法律に抵触しないよう注意が必要です。本人同士の会話であれば、違法とならない範囲で証拠として活用できることが多いです。
探偵や興信所による調査報告書
探偵や興信所によって作成された調査報告書は、証拠としての信頼性が高いとされています。
報告書には写真、日時、行動記録などが詳細に記載されており、裁判でも重要な資料として扱われます。
具体的には、「〇月〇日〇時、〇〇ホテルに配偶者と女性が一緒に出入りした様子を確認」「二人が腕を組んで繁華街を歩いていた」など、日時や場所、状況が具体的に記録されています。
これにより、肉体関係があったことを間接的に示す強い根拠になるでしょう。自分で証拠を集めるのが難しい場合でも、プロに依頼することで客観的で法的にも通用する証拠を確保することが可能です。
費用はかかりますが、確実な証拠を得たい場合には有効な手段です。
浮気相手への慰謝料請求の流れ

浮気相手に慰謝料を請求するには、順序立てた適切な手続きを踏むことが大切です。主な流れは以下の通りです。
- 浮気の事実を確認し、必要な証拠を集める
- 相手に内容証明郵便などで慰謝料を請求する意思を伝える
- 示談が成立すれば、合意書を交わして支払いを受ける
- 話し合いで解決できない場合は調停や訴訟を検討する
- 慰謝料の支払いが完了したら書面で確認し、記録を保管する
浮気相手に慰謝料を請求する際は、感情的に動くのではなく、冷静かつ段階的に対応することが重要です。
まずは浮気の事実と証拠をしっかり押さえ、内容証明郵便で相手に意思を伝えます。その後、示談が成立すれば合意書を作成し、支払いを受けます。
もし話し合いで解決しない場合は、調停や訴訟など法的手段に移行することも検討しましょう。
慰謝料の受け取り後は、必ず書面で確認し、記録を保管しておくことがトラブル回避の鍵です。
配偶者の浮気による怒りや裏切られた気持ちとどう向き合うか
配偶者の浮気は、精神的に大きなショックを与える出来事です。
その怒りや裏切られた気持ちとどのように向き合い、回復していくかは、今後の人生を考えるうえで重要なテーマです。
ここからは、配偶者の浮気による怒りや裏切られた気持ちとどう向き合うかについて詳しく解説します。
少し時間をおいて冷静になる
浮気を知った直後は、どうしても感情的になりやすいものです。しかし、感情に任せて行動すると後悔につながることもあります。
一度時間をおいて、自分の気持ちを整理することで、今後の方向性を冷静に判断しやすくなります。
可能であれば信頼できる第三者に話を聞いてもらい、心を落ち着かせるのも効果的です。
一人で抱え込まないことが心の回復につながる
浮気による苦しみを一人で抱え込むと、心のダメージが深刻化しやすくなります。
家族や友人、カウンセラーなど、信頼できる人に話をすることで、自分の気持ちを言語化し、回復の一歩を踏み出すことができます。
また、同じような経験をした人の話を聞くことでも、安心感や希望を持つことができるかもしれません。
まとめ|浮気相手への慰謝料請求で大切なのは「証拠」と「冷静さ」
浮気相手に慰謝料を請求するためには、法律上の条件を満たすことと、感情的にならず冷静に証拠を集めることが必要です。
金額の相場や請求方法を理解し、必要に応じて専門家に相談することで、納得のいく解決を目指しましょう。
藤垣法律事務所では、離婚・男女問題に精通した弁護士が在籍しており、迅速対応により最適な解決方法をご提案いたします。下記からぜひご相談ください。