児童ポルノで逮捕されたらどうなる?刑罰の内容や対応可能な弁護活動を弁護士が徹底解説

インターネットやSNSの普及により、それらを駆使した犯罪が増加しており、その代表例が児童ポルノです。

中には「もしかしたら自分の行動が児童ポルノに該当してしまったのではないか?」と不安に感じている方もいるでしょう。

そこで本記事では、児童ポルノがどういう犯罪で、逮捕されるケースや弁護士ができることなどを解説します。

もしどうしても心配なら、すぐ弁護士に相談するのがおすすめです。

藤垣法律事務所は、500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が在籍しており、児童ポルノに関する解決実績も含まれています。

初回相談は無料ですので、不安な方はぜひ一度下記からご相談ください。

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目次

児童ポルノとはどういう犯罪?逮捕されるのか

児童ポルノは、18歳未満の子どもが性的な内容で描写されている写真、映像、その他の記録物などです。

これらの記録物を制作、所持、配布する行為は日本国内で厳しく規制されており、児童の心身に対する深刻な被害を防ぐための措置として法的な取り締まりが強化されています。

ここからは、下記2つについて深掘りしていきます。

  • 児童ポルノ禁止法とは
  • 児童ポルノが発覚するケースとは

児童ポルノ禁止法とは

児童ポルノ禁止法は、18歳未満の児童を性的に搾取・虐待から保護するために制定された法律です。

児童を対象としたわいせつな写真や映像の制作、販売、提供、所持などが禁止されています。ここでいうわいせつは、下記のような行為です。

わいせつに該当する行為

  • 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
  • 二他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
  • 三衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

引用:e-Gov法令検索「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」

児童ポルノは重い罰則が設けられており、所持しただけでも1年以下の懲役又は100万円以下の罰金になります。

提供の場合は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、不特定または多数の者に提供してしまうと5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処されます。

児童ポルノが発覚するケースとは

児童ポルノが発覚するケースには、いくつかの要因が考えられます

まず考えられるのが、業者が摘発されることです。児童ポルノを販売していた業者が摘発されてしまうと、業者の保有する顧客リストから購入者が特定されます。

特定されたら、自宅に捜索が入り、発覚する可能性があるのです。

また、児童の補導の発覚する要因であり、警察に補導された際にスマートフォンを回収され、写真や動画を送ってた履歴でばれてしまいます。

さらに、捜査の過程で別の犯罪が捜査対象となっている際に偶然発覚するケースもあります。

たとえば、薬物犯罪や暴力事件の捜査中に、関係者が児童ポルノを所持していることが発覚することもあり、その場合も児童ポルノ法違反として追加の捜査や逮捕が行われるでしょう。

児童ポルノで逮捕されるケース

児童ポルノは、逮捕の可能性が高い事件です。犯罪を犯したと疑われるようなことをした場合や証拠隠滅や逃亡の可能性があるなどの場合、逮捕されやすくなります。

特に児童ポルノの削除は簡単にできるため、逮捕されるケースの多くは証拠隠滅の可能性だと考えられます。

実際に、令和5年版の犯罪白書では、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で起訴された件数は年々増加傾向で、10年間で1,000件近く増えています。

西暦起訴件数
2012年2205
2013年2331
2014年2386
2015年2562
2016年2713
2017年3074
2018年3576
2019年3397
2020年3064
2021年3093
2022年3149

参考:令和5年版 犯罪白書 第1編/第2章/第2節

SNSが普及して便利な時代になったからこそ、より厳しく取締りが行われているのが伺えます。

ただし、100%逮捕されるかと言われるとそういうわけではなありません。

方法・内容が悪質である場合,児童の年齢が特に低い場合,事件数が際立って多い場合などは,逮捕される確率が高くなりやすい傾向にあります。

児童ポルノの事件は,逮捕される場合,されない場合いずれもあり得る事件類型です。その意味では,確率は半々と言えるでしょう。特に,性的な画像や映像を撮影したり送ってもらったりする製造の事件では,逮捕が懸念されやすいです。

児童ポルノで逮捕されたらどうなるのか

児童ポルノで逮捕された場合、主に以下のような流れになります。

  • 児童ポルノの家宅捜索
  • 児童ポルノにより逮捕・勾留
  • 検察官による処分の決定
  • 起訴された場合は裁判を受ける

詳しく解説します。

児童ポルノの家宅捜索

児童ポルノに関する疑いで逮捕されると、まず自宅や職場などに対する家宅捜索が行われます。

捜査機関は、逮捕された本人が違法な画像や動画を保管していないかを確認するため、コンピュータやスマートフォン、記録媒体(USBメモリや外付けハードディスクなど)を徹底的に調査します。

これには、削除されたデータの復元も含まれるため、表向きには見えないデータがあっても、解析によって発見されることが多いです。

さらに、家宅捜索の対象には、インターネットの履歴や通信記録も含まれ、他者とのやり取りやファイルの共有履歴も調べられます。

違法なコンテンツの取引や拡散に関与していたかどうかが確認され、法的責任を追及される場合があるでしょう。

児童ポルノにより逮捕・勾留

児童ポルノに関して逮捕されると、警察による取り調べとともに、最長で23日間の勾留が行われます。

特に逮捕・勾留の可能性が高いのは、児童ポルノの製造に該当する人です。

この勾留期間中、容疑者は警察や検察の取り調べを受け、関与の度合いや行為の詳細について尋問が行われます。

取り調べでは、違法なコンテンツの入手経路やその意図、他者への提供があったかどうかなどが重点的に確認されるため、対応には慎重さが求められるでしょう。

検察官による処分の決定

児童ポルノ関連で逮捕されると、最終的な処分は検察官によって決定されます。

逮捕後、警察の取り調べを経て、事件は検察へ送致され、ここで検察官が証拠や事情を検討し、起訴するかどうかを判断します。

収集された証拠が違法行為を裏付けるに十分か、本人の故意や悪質性がどの程度かが重要な検討材料です。

加えて、本人の反省の度合いや、再発防止に向けた具体的な取り組みが示されているかも処分決定に影響を与えるでしょう。

起訴された場合は裁判を受ける

児童ポルノ関連で起訴されると、被告人は正式な裁判手続きを受けなければなりません。

裁判では、まず検察側が提出した証拠や、被告人の行動の違法性について主張が行われ、続いて弁護側がそれに対する反論や情状酌量の余地を訴える場が設けられます。

裁判においては、違法行為の具体的な内容、社会的な影響、被告人の動機や反省の有無が審議の中心となり、これに基づいて量刑が決まります。

特に、児童ポルノ関連は社会的に厳しい目が向けられる犯罪であり、判決ではその重大性が重視されやすいでしょう。

児童ポルノ事件の呼び出しに応じると逮捕されるか

児童ポルノ事件の場合,逮捕目的で呼び出しが行われるケースはあまりないということができるでしょう。

児童ポルノ事件の代表的な特徴として,証拠隠滅が容易である,という点が挙げられます。特に,児童ポルノをデータなどで製造・所持している場合は,データを処分する作業に物理的な負担はほとんどなく,短時間で済ませることが可能です。
そのため,逮捕してまで証拠隠滅を防ぎたい場合であれば,呼び出しを行うことで「あなたのことを捜査しています」とアナウンスするのは合理的でありません。アナウンスをした段階で,即時に証拠隠滅をされてしまっては,逮捕の意味が大きく失われてしまうためです。児童ポルノ事件での逮捕は,予告をせず証拠隠滅のきっかけを与えない方法で行うことが有効であり,通例と言うことができるでしょう。

児童ポルノ事件で呼び出された場合の対応法

心当たりのある事件

疑いの内容に心当たりのある児童ポルノ事件の場合,まずは真摯に認めて争わないという姿勢をはっきりと示し,違法行為に対する反省の意思を強く表明することが有益でしょう。

呼び出しを受けた場合の考え方としては,何より「逮捕を防ぐ」という発想を持つことが重要です。呼び出しを行う捜査方法は,逮捕の必要性が比較的小さい場合に採用される傾向にあるため,逮捕を防ぐために適切な対処ができていれば,実際に逮捕されずに捜査を進めてもらうことも決して困難ではないことが多いでしょう。
この点,疑いを認め,深い反省の意思を示す被疑者は,逮捕の必要性が低いと評価される可能性が高いものです。なぜなら,逮捕は逃亡や証拠隠滅を防ぐために行われるところ,真摯に認めて反省をしている被疑者であれば,逃亡や証拠隠滅の恐れが小さいと考えられるからです。

心当たりのある場合には,真摯な態度に努めることで,逮捕を防ぐ対応が非常に重要となります。

心当たりのない事件

児童ポルノ事件への関与を疑われているものの,内容に心当たりがない場合には,当然ながら心当たりがない旨を回答し続けることが適切です。
そして,同じく重要な点としては,捜査機関からの連絡を無視しない,ということが挙げられます。

呼び出しを受けている状況では,心当たりのない事件でも逮捕の予防が重要です。むしろ,心当たりのない事件であるからこそ,逮捕されることは非常に大きな不利益であり,何としても避けるべき事態と言えます。
この点,捜査機関の連絡や呼び出しを無視していると,逃亡の可能性が高いと判断され,逮捕リスクが高まる傾向にあります。呼び出しても応じてくれない,という場合,呼び出しを諦めて強制的に身柄拘束する,という判断がなされやすくなってしまうわけです。

不要な逮捕の危険を招かないためにも,連絡に対して無視せず対応するという点は重要視することをお勧めします。

2回目以降の呼び出し

初回の呼び出しを受けた後,2回目以降の呼び出しを受けるケースでは,呼び出しに対して拒まず応じ続けていれば逮捕されないことが通常です。2回目以降も呼び出しを続ける捜査機関の理解としては,初回と同様かそれ以上に,「逮捕せず呼び出しで済ませてよい」と考えていることが見込まれているためです。

2回目以降の呼び出しを受けた場合には,それまでの適切な対応を無駄にしてしまうことのないよう,捜査機関の求めに可能な限り応じながら対応を継続するのが賢明でしょう。

児童ポルノ事件で弁護士ができること

万が一児童ポルノに該当してしまった行為を犯してしまった場合、すぐに弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に相談すると、主に以下のような対応を行ってくれます。

  • 被害者と示談交渉
  • 生活環境の改善を提案
  • 自首の同行

詳しく解説します。

被害者と示談交渉

児童ポルノ事件において、弁護士が果たす役割の1つに、被害者との示談交渉があります。

示談とは、事件に関与した双方が法的手続きを経ることなく、問題を解決するために行う交渉のことです。

児童ポルノ事件の示談では、加害者が被害者に対して賠償金を支払うことで、被害者が加害者を告訴しない、または刑事訴訟を起こさないという合意を結ぶことが一般的です。

しかし、児童ポルノ事件のように深刻な性犯罪である場合、示談だけでは刑事責任を免れることはできません。

弁護士は、この点を十分に理解した上で、被害者との合意形成を進めるとともに、裁判やその他の法的手続きを見据えた対応を行います。

児童ポルノは、暴行や窃盗などの事件と比較すると示談交渉は比較的難しいです。刑罰を軽くすること自体はできますが、必ず不起訴処分になるというわけではないため、覚えておいてください。

生活環境の改善を提案

児童ポルノを犯した背景には、個人の生活環境や心理的な要因が考えられます。そのため、弁護士ができることとして、生活環境の改善を提案します。

例えば、依存症や精神的な問題が関係している場合、弁護士は性犯罪再犯防止のクリニックの紹介やカウンセリングの受け入れを提案すると言った感じです。

適切な改善案の提案により、加害者が問題の根本的な原因を認識し、治療や改善に向けた前向きな取り組みを始めることができます。

また、弁護士は、加害者が自らの行動に対して責任を持ち、再犯を防ぐための環境づくりを進めることを推奨し、家族や支援機関との連携も積極的に行ってくれるのもメリットです。

一般的には、監督してくださるご家族様と努力をする本人の三者間で、改善案を提案します。児童ポルノを犯してしまった原因を追求した上で、行動スケジュールの把握やSNSの使い方などといった具体的な対策方法をご教示いたします。

自首の同行

弁護士は、加害者の自首に同行できます。自首は、犯罪を犯した者が自らの意志で警察に出頭し、罪を認める行為です。

自首することは、加害者が反省していることを示し、また社会復帰に向けた第一歩となる場合もあります。

しかし、自首には法的なリスクも伴うため、弁護士のアドバイスとサポートが重要です。

具体的には、加害者が自首する前に、警察や検察とのやり取りについて法的なアドバイスを行い、自首することによる影響を説明します。

自首により、刑事処分が軽減される可能性があることや、反省の意を示すことが裁判で有利に働く場合があることも伝え、加害者が冷静に判断できるようにサポートします。

自首をした場合,刑事処分は軽くなることが通常です。弁護士と同行する形で自首をすれば、適切な方法で進めることができるため,より罪の軽減につながりやすくなります。

児童ポルノ事件で弁護士に依頼するメリット

早期釈放

児童ポルノ事件は,逮捕された場合でも早期釈放の余地が残っている場合は少なくありません。もっとも,早期釈放を目指す場合,具体的な活動は弁護士に委ねざるを得ないものです。接見で必要な話し合いを行ったり,ご家族と連絡を取り合ったり,捜査機関や裁判所に必要なアクションを尽くしたりと,早期釈放に向けて弁護士でしかできないことは多岐に渡ります。

逮捕後に早期釈放を実現できるかどうかは極めて大きな分岐点であり,早期釈放の利益が非常に大きいことを踏まえると,早期釈放に向けて適切な弁護士を選ぶ必要性はとても高いと言えるでしょう。

不起訴処分

児童ポルノ事件では,不起訴処分となる場合とならない場合の区別が明確にはできないことが少なくありません。例えば,児童との間で示談が成立したとしても,不起訴になるわけではなく,起訴不起訴を分ける基準は不明確なことも多く見られます。また,否認事件の場合,故意という内心の問題が起訴不起訴を分ける最大のポイントとなることも珍しくありませんが,故意の有無は客観的な事情を踏まえて第三者が判断しなければならず,やはり個別の判断とならざるを得ません。

そうすると,児童ポルノ事件で不起訴処分を獲得するための具体的な手段をどうすべきかは,個別事件の内容を踏まえた専門家の判断以外には決めることが困難でしょう。
適切な方針で不起訴処分を目指すためには,適切な方針を決めてくれる弁護士選びが肝心です。

適切な取り調べ対応

児童ポルノ事件の場合,取調べに対してどのような対応を取ったか,どのような回答をしたか,という点が最終的な結果を左右することも少なくありません。例えば,認め事件の場合,反省や後悔,謝罪といった意思を適切に表明することで,情状面での考慮を期待できる可能性が上がります。また,否認事件では,法的な争点を踏まえて取調べに臨むのとそうでないのとでは大きな差が生じます。

もっとも,適切な取調べ対応が具体的にどのようなものか,ということは,専門的な知識や経験がなければ判断が難しいものです。そのため,個別事件の内容に応じた適切な取調べ対応を尽くすためには,弁護士選びを十分に行い,信頼できる弁護士との間で協議を尽くすことが必要と言えます。

児童ポルノ事件の弁護士を選ぶ基準

刑事処分の見通しが正確であるか

弁護士の活動方針は,見込まれる刑事処分の内容,程度によって異なることが通常です。弁護活動の有無で大きく結果が異なるのであれば,その点を積極的に案内する必要があり,一方で活動を尽くしても結果に大差が見込まれない点があれば,そこに多大な費用を充てて弁護活動を依頼すべき,とは案内しないのが通常です。

そうすると,弁護士の案内が適切であるかは,その弁護士が持つ処分の見通しが正確であるか,という点と密接な関係を持つことになります。弁護士の見通しがあいまい又は不正確であれば,その弁護士の案内が適切な内容であることは期待できません。

そのため,弁護士選びに際しては,弁護士の見通しが正確であるかを重要な基準とすることをお勧めします。もっとも,内容そのものの正確さを評価することは難しいため,実際の検討に際しては,見通しが具体的であって専門的な知識や経験がなければ案内できない内容か,といったことを基準とするのが有効でしょう。

聴き取り能力が十分か

弁護士選びに際しては,法律相談を行い,弁護士に話を聞いてもらうことが必要です。そのため,自然と弁護士による聴き取りの内容,方法を目の当たりにすることが見込まれますが,この聴き取り能力には大きな個人差が見られやすいものです。
事件の内容を踏まえて必要十分な内容を聴き取る手順の適切さ,聴き取り時の相手への配慮や話の仕方などは,法律的な知識や専門性以上に千差万別と言えるでしょう。

この点,弁護士の聴き取り能力は,事件を正確に把握するというのみでなく,弁護士を通じて示談を試みる場合の結果にも影響を及ぼす可能性があります。特に児童ポルノ事件の場合,当事者間で言い分の異なることが非常に多く,児童側は話を伝聞で聞いたのみの親権者が窓口となりやすいため,感情的な衝突を回避しつつ円滑な解決を目指すには,弁護士の聴き取り能力が重要な要素となります。

弁護士選びに際しては,弁護士の聴き取り方法,内容が適切か,という点を判断材料とするのが有益でしょう。

弁護士費用の見通しは明確か

弁護士への依頼に際しては,弁護士費用の支払が必要となります。この点,弁護士費用の金額や,費用が発生する条件は,法律事務所によって様々に異なります。

この点,児童ポルノ事件の場合,逮捕されるかどうか,示談できるかどうか,起訴されるかどうかなど,見通しの不透明な点が多くなりがちです。また,余罪のある場合には,余罪の捜査や逮捕,起訴はあるか,といった点も,個別のケースによります。
そのため,弁護士費用に関しても,どの場合にどの程度の費用がかかるのか,ということが事前に明らかでなければ,弁護士費用がトータルでいくらかかり得るのか,見通しを持つことができません。弁護士選びの際には,ケースごとの弁護士費用の見通しが明確か,ということに留意するのが望ましいでしょう。

なお,適切な弁護士選びができれば,数ある可能性のうちどのケースに当たるかの性が高いか,という見立てを聞ける場合も少なくありません。

弁護士と円滑に連絡できる方法があるか

弁護士と連絡を取る方法や連絡の頻度は,弁護士により様々です。特に,「弁護士と連絡したくても連絡が取れない」という問題は,セカンドオピニオンとして相談をお受けする場合に最も多く寄せられるお話の一つです。
電話をしても常に不通となって折り返しがない,メールへの返信も全くない,といったように,弁護士との連絡が滞るという問題は生じてしまいがちです。

そのため,弁護士とはどのような方法で連絡が取れるか,どのような頻度で連絡が取れるか,という点を重要な判断基準の一つとすることは,事件解決のために有力でしょう。

なお,法律事務所によっては,事務職員が窓口になって弁護士が直接には対応しない運用であるケースも考えられます。そのような運用が希望に合わない場合は,依頼後の連絡方法を具体的に確認することも有益でしょう。

児童ポルノ事件で示談を目指すメリット

児童ポルノ事件で示談する意味

児童ポルノ事件の場合,示談されてもなお起訴される可能性はあるため,示談をすることにどのような意味があるのか,という疑問を持たれる場合もあり得るところです。
この点,結論的には,児童ポルノ事件の示談には大きな意味がある,と考えるのが適切でしょう。具体的には,以下のような意味があり得ます。

処分の軽減

児童ポルノ事件で示談しても不起訴にならないことがある,というのは,示談に不起訴の可能性を高める効果がないという意味ではありません。示談は間違いなく不起訴の可能性を高める重要な要素です。
また,仮に示談で起訴が避けられなかったとしても,起訴後の処分の重さは示談するのとしないのとで大きな差が生じます。

刑事処罰には,大きく分けて罰金,執行猶予,実刑という3種類の内容があります。

刑事罰の種類

この点,罰金で終了すれば,公開の裁判を受ける必要なく,金銭の支払だけで手続が終了するため,最も軽微な処分と言えます。一方,執行猶予では刑務所には入らないものの公開の裁判を受けることになり,実刑では直ちに刑務所へ収容されることとなります。

児童ポルノ事件では,初犯の場合に執行猶予又は罰金という処分が多く見られますが,示談によって執行猶予が罰金になったり,同じ罰金でも罰金額が大きく減少したりと,示談を考慮した処分の軽減となるのが通常です。

なお,罰金額の減少は,より軽微な前科しか残らなかったということになるため,万一その後に別件で刑事処分を受けた場合の重さに大きな影響を及ぼします。

逮捕の回避

児童ポルノ事件は,捜査に際して逮捕される場合されない場合いずれも考えられる事件類型です。そして,逮捕を行うかどうかは,捜査の初期段階で判断されることもあれば,捜査がある程度進行した段階で判断されることもあります。

この点,比較的早期に示談が成立すれば,その後に逮捕される可能性は非常に低くなるでしょう。特に逮捕するべき事情が他になければ,示談が成立した児童ポルノ事件で逮捕されることは考え難いと言っても過言ではありません。

示談を早期に試みることで,示談そのものの成功率も高くなりやすいため,迅速に示談を進め,逮捕を回避することを目指すのは非常に有力でしょう。

金銭請求の予防

児童ポルノ事件が発生した場合,児童の親権者から,児童に生じた損害の賠償を請求される可能性があり得ます。例えば,児童ポルノの流出によって精神的苦痛を受けた,不登校になってしまった,精神疾患が生じてしまったなど,児童の生活に支障が生じた場合には,具体的な損害もあるため,その損害を金銭で埋め合わせるよう求められる可能性が高くなるでしょう。

この点,示談の成立は当事者間の金銭問題の解決を意味するものです。示談が成立すれば,その後に金銭請求を受ける筋合いは法的になくなります。そのため,談が成立することで,その後の一切の金銭請求が予防でき,大きな安心につながるでしょう。

児童ポルノ事件の示談金相場

児童ポルノ事件のうち,最も代表的な児童ポルノ製造事件では,概ね30~50万円ほどが示談金の目安とされやすいでしょう。

この点,示談金額に影響を及ぼす事情としては,主に以下の各事項が挙げられます。

示談金を増減させる事情

1.製造に至った経緯
→児童の意思を強く誘導しているほど増額要因になる

2.児童ポルノの数・内容
→数が多く,過激であるほど増額要因になる

3.児童の年齢
→年齢が低いほど増額要因になる

4.生活への影響
→児童の私生活や学校生活に具体的な支障があると,増額要因になる

5.親権者の受け止め
→親権者が,児童が被害を受けたという認識を強く持つ場合,増額要因になり得る

6.加害者側の経済力
→経済力に限りがある場合,減額要因になる

児童ポルノ事件の示談内容・条項

一般的な示談条項

【確認条項】

加害者の被害者に対する支払金額を確認する条項です。

【給付条項】

確認条項に記載した金銭の支払をどのように行うのかを定める条項です。

【清算条項】

示談で定めた条項以外には,当事者間に権利義務の関係がないことを定める条項です。清算条項があることによって,児童側からの金銭請求を未然に防ぐことが可能になります。

【宥恕条項】

宥恕(ゆうじょ)条項とは,被害者が加害者を許す,という意味の条項です。
示談が刑事処分に有利な影響を及ぼすのは,基本的にこの宥恕条項があるためです。被害者が加害者を許している,という事実が,刑事処分を劇的に軽減させる要素となります。

児童ポルノ事件で特に定めやすい条項

【連絡禁止・接触禁止】

児童側に対する一切の連絡を禁じ,その他方法の手段を問わず接触することをあわせて禁止する条項です。
児童ポルノの事件では,加害者と児童とが知り合い,性的な内容のコミュニケーションを交わすことを通じて生じることが大多数です。そのため,原因となったコミュニケーションを将来に渡って絶つことが,示談の条件として定められやすい傾向にあります。

【児童ポルノの削除・撮影機器の処分】

児童側は,児童ポルノの流出を強く懸念していることが通常です。加害者側に流出させる意図が全くなかったとしても,言葉のみでは信用し難いとのリアクションを受けることは珍しくありません。

そのため,当該児童ポルノ画像・映像を削除することや,撮影に用いた機器を処分することを条項に盛り込み,児童側の安心につながる示談内容とするケースも少なくありません。
場合によっては,データを処分したことや機器を処分したことの根拠を事前に示すこともあり得るでしょう。具体的な方法は,個別の協議によるところです。

【SNSアカウントの削除】

当事者がSNSを通じて知り合った場合,該当するSNSアカウントを削除し,連絡方法を具体的に失わせることも考えられます。
これは,連絡禁止をより確かにするため追加で設ける条項,という意味合いが強いでしょう。

児童ポルノの逮捕に関するよくある質問

最後に、児童ポルノの逮捕に関するよくある質問の回答を3つご紹介します。

  • 児童ポルノは見ただけでも逮捕されるの?
  • 児童ポルノをダウンロードしてしまい削除しても逮捕されるの?
  • 児童ポルノで逮捕されたら実名報道されるの?

疑問点をあらかじめ解消できるよう、ぜひ参考にしてください。

児童ポルノは見ただけでも逮捕されるの?

児童ポルノを見ただけで逮捕されるのかという問題については、実際のところただ見るだけで逮捕されるわけではありません。

日本の法律では、児童ポルノの所持や製造、販売を厳しく禁じており、これに違反した場合には罰則が科されます。

しかし、ダウンロードして保存すれば児童ポルノの「所持」とみなされてしまい、刑罰の対象となるため、注意してください。

児童ポルノをダウンロードしてしまい削除しても逮捕されるの?

児童ポルノをダウンロードしたという時点で刑罰の対象になりますが、すぐに削除した場合は、児童ポルノ法違反をした確証が得られないため、逮捕されない可能性はあります。

ただし、先ほどもお伝えしたとおり、所持すれば刑罰対象になり、一度でもダウンロードしてしまうと、児童ポルノ禁止法違反に抵触します。

たとえ削除したとしても、警察の捜査によってデータを復元されることも十分考えられますので、絶対にダウンロードするのはやめましょう。

児童ポルノで逮捕されたら実名報道されるの?

児童ポルノは重い刑罰に当たるため、逮捕された場合、実名報道される可能性は高いです。

児童ポルノ事件によって逮捕されてしまい、実名報道されると、社会からは厳しい目が向けられるのはもちろん、社会的信用を失い、職や家族、友人などを失うリスクがあります。

今後の生活に多大なる悪影響を及ぼすため、絶対に児童ポルノ違反に該当する行為をするのはやめましょう。

児童ポルノで逮捕されたもしくはされる前に弁護士へご相談を

児童ポルノ違反に該当する行為をしてしまった場合、逮捕される可能性は正直高いです。

業者が摘発されたり、第三者から通報が入ったりなど、思わぬ出来事で発覚する恐れがあるため、絶対にしてはいけません。

もししてしまったら、速やかに弁護士に相談し、なるべく刑罰を軽くしてもらい、再発防止に務めることが大切です。

藤垣法律事務所は、500件を超える様々な刑事事件に携わった実績ある弁護士が在籍しており、児童ポルノに関する解決実績も含まれています。

迅速な対応と適切な解決策を速やかに提案させていただきます。初回相談は無料ですので、不安な方はぜひ一度下記からご相談ください。

特設サイト:藤垣法律事務所

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