「駐車中に当て逃げされたけど、犯人を特定できる方法はある?」
「ドライブレコーダーってエンジンを切っても録画できるの?」
このような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。
結論、駐車中の当て逃げ対策には「駐車監視機能付きドライブレコーダー」を設置することが有効です。
常時監視によって、衝撃を検知した瞬間の映像を記録できるため、加害者の特定や保険申請の際に大きな助けとなります。
そこで本記事では、駐車中の当て逃げにあった際の対処法やドライブレコーダーで犯人を捕まえられるのかなどについて、詳しく解説します。
この記事の監修者
藤垣法律事務所
代表 藤垣 圭介
全国に支店を展開する弁護士法人で埼玉支部長を務めた後、2024年7月に独立開業。
これまでに刑事事件500件以上、交通事故案件1,000件以上に携わり、豊富な経験と実績を持つ。
トラブルに巻き込まれて不安を抱える方に対し、迅速かつ的確な対応で、安心と信頼を届けることを信条としている。
駐車中の当て逃げにあった際の対処法

駐車中の当て逃げに気づいたとき、冷静に正しい手順で対応することがその後の損害補償や犯人特定のカギとなります。
ここでは、実際に当て逃げに遭った際に行うべき具体的なステップを順を追って解説します。
事故の状況を確認して写真・動画で記録する
まず最初にすべきことは、現場の状況を正確に記録することです。
車体のどの部分が損傷しているか、周囲に落ちている破片や塗料の跡がないかなどを細かく確認し、スマートフォンなどで写真や動画を撮影しておきましょう。
記録は可能な限り多角的に残すことが大切で、時間帯や天候、駐車位置も明確に写しておくと後の証拠として有効です。
こうした映像は、警察の現場検証や保険会社の調査時に重要な判断材料となります。
ドライブレコーダーの映像を保存する
次に、ドライブレコーダーを設置している場合は、すぐに映像データを確認して保存しましょう。
多くのドライブレコーダーには、衝撃を検知すると自動で記録する「イベント録画機能」や「駐車監視モード」が搭載されています。
映像には、加害車両のナンバーや色、走行方向など、特定につながる手がかりが残っている可能性があります。
事故が起きた時間帯の映像を上書きされないように別のデバイスにコピーすることが重要です。
警察に連絡する
証拠を確保したら、必ず警察に連絡しましょう。当て逃げは「道路交通法違反」にあたり、被害届を出すことで正式に事故として扱われます。
通報時には、現場の住所や車両の状況、撮影した写真やドライブレコーダー映像の有無を伝えるとスムーズです。
警察が到着したら、現場の説明を丁寧に行い、被害届を受理してもらうことで、後の保険申請や示談交渉を有利に進めることができます。
保険会社へ連絡して事故対応を依頼する
警察への連絡が終わったら、次に保険会社へ速やかに連絡します。
自動車保険では、車両保険や無過失事故特約などを活用することで修理費の負担を軽減できる場合があります。
連絡の際には、警察の受理番号や事故状況、ドライブレコーダーの映像データを共有しておくと、保険会社による事故処理がスムーズです。
必要に応じて弁護士に相談する
加害者が特定されない、あるいは示談交渉でトラブルが発生した場合には、弁護士への相談も有効です。
弁護士は損害賠償請求や保険金の受け取りに関する法的手続きを代行してくれます。
とくに修理費や慰謝料の請求で相手側との折り合いがつかないケースでは、専門家のサポートを受けることで円滑な解決が期待できます。
駐車中の当て逃げにあった場合はドライブレコーダーで捕まる確率はどのくらい?

ドライブレコーダーが普及したことで、当て逃げ犯の検挙率は確実に上昇しています。
駐車中の当て逃げによる統計データはありませんが、令和5年度犯罪白書|法務省 によると、轢き逃げだと全検挙率が約70%あります。
重症事故検挙率は約80%、死亡事故検挙率は100%と、重大な事故ほど検挙率が高くなっていることから、警察も捜査に力を入れていることがわかります。
とくに駐車監視機能付きのドライブレコーダーは、エンジン停止中でも衝撃を検知して録画できるため、夜間や無人駐車場での当て逃げにも有効です。
ただし、撮影角度や映像の解像度によって特定の難易度は異なります。
確率を上げるには、ナンバープレートがはっきり映る位置に設置し、定期的な点検を欠かさないことが重要です。
ドライブレコーダーに当て逃げの状況が録画されている場合、加害者を特定する決定的な証拠になりやすいです。しっかりと録画できていないケースを除けば、ほとんどのケースでドライブレコーダーの内容を根拠に捕まると言っても過言ではないでしょう。
ドライブレコーダーが駐車中の当て逃げで役立つ理由

ドライブレコーダーは、当て逃げ被害時の証拠を残せる有力なツールです。ここからは、どのような点で実際のトラブル対応に役立つのかを具体的に説明します。
証拠として加害者特定に役立つ
ドライブレコーダーのメリットは、加害者を特定するための明確な証拠を残せることです。
録画映像には、車種・ナンバー・ぶつかる瞬間の動きなどが記録されており、警察が捜査を行う際の重要な資料になります。
とくに夜間や屋外駐車場など目撃者が少ない状況でも、カメラの映像があれば加害車両を割り出す手がかりとなります。
こうした映像証拠は、被害者が一方的な泣き寝入りを防ぐためにも欠かせません。
保険会社や警察への対応がスムーズになる
ドライブレコーダー映像は、警察や保険会社への報告時にも大いに役立ちます。
被害状況を言葉だけで説明するよりも、映像を提示することで事故の発生タイミングや被害の程度が明確に伝わります。
そのため、調査や保険金の支払い手続きが迅速に進みやすくなり、修理や補償にかかる時間的なロスを減らせるのです。
とくに過失の有無を巡るトラブルを回避する上でも、客観的な記録として信頼性が高いと言えます。
トラブル解決や示談交渉を有利に進められる
当て逃げの加害者が特定された後、修理費や慰謝料を巡って示談交渉が行われる場合にも、ドライブレコーダー映像は有力な交渉材料となります。
映像があることで、被害の発生を否定されにくく、正当な補償を主張しやすくなります。
また、加害者側の弁解や虚偽の証言を防ぐ効果もあり、被害者にとって精神的な安心感を得られる点も大きな利点です。
ドライブレコーダー以外に駐車中の当て逃げを防ぐための対策

ドライブレコーダーは有効な防止策ですが、完璧ではありません。物理的・環境的な対策を組み合わせることで、より高いレベルで当て逃げを防ぐことが可能です。
ここからは、ドライブレコーダー以外に駐車中の当て逃げを防ぐための対策方法を詳しく解説します。
駐車スペースや車両の配置を工夫する
まず重要なのは、駐車する場所の選び方です。通行量が多く死角の少ない位置、監視カメラが設置された駐車場を選ぶことで、当て逃げのリスクを減らせます。
壁際や隣の車との間隔が狭い場所を避け、出入りしやすい場所に駐車することも有効です。
また、照明が十分にある場所では、夜間でも周囲の様子を確認しやすく、犯行の抑止効果が期待できます。
防犯カメラや駐車場の安全設備を活用する
マンションや商業施設の駐車場では、防犯カメラの有無を確認しておきましょう。
最近では、管理会社が映像データを一定期間保存しているケースも多く、万一の際には加害車両の特定に役立ちます。
個人宅であれば、安価な防犯カメラやモーションセンサー付き照明を設置するのも効果的です。これらの設備は、当て逃げだけでなく盗難防止にも有効です。
駐車保険や補償内容を見直す
保険の内容を定期的に確認し、駐車中の事故に対応できる補償が含まれているかをチェックしておくことも大切です。
車両保険の中には、当て逃げ被害を補償対象としているプランもあります。
特約を活用すれば、加害者が見つからなくても修理費の一部が補填される場合があるため、加入前に詳細を把握しておくと安心です。
車両の防犯装置やアラームを活用する
最近の車には、衝撃を検知すると警報音を発する防犯アラームや、スマートフォンに通知を送るセキュリティシステムが搭載されているモデルもあります。
これらを活用すれば、当て逃げが発生した瞬間に気づく可能性が高まり、加害者が逃走する前に対応できる場合もあるでしょう。
こうした機能を併用することで、ドライブレコーダーだけに頼らない防犯体制を築くことができます。
まとめ:ドライブレコーダーと早めの対応で安心を確保
駐車中の当て逃げは、いつ誰にでも起こりうるトラブルです。
しかし、ドライブレコーダーを正しく設置し、被害に気づいた際に迅速に対応すれば、加害者特定や補償の面で大きな違いが生まれます。
映像の記録だけでなく、警察・保険会社への連絡、弁護士への相談などを組み合わせることで、損害を最小限に抑えることが可能です。
予防策として駐車環境や保険内容を見直し、「記録と行動」で自分の車をしっかり守りましょう。











